有価証券報告書-第172期(2024/04/01-2025/03/31)
③戦略
気候変動が経営に与える影響について、低炭素社会への移行が進み、産業革命前から今世紀末までの気温上昇を1.5℃に抑えるシナリオと、温暖化対策が進まず産業革命前から今世紀末までに気温が4℃上昇し、自然災害が激甚化するシナリオの二つを想定して分析した。対象は「メディア・コンテンツ事業」と「不動産事業」。それぞれの事業のリスクと機会をシナリオごとに特定し、2030年(中期)と2050年(長期)における影響を定量的に評価して、対応策を検討した。その結果、いずれのシナリオにおいても、当社グループの事業は継続可能であり、一定のレジリエンスを有していることを確認した。分析の結果は次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
1.5℃シナリオにおいては、炭素税、排出量取引といったカーボンプライシング(炭素課金)政策が本格的に導入されると、自社のCO2排出に対する課税やカーボンクレジット購入に伴うコスト負担が増すほか、新聞用紙など原材料への価格転嫁が進むことが、移行リスクとして想定される。対策として、再生可能エネルギーの導入や省エネの推進、環境負荷の低い印刷技術の開発などによりCO2排出量を削減し、影響を抑える。一方、気候変動に対する社会の関心が高まり、関連する情報やサービスへのニーズが高まることが、機会として想定される。これまで報道やイベントを通して温暖化対策の必要性を呼びかけてきたが、こうした取り組みを一層強化し、培ってきたブランド力を新規ビジネスの創出につなげる。
4℃シナリオにおいては、豪雨や台風、大雪などの自然災害が発生し、大規模停電による機能不全、従業員や印刷工場などの生産設備が被害を受けたり、新聞用紙やインキなどの生産資材の調達難が起きたりする物理的なリスクの増大が想定される。当社グループは、こうした災害による業務への影響を極力抑えて事業を継続し、早期復旧をはかるための事業継続計画(BCP)を策定し、訓練を毎年実施している。本社機能の代替、デジタル媒体による災害情報の発信、工場が被災した場合の代替印刷、同業他社との災害時相互援助協定に基づく緊急措置など、あらゆる対策により、必要とされる情報を読者へ届ける。
[不動産事業]
1.5℃シナリオにおいては、環境性能が高いZEB(Net Zero Energy Building)が一般的になり、炭素税の拡大に伴って資材価格や輸送費が上昇し、建築コストの高騰が移行リスクとして想定される。一方、テナント企業やホテル、音楽ホールなどの施設利用者による脱炭素志向も高まり、環境性能の高い物件の賃料や利用料の上昇が事業機会として期待される。効率的な建築資材の調達ルートを確保して建築コスト増の影響を抑える一方、省エネやZEB化を推進し、不動産の環境性能を高める。
4℃シナリオにおいては、洪水などの自然災害が激甚化し、災害への備えに応じて不動産の価値が変動することが物理的なリスクとして想定される。被災状況を把握するシステムの導入や対応マニュアルの充実を通じ、災害リスクへの備えを拡充する。
気候変動が経営に与える影響について、低炭素社会への移行が進み、産業革命前から今世紀末までの気温上昇を1.5℃に抑えるシナリオと、温暖化対策が進まず産業革命前から今世紀末までに気温が4℃上昇し、自然災害が激甚化するシナリオの二つを想定して分析した。対象は「メディア・コンテンツ事業」と「不動産事業」。それぞれの事業のリスクと機会をシナリオごとに特定し、2030年(中期)と2050年(長期)における影響を定量的に評価して、対応策を検討した。その結果、いずれのシナリオにおいても、当社グループの事業は継続可能であり、一定のレジリエンスを有していることを確認した。分析の結果は次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
1.5℃シナリオにおいては、炭素税、排出量取引といったカーボンプライシング(炭素課金)政策が本格的に導入されると、自社のCO2排出に対する課税やカーボンクレジット購入に伴うコスト負担が増すほか、新聞用紙など原材料への価格転嫁が進むことが、移行リスクとして想定される。対策として、再生可能エネルギーの導入や省エネの推進、環境負荷の低い印刷技術の開発などによりCO2排出量を削減し、影響を抑える。一方、気候変動に対する社会の関心が高まり、関連する情報やサービスへのニーズが高まることが、機会として想定される。これまで報道やイベントを通して温暖化対策の必要性を呼びかけてきたが、こうした取り組みを一層強化し、培ってきたブランド力を新規ビジネスの創出につなげる。
4℃シナリオにおいては、豪雨や台風、大雪などの自然災害が発生し、大規模停電による機能不全、従業員や印刷工場などの生産設備が被害を受けたり、新聞用紙やインキなどの生産資材の調達難が起きたりする物理的なリスクの増大が想定される。当社グループは、こうした災害による業務への影響を極力抑えて事業を継続し、早期復旧をはかるための事業継続計画(BCP)を策定し、訓練を毎年実施している。本社機能の代替、デジタル媒体による災害情報の発信、工場が被災した場合の代替印刷、同業他社との災害時相互援助協定に基づく緊急措置など、あらゆる対策により、必要とされる情報を読者へ届ける。
[不動産事業]
1.5℃シナリオにおいては、環境性能が高いZEB(Net Zero Energy Building)が一般的になり、炭素税の拡大に伴って資材価格や輸送費が上昇し、建築コストの高騰が移行リスクとして想定される。一方、テナント企業やホテル、音楽ホールなどの施設利用者による脱炭素志向も高まり、環境性能の高い物件の賃料や利用料の上昇が事業機会として期待される。効率的な建築資材の調達ルートを確保して建築コスト増の影響を抑える一方、省エネやZEB化を推進し、不動産の環境性能を高める。
4℃シナリオにおいては、洪水などの自然災害が激甚化し、災害への備えに応じて不動産の価値が変動することが物理的なリスクとして想定される。被災状況を把握するシステムの導入や対応マニュアルの充実を通じ、災害リスクへの備えを拡充する。