有価証券報告書(内国投資証券)-第8期(平成29年11月1日-平成30年4月30日)

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2018/07/30 15:07
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(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、世界有数の独立系資産運用会社であるインベスコ・グループに属する本資産運用会社が資産の運用を受託する投資法人です。本投資法人は、本資産運用会社による資産運用を通じて、投資運用のスペシャリストが投資主価値向上の観点から選定した、日本の大都市圏に所在する大規模オフィスビルを中心とする物件に投資する機会を投資家に提供し、本投資法人の投資主価値の最大化を実現することを基本理念とします。
② 本投資法人の特徴
本投資法人は、主に投資対象を日本国内の資産とし、主として東京圏をはじめとした大都市圏に所在する大規模オフィスビルに投資を行いつつ、大都市圏以外の地域に所在する大規模オフィスビル及び中規模オフィスビル、商業施設、住宅、ホテル、物流施設、その他の物件(これらの複合施設を含みます。以下同じです。)にも厳選して投資を行うとともに、これらの資産を堅実に運用することを通じて、中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上を目指します。
本投資法人は、投資運用に関し高い専門性を有するインベスコ・グループに属する本資産運用会社が、日本における長期の投資運用実績を通じて培った豊富なノウハウを最大限に活用するとともに、アセットマネジメントを専門として行う中で培った投資主価値に対する理解及び厳格なガバナンス体制に基づく投資運用を通じて、投資主価値の最大化を追求します。
(ア)東京を中心とした大都市圏に所在する大規模オフィスビルへの重点投資
本投資法人は、企業・労働力が集中し経済活動の中心拠点となる大都市圏は、オフィスビルのマーケット規模が相対的に大きいことから、投資機会が豊富であり、また、相対的に高い賃貸需要が見込まれるものと考えています。加えて、大規模オフィスビルは、一般的に、賃料負担力の高い優良企業の入居により相対的に高い賃料を安定的に享受できるものと考えています。更に、大規模オフィスビルは、商業施設やホテルを併設している場合があり、かかる場合には、大規模オフィスビルとしての賃料の安定性に加え、これらのセクターによる賃料収入増加によるアップサイドを期待できる場合があります。
そこで、本投資法人は、東京を中心として大都市圏に所在する大規模オフィスビルに重点投資し、中長期的に安定的な収益を上げることのできるポートフォリオを構築します。
(イ)インベスコ・グループの高い専門性を活用した投資運用
インベスコ・グループは、グローバルな運用力を提供している世界有数の独立系資産運用会社です。
インベスコ・グループの一事業部門であるインベスコ・リアルエステート(注1)は、グローバルな不動産直接投資(注2)及び上場不動産証券等(注3)の不動産関連商品の運用を世界有数の規模で展開することを通じて、投資運用ノウハウを培っています。
また、このようなグローバルな事業展開により、国内不動産への投資に関する国内外の投資家の動向を早期かつ正確に把握することが可能です。本投資法人は、インベスコ・グループの高い専門性を投資運用に活用していきます。
(注1)「インベスコ・リアルエステート」とは、インベスコ・グループにおいて、グローバルに不動産事業を展開する事業部門及び法人の総称です。インベスコ・リアルエステートの事業概要については、後記「③ インベスコ・グループの概要」をご参照下さい。
(注2)「不動産直接投資」とは、不動産及び不動産を信託する信託の受益権に対する投資を中心とし、加えて不動産対応証券又は不動産関連ローン等の資産を対象として行う投資を含みます。
(注3)「上場不動産証券等」とは、世界各国の証券取引市場に上場しているREITの投資口及び不動産会社の株式をいいます。
(ウ)実績豊富な独立系資産運用会社による投資運用
本資産運用会社は、日本国内で過去19年間(注1)にわたり不動産の投資運用を行い、累積投資額約1.2兆円、延べ128棟の投資運用実績(2018年6月30日時点)(注2)を有しています。また、独立系資産運用会社として、系列を超えた様々なマーケットプレーヤーとの間で幅広いネットワークを構築しており、これらを最大限活用し、本投資法人のポートフォリオの拡大を図ります。
また、大都市圏に所在する大規模オフィスビルを重点投資対象資産とする本投資法人において、本資産運用会社の豊富なリーシング実績及びリニューアル実績並びに区分所有物件・共有物件に係る豊富な運用実績は、本投資法人の資産価値の向上に大きく寄与するものと考えています。
加えて、独立系資産運用会社である本資産運用会社は、特定の不動産開発事業者等の利害に左右されることなく、当該物件に最適なPM会社及びビルマネジメント会社(以下「BM会社」といいます。)を選定することが可能です。これにより、本投資法人は最適なマネジメント・サービスを継続的に享受できるものと考えています。
独立系資産運用会社としてアセットマネジメントを専門に行ってきた本資産運用会社は、投資主価値に対する理解に基づき資産運用を行っていますが、これに加えて投資主利益と連動した運用報酬体系を採用することで、投資主利益を最大限追求していきます。
(注1) エイアイジー・グローバル・リアルエステイト・インベストメント・ジャパン・コーポレーション(2006年6月にAIGグローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インクに商号変更)としての運用開始時期(1999年)からの投資運用実績です。
(注2) 2010年12月にアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)からインベスコ・グループが本資産運用会社(当時の商号:AIGグローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク)の譲渡を受けた際、本資産運用会社が運用を継続していた資産に係る投資運用実績及び当該承継後の投資運用実績の合計値です。
③ インベスコ・グループの概要
(ア)インベスコ・グループの概要
インベスコ・グループは、グローバルな運用力を提供している世界有数の独立系資産運用会社です(2018年3月31日時点のインベスコ・グループの受託運用資産残高は9,342億米ドル(約99.2兆円)(注)、うち不動産関連商品運用資産残高は648億米ドル(約6.9兆円)(注)です。)。インベスコ・グループはグローバルな事業展開を図り、世界20ヶ国以上に拠点を擁しています。
(注) 受託運用資産残高及び不動産関連商品運用資産残高の通貨については、2018年3月31日現在における各通貨と米ドルとの為替レートにより米ドルに換算の上で算出しています。また、上記の受託運用資産残高及び不動産関連商品運用資産残高は、当該米ドル換算後の数値を同日現在の為替レート(1米ドル=106.205円)にて換算しています。
<インベスコ・グループのグローバルネットワーク(2018年3月31日現在)>(注) インベスコ・リアルエステートの事業所が所在する都市を太字で記載しています。
(イ)インベスコ・リアルエステートの概要
インベスコ・グループの一事業部門であるインベスコ・リアルエステートは、不動産直接投資及び上場不動産証券等の不動産関連商品の運用を世界21事業所(アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域)でグローバルに展開しており、2018年3月31日時点の不動産関連商品に係る受託運用資産残高は全世界で648億米ドル(約6.9兆円)(注)、うち不動産直接投資の運用資産残高は470億米ドル(約5.0兆円)(注)です。インベスコ・リアルエステートにおいては、様々な不動産関連商品をグローバルに運用してきた実績に基づき、新規物件取得時の物件選定及び価格算定、物件取得後の運用において、投資不動産の特性に応じた適切な方針を策定し実行しています。
(注) 不動産関連商品に係る受託運用資産残高及び不動産直接投資の運用資産残高の通貨については、2018年3月31日現在における各通貨と米ドルとの為替レートにより米ドルに換算の上で算出しています。また、上記の不動産関連商品に係る受託運用資産残高及び不動産直接投資の運用資産残高は、当該米ドル換算後の数値を同日現在の為替レート(1米ドル=106.205円)にて換算しています。
<インベスコ・リアルエステートの運用資産残高の推移>出所: インベスコ・グループ
(注) 上記グラフの数値は、各年の12月末日時点のものです。但し、2018年は3月末日時点の数値です。
<不動産直接投資の内訳(2018年3月31日現在)>出所: インベスコ・グループ
(注) 比率は、小数第1位を四捨五入して記載しています。
2018年6月30日時点において、インベスコ・リアルエステートの日本国内における不動産直接投資の受託運用資産残高は約3,711億円となっています。インベスコ・リアルエステートは、日本国内の不動産市場において豊富な運用実績を有しており、また、国内投資家の動向や国内不動産マーケットの状況を把握することを可能にする情報ネットワークを構築しています。
加えて、前記のグローバルな拠点展開により、海外投資家の日本の不動産への投資態度を早期かつ正確に把握し、海外投資家が保有する国内不動産の売却情報を早期に取得することが可能です。また、国内不動産に関するマーケット動向等をグローバルな見地から把握することにより、日本国内における不動産の取得や売却のタイミングをより的確に見極めるよう努めます。
更に、インベスコ・リアルエステートは、実物不動産への直接投資を重点的に行いつつも、上場型の不動産証券への投資についても実績を有しています。インベスコ・リアルエステートは、リースアップ、リニューアルの経験や価格向上後の売却実績、レンダーへのアプローチ等を通じた物件取得に関するノウハウや、レバレッジ・コントロールに関するノウハウを有するなど、上記の実績を通じて多面的な不動産投資運用ノウハウを有しています。
本投資法人は、本資産運用会社を通じ、かかるインベスコ・リアルエステートの豊富かつ多面的な投資運用ノウハウを活用することにより、安定的収益の確保とともにアップサイドの利益享受も期待できるものと考えています。
(ウ)本資産運用会社の特徴
インベスコ・グループにおいてグローバルに不動産事業を展開するインベスコ・リアルエステートに属する本資産運用会社は、日本国内における不動産投資運用を担っています。
本資産運用会社は、独立系資産運用会社であることの強みを活かして、特定の利害関係人(不動産開発事業者等)の利害に左右されることなく、投資家の目線に立った投資運用を遂行することが可能であると考えています。また、本資産運用会社の実績に裏付けられた優れた投資運用力を活用することにより、本投資法人は中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上が可能と考えています。
a.独立系資産運用会社としての強み
(ⅰ)インベスコ・グループの経営理念に基づいた投資家の目線に立った「顧客第一主義」の実践
(ⅱ)系列を超えた様々なマーケットプレーヤーとの間で構築された幅広いソーシング・ルートを通じた成長機会の確保
(ⅲ)特定の不動産開発事業者等の利害に左右されることのない最適なPM会社及びBM会社の選定
b.日本国内における長期にわたる実績に裏付けられた投資運用力
(ⅰ)過去19年間において、年間平均約1,000件の物件情報を入手してきたソーシング力
(ⅱ)累積投資額約1.2兆円、延べ128棟(うち、大規模オフィスビルへの投資が占める割合は総取得価格ベースで約74%)、受託運用資産残高約3,711億円の運用実績(2018年6月30日時点)に裏付けられた資産運用力
c.幅広いネットワークを有するスペシャリストによる投資運用
(ⅰ)投資運用のスペシャリストとしての採用・長期にわたるノウハウの蓄積(スポンサーからの出向社員の出入り等の人事ローテーションの不存在)
(ⅱ)金融・不動産分野での長期にわたる経験・実績に基づく幅広いネットワーク
④ 本投資法人の重点投資対象
本投資法人は、ポートフォリオ全体として中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上を目的とし、大都市圏に所在する大規模オフィスビルを重点投資対象資産とします。他方、本投資法人は、相対的に高い利回りが期待できる地方政令指定都市等に所在する物件についても投資対象とし、厳選して投資を行っていきます。但し、投資対象地域については、大都市圏だけでなく、相対的に高い利回りが期待できる大都市圏以外の地域にも厳選して投資を行います。また、物件の用途についても、大規模オフィスビルだけでなく、中規模オフィスビル、商業施設、住宅、ホテル、物流施設、その他の物件についても厳選して投資を行うものとします。
(ア)大都市圏の大規模オフィスビルの優位性
本投資法人は、企業・労働力が集中し経済活動の中心拠点となる大都市圏は、オフィスビルのマーケット規模が相対的に大きいことから、投資機会が豊富であり、また、相対的に高い賃貸需要が見込まれるものと考えています。加えて、大規模オフィスビルは、一般的に、賃料負担力の高い優良企業の入居により、その他のオフィスビルに比べて相対的に高い賃料をそのスペックに応じて安定的に享受できるものと考えています。
また、景気回復局面において先行して賃料上昇を見込める大規模オフィスビルについては、賃料の増額及び稼働率の上昇を通じた収益のアップサイドの享受も期待されます。また、大規模オフィスビルは、立地エリアにおいて相対的に厚いテナント需要が見込まれ、テナントの分散化や柔軟な賃料設定を行うことで高い稼働率を維持することも可能であると考えられます。更に、大規模オフィスビルは、商業施設やホテルを併設している場合があり、かかる場合には、これらのセクターによる賃料収入増加によるアップサイドを期待できる場合があります。
本投資法人は、これらの観点から競争優位性があると考える、大都市圏に所在する大規模オフィスビルに重点的に投資するとともに、きめ細かなプロパティ・マネジメント・サービスを通じたテナント満足度の維持・向上を通じて、中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上を図ります。

(イ)重点投資対象地域―大都市圏
本投資法人は、東京圏、大阪市、名古屋市及び福岡市を大都市圏と定義し、重点投資対象地域として設定しています。
大都市圏は経済活動の基盤と位置付けられ、ビジネスや消費の拠点として中心的な役割を果たしています。特に、東京都を中心とする東京圏における経済活動の集中度の高まりは顕著であり、大阪市、名古屋市及び福岡市においても、同様の傾向が見られます。
なお、投資対象地域については、後記「⑥ 本投資法人の投資方針」をご参照下さい。
⑤ 本投資法人の成長戦略
(ア)外部成長戦略
本投資法人は、本書の日付現在において約2,204億円の資産規模(取得価格ベース)を有し、中長期的に更なるポートフォリオの規模拡大を目指します。本資産運用会社の役職員が有する多様な知識、経験及び高い専門性並びに不動産及び金融分野を中心とする独自の幅広いネットワークを活用し、ポートフォリオの質及び収益性の向上に資する優良な物件の取得機会を追求します。また、リサーチ・チーム、アセットマネジメント部及びインベストメント部それぞれの分析力や知見・ノウハウを融合し、優良な物件を厳選の上、投資を行います。

a.本資産運用会社の物件ソーシング力及びネットワーク
独立系資産運用会社である本資産運用会社は、特定の利害関係人(不動産開発事業者等を含みます。)の利害に影響されることなく、また、その属性等による取引関係の制約を受けることもありません。日本国内において過去19年間にわたって不動産の投資運用を行い、累積投資額約1.2兆円、延べ128棟の投資運用実績(2018年6月30日時点)を積み上げてきたことにより、本資産運用会社は不動産関連会社及び金融機関を中心とし、事業会社や不動産投資ファンド等の様々なマーケットプレーヤーと緊密な関係を構築しています。また、海外投資家や外資系ファンドとの直接的なリレーションシップを通じ集積される情報をベースに、海外投資家等が日本国内に保有する不動産の売却情報をいち早く入手することが可能であるという特徴も有しています。
また、本資産運用会社の役職員の多くは、金融機関や不動産関連会社において勤務した経験を有し、本資産運用会社の経験を含めて、投資運用等に関する知識やノウハウを蓄積し、また人脈を形成してきました。
本資産運用会社は、これらを活用して1999年以降の過去19年間において年間平均約1,000件の物件情報を入手しています。なお、上記の投資運用実績のうち、件数ベースで約88%、総取得価格ベースで約82%は、仲介会社を介さず、売主より売却物件の情報を直接入手したものです。
<日本における累積投資額>(注1) 累計投資額は総取得価格をベースとしています。なお、上記の累計投資額には、2010年12月にアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)からインベスコ・グループが本資産運用会社(当時の商号:AIGグローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク)の譲渡を受けた際、本資産運用会社が運用を継続していた資産に係る投資実績を含みます。
(注2) 上記グラフの数値は、各年の12月31日時点の数値です。但し、2018年は6月末日時点の数値です。
b.三部門の融合による不動産投資プロセス
本資産運用会社においては、以下のとおりインベスコ・リアルエステートのリサーチ・チームにおけるトップダウン・アプローチからのマクロ環境分析、本資産運用会社のインベストメント部におけるボトムアップ・アプローチによる個別物件の綿密な分析及び本資産運用会社のアセットマネジメント部における運用実績に基づく知見・ノウハウの三部門を融合することにより、取得物件を厳選します。
(ⅰ)リサーチ・チームにおけるトップダウン・アプローチ
リサーチ・チームは、マーケットの将来予測等のマクロ環境分析に基づき、本投資法人の投資対象地域の中から本投資法人の目線に合うリターンを確保できる地域の選定を行います。
リサーチ・チームはアジア太平洋地域をはじめ、アメリカ、ヨーロッパの主要な不動産マーケットを調査対象としており、他部門から独立したセクションとして、上場不動産証券等投資部門と不動産直接投資部門の双方に情報を提供しています。
リサーチ・チームは機関投資家向けのマーケットレポート「グローバル・ハウスビュー」を年2回発行しています。かかるレポート作成のプロセスは、トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチとの融合を具体化するものであり、また、その内容はインベスコ・リアルエステートにおける投資戦略の策定及び実行の基礎となっています。

(ⅱ)インベストメント部におけるボトムアップ・アプローチ
本資産運用会社においては、インベストメント部において定性面・定量面の双方を考慮し、本投資法人のポートフォリオとの適合性をも含めた個別物件の多角的な分析を行うことで、投資物件を厳選します。

(ⅲ)アセットマネジメント部での運用実績に基づく知見・ノウハウの反映
本資産運用会社のアセットマネジメント部は、日本国内において過去19年間にわたり延べ128棟をマネジメントしてきた運用実績及びこれに基づき蓄積された知見・ノウハウを有しており、インベストメント部はこれを物件取得時の適正評価に活用するなど不動産投資の分析に反映します。
(イ)内部成長戦略
本投資法人は、保有する運用資産につき、効率的かつ計画的な運用管理を積極的に推進することにより、中長期にわたる安定的な収益の向上を目指します。その具体的な内容は、主として以下のとおりです。
a.物件収益の最大化
(ⅰ)収益の安定維持と賃料収入の拡大
本資産運用会社は、物件毎に適正な賃料水準を設定し、かかる水準に比べて低廉な賃料で推移する物件の既存テナントには、交渉を通じ、賃料の引き上げに努めます。こうした既存テナントとの交渉に際しては、既存テナントとの密接な関係を構築し維持することが重要であり、既存テナントへのきめ細かいサービス提供によりその満足度を高めることは、長期にわたる賃貸運営を通じた収益の安定・向上の観点からも重要な要素であると考えています。
(ⅱ)早期リーシングのサポートと稼働率の維持・向上
本資産運用会社は、マーケットレポートや近隣の賃貸事例を検討の上、物件毎に適正な賃料水準、リーシング方法等を策定しています。
また、現空室のみでなく、解約予告のあった物件を含めた空室率を2週間に1度の目安で算出するとともに、PM会社との連携を密にすることにより、解約・増減床・賃料減額等を検討している既存テナントの動向も含めて早期かつ正確にテナント動向を把握・分析した上で、ファンドマネージャーを含めて物件の動向を共有する定例会議(2週間に1度程度)を実施します。リーシング戦略の策定・修正等を柔軟かつスピーディーに図るとともに、(オフィスビル、商業施設等については)テナント分散に配慮したリーシングを行うことを通じて、早期リースアップ、稼働率の維持・向上を図ります。
(ⅲ)賃料以外の収入の強化
運用不動産について、屋上・敷地内の広告看板設置、携帯電話の基地局アンテナの設置、駐車場の空き区画の駐車場運営会社への一括転貸及び自動販売機等のベンダーの集約等によって、賃料以外の収入の強化を図っていきます。なお、ホテル等のオペレーショナルアセットについては、後記「⑨ 資産管理方針/(イ)リーシング・マネジメント」に記載の基準に従い選定されたオペレーターを適切に監督し、その運営能力を最大限発揮させることにより、ホテル等の収益の増加を図るものとします。
b.最適なPM会社及びBM会社の選定
本資産運用会社は、独立系資産運用会社であるため、対象不動産の所在地域や用途・規模等の特性に加えて、入居中のテナントとのリレーションシップの有無及び本資産運用会社との過去の実績や報酬の水準等に鑑み、幅広い取引先の中から最適なPM会社及びBM会社を選定していきます。また、PM会社及びBM会社に対して、業務遂行水準等の定量的な評価を毎年実施し、本資産運用会社が定める基準に満たない場合には是正を要望するとともに、必要に応じてPM会社及びBM会社の変更を実施していきます。これらにより当該物件に最適なマネジメント・サービスを継続的に享受できるものと考えます。
c.支出の削減
本投資法人は、上記のとおり当該不動産に最適なPM会社やBM会社を選定した上、これらと連携し、サービスの維持・向上を図りつつ、物件管理費用の削減に努めます。また、消耗品等の集中購買、品目の見直し及び代替調達先の検討を行うことや、水光熱費の使用量を削減することにより、支出の削減を目指します。
更に、本資産運用会社及びグローバルに展開するインベスコ・グループを通じて、世界規模の保険エージェントを採用することで、保険料を削減することが可能であると考えています。
d.戦略的・計画的な資本的支出及びリニューアル
本投資法人は、運用資産の中長期的な価値の維持・向上を目指し、戦略的・計画的な資本的支出及びリニューアルを行います。具体的には、物件毎に資産管理計画を定め、各年度の計画に従って効率的に修繕計画を実施し、実質耐用年数の延長と物件の資産価値の維持・向上を図ります。また、資本的支出は、かかる資産価値の維持・向上にとどまらず、エントランスホールや水回りのグレードの向上等を通じたテナント満足度の向上のためにも行います。このような戦略的・計画的な資本的支出により競合オフィスビルに比べて魅力ある物件とすることで、中長期的な競争力の向上を目指します。
また、本投資法人は、今後リニューアルに適する物件を保有するに至った場合、本資産運用会社の豊富なリニューアル実績を活かし、戦略的・計画的にリニューアルを実行する予定です。
e.受託物件の運用実績
(ⅰ)リーシング実績
本資産運用会社は、解約・増減床・賃料減額等を検討している既存テナントの動向も含めて早期かつ正確にテナント動向を把握・分析し、戦略の策定・修正等を図っています。
(ⅱ)区分所有ビル・共有ビル等運用実績
本資産運用会社は、日本において上記のアセットマネジメント業務を過去19年間にわたり提供してきた中で、オフィスビル、商業施設、賃貸住宅を含む単一用途の物件のみならず、複数の用途を有する物件や他のJ-REIT等との区分所有物件、共有物件(不動産を信託する信託の受益権の準共有を含みます。)等を多数運用管理した実績を有します。
本資産運用会社は、このような物件の運用実績を通じ、共有者間におけるリーシング計画や工事計画の主体的な調整・決定、管理組合を通じた管理費削減及び他の区分所有権の取得のためのネットワーク構築など、独自の運用ノウハウを有しています。
本投資法人は、前記「④ 本投資法人の重点投資対象」記載のとおり、大規模オフィスビルをその重点投資対象としており、大規模オフィスビルを取得する場合、その所有形態は区分所有又は共有となることが多いため、本資産運用会社の上記ノウハウを活用することにより、効果的な資産運用が可能であるものと考えています。
(ⅲ)リニューアル実績
本資産運用会社は、過去19年間において多数のオフィスビルのリニューアル実績を有し、かかる実績に基づき適時・適切なリニューアルを行うことを通じて、入居するテナントの満足度を向上させ、賃料水準の維持及び向上を図ることができるものと考えています。また、適時・適切なリニューアルにより、物件としての収益性に加え、物件自体の競争力も向上するものと考えています。
⑥ 本投資法人の投資方針
本投資法人は、ポートフォリオ全体における中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上を実現することを目的とし、東京圏を中心とする大都市圏に所在する大規模オフィスビルを主たる投資対象資産とします。但し、投資対象地域については、大都市圏だけでなく、相対的に高い利回りが期待できる大都市圏以外の地域にも厳選して投資を行います。また、物件の用途についても、大規模オフィスビルだけでなく、中規模オフィスビル、商業施設、住宅、ホテル、物流施設、その他の物件についても厳選して投資を行うものとします。
さらに、物件取得の際には、中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上という観点から選定を行うものとし、投資口1口当たりの分配金及び投資主価値の向上を目指した投資運用を行います。
(ア)本投資法人の物件選定基準
本投資法人は、以下の4つの要素を中心とする総合的な判断により、競争優位性があり、中長期における安定的な賃料(ホテル等のオペレーショナルアセットにつき運営委託方式を採用する場合は売上げとします。以下同じです。)収入の確保及び資産価値の着実な向上が期待される物件へ投資を行います。投資対象物件のうち大規模オフィスビルについては、特に賃料負担力の高い優良企業により入居の対象とされやすい、大規模プロジェクトにより開発された物件や、大規模オフィスビルの中でも視認性の高い当該サブマーケットにおけるランドマークといえる物件に対して、重点的に投資を行います。
(イ)用途及び物件リターン特性(注)の違いによる分散並びに地域分散
本投資法人は、前記のとおり東京圏を中心として大都市圏に所在する大規模オフィスビルに重点投資しますが、ポートフォリオ全体として中長期的な安定的収益の確保と資産価値の着実な向上を実現することを目的として、それ以外の物件についても、厳選投資していきます。
(注)「物件リターン特性」とは、当初想定利回りの高低及び内部成長の見込みの大小による当該物件に係るリターンの特性をいいます。
a.用途及び物件リターン特性の違いによる分散
景気上昇局面における賃料上昇期待を有する大規模オフィスビルを主たる投資対象としつつ、中規模オフィスビル、商業施設、住宅、ホテル、物流施設、その他の物件についても、用途及び物件リターン特性の違いによる分散の観点から、厳選投資します。
(注)「投資比率」は、取得価格を基準とし、消費税その他の取得に係る諸費用を除きます。なお、不動産関連資産の取得又は売却の結果、一時的にかかる比率から乖離する可能性があります。以下同じです。
b.地域分散
投資対象物件のうち大規模オフィスビルについては、東京圏のうち東京23区を最重点地域、それ以外の東京圏、大阪市、名古屋市及び福岡市を重点地域と位置付け、積極的に投資を行います。とりわけ、現在競争が激化している都心5区(注)以外の最重点地域及び重点地域においては賃料の上昇が見込まれ、かつ取得時の収益性が相対的に高いため、今後、このような地域における投資機会をより積極的に追求していきます。
上記以外の物件については、大都市圏並びに政令指定都市をはじめとする日本全国の主要都市及びそれぞれの周辺部を対象地域として投資を行うものとします。
かかる地域分散は、テナントリスク及び地震リスクの分散にも繋がるものと考えています。
(注)「都心5区」とは、千代田区、中央区、港区、新宿区及び渋谷区をいいます。
〈投資対象地域 -大規模オフィスビル〉
〈投資対象地域 -それ以外〉
(ウ)投資主価値の向上を目指した運用
本投資法人は、投資口1口当たりの価値向上を意識したポートフォリオを構築し、その運用を行います。本投資法人は、前記「⑤ 本投資法人の成長戦略」記載のとおり、ポートフォリオの質及び収益性の向上に資する物件の取得等を通じた外部成長及び保有物件の収益性の向上等による内部成長により、運用資産の利回りの向上と資産規模・資産価値の向上及び投資口1口当たりの分配金の向上、ひいては投資主価値の向上を目指します。
<投資主価値の向上を目指した運用のイメージ図>(エ)デューデリジェンス基準
本投資法人が不動産関連資産を取得する際は、予め物件の詳細な調査(デューデリジェンス)を実施するものとします。
なお、本投資法人は、専門的かつ客観的なデューデリジェンスを確保するため、エンジニアリングレポート及び環境調査レポート等を独立した第三者の調査会社等から取得し、不動産鑑定評価書を独立した第三者の不動産鑑定会社から取得します。また、その他必要に応じて専門業者を利用する場合があります。
項目内容
経済的調査テナント調査(注)・テナントの賃料支払状況(延滞、敷金差押え、破産等の有無)
・テナントの賃借目的、契約形態、契約内容及びその承継、転貸等の有無
・各建物における各既存テナントの占有割合、分布割合
市場調査・周辺の市場賃料、稼働状況
・周辺の競合物件の状況
・周辺の新規開発計画の動向
・テナント誘致の可能性
収入関係・過去の稼働率、賃料推移
・賃貸借契約の形態と賃料の安定性
・賃料増額・減額の見込等の有無
・現行賃料と市場賃料の乖離状況と将来見通し
・テナント退去の可能性と代替テナント確保の容易性
・リーシング・運営方針
費用関係・公租公課の変動可能性(軽減措置期間の終了、再開発進行等による評価額の上昇等)
・プロパティ・マネジメント業務委託契約の形態と管理水準、報酬の適正性
・建物管理業務委託契約の形態と管理体制、管理水準、管理コストの適正性
・水道光熱費等の水準とテナントからの戻入状況
・修繕履歴と修繕計画及びその妥当性
・修繕積立の状況と積立金額の妥当性(区分所有等)
・信託報酬・損害保険料等の状況
鑑定評価・第三者である不動産鑑定会社からの投資対象物件の不動産鑑定評価書の取得
物理的調査立地・鉄道等の公共交通機関からの利便性
・道路の状況、主要幹線道路へのアクセス状況
・周辺の土地利用状況・周辺の利便施設、官公諸施設等の配置及び近接性
建築及び設備・仕様
・意匠、主要構造、築年数、設計者、確認検査機関、施工業者等
・賃貸可能面積、貸室形状、天井高、電気容量、空調方式、床荷重、OAフロア、防災設備、給排水設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況
・瑕疵・要修繕箇所の有無
建物診断・設計図書、建築確認通知書、検査済証、構造計算書、地積測量図等の書類の状況
・外構、屋上、外装、設備等の現地状況
・エンジニアリングレポートにおける長期修繕計画の内容
・耐震性能
・地震PML値(予想最大損失率)
建物管理関係・管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング
・管理細則等の有無及びその内容、管理会社の質と信用力
環境調査・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況
・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等

項目内容
法的調査法令上の制限・建築基準法・都市計画法等関連法令の遵守状況等
・未届建築物、既存不適格、増改築等の有無、現状の建物の用途、消防関連法規への適合性、ボイラー・危険物貯蔵所の有無
・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無
境界調査・境界確定の状況、越境物の有無とその状況
・実測面積の確定状況
・境界紛争の有無
テナントとの契約等・賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の状況
・駐車契約、看板設置契約、アンテナ設置契約、自動販売機設置契約等の状況
・テナントとの紛争の有無及び可能性等
権利関係の確認・土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有権の共有等)の把握、権利関係に付随する各種契約等(管理規約、共有者間の取決め等)の確認、登記事項証明書・公図の確認、道路の状況(公道・私道等)、所有権等を制約する権利の付着の有無
・隣接地権者等との紛争の有無

(注) ホテル等のオペレーショナルアセットの場合は、オペレーターの運営能力、実績、信用力、オペレーターとの契約に係る契約形態、契約内容、オペレーターの代替性等の調査を行います。
(オ)投資判断基準
不動産関連資産の取得に際しては、前記「(ア)本投資法人の物件選定基準」及び「(エ)デューデリジェンス基準」を踏まえ、対象不動産関連資産について多面的な分析を行った上で投資判断を行います。
なお、投資判断における主要な分析項目は以下のとおりです。
分析項目目 的
取引概要・売主の状況確認
・取引条件及びスケジュールの確認
投資分析・不動産関連資産の投資基準への適合性の確認
・不動産関連資産の収益・費用の過去実績、適正性及び将来予測
・想定収支に基づく対象不動産関連資産の将来収支の検証
・不動産特性を踏まえた成長戦略の策定
・現行賃料、想定賃料及び将来予測の検証(賃貸事例等を参考に対象不動産関連資産の地域性・個別性等を考慮し、リサーチ・チームの分析を踏まえて設定)
・取得価格算出におけるキャップ・レート(注)の検証(取引事例等を参考に対象不動産関連資産の地域性・個別性等を考慮して設定)
・中長期的な資本的支出の見込み及び計画
ポートフォリオ分析・不動産関連資産のポートフォリオ寄与度の検証(築年数、用途分散、地理的分散、テナント分散、稼働率、ネット・オペレーティング・インカム(NOI)、資本的支出等)
リスク分析・不動産関連資産におけるデューデリジェンス等の結果、抽出されたリスクの把握とその対応策を検討及び受容可能なリスクの検討
・取引関係者に起因するリスクの確認
ストラクチャー概要・取引関係者(PM会社、BM会社及び不動産信託受託者(対象不動産が不動産信託受益権の場合)を含みます。)の選定
・不動産関連資産の取引に係るストラクチャー及び各取引関係者との間で締結する契約内容等の確認

分析項目目 的
ファイナンス・必要資金額の算出(初期修繕を伴う不動産関連資産の場合はその金額を含みます。)及び資金調達方法の検討
・ファイナンスのポートフォリオ収支への影響の分析、本投資法人の財務方針との整合性の確認

(注)「キャップ・レート」とは、安定的な賃貸収支の想定に基づくNOIに対する恒久的な還元利回り(永久還元利回り)をいいます。
(カ)フォワード・コミットメント等を行う際の留意点
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約をいいます。)及びその他これに類する契約(以下「フォワード・コミットメント等」といいます。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
また、先日付の買付け意向表明等を行う場合も、当該意向表明が取引への実質的な拘束力を持つ場合、これに準じた取扱いを行うこととします。
a.解約条件等、フォワード・コミットメント等を履行できない場合における本投資法人の財務への影響を適切に公表するものとします。
b.市場環境、資金調達環境及び本投資法人の事情等を勘案した上で必要に応じて随時策定する、フォワード・コミットメント等をした物件の取得額及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを遵守するものとします。また、上場廃止要件も踏まえ、配当原資に比べて過大な解約違約金を要するフォワード・コミットメント等となることのないよう慎重に検討するものとします。
c.フォワード・コミットメント等をした物件のコミットメント期間中の価格変動リスクが投資法人に帰属することに鑑み、保有物件の継続鑑定等と併せて、当該物件の継続鑑定等の結果(当該物件建物が未竣工であり、鑑定評価が取得できない場合は、価格調査の結果)を公表するものとします。
(キ)不動産関連ローン等資産への投資
本投資法人は、収益獲得機会の多様化により中長期的な安定的収益の確保に資することを目的として、総資産の5%以下の範囲内において、不動産関連ローン等資産にも厳選して投資を行うことができるものとします。但し、不動産関連ローン等資産への投資は、不動産関連ローン等金銭債権の元利金の弁済が確実に履行される見込みがあり、かつ、その担保又は裏付け資産となる不動産その他の資産が本投資法人の投資基準に合致すると判断されるものに限るものとします。
⑦ 財務方針
本投資法人は、中長期的な安定的収益の確保及び資産価値の着実な向上のため、安定的かつ健全な財務運営を行うことを基本方針とします。
エクイティ・ファイナンスについては、既存の投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期、LTV、有利子負債の返済時期及び返済までの残存期間、マーケット環境等を総合的に勘案して決定します。
デット・ファイナンスについては、安定したレバレッジ・コントロールに配慮しLTVを40%から50%の範囲内で運営する方針です(但し、かかる水準を一時的に上回る可能性があります。)。また、返済期限、借入先を分散させること及び調達コストを見極めた上で借入金の長期固定化を行うことで、安定的な財務運営を行います。借入先については、国内大手金融機関からの調達を中心とした安定したバンク・フォーメーションを構築します。
また、資金調達手段の分散のため、コミットメントラインの設定や投資法人債の発行についても市場環境を見極めた上で検討します。
さらに、資本効率の向上と投資主還元のため、財務、資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことも検討します。この場合、中長期的な投資主価値の向上という観点を最も重視するものとし、投資口価格の水準、手元資金の状況、財務状況、マーケット環境等を慎重に見極めた上で実施すべきか否かを判断します。
⑧ 投資主利益を追求したガバナンス体制
(ア)投資主利益と連動した運用報酬体系の導入
本投資法人は、各営業期間の総資産、調整後EPU(注)をベースとした資産運用報酬体系を導入することにより、投資主と本資産運用会社の利益を共通化することで、投資主利益を重視した投資運用を企図しています。
(注)「調整後EPU」については、後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/② 本資産運用会社への支払報酬/(イ)運用報酬②」をご参照下さい。
<運用報酬体系>(注) 資産運用報酬の詳細については、後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/② 本資産運用会社への支払報酬」をご参照下さい。
(イ)確立された運用プロセス
本資産運用会社は、インベスコ・グループにおいて確立されたプロセスに基づき運用を行います。確立された運用プロセスに従って運用を行うことにより、インベスコ・グループにおいて蓄積されたノウハウを最大限活用することができ、結果として最良の運用を行うことができるものと考えています。

(ウ)本投資法人の意思決定プロセス
本投資法人は、投資主利益の最大化を追求することを経営目標に、物件取得、運用をはじめとした重要な意思決定においては、下記の複層的なプロセスによる運用を行っています。本資産運用会社においては、投資委員会の委員のうちの1人は不動産鑑定士である外部委員が、コンプライアンス委員会の委員のうちの1人は弁護士又は公認会計士である外部委員が、それぞれ就任するものとされており、かかる体制も本投資法人の意思決定プロセスの公正性を高めるものと考えています。

(エ)利害関係人等取引の排除
インベスコ・グループにおいて、日本での不動産関連業務を行っているのは本資産運用会社のみです。従って、本投資法人は、日本において、不動産付帯業務(仲介、プロパティ・マネジメント、ビルマネジメント等)において利害関係人等との取引を基本的に行いません。
本投資法人とインベスコ・グループの日本国内における業務範囲のかかる関係は、本投資法人が公正な取引を行う基礎になるものと考えています。
⑨ 資産管理方針
本投資法人は、中長期的な安定的収益を確保し、運用資産の資産価値の維持・向上を図るとともに、テナント満足度を高めることを目的とし、以下の方針に基づいて、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
(ア)年度運用計画の策定及び管理
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドラインに基づき、本投資法人の個々の運用資産及びポートフォリオ全体についての年度運用計画を策定し、計画的な運営・管理を実施します。なお、年度運用計画の策定に当たっては、原則としてPM会社(又はオペレーター)の協力を得て運用資産毎の詳細を検討します。
年度運用計画は、ポートフォリオ全体の収支予算、運用資産毎の収支予算、運用管理計画、リーシング計画、修繕計画及び資本的支出計画を含むものとします。
年度運用計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更することとします。
(イ)リーシング・マネジメント
テナントに対するリーシングに当たっては、マーケット動向を調査・把握し、運用資産毎にその不動産特性を勘案しながら適正な賃貸条件の設定を行うとともに、PM会社を最大限活用し、優良テナントの選定に努めます。また、テナント構成に関しては、個別物件はもとより、ポートフォリオ全体における影響も勘案した上でリーシング活動を行うものとします。
テナントとの賃貸借契約の締結に際しては、本資産運用会社がその社内規程に従い反社会的勢力との関係をチェックし、契約締結の可否を判断するとともに、併せて当該テナントの業種、事業継続年数、資本関係、当該業界の動向及び信用力(必要に応じて信用調査会社による信用調査評価レポートを取得)を分析し、賃料水準、賃貸借契約形態、契約期間及び再契約の可能性等を総合的に判断するものとします。また、居住目的の個人が賃借人となる場合は、勤務先の状況、勤続年数等を含めて、総合的に判断するものとします。
なお、ホテル等のオペレーショナルアセットについては、その収益性がオペレーターの運営能力に依拠する側面が大きいことから、オペレーターの選定に当たっては、運営方針、運営実績、財務状況等を総合的に考慮するものとします。
既存テナントは、運用資産の所有者である本投資法人にとって重要な顧客であるため、直接又はPM会社を通じて定期的に連絡を取るとともに、コミュニケーションを十分に図り、良好なリレーションを構築することに努めるとともに、テナントの動向、増減床ニーズ、不満や解約ニーズ等を早期に把握し、適切かつ迅速な対応を講じるものとします。
特にポートフォリオ全体の賃貸収益への影響度の大きい主要テナントについては、同時期に退去することによって一時的に空室率が高い水準に至るリスクを軽減するため、契約期間の長期化、解約予告期間の長期化及び契約期間満了日の分散を検討の上、空室リスクがポートフォリオ全体に与える影響を可能な限り抑えるべく対処するものとします。
(ウ)プロパティ・マネジメント及びビルマネジメント
a.選定の基準及び手続
本投資法人は、保有資産の運営・管理等の外部委託に関してPM会社やBM会社を選定するに際しては、本資産運用会社の社内規程である「業者選定規程」に従うものとします。本資産運用会社は、同規程に従い、一定の要件を満たす業者をリストに登録し、その中から複数の業者を選択の上、入札により委託業者を選定することを基本とします。
物件の取得時の既存のPM会社やBM会社についても(必要な場合には、他の権利者等の関係者と協議の上)、業務内容の妥当性を調査し、入札による入替えを検討します。但し、当該資産の適正な運営の継続を考慮し、取得時におけるPM会社、BM会社との業務委託契約を一定期間継続することがあります。
また、運用資産の権利形態により、他の権利者(共有者等)との合意形成が必要である資産については、合意形成が可能な範囲内で同規程に従った運営を行うものとします。
b.PM会社の監理・監督
各PM会社は、予算管理、テナント誘致、テナント管理、賃貸借契約の交渉、クレーム処理及び修繕維持等の業務を行います。本資産運用会社は、長年の運営で培った経験に基づいて構築したプロパティ・マネジメント業務全般に対する監理・監督ノウハウを利用し、年に1回のプロパティ・マネジメント委託先に対するモニタリング・評価を実施し、必要に応じて改善を指導するなどの、PM会社の監理・監督を行うものとします。
c.BM会社の監理・監督
BM会社は清掃、建物設備の維持・管理等の業務を行います。BM会社が、不動産の価値の維持・向上やテナント満足度の向上のため重要な役割を担うことに鑑み、本資産運用会社は、長年の運営で培ったその経験に基づいて構築したビルマネジメント業務全般に対する監理・監督ノウハウを利用し、年に1回のビルマネジメント委託先に対するモニタリング・評価を実施し、必要に応じて改善を指導するなどの、BM会社の監理・監督を行うものとします。
(エ)修繕計画及び資本的支出計画
中長期にわたり、運用資産の市場競争力及びテナント満足度の維持・向上を図るため、運用資産毎に年度運用計画の一部としての修繕計画及び資本的支出計画をPM会社と協議の上作成し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕計画及び資本的支出計画の策定は、競合物件との差別化、テナント満足度の向上に向けた政策上の観点のみならず、ポートフォリオ全体の減価償却費をも勘案して行うものとします。
(オ)付保方針
a.損害保険等
火災等の災害や事故等による建物の損害及び収益の減少、対人・対物事故による第三者からの損害賠償請求による損害等に対応するため、運用資産の特性に応じた適切な損害保険(火災保険、施設賠償保険、利益保険等)を、原則として入札により業者選定をした上で付保するものとします。
b.地震に関する保険
我が国における地震による災害の影響度の甚大性とその発生の可能性に鑑み、ポートフォリオ全体に与える影響及び保険の実効性を考慮し、ポートフォリオPML値(注)が15%超となる場合は、PML値が15%超の各物件について、火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保することを検討します。
(注)「PML値」とは、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(475年に一度起こる可能性のある大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を受けるのかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものを意味します。また、「ポートフォリオPML値」とは、ポートフォリオ全体に対して個別物件と同様にPML値を求めた数値をいいます。
(カ)売却方針
本投資法人は、中長期的にわたって運用資産を保有し、収益の維持・向上を図ることを基本方針としているため、原則として短期的な売却は行わないこととします。
但し、例外的に、バルクセールにより複数物件を取得した場合における付属的な物件で中長期的に保有すべきでないと判断される物件や、本投資法人のポートフォリオ全体の目標と実際の分散状況、その時点での市場環境、当該物件のテナント動向や市場競争力等を総合的に分析した上で、早期の処分が適切であると判断した物件については、当該時点で売却を行うことがあります。
⑩ 開示方針
(ア)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。また、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主のニーズに応えるべく自ら内容を検討し、適時かつ適切な情報の開示に努める方針とします。
(イ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ウ)専門的な見解を積極的に取り入れ、より一層、開示情報の正確さを追求します。
(エ)投信法、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金融商品取引法」といいます。)、東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会等にて定められている開示情報は、各々の所定様式に基づき適切に開示を行うものとします。

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