臨時報告書

【提出】
2020/10/28 16:02
【資料】
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提出理由

当社は、2020年10月28日開催の取締役会において、株式会社トクヤマ(以下「トクヤマ」といい、当社とトクヤマを総称して「両社」といいます。)を株式交換完全親会社とし、当社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日付で両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式交換の決定

(1)本株式交換の相手会社に関する事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号株式会社トクヤマ
本店の所在地山口県周南市御影町1番1号
代表者の氏名代表取締役 社長執行役員 横田浩
資本金の額
(2020年9月30日現在)
10,000百万円
純資産の額
(2020年9月30日現在)
(連結)190,371百万円
(単体)131,878百万円
総資産の額
(2020年9月30日現在)
(連結)379,306百万円
(単体)291,948百万円
事業の内容ソーダ・クロルアルカリ・塩ビ・NOCの製造・販売
電子材料(多結晶シリコン)・乾式シリカ・電子工業用高純度薬品・窒化アルミニウムの製造・販売
セメント・資源環境の製造・販売
ファインケミカル・NF・合成樹脂フィルム・イオン交換膜・歯科材料の製造・販売

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(連結)
(単位:百万円)
2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高308,061324,661316,096
営業利益41,26835,26234,281
経常利益36,19633,40032,837
親会社株主に帰属する
当期純利益
19,69834,27919,937

(単体)
(単位:百万円)
2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高188,501195,233189,271
営業利益33,35927,61426,222
経常利益29,62825,00925,519
当期純利益29,26228,95514,908


③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2020年9月30日現在)
大株主の氏名又は名称発行済株式の総数に占める
大株主の持株数の割合
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)12.37%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.86%
日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)3.13%
株式会社山口銀行(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)2.37%
明治安田生命保険相互会社(常任代理人 資産管理サービス信託銀行株式会社)2.14%

④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係トクヤマは、当社の発行済株式数(6,257,900株)の40.20%に相当する2,515,700株の普通株式を保有しており、親会社であります。
人的関係トクヤマの執行役員1名が当社の取締役を兼務しており、トクヤマの出身者5名が当社の取締役に就任しております。また、当社はトクヤマから、出向者を15名受け入れております。
取引関係当社は、トクヤマから設備を賃借し、トクヤマの連結子会社であるサン・アロー化成株式会社から塩ビコンパウンドの成形品を購入しております。また、当社はトクヤマに対して製造物責任保険の保険料の支払いを行っております。

(2)本株式交換の目的
トクヤマは、1918年2月に山口県徳山町(現在の周南市)で、当時は輸入に依存していたソーダ灰(炭酸ナトリウム)の国産化を目指し、日本曹達工業株式会社として設立されました。ソーダ灰は産業の基礎素材であり、当時の日本の産業振興に不可欠な素材でした。その後、1936年に徳山曹達株式会社に社名変更し、無機総合化学、石油化学分野にも進出しました。1994年4月には社名を現在の株式会社トクヤマに変更し、ファインケミカル、電子材料分野に事業領域を拡大し、2018年2月16日には創立100周年を迎えました。現在は、祖業である化成品分野(化成品セグメント)に加え、半導体関連の情報・電子分野(特殊品セグメント)、セメント・資源環境事業の環境分野(セメントセグメント)、メガネレンズの材料や歯科器材等の生活・医療分野(ライフアメニティーセグメント)を主なフィールドとして事業をグローバルに展開しております。特有技術、競争力の高い製造所、専門スキルを備えた人材・組織等の有形・無形の資産を生かし、社会のニーズに応える製品・サービスを世の中へ提供し、顧客とともに価値を創造し続けてきた100年に亘る実績が、トクヤマのビジネスモデルであり、これからも磨き続けるべきトクヤマの強みだと考えております。これまで培ってきたこれらの強みを最大限に活用し、新しい価値を創造し、提供し続けることを通じて、人々の幸せや社会の発展への持続的な貢献を目指しております。
また、トクヤマは、2016年5月12日付で公表しました2017年3月期から2021年3月期を対象とする現行の中期経営計画「再生の礎」において、下記の4項目を重点課題として掲げ、それぞれ具体的な施策を講じております。
重点課題施策
組織風土の変革- 人事評価制度、グループ会社との人材交流、社外人材の積極登用等の抜本的な制度変革
事業戦略の再構築- 顧客起点の事業活動と顧客ニーズに立脚した研究開発体制への転換による、特有技術を活用した新規領域への展開
- 他社との提携による人材や情報等、経営資源の補強
グループ経営の強化- グループ会社各社の位置づけを今一度明確にし、グループの成長戦略やコスト削減への貢献を求めることによる、グループ全体としての経営管理の強化
財務体質改善- 利益の積み上げによる自己資本の回復
- 優先株発行による財務基盤の早期安定化と、将来の成長加速に向けたM&A等への機動的対応への準備

トクヤマは、この中でも「組織風土の変革」を最重要課題としており、社員一人一人が主体性を持ち、スピード感を持って業務に取り組む活気のある組織風土を醸成することにより、グローバルな市場においてコスト・機能・品質で競合他社を圧倒する製品力を持つトップメーカーとして、持続的に成長する強靭な事業体質へと転換してまいりたいと考えております。なお、中長期の経営戦略としては、「経済環境の変動に強く、持続的に成長する強靭な事業体質へ転換」、「従来の仕事のやり方の抜本見直しによる全社的な低コスト体質への転換」の2項目を柱としております。トクヤマの伝統事業である化成品セグメント及びセメントセグメントにおいては、競争力で日本トップになるために貪欲に効率性の向上を追求し、成長事業である特殊品セグメント及びライフアメニティーセグメントにおいては、伝統事業で培ってきた特有技術も活かしながら、先端材料の世界トップになるために、研究開発体制を見直す等、着実な利益成長を目指しております。
トクヤマを取り巻く事業環境に関しては、特殊品セグメントについては、テレワークや5G関連の半導体の需要が増加したことにより、堅調に推移しております。他方で、化成品セグメント及びセメントセグメントについては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた販売数量の減少により、足元では減収となっており、ライフアメニティーセグメントについても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は避けられず、歯科器材等の欧米向け販売数量の一時的な減少が見込まれ、歯科材料、メガネレンズ関連等、個人消費に関連する事業について、本年度は厳しい環境下にあります。また、昨今では国際的に、脱炭素社会・持続可能な社会の構築が求められているところ、トクヤマのライフアメニティーセグメントを除く3つのセグメントは、石炭火力発電にも相応に依拠するエネルギー多消費型の事業となっており、トクヤマは、従前は自社で石炭火力の発電所を保有していることも強みの一つでもありましたが、このような脱炭素社会の流れの中で、より大きな視点からグループ全体を俯瞰して今後も中長期的に持続可能な成長を遂げるためにグループ全体としてどうあるべきかを見直すことが求められており、それらに対する具体的な施策の検討及び実施が喫緊の課題であると捉えております。
一方、当社は、1978年5月に東京都府中市で、臨床検査業務関連の事業を営む株式会社アナリィティカルインスツルメンツとして創業されました。1988年4月には、当時業務提携関係があったトクヤマの前身である徳山曹達株式会社との間で販売合弁会社として旧株式会社エイアンドティーが設立され、1994年4月には、株式会社アナリィティカルインスツルメンツが旧株式会社エイアンドティー及びトクヤマの診断医療システム部門を統合する形で、現在の当社が誕生いたしました。2003年7月には株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)JASDAQ(スタンダード)(以下「JASDAQ」といいます。)に上場しております。2018年5月25日、当社は創業40周年を迎えました。当社は現在、臨床検査室全体をカバーする製品(C(Chemicals)・A(Analyzers)・C(Computers)・L(Lab-Logistics))の開発から製造・販売・カスタマーサポートまでを一貫して手掛けております。具体的には、C(Chemicals)、A(Analyzers)の分野では、血液検査事業として血糖や電解質、凝固等の検査装置・試薬を販売し、国内・海外の医療機関で使用されております。C(Computers)の分野では、IT化事業として医師からの検査依頼を受け付け、検体検査装置に検査の実行を指示し、検査結果を医療機関内の電子カルテ等に正確かつ迅速に提供するシステムである、臨床検査情報システム(LIS)を製造販売しております。L(Lab-Logistics)の分野では、自動化支援事業として様々な検体検査装置をコンピューター制御した搬送ラインで接続し、患者の検体を全自動で搬送・測定する、検体検査自動化システム(LAS)を製造販売しております。「医療を支え、世界の人々の健康に貢献する」という企業理念を掲げ、これらの製品群を統合し臨床現場と検査室に常に新しい提案のできる企業として今後も弛まぬ価値創造を続けてまいります。
また、当社は、2018年2月8日付で公表しました2018年12月期から2020年12月期を対象とする現行の中期経営計画「持続的な成長に向けた体制づくり」において、6項目の重要課題を列挙した上で、それらに対する基本方針と重点施策を掲げております。
① 重要課題
(ⅰ) 特定のOEM先に販売が集中していることへの備え
(ⅱ) 一部OEM先の販売減少を補い、新たな販売先の確保
(ⅲ) 売上総利益の増加(自社製品販売の増加)
(ⅳ) 製品の品質確保に要するコストの削減
(ⅴ) 成長著しい中国市場での事業を早急に軌道に乗せること
(ⅵ) 働き方改革と人材育成
② 基本方針
(a) 自社製品販売の比率を高め、収益性向上を図る
(b) 中国に向けた事業展開を強化し、海外売上高比率を高める
(c) 開発と製造の連携を強化し、安定した高品質な製品の開発・生産体制を構築する
(d) 働き方改革と人材育成を徹底する
③ 重点施策
血液検査事業
(C(Chemicals)
・A(Analyzers))
・一部OEM先の販売減に備え、新規OEM先の獲得と既存OEM先と安定的な商流を構築する
・原価低減のための技術開発を推進する
・江刺工場の新棟を活かし、高品質な生産体制を構築する
IT化・自動化支援事業
(C(Computers)
・L(Lab-Logistics))
・拡充した新製品ラインナップで新規顧客へ提案する
・直販で新規顧客獲得のため、専任を配置する
・作業内製化により外部作業を減らし、生産性を高める
・追加ラインナップを投入し、競争力を上げ、拡販する
・中国市場において安定販売を図るため、パッケージ化販売のOEMビジネスを確立する
・中国事業の製品サポート体制を確立する
血液検査事業、
IT化・自動化支援事業共通
・品質向上のため、開発・製造・サービスの連携を図る仕組みを作る
・自社製品販売に注力する
働き方改革と人材育成・人材教育の仕組み、プログラムを集約・体系化し、社員教育の充実を図る
・キャリアパスの新制度を導入し、人材の適正配置を実施する
・地域限定正社員制度を導入し、生産性を高める

当社を取り巻く事業環境に関し、血液検査事業(C(Chemicals)・A(Analyzers))については、上記のとおり、特定のOEM先に販売が集中している現状等を踏まえた重点施策の遂行に伴い、一部OEM先の販売が減少する可能性があり、加えて国内の電解質、グルコース等の検査市場(注)は頭打ちとなっている一方で、海外、特に中国は成長が著しくなっております。IT化や自動化支援事業(C(Computers)・L(Lab-Logistics))についても、国内市場は規模、競合状況ともに大きな変化はなく均衡状態にある一方で、特にLASを中心に、海外における需要は高いと理解しております。他方で、特に中国への事業展開を首尾よく推進するには、豊富な知見、ノウハウ及びネットワークが必要であり、単独での実施には限界があり、適切な事業提携先を見つけ、良好な関係を構築し、実際のビジネスに結びつけるまでには、相応のコストや時間を要するのが現状です。
(注)血液検査において、生化学検査の項目である電解質・血糖分析等を行うために必要な装置・試薬の市場
トクヤマは、2015年3月期及び2016年3月期に海外事業で大きな損失を計上し、経営危機に陥ったところ、再生を図るために現行の中期経営計画「再生の礎」を策定し、そこで掲げた上記の重点課題の一つである「グループ経営強化」に関して、トクヤマのグループ会社を再評価いたしました。そこで、石炭火力発電に相応に依存してきたトクヤマが、国際的な脱炭素社会、持続可能な社会の構築の流れに沿って成長を遂げるためには、ポートフォリオの抜本的な見直しの一環として、今後の市場の成長が見込まれ、かつ、石炭火力発電に依存しない事業でありながらトクヤマが研究開発分野で培ってきた特有技術を活かすことができるライフアメニティーセグメントにおけるヘルスケア事業を強化することが急務であると再認識し、その中でも、当社の収益性については、海外における事業拡大を課題としているところ、トクヤマの海外における販売網やネットワークを活用することによって、また、当社のC(Chemicals)事業において親和性の高いトクヤマとの共同研究開発体制の強化によって、一層の向上を見込めると考え、2018年9月頃から、特にトクヤマと親和性の高いC(Chemicals)事業を中心に、改善策の検討を開始いたしました。トクヤマは、その過程において、当社との協議も経て、上記の当社の重要課題について当社と共通認識を持ち、トクヤマとしては、特に当社が事業展開の中で拡大を目指す海外市場において、自らの有する豊富な販売網やネットワーク、重要な開発テーマの知見や開発成果等の研究開発のノウハウを最大限に当社に提供することで、当社の抱える課題を解決に導くことが可能と考えました。
その後、トクヤマがライフアメニティーセグメントの強化策を模索する中で、当社の上場を維持したままでトクヤマ及び当社が双方の経営資源を持ち寄り、上記の改善策を実行するには、当該改善策を実行してから一定の成果が出るまで相応に時間を要する可能性も想定される一方、短期的には当社の少数株主の利益にも配慮する必要があることに加えて、トクヤマの経営資源の投入を通じて当社の利益に寄与した場合でも、トクヤマの利益への貢献は限定的になること等の理由から、現在の資本関係のもとでは、トクヤマが当社に対して提供できる資金・人的サポートに一定の制約があることを問題として認識するに至りました。また、当社の有する製造技術やノウハウを、トクヤマの販売する製品や製造装置に活用できる可能性も見出しておりましたが、上場会社として少数株主の利益にも配慮した独立した事業運営を行う当社に対して、当社のリソースは限られているために自社の業務に加えてトクヤマとの協業をする余力を捻出することは容易ではなく、トクヤマからのサポートにも制限がある中で、トクヤマの事業へのより積極的な関与を要求することには一定の限界があったことも再認識いたしました。トクヤマとしては、トクヤマが当社を完全子会社化することにより、上記のような制約から解放され、より積極的な資金・人的サポートを提供することが可能になり、かつ、当社の有する製造技術やノウハウを、トクヤマの販売する製品や製造装置に活用することで、当社の抱える課題の解決を通じた当社の企業価値向上や、トクヤマグループ全体の企業価値向上が見込めるとの判断に至り、2020年4月に完全子会社化に向けての協議を開始したい旨の初期的な申入れを当社に行いました。
当社としては、トクヤマからの申入れを受ける以前から、上記のとおり、トクヤマとの間で当社の抱える重要課題について認識を共有すべく議論をして以降、限られた経営資源で上記の②基本方針及び③重点施策を単独で実行するには、海外における販売網やネットワークを自力で構築することや、新製品の研究開発に対する相応のハードルや不確実性があるところ、トクヤマの有する販売網やネットワークの活用や、C(Chemicals)事業におけるトクヤマの知見や研究成果の共有等といった、トクヤマからのより積極的なサポートを受けられることは当該施策を着実に推進するための大きな駆動力になると考えておりました。このような状況を踏まえ、当社は、トクヤマからの初期的な申入れに対して、トクヤマによる当社の完全子会社化を前向きに検討すべく、協議を継続することになりました。
その後、トクヤマは、下記(4)①「割当ての内容の根拠及び理由」に記載のとおり、外部専門家を起用した上で更なる検討を進め、2020年7月末に、当社に対して、株式交換により完全子会社化することを正式に提案いたしました。それ以降、当社としても、下記(4)①「割当ての内容の根拠及び理由」に記載のとおり、外部専門家を起用する等検討の体制を整えた上で、トクヤマと当社は、それぞれが引き続き本株式交換に関する検討を深め、並行して両社で度重なる協議・交渉を行いました。
その結果、トクヤマとしては、本株式交換による当社の完全子会社化を通じて両社の資本関係が深化し、また、当社に少数株主が存在することに起因する、当社の少数株主の短期的な利益への配慮や、積極的な経営資源の投入をしてもトクヤマへの利益貢献は限定的になる等の問題が解消されることで、当社に対するサポートに制約を課すことなく、より積極的な経営資源の投入が可能になり、当社の抱える様々な課題の解決に大きく貢献することを介して、当社の企業価値の向上が実現され、同時に、当社の製造技術やノウハウをトクヤマの事業にも活用しやすくなることで、当社を根幹としてトクヤマのライフアメニティーセグメントにおけるヘルスケア事業が強化され、ひいてはトクヤマが目指す脱炭素社会・持続可能な社会の構築の流れに沿う形でトクヤマの企業価値を向上させることができると確信するに至りました。他方で、当社としても、トクヤマからのより積極的なサポートを受けられる体制が整備されることで、現行の中期経営計画で掲げる上記の②基本方針及び③重点施策を効果的かつ着実に遂行できるようになり、また、少数株主が存在することに起因する利益相反の問題が解消されることで、短期的な利益の追求を必ずしも求められなくなるため、より中長期的な視野に立った成長戦略の実行が可能になり、加えて、当社として上場維持に要するコストが削減され、当該資金を成長投資に振り向けることもできるようになり、これらが積み重なることで、厳しい事業環境においても、当社の企業価値をより確実に向上させられるとの結論に至りました。なお、トクヤマと当社は、それぞれの出した結論に関して相互に意見交換・共有しており、共通の認識を有しております。
また、トクヤマと当社は、本株式交換の実施後の経営方針として、現在の当社の経営執行体制を基本的に維持しつつ、両社の持つネットワーク・開発力・ノウハウ等を含む経営資源を相互活用し、両社の企業価値の向上を図ることを予定しております。具体的な経営方針については未定であり、今後両社で協議を進めていく予定です。
(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の本株式交換契約の内容
① 本株式交換の方法
本株式交換は、トクヤマを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換です。トクヤマは、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第796条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の承認を受けることなく、また、当社は、2020年12月22日開催予定の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、2021年2月1日を効力発生日として本株式交換を行う予定です。
② 本株交換に係る割当ての内容
会社名トクヤマ
(株式交換完全親会社)
当社
(株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率10.68
本株式交換により交付する株式数トクヤマの普通株式:2,543,952株(予定)

(注1) 株式の割当比率
当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)1株に対して、トクヤマの普通株式(以下「トクヤマ株式」といいます。)0.68株を割当交付いたします。ただし、トクヤマが保有する当社株式(2020年10月28日現在2,515,700株)については、本株式交換による株式の割当ては行いません。なお、上記表の本株式交換に係る割当比率(以下「本株式交換比率」といいます。)は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合、トクヤマ及び当社が協議し合意の上、変更することがあります。
(注2) 本株式交換により交付するトクヤマ株式の数
トクヤマは、本株式交換に際して、トクヤマが当社の発行済株式の全部(ただし、トクヤマが保有する当社株式を除きます。)を取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)の当社の株主の皆様(ただし、トクヤマを除きます。)に対して、その保有する当社株式に代えて、本株式交換比率に基づいて算出した数のトクヤマ株式を割当交付いたします。割当交付するトクヤマ株式には、新たに発行するトクヤマ株式及びトクヤマが保有する自己株式(2020年9月30日現在385,018株)を充当する予定です。
なお、当社は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、当社が基準時の直前の時点において保有している自己株式(本株式交換に際して会社法第785条第1項の規定に基づいて行使される株式買取請求に係る株式の買取りによって当社が取得する自己株式を含みます。)の全部を、基準時の直前の時点をもって消却する予定です。本株式交換により割当交付する普通株式の総数については、当社による自己株式の取得・消却等の理由により、今後修正される可能性があります。
(注3) 単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、トクヤマの単元未満株式(1単元(100株)未満の株式)を保有することとなる当社の株主の皆様におかれましては、トクヤマ株式に関する下記の制度をご利用いただくことができます。なお、金融商品取引所市場において単元未満株式を売却することはできません。
① 単元未満株式の買増制度(1単元(100株)への買増し)
会社法第194条第1項及びトクヤマの定款第10条の規定に基づき、トクヤマの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元(100株)となる数の普通株式をトクヤマから買い増すことができる制度です。
② 単元未満株式の買取制度(1単元(100株)未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、トクヤマの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式を買い取ることをトクヤマに対して請求することができる制度です。
(注4) 1株に満たない端数の処理
本株式交換に伴い、トクヤマ株式1株に満たない端数の割当交付を受けることとなる当社の株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の規定に基づき、その端数の合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合は、これを切り捨てるものとします。)に相当する数のトクヤマ株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて当該株主の皆様に交付いたします。
③ 本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社は、新株予約権及び新株予約権付社債を発行していないため、該当事項はありません。
④ その他の本株式交換契約の内容
当社がトクヤマとの間で、2020年10月28日付で締結した本株式交換契約の内容は次のとおりです。
株式交換契約書
株式会社トクヤマ(以下「甲」という。)及び株式会社エイアンドティー(以下「乙」という。)は、2020年10月28日(以下「本契約締結日」という。)付で、以下のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条 (本株式交換)
甲及び乙は、本契約の規定に従い、甲を株式交換完全親会社、乙を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、甲は乙の発行済株式(但し、甲が保有する乙の株式を除く。以下同じ。)の全部を取得する。
第2条 (株式交換完全親会社及び株式交換完全子会社の商号及び住所)
甲(株式交換完全親会社)及び乙(株式交換完全子会社)の商号及び住所は、以下のとおりである。
(1) 甲(株式交換完全親会社)
商号:株式会社トクヤマ
住所:山口県周南市御影町1番1号
(2) 乙(株式交換完全子会社)
商号:株式会社エイアンドティー
住所:神奈川県藤沢市遠藤2023番地1
第3条 (本株式交換に際して交付する株式及びその割当て)
1.甲は、本株式交換に際し、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」という。)の乙の株主(但し、第10条に基づく乙の自己株式の消却後の株主をいうものとし、甲を除く。以下「本割当対象株主」という。)に対し、その所有する乙の普通株式に代わり、当該所有する乙の普通株式の数の合計に0.68を乗じた数の甲の普通株式を交付する。
2.前項の規定により交付される乙の普通株式の割当てについては、本割当対象株主に対し、その所有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式0.68株の割合をもって、割り当てる。
3.前二項の規定に従い甲が本割当対象株主に対して割り当てるべき甲の普通株式の数に1株に満たない端数があるときは、甲は、会社法第234条その他関係法令の規定に従い処理する。
第4条 (甲の資本金及び準備金の額に関する事項)
本株式交換により増加する甲の資本金及び準備金の額は、会社計算規則第39条の規定に従い甲が適当に定める。
第5条 (本効力発生日)
本株式交換が効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2021年2月1日とする。但し、本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は協議し合意の上、これを変更することができる。
第6条 (株主総会の承認)
1.甲は、会社法第796条第2項の規定により、本契約に関して株主総会の承認を受けないで株式交換を行う。但し、同条第3項の規定により、本株式交換に関して甲の株主総会による承認が必要となった場合には、甲は、本効力発生日の前日までに株主総会を開催し、本契約につき、会社法第795条第1項に定める株主総会の承認を求める。
2.乙は、2020年12月中に開催予定の臨時株主総会において、本契約につき、会社法第783条第1項に定める株主総会の承認を求める。
3.本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は協議し合意の上、前二項に定める手続を変更することができる。
第7条 (定款の変更)
乙は、第6条第2項に定める乙の臨時株主総会において、本株式交換の効力発生を停止条件として、本効力発生日付で乙の定款を別紙のとおり変更する旨の議案を上程し、その承認の決議を求める。
第8条 (善管注意義務等)
甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間、善良なる管理者の注意をもって業務執行並びに財産管理及び運営を行い、その財産若しくは権利義務について重大な影響を及ぼすおそれのある行為又は本株式交換の実行若しくは本株式交換の条件に重大な影響を及ぼす行為(本契約に明示的に定める行為を除く。)を行おうとする場合は、事前に相手方と協議し書面合意の上、これを行う。
第9条 (剰余金の配当等)
1.甲は、2020年9月30日の最終の自らの株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対し、その普通株式1株当たり金35円を限度として剰余金の配当を行うことができる。
2.乙は、2020年12月31日の最終の自らの株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対し、その普通株式1株当たり金24円を限度として剰余金の配当を行うことができる。
3.甲及び乙は、前二項に定める場合を除き、本契約締結日後、本効力発生日より前の日を基準日とする剰余金の配当の決議又は本効力発生日より前の日を取得日とする自己株式の取得(適用法令に従い株主の権利行使に応じて自己の株式の取得をしなければならない場合を除く。)の決議を行ってはならない。
第10条 (乙の自己株式の消却)
乙は、乙が基準時において保有する自己株式の全て(本株式交換に際して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に係る株式の買取りによって取得する自己株式を含む。)を、本効力発生日の前日までに開催する乙の取締役会の決議により、基準時をもって消却する。
第11条 (本契約の変更等)
甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間において、甲又は乙の財産状態又は経営成績に係る重大な変動が発生又は判明した場合、本株式交換の実行に重大な支障をきたす事態が発生又は判明した場合、その他本契約の目的の達成が著しく困難となった場合(次条第1号乃至第3号のいずれかが生じることが確実となった場合を含む。)は、甲及び乙で協議し合意の上、本株式交換の条件その他の本契約の内容を変更し若しくは本株式交換を中止し、又は本契約を解除することができる。
第12条 (本契約の効力)
本契約は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その効力を失う。
(1) 甲において、第6条第1項但書の規定により甲の株主総会の決議による承認が必要となった場合において、本効力発生日の前日までに同条但書に定める臨時株主総会の承認が得られなかった場合
(2) 乙において、本効力発生日の前日までに、第6条第2項に定める臨時株主総会の承認が得られなかった場合
(3) 国内外の法令等に基づき本株式交換を実行するために本効力発生日に先立って必要な関係官庁等の承認等が得られなかった場合(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)に基づき甲が本株式交換に関して行う届出に係る待機期間が本効力発生日の前日までに終了しない場合及び公正取引委員会により排除措置命令等本株式交換を妨げる措置又は手続がとられた場合を含む。)
(4) 前条に従い本契約が解除された場合
第13条 (準拠法及び管轄)
1.本契約は、日本法に準拠し、日本法に従って解釈される。
2.本契約に関して甲及び乙の間に生じる一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第14条 (誠実協議)
本契約に定めのない事項及び解釈に疑義が生じた事項については、本契約の趣旨に従い、甲及び乙が誠実に協議の上、解決する。
(以下余白)
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各1通を保有する。
2020年10月28日
山口県周南市御影町1番1号
株式会社トクヤマ
代表取締役 社長執行役員 横田 浩
神奈川県藤沢市遠藤2023番地1
株式会社エイアンドティー
代表取締役社長 三坂 成隆

(別紙)
株式会社エイアンドティー定款変更案
(下線は変更部分)
現行定款変更案
(定時株主総会の基準日)
第13条 当会社の定時株主総会の議決権の基準日は、毎年12月31日とする。
第14条~第38条 (条文省略)
(削除)
第13条~第37条 (条文省略)


(4)本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
① 割当ての内容の根拠及び理由
トクヤマ及び当社は、上記(2)「本株式交換の目的」に記載のとおり、2020年7月末に、トクヤマから当社に対して本株式交換の正式提案が行われ、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、トクヤマが当社を完全子会社とすることが、両社の企業価値向上にとって最善の判断と考えるに至りました。
トクヤマ及び当社は、本株式交換比率の決定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ別個に両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、トクヤマは野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、当社はみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。
トクヤマにおいては、下記④「公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機関である野村證券から2020年10月27日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所からの助言等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当であり、トクヤマの株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
当社においては、下記④「公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機関であるみずほ証券から2020年10月27日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言、支配株主であるトクヤマとの間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といい、詳細については、下記⑤「利益相反を回避するための措置」に記載のとおりです。)からの指示、助言及び答申書等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
上記のほか、両社は、それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、また、相手方の財務状況、業績動向、株価動向等を勘案し、交渉・協議を重ねてまいりました。その結果、本株式交換比率が妥当であり、それぞれの株主の利益に資するものであるとの判断に至り、本株式交換比率により本株式交換を行うことに合意いたしました。
なお、本株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議し合意の上、変更することがあります。
② 算定に関する事項
イ.算定機関の名称及び両社との関係
トクヤマの第三者算定機関である野村證券及び当社の第三者算定機関であるみずほ証券はいずれも、トクヤマ及び当社からは独立した算定機関であり、トクヤマ及び当社の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。
ロ.算定の概要
野村證券は、トクヤマについては、同社が金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法(算定基準日である2020年10月27日を基準日として、東京証券取引所におけるトクヤマ株式の算定基準日の株価終値、2020年10月21日から算定基準日までの直近5営業日の終値平均値、2020年9月28日から算定基準日までの直近1か月間の終値平均値、2020年7月28日から算定基準日までの直近3か月間の終値平均値、2020年4月28日から算定基準日までの直近6か月間の終値平均値を採用しております。)を、また将来の事業活動の状況を評価に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を、採用して算定を行いました。
当社については、同社が金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法(算定基準日である2020年10月27日を基準日として、東京証券取引所における当社株式の算定基準日の株価終値、2020年10月21日から算定基準日までの直近5営業日の終値平均値、2020年9月28日から算定基準日までの直近1か月間の終値平均値、2020年7月28日から算定基準日までの直近3か月間の終値平均値、2020年4月28日から算定基準日までの直近6か月間の終値平均値を採用しております。)を、また当社には比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を、採用して算定を行いました。
各評価方法におけるトクヤマの1株当たりの株式価値を1とした場合の当社株式の評価レンジは、下記のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定結果
トクヤマ当社
市場株価平均法市場株価平均法0.51~0.61
市場株価平均法類似会社比較法0.43~0.75
DCF法DCF法0.50~0.73

野村證券は、株式交換比率の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2020年10月27日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、トクヤマの取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、野村證券がDCF法による算定の前提としたトクヤマ及び当社の利益計画において、大幅な増減益が見込まれている事業年度はありません。また、当該事業計画は、本株式交換の実施を前提としておりません。
みずほ証券は、トクヤマについては、同社が東京証券取引所市場第一部に上場しており、当社については、同社が東京証券取引所JASDAQに上場しており、両社に市場株価が存在することから市場株価基準法を、また、両社と比較的類似する事業を手掛ける上場企業が複数存在し、類似企業比較による株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、更に、両社の将来の事業活動の状況を評価に反映するため、DCF法を用いて算定を行っております。
みずほ証券は、市場株価基準法においては、2020年10月27日を算定基準日として、トクヤマ及び当社については東京証券取引所における算定基準日の株価終値、算定基準日から遡る1か月間、3か月間及び6か月間の各期間の終値単純平均値を採用しております。
類似企業比較分析では、トクヤマについて、トクヤマと比較的類似性があると想定される類似上場会社として、事業内容、損益、財務状況等の類似性を考慮し、信越化学工業株式会社、東ソー株式会社、株式会社カネカ、東亞合成株式会社、株式会社大阪ソーダ、デンカ株式会社、三菱マテリアル株式会社を選定したうえで、EBITDAマルチプルを用いて、トクヤマの企業価値を分析しております。当社については、当社と比較的類似性があると想定される類似上場会社として、事業内容、損益、財務状況等の類似性を考慮し、シスメックス株式会社、株式会社テクノメディカ、栄研化学株式会社、日水製薬株式会社、株式会社カイノスを選定したうえで、EBITDAマルチプルを用いて、当社の企業価値を分析しております。それらの結果を基に株式交換比率のレンジを0.48~0.71として算定しております。
DCF分析では、トクヤマについて、トクヤマが作成した2021年3月期から2024年3月期までの財務予測、直近の業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮し、合理的と考えられる前提に基づく将来フリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことによって、企業価値を評価しております。なお、割引率は5.80%~6.80%を使用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長率を-0.50%~0.50%としております。当社については、当社が作成した2020年12月期から2023年12月期までの財務予測に基づく将来フリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことによって、企業価値を評価しております。なお、割引率は4.90%~5.90%を使用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長率を-0.50%~0.50%としております。それらの結果を基に株式交換比率のレンジを0.41~0.75として算定しております。
みずほ証券は、上記株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであること、株式交換比率の算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、両社並びにその子会社及び関連会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)について、個別の各資産及び各負債の分析及び評価を含め独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて両社の事業見通し及び財務予測については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的にかつ適切な手段に従って準備・作成されていることを前提としております。
なお、みずほ証券がDCF法の採用に当たり前提とした、両社の事業計画において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度はありません。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
また、みずほ証券が提出した株式交換比率の算定結果は、本株式交換における株式交換比率の公平性について意見を表明するものではありません。
各評価方法による当社株式1株に対するトクヤマ株式の割当株数の範囲に関する算定結果は、下記のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定結果
市場株価基準法0.51~0.61
類似企業比較法0.48~0.71
DCF法0.41~0.75

③ 上場廃止となる見込み及びその理由
本株式交換により、その効力発生日である2021年2月1日をもって、トクヤマは当社の完全親会社となり、完全子会社となる当社の普通株式は東京証券取引所JASDAQの上場廃止基準に従って、2021年1月28日付で上場廃止(最終売買日は2021年1月27日)となる予定です。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所JASDAQにおいて取引することができなくなります。当社株式が上場廃止になった後も、本株式交換の対価として交付されるトクヤマ株式は、東京証券取引所市場第一部に上場しており、本株式交換の効力発生日以降も、東京証券取引所市場第一部において取引が可能であることから、基準時において当社株式を148株以上保有し、本株式交換によりトクヤマの単元株式数である100株以上のトクヤマ株式の割当てを受ける株主の皆様は、株式の保有数に応じて一部単元未満株式の割当てを受ける可能性はあるものの、1単元以上の株式については引き続き東京証券取引所市場第一部において取引が可能であり、株式の流動性を確保できるものと考えております。
ただし、基準時において148株未満の当社株式を保有する株主の皆様には、単元株式数に満たないトクヤマ株式が割り当てられます。単元未満株式については、東京証券取引所市場第一部において売却することはできませんが、株主の皆様のご希望によりトクヤマの単元未満株式の買取制度又は買増制度をご利用いただくことが可能です。これらの取扱いの詳細については、上記(3)②「本株式交換に係る割当ての内容」の(注3)「単元未満株式の取扱い」をご参照ください。
また、本株式交換に伴い、1株に満たない端数が生じた場合における取扱いの詳細については、上記(3)②「本株式交換に係る割当ての内容」の(注4)「1株に満たない端数の処理」をご参照ください。
なお、当社の株主の皆様は、最終売買日である2021年1月27日(予定)までは、東京証券取引所JASDAQにおいて、その保有する当社株式を従来どおり取引することができるほか、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
④ 公正性を担保するための措置
トクヤマ及び当社は、本株式交換の検討にあたって、トクヤマが既に当社株式2,515,700株(2020年6月30日現在、発行済株式総数6,257,900株に占める割合にして40.20%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同じです。))を保有し、当社はトクヤマの連結子会社に該当すること及びトクヤマ出身の取締役が存在すること等から、本株式交換について利益相反の疑義を回避する観点から、本株式交換の公正性を担保する必要があると判断し、下記の措置を実施しております。
イ.独立した第三者算定機関からの算定書の取得
トクヤマは、トクヤマ及び当社から独立した第三者算定機関である野村證券から、本株式交換における株式交換比率の公正性・妥当性を確保するため、2020年10月27日付で、株式交換比率に関する算定書の提出を受けております。算定書の概要は、上記②「算定に関する事項」のロ「算定の概要」をご参照ください。なお、トクヤマは、野村證券から、本株式交換比率が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
他方、当社は、トクヤマ及び当社から独立した第三者算定機関であるみずほ証券から、本株式交換における株式交換比率の公正性・妥当性を確保するため、2020年10月27日付で、株式交換比率に関する算定書の提出を受けております。算定書の概要は、上記②「算定に関する事項」のロ「算定の概要」をご参照ください。なお、当社は、みずほ証券から、本株式交換比率が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
ロ.独立した法律事務所からの助言
トクヤマは、森・濱田松本法律事務所を本株式交換の法務アドバイザーとして選任し、本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を受けております。
なお、森・濱田松本法律事務所は、トクヤマ及び当社から独立しており、両社との間に重要な利害関係を有しません。
他方、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を本株式交換の法務アドバイザーとして選任し、本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を受けております。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、トクヤマ及び当社から独立しており、両社との間に重要な利害関係を有しません。
⑤ 利益相反を回避するための措置
当社は、トクヤマが既に当社株式2,515,700株(2020年6月30日現在、発行済株式総数6,257,900株に占める割合にして40.20%)を保有している支配株主であること及びトクヤマ出身の取締役が存在すること等から、本株式交換について利益相反の疑義を回避する観点から、下記の措置を講じております。
イ.当社における、利害関係を有しない特別委員会からの答申書の取得
当社は、2020年8月24日、本株式交換に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすることが当社の少数株主にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、いずれも、トクヤマと利害関係を有しておらず、当社の監査等委員かつ社外取締役であり東京証券取引所に独立役員として届け出ている三谷淳氏(弁護士、未来創造弁護士法人)及び鳥居明氏(公認会計士、鳥居公認会計士事務所)、並びにトクヤマ及び当社と利害関係を有しない外部の有識者である鈴木良和氏(弁護士、シティユーワ法律事務所)の3名により構成される本特別委員会を設置し、本株式交換を検討するにあたって、本特別委員会に対し、(ⅰ)トクヤマから当社に対する本株式交換その他の方法を通じた、トクヤマによる当社の完全子会社化のための取引についての申入れに係る取引(以下「本件取引」といいます。)の目的が合理的と認められるか(本件取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本件取引の条件(本株式交換における株式交換比率を含みます。)の公正性が確保されているか、(ⅲ)本件取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、及び(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)のほか、本件取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるか(以下(ⅰ)から(ⅳ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
本特別委員会は、2020年8月24日から2020年10月27日までに、会合を合計7回、合計約8時間にわたって開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見表明や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、まず第1回の特別委員会において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所につき、いずれも独立性に問題がないことを確認した上で、それぞれを当社の第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーとして承認しました。さらに、本特別委員会は、本株式交換に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の取締役につき、トクヤマとの間での利害関係の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。その上で、本特別委員会は、(a)トクヤマから本株式交換の提案内容及び本株式交換の目的並びに本株式交換によって見込まれるシナジー等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(b)当社から、同社の沿革、同社の事業内容、本株式交換の提案を受けた経緯、本株式交換の目的、トクヤマの提案内容についての当社の考え及び本株式交換が当社の企業価値に与える影響、当社の事業計画の作成経緯及びその内容等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(c)みずほ証券から株式交換比率の算定の結果及び本株式交換のスキームのそれぞれについての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(d)アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本株式交換の手続面における公正性を担保するための措置並びに本株式交換に係る当社の取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、並びに(e)提出された本株式交換に係る関連資料等により、本株式交換に関する情報収集が行われ、これらの情報も踏まえて本諮問事項について慎重に協議及び検討して審議を行っております。なお、本特別委員会は、トクヤマと当社との間における本株式交換に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、トクヤマから本株式交換比率についての最終的な提案を受けるまで、複数回に亘り交渉の方針等について協議を行い、当社に意見する等して、トクヤマとの交渉過程に関与しております。本特別委員会は、かかる経緯の下、これらの説明、算定結果その他の検討資料を前提として、本諮問事項について慎重に審議及び検討を行い、本株式交換は、当社の少数株主にとって不利益なものとは認められない旨の答申書を、2020年10月27日付で、当社の取締役会に対して提出しております。
ロ.当社における、利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認
当社の取締役のうち、三坂成隆氏、榊徹氏、松島博氏、玉島浩美氏及び前原喬氏はトクヤマの出身者であり、また、杉山良氏はトクヤマの執行役員を兼務しているため、利益相反の疑義を回避する観点から、2020年10月28日開催の当社の取締役会における本株式交換に関する議案は、(ⅰ)当社の取締役11名のうち、三坂成隆氏、榊徹氏、松島博氏、玉島浩美氏、杉山良氏及び前原喬氏を除く5名の取締役(監査等委員である2名を含みます。)が審議し、その全員の賛成により決議を行った上で、(ⅱ)取締役会の定足数を確保する観点から、上記6名の取締役のうち、過去にトクヤマの従業員の地位を有していたに留まり、利益相反関係が相対的に低いと考えられる三坂成隆氏、榊徹氏、松島博氏、玉島浩美氏及び前原喬氏の5名を加えた計10名の取締役(監査等委員である3名を含みます。)において、改めてその全員の賛成により決議を行うという二段階の手続を経ております。
なお、当社の取締役のうち、三坂成隆氏、榊徹氏、松島博氏、玉島浩美氏、杉山良氏及び前原喬氏は、利益相反の可能性を排除する観点から、当社の立場でトクヤマとの協議及び交渉には参加しておりません。なお、三坂成隆氏は、2014年2月までトクヤマに所属しておりましたが、同年3月に当社に転籍し、転籍後相当期間が経過していることから、トクヤマとの関係で利益相反のおそれは小さいものと考えられるところ、三坂成隆氏は当社の事業及び技術領域に精通しているため、その知見を本株式交換に係る検討に活用する必要性が高いことも踏まえ、三坂成隆氏は、上記のとおり2020年10月28日開催の当社の取締役会において、定足数を確保する観点から二段階目の審議及び決議に参加するとともに、本株式交換によって創出されることが期待されるシナジーの検討等、構造的な利益相反の疑義の問題が一般株主の皆様の利益に影響を与えるおそれが小さい事項に限り、本特別委員会の承認を得たうえで、本株式交換に係る検討に参加しております。
(5)本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号株式会社トクヤマ
本店の所在地山口県周南市御影町1番1号
代表者の氏名代表取締役 社長執行役員 横田浩
資本金10,000百万円
純資産の額現時点では確定しておりません。
総資産の額現時点では確定しておりません。
事業の内容ソーダ・クロルアルカリ・塩ビ・NOCの製造・販売
電子材料(多結晶シリコン)・乾式シリカ・電子工業用高純度薬品・窒化アルミニウムの製造・販売
セメント・資源環境の製造・販売
ファインケミカル・NF・合成樹脂フィルム・イオン交換膜・歯科材料の製造・販売