臨時報告書

【提出】
2020/05/07 16:32
【資料】
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提出理由

当社は、本日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)274,735株を1株に併合すること(以下、「本株式併合」といいます。)を目的とする、2020年6月23日開催予定の第43回定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定


1. 本株式併合の目的
2020年3月24日付当社プレスリリース「三菱瓦斯化学株式会社による当社株券に対する公開買付けの結果並びに親会社及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、三菱瓦斯化学株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、2020年2月6日から2020年3月23日までの30営業日を公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。本公開買付けの結果、2020年3月30日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、公開買付者は当社株式1,824,349株(議決権所有割合(注1):66.40%)を所有する親会社となりました。
(注1)「議決権所有割合」については、当社が本日公表した「2020年3月期 決算短信[日本基準](連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2020年3月31日現在の発行済株式総数(2,750,000株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(2,647株)を控除した株式数(2,747,353株)に係る議決権の数(27,473個)を分母として計算(小数点以下第三位を四捨五入)しております。
当社の2020年2月5日付プレスリリース「三菱瓦斯化学株式会社による当社株券に対する公開買付けの開始に関する意見表明のお知らせ」(以下「当社2020年2月5日付プレスリリース」といいます。)においてお知らせしましたとおり、当社が属する複合材料市場では、国内において自動車部材及び航空部材の炭素繊維複合材料に伸長が見られ、また、東京オリンピック・パラリンピックに関連した一時的な建築土木分野及び塗料分野における需要が見込まれている一方、中長期的な原燃料価格の上昇、消費税の増税による住宅着工及びリフォームの件数並びに自動車等の需要の減少、中国経済の減衰に伴う中国子会社の販売数量の減少、少子高齢化に伴うベテラン社員の退職によるノウハウ伝授や雇用確保の問題、国内人口の減少及び海外生産による国内産業の空洞化等の影響を受け、当社を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くものと想定されております。
また、公開買付者としても、米中間を中心とした貿易摩擦の動向や中国経済の減速、英国のEU離脱を始めとする地政学的リスク等の影響に加えて、原燃料価格の上昇や公開買付者の主力製品の一つであるメタノール、ポリカーボネート及び高純度イソフタル酸等の汎用品の市況の低迷に直面するなど、公開買付者並びに子会社115社及び関連会社35社(以下、公開買付者と併せて「MGCグループ」といいます。)から構成されるMGCグループを取り巻く事業環境が益々厳しく複雑になっている中においても、「MGCグループの企業価値の向上」という基本方針を実現するためには、当社の掲げる「グループ一体となった経営の推進」の施策と同様、公開買付者と多様なグループ企業が連携し、グループ一体となって経営を推進することが一層重要になっていると考えているとのことです。
これまでも公開買付者及び当社は、原材料の供給、製品の受委託、人材交流及び研究開発での協力関係を構築してまいりましたが、上記のとおり、両社を取り巻く事業環境の厳しさがいやがうえにも増している状況下においてもなお当社の中長期的な更なる成長及び公開買付者の「MGCグループの企業価値の向上」をともに実現させるためには、当社を公開買付者の連結子会社とし、これまで行ってきた製品受委託による協業体制、研究開発での連携及び人材交流などを深化させることでシナジーを創出し、上記の課題に着実かつ効率的に対処していくことで、両社の企業価値の向上を図ることが重要であるとの判断に至りました。
また、公開買付者としては、当社を連結子会社化し、かつ非上場化することによって、生産設備やノウハウなどの経営資源を相互に効率的に活用する取り組みを迅速かつ柔軟な意思決定体制のもとで推進すること、及び公開買付者と当社が中長期的なビジョンをより一層共有し、経営戦略の策定や成長事業への経営資源の配分における連携を強化することを通じて、当社を含むMGCグループの企業価値の向上を図ることができると考えているとのことです。他方で、公開買付者としては、中長期的な成長の観点に立てば、新規製品の創出と育成のための研究開発費の維持・拡大、及びコスト競争力の向上につながる工場管理プロセスへの先端デジタル技術の導入などの先行投資が当社を含むMGCグループ全体の企業価値向上に資するものと考えるものの、短期的な観点でいえば、それらを実施することが当社の業績や財務状況の悪化を招くおそれもあり、必ずしも当社の一般株主の皆様の利益になるとは限らないと想定されるため、当社株式の上場を維持したままでは、上記の施策を実施することについて、一般株主の皆様の理解を得ることが容易ではない可能性もあると考えているとのことです。加えて、当社を含むMGCグループ全体の中長期視点での連携強化及び機動的な経営施策の実行のためには、MGCグループ全体の一体運営が必要とされることから、当社の上場を維持したまま上記の施策を迅速に実施することは困難であると考えるに至ったとのことです。
さらに、公開買付者は、当社の第二位の株主であり、かつ、当社の設立以来の長きに亘る当社の重要なビジネスパートナーである東洋紡株式会社(以下「東洋紡」といいます。)が、当社との資本関係を維持することは、当社の安定した事業基盤の強化や、製品開発や生産において優れた技術を持つ東洋紡との連携の可能性の模索につながり、それらが、当社が掲げる「新規製品の創出と育成」を一層推進することで、ひいては、MGCグループ全体の企業価値の向上に資すると考えているとのことです。
こうした認識のもと、公開買付者は、2019年7月中旬に、当社を連結子会社化し、当社の既存の大株主である東洋紡との関係も維持しつつ当社を非上場化することが望ましいと判断し、2019年7月下旬に東洋紡に対して、2019年8月上旬には当社に対して、当社株式の全て(ただし、公開買付者及び東洋紡が所有する当社株式、並びに当社が所有する自己株式を除きます。以下、別段の定めがない限り、同じです。)を取得し、当社を連結子会社化すること、並びに当社の株主を公開買付者及び東洋紡のみとし、当社の既存の大株主である東洋紡との関係を維持しつつ当社を非上場化することを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の実施に向けた協議を開始したい意向を伝え、具体的な協議・検討を開始することについて、初期的な申入れを行い、2019年8月下旬には当社に対して本取引の提案を行ったとのことです。
他方、当社は、2019年8月下旬に公開買付者から本取引の提案を受けたことを契機として、公開買付者、当社及び東洋紡から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてベーカー&マッケンジー法律事務所をそれぞれ選任し、さらに、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、後記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を2019年10月23日に設置し、本公開買付けに係る協議及び交渉を行う体制を構築しました。
当社は、本取引の提案内容についての初期的検討を行う中で、公開買付者及び東洋紡との間で製造、研究開発、販売、財務、管理等の点でシナジーを追求し、企業価値の向上を図ることには一定の合理性が認められ、また、公開買付者の連結子会社となることにより公開買付者の経営資源を更に有効に活用できると考えられることなどから、公開買付者からの本取引の提案についての更なる検討を進めるべきと判断し、2019年10月下旬から、本特別委員会の関与のもと、本取引の実施の是非及び方法についての詳細な検討を進めるとともに、公開買付者から当社に対するデュー・ディリジェンスを受け入れ、2019年12月下旬に当該デュー・ディリジェンスの結果等を踏まえた本公開買付けにおける当社株式1株あたりの買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引の諸条件についての具体的提案を公開買付者から受けました。当社は、当該提案内容について、本特別委員会、リーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザーを交えた検討を行い、当社の一般株主の皆様が享受すべき正当な利益を確保するという観点から、本公開買付価格の交渉を含めた本取引についての継続的協議を公開買付者との間で実施いたしました。
その結果、当社は、本取引を実施することで以下のメリットが生じ、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると判断するに至りました。
(i) 生産技術の強化及び最適な生産体制の構築によるコスト競争力のある製品の提供
公開買付者は、国内の7工場の運転データを本社で一元管理し、異常予兆の早期検知体制を構築し、安全運転のみならずトラブルによる機会損失を最小化する試みを進めており、また、環境面及びコスト面でのメリットを創出するため、省エネルギーによるコスト削減の推進も同時に進めるなど、生産技術の効率化に重点を置いた運営を行っているところ、これらの生産に関する知見や試みを当社に取り入れることで、当社としてもより高品質でコスト競争力のある製品を提供することが可能になるものと考えております。また、当社は、公開買付者に比して少量多品種生産への適合性が高い装置を有しており、他方、公開買付者の製造設備は比較的大型の装置が多く、大量生産に向いているという特徴があるところ、公開買付者の連結子会社になってその協力関係を強めることにより、当社が少量の品種を製造して市場を開拓し、当該品種の市場の大規模化が見込めた段階で公開買付者の大型装置を活用するなどの協業が可能になり、相互にコストメリットなどを追求できる効率的で最適な生産体制が構築できると考えております。
(ii) 両社の技術を活用した研究開発の促進
当社が公開買付者の連結子会社になることで、公開買付者が独自の製造技術で開発した特殊ナイロンや様々なポリエステル樹脂原料を当社の研究開発に活用したり、当社が有する複合材料マーケットの情報を公開買付者が取り込んで新規のモノマーや樹脂原料を開発したりするなど、公開買付者及び東洋紡の技術を従来以上に相互活用することにより、当社の研究開発が促進され、更なる高付加価値製品や新規製品の創出が可能になるものと考えております。また、公開買付者の有する研究所における研究開発の人員・設備・管理体制のノウハウなどのリソースの提供を受けることができ、これによって当社の研究開発のPDCAサイクルのためのシステム構築や研究開発を担う部署の新設等の施策が、より一層促進されると考えております。加えて、当社の第二位の株主であり、かつ、当社の設立以来の長きに亘る当社の重要なビジネスパートナーである東洋紡が、本取引後も当社との資本関係を維持することは、当社の安定した事業基盤の強化や、製品開発や生産において優れた技術を持つ東洋紡との連携の可能性の模索につながり、当社が掲げる「新規製品の創出と育成」の推進に寄与するものと考えております。
(iii)MGCグループのネットワークの活用
当社は、販売部門として国内に3拠点、海外については中国にある1拠点のみとなっている一方、公開買付者は、グループ経営の強化の観点から2020年10月にMGCグループの主要商社である株式会社東京商会、菱江化学株式会社及び菱陽商事株式会社の3社を統合し、国内に7拠点及び海外に12拠点を有する商社を誕生させることを予定しており、また、公開買付者としても海外に販売拠点を5拠点、製造拠点を20拠点有しているところ、当社が連結子会社となることで、これらのMGCグループの海外ネットワークの活用が可能となり、そこから得られる情報を活用することで、成長が限定的な国内市場への販売が主だった状況から、これまで進出できていなかったアジア、欧州、北米等の地域に属する国での拡販も狙うことが可能となり、また、既存製品の原料の安定かつ安価な調達、新規製品開発に必要な原料の探索も可能になると考えております。加えて、公開買付者が得意とする国内外の顧客に向けた電気・電子用途への拡販も可能になると考えております。
(iv) 管理体制や安全・環境に対する取り組みの強化
当社が公開買付者の連結子会社となることで、公開買付者の導入している各工場の運転データを一元管理する等のデジタル技術及び異常現象予知による安全運転技術等の生産管理技術や知的財産の管理システム等を当社にも導入することが可能となり、当社の更なる事業基盤の強化の実現に資するものと考えております。また、公開買付者のCSR推進室等が有している、安全・環境に対する取り組みや内部統制・コンプライアンス体制のノウハウを当社が取り入れることで、当社の掲げる「CSR実践の徹底」がより強化されるものと考えております。
(v) 経営資源の効率的活用によるコスト削減
当社が本取引によって非上場化された場合、上場維持に要する費用(独立した管理部門の維持等に要する費用を含みます。)を解消することが可能となり、事業成長への経営資源の集中を図ることが可能となると考えております。また、中長期的には、MGCグループとの間において、営業所、研究所の集約等を含む重複機能の削減や不足機能の補完を実施するなど、人的・物的資源のより効率的な活用が可能になるものと考えております。
また、上記の公開買付者との交渉の結果、公開買付者から最終的に提案を受けた本公開買付価格3,000円は、以下の点等に鑑みた場合、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けが当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断するに至りました。
(i) 本公開買付価格3,000円が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の株式価値算定結果において、市場株価分析及び類似企業比較分析を用いて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の上限を超え、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)を用いて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲内に含まれ、当該算定結果の中間値に限りなく近い数値であること。さらに、当社が継続企業であることを踏まえると、当社の株式価値を1株当たり株主資本のみを基準に判断することは相当ではないものの、本公開買付価格は、2019年12月31日現在の1株当たり株主資本とほぼ同額(1株当たり株主資本の0.97倍)となっており、売却困難な資産の存在や清算に伴う追加コストも考慮すれば、本公開買付価格は株主資本の観点からみても、不合理な価格ではないものと考えられること。
(ii)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2020年2月4日の東京証券取引所JASDAQにおける当社株式の終値1,651円に対して81.71%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアムの計算において同じです。)、過去1ヶ月間の終値単純平均値1,472円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して103.80%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,339円に対して124.05%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,293円に対して132.02%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること。
(iii)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置等の公正性を担保するための措置が取られていること等、少数株主の利益へ配慮がなされていると認められること。
(iv)上記措置が取られたうえで、公開買付者と当社との間で、独立当事者間の取引における協議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われたうえで決定された価格であること。
(v)本特別委員会が、本公開買付価格について、本取引が当社の少数株主にとって不利益でない旨の意見を述べていること。
以上のとおり、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断し、2020年2月5日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全てを取得することができなかったため、当社に対し、当社の株主を公開買付者及び東洋紡のみとするため、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第180条に基づき当社株式の併合を行うこと等を本定時株主総会の付議議案に含める要請を行いました。当社といたしましては、上記の経緯を経て本取引の一環として行われた本公開買付けが成立したこと及び公開買付者から会社法第180条に基づき当社株式の併合を行うこと等を本定時株主総会の付議議案に含めることの要請を受けたこと等を踏まえ、当社2020年2月5日付プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」においてお知らせいたしましたとおり、本日開催の当社取締役会において、本定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者及び東洋紡のみとするため、本株式併合を本定時株主総会に付議することといたしました。
なお、本株式併合により、公開買付者及び東洋紡以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2. 本株式併合の割合
当社株式について、274,735株を1株に併合いたします。
3. 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び東洋紡以外の株主の皆様が所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その端数に応じて、その売却により得られた代金を株主の皆様に交付します。当該売却について、当社は、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却すること、又は会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び同条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しております。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合は、本株式併合の効力発生日の前日である2020年7月13日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である3,000円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆様に交付することができるような価格に設定する予定です。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあり得ます。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、本株式併合の効力発生日の前日である2020年7月13日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である3,000円を乗じた額を予定しております。
そして、本公開買付価格につきましては、当社2020年2月5日付プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(i)本公開買付価格3,000円が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の株式価値算定結果において、市場株価分析及び類似企業比較分析を用いて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の上限を超え、DCF分析を用いて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲内に含まれ、当該算定結果の中間値に限りなく近い数値であること、さらに、当社が継続企業であることを踏まえると、当社の株式価値を1株当たり株主資本のみを基準に判断することは相当ではないものの、本公開買付価格は、2019年12月31日現在の1株当たり株主資本とほぼ同額(1株当たり株主資本の0.97倍)となっており、売却困難な資産の存在や清算に伴う追加コストも考慮すれば、本公開買付価格は株主資本の観点からみても、不合理な価格ではないものと考えられること、(ii)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2020年2月4日の東京証券取引所JASDAQにおける当社株式の終値1,651円に対して81.71%、過去1ヶ月間の終値単純平均値1,472円に対して103.80%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,339円に対して124.05%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,293円に対して132.02%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること、(iii) 下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置等の公正性を担保するための措置が取られていること等、少数株主の利益へ配慮がなされていると認められること、(iv)上記措置が取られたうえで、公開買付者と当社との間で、独立当事者間の取引における協議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われたうえで決定された価格であること、(v)本特別委員会が、本公開買付価格について、本取引が当社の少数株主にとって不利益でない旨の意見を述べていることを踏まえ、当社は、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。また、当社は、2020年2月5日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議した後、本定時株主総会の招集を決議した本日開催の当社取締役会の開催時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本取引において、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続きとして行われるものであるところ、本公開買付けの開始時点において、公開買付者は当社の親会社等には該当しませんでした。もっとも、当社2020年2月5日付プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、(i)公開買付者及び東洋紡はともに当社の持分法適用関連会社であり、本公開買付け前におけるこれらの合計の当社株式の所有割合は過半数を大きく超える水準となっていたこと、(ii)当社の取締役7名のうち、公開買付者の従業員の地位を過去に有していた者が2名、公開買付者からの出向者が1名、東洋紡の従業員を現在兼務している者が1名存在し、また当社の監査役4名のうち、東洋紡の従業員の地位を過去に有していた者が1名、公開買付者の従業員を現在兼務している者が2名、東洋紡の従業員を現在兼務している者が1名存在することに鑑みた場合、本取引においては支配株主による従属会社の買収の場面に近似した構造的な利益相反状態が存在していること、(iii)本公開買付け成立後に公開買付者が当社の支配株主となった場合、本公開買付け後に予定されている当社を非上場化することを目的とした本株式併合は、東京証券取引所の企業行動規範に定める「支配株主との重要な取引等」に該当することになるところ、これらが一連の取引としてなされる本取引において、本公開買付けの段階から公正性及び透明性を担保する必要性は高いと判断し、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、以下①~⑥の措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及び東洋紡から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2020年2月4日付で野村證券から株式価値算定書を取得したとのことです。なお、野村證券は公開買付者、当社及び東洋紡の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
野村證券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所JASDAQに上場していることから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は2020年2月4日付で野村證券から公開買付者算定書を取得したとのことです。なお、公開買付者は、野村證券から本公開買付価格が財務的見地から妥当である旨の意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券による当社株式の1株当たりの株式価値の算定結果は以下のとおりであるとのことです。
市場株価平均法 1,293円~1,651円
類似会社比較法 1,682円~2,139円
DCF法 2,246円~3,475円
市場株価平均法では、2020年2月4日を基準日として、東京証券取引所JASDAQにおける当社株式の基準日終値1,651円、直近5営業日の終値単純平均値1,597円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,472円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,339円、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,293円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,293円から1,651円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,682円から2,139円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社の2020年3月期から2023年3月期までの4期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、2020年3月期第3四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,246円から3,475円までと算定しているとのことです。
公開買付者は、野村證券から取得した公開買付者算定書の算定結果に加え、公開買付者において2019年11月下旬から同年12月下旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例のうち親会社による上場子会社の完全子会社化を前提とした公開買付けにおいて買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアムの実例、当社株式の市場株価の動向、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえて、2020年2月5日開催の取締役会の決議によって、本公開買付価格を3,000円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格3,000円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2020年2月4日の東京証券取引所JASDAQにおける当社株式の終値1,651円に対して81.71%、2020年2月4日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,472円に対して103.80%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,339円に対して124.05%、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,293円に対して132.02%をそれぞれ加えた価格となるとのことです。
(注)野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2020年2月4日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、本公開買付価格に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、公開買付者、当社及び東洋紡から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2020年2月4日付で株式価値算定書(以下「当社算定書」といいます。)を取得いたしました。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者、当社及び東洋紡の関連当事者に該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討したうえで、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所JASDAQに上場しており、市場株価が存在することから市場株価分析を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似会社との比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較分析を、将来の事業活動に基づく本源的価値評価を反映するためDCF分析を、それぞれ採用して、当社株式の株式価値算定を行いました。なお、当社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価分析 1,293円~1,472円
類似企業比較分析 2,510円~2,974円
DCF分析 2,781円~3,221円
市場株価分析では、2020年2月4日を基準日として、当社株式の東京証券取引所JASDAQにおける直近1ヶ月間の終値単純平均値1,472円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,339円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,293円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,293円~1,472円までと分析しています。
類似企業比較分析では、当社と同様又は類似製品を製造し、最終用途・ビジネスモデルが類似する複数の上場企業の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、比較的類似性があると判断される上場会社として、群栄化学工業株式会社、旭有機材株式会社、株式会社ADEKAを選定し、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,510円~2,974円までと分析しています。
DCF分析では、当社が作成した2020年3月期から2023年3月期までの事業計画、直近までの業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した、2020年3月期第4四半期以降に当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り戻して算定される事業価値に当社が保有する余剰現預金等の価値を加算するなど一定の財務上の調整を行って、当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,781円~3,221円までと分析しています。割引率は4.50%~5.50%を採用しており、継続価値の算定にあたってはマルチプル法を採用し、EBITDAマルチプルを4.0倍~6.0倍として分析しています。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がDCF分析による算定に用いた当社作成の事業計画においては、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には2020年3月期においては、原燃料価格が2019年3月期に比べ下落したことによる増益を、2022年3月期は成長が見込まれる建設土木、自動車・車両部品、電気材料部品の分野での成型材料及び炭素繊維強化プラスチック用樹脂などの新規開発品の拡販による増益を見込んでおります。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引により実現することが期待できるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることは困難であるため、以下の財務予測には加味していません。
(単位:百万円)
2020年
3月期
2021年
3月期
2022年
3月期
2023年
3月期
売上高10,73610,63511,02711,465
営業利益365344456545
EBITDA606586708801
フリー・キャッシュ・フロー417116298342

(注) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及びその基礎となる当社株式の株式価値の分析は、当社の参考に資するためのみに宛てたものです。当該分析は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券又はその関係会社による財務上の意見又は推奨を構成するものではなく、本公開買付けに関する一切の当社もしくは公開買付者の株主の行動又は本取引に関する一切の株主総会に関する株主による議決権行使もしくはその他の行動に対して、意見を述べたり、また、推奨を行うものでもありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、その分析にあたり、既に公開されている情報又は当社によって提供等され入手した情報が正確かつ完全なものであることを前提としてこれに依拠しており、当該情報の正確性及び完全性につき独自の検証を行っておりません。また三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、財務予測につき、当社の将来の財務状況に関する2020年2月4日時点で入手可能な最善の予測及び判断を反映するものとして、当社によって合理的に用意・作成されたものであることを前提としております。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は当社の資産及び負債について、独自の評価・査定は行っておらず、また評価・査定の提供を一切受けていません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析は、その2020年2月4日現在における金融、経済、為替、市場その他の状況及び、2020年2月4日現在において三菱UFJモルガン・スタンレー証券が入手している情報に基づくものです。同日以降に生じる事象が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及び当社算定書の作成に用いられた前提に影響を及ぼす可能性はありますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社算定書及び分析を更新し、改訂し、又は再確認する義務を負うものではありません。当社算定書の作成及びその基となる分析は複雑な過程を経ており、必ずしも部分的な分析や要約した記載に適したものではありません。当社算定書で記載されている特定の分析に基づく評価レンジを、当社の実際の価値に関する三菱UFJモルガン・スタンレー証券による評価であると捉えることはできません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引に関し、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして役務を提供し、当該役務の対価として手数料を受領する予定です。なお、手数料の相当な部分の受領は、本取引の公表及び完了を条件としております。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社取締役会は、本取引(当社取締役会による本公開買付けへの賛同及び当社株主に対する応募推奨の決定並びに本公開買付け成立後の本株式併合の決定のいずれも含みます。)に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2019年10月23日、公開買付者、当社及び東洋紡との間に利害関係を有しない、長谷川博史氏(当社社外取締役)、松井秀樹氏(弁護士、丸の内総合法律事務所)及び山田和弘氏(公認会計士、公認会計士山田和弘事務所)の3名から構成される本特別委員会を設置しました(本特別委員会の委員長については当社取締役会の構成員として当社の経営判断に直接関与する立場にあり、当社の事業にも一定の知見を有していること等を踏まえ、長谷川博史氏を選定しました。本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。なお、各委員の報酬は、全て本取引の公表や成立を条件としない固定額の報酬としております。
そして、当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性、(ⅱ)本取引に係る交渉過程の手続きの公正性、(ⅲ)本取引により当社の少数株主に交付される対価の妥当性及び(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を前提に、本取引が当社の少数株主にとって不利益であるか否か(総称して、以下「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての答申書を当社取締役会に提出することを嘱託いたしました。また、当社取締役会は、当社取締役会における本公開買付けに関する意思決定については、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び本特別委員会が、当社の少数株主にとって不利益であると判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、当社取締役、監査役、従業員、その他本特別委員会が必要と認める者の出席を当社取締役会に要求し、本特別委員会が求める事項に関する意見又は説明を求めること、本諮問事項に関する答申を行うに際し、合理的に必要と判断する場合、独立性を有する弁護士、公認会計士、税理士、ファイナンシャル・アドバイザーその他の専門家を選任し、助言を求めることができることについての権限を付与することを決議しました。
本特別委員会は、2019年10月28日から2020年2月3日までの間に合計7回開催され、本諮問事項についての協議及び検討を慎重に行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から提出された各資料に基づき、当社から、公開買付者の提案内容、本取引の目的、本取引に至る背景、本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内容、当社の事業計画(その合理性及び作成経緯を含みます。)、本取引の条件及びその決定プロセス等について説明を受けるとともに、これらに関する質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、公開買付者から、本取引の背景及び目的(本取引によるシナジーの内容を含みます。)、本取引のスキーム選択の理由、本公開買付価格に対する考え方及び本取引後の当社の経営方針等について、書面による質問を行い、公開買付者から面談にて回答を受けるとともに、これに対する質疑応答を行いました。さらに、本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、当社株式の株式価値の価値評価についての説明を受け、これらに関する質疑応答を行うとともに、ベーカー&マッケンジー法律事務所から、本取引に関連する事項全般に関する法的助言を受け、これらに関しても質疑応答を行っております。また、本特別委員会は、当社から、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けたうえで、本公開買付価格につき、公開買付者から3,000円という最終的な提案を受けるに至るまで、複数回に亘り当社との間で協議を行い当社に意見する等して、公開買付者との交渉過程に関与しております。
本特別委員会は、以上の経緯のもとで、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2020年2月4日、委員全員の一致により、当社取締役会に対し、大要、以下の内容の答申書を提出しております。
(i) 本取引の目的の正当性
本取引の目的は、大要、本取引を通じて当社を公開買付者の連結子会社化し、当社の既存の大株主である東洋紡との関係も維持しつつ当社を非上場化することによって、当社の短期的利益に直結せずとも当社を含むMGCグループ全体の中長期的な成長につながる施策を実施することができる環境を整えるとともに、より踏み込んだ提携関係を構築して、これまで行ってきた製品受委託による協業体制、研究開発での連携及び人材交流などを深化させることでシナジーを創出することにより、当社及びMGCグループの企業価値の向上を図ることにある。その具体的な内容として当社から説明された施策及びシナジーに不合理な点は見受けられず、これらは当社が認識している課題への対処を着実かつ効率的に行うことに寄与するものであり、当社の企業価値の向上に資するものと認められる。また、これらの施策の実施及びシナジー創出のためには、当社において研究開発費の増加等の一時的な業績や財務状況の悪化を伴う施策を実行するとともに、MGCグループ全体の一体運営が必要となることも想定されるところ、当社の上場を維持したまま上記の施策を迅速に実施することは容易でなく、他方で、非上場化した場合、上場維持に要するコストを削減できる一方、これにより生じる当社の人材確保や従業員に与えるデメリット等による影響は軽微であると認められる。以上を踏まえると、本取引は当社の企業価値向上を目的として行なわれるものであるといえ、本取引の目的は正当なものと認められる。
(ii) 本取引に係る交渉過程の手続きの公正性
(a)当社は、当社取締役会の諮問機関として、本特別委員会を設置し、本特別委員会は当社の事業計画や本取引における当社による公開買付者との協議状況等について報告を受け、適宜質疑応答・協議を行うとともに、関係書類の調査を実施するなどの方法で本諮問事項についての検討を行っていること、(b) 当社は、公開買付者、当社及び東洋紡から独立した算定機関として三菱UFJモルガン・スタンレー証券を選任し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、当社算定書を取得していること、(c) 当社は、公開買付者、当社及び東洋紡から独立したリーガル・アドバイザーとしてベーカー&マッケンジー法律事務所を選任し、本取引の諸手続き及び取締役会の意思決定の方法・過程等について法的な観点から助言を受けていること、(d) 当社は、公開買付者、当社及び東洋紡から独立した当社の取締役及び担当者で構成されるプロジェクトチームが、本特別委員会及び各アドバイザーから助言・意見等を得ながら、本取引の協議・交渉を中心となって行ったこと、(e)本取引の承認に係る当社取締役会において、利益相反のおそれを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、まず、(ア)山根祥弘氏、桑原章二郎氏、三浦弘之氏及び金子一彦氏を除く3名の取締役において審議のうえ、全員一致により本公開買付けへの賛同及び当社株主に対する応募推奨に係る決議を行い、さらに、当社取締役会の定足数を確保する観点から、(イ)山根祥弘氏及び桑原章二郎氏を加えた5名の取締役において改めて審議のうえ、全員一致により上記の決議を行うという二段階の手続きを経る予定であること、(f)本公開買付けにおいては、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)条件を設定した場合、僅か約11.47%程度の議決権を有する株主が本取引の拒否権を有することとなり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであってもこれが阻害される効果を有するおそれは否定できないことから、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)条件を設定しないことには一定の合理性が認められること、(g)公開買付期間として法定の最短期間である20営業日を超える30営業日が設定されており、対抗提案が可能な期間が確保されており、また当社は、公開買付者又は東洋紡との間で取引保護条項など対抗提案者との接触を過度に制限するような内容の合意は行っていないこと、(h)当社のプレスリリースにおいて、少数株主及び反対株主の利益に配慮した充実した正確な開示がなされる予定であること等からすると、本取引においては、公正な手続きを通じた少数株主の利益への配慮がなされていること、(i)本取引においては、第二段階目のスクイーズ・アウト手続きとして行われる本株式併合において本公開買付けに応募しなかった当社の各株主に対して交付される対価は、本公開買付価格と同一価格となる予定であるほか、それに不服である株主には株式買取請求権及び価格決定請求権が確保されており、本公開買付けに応募しなかった株主の利益に対しても一定の配慮がなされていると考えられること等からすると、本取引に係る交渉過程において十分な公正性担保措置が講じられており、その手続きは公正であると認められる。
(iii) 本取引により当社の少数株主に交付される対価の妥当性
(a)三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の算定手法及び算定プロセス並びに株式価値算定に関する考察過程についての説明等からすると、三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式価値の算定手法及びその結果は、いずれも合理的であると認められること、(b)三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社算定書においては、当社株式の1株当たりの株式価値が、市場株価分析で1,293円~1,472円、類似企業比較分析で2,510円~2,974円、DCF分析で2,781円~3,221円とされているところ、本公開買付価格(1株3,000円)は、市場株価分析及び類似企業比較分析を用いて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の上限を超え、かつ、DCF分析を用いて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲内に含まれ、当該算定結果の中間値に限りなく近い数値であること等から、本公開買付価格は、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考えられること、(c)当社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の助言を受けながら、少数株主の利益保護の観点から対案となる買付価格を公開買付者に提示し、公開買付価格に係る実質的な協議・交渉を複数回に亘って行っており、また、本特別委員会は、交渉状況に関する説明を受けて意見を述べるなど当該交渉過程に主体的に関与しており、当該協議・交渉の結果として合意された本公開買付価格は、当社と公開買付者との間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果として決定されたものであると認められること、(d)本取引において、第二段階目のスクイーズ・アウト手続きとして行われる本株式併合において本公開買付けに応募しなかった当社の各株主に対して交付される対価は、本公開買付価格と同一価格となる予定であること等からすると、本取引により当社の株主に交付される対価は妥当であると認められる。
(iv) 上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を前提に、本取引が当社の少数株主にとって不利益であるか否か
上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の判断を踏まえ、本特別委員会において慎重に協議及び検討した結果、本取引(当社取締役会による本公開買付けへの賛同及び当社株主に対する応募推奨の決定並びに本公開買付け成立後の本株式併合の決定のいずれも含みます。)は当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる。
④ 当社における独立した法律事務所からの助言の取得
当社は、本取引に係る意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するため、公開買付者、当社及び東洋紡から独立したリーガル・アドバイザーとしてベーカー&マッケンジー法律事務所を選任し、同法律事務所から、本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、ベーカー&マッケンジー法律事務所は、公開買付者、当社及び東洋紡の関連当事者には該当せず、本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、公開買付者からの本公開買付けに関する説明のほか、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」のとおり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から当社算定書を取得し、また、ベーカー&マッケンジー法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から取得した答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の一連の手続き及び本公開買付けの諸条件を慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載の当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由に基づき、2020年2月5日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役の全員一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
上記2月5日開催の当社取締役会においては、当社取締役7名のうち、代表取締役社長山根祥弘氏及び桑原章二郎氏は、公開買付者の従業員の地位を過去に有していたこと、三浦弘之氏は、公開買付者からの出向者であり出向元である公開買付者との間で現在も雇用関係が存在すること、金子一彦氏は、東洋紡の従業員を現在兼務していることから、利益相反のおそれを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、まず、(ア)山根祥弘氏、桑原章二郎氏、三浦弘之氏及び金子一彦氏を除く、3名の取締役において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行い、さらに、当社取締役会の定足数を確保する観点から、(イ)山根祥弘氏及び桑原章二郎氏を加えた5名の取締役において改めて審議のうえ、全員一致により上記の決議を行うという二段階の手続きを経ております。
また、上記取締役会には、当社監査役4名のうち、常勤監査役である土屋裕一氏が、上記取締役会のうち、二段階目の手続きから出席し、当社取締役会が、上記決議を行うことにつき異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役のうち、三浦弘之氏及び金子一彦氏は、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記の2月5日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場での本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
他方で、山根祥弘氏及び桑原章二郎氏は、公開買付者の従業員の地位を過去に有しておりましたが、現在は当社所属となっており、当社所属となった後相当期間が経過していることから、公開買付者との関係で利益相反のおそれは相対的に小さいものと判断しております。そのため、山根祥弘氏及び桑原章二郎氏は、上記のとおり、2月5日開催の当社取締役会において、定足数を確保する観点から二段階目の審議及び決議に参加しております(他方で、構造的な利益相反の問題による影響を可能な限り排除する観点から、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉には参加しておりません。)。
当社の監査役である加藤金司氏及び鍵和田進氏は公開買付者の従業員を現在兼務しており、夏原豊和氏は東洋紡の従業員を現在兼務していることから、上記の取締役会の審議には一切参加しておらず、上記の取締役会の決議に対して意見を述べることを差し控えております。
他方で、当社の監査役である土屋裕一氏は、東洋紡の従業員の地位を過去に有しておりましたが、2010年12月に当社に転籍しており、当社所属となった後相当期間が経過していることから、公開買付者との関係で利益相反のおそれは小さいものと判断し、上記のとおり、2月5日開催の当社取締役会において、二段階目の審議に参加するとともに、上記決議を行うことにつき異議がない旨の意見を述べております。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日(2020年2月6日から2020年3月23日)としております。公開買付者は、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の一般株主の皆様に対して、本公開買付けに対する応募に関する適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを企図しているとのことです。
公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
4. 本株式併合がその効力を生ずる日
2020年7月14日(火曜日)(予定)
以 上