訂正内部統制報告書-第176期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/06/12 11:52
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

代表取締役社長CEO岸本晢夫は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用している。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものである。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である平成26年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠した。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定している。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行った。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定した。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、会社及び連結子会社5社、持分法適用関連会社1社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定した。なお、連結子会社18社及び持分法適用関連会社5社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めていない。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の前連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、前連結会計年度の連結売上高の概ね3分の2に達している1事業拠点に加え、連結対象となる1事業拠点、持分法適用対象となる1事業拠点を「重要な事業拠点」とした。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象とした。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加している。

評価結果に関する事項

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重大な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。

  平成27年5月、当社の僅少な連結子会社である北越トレイディング株式会社(以下「HTC」といいます。)の社内調査において、HTCの元従業員による不正行為(以下「本件不正行為」といいます。)が発覚いたしました。
  当社は、直ちに事実関係の解明及び被害金額の確定のため、社外監査役を委員長とする調査委員会を設置し、調査を実施いたしました。
  当該調査により、HTCの総務部長であった元従業員1名(以下「本件元従業員」といいます。)が、HTC名義で締結されていた銀行との当座貸越契約を利用して、不正に小切手を振り出し、現金に換金することなどにより着服していたことが確認されました。また、本件元従業員は、架空の商品在庫を計上していたほか、借入をオフバランスにするなどして着服金の隠蔽を図り、発覚を免れていました。
  これに伴い当社は、本件不正行為による過年度決算への影響額を調査した上、過年度の決算を訂正するとともに、平成22年3月期から平成27年3月期第3四半期までの有価証券報告書、四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
  これらの事実は、本件不正行為の発生したHTCの経理・財務部門において、本件元従業員の在職の長期化に加え、職務分掌が適切に機能しておらず、相互牽制も利かなかったことなどによるものであります。また、HTCの従業員に対してコンプライアンスの周知を図るとともに、内部通報制度を設けておりましたが、HTCにおいて他者の業務遂行・推進に関心を持つ職場風土が十分に醸成されておらず、有効に機能しませんでした。
  以上のHTCにおける不備に関し、長期に亘り当該状態を識別・改善できなかったという点において、結果としてHTCに対する当社のグループ統制が十分に機能していなかったと判断し、当社の全社的な内部統制の一部に開示すべき重要な不備があるものと認識しております。
  なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
  当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、調査委員会の指摘・提言を踏まえ、再発防止に向けて、以下の改善策を検討・実施してまいります。
1.関係子会社に対してコンプライアンスを含むガバナンスをさらに有効に運用するための新組織(「グループ統制管理室」)を当社内に設置します。
2.「グループ統制管理室」の指導・支援の下に、以下を行います。
(1)各社における牽制機能構築とグループ全体を見据えた人材ローテーションの活性化を図ります。
①業務分掌を見直し、牽制効果を生じさせます。
②業務の文書化・マニュアル化を推し進め、担当が代わっても業務執行できるように整備します。
(2)経営力を向上させるシステムを構築します。
グループ会社のマネジメント層への教育・研修を充実させ経営スキルの向上に努めます。
(3)企業風土の点検および改善の取り組みを支援します。
管理職または担当取締役が担当職場全体をチームとしてコントロールし、他者の業務遂行・推進に関心を持つ職場風土を醸成します。
(4)モニタリングの強化を図ります。
①内部監査機能を強化します。
②「グループ統制管理室」のモニタリングにより、さらなる支援が必要と思われる業務に関しては、「グループ統制管理室」が専門組織と連携を図り、早期の問題解決に繋げます。