公開買付届出書

【提出】
2022/08/01 13:15
【資料】
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脚注、表紙

(注1) 本書中の「公開買付者」とは、ミネベアミツミ株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、本多通信工業株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は必ずしも計数の総和と一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注10) 本書中の「本公開買付け」とは、本書の提出に係る公開買付けをいいます。

対象者名

本多通信工業株式会社

買付け等をする株券等の種類

普通株式

買付け等の目的

(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、2022年7月29日付で、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第370条及び公開買付者定款第24条の規定に基づく取締役会決議に代わる書面決議により、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。なお、本書提出日現在、公開買付者は対象者株式を所有しておりません。
公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、対象者の主要株主である筆頭株主であり、かつ、その他関係会社にあたるパナソニック ホールディングス株式会社(以下「パナソニック」といいます。所有株式数:5,002,000株(以下「応募合意株式」といいます。)、所有割合(注1):21.67%)との間で、応募合意株式の全てを本公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)を2022年7月29日付で締結しております。なお、本応募契約の詳細については、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「① 本応募契約」をご参照ください。
(注1) 「所有割合」とは、対象者が2022年7月29日に公表した「2023年3月期 第1四半期決算短信[日本基準](連結)」(以下「対象者第1四半期決算短信」といいます。)に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(25,006,200株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,922,244株)を控除した株式数(23,083,956株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
公開買付者は、本公開買付けにおいて対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の下限を15,389,300株(所有割合:66.67%)としており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(15,389,300株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、買付予定数の下限(15,389,300株)は、対象者第1四半期決算短信に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(25,006,200株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,922,244株)を控除した株式数(23,083,956株)に係る議決権の数(230,839個)に3分の2を乗じた数(153,893個、小数点以下切り上げ)に、対象者の単元株式数である100株を乗じた数です。
このような買付予定数の下限を設定したのは、本公開買付けは、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できず、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する場合には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者が単独で特別決議に必要となる議決権割合に相当する3分の2以上の議決権を有することとなるように設定したものです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」)に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しております。
対象者が2022年7月29日に公表した「ミネベアミツミ株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行ったとのことです。
なお、対象者の上記取締役会決議は、公開買付者が、本公開買付け及びその後の一連の手続により、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを企図していること並びに対象者株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものとのことです。また、対象者は、当該取締役会決議にて、対象者が2021年10月28日付で公表した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下「本計画書」といいます。)を撤回することを決議したとのことです。
対象者の意思決定の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
なお、公開買付者の完全子会社であるミツミ電機株式会社(以下「ミツミ電機」といいます。)は、2022年7月29日付で、端子及びコネクタを主力製品とする非上場の精密部品メーカーである住鉱テック株式会社(以下「住鉱テック」といいます。)の発行済全株式を、主に車載向けの端子及びコネクタ製造に強みを持つと公開買付者として考えている住鉱テックと公開買付者グループとの間におけるシナジー発現による、公開買付者グループのコネクタ事業の規模拡大、両社の企業価値の持続的向上及び市場での地位向上を目的として、同社の親会社である住友金属鉱山株式会社から譲り受けること(以下「住鉱テック株式譲受」といいます。)を決議しておりますが、公開買付者及びミツミ電機は、本取引と住鉱テック株式譲受を、それぞれ別個独立の取引として検討し、対象者・住鉱テック及びその株主と個別に協議した結果、本取引及び住鉱テック株式譲受の実施をそれぞれ決定したものであり、本取引と住鉱テック株式譲受とはそれぞれ独立した取引として検討・実施されるものです(住鉱テック株式譲受の詳細は、公開買付者が2022年7月29日に公表した「住鉱テック株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」をご参照ください。)。
(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、1951年7月、わが国初のミニチュアベアリング専門メーカーである日本ミネチュアベアリング株式会社として設立され、1961年8月に東京証券取引所店頭売買銘柄として承認・公開され、同年10月に東京証券取引所市場第二部に上場、更に、1970年10月に東京証券取引所市場第一部に指定替上場をいたしました。その後、公開買付者は、1981年10月に、商号をミネベア株式会社に変更し、2022年4月4日以降は市場区分の見直しにより東京証券取引所プライム市場に上場しております。
また、公開買付者(当時の商号は「ミネベア株式会社」)は、2017年1月27日に、電子部品メーカーのミツミ電機との間で、公開買付者を株式交換完全親会社、ミツミ電機を株式交換完全子会社とする株式交換を通じて経営統合を行い、ミネベアミツミ株式会社として新たなスタートを切りました。
公開買付者は、上記のとおり1951年7月にわが国初のミニチュアベアリング専門メーカーとして設立以来、ベアリングをはじめとする精密部品の製造・販売をしてまいりました。2010年8月からは、スマートフォンなどに使われる液晶用バックライトや照明器具などの製品も製造・販売しております。一方、ミツミ電機は、1954年1月にコイル/トランス等の電子部品メーカーである三美電機製作所として設立されて以来、1955年3月のポリバリコン(可変コンデンサ)の発明等に始まり、技術力を培い、あらゆる時代における最先端の電子機器に向け、電子部品を世界に供給してまいりました。1959年11月には、商号をミツミ電機株式会社に変更し、現在は、情報通信端末、自動車、ヘルスケア・生活家電、アミューズメント機器等に向けて、機構部品、半導体デバイス、電源部品、高周波デバイス、光デバイス等の電子機器・部品を製造・販売しております。また、後述のとおり、対象者はコネクタ事業を主業としているところ、公開買付者の企業グループにおいては、ミツミ電機がコネクタ事業の主な事業運営を担っております。
公開買付者とミツミ電機は、両社の経営統合により、公開買付者が従来から有していた機械加工品技術とミツミ電機の電子機器技術を融合した複合製品事業を拡大させており、現在は、技術・製品を相い合わせることで様々な分野でシナジーを生み出す「相合」精密部品メーカーとして、自動車、スマートフォン・タブレット、航空機、オフィスオートメーション機器、家電、医療機器等の産業に製品を供給しております。
公開買付者の企業グループは、本書提出日現在、公開買付者のほか、連結子会社120社(公開買付者と併せて、以下「公開買付者グループ」といいます。)で構成され、ボールベアリング(注1)、ロッドエンドベアリング(注2)、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー(注3)等のメカニカルパーツ及び航空機用ねじを主要製品とする「機械加工品事業」、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)、IoE(注4)ソリューション等)、ハードディスク駆動装置(HDD)用スピンドルモーター(注5)、ステッピングモーター(注6)、DCモーター(注7)、エアームーバー(ファンモーター)、精密モーター及び特殊機器を主要製品とする「電子機器事業」、半導体デバイス、光デバイス、電源部品、精密部品、及び住宅機器用部品(ビル、住宅用錠前その他)を主要製品とする「ミツミ事業」、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル、高周波部品等の自動車部品、及び産業用機器部品、を主要製品とする「ユーシン事業」を主な事業内容としております。
(注1) ボールベアリングとは、玉軸受であり、外輪、内輪、ボール、リテーナー(ボール保持器)、シールド(フタ)、スナップリング(バネ)により構成され、回転機器などの軸を安定的に回転させるために、軸を受ける部分に使用される機械加工部品を意味します。
(注2) ロッドエンドベアリングとは、球面すべり軸受を意味し、主に揺動運動、傾斜運動及び低速回転運動を支え、摩擦を軽減する目的で使用される軸受の一種で、人体で例えた場合、関節の動きをする部品です。公開買付者のロッドエンドベアリングは、航空機の翼の可動部、エンジンと翼の結合部、ハッチ(ドア)の開閉部など、様々な機械の内部に組み込まれています。
(注3) ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリーとは、HDDにおいて磁気ヘッド(磁界を発生させて磁気ディスクにデータの読み書きを行う部品)を取り付けた駆動装置の支点部分に使用される部品を意味します。ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリーにはボールベアリングが内蔵されています。
(注4) IoT(Internet of Things)を更に発展させた概念である、Internet of Everythingの略です。人、システム情報、公共施設、データなど「モノ」だけではなく「世の中のあらゆるもの」がインターネットで繋がることを意味します。
(注5) ハードディスク駆動装置(HDD)用スピンドルモーターとは、HDDのディスクを回転させるモーターを意味します。
(注6) ステッピングモーターとは、電気信号により時計のように一定の角度ずつ動いて回転する仕組みのモーターを意味します。
(注7) DCモーターとは、直流モーターのことであり、直流電源で動くモーターを意味します。
公開買付者グループは、次の三つを基盤とする経営理念を定めております。
一つ目は、「社是『五つの心得』に基づいた透明度の高い経営」です。「従業員が誇りを持てる会社でなければならない」、「お客様の信頼を得なければならない」、「株主の皆様のご期待に応えなければならない」、「地域社会に歓迎されなければならない」、「国際社会の発展に貢献しなければならない」という社是の下、公開買付者グループは、従業員・取引先・株主の皆様・地域社会・国際社会をはじめとするさまざまなステークホルダーに対して社会的な責任を遂行するとともに、持続的な企業価値の向上をはかることを経営の基本方針としております。また、公開買付者グループは、「高付加価値製品の開発」「製品の品質の高度化」に積極的に取り組み、グループの総合力を発揮できる分野に経営資源を集中するとともに、「財務体質の強化」を中心とする企業運営の強化と社内外に対して分かりやすい「透明度の高い経営」の実践を心がけております。
二つ目は、「常識を超えた『違い』による新しい価値の創造」です。社会へ新しい価値を提案していくことがこれからのものづくりに求められる中、「Passion to Create Value through Difference」というスローガンを定め、常識を超えた「違い」で新しい価値をつくり、他社にない強みを発揮する体制を追求し、「情熱は力」「情熱はスピード」「情熱は未来」の考えのもと情熱を持って邁進しております。
三つ目は、「当社の成長、そして地球環境・社会の持続可能な成長の実現に向け、ものづくりに真摯に取り組む姿勢」です。公開買付者グループは、グループ全社にて、ものづくりに対する姿勢、考え方、行動のベストプラクティスを追求し、共有していくことが何よりも重要と考えております。公開買付者グループがこれまで徹底してきた社会の要請に対し「より良き品を、より早く、より安く、より多く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」という成長と持続可能性への貢献に対する基本的な考え方に立って「真摯なものづくり」を今後も追求してまいります。M&Aへの取り組み方針については、公開買付者グループの技術、製品と相乗効果がある事業を対象とし、対等の精神のもと各部門で出身母体に関係なく優秀な人材を登用して早期に更なる企業価値の創造を目指します。これまでも、また今後も相手側の歴史的に価値のあるブランドを維持、尊重して経営してまいります。
公開買付者グループは、総合精密部品メーカーでありますが、技術、製品を相い合わせることでさまざまな分野でシナジーを生み出す、「相合」精密部品メーカーであると考えております。公開買付者グループは新規事業へのチャレンジやグループ内の既存の経営資源の活用を通じた自律的な成長と、M&Aを中心とする外部資源の活用による非連続的な成長を両輪として成長し、多角化を進めてまいりました。ただし、その多角化とは、単に製品の種類を増やすのではなく、各々の製品が互いに密接に関連して「相合」し、保有技術の組み合わせにより新たな製品を生み出すことを通じて新たな価値を創出するものであることが必要と考えております。公開買付者は、今後も公開買付者グループの持続的な成長に向け、新製品開発、M&Aに積極的にチャレンジする一方、必要な場合は事業撤退も適切に判断しながらポートフォリオを強化していく方針を有しております。
一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1932年5月、東京都目黒区において精密ねじ加工を目的とする会社として、現在の本多通信工業株式会社の前身である「本多螺子製作所」を創業したとのことです。その後、通信機部品製造業務の拡大に伴い、1947年6月に通信機部品製造及び販売を事業目的とする本多通信工業株式会社を設立し、1999年10月に日本証券業協会に株式を上場させ、2001年2月には東京証券取引所市場第二部に株式を上場したとのことです。2008年4月には松下電工株式会社(現「パナソニック」)と資本業務提携し、2009年7月にはパナソニック電工株式会社(現「パナソニック」)の持分法適用会社となったとのことです。2016年3月には東京証券取引所市場第一部に指定替え、2022年4月4日の東京証券取引所における新市場区分への移行後の本書提出日現在においては東京証券取引所プライム市場に対象者株式を上場しているとのことです。なお、対象者は、東京証券取引所における市場区分の見直しに関し、2021年10月28日付で、2022年4月の新市場区分への移行に際して、プライム市場を選択する旨の申請書を提出するとともに、本計画書を開示しているとのことですが、その後、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する旨の意見を決議したことから、併せて、本計画書を撤回することも決議したとのことです。
対象者の企業グループは、本書提出日現在、対象者と子会社7社で構成されており、コネクタ等の一般電子部品の製造・販売、情報システムの開発・設計、運用などを行っているとのことです(以下「対象者グループ」といいます。)。
コネクタ事業においては、主に通信インフラ向け、FA機器向け、民生機器(注8)向け、車載用途向けに電気コネクタ及び光コネクタの製造販売を行っているとのことです。主要製品として、通信インフラ用では、光通信を屋内に引き込む光ファイバー(FTTH)用コネクタを、FA機器用では、制御機器と工作機械を繋ぐインターフェイス用コネクタを、民生機器用ではノートパソコンやデジタルカメラ用のメモリーカード用のソケットを、車載用では車載カメラ用のコネクタ、ケーブルハーネスを製作しているとのことです。対象者は主として子会社の安曇野本多通信工業株式会社において約4千品目にわたるコネクタを1品種あたり月産数十個から10万個未満製造し、また、対象者の孫会社の深圳本多通信技術有限公司(中国)において、車載用コネクタを中心として約百数十種類のコネクタを1品種あたり月産約10万個から約100万個製造し、対象者及び海外販社4社にて販売しているとのことです。
(注8) 一般消費者・家庭にて使用される電化製品を意味します。
情報システム事業においては、ソフトウエアの設計・開発、システム運用を対象者の子会社の株式会社HTKエンジニアリングが行っているとのことです。VMwareを中心とした仮想化技術、AWS・Azure・ServiceNowを中心としたクラウド技術を得意分野としており、システムインフラ構築を中心に、ソフトウエア受託開発や保守・運用サポートを行っているとのことです。
対象者は、ブランドステートメントとして、「つなぐ喜び、創る感動」を掲げているとのことです。「より快適で安心な通信ネットワークに進化させる」「機器をネットワークにつないで便利にする」「複数の情報をつなぎ合わせて価値ある情報にする」など、さまざまなシーンにつなぐ楽しさや喜びを提供し、感動を創ることが、豊かな未来に向けた対象者のミッションとのことです。また、その中核として、人と人とのつながりを大切にする企業でありたいと考えているとのことです。
対象者グループは、ミッションの実現に向けて、グループ内で共有する在り方や考え方を「8つの価値観(8Values)」として、その具体的な実践基準を「行動規範」としてまとめているとのことです。具体的には、お客様は満足し、感動しているかという「顧客価値」、パートナー様と相互発展しているかという「協働価値」、企業市民として社会づくりに貢献しているかという「社会価値」、働くことの喜びと成長を実感しているかという「自己価値」、グローバルな視野で新しい発想をしているかという「独創価値」、変化を恐れず高みを目指し、挑戦しているかという「挑戦価値」、公正で真摯な姿勢を貫いているかという「誠実価値」、互いの違いを尊重して力を合わせているかという「創発価値」とのことです。パートナー企業様との共創と相互発展、誠実さをベースとした経営及び事業活動、価値創造に向けた挑戦など、ステークホルダーの皆様から信頼と期待を頂戴できる“Good Company(よい会社)”に向けて、日々精進をしているとのことです。
対象者を取り巻く環境は、Society5.0(注9)に向けた急速な社会の進化によりビジネスチャンスが拡大する一方で、貿易摩擦や気候変動、感染症などのリスク要因も増加し、不透明さが増しているとのことです。このような変化の激しい環境下において、対象者は全てのステークホルダーの皆様から信頼と期待をいただき、持続的に成長する「よい会社」となるという、2021年5月に策定した創業100周年(2032年)ビジョンの実現に向けて、成長性・収益性・持続性を高めるべく、基本方針としては、「Society5.0で拡大する“つなぐ”市場に、新商品をスピーディに創出」を掲げており、製品・分野別の経営/事業戦略は以下を掲げているとのことです。
(注9) サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)を意味します。
<業務用コネクタ>長期ビジョン:社会の進化で発生するつなぐ課題をスピード解決
事業方針 :拡がり多様化するニーズに新商品を連打
<車載用コネクタ>長期ビジョン:高速伝送技術を磨きモビリティの自動運転を支える
事業方針 :車載カメラ用の実績と高速伝送技術をベースに事業拡大
<情報システム>長期ビジョン:中堅会社のデジタル革命を支えるDX支援事業へ
事業方針 :新技術の活用で独自のDXビジネスを展開し、事業領域を拡大
<経営基盤の強化>DX及びサステナビリティの取組みを強化し、生産性・持続性を向上
公開買付者グループは、事業ポートフォリオの中で、祖業のベアリングのように、さまざまな機器に必要な中核製品で、絶対になくならない事業を「コア事業」と定義しております。その中で公開買付者グループが高シェア・高収益をあげ、競争優位性を発揮できるニッチセグメントを今後の重点分野と見極め、(ⅰ)ベアリング、(ⅱ)モーター、(ⅲ)アクセス製品、(ⅳ)アナログ半導体、(ⅴ)センサー、(ⅵ)コネクタ/スイッチ、(ⅶ)電源、(ⅷ)無線/通信/ソフトウエアを「8本槍」と位置付けております。これら8本槍と公開買付者グループが磨いてきたコア技術である超精密機械加工技術、大量生産技術、光学技術、センサー技術などと相い合わせていくことで、社会が必要とする先進性のある製品群を生み出すとともに、相合やM&Aによって9本目・10本目となる新たな槍(事業)の獲得も進めてまいります。
一方、スマートフォンやゲーム向け部品など、一時的には需要が見込まれるものの、技術イノベーションのため非永続的であると考えている事業をサブコア事業と定義しております。これらの事業は、その高い収益性から、「キャッシュカウ」事業として位置付け、当該事業で得られた利益をコア事業に投資することで、ポートフォリオの更なる強化という好循環を生み出しております。
公開買付者は、グループ内の既存の経営資源の活用を通じた自律的な成長と、M&Aを中心とする外部資源の活用による非連続的な成長を両輪として目指しており、積極的なM&Aによる事業拡大を目指すにあたり、M&Aアドバイザリー企業であるフロンティア・マネジメント株式会社(以下「フロンティア・マネジメント」といいます。)との間で、公開買付者グループのコネクタ事業を含む事業成長の方針について2020年1月中旬より協議を行ってまいりました。その中で、公開買付者は、2020年2月上旬に、対象者グループがコネクタ製品の中でもFA機器向け、通信インフラ機器向けといった、公開買付者グループのコネクタ事業において製品ラインナップを構成していない製品に関する技術及びノウハウを保有しており、同様の製品を主要なラインナップとして有している企業グループは対象者グループ以外には存在しないと考えたことから、公開買付者グループと対象者グループのコネクタ事業間で開発技術面・生産面・販売面等において幅広い相乗効果が期待できるとの初期的な考えを持つに至りました。その後、公開買付者は、対象者グループの有価証券報告書や東証での適時開示情報等の公開情報等を通じて、公開買付者社内における対象者とのM&Aの可能性及び上記の幅広い相乗効果の達成可能性について2020年2月上旬から同年12月上旬にかけて検討を進める過程において、上記の考えに加え、公開買付者グループの部品・金型製造技術の応用による対象者グループのコネクタ製品の性能向上と原価改善や、公開買付者グループにおいて組立加工を行う製品への対象者グループ製品の搭載による新用途開発等のメリットが、公開買付者グループ及び対象者グループの双方に見込まれると考え、同年12月上旬には、対象者とのM&Aにより対象者グループのコネクタ製品の性能向上と原価改善、公開買付者グループにおける新用途開発等の相乗効果も見込まれるものとの仮説を持つに至りました。
公開買付者は、当該仮説に基づき、対象者グループの事業内容の分析を更に進めるとともに、対象者グループの事業及び事業環境についての理解を深めるために、2021年1月中旬に、対象者の代表取締役社長である樫尾欣司氏及び同社の取締役である水野修氏との面談を申し入れたところ、2021年2月上旬に面談の機会を得ることができ、公開買付者グループの紹介や対象者グループの経営状況に関する協議を行いました。これらの協議を踏まえ、公開買付者は、2021年10月中旬、本取引によって公開買付者が対象者を完全子会社とすることで、上記のとおり、両社のコネクタ事業間で開発技術面・生産面・販売面等において相乗効果が期待でき、公開買付者グループの部品・金型製造技術の応用による対象者グループのコネクタ製品の性能向上と原価改善、公開買付者グループにおいて組立加工を行う製品への対象者グループ製品の搭載による新用途開発等においても相乗効果が見込まれるとの仮説が有効であり、特にコネクタ事業において両社の企業価値の持続的な向上に資する最良の施策であるとの結論に至りました。なお、公開買付者は、当該判断に際して、対象者を完全子会社とするか否かについても検討を行いました。対象者の完全子会社化以外にも、対象者の株式の一部取得や、非上場化を行わない範囲での連結子会社化も選択肢として存在しましたが、公開買付者としては、後述の(ⅰ)~(ⅴ)のとおり、両社のコネクタ事業間で期待できる開発技術面・生産面・販売面等における相乗効果や、公開買付者グループの部品・金型製造技術の応用による対象者グループのコネクタ製品の性能向上と原価改善といった相乗効果を最大限発揮するためには、両社の経営資源及びノウハウを共有し相互に最大限活用するとともに、迅速な意思決定を行うことのできる体制を整備することが不可欠であると考えております。そして、対象者が引き続き上場を維持した場合には、対象者グループの短期的な利益及び株主還元の強化を求める株主など、多様な株主の利害への配慮が必要となるため、工場の新設等の設備投資といった、中長期的には企業価値の向上に資するものの、必ずしも短期的な株主利益には沿わない先行投資に対して慎重にならざるを得ません。また、対象者の事業運営においても、公開買付者グループの製品を対象者グループの製品に優先して顧客に提案することが困難となり、公開買付者グループから一定程度独立した運営を行わざるを得ず、顧客に対して完全に一体の企業として上記の各製品の販売を提案することが困難となります。このように、対象者の一般株主と公開買付者との間の利益相反が生じ得ることや、対象者が一般株主の利益も考慮した経営判断を行う必要があることを前提とすると、利害関係の完全な一致を前提として公開買付者グループと対象者グループが相互に機密情報を制約なく共有することは困難であり、情報管理の観点から対象者と公開買付者との間において相互に共有する情報を限定する必要が生じ得ることから、公開買付者と対象者の利害を完全に一致させることが難しくなり、相互の経営資源やノウハウの共有・活用や迅速な意思決定に一定の制約が生じることとなり、両社のコネクタ事業間で期待できる開発技術面・生産面・販売面等における相乗効果や、対象者グループのコネクタ製品の性能向上と原価改善、公開買付者グループにおける新用途開発等の相乗効果を最大限発揮することが困難になる可能性があると考え、両社のコネクタ事業間で期待できる開発技術面・生産面・販売面等における相乗効果や、対象者グループのコネクタ製品の性能向上と原価改善、公開買付者グループにおける新用途開発等の相乗効果を最大限発揮するためには対象者を公開買付者の完全子会社とすることが最良の選択であると、同じく2021年10月中旬に判断いたしました。
その後、公開買付者は、2021年10月中旬に公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてフロンティア・マネジメントを選任し、対象者の完全子会社化を通じたシナジーの実現による両社の企業価値向上を実行するため、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引の諸条件の具体的な内容について検討を開始しました。
そして、公開買付者は、2021年12月16日、対象者及び対象者の主要株主である筆頭株主であり、かつ、その他関係会社にあたるパナソニックに対して、公開買付けを通じた対象者株式の全部の取得による非公開化を希望する旨の法的拘束力のない意向表明書を提出し、公開情報及び対象者が2021年5月11日に公表した中期経営計画などに基づくディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)、類似会社比較法及び市場株価法による初期的な株式価値分析を総合的に判断した結果及び対象者株式に関する市場株価動向等に基づく初期的提案として、2021年12月16日時点の初期的な株式価値分析結果において、市場株価法における上限を超え、類似会社比較法とDCF法のレンジ内であり、また、2021年12月15日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値434円に対して19.78%~39.74%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)について同じです。)、過去1ヶ月間(2021年11月16日から2021年12月15日)の終値単純平均値440円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して18.15%~37.84%、過去3ヶ月間(2021年9月16日から2021年12月15日)の終値単純平均値454円に対して14.50%~33.59%、過去6ヶ月間(2021年6月16日から2021年12月15日)の終値単純平均値469円に対して10.84%~29.31%のプレミアムを加えた価格であり、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して出来高が1回転する期間である2020年4月9日から2021年12月1日の出来高加重平均価格は472円、2回転する期間である2019年6月14日から2021年12月1日の出来高加重平均価格は499円であるという結果に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、意向表明書提出時点における短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり520円~606円のレンジでの公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する提案及びその後の正式なデュー・ディリジェンス実施の申し入れを行いました。
その後、公開買付者は、2022年1月6日、対象者から、対象者としては公開買付者グループとの提携が対象者の企業価値向上に資するのかを検討する必要がある旨の回答を受けるとともに、価格面においては受領した株式価値では既存株主に対する説明が困難であると判断したことから提示価格の再考を要請する旨の書面を受領しました。他方、公開買付者は、2022年1月11日、パナソニックから、提案内容に対して前向きに検討している旨の書面を受領しました。
その後、公開買付者は、対象者グループの事業及び事業環境についての理解を深めるために、対象者から、公開買付者が対象者グループの事業及び事業環境についての理解を深め、価格を再考するために必要な情報として、2022年2月19日に、2022年3月期から2026年3月期までの事業計画を受領したほか、同年3月上旬に対象者グループの情報システム事業に関する説明を受けました。公開買付者は、これと並行して、同年2月上旬から3月下旬にかけて複数回に亘り対象者経営陣との協議を重ね、更なる検討を行った結果として、2022年4月6日、対象者及びパナソニックに対して、再度法的拘束力のない意向表明書を提出し、公開情報、2022年2月19日に対象者より受領した、2022年3月期から2026年3月期までの事業計画、対象者経営陣との協議及び追加的に受領した情報などに基づいて算出されたDCF法、類似会社比較法、市場株価法による初期的な株式価値分析を総合的に判断した結果及び対象者株式に関する市場株価動向等に基づく再提案として、2022年4月6日時点の初期的な株式価値分析結果において、市場株価法における上限を超え、類似会社比較法とDCF法のレンジ内であり、また、2022年4月5日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値474円に対して18.78%~37.13%、過去1ヶ月間(2022年3月7日から2022年4月5日)の終値単純平均値473円に対して19.03%~37.42%、過去3ヶ月間(2022年1月6日から2022年4月5日)の終値単純平均値459円に対して22.66%~41.61%、過去6ヶ月間(2021年10月6日から2022年4月5日)の終値単純平均値452円に対して24.56%~43.81%のプレミアムを加えた価格であり、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して出来高が1回転する期間である2020年9月4日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は479円、2回転する期間である2019年11月11日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は494円であるという結果に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、意向表明書提出時点における短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり563円~650円のレンジでの公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案及びその後の正式なデュー・ディリジェンス実施の申し入れを改めて行いました。
その後、公開買付者は、2022年4月28日、対象者から、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨、及び同日付にて本取引に関する特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)が設置された旨の伝達を受けました。また、公開買付者は、同日、パナソニックから、上記2022年4月6日付提出の意向表明書に基づき、応募契約の締結を含む本取引について前向きに協議を続ける意向である旨の書面による回答を受けました。2022年5月13日には、公開買付者は、対象者に対して、公開買付者グループの事業内容の説明を行いました。その後、公開買付者は、引き続き対象者経営陣との協議を行う中で、対象者から、2022年6月8日、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を通じて、公開買付者により提案された対象者株式1株当たりの価格レンジは、対象者として不十分であると考えているものの、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであると考えており、公開買付者が公開買付価格を引き上げることを真摯に検討することを条件として、本取引についてのデュー・ディリジェンスを受け入れる旨の申し入れを受けました。その後、公開買付者は、2022年6月8日に、上記の条件を受け入れ、2022年6月中旬から7月下旬にかけてデュー・ディリジェンスを実施することを決定いたしました。
その後、公開買付者は、2022年6月中旬から対象者グループに対するデュー・ディリジェンスを実施し、2022年7月上旬までのデュー・ディリジェンスの進捗を踏まえ、2022年7月8日に、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、対象者の2022年度の進行期の実績を含む足元の業績や将来の事業計画・公開買付者が行った上記デュー・ディリジェンスの結果、2022年3月期の業績はコロナ禍の影響が緩和され自動車市場の回復や顧客企業による設備投資の増加を踏まえた対象者グループ製品への需要の回復などにより回復基調にあるものの、経済情勢や株式市場の動向は不安定であり、2023年3月期以降の業績については不確実性が大きく、業績の下振れリスクも存在するとの考えを持ったことや、2021年7月上旬以降直近1年間において、2023年3月期第1四半期の決算発表日である2022年5月11日以降を除く期間でTOPIX(東証株価指数)の値動きを下回って推移していた対象者株式の市場株価等を勘案しながら、2022年7月8日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値526円に対して23.57%、過去1ヶ月間(2022年6月9日から2022年7月8日)の終値単純平均値528円に対して23.11%、過去3ヶ月間(2022年4月11日から2022年7月8日)の終値単純平均値500円に対して30.00%、過去6ヶ月間(2022年1月11日から2022年7月8日)の終値単純平均値480円に対して35.42%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)には劣後するものの、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して出来高が1回転する期間である2020年9月4日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は479円、2回転する期間である2019年11月11日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は494円であるという結果(上記2022年4月6日の提案時に算出した結果)に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり650円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月11日、対象者から、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。
その後、公開買付者は、2022年7月13日にも、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、同月8日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、2022年7月12日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値516円に対して31.78%、過去1ヶ月間(2022年6月13日から2022年7月12日)の終値単純平均値525円に対して29.52%、過去3ヶ月間(2022年4月13日から2022年7月12日)の終値単純平均値502円に対して35.45%、過去6ヶ月間(2022年1月13日から2022年7月12日)の終値単純平均値482円に対して41.08%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)には劣後するものの、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して出来高が1回転する期間である2020年9月4日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は479円、2回転する期間である2019年11月11日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は494円であるという結果(上記2022年4月6日の提案時に算出した結果)に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり680円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月15日、対象者から、非上場化目的の公開買付け事例におけるプレミアム水準を考慮しても、一定期間の平均株価(例:1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)のそれぞれに対するプレミアム水準が、他事例におけるプレミアム水準と遜色のない水準であることが、対象者として応募推奨を行うにあたっての必要条件であり、かつ、対象者の現状を最も反映しているのは、2021年度決算発表(2022年5月11日)以降及び直近の市場株価であり、対象者の少数株主にとっても当該期間の株価が最も重視されるものと想定しており、その観点において未だ十分な価格に達していないと考えたことから、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。
その後、公開買付者は、2022年7月20日にも、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、同月13日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、2022年7月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値516円に対して34.69%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間(2022年6月20日から2022年7月19日)の終値単純平均値523円に対して32.89%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間(2022年4月20日から2022年7月19日)の終値単純平均値507円に対して37.08%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間(2022年1月20日から2022年7月19日)の終値単純平均値485円に対して43.30%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)と概ね同水準であり、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり695円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月22日、対象者から、非上場化目的の公開買付け事例におけるプレミアム水準を考慮しても、未だ十分な価格に達していないことから、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。
その後、公開買付者は、2022年7月25日にも、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、同月20日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、2022年7月22日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値531円に対して32.77%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間(2022年6月23日から2022年7月22日)の終値単純平均値526円に対して34.03%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間(2022年4月25日から2022年7月22日)の終値単純平均値510円に対して38.24%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間(2022年1月24日から2022年7月22日)の終値単純平均値488円に対して44.47%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)と概ね同水準であり、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり705円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月26日、対象者から、既存株主の利益のために、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。
その後、公開買付者は、2022年7月27日、対象者及びパナソニックに対して、フロンティア・マネジメントを通じて口頭にて、同月25日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、対象者株式1株当たり705円という価格は、2022年7月26日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値549円に対して28.42%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間(2022年6月27日から2022年7月26日)の終値単純平均値529円に対して33.27%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間(2022年4月27日から2022年7月26日)の終値単純平均値513円に対して37.43%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間(2022年1月27日から2022年7月26日)の終値単純平均値490円に対して43.88%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)と概ね同水準であり、少数株主の皆様に不利益が生じない価格であることから、対象者株式1株当たり705円からの更なる引き上げは行わない旨を伝達しました。その後、公開買付者は、2022年7月28日、対象者から、本公開買付価格を705円とすることについて応諾する旨の伝達を受け、本公開買付価格について対象者との合意に至りました。
なお、公開買付者は、上記の公開買付価格の協議・検討と並行して、2022年7月上旬から7月中旬にかけて、本取引後の経営体制について、対象者の法人格は存続させることその他下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載の本合意書(「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に定義されます。)の内容について、対象者との間で複数回にわたる協議・検討を重ねました。具体的には、公開買付者は、本特別委員会から、2022年7月1日に、本取引後の経営体制については一定の書面による合意をすべきである旨の申し出を受け、同日、公開買付者がこれに応じたことから、本合意書の内容について協議を開始することとなりました。公開買付者は、同月2日に、対象者から、本合意書の内容について提案を受けました。同月2日に受領した当初の合意書案では、無条件に対象者の法人格を存続させる旨の記載となっていたことから、公開買付者は、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載のとおり、対象者グループによるコネクタ事業及び情報システム事業の運営が、公開買付者グループの事業戦略と整合的であること、かつ対象者グループの業績が事業計画通りに進捗すること又は対象者グループの業績が事業計画通りに進捗していないとしても対象者グループとして必要な対策をとることを含め適切に事業運営が行われていることを前提とする旨の条件を加えた上で、同月7日、対象者に対して、当該修正案を送付しました。その後、公開買付者は、同月12日に、対象者より、同月7日に送付した修正案から大要に変更は無く、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」における項目⑥ の「現経営陣」に「執行役員」を含む等の軽微な修正が行われた再度の修正案を受領しました。その後、公開買付者は、同月14日に、対象者より同月12日に受領した再修正案の内容を応諾する旨伝達し、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」における項目⑤に記載のとおり、雇用等の維持に関する但書を挿入する等の軽微な修正を行った上で、当該修正案を対象者に対して送付しました。その後、公開買付者は、同月20日に、対象者から、公開買付者が同月14日に送付した当該修正案を応諾した旨の伝達を受けたことから、本合意書の内容について合意に至りました。
また、パナソニックとの間では、上記の本公開買付価格に関する協議と並行して、2022年7月6日から、本応募契約に関する協議を行っております。具体的には、公開買付者は、2022年7月6日に、本応募契約のドラフトをパナソニックに対し提示し、同月20日に、パナソニックから当該ドラフトに対する修正案を受領いたしました。その後、同月21日に、公開買付者が当該パナソニックによる修正案を応諾したことから、本応募契約の内容について合意に至りました。
なお、公開買付者は、本取引によって、具体的には、以下のような相乗効果が期待されると考えております。
(ⅰ)両社グループの相互補完的な開発ロードマップを活かした効率的な事業展開
対象者グループが重要な製品と位置付けて製造販売している通信インフラ、FA機器用途向けコネクタは、公開買付者グループにおいては従来重要な製品としては位置付けられておらず、他方で、車載用途向けの電気コネクタ分野において公開買付者グループが重要な製品と位置付けて製造販売するHSDコネクタ(注10)、FAKRAコネクタ(注11)及びUSCARコネクタ(注12)は、対象者グループにおいては従来重要な製品として位置付けられていないため、公開買付者グループと対象者グループは、相互に補完的な商品ラインナップを有しております。そのため、本公開買付けを通じた対象者の完全子会社化により、公開買付者グループは、対象者グループと完全に一体の企業グループとして、通信インフラ、FA機器用途向けコネクタ、HSDコネクタ、FAKRAコネクタ及びUSCARコネクタ及びその他の車載用途向けの電気コネクタのいずれについても、顧客に対して等しく提案し、販売することにより、顧客に対しワンストップでの価値提案を行うことができるようになります。仮に、対象者の完全子会社化を行わない場合、対象者は、その少数株主の利益保護のため対象者グループとしての利益の最大化を追求する必要があり、その事業運営においても、公開買付者グループの製品を対象者グループの製品に優先して顧客に提案することが困難となり、公開買付者グループから一定程度独立した運営を行わざるを得ず、顧客に対して完全に一体の企業として上記の各製品の販売を提案することができないこととなります。従って、当該相乗効果は、対象者の完全子会社化によってのみ実現することが可能となると考えております。
(注10) HSDコネクタとは、車載情報通信機器間の高速のデータ伝送に使用されるコネクタ規格であるHSDに対応したコネクタを意味します。
(注11) FAKRAコネクタとは、車載情報通信機器間の高速のデータ伝送に使用されるコネクタ規格であるFAKRAに対応したコネクタを意味します。
(注12) USCARコネクタとは、車載情報通信機器間の高速のデータ伝送に使用されるコネクタ規格であるUSCARに対応したコネクタを意味します。
また、公開買付者グループにおいては、設計者の人数や作業時間の制約から、設計作業が必要となったタイミングで本来行いたい設計作業を希望どおりに実施することができないことがある等、設計・開発のリソース不足が生じているところ、公開買付者グループと対象者グループの設計・開発のリソースを共有し、当該設計・開発のリソース不足を解消することを通じて、商品ラインナップの強化と新製品開発のスピードアップが可能になると考えております。もっとも、設計・開発ノウハウやリソースは対象者グループにとって競争力の源泉となる重要なものであることから、公開買付者は、仮に対象者の完全子会社化を行わない場合には、公開買付者グループが、対象者グループの設計・開発ノウハウやリソースを、対象者グループの製品と競合し又はそのおそれのある製品の開発にも利用することなど対象者グループの利益に沿わない形で利用されることへの一般的な懸念から、対象者グループとして設計・開発ノウハウやリソースの共有には相当程度の制約を設けざるを得ないと考えておりますが、対象者を完全子会社化することにより、対象者グループの設計・開発リソース及びノウハウの共有に関する懸念が払しょくされ、商品ラインナップの強化と新製品開発のスピードアップが実現できると考えております。
(ⅱ)対象者の製品に対する、公開買付者グループ全体の製造力・生産技術力を活用した競争力拡大
対象者における公開買付者グループの有する生産自動化設備の内製能力の活用により、対象者グループとしては従来より安価に短期間で自動化設備を導入することが可能となり、また内製した専用設備により従来と比べて単位当たり製造所用時間を短縮することで、対象者の生産性を向上させるとともに、公開買付者グループの海外生産拠点を活用した生産により労務費の最適化を実現し、また内製部品の使用により、外製部品の使用による社外への付加価値の流出を防ぎ、対象者の製品の競争力を更に拡大できると考えております。公開買付者グループにとって、自社の生産自動化設備の内製ノウハウは、公開買付者グループ自身の競争力の源泉でもあり、自社製の生産自動化設備の公開買付者グループ以外への提供は原則として行っておりません。対象者グループの完全子会社化により、公開買付者グループは、対象者グループが公開買付者グループの生産自動化設備の内製に関するノウハウを公開買付者グループの製品と競合し又はそのおそれのある製品や、公開買付者としては対象者グループ以外の公開買付者グループで製造することが公開買付者グループとしての全体最適にかなうと考える製品の製造に利用することなど、公開買付者グループ全体の最適な利益に沿わない形で利用する懸念なく、対象者グループ向けの自動化設備を内製することができます。
(ⅲ)公開買付者グループの顧客基盤・事業拠点を活用した販路・市場の開拓
対象者はコネクタ専業メーカーとして主として国内の民生機器市場、車載用機器市場、産機市場に顧客基盤を持つ一方、公開買付者グループは総合部品メーカーとして国内外の市場における顧客と販売網を持つため、両社の顧客に対する商品のクロスセルや、対象者の製品の海外を含むより広範な地域への展開が可能になると考えております。仮に、対象者の完全子会社化を行わない場合、対象者は、その少数株主の利益保護のため対象者グループとしての利益の最大化を追求する必要があり、その事業運営においても、公開買付者グループの製品を対象者グループの製品に優先して顧客に提案することが困難となる等、公開買付者グループから一定程度独立した運営を行わざるを得ず、顧客に対して完全に一体の企業として製品の販売を提案することができないこととなります。そのため、対象者を公開買付者の完全子会社とすることによってはじめて、両社の顧客に対する商品のクロスセルや、対象者グループの製品の海外を含むより広範な地域への展開を十分に行うことができると考えております。
(ⅳ)材料費低減・価格競争力の向上
両社グループの原材料の共同仕入れによる材料費の低減及び同一商品カテゴリに関する生産の最適化・効率性の向上を通じて、両社グループの顧客に対して、品質を維持しながら、これまで以上に安価な製品の提供が可能となり、結果として価格競争力の向上につながると考えております。両社グループの原材料の共同仕入れを行うためには、原材料の仕入れに関する機密及びノウハウを相互に開示することが必要となります。公開買付者は、仮に、対象者の完全子会社化を行わない場合には、公開買付者グループ及び対象者グループのいずれにとっても、当該原材料の仕入れに関する自社グループの機密及びノウハウを、相手方グループが、競合し又はそのおそれのある製品の製造に係る仕入れにも利用することなど、自社グループの利益に沿わない形で相手方グループにより利用されることへの一般的な懸念があることから、原材料の仕入れに関する機密及びノウハウを相互に開示することは困難であると考えておりますが、対象者を完全子会社化すれば、これらの機密及びノウハウの相互共有に関する懸念は払しょくされ、上記の材料費低減及び価格競争力の向上が実現できると考えております。
(ⅴ)対象者における生産・外注コントロール手法の公開買付者グループ製品生産への活用
対象者は、生産数の異なる各製造品目ごとに最適な生産方法や協力会社を選択し管理することに関して優れたノウハウを有していると公開買付者グループでは考えており、当該ノウハウを、公開買付者グループの事業運営おいても活用することで、公開買付者グループにおいてもより効率的な手法による生産ができるようになると考えております。仮に、対象者の完全子会社化を行わない場合には、対象者は、その少数株主の利益保護のため対象者グループとしての利益の最大化を追求する必要がありますが、公開買付者に対して生産・外注コントロールに関するノウハウを無制限に提供した場合に競合又はそのおそれのある製品の製造においても当該ノウハウが利用されることへの一般的な懸念から公開買付者グループに対して共有するノウハウについては一定の制限を設けざるを得ないことから、公開買付者は、対象者の完全子会社化を行わない場合には、公開買付者グループが当該ノウハウの共有を受けて当該ノウハウを十分に活用することは困難であると考えており、上記のノウハウの活用を通じた効率的な手法による生産は、対象者の完全子会社化によってのみ実現することが可能となると考えております。
また、公開買付者としては、対象者は、現在その主要株主である筆頭株主であり、かつ、その他関係会社にあたるパナソニックのグローバルな販売網を活用しているものの、本取引を通じてパナソニックが対象者の株主ではなくなった場合であっても、パナソニックを経由せず直接販売代理店へ納入するなどの商流の変更により販売を継続することが可能であり、それに伴い発生するコストも400万円から500万円程度と軽微であると考えております。また、海外での新規の顧客開発についても、対象者は従来パナソニックの販路を活用しておりましたが、パナソニックが持分法適用会社である対象者のコネクタ販売に積極的でなくなっていたのに対し、公開買付者グループが対象者を完全子会社化した場合には、24か国に営業事業所を有する公開買付者グループの海外販売網を対象者グループが積極的に活用できるようになり、従来以上に、対象者製品のグローバル企業への新規納品が見込めると考えております。更に、対象者はパナソニックから5名の現場レベルの人材支援を受けておりますが、当該従業員は、全員パナソニックから対象者に転籍しており、本取引後も引き続き対象者の従業員として従事する予定です。また、今後はパナソニックから新たな人材支援を受けることはできないと想定されますが、公開買付者グループとしては、本取引後は、現在対象者グループが、人数、従事する職種・業務等の面で、パナソニックから受けている人材支援による便益以上の便益を対象者グループが受けることのできる人材支援を行う意思を有しており、その詳細については本取引の完了後に対象者グループと協議の上決定する予定です。公開買付者グループは、2022年3月末現在で約8万6千人の従業員を擁しており、当該人材支援に適した人員を確保できるものと考えております。これらのことから、本取引を通じてパナソニックが対象者の株主ではなくなった場合であっても、対象者の事業に対する悪影響は生じないものと考えております。
以上の協議及び検討を踏まえ、公開買付者は、2022年7月29日付で、本公開買付価格を705円として、本取引の一環として本公開買付けを開始することを決議いたしました。
また、公開買付者は、2022年7月29日付で、パナソニックとの間で本応募契約を締結いたしました。
② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
対象者は、創業100周年(2032年)ビジョンの実現に向けて、コネクタの製造面においては、従来以上に組立の自動化などによる生産性の向上やメッキ工程の内製化による更なる収益性改善等が必要であること、コネクタの販売面においては、海外拠点及び人材が不足しているため海外販売網に限界があること、また、管理面においては、製造技術面や生産管理等での中核人材や営業面における海外人材の不足に課題があると認識しているとのことです。
なお、対象者は、大株主であるパナソニックより人材の提供や海外販路などで支援を頂いているものの、開発、製造、営業の各方面において相互に協力関係を構築しパナソニックがコネクタ市場での顧客満足度を高めることを企図した2008年の資本提携当時とはパナソニックにおけるコネクタ事業の位置付けや方針が変わり、今後更なるシナジー効果を期待するには限界が出てきているとのことです。
上記のような課題認識及び状況の下、対象者としては、対象者グループの企業価値を向上させる手法の選択肢として、独力で対象者グループの企業価値を向上させる手法のみならず、戦略的パートナーとの提携により対象者グループの企業価値を向上させる手法の可能性についても模索してきたとのことです。
具体的には、2018年5月下旬から2022年1月下旬にかけて、公開買付者以外の、コネクタ業界やそれに関連した電子部品業界からシナジー効果が見込めそうな4社の候補者との間で、当該候補者のうち2社からは先方より対象者に資本提携を含めた幅広い提携について協議申入れがあり、また他の2社に対しては対象者から候補者に打診し、戦略的な提携に関する協議・検討を行ってきたとのことです。もっとも、当該4社の候補者とは協議・検討を行ったものの、いずれについても、対象者の企業価値の向上に繋がる具体的な企業提携の協議には至らないか、又は、具体的な企業提携の協議が進んだものの最終的に合意に至らなかったとのことです。そうした中で、対象者は、上記「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2021年1月中旬に、公開買付者から、対象者の代表取締役社長である樫尾欣司氏及び同社の取締役である水野修氏との面談の申し入れを受け、公開買付者と2021年2月上旬に面談を開催し、公開買付者グループの紹介や対象者グループの経営状況に関するディスカッションを行い、その後、公開買付者より、2021年12月16日付で対象者株式の全部の取得による非公開化についての対象者株式1株当たり520円~606円とする、法的拘束力のない意向表明書を受領したとのことです。しかし、対象者としては公開買付者グループとの提携が対象者の企業価値向上に資するのかを検討する必要がある旨を2022年1月6日に回答するとともに、価格面においては受領した株式価値では既存株主に対する説明が困難と判断し、公開買付者に対して、書面にて、提示価格の再考を要請したとのことです。その後も、公開買付者との協議を継続するとともに、公開買付者が対象者グループの事業及び事業環境についての理解を深め、価格を再考するために必要な情報として、2022年3月期から2026年3月期までの事業計画を2022年2月19日に公開買付者に提出したほか、同年3月上旬に対象者グループの情報システム事業に関する説明を行ったとのことです。また、同年2月中旬に公開買付者グループ及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を、同年3月中旬に公開買付者グループ及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして日比谷パーク法律事務所をそれぞれ選任したとのことです。同年2月上旬から3月下旬にかけては、これと並行して、複数回に亘り公開買付者との協議を重ね、同年4月6日には、公開買付者から、上記の協議をもとに検討を行った結果として、対象者株式1株当たり563円~650円のレンジでの、公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案及びその後の正式なデュー・ディリジェンス実施の申し入れを含む、法的拘束力のない意向表明書を受領したとのことです。その後、同年4月12日から4月14日にかけて、公開買付者グループがフィリピンにおいて有しているセブ工場(以下「セブ工場」といいます。)への現地視察を実施し、本公開買付け及び公開買付者による完全子会社化に関する取組意義を確認したとのことですが、対象者としては、受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断し、公開買付者に対して、同年4月28日に提示価格の再考を再度要請し、また、本取引に係る対象者取締役会の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、同日付で、本特別委員会(本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引に係る提案を検討するための体制を構築した旨を伝達したとのことです。また、対象者は、2022年5月13日の公開買付者による公開買付者グループの事業内容の説明を踏まえ、対象者としての本公開買付け及び公開買付者による完全子会社化に関する取組意義の検討を深めたとのことです。2022年6月8日には、これまでの協議・検討や現地視察の結果を考慮し、本特別委員会の了承の下、大和証券を通じて、公開買付者により提案された対象者株式1株当たりの価格レンジは、対象者として不十分ではあるものの、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであると考えたため、公開買付者が既提示価格を引き上げることを真摯に検討することを条件として、デュー・ディリジェンスを受け入れる旨を申入れたとのことです。
その後、対象者は、2022年7月8日、公開買付者より、本取引に係る法的拘束力のある提案書を受領し、対象者株式1株当たり650円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を受けたとのことです。これに対し、対象者は、直近株価(2022年7月8日の終値526円、過去1ヶ月間(2022年6月9日から2022年7月8日)の終値単純平均値528円)及び当該提案におけるプレミアム水準が、公表予定日から約3年前となる2019年8月以降2022年5月までに公表された、非上場化を目的とする公開買付けの事例のうち、いわゆる二段階公開買付けにおける一段階目の公開買付けのうちディスカウントされた価格による公開買付け、及び前日以前にリークがなされた公開買付け等を除く事例100件におけるプレミアム水準(対象者株式はボラティリティが高い傾向にあるため、一時的要因による株価変動を平準化する観点から、過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準を重視しているとのことであるところ、公表日前日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に30%~40%のプレミアムを付した事例が24件と最多であることを踏まえた水準)と遜色のない水準に達していないこと、収益性・成長性・シナジー効果も踏まえた適切な企業価値評価が必要である旨を勘案し、本公開買付価格では未だ既存株主に対する説明が困難と判断し、同月11日に、公開買付者に対し、本公開買付価格の引き上げの要請を行ったとのことです。
その後、対象者は同月13日に、公開買付者から、本取引に係る法的拘束力のある提案書を受領し、対象者株式1株当たり680円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を受領したとのことです。これに対し、対象者は、同月15日に、上記同様、非上場化目的の公開買付け事例におけるプレミアム水準を考慮しても、未だ十分な価格に達していないことから、受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付価格の引き上げを要請したとのことです。
また、対象者は、同月20日にも、公開買付者から、本取引に係る法的拘束力のある提案書を受領し、対象者株式1株当たり695円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を受領したとのことです。これに対し、対象者は、同月22日に、上記同様、非上場化目的の公開買付け事例におけるプレミアム水準を考慮しても、未だ十分な価格に達していないことから、受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付価格の引き上げを要請したとのことです。
その後、対象者は、2022年7月25日にも、公開買付者から、本取引に係る法的拘束力のある提案書を受領し、対象者株式1株当たり705円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を受けたとのことですが、対象者は、同月26日、既存株主の利益のために、公開買付者に対して価格の引き上げの再考を要請したとのことです。これに対して、対象者は、2022年7月26日に、公開買付者より、価格再考は不可能である旨伝達を受けたとのことですが、2022年7月28日開催の本特別委員会にて、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格705円に妥当性を害する事情は見当たらないという結論に至り、同日、その旨を公開買付者に伝達し、公開買付者との間で、本公開買付価格を705円とすることで合意したとのことです。
なお、対象者は、上記の公開買付価格の協議・検討と並行して、2022年7月上旬から7月中旬にかけて、本取引後の経営体制について、対象者の法人格は存続させること等、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載の本合意書の内容につき、公開買付者との間で複数回にわたる協議・検討を重ねたとのことです。具体的には、本特別委員会は、公開買付者に対して、2022年7月1日に、本取引後の経営体制については一定の書面による合意をすべきである旨の申し出を行い、同日、公開買付者がこれに応じたことから、本合意書の内容について協議することとなったとのことです。これ受けて、対象者は、同月2日に、公開買付者に対して、本合意書の内容について提案を行いました。その後、対象者は、同月2日に送付した当初の合意書案では、無条件に対象者の法人格を存続させる旨の記載としていたところ、公開買付者より、同月7日に、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載の通り、対象者グループによるコネクタ事業及び情報システム事業の運営が、公開買付者グループの事業戦略と整合的であること、かつ対象者グループの業績が事業計画通りに進捗すること又は対象者グループの業績が事業計画通りに進捗していないとしても対象者グループとして必要な対策をとることを含め適切に事業運営が行われていることを前提とする旨の条件が加えられた修正案を同月7日に受領したとのことです。その後、対象者は、同月12日に、公開買付者に対して、同月7日に受領した修正案から大要に変更は無く、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」における項目⑥の「現経営陣」に「執行役員」を含む等の軽微な修正を行った再修正案を送付したとのことです。その後、対象者は、同月14日に、公開買付者より、対象者から同月12日に受領した再修正案の内容に応諾する旨伝達され、対象者は、公開買付者より、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」における項目⑤の雇用等の維持に関する但書を挿入する等の軽微な修正が行われた再修正案を受領したとのことです。その後、対象者は、同月20日に、公開買付者に対して、公開買付者より同月14日に受領した当該修正案を応諾する旨の伝達を行い、本合意書の内容について合意に至ったとのことです。
以上の協議・検討の結果、対象者は、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、以下の点等を踏まえると、本取引を通じて公開買付者の完全子会社となることは、対象者の企業価値向上に資するものであり、創業100周年ビジョンの達成に必要であるとの考えに至ったとのことです。
(ⅰ)組立工程の全自動機等、対象者が現在外作に頼っている設備機器の設計製作の内製化
対象者は設備機器の設計製作ノウハウがない一方、公開買付者グループは車載部品という、高い品質が求められる製品の自動機等を日本、中国、フィリピンの生産技術部門で設計製作しており、その技術力を活用して、対象者の生産設備の自動化を行うことで、対象者の生産性向上・収益改善を図ることが可能であると考えられること。また、公開買付者グループは、半自動機ライン、手組ラインにおいてボトルネックとなっている検査工程(画像検査、電気検査)において、高速処理機械を自社内で製作しており、外注した場合と比較して機械の細部調整なども自社内で完結できることから製作からラインに高速処理機が導入されるまでのスピードも早いことに加え、対象者がその技術を用いることで、外作分のコスト圧縮、生産性向上を図ることが可能であると考えられること。
(ⅱ)公開買付者グループの製造におけるKPI管理、生産の各工程での技術力活用による生産性向上・収益改善
対象者では、FA機器などの産業用で、約4千品目の生産品において、少ないもので月産数十個を、多いもので月産約1万個程度を製造し、車載用や民生用で月産約10万個から100万個の生産品の製造を行っており、これらの製造におけるKPI管理が、これまでノウハウの不足から一部の実績管理にとどまっていたが、公開買付者グループのセブ工場への現地視察を通じ、公開買付者グループの生産性向上に向けた取組みの作業時間削減、作業者の削減などに関するKPI管理を導入することによって、対象者の生産性向上・収益改善が可能であると考えられること。また、車載製品という、安全性を重視した、高い品質が求められる製品を提供しており、公開買付者グループのプレス工程の高速化、成型工程での独自改造した成型機による同時成型、複数のメッキ工程や検査工程での自動化など各生産工程における技術力やノウハウを活用し、自動化や工程改善を推進することにより、対象者の生産性向上・収益改善が可能であると考えられること。
(ⅲ)公開買付者グループのメッキ工程・技術者の活用
対象者は内製のメッキ工程がなく、技術者も不在であるところ、公開買付者グループはコネクタの端子に使用されるフープメッキ、コネクタの筐体等に使用されるバレルメッキ、双方の技術があり、今後は、高速伝送向けのコネクタには金属シェルの採用が増加する見込みである中、公開買付者グループが有するバレルメッキの技術の活用による内製により、コスト削減に資すると考えられること。対象者が自社にメッキ工程を構築する場合においても、対象者単独でメッキに関わる人材を育成しながら構築する場合よりも公開買付者グループの既存の人材、ノウハウを活用することで短時間で構築の対応が可能であると考えられること。
(ⅳ)海外販売網の強化
対象者は、海外販売網が、特に今後の重要な市場となる米国・中国において自社の販売拠点を保有していないこともあり十分でないという課題を認識しているところ、公開買付者グループは世界各国の拠点と自動車・農機・建機などのモビリティ領域における顧客との取引関係に加えて、対象者の顧客が要求するアフターサービス等の水準を満たす販売能力を有していると考えているため、公開買付者グループの海外販売網の活用により、対象者製品のグローバル企業への新規納品が見込めること。
(ⅴ)人材交流・人材派遣
対象者は、製造技術や生産管理等における中核人材、海外での業務や海外拠点とのやり取りが遂行可能な海外人材が手薄であるところ、公開買付者グループは世界各国に拠点を有し、実際に現地視察において、公開買付者グループによって、海外工場におけるマネジメントが適切に実行されていることを確認しており、公開買付者グループとの人材交流や公開買付者グループからの人材派遣によって、対象者に不足するこれらの人材の拡充、ひいては組織力の強化が図ることができると考えられること。
(ⅵ)海外拠点利用
対象者は、更なる成長のため、海外工場新設が必要という課題を有していたところ、公開買付者グループのセブ工場活用による対象者製品の製造、カンボジア工場でのハーネス内製化が見込めること。
(ⅶ)パナソニックとの資本関係解消
パナソニックとの資本関係が解消されることにより、パナソニックのグローバルな販売網を活用できなくなるものの、既存顧客への販売は、そのほとんどがパナソニックを経由せず直接販売代理店へ納入するなどの商流を変更することにより継続可能であり、発生するコストも400万円から500万円程度と軽微であると考えられること。また、上記(ⅳ)にて記載のとおり、海外の新規顧客開拓についても、パナソニックが持分法適用会社である対象者のコネクタ販売に積極的でなくなっていたのに対し、公開買付者グループが対象者を完全子会社化した場合には、24か国に営業事業所を有する公開買付者グループの海外販売網を対象者グループが積極的に活用できるようになり、従来以上に、対象者製品のグローバル企業への新規納品が見込めると考えられること。更に、対象者はパナソニックから5名の現場レベルの人材支援を頂いていたが、当該従業員は、全員パナソニックから対象者に転籍しており、引き続き対象者の従業員として従事する予定であること。加えて、今後はパナソニックから新たな人材支援を受けることはできないと想定されるが、公開買付者グループとしては、本取引後は、現在対象者グループが、人数、従事する職種・業務等の面で、パナソニックから受けている人材支援による便益以上の便益を対象者グループが受けることのできる人材支援を行う意思を有しているとのことであること。
(ⅷ)一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられるものの、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、公開買付者グループの資金支援により代替可能であること、また、知名度や社会的信用についても、対象者として真摯な事業遂行を継続することにより維持することが可能であり、かつ、公開買付者グループの傘下に入ることで、公開買付者グループが有する知名度や社会的信用も得られることからすれば、対象者における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えられること。
対象者は、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、以下の点等を考慮した結果、本公開買付価格については、本取引を通じて対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断するに至ったとのことです。
(ⅰ)本公開買付価格が、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、対象者が大和証券から2022年7月28日付で取得した株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)における対象者株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法による算定結果の範囲を上回るとともに、類似上場会社比較法による算定結果の範囲を上回り、DCF法による算定結果のレンジの下限を上回る金額であること
(ⅱ)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2022年7月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値576円に対して22.40%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値532円に対して32.52%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値516円に対して36.63%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値493円に対して43.00%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であるところ、本公開買付けと類似の他社事例(公表予定日から約3年前となる2019年8月以降2022年5月までに公表された、非上場化を目的とする公開買付けの事例のうち、二段階公開買付けにおける一段階目の公開買付けのうちディスカウントされた公開買付け、及び前日以前にリークがなされた公開買付け等を除く事例100件)におけるプレミアム水準(対象者株式はボラティリティが高い傾向にあるため、一時的要因による株価変動を平準化する観点から、過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準を重視しているとのことであるところ、基準日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に30%~40%のプレミアムを付した事例が24件と最多であることを踏まえた水準)と比較して相応のプレミアムが付されていると考えられること
(ⅲ)本公開買付価格の決定に際しては、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること
(ⅳ)本公開買付価格が、上記措置が採られた上で、対象者と公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として提案された価格であること
(ⅴ)対象者は、2018年5月下旬以降、複数の公開買付者以外の者との間においても、戦略的な提携に関する協議・検討を行ってきたものの、これらの協議・検討の過程・内容及び結果を踏まえても、本公開買付価格その他の本取引に係る取引条件の妥当性を損なわせる事情は見受けられないこと
(ⅵ)下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、対象者が本特別委員会から2022年7月29日付で取得した答申書(以下「本答申書」といいます。)においても、本公開買付価格を含む本取引の取引条件が妥当である旨判断されていること
以上を踏まえ、対象者は、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行ったとのことです。
なお、対象者は、東京証券取引所における市場区分の見直しに関し、2021年10月28日付で、2022年4月の新市場区分への移行に際して、プライム市場を選択する旨の申請書を提出するとともに、本計画書を開示したとのことです。しかしながら、対象者は、上記のとおり、その後の検討を経て、プライム市場への移行との比較においても、本公開買付けが対象者グループの企業価値の向上に資するものであるとともに、対象者の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断したため、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けについて上記意見を表明するとともに、本計画書を撤回することを決議したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
対象者の完全子会社化以降の経営体制については、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載のとおり、現時点では、公開買付者グループからの取締役、監査役及び執行役員を含む役職者若干名の派遣を除き、変更は予定しておりません。なお、対象者に対して派遣する予定の役職者の人数及び対象者に在籍するパナソニック出身者である役員の処遇については検討中です。また、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載のとおり、公開買付者が対象者の経営体制の変更を希望する場合には、対象者の経営陣を含む公開買付者グループ内で誠実に協議することを対象者と合意しております。
また、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載のとおり、対象者の法人格は維持した上で、対象者グループと公開買付者グループのコネクタ事業部門を一体的に運営していく方針です。本公開買付けにより対象者グループとの関係が解消されることとなるパナソニック出身の取締役及び監査役の処遇を含め、詳細については、今後対象者との協議により決定してまいります。なお、公開買付者は、国内における対象者グループの従業員の雇用と処遇・労働条件は、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」に記載のとおり、対象者グループの業績又は経営環境が著しく悪化しない限り、維持することを予定しております。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者は対象者株式を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けに該当いたしません。また、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者及び対象者は、公開買付者が、対象者の主要株主である筆頭株主であり、かつ、その他関係会社であるパナソニックとの間で、応募合意株式の全て(5,002,000株、所有割合:21.67%)を本公開買付けに応募する旨の本応募契約を締結していること、本公開買付けにおいて対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることを考慮し、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。
なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるフロンティア・マネジメントに対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2022年7月28日付で株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。なお、フロンティア・マネジメントは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」に記載の諸要素を総合的に勘案し、かつ、パナソニック及び対象者との協議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、フロンティア・マネジメントから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、公開買付者がフロンティア・マネジメントから取得した公開買付者株式価値算定書の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の基礎」及び同「算定の経緯」をご参照ください。
② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付価格の公正性及び妥当性を担保するため、対象者及び公開買付者から独立した第三者算定機関である大和証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2022年7月28日付で対象者株式価値算定書を取得したとのことです。なお、大和証券は、対象者及び公開買付者グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、大和証券の報酬には、同種の取引における一般的な実務慣行の範囲内で本公開買付けの成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。なお、対象者は、本取引は支配株主による従属会社の買収取引やいわゆるMBO取引には該当しないことから、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、対象者の業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を用いて対象者株式の価値算定を行っているとのことです。上記各手法を用いて算定された対象者株式1株当たりの価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価法 :493円~576円
類似上場会社比較法:313円~567円
DCF法 :648円~800円
市場株価法では、2022年7月28日を算定基準日とする東京証券取引所プライム市場における対象者株式の直近1ヶ月間の終値単純平均値532円、直近3ヶ月間の終値単純平均値516円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値493円を基に、対象者株式1株当たりの価値の範囲を493円から576円までと分析しているとのことです。
類似上場会社比較法では、対象者と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を313円から567円までと分析しているとのことです。
DCF法では、対象者から提供された2023年3月期から2026年3月期までの対象者の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を算定し、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を648円から800円までと分析しているとのことです。上記事業計画には、前事業年度対比で、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2023年3月期には、納期遅延により発生していた一時的な過剰在庫が解消される見込みであるため、営業利益(73%増(小数点以下切り捨て。以下、事業計画における増減益に関する記載に関して同じです。))、フリー・キャッシュ・フローが共に大幅に増加する一方、2024年3月期には、過剰在庫という特殊要因がなくなることで、営業利益(30%減)、フリー・キャッシュ・フロー(36%減)は共に大幅に減少することを見込んでおります。しかし、2025年3月期以降は、コネクタ市場全体の需要増大に伴う好調な受注により、再び、営業利益(32%増)、フリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。なお、上記事業計画の作成時点において、本取引の実行により発生すると見込まれる効果及び費用を具体的に見積もることが困難であったことから、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではないとのことです。また、対外的に公表している2021年度決算説明資料(以下「本中期計画」といいます。)では、2025年度の中期目標として売上高250億円、営業利益25億円を掲げ、各分野の目標売上額を記載しているとのことですが、これは製品ごとの予測売上高を積み上げたものではなく、新商品開発や拡販等について想定できる全てが実現した場合を前提にした目標であり、その最大値を記載したものであることから、本中期計画と上記事業計画に差異があることについて問題はないと考えているとのことです。
③ 対象者における独立した法律事務所からの助言
対象者プレスリリースによれば、対象者は、本取引に係る対象者取締役会の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、公開買付者グループ、対象者及びパナソニックから独立したリーガル・アドバイザーとして日比谷パーク法律事務所を選任し、その後、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続、並びに本取引に係る対象者の取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けているとのことです。なお、日比谷パーク法律事務所は、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、日比谷パーク法律事務所の報酬は、時間単位報酬のみとしており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用していないとのことです。
④ 対象者における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
対象者プレスリリースによれば、本取引は支配株主による従属会社の買収取引やマネジメント・バイアウト(MBO)取引には該当しませんが、本公開買付けが対象者株式を非公開化することを目的とする本取引の一環として行われること等を踏まえ、本取引に係る対象者取締役会の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、2022年4月28日付で、対象者、公開買付者グループ及びパナソニックから独立した、対象者の社外取締役である花澤隆氏並びに対象者の社外監査役である茂呂和夫氏及び長崎真美氏の3名から構成される本特別委員会を設置したとのことです。本特別委員会の委員は、設置当初から変更していないとのことです。
そして、対象者は、同取締役会において、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値向上に資するか否かを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や買付等の価格の妥当性を含みます。)、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含みます。)(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を踏まえ、本取引(対象者取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見表明を行うこと並びに対象者株式の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含みます。)が対象者の少数株主にとって不利益なものでないか(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問する旨を決議しているとのことです。なお、対象者は、当該決議に際し、(a)本特別委員会を、対象者取締役会から独立した合議体であると同時に、対象者及び対象者の少数株主の利益を図る立場に立って本諮問事項について検討・判断する組織として位置付け、対象者取締役会において本取引に係る意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定を行わないこと、(b)対象者が公開買付者と本取引の取引条件等について交渉するに当たり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けるものとすること、(c)本特別委員会が必要と認めるときは、対象者の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができること、並びに(d)本特別委員会は、対象者の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する対象者の役員若しくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーその他の関係者に対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができること等を、併せて決議しているとのことです。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用していないとのことです。
本特別委員会は、2022年5月17日より2022年7月28日まで合計11回、合計約11時間にわたって開催され、本諮問事項について、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、慎重に検討及び協議を行ったとのことです。具体的には、本特別委員会は、公開買付者及び対象者より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討、並びに対象者の第三者算定機関である大和証券、リーガル・アドバイザーである日比谷パーク法律事務所及び公開買付者との面談によるヒアリング調査等を行い、本取引の内容、背景、意義・目的、対象者の企業価値に与える影響、第三者算定機関の独立性、公開買付価格算定手法の合理性、分析の前提事実の適正性、利害関係者からの不当な干渉の有無、公開買付者及び対象者の状況、公開買付者及び対象者が意思決定をするに至る経緯・検討経緯の妥当性、開示の適正性その他本取引に関連する事項について、説明を受けるとともに質疑応答を行ったとのことです。また、本特別委員会は、対象者の取締役から対象者の事業計画について説明を受け、質疑応答を行った上で、対象者の第三者算定機関である大和証券から、対象者の株式価値算定書について説明を受け、当該価値算定の前提等に関するヒアリング調査を行ったとのことです。加えて、本特別委員会は、対象者のリーガル・アドバイザーである日比谷パーク法律事務所から対象者が得た、対象者における本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言の内容についても説明を受け、検討をしたとのことです。本特別委員会は、以上のような経緯の下、上記諮問事項について慎重に検討・協議した結果、2022年7月29日に、対象者の取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書を提出したとのことです。
(ⅰ)本特別委員会の意見
ⅰ 本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であるといえる。
ⅱ 本取引における取引条件は妥当といえる。
ⅲ 本取引は、その交渉過程も含め公正な手続により進められ、対象者の少数株主が受けるべき利益への十分な配慮がなされているといえる。
ⅳ 本取引は、対象者の少数株主にとって不利益なものとはいえず、対象者取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、及び株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であるといえる。
(ⅱ)上記意見の理由
ⅰ 以下の点より、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であるといえる。
・上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の公開買付者の本取引の意義に係る認識について、本特別委員会としても特段不合理な点は認められない。また、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の対象者の事業内容と経営環境・経営課題及び対象者の本取引の意義に係る認識について、本特別委員会としても首肯し得るものと思料する。
・すなわち、対象者の事業内容と経営環境・経営課題として、製造面においては、従来以上に組立の自動化などによる生産性の向上やメッキ工程の内製化による収益性改善等が必要であること、販売面においては、海外拠点の不足、海外販売網に限界があること、また、管理面においては、製造技術面や生産管理等での中核人材や営業面における海外人材の不足に課題があると認識している。他方、大株主であるパナソニックではコネクタ事業自体が中核事業ではなくなったことで、パナソニックに対して今後更なるシナジー効果を期待することは難しく、対象者グループの企業価値を向上させる手法の選択肢として、独力で対象者グループの企業価値を向上させる手法のみならず、戦略的パートナーとの提携により対象者グループの企業価値を向上させる手法についても模索することは、妥当と考える。
・そうした中、対象者として慎重に検討を行った結果、本取引を通じて公開買付者の完全子会社となることが、対象者の企業価値向上に資するものであり、また創業100周年ビジョンの達成にも有効であると考えたことについても、首肯し得るものである。さらに、対象者及び公開買付者が2022年7月29日付で締結を予定している合意書において、公開買付者グループが、本取引後に対象者の期待する自動化、金型製作、メッキの内製化などの製造面における積極的な支援、販売面でのサポート、並びに人材の補強について、公開買付者グループの事業戦略と整合し、かつ経済的合理性を有する範囲で実施することとされていることからしても、対象者が本取引は対象者の企業価値向上につながると認識していることについても、異存はない。
ⅱ 以下の点より、本取引における取引条件は妥当といえる。
a 交渉プロセスの合理性
・取引条件の交渉プロセスとしては、本「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」に記載の公正性担保措置が講じられたうえで、本特別委員会が、大和証券による株式価値算定状況や同種事例のプレミアム水準、過去の対象者株式の株価推移等の諸事情を総合的に勘案して、本公開買付価格を中心とする交渉の方針等について対象者及び大和証券に指示等を行って、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、公開買付者との間で交渉が行われた。
・かかる交渉の過程では、公開買付者側からの買付条件に係る提案に対し、都度、本特別委員会に対し、対象者及び対象者のアドバイザーによる提案内容の分析結果並びに回答方針及び回答案について説明が行われ、本特別委員会として、適宜、意見を表明し、本特別委員会の意見が適切に反映された上で、公開買付者側への回答が行われた。結果として、本公開買付価格につき、当初の提案価格である520円~606円から、合計5回、185~99円の引上げ(当初の提案価格である520円~606円に対して16.34%~35.58%の引上げ)が実現している。また、利害関係を有する関係者の影響により交渉プロセスが歪められたといった事情も見受けられず、両社間において対等な交渉が行われ、対象者としても本公開買付価格をできる限り高めるために粘り強く交渉したと評価でき、少数株主の利益を顧慮することなく不公正な価格交渉を行ったという事実は認められない。
・以上に加え、下記ⅲのbのとおり、本取引の実施方法についても十分な公正性担保措置が講じられていることをも勘案すると、価格を中心とした取引条件の交渉プロセスは合理的であったといえる。
b 株式価値算定の算定手法と結果の合理性
・大和証券による対象者株式価値算定の算定手法と結果は、上記「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおりである。また、フロンティア・マネジメントによる対象者株式価値算定の算定手法と結果は、上記「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおりである。大和証券及びフロンティア・マネジメントは、市場株価法、DCF法及び類似会社比較法等により対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を算定しているところ、評価手法の選択については同種案件に際しての株式価値の評価実務においても一般的に用いられる算定手法であり、不合理な点は認められない。
・本特別委員会は、大和証券及びフロンティア・マネジメントがDCF法による算定の前提とした事業計画(以下「本事業計画」という。)の作成経緯及び合理性に関し、対象者に対するヒアリング結果等を踏まえて検討した。本事業計画は、本取引において使用することを目的として2021年度の実績を踏まえて作成されたものであるところ、実現可能性を見込むことができる対象者における努力要素を十分織り込み、足下の市況を踏まえ、対象者において現状で最も実現可能性の高い事業計画であると認められることから、本特別委員会は、本事業計画の内容にも一定の合理性が認められるものと考える。
・上記を踏まえ、本特別委員会は、本事業計画に基づく財務予測を大和証券及びフロンティア・マネジメントの株価算定の前提とすることを了承した。
c 買収対価の水準、買収の方法及び買収対価の種類等の妥当性
・本公開買付価格(705円)は、本公開買付けの公表日の前営業日である2022年7月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値576円に対して22.40%、2022年7月28日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値532円に対して32.52%、過去3ヶ月間の終値単純平均値516円に対して36.63%、過去6ヶ月間の終値単純平均値493円に対して43.00%のプレミアムがそれぞれ加算されており、2019年8月以降2022年5月までに公表された、二段階買収における一段階買付けにおいて、ディスカウントされた公開買付け及び、前日以前にリークがなされた公開買付け等を除く、非上場化を目的とする公開買付けの事例100件におけるプレミアム水準と遜色のない水準(公表日前日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に30%~40%のプレミアムを付した事例が最多)であると考えられる。
・本取引における買収の方法は、上場企業の完全子会社化を行う際に一般的に採用されている方法であり、少数株主が買収対価が不当に低いと考える場合には裁判手続によって争うことが可能なスキームであることから、本取引の買収の方法は、買収対価の種類も含め、妥当であると考えられる。
・その他、価格以外の本取引の取引条件において、対象者の少数株主の犠牲のもとに、公開買付者が不当に利益を得たという事実は認められず、当該条件の妥当性を害する事情は見当たらない。
d パナソニックとの真摯な交渉による応募契約の締結
・パナソニックは、対象者への再出資を予定していないことから、本取引においては株式の売り手としての立場のみを有するものであって、その点において、対象者の少数株主と共通の利害関係を有していると考えられ、また、公開買付者と重要な利害関係を共通にしていないものと考えられる。
・公開買付者がパナソニックとの間で真摯な交渉により本公開買付価格での応募契約の締結に至ることは、本公開買付けの取引条件の公正さを裏付ける一事情となり得るものと考えられる。
ⅲ 以下の点より、本取引は、その交渉過程も含め公正な手続により進められ、対象者の少数株主が受けるべき利益への十分な配慮がなされているといえる。
a 本取引の適法性
・対象者は、対象者取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、外部のリーガル・アドバイザーとして日比谷パーク法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する対象者取締役会の意思決定の過程及び方法その他の留意点に関する法的助言を受けており、本取引を構成する各取引においては、金融商品取引法、会社法その他の関係法令に抵触する手続は想定されていない。したがって、本取引における手続の公正性の前提として、本取引の適法性は確保されている。
b 公正性担保措置
・対象者は、独立性を有する第三者算定機関である大和証券に対象者株式の価値算定を依頼し、2022年7月28日付で株式価値算定書を取得しており、また公開買付者は、独立性を有する第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるフロンティア・マネジメントに対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2022年7月28日付で株式価値算定書を取得したとのことである。
・対象者は、独立性を有するリーガル・アドバイザーとして日比谷パーク法律事務所を選任し、同事務所から必要な法的助言を受けている。
・対象者は、本取引に係る対象者取締役会の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、本特別委員会を設置した。本特別委員会は、2022年5月17日から同年7月28日まで合計11回、合計約11時間にわたって開催され、本諮問事項について、慎重に検討・協議した結果、本答申書を提出している。
・本取引に係る対象者の取締役会の審議及び決議に参加する対象者の取締役及び監査役は、その全員が本取引に関して利害関係を有していない。対象者の取締役のうち米澤均氏及び対象者の監査役のうち内山雅博氏は、パナソニックの従業員であったものの、それぞれ2021年1月、2015年6月にパナソニックを退職しているところ、退職からそれぞれ約1年半、約7年以上経過しているため、パナソニックとの関係性は希薄と考えられることから、いずれも利害関係はないものと判断している。
・公開買付者は、対象者との間で、対抗的買収提案者が対象者との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を一切行っておらず、また、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しており、本件においては、公開買付者が、他の買収者による買収提案の機会を確保するための措置を講じているものと認められる。
・本公開買付けを含む本取引においては、少数株主が公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するために、強圧性が生じないよう配慮がなされているものと認められる。
・本公開買付けにおける買付予定数の下限は、下記「⑥ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を上回る買付予定数の下限の設定」に記載のとおり、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回るよう設定されており、公開買付者は、対象者の株主の意思を重視し、パナソニックを除く対象者の株主の少なくとも過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを行わないこととしていることから、本公開買付けの公正性を担保するものと認められる。
・対象者は、本取引の内容を含め、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料を、対象者の少数株主に対し適切に提供するものと認められる。
c 価格等の取引条件の交渉プロセス
・取引条件の交渉プロセスは、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおりであり、価格を中心とした取引条件の交渉プロセスは合理的であると認められ、公正性を害する事情は見当たらない。
ⅳ 以下の点より、本取引は、対象者の少数株主にとって不利益なものとはいえず、対象者取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、及び株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であるといえる。
・上記で検討してきたとおり、本取引の実施は対象者の企業価値の向上に資するものと認められ、対象者の少数株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性は認められる。したがって、本特別委員会は、対象者取締役会において本公開買付けを含む本取引について、本公開買付けに賛同の意見を表明し、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定を行うこと及び、本取引の一環として本公開買付け後に行う株式売渡請求又は株式併合に係る決定を行うことは、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
⑤ 対象者における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
対象者プレスリリースによれば、対象者は、大和証券より取得した対象者株式価値算定書の内容、日比谷パーク法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から取得した答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関する諸条件について慎重に審議及び検討を行った結果、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、対象者の取締役8名(うち社外取締役3名)全員の一致により、本取引を通じて公開買付者の完全子会社となることは、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、ディスシナジーを上回るシナジーがあると考えられ、対象者の企業価値向上に資するものであるとして、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、上記「(2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断したため、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行ったとのことです。なお、上記取締役会には、対象者の監査役3名(うち社外監査役2名)が出席し、その全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。なお、対象者は、対象者の取締役のうち米澤均氏及び対象者の監査役のうち内山雅博氏はパナソニックの従業員であったものの、それぞれ2021年1月、2015年6月にパナソニックを退職しており、退職からそれぞれ約1年半、約7年以上が経過しているため、パナソニックとの関係性は希薄と考えられることから、いずれも利害関係はないものと判断しているとのことです。
⑥ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を上回る買付予定数の下限の設定
公開買付者は、本公開買付けにおいては、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため買付予定数の下限を15,389,300株(所有割合:66.67%)としており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。なお、買付予定数の下限(15,389,300株)は、対象者第1四半期決算短信に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(25,006,200株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,922,244株)及び応募合意株式(5,002,000株)を控除した株式数(18,081,956株)を2で除した株式数(9,040,978株、小数点以下切り上げ)に応募合意株式(5,002,000株)を加えた株式数(14,042,978株)を上回っております。これは、本公開買付けにおける買付予定数の下限が、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回っていることを意味しており、公開買付者は、対象者の株主の皆様の意思を重視し、パナソニックを除く対象者の株主の皆様の少なくとも過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを行わないこととし、本公開買付けの公正性を担保することとしております。
⑦ 本公開買付価格の適正性その他本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日と設定しております。このように公開買付期間を比較的長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対象者株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保しております。
また、公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、公開買付者は、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とするための本取引の一環として本公開買付けを実施するため、本公開買付けにより対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の本スクイーズアウト手続を予定しております。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立後に、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となった場合には、本公開買付けの決済完了後速やかに、会社法第179条に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員に対し、その所有する対象者株式の全てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して株式売渡請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員からその所有する対象者株式の全てを取得します。この場合、当該各株主の所有していた対象者株式の対価として、公開買付者は、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、対象者取締役会において当該株式売渡請求を承認する予定とのことです。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立及び決済の完了後、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき対象者株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2022年11月上旬を目処に開催することを対象者に要請する予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた株主の皆様に対して、会社法第235条及び第234条第2項乃至第5項その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定したうえで、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は対象者の発行済株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう対象者に対して要請する予定です。対象者プレスリリースによれば、対象者は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定としては、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議のうえ、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様において自らの責任において税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(5)上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、当該手続が実施された場合には、対象者株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。
(6)本公開買付けに係る重要な合意
① 本応募契約
上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、対象者の主要株主である筆頭株主であり、かつ、その他関係会社であるパナソニックとの間で本応募契約を2022年7月29日付で締結し、応募合意株式の全て(5,002,000株、所有割合:21.67%)を本公開買付けに応募する旨の合意をしております。
本応募契約の概要は以下のとおりです。
(ⅰ)公開買付者による本公開買付けの実施
ア 公開買付者は、以下の前提条件が全て充足又は放棄されていることを条件として、本公開買付けを開始するものとする。但し、公開買付者は、かかる前提条件の全部又は一部をその裁量により放棄することができる。
(ア)パナソニックの表明及び保証(注1)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること。
(イ)パナソニックが、本応募契約に基づき履行又は遵守すべき義務(注2)をいずれも重要な点において履行又は遵守していること。
(ウ)対象者の取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことの決議がなされ、かかる決議が法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないこと。
(エ)対象者に設置された特別委員会において、対象者の取締役会に対し、(x)(a)本公開買付けに賛同し、対象者の株主に対して本公開買付への応募を推奨する旨の意見表明を行うことは妥当であり、(b)本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではない旨の答申が適法かつ有効になされ、かかる答申の概要が対象会社のプレスリリースにおいて公表されており、かつ、(y)かかる答申が撤回又は変更されていないこと。
(オ)司法・行政機関等に対し、本取引のいずれかを制限又は禁止することを求める旨のいかなる申立、訴訟等又は手続も係属しておらず、また、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨の司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、それらのおそれもないこと。
(カ)本取引に関する事実を除き、対象者に関する未公表の重要事実又は公開買付け等の実施に関する事実が存在しないこと。
(キ)本応募契約締結日以降、対象者及びその子会社・関連会社の事業、経営成績、財政状態、キャッシュフロー、資産、負債若しくは業績見込みに重大な悪影響を及ぼすおそれのある事由又は事象が発生又は判明していないこと。
(注1) パナソニックは、本応募契約において、(a)パナソニックの設立及び存続の有効性、(b)パナソニックによる本応募契約の締結及び履行に必要な権利能力の保有並びに必要な社内手続の履践、(c)パナソニックに対する本応募契約の強制執行可能性、(d)パナソニックによる本応募契約の締結及び履行のための許認可等の取得又は履践、(e)パナソニックによる本応募契約の締結及び履行と法令等並びにパナソニックの内部規則及び契約等との抵触の不存在、(f)パナソニックにおける倒産手続等の不存在、(g)パナソニックと反社会的勢力等との関係の不存在、及び(h)パナソニックによる応募対象株式(以下(ⅱ)アに定義します。)の適法かつ有効な保有及び処分権限に関する事項について表明及び保証を行っております。
(注2) パナソニックは、本応募契約に基づき、(a)本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わない義務、(b)議決権行使につき公開買付者の指示に従う義務、(c)表明及び保証の違反、若しくは本応募契約の義務違反又はそれらのおそれが生じた場合の通知義務、(d)パナソニックと対象者との間の2009年7月13日付特許実施許諾契約書の解除権を行使しない義務を負っております。
(ⅱ)パナソニックによる本公開買付けへの応募
ア パナソニックは、公開買付者が本公開買付けを開始し、かつ、撤回されていないこと、及び以下の前提条件が全て充足又は放棄されていることを条件として、速やかに(遅くとも本公開買付けの開始日(以下「本開始日」という。)から20営業日以内に)、パナソニックが所有する対象者株式の全てである5,002,000株(以下「応募対象株式」という。)について、本公開買付けに応募(以下「本応募」という。)するものとし、かつ、本応募後、本応募を撤回せず、本応募により成立する応募対象株式の買付け等に係る契約を解除しないものとする。但し、パナソニックは、かかる前提条件の全部又は一部をその裁量により放棄することができる。
(ア)公開買付者の表明及び保証(注3)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること。
(イ)公開買付者が、本応募契約に基づき本開始日までに履行又は遵守すべき義務(注4)をいずれも重要な点において履行又は遵守していること。
(ウ)対象者の取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことの決議がなされ、かかる決議が法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないこと。
(エ)対象者に設置された特別委員会において、対象者の取締役会に対し、(x)(ⅰ)本公開買付けに賛同し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことは妥当であり、(ⅱ)本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではない旨の答申が適法かつ有効になされ、かかる答申の概要が対象会社のプレスリリースにおいて公表されており、かつ、(y)かかる答申が撤回又は変更されていないこと。
(オ)司法・行政機関等に対し、本取引のいずれかを制限又は禁止することを求める旨のいかなる申立、訴訟等又は手続も係属しておらず、また、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨の司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、それらのおそれもないこと。
(カ)本取引に関する事実を除き、対象者に関する未公表の重要事実又は公開買付け等の実施に関する事実が存在しないこと。
(注3) 公開買付者は、本応募契約において、(a)公開買付者の設立及び存続の有効性、(b)公開買付者による本応募契約の締結及び履行に必要な権利能力の保有並びに必要な社内手続の履践、(c)公開買付者に対する本応募契約の強制執行可能性、(d)公開買付者による本応募契約の締結及び履行のための許認可等の取得又は履践、(e)公開買付者による本応募契約の締結及び履行と法令等並びに公開買付者の内部規則及び契約等との抵触の不存在、(f)公開買付者における倒産手続等の不存在、及び(g)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在について表明及び保証を行っております。
(注4) 公開買付者は、本応募契約に基づき、表明及び保証の違反、若しくは本応募契約の義務違反又はそれらのおそれが生じた場合の通知義務を負っております。
イ パナソニックは、直接であるか間接であるか又は自己の計算であるか他人の計算であるかを問わず、本応募契約締結日後、本公開買付けの決済の開始日(以下「本決済開始日」という。)までの間、対象者株式の取得、応募対象株式の譲渡、担保設定その他の方法による処分、その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとし、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実及び内容を通知し、対応につき誠実に協議するものとする。
ウ パナソニックは、本応募契約締結後、公開買付者以外の者が、(a)本公開買付けに係る公開買付期間の末日(以下「本公開買付期間満了日」という。)までに、パナソニックによる上記イの違反によらずに、対象者株式に対する買付予定数の上限を定めない公開買付けを開始した場合(以下、かかる公開買付けを開始した者を「対抗提案者」という。)で、かつ、(b)①全ての関連する要因を考慮してパナソニックが本公開買付けに応募すること、又は既に行った本応募を撤回しないことがパナソニックの取締役の善管注意義務違反となる可能性があると客観的かつ合理的に認められる場合、又は②対象者の取締役会が上記ア(ウ)の意見表明を撤回若しくは変更し、若しくは対象会社に設置された特別委員会が上記ア(エ)の答申を撤回若しくは変更した場合には、事前に公開買付者に対して書面により通知した上で、対抗提案者との間で協議又は合意若しくは応募対象株式の対抗提案者への譲渡を行うことができるものとする。
エ パナソニックは、本公開買付けが成立し決済が完了した場合であって、本決済開始日以前の日を権利行使の基準日として本決済開始日後に対象者の株主総会が開催されるときには、当該株主総会における本公開買付けにより買い付けられた対象者株式に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとする。
(ⅲ)その他
ア パナソニック及び買付者は、本応募契約に基づく自らの表明及び保証の違反又は義務の違反に起因又は関連して相手方当事者が損害、損失又は費用(合理的な弁護士その他の専門家の費用を含み、以下「損害等」という。)を被った場合には、かかる損害等を相手方当事者に対して補償する。
イ パナソニック及び公開買付者は、(a)相手方当事者に表明及び保証の重大な違反が存在する場合、(b)本応募契約に規定される相手方当事者の重大な義務の違反が存在する場合、又は(c)自らの責めに帰すべからざる事由により本公開買付けが2022年11月30日までに開始されない場合には、本開始日までの間に限り、相手方当事者に書面で通知することにより本応募契約を解除することができる。
② 本合意書
公開買付者は、対象者との間で、2022年7月29日付で、本取引の実行後における公開買付者及び対象者の競争力向上及び中長期的な企業価値向上を目的として、合意書(以下「本合意書」といいます。)を締結いたしました。本合意書の概要は、以下のとおりです。
・対象者及びその子会社である株式会社HTKエンジニアリングは、本取引の実行後、公開買付者グループにおけるコネクタ事業及び情報システム事業の成長のため、誠実に事業を執り行う。
・公開買付者は、対象者グループによるコネクタ事業及び情報システム事業の運営が、公開買付者グループの事業戦略と整合的であること、かつ対象者グループの業績が事業計画通りに進捗すること又は対象者グループの業績が事業計画通りに進捗していないとしても対象者グループとして必要な対策をとることを含め適切に事業運営が行われていることを前提(以下「本前提条件」という。)として、本取引の実行後も対象者グループの法人格を維持し、対象者の経営の独立性を尊重する。
・公開買付者は、上記に関連し、具体的に以下の事項を確認する。
① 公開買付者は、本取引の実行後も、当面の間、対象者グループの商業登記簿上及び定款上の商号を変更せず、対象者グループの商号の変更を検討する可能性が生じた場合には、対象者の経営陣と公開買付者グループとの間で誠実に協議したうえで、その是非を決定すること。
② 対象者グループの競争力維持・強化の観点から、本前提条件が充足される限りにおいて、本取引の実行前と比較し、(ⅰ)対象者グループによる部品・材料等の調達の裁量及び自由度については、集中購買等によるシナジー創出の観点から求められる対応がある場合を除き、特段の追加的な制約を設けないこととし、また、(ⅱ)入札案件等においては、対象者グループへの信用補完措置(親会社保証、ボンド拠出等)を速やかに講じるなど、必要に応じて対象者グループへの協力を行うこと。
③ 本取引の実行後、本前提条件が充足される限りにおいて、公開買付者グループにおけるコネクタ事業の一体的な運営に関し、対象者が主要な役割を担うこと。
④ 本前提条件が充足される限りにおいて、対象者の安曇野工場における事業運営を継続させること。
⑤ 対象者グループの業績又は経営環境が著しく悪化しない限り、公開買付者グループは、本取引の実行後も、本公開買付けの決済の開始日時点における対象者グループの国内従業員との雇用関係を維持し、また、当該従業員の雇用条件を統合前と総体として実質的に同等となるよう維持して、人事制度及び処遇に関し、当該従業員に実質的に不利益となる雇用条件の変更は原則行わない。万が一、不利益変更を検討する場合は、対象者、対象者労働組合及び/又は他の対象者グループの労働者代表との事前の十分な協議をし、合意した上で適切な措置を講ずること。但し、(ⅰ)職務遂行上の不正行為、法令等若しくは定款違反、心身の故障その他の職務への不適任等の理由により、対象者グループの就業規則に従って処分する場合、(ⅱ)対象者グループの業績又は経営環境に著しい悪化が生じ、その状態が継続した場合、又は(ⅲ)当該従業員の意思に基づく場合若しくは当該従業員の同意がある場合についてはこの限りでない。
⑥ 本前提条件が充足される限りにおいて、公開買付者は、本取引の実行後も対象者の現経営体制を尊重し、現経営陣(執行役員を含む。但し、社外取締役・社外監査役を除く。)からの変更を希望する場合には、対象者と事前に誠実に協議すること(但し、公開買付者グループからの追加的な役員派遣はこの限りではない。)。
⑦ 公開買付者グループは、本取引により取得する対象者株式の全部又は一部について第三者に対して譲渡その他の処分をする場合には、本前提条件が充足される限りにおいて、事前に対象者の経営陣を含む公開買付者グループ内で誠実に協議すること。
⑧ 公開買付者グループは、本取引の実行後、対象者を当事者とする合併その他の組織再編行為及びその他の対象者の経営体制に重大な変更を及ぼす行為を行う場合には、本前提条件が充足される限りにおいて、事前に対象者の経営陣を含む公開買付者グループ内で誠実に協議すること。
⑨ 公開買付者グループは、本取引の実行後、対象者の期待する自動化、金型製作などの積極的な支援、サポートを、公開買付者グループの事業戦略と整合し、かつ経済的合理性を有する範囲で実施すること。また、対象者の補強を要する人材についても同様とすること。
⑩ 本取引の実行後の営業体制及び海外販売網の活用などについては、シナジー創出のため、対象者の経営陣を含む公開買付者グループ内で誠実に協議して方針を決定すること。

届出当初の期間

①【届出当初の期間】
買付け等の期間2022年8月1日(月曜日)から2022年9月12日(月曜日)まで(30営業日)
公告日2022年8月1日(月曜日)
公告掲載新聞名電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
(電子公告アドレス https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)

買付け等の価格

(2)【買付け等の価格】
株券普通株式1株につき、金705円
新株予約権証券-
新株予約権付社債券-
株券等信託受益証券
( )
-
株券等預託証券
( )
-
算定の基礎公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるフロンティア・マネジメントに対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2022年7月28日付で公開買付者株式価値算定書を取得いたしました。なお、フロンティア・マネジメントは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。
フロンティア・マネジメントは、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討したうえ、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、比較可能な類似上場会社が存在し、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、対象者の将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を用いてそれぞれ株式価値の算定を行っております。
なお、公開買付者は、下記「算定の経緯」に記載の諸要素を総合的に勘案し、かつパナソニック及び対象者との協議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、フロンティア・マネジメントから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
フロンティア・マネジメントにより上記各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :493円~576円
類似会社比較法:444円~662円
DCF法 :608円~916円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2022年7月28日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所プライム市場における算定基準日の終値576円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値532円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値516円、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値493円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を493円から576円と算定しております。
類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たり株式価値の範囲を444円から662円と算定しております。

DCF法では、対象者から提供を受けた事業計画(2023年3月期から2026年3月期まで)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が対象者に対して2022年6月中旬から同年7月上旬まで行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が本公開買付けの決済の開始日以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を608円から916円と算定しております。上記事業計画には、前事業年度対比で、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2023年3月期には、納期遅延により発生していた一時的な過剰在庫が解消される見込みであるため、営業利益(73%増(小数点以下切り捨て。以下、事業計画における増減益に関する記載に関して同じです。))、フリー・キャッシュ・フローが共に大幅に増加する一方、2024年3月期には、過剰在庫という特殊要因がなくなることで、営業利益(30%減)、フリー・キャッシュ・フロー(36%減)は共に大幅に減少することを見込んでおります。しかし、2025年3月期以降は、コネクタ市場全体の需要増大に伴う好調な受注により、再び、営業利益(32%増)、フリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。なお、上記事業計画の作成時点において、本取引の実行により発生すると見込まれる効果及び費用を具体的に見積もることが困難であったことから、当該事業計画は、本公開買付けの実行を前提としておりません。
本公開買付価格705円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年7月28日の対象者株式の東京証券取引所プライム市場における終値576円に対して22.40%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値532円に対して32.52%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値516円に対して36.63%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値493円に対して43.00%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格705円は、本書提出日の前営業日である2022年7月29日の対象者株式の東京証券取引所プライム市場における終値563円に対して25.22%のプレミアムを加えた価格となります。
算定の経緯(本公開買付価格の決定に至る経緯)
公開買付者は、本公開買付けを含む本取引を行うにあたり、以下の経緯により本公開買付価格について決定いたしました。
① 算定の際に意見を聴取した第三者の名称
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるフロンティア・マネジメントに対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2022年7月28日付で公開買付者株式価値算定書を取得いたしました。
なお、公開買付者は、下記「③ 当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯」に記載の諸要素を総合的に勘案し、かつパナソニック及び対象者との協議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、フロンティア・マネジメントから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
② 当該意見の概要
フロンティア・マネジメントは、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行っており、各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :493円~576円
類似会社比較法:444円~662円
DCF法 :608円~916円
③ 当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯
公開買付者は、2021年10月中旬に公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてフロンティア・マネジメントを選任し、対象者の完全子会社化を通じたシナジーの実現による両社の企業価値向上を実行するため、本公開買付価格を含む本取引の諸条件の具体的な内容について検討を開始しました。

そして、公開買付者は、2021年12月16日、対象者及びパナソニックに対して、公開買付けを通じた対象者株式の全部の取得による非公開化を希望する旨の法的拘束力のない意向表明書を提出し、公開情報及び対象者が2021年5月11日に公表した中期経営計画などに基づくDCF法、類似会社比較法及び市場株価法による初期的な株式価値分析を総合的に判断した結果及び対象者株式に関する市場株価動向等に基づく初期的提案として、2021年12月16日時点の初期的な株式価値分析結果において、市場株価法における上限を超え、類似会社比較法とDCF法のレンジ内であり、また、2021年12月15日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値434円に対して19.78%~39.74%、過去1ヶ月間(2021年11月16日から2021年12月15日)の終値単純平均値440円に対して18.15%~37.84%、過去3ヶ月間(2021年9月16日から2021年12月15日)の終値単純平均値454円に対して14.50%~33.59%、過去6ヶ月間(2021年6月16日から2021年12月15日)の終値単純平均値469円に対して10.84%~29.31%のプレミアムを加えた価格であり、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して、出来高が1回転する期間である2020年4月9日から2021年12月1日の出来高加重平均価格は472円、2回転する期間である2019年6月14日から2021年12月1日の出来高加重平均価格は499円であるという結果に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、意向表明書提出時点における短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり520円~606円のレンジでの公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する提案及びその後の正式なデュー・ディリジェンス実施の申し入れを行いました。
その後、公開買付者は、2022年1月6日、対象者から、対象者としては公開買付者グループとの提携が対象者の企業価値向上に資するのかを検討する必要がある旨の回答を受けるとともに、価格面においては受領した株式価値では既存株主に対する説明が困難であると判断したことから提示価格の再考を要請する旨の書面を受領しました。他方、公開買付者は、2022年1月11日、パナソニックから、提案内容に対して前向きに検討している旨の書面を受領しました。
その後、公開買付者は、対象者グループの事業及び事業環境についての理解を深めるために、対象者から、公開買付者が対象者グループの事業及び事業環境についての理解を深め、価格を再考するために必要な情報として、2022年2月19日に、2022年3月期から2026年3月期までの事業計画を受領したほか、同年3月上旬に対象者グループの情報システム事業に関する説明を受けました。公開買付者は、これと並行して、同年2月上旬から3月下旬にかけて複数回に亘り対象者経営陣との協議を重ね、更なる検討を行った結果として、2022年4月6日、対象者及びパナソニックに対して、再度法的拘束力のない意向表明書を提出し、公開情報、2022年2月19日に対象者より受領した、2022年3月期から2026年3月期までの事業計画、対象者経営陣との協議及び追加的に受領した情報などに基づいて算出されたDCF法、類似会社比較法、市場株価法による初期的な株式価値分析を総合的に判断した結果及び対象者株式に関する市場株価動向等に基づく再提案として、2022年4月6日時点の初期的な株式価値分析結果において、市場株価法における上限を超え、類似会社比較法とDCF法のレンジ内であり、また、2022年4月5日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値474円に対して18.78%~37.13%、過去1ヶ月間(2022年3月7日から2022年4月5日)の終値単純平均値473円に対して19.03%~37.42%、過去3ヶ月間(2022年1月6日から2022年4月5日)の終値単純平均値459円に対して22.66%~41.61%、過去6ヶ月間(2021年10月6日から2022年4月5日)の終値単純平均値452円に対して24.56%~43.81%のプレミアムを加えた価格であり、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して出来高が1回転する期間である2020年9月4日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は479円、2回転する期間である2019年11月11日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は494円であるという結果に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、意向表明書提出時点における短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり563円~650円のレンジでの公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案及びその後の正式なデュー・ディリジェンス実施の申し入れを改めて行いました。

その後、公開買付者は、2022年4月28日、対象者から、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨、及び同日付にて本特別委員会が設置された旨の伝達を受けました。また、公開買付者は、同日、パナソニックから、上記2022年4月6日付提出の意向表明書に基づき、応募契約の締結を含む本取引について前向きに協議を続ける意向である旨の書面による回答を受けました。2022年5月13日には、公開買付者は、対象者に対して、公開買付者グループの事業内容の説明を行いました。その後、公開買付者は、引き続き対象者経営陣との協議を行う中で、対象者から、2022年6月8日、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券を通じて、公開買付者により提案された対象者株式1株当たりの価格レンジは、対象者として不十分であると考えているものの、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであると考えており、公開買付者が公開買付価格を引き上げることを真摯に検討することを条件として、本取引についてのデュー・ディリジェンスを受け入れる旨の申し入れを受けました。その後、公開買付者は、2022年6月8日に、上記の条件を受け入れ、2022年6月中旬から7月下旬にかけてデュー・ディリジェンスを実施することを決定いたしました。
その後、公開買付者は、2022年6月中旬から対象者グループに対するデュー・ディリジェンスを実施し、2022年7月上旬までのデュー・ディリジェンスの進捗を踏まえ、2022年7月8日に、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、対象者の2022年度の進行期の実績を含む足元の業績や将来の事業計画・公開買付者が行った上記デュー・ディリジェンスの結果、2022年3月期の業績はコロナ禍の影響が緩和され自動車市場の回復や顧客企業による設備投資の増加を踏まえた対象者グループ製品への需要の回復などにより回復基調にあるものの、経済情勢や株式市場の動向は不安定であり、2023年3月期以降の業績については不確実性が大きく、業績の下振れリスクも存在するとの考えを持ったことや、2021年7月上旬以降直近1年間において、2023年3月期第1四半期の決算発表日である2022年5月11日以降を除く期間でTOPIX(東証株価指数)の値動きを下回って推移していた対象者株式の市場株価等を勘案しながら、2022年7月8日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値526円に対して23.57%、過去1ヶ月間(2022年6月9日から2022年7月8日)の終値単純平均値528円に対して23.11%、過去3ヶ月間(2022年4月11日から2022年7月8日)の終値単純平均値500円に対して30.00%、過去6ヶ月間(2022年1月11日から2022年7月8日)の終値単純平均値480円に対して35.42%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)には劣後するものの、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して、出来高が1回転する期間である2020年9月4日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は479円、2回転する期間である2019年11月11日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は494円であるという結果(上記2022年4月6日の提案時に算出した結果)に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり650円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月11日、対象者から、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。

その後、公開買付者は、2022年7月13日にも、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、同月8日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、2022年7月12日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値516円に対して31.78%、過去1ヶ月間(2022年6月13日から2022年7月12日)の終値単純平均値525円に対して29.52%、過去3ヶ月間(2022年4月13日から2022年7月12日)の終値単純平均値502円に対して35.45%、過去6ヶ月間(2022年1月13日から2022年7月12日)の終値単純平均値482円に対して41.08%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)には劣後するものの、対象者の自己株式及びパナソニック所有分を除く発行済株式総数に対して出来高が1回転する期間である2020年9月4日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は479円、2回転する期間である2019年11月11日から2022年3月22日の出来高加重平均価格は494円であるという結果(上記2022年4月6日の提案時に算出した結果)に基づき、流動株が1~2回転する期間は、2年未満の短期から中期的な投資を目的とする既存株主が当該株式を取得した時期をカバーしているといえ、短期から中期的な投資を目的とする少数株主が株式を取得したと推定される価格を上回る価格となっており、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり680円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月15日、対象者から、非上場化目的の公開買付け事例におけるプレミアム水準を考慮しても、一定期間の平均株価(例:1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)のそれぞれに対するプレミアム水準が、他事例におけるプレミアム水準と遜色のない水準であることが、対象者として応募推奨を行うにあたっての必要条件であり、かつ、対象者の現状を最も反映しているのは、2021年度決算発表(2022年5月11日)以降及び直近の市場株価であり、対象者の少数株主にとっても当該期間の株価が最も重視されるものと想定しており、その観点において未だ十分な価格に達していないと考えたことから、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。
その後、公開買付者は、2022年7月20日にも、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、同月13日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、2022年7月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値516円に対して34.69%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間(2022年6月20日から2022年7月19日)の終値単純平均値523円に対して32.89%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間(2022年4月20日から2022年7月19日)の終値単純平均値507円に対して37.08%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間(2022年1月20日から2022年7月19日)の終値単純平均値485円に対して43.30%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)と概ね同水準であり、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり695円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月22日、対象者から、非上場化目的の公開買付け事例におけるプレミアム水準を考慮しても、未だ十分な価格に達していないことから、対象者としては受領した株式価値では未だ既存株主に対する説明が困難と判断したため、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。

その後、公開買付者は、2022年7月25日にも、対象者及びパナソニックに対して、本取引に係る法的拘束力のある提案書を提出し、同月20日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、2022年7月22日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値531円に対して32.77%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間(2022年6月23日から2022年7月22日)の終値単純平均値526円に対して34.03%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間(2022年4月25日から2022年7月22日)の終値単純平均値510円に対して38.24%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間(2022年1月24日から2022年7月22日)の終値単純平均値488円に対して44.47%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)と概ね同水準であり、少数株主の皆様に不利益が生じない価格と考えた対象者株式1株当たり705円での公開買付け及びその後の一連の取引による対象者の完全子会社化に関する再提案を行いました。その後、公開買付者は、2022年7月26日、対象者から、既存株主の利益のために、公開買付者に対して提示価格の再考を要請する旨の伝達を受けました。
その後、公開買付者は、2022年7月27日、対象者及びパナソニックに対して、フロンティア・マネジメントを通じて口頭にて、同月25日に提案書を提出した際と同様の要素を勘案し、対象者株式1株当たり705円という価格は、2022年7月26日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値549円に対して28.42%のプレミアムを加えた価格、過去1ヶ月間(2022年6月27日から2022年7月26日)の終値単純平均値529円に対して33.27%のプレミアムを加えた価格、過去3ヶ月間(2022年4月27日から2022年7月26日)の終値単純平均値513円に対して37.43%のプレミアムを加えた価格、過去6ヶ月間(2022年1月27日から2022年7月26日)の終値単純平均値490円に対して43.88%のプレミアムを加えた価格であり、過去の公開買付けの事例(2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表以降の非上場化目的の公開買付けのうち、成立した事例71件)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.60%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.20%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.90%)と概ね同水準であり、少数株主の皆様に不利益が生じない価格であることから、対象者株式1株当たり705円からの更なる引き上げは行わない旨を伝達しました。その後、公開買付者は、2022年7月28日、対象者から、本公開買付価格を705円とすることについて応諾する旨の伝達を受け、本公開買付価格について対象者との合意に至りました。
公開買付者は、以上の協議・交渉の結果に加え、公開買付者株式価値算定書における算定結果、公開買付者が実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、2022年7月29日付で、本公開買付価格を、フロンティア・マネジメントより取得した株式価値算定書の算定結果のうち、市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果の上限値を上回ると共に、DCF法の範囲内である1株当たり705円とすることを決定いたしました。

買付予定の株券等の数

(3)【買付予定の株券等の数】
株券等の種類買付予定数買付予定数の下限買付予定数の上限
普通株式23,083,956(株)15,389,300(株)-(株)
合計23,083,956(株)15,389,300(株)-(株)

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(15,389,300株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(15,389,300株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買取ることがあります。
(注3) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。
(注4) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は、公開買付者が本公開買付けにより取得する対象者の株券等の最大数(23,083,956株)を記載しております。当該最大数は、対象者第1四半期決算短信に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(25,006,200株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,922,244株)を控除した株式数(23,083,956株)です。

買付け等を行った後における株券等所有割合

区分議決権の数
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)230,839
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)-
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)-
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2022年8月1日現在)(個)(d)-
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)-
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)-
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年8月1日現在)(個)(g)-
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)-
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)-
対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)230,754
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)
100.00
買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)
100.00

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(23,083,956株)に係る議決権の数です。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年8月1日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。但し、本公開買付けにおいては、特別関係者の所有する株券等についても買付け等の対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年8月1日現在)(個)(g)」を分子に加算しておりません。なお、公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認のうえ、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2022年6月28日に提出した第92期有価証券報告書記載の総株主等の議決権の数です。但し、本公開買付けにおいては単元未満株式についても買付け等の対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第1四半期決算短信に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(25,006,200株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,922,244株)を控除した株式数(23,083,956株)に係る議決権の数(230,839個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(23,083,956株)に係る議決権の数です。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年8月1日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。但し、本公開買付けにおいては、特別関係者の所有する株券等についても買付け等の対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年8月1日現在)(個)(g)」を分子に加算しておりません。なお、公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認のうえ、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2022年6月28日に提出した第92期有価証券報告書記載の総株主等の議決権の数です。但し、本公開買付けにおいては単元未満株式についても買付け等の対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第1四半期決算短信に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(25,006,200株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(1,922,244株)を控除した株式数(23,083,956株)に係る議決権の数(230,839個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

株券等の種類

(1)【株券等の種類】
普通株式

根拠法令

(2)【根拠法令】
公開買付者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対し、本公開買付けによる対象者株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)に関する計画をあらかじめ届け出なければならず(以下、当該届出を「事前届出」といいます。)、同条第8項により事前届出受理の日から原則として30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは本株式取得をすることができません(以下、株式の取得が禁止される当該期間を「取引禁止期間」といいます。)。
また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。公正取引委員会は、排除措置命令を発令しようとするときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、その意見聴取を行うにあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、事前届出に係る株式取得に関する計画に対する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされています(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号。その後の改正を含みます。)第9条)。公開買付者は、本株式取得に関して、2022年7月29日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出は同日付で受理されております。従って、排除措置命令の事前通知がなされるべき措置期間及び取引禁止期間は、原則として2022年8月28日の経過をもって満了する予定です。
公開買付期間(延長した場合を含みます。)満了の日の前日までに措置期間が満了しない場合、排除措置命令の事前通知がなされた場合、及び独占禁止法第10条第1項の規定に違反する疑いのある行為をする者として裁判所の緊急停止命令の申立てを受けた場合には、下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の令第14条第1項第4号に定める事情が生じた場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
なお、公正取引委員会から排除措置命令の事前通知及び独占禁止法第10条第9項に基づく報告等の要求を受けることなく措置期間が終了した場合又は公正取引委員会から排除措置命令を行わない旨の通知を受けた場合には、公開買付者は、法第27条の8項2号に基づき、直ちに本書の訂正届出書を関東財務局長に提出いたします。

応募の方法

(1)【応募の方法】
① 公開買付代理人
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをされる方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は国内各営業店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載し、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認のうえ、お手続ください。)。
オンライントレード(https://trade.smbcnikko.co.jp/)(以下「日興イージートレード」といいます。)による応募株主等は、日興イージートレードログイン後、画面より「日興イージートレード 公開買付け取引規程」を確認のうえ所要事項を入力し、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください。なお、日興イージートレードによる応募の受付には、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主口座」といいます。)における日興イージートレードのご利用申込みが必要です。
③ 応募に際しては、応募株主口座に、応募株券等が記録されている必要があります。
④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を通じた応募の受付は行われません。
⑤ 公開買付代理人に口座を開設していない場合には、新規に口座を開設していただく必要があります(注1)。口座を開設される場合には、本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知(注2)を行っていただく必要があります。
⑥ 外国の居住者である株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人(以下「常任代理人」といいます。)を通じて応募してください。また、本人確認書類(注2)をご提出いただく必要があります。なお、日興イージートレードにおいては、外国人株主等からの応募の受付を行いません。
⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税(注3)の適用対象となります。
⑧ 公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記録されている株券等(対象者の特別口座の口座管理機関である三菱UFJ信託銀行株式会社に開設された特別口座に記録されている株券等を含みます。)については、当該応募株券等につき公開買付代理人の応募株主口座への振替手続を行う必要があります。公開買付代理人が、当該応募株券等につき、公開買付代理人の応募株主口座への振替手続が完了して公開買付代理人の応募株主口座に記録されていることを確認してからの受付となります。なお、振替手続には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。また、一度特別口座から応募株主口座へ振替られた応募株券等については再度特別口座へ記録することはできません。
(注1) 口座開設に際し、個人株主は原則としてご印鑑が不要です。未成年、成年後見人制度をご利用の個人株主や、法人株主等が口座を開設される場合はご印鑑が必要です。また、既に開設されている応募株主口座のご登録内容の変更をされる場合等には、ご印鑑が必要となる場合があります。
(注2) 本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知について
公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、又は外国人株主等が新規に口座を開設し常任代理人を通じて応募される場合には、次の本人確認書類及び番号確認書類等が必要になります。有効期限の定めのあるものはその期限内のものを、定めのないもの(通知カードは除く。)は6ヶ月以内に作成されたものをご用意ください。本人確認書類及び番号確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
<個人>
A.番号確認書類
(いずれか1点)
個人番号カード(両面)(※1)
通知カード
住民票の写し(個人番号あり)(※2)
B.本人確認書類
(写真あり1点又は写真なし2点)
写真あり運転免許証(運転経歴証明書)(※3)
在留カード
特別永住者証明書
パスポート(※4)
各種福祉手帳
写真なし各種健康保険証(※3)
公務員共済組合の組合員証(※3)
国民年金手帳
印鑑証明書
住民票の写し(※2)

<法人>
A.本人確認書類
(いずれか1点)
履歴事項全部証明書
現在事項全部証明書
B.番号確認書類
(いずれか1点)
法人番号指定通知書
法人番号情報(※5)
C.口座開設取引担当者(代表者等)個人の本人確認書類
(いずれか1点)
運転免許証(※3)
個人番号カード(表)
各種健康保険証(※3)
公務員共済組合の組合員証(※3)
パスポート(※6)

(※1) 番号確認書類として個人番号カードをご用意いただく場合、別途本人確認書類のご用意は不要です。
(※2) 発行者の印、発行日が記載されているページまで必要となります。
(※3) 裏面に住所が記載されている場合は、裏面まで必要となります。
(※4) 住所、氏名、生年月日の確認ができる各ページが必要となります。なお、2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、ご利用できません。
(※5) 法人番号情報は、国税庁HPの「法人番号公表サイト」より法人番号が表示される画面を印刷してください。
(※6) 2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、別途、現住所が記載されている「本人確認書類1点」又は「納税証明書等の補完書類1点」の写しをご提出いただく必要があります。
<外国人株主等>常任代理人に係る上記書類に加えて、常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書(当該外国人株主等の氏名又は名称、代表者の氏名及び国外の所在地の記載のあるものに限ります。)の写し、並びに常任代理人が金融機関以外の場合には日本国政府が承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(日本の居住者である個人株主の場合)
個人株主の方につきましては、株式等の譲渡は原則として申告分離課税の適用対象となります。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家に各自ご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

契約の解除の方法

(2)【契約の解除の方法】
応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。
契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認のうえ、お手続ください。)。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に到達することを条件とします(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認のうえ、お手続ください。)。
なお、日興イージートレードにおいて応募された契約の解除は、日興イージートレードログイン後、画面に記載される方法に従い、公開買付期間の末日の15時30分までに解除手続を行ってください。
解除書面を受領する権限を有する者
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号
(その他のSMBC日興証券株式会社国内各営業店)

株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法

(3)【株券等の返還方法】
応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除をした場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。

株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

買付け等に要する資金等

(1)【買付け等に要する資金等】
買付代金(円)(a)16,274,188,980
金銭以外の対価の種類-
金銭以外の対価の総額-
買付手数料(円)(b)80,000,000
その他(円)(c)4,000,000
合計(円)(a)+(b)+(c)16,358,188,980

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄は、本公開買付けにおける買付予定数(23,083,956株)に、1株当たりの本公開買付価格(705円)を乗じた金額です。
(注2) 「買付手数料(円)(b)」欄は、公開買付代理人に支払う手数料の見積額です。
(注3) 「その他(円)(c)」欄は、本公開買付けに関する公開買付開始公告についてのお知らせ掲載費及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費等の諸費用につき、その見積額です。
(注4) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

届出日の前々日又は前日現在の預金

①【届出日の前々日又は前日現在の預金】
種類金額(千円)
通知預金20,000,000
計(a)20,000,000

買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】
20,000,000千円((a)+(b)+(c)+(d))

買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

決済の開始日

(2)【決済の開始日】
2022年9月16日(金曜日)

決済の方法

(3)【決済の方法】
公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。なお、日興イージートレードからの応募については、電磁的方法により交付します。
買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

株券等の返還方法、決済の方法

(4)【株券等の返還方法】
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を、公開買付期間の末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)に、公開買付代理人の応募株主口座上で、応募が行われた時の状態(応募が行われた時の状態とは、本公開買付けへの応募注文の執行が解除された状態を意味します。)に戻します。

法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】
応募株券等の総数が買付予定数の下限(15,389,300株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(15,389,300株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】
令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、第4号並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
なお、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合及び②対象者の重要な子会社に同号イからトまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。
また、上記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2)根拠法令」に記載のとおり、独占禁止法第10条第2項に基づく公正取引委員会に対する公開買付者の事前届出に関し、公開買付期間(延長した場合を含みます。)満了の日の前日までに措置期間が満了しない場合、排除措置命令の事前通知がなされた場合、及び独占禁止法第10条第1項の規定に違反する疑いのある行為をする者として裁判所の緊急停止命令の申立てを受けた場合には、令第14条第1項第4号の「許可等」を得られなかった場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】
法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。
買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

応募株主等の契約の解除権についての事項

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】
応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。
なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

買付条件等の変更をした場合の開示の方法

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。
買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更等の内容につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

訂正届出書を提出した場合の開示の方法

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付することにより訂正します。

公開買付けの結果の開示の方法

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】
本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

その他、その他買付け等の条件及び方法

(8)【その他】
本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)を使用して行われるものではなく、更に米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。
また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けいたしません。
本公開買付けに応募する方(外国人株主等の場合はその常任代理人)はそれぞれ、以下の表明・保証を行うことを要求されます。
応募者が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても、米国に所在していないこと、応募者が本公開買付けに関するいかなる情報若しくは買付けに関する書類を、米国内において、若しくは米国に向けて、又は米国内からこれを受領したり送付したりしていないこと、買付け若しくは公開買付応募申込書の署名乃至交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと、及び他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動している者ではないこと(当該他の者が買付けに関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

継続開示会社たる公開買付者に関する事項

(3)【継続開示会社たる公開買付者に関する事項】
①【公開買付者が提出した書類】
イ【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第76期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 2022年6月29日 関東財務局長に提出
ロ【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第77期第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) 2022年8月12日 関東財務局長に提出予定
ハ【訂正報告書】
該当事項はありません。
②【上記書類を縦覧に供している場所】
ミネベアミツミ株式会社
(長野県北佐久郡御代田町大字御代田4106番地73)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

当該株券等に関して締結されている重要な契約

本公開買付けに際し、公開買付者は、パナソニックとの間で、2022年7月29日付で、本応募契約を締結し、応募合意株式の全て(5,002,000株、所有割合:21.67%)を本公開買付けに応募する旨の合意をしております。本応募契約の詳細については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(6)本公開買付けに係る重要な合意」」の「① 本応募契約」をご参照ください。

公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容

① 本公開買付けに対する賛同意見
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行ったとのことです。
なお、上記対象者取締役会決議の詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
② 本合意書
公開買付者は、対象者との間で、2022年7月29日付で、本合意書を締結いたしました。本合意書の概要については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(6)本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本合意書」をご参照ください。

株価の状況

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名東京証券取引所 プライム市場
月別2022年2月2022年3月2022年4月2022年5月2022年6月2022年7月2022年8月
最高株価(円)495496483519579579-
最低株価(円)439449441445499509-

(注1) 2022年4月1日までは東京証券取引所市場第一部における株価の状況を記載しております。
(注2) 届出書の属する月の初日から届出日の前日までの期間の株価については、届出日が月初にあたるため記載しておりません。

継続開示会社たる対象者に関する事項

(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第91期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) 2021年6月29日 関東財務局長に提出
事業年度 第92期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 2022年6月28日 関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第93期第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) 2022年8月9日 関東財務局長に提出予定
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
本多通信工業株式会社
(東京都品川区北品川五丁目9番11号 大崎MTビル)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

その他、対象者の状況

(1)「2023年3月期 第1四半期決算短信[日本基準](連結)」の公表
対象者は、2022年7月29日付で対象者第1四半期決算短信を公表しております。当該公表に基づく概要は以下のとおりです。なお、当該内容につきましては、法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人の四半期レビューを受けていないとのことです。また、以下の公表内容の概要は対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、詳細につきましては、当該公表の内容をご参照ください。
① 損益の状況(連結)
会計期間2023年3月期(第1四半期累計期間)
売上高5,419百万円
売上原価4,341百万円
販売費及び一般管理費728百万円
営業外収益156百万円
営業外費用5百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益330百万円

② 1株当たりの状況(連結)
会計期間2023年3月期(第1四半期累計期間)
1株当たり四半期純利益14.31円
1株当たり配当金-円

(2)「2023年3月期の配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ」の公表
対象者は、2022年7月29日付で公表した「2023年3月期の配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ」に記載のとおり、2022年7月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2023年3月期の期末配当を行わないこと、及び株主優待制度を廃止し、2022年9月30日を基準日とする株主優待より株主優待制度を廃止することを決議したとのことです。詳細につきましては、当該公表の内容をご参照ください。