有価証券報告書-第43期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 10:23
【資料】
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【項目】
155項目
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
①経営戦略と人的資本の関係
当社グループは、「Life-long Ink」のビジョンの下、「かく」という行為を通じて人間と社会にとって意味のある体験をデジタルインク及びハードウェアの技術を通して提供し続けるため、中期経営計画『Wacom Chapter 4』を推進してまいります。4つのユースケース領域(「創る(Creation)」「学ぶ/教える(Learning/Teaching)」「はたらく/たのしむ、その先へ(Work/Play & Beyond)」「より人間らしく生きる(Well-being)」)を軸に、「かく」ことを通じた体験の価値をより高めるため、事業モデルの革新を図っております。
具体的には、以下を成長戦略の柱としております。
・「Pen×Ink×AI」を基盤とした新たな体験価値の創出
・競争力強化と新たな収益基盤確立のための技術開発推進
・サービス型ビジネスの創出による、継続収益型ビジネスの拡大
・ソフトウェア技術を活用した知的財産及びクリエイター支援領域の事業化

これらの戦略の実現は、高度なデジタル・サービス人材の確保及び組織能力の進化に強く依存しており、人的資本は当社グループの競争優位の源泉であります。
このため、当社グループは、事業戦略の実現に必要な「あるべき人材ポートフォリオ」を明確化し、現状とのギャップを踏まえた人的資本投資を通じて、『Wacom Chapter 4』における企業価値向上を推進してまいります。
②戦略
a. 人材ポートフォリオ戦略
当社グループは、中期経営計画『Wacom Chapter 4』を推進するため、以下の重点人材領域を定義し、採用・育成・配置の最適化を進めております。
人材領域役割
インプット技術開発人材
(ハードウェアエンジニア)
EMR、AES、USM、XRにおけるインプット技術イノベーションの推進
AI・データ人材
(ソフトウェアエンジニア)
筆跡データ・時系列データ活用による新サービス創出
DX実装人材新規事業立上げ・M&A後の統合・実装推進

b. 人材育成・リスキリング
経験値を増やし、さらにその経験をもとに新規事業創出や技術開発を進めるため、実践と失敗から学ぶことを大切にし、熱意ある人財を主要プロジェクトに活用、その資産をもって事業の中核を担うべき人材育成に努めております。
Extended Core(ETC)と呼ばれる商品企画チームにおいて、商品企画未経験でも情熱と一定のワコム経験があれば年齢や職責に関わらずリーダーに抜擢し、権限をもって商品開発のリードをアサインします。
喫緊に解決が必要な課題に対してタスクフォースチーム(TFT)が結成されます。入社間もないZ世代でも主要メンバーになります。
コミュニティと共に生き、そして学ぶことを大切にしております。チームメンバーは「Connected Ink(コネクテッド・インク)」イベントに参加し、自らステージで顧客やパートナー企業とプロジェクトの成果を発表したり、ブースを顧客と共に運営することで、事業運営やコミュニティと共に生きることを身をもって体験し、大きく成長する機会となっております。さらに、全てのメンバーは、会社以外のコミュニティと何らかのつながりが必ず存在することを踏まえ、『Wacom Chapter 4』の戦略方向性の一つである、「コミュニティと共に生きる」を実践するために、職場以外での活動、兼業、副業という形態を含めた取り組みもサポートしております。
テクノロジーコミュニティや事業提携先と積極的な人材交流を行い、AIやDX、新規事業創出における専門領域のコミュニティや、その他テクノロジーコミュニティと積極的な人材交流を行い、最新情報に触れる機会を増やすことで、個々のスキル向上を図ります。
社内公募制を導入し、自らのキャリアを考え構築する機会を増やします。
自発的な学びの意欲を尊重し、学びたいときにすぐにアクセスできるE-Learningのプラットフォームを、当社グループ全体で導入し、当社グループに所属しているチームメンバーであれば、国や雇用形態に関わらず、誰でも利用できるように準備しております。
c. 組織・カルチャー戦略
当社グループは、事業成長を支える組織基盤として、以下の取組を推進しております。
・多様な人材の活躍促進(ダイバーシティ経営の推進)
「第2 事業の状況 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本の充実・多様性の確保への対応 ②戦略 a. 性別、国籍、年齢などの個人の属性にとらわれない人財の登用」をご参照ください。
・社内外パートナーとの共創を促進する組織文化の醸成
年に1度、当社グループにおけるパルスサーベイ(エンゲージメントサーベイ)を行い、全従業員のエンゲージメント及び当社グループに対する期待度合いなどを客観的に測っております。パルスサーベイの結果は直ちに取締役会にも共有され、主要な経営課題としてモニタリングされております。直近においては、2026年2月にグローバル全体でパルスサーベイを行いました。「I am excited about Wacom's future」という問いに対し、全回答者の内72%が「Strongly Agree」もしくは「Agree」という結果になりました。さらに、フリーコメントの機会を設けており、そこにはマネジメントからの情報の共有機会の向上、部門間のコミュニケーションの改善、商品・技術ロードマップの共有などのコメントが寄せられております。回答率は62%となっております。
パルスサーベイのKPIは、エンゲージメントスコアの向上だけではなく、できるだけ多くの従業員の声を集めることに重きを置き、回答率70%以上を目指し、引き続きパルスサーベイの施行を続けてまいります。
③報酬に関する考え方
当社グループにおける従業員の人事制度は、「Pay for Performance」の方針のもと、各職務における責任と役割、企業経営に対するインパクト、さらにその職務の革新性などをもとに、それぞれの職務にグレードを定め、そのグレードに応じて報酬などの処遇を決定する職務制度を採用しております。当社グループにおいて同様の考え方で職務グレードが定まっており、各事業部門が各リージョンにおいて事業を展開する際の基本的な人事戦略となっております。
a. 報酬水準に関する考え方
各従業員の報酬は、各々が従事する職務グレードに応じて決定します。全ての従業員の報酬は金銭で支払っており、年間の固定報酬と、年度の会社及び個人の業績に応じて変動する変動賞与で構成しております。全報酬金額合計における年間の固定報酬と変動賞与の割合は、職務レベルに応じてそれぞれ固定部分が60%から90%、変動部分が40%から10%となっており、職務レベルが高くなるほど変動部分が増加する仕組みとなっております。
各職務グレードにおける報酬は、外部機関による報酬サーベイや各国政府機関が公表している市場データを参考に、職務グレードごとの中央値を定め、その中央値から20~30%の上下幅をもって、給与レンジを定めており、そのレンジに収まるように報酬を決定します。職務グレードごとに設定する給与レンジは、各リージョンの市場における中央値を上回るように設定することを原則としております。
b. 報酬決定に関する考え方
毎年の給与調整においては、その中心的な仕組みとして「Merit Increase(メリット昇給)」を導入しております。本制度は、2015年よりグローバルに展開しており、各地域において共通の考え方に基づき運用しております。
「Merit Increase」は、従業員個々の業績評価結果及び職務グレードごとに設定された給与レンジに対する現在の給与水準(いわゆるCompa Ratio)を踏まえ、個別に昇給率を決定する仕組みであります。これにより、業績への貢献度に応じた処遇の実現と、公平性及び競争力のある報酬水準の確保を図っております。
なお、当社グループにおいては、年齢や勤続年数に基づき一律に賃金が上昇するいわゆる定期昇給制度とは異なり、個々の業績評価に基づき毎年給与の見直しを行うこととしております。また、全従業員を対象に一律に賃金水準を引き上げるベースアップ制度は採用しておらず、あくまで個人の成果を反映した報酬改定を基本方針としております。
昇給率の決定にあたっては、各国・地域の経済状況、物価動向及び当社グループの業績・予算状況等を総合的に勘案し、年度ごとに昇給原資を設定した上で、業績評価結果の分布や給与水準の位置づけに応じたマトリックスを策定し、これに基づき各従業員個別の昇給率を決定しております。
また、同一の業績評価結果においては、給与レンジの下位に位置する従業員に相対的に昇給原資を配分し、レンジ中央値への収斂を図る運用を行っております。これにより、同一職務における給与水準の適正化及び内部均衡の維持を推進しております。
さらに、給与レンジの上限に達している場合であっても、業績及び会社業績等を踏まえて必要に応じた調整を行うことがありますが、業績が不十分な場合には昇給を実施しないこともあります。
以上のとおり、当社グループは個々の成果を重視した報酬制度の運用を通じて、従業員のモチベーション向上及び持続的な企業価値向上を目指しております。
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