有価証券報告書-第87期(2025/04/01-2026/03/31)
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1947年の創業以来、軽量化技術や樹脂加工技術を強みとして自動車部品の製造・販売事業を展開してまいりました。社是である「和して合理主義に徹し、社業の発展を通じ、社会に貢献する」に基づき、ステークホルダーの皆様との信頼関係を礎に持続的な企業価値の向上を目指しております。
基本的な経営方針として、既存事業の安定・深化と新規領域への挑戦を両立させる「両輪経営」を掲げております。経営判断においては常に複数の選択肢を保持することでリスク管理を徹底し、変化に柔軟かつ迅速に対応してまいります。
2026年4月1日には、持株会社体制のもと、自動車部品事業の中核会社として「イクヨオートモーティブ株式会社」が発足いたしました。今後は同社を中心に製造技術や現場力を研ぎ澄ませ、グループ全体の効率的な組織運営を追求してまいります。
さらに、中長期的な成長に向けて「M&A」を重要な経営手段と位置付けております。対象企業の技術・人材・顧客基盤や組織風土を尊重した「友好的かつ相互尊重に基づく統合(PMI)」を大原則とし、ESG・地域共生型経営を推進してまいります。
(2)経営戦略等
① 中長期的な経営戦略(MVVの制定)
環境変化に能動的に適応し、中長期的な指針を共有するため、2026年3月に新たな経営指針「Mission・Vision・Value(MVV)」を制定いたしました。これを中期経営計画の基本思想とし、戦略実行の羅針盤としてまいります。
Mission(使命):確かな品質と技術力を磨き、社員の成長と挑戦を支え、社会に必要とされる価値を創造し続けます。
Vision(目指す姿):変化に適応し、モビリティを起点に技術と価値を進化させ、次世代産業を支えるグローバル企業となります。
Value(行動指針):「信頼を守り抜く」、「変革を生み出す」、「やり抜く組織」を共有し、実行力のある企業体質を築いてまいります。
② 成長戦略の主要な柱
持続的な成長に向け、以下の3つの施策を推進してまいります。
1. 主力事業(自動車部品事業)の競争力強化
サプライチェーン最適化:国内拠点(厚木、名古屋、岡山)と海外生産拠点(インドネシア、中国)を最大限活用し、安定供給とコスト競争力を強化してまいります。
技術革新への対応:CASE領域に対応した次世代自動車部品の研究開発を加速し、新素材・新技術を導入してまいります。
顧客基盤の拡大:多岐にわたるグローバル顧客との関係を強化し、新たな海外市場へ進出してまいります。
2. 新規事業の積極的な開発(事業の多角化)
暗号資産・ステーブルコイン関連:国際的なB2B取引の決済多様化を目指し、ステーブルコイン決済プラットフォームの構築を進めております。また、暗号資産の運用・マイニング事業を推進してまいります。
環境貢献型事業:工場への太陽光発電等の導入による省エネ化を進めるほか、グリーンエネルギーの余剰電力を利用した国内マイニング事業を展開してまいります。
ロボット・水素事業:先端技術と融合したロボット事業(RaaS・ソリューション提案型)や、水素自転車をはじめとする水素ビジネスを加速させてまいります。
3. 各種アライアンスおよびM&Aの推進
オープンイノベーション:大学やスタートアップ等との連携による新技術の共同開発、およびB2B決済プラットフォームの共同開発を推進してまいります。
戦略的M&Aの活用:自動車部品領域に留まらず、EV・脱炭素・DX・ヘルスケア等の新規領域、国内外(アジア・欧米圏)の中堅・中小企業を対象に、事業拡大と技術獲得のためのM&Aを重要な成長エンジンとして展開してまいります。
(3)経営環境
当社グループの属する自動車業界においては、自動車メーカー各社において、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)、AIによる次世代自動車の普及などに向け進んでおり、自動車業界は全体として大きな変革期を迎えています。
このような経営環境のなか、当社グループは持続的な事業規模拡大のため、あらゆる課題に迅速に対応した事業活動を展開してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なインフレに伴うコスト高の長期化や地政学的リスクによるサプライチェーンの脆弱性が顕在化する中、かつてない不透明性に直面しております。
自動車業界においても、国内のEVへの構造転換が加速しております。特に、軽自動車を中心としたEVの普及に加え、高度な自動運転技術の実装を見据えた車両知能化、およびソフトウェアが車両価値を規定するSDV(Software Defined Vehicle)化が急速に進展しています。これにより、自動車は「移動手段」から「AIとセンサーが高度に融合した動くITデバイス」へと変貌を遂げる「100年に一度」の激動期にあります。
このような激動の時代において、当社グループは経営理念(MVV)を羅針盤とし、長年培った確かな品質と技術力という「信頼」を守り抜きながら、自ら「変革」を生み出すことで、次世代産業を支えるグローバル企業を目指してまいります。
現在、当社グループは主力事業である自動車部品事業の競争力強化に加え、Web3(暗号資産・決済プラットフォーム)、ロボティクス、水素エネルギーといった、持続可能な社会に貢献する新たな成長領域への挑戦を本格化させております。特に、2026年4月1日を効力発生日とする持株会社体制への移行を機に、グループ経営機能と事業執行機能を分離し、経営戦略の高度化を図ります。さらに、事業会社となるイクヨオートモーティブ株式会社の米国資本市場における上場準備を開始し、グローバルな資金調達と高度人財の確保を通じて、成長を加速させてまいります。
これら複合的な課題に対し、社員一人ひとりの成長を支える「やり抜く組織」の実行力を結集し、以下の項目に機動的かつ戦略的に取り組んでまいります。
① 品質管理の徹底
当社グループは、開発・設計段階から製造・出荷に至るまで、全工程での厳格な品質管理体制を構築・運用しており、継続的な改善活動や標準化の推進、品質教育の徹底を通じて、品質向上に取り組んでおります。全従業員が品質に対する意識をさらに高めることで、不具合ゼロ・クレームゼロを目指してまいります。
② 顧客満足度の強化
当社グループは、顧客の声に迅速かつ的確に対応する体制の整備、品質・納期・コストの面での一層の競争力強化、ならびに技術的提案力の向上を通じて、顧客からの信頼と満足度の向上に努めてまいります。また、グローバル市場においても、各地域・各顧客の特性に応じた最適なソリューションを提供することにより、長期的かつ安定的な取引関係の構築を推進してまいります。
③ 次世代モビリティへの対応と技術革新の加速
当社グループの基幹事業である自動車部品事業において、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)領域の進化に伴うニーズの変化を的確に捉えることが最重要課題です。長年培った設計・製造技術を基に、「軽量化」「高効率化」「高機能化」を実現する新素材・新技術の導入を加速させます。また、東アジア・欧米を含むグローバルな顧客基盤の拡大に合わせ、各地域のニーズに即したR&D体制の強化と、オープンイノベーションによる外部知見の取り込みを推進し、競争優位性を確立いたします。
④ グローバル・サプライチェーンの高度化と収益構造の強靭化
地産地消体制を基盤とし、拠点間のシナジー最大化による収益性向上を図ります。具体的には、高い収益力を誇る中国子会社の先進的な生産技術を日本を含む各拠点へ水平展開し、グループ全体の生産効率を抜本的に強化します。また、中国子会社製品の日本市場における展開・販売を検討し、拠点の強みを相互活用する「双方向のグローバル戦略」により、強靭な収益構造を構築してまいります。
⑤ 既存事業と新規事業を支える人財の育成
急激な事業構造の変化に対応するため、従来の技術継承に加え、「変革を生み出す」人財の育成を急務と認識しております。自動車部品の専門性に加え、デジタル技術(DX)や環境技術に精通した人財の確保・育成を推進します。社員一人ひとりが挑戦し続けられる人事制度の整備と、ダイバーシティ&インクルージョンの推進により、グローバルで成果を出し続ける「やり抜く組織」を構築いたします。
⑥ 新規事業(Web3・ロボティクス・環境)の早期収益化
持続的な企業価値向上のため、主力事業以外の新たな収益柱を早期に確立いたします。
・決済プラットフォーム:ステーブルコインを活用したB2B決済プラットフォームの構築と、余剰電力を活用したマイニング事業の展開。
・ロボティクス:RaaS(サービス提供型)モデルによる社会課題解決型ビジネスの展開。
・水素事業:水素自転車を起点とした、脱炭素社会に貢献する水素活用のビジネス化。
これら先端分野において、戦略的アライアンスやM&Aを積極的に活用し、スピード感を持って事業化を推進いたします。
⑦ サステナビリティ経営の実践とグリーンエネルギーの活用
岡山・名古屋工場を中心とした太陽光発電の導入等、再生可能エネルギーの自家消費率を向上させます。また、グリーンエネルギーの余剰分をマイニング事業へ充当する「循環型ビジネスモデル」を確立し、環境負荷低減と収益確保の両立を図ります。脱炭素化(カーボンニュートラル)への対応を、リスクではなく新たな事業機会と捉え、サステナブルな企業体質への転換を急ぎます。
⑧ 戦略的アライアンスとM&A実行力の強化
自社単独の経営資源に依存せず、大学・スタートアップ・異業種企業とのオープンイノベーションを常態化させます。特に自動運転技術、決済プラットフォーム及びロボティクス等の新領域において、法規制対応やシステム開発を共に行うパートナーシップを迅速に構築する体制を整えます。また、投資先とのシナジーを最大化させるためのPMI(買収後の統合プロセス)能力を高め、グループ全体の機動力を向上させます。
⑨ 持株会社体制への移行とグループガバナンスの最適化
持株会社体制への移行に伴い、グループ経営機能と事業執行機能を分離し、経営戦略の高度化を図ります。持株会社が資本政策や資源配分に集中する一方で、事業子会社が自律的かつ機動的に事業を遂行できる体制を整備します。また、グループ全体のコンプライアンスおよびリスク管理体制を再構築し、企業価値最大化に向けた高度なガバナンスを実践いたします。
⑩ 米国上場に向けたグローバル基準の経営基盤構築
イクヨオートモーティブ株式会社の米国上場を実現するため、グローバルな会計基準への対応、内部統制の強化、および適時開示体制の整備を急務として取り組みます。米国投資家からの高い関心を集めるEV・自動運転分野における事業成長を可視化し、適切な企業価値評価を獲得します。あわせて、米国上場企業に相応しい高度な専門性を持つ人財を積極的に採用・育成し、組織基盤の抜本的な強化を図ります。
⑪ 新工場への移転と生産体制の刷新
当社グループは、経営基盤の抜本的な強化に向け、2028年9月の移転完了を目指した新工場の設置を最優先課題として取り組んでおります。当初予定の用地取得状況を踏まえ、現在は顧客近接エリアでの最適な代替地の選定を迅速に進めてまいります。本移転を機に、大型射出成形機の電動化や塗装ラインの自動化といった最新鋭設備の導入を推進し、生産効率の向上とカーボンニュートラルへの対応を両立した筋肉質な生産基盤を構築いたします。移転期間中においても、グループ全体での生産補完体制を整え、製品の安定供給とリスク管理を徹底することで、着実な計画遂行と中長期的な企業価値の向上に邁進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1947年の創業以来、軽量化技術や樹脂加工技術を強みとして自動車部品の製造・販売事業を展開してまいりました。社是である「和して合理主義に徹し、社業の発展を通じ、社会に貢献する」に基づき、ステークホルダーの皆様との信頼関係を礎に持続的な企業価値の向上を目指しております。
基本的な経営方針として、既存事業の安定・深化と新規領域への挑戦を両立させる「両輪経営」を掲げております。経営判断においては常に複数の選択肢を保持することでリスク管理を徹底し、変化に柔軟かつ迅速に対応してまいります。
2026年4月1日には、持株会社体制のもと、自動車部品事業の中核会社として「イクヨオートモーティブ株式会社」が発足いたしました。今後は同社を中心に製造技術や現場力を研ぎ澄ませ、グループ全体の効率的な組織運営を追求してまいります。
さらに、中長期的な成長に向けて「M&A」を重要な経営手段と位置付けております。対象企業の技術・人材・顧客基盤や組織風土を尊重した「友好的かつ相互尊重に基づく統合(PMI)」を大原則とし、ESG・地域共生型経営を推進してまいります。
(2)経営戦略等
① 中長期的な経営戦略(MVVの制定)
環境変化に能動的に適応し、中長期的な指針を共有するため、2026年3月に新たな経営指針「Mission・Vision・Value(MVV)」を制定いたしました。これを中期経営計画の基本思想とし、戦略実行の羅針盤としてまいります。
Mission(使命):確かな品質と技術力を磨き、社員の成長と挑戦を支え、社会に必要とされる価値を創造し続けます。
Vision(目指す姿):変化に適応し、モビリティを起点に技術と価値を進化させ、次世代産業を支えるグローバル企業となります。
Value(行動指針):「信頼を守り抜く」、「変革を生み出す」、「やり抜く組織」を共有し、実行力のある企業体質を築いてまいります。
② 成長戦略の主要な柱
持続的な成長に向け、以下の3つの施策を推進してまいります。
1. 主力事業(自動車部品事業)の競争力強化
サプライチェーン最適化:国内拠点(厚木、名古屋、岡山)と海外生産拠点(インドネシア、中国)を最大限活用し、安定供給とコスト競争力を強化してまいります。
技術革新への対応:CASE領域に対応した次世代自動車部品の研究開発を加速し、新素材・新技術を導入してまいります。
顧客基盤の拡大:多岐にわたるグローバル顧客との関係を強化し、新たな海外市場へ進出してまいります。
2. 新規事業の積極的な開発(事業の多角化)
暗号資産・ステーブルコイン関連:国際的なB2B取引の決済多様化を目指し、ステーブルコイン決済プラットフォームの構築を進めております。また、暗号資産の運用・マイニング事業を推進してまいります。
環境貢献型事業:工場への太陽光発電等の導入による省エネ化を進めるほか、グリーンエネルギーの余剰電力を利用した国内マイニング事業を展開してまいります。
ロボット・水素事業:先端技術と融合したロボット事業(RaaS・ソリューション提案型)や、水素自転車をはじめとする水素ビジネスを加速させてまいります。
3. 各種アライアンスおよびM&Aの推進
オープンイノベーション:大学やスタートアップ等との連携による新技術の共同開発、およびB2B決済プラットフォームの共同開発を推進してまいります。
戦略的M&Aの活用:自動車部品領域に留まらず、EV・脱炭素・DX・ヘルスケア等の新規領域、国内外(アジア・欧米圏)の中堅・中小企業を対象に、事業拡大と技術獲得のためのM&Aを重要な成長エンジンとして展開してまいります。
(3)経営環境
当社グループの属する自動車業界においては、自動車メーカー各社において、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)、AIによる次世代自動車の普及などに向け進んでおり、自動車業界は全体として大きな変革期を迎えています。
このような経営環境のなか、当社グループは持続的な事業規模拡大のため、あらゆる課題に迅速に対応した事業活動を展開してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なインフレに伴うコスト高の長期化や地政学的リスクによるサプライチェーンの脆弱性が顕在化する中、かつてない不透明性に直面しております。
自動車業界においても、国内のEVへの構造転換が加速しております。特に、軽自動車を中心としたEVの普及に加え、高度な自動運転技術の実装を見据えた車両知能化、およびソフトウェアが車両価値を規定するSDV(Software Defined Vehicle)化が急速に進展しています。これにより、自動車は「移動手段」から「AIとセンサーが高度に融合した動くITデバイス」へと変貌を遂げる「100年に一度」の激動期にあります。
このような激動の時代において、当社グループは経営理念(MVV)を羅針盤とし、長年培った確かな品質と技術力という「信頼」を守り抜きながら、自ら「変革」を生み出すことで、次世代産業を支えるグローバル企業を目指してまいります。
現在、当社グループは主力事業である自動車部品事業の競争力強化に加え、Web3(暗号資産・決済プラットフォーム)、ロボティクス、水素エネルギーといった、持続可能な社会に貢献する新たな成長領域への挑戦を本格化させております。特に、2026年4月1日を効力発生日とする持株会社体制への移行を機に、グループ経営機能と事業執行機能を分離し、経営戦略の高度化を図ります。さらに、事業会社となるイクヨオートモーティブ株式会社の米国資本市場における上場準備を開始し、グローバルな資金調達と高度人財の確保を通じて、成長を加速させてまいります。
これら複合的な課題に対し、社員一人ひとりの成長を支える「やり抜く組織」の実行力を結集し、以下の項目に機動的かつ戦略的に取り組んでまいります。
① 品質管理の徹底
当社グループは、開発・設計段階から製造・出荷に至るまで、全工程での厳格な品質管理体制を構築・運用しており、継続的な改善活動や標準化の推進、品質教育の徹底を通じて、品質向上に取り組んでおります。全従業員が品質に対する意識をさらに高めることで、不具合ゼロ・クレームゼロを目指してまいります。
② 顧客満足度の強化
当社グループは、顧客の声に迅速かつ的確に対応する体制の整備、品質・納期・コストの面での一層の競争力強化、ならびに技術的提案力の向上を通じて、顧客からの信頼と満足度の向上に努めてまいります。また、グローバル市場においても、各地域・各顧客の特性に応じた最適なソリューションを提供することにより、長期的かつ安定的な取引関係の構築を推進してまいります。
③ 次世代モビリティへの対応と技術革新の加速
当社グループの基幹事業である自動車部品事業において、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)領域の進化に伴うニーズの変化を的確に捉えることが最重要課題です。長年培った設計・製造技術を基に、「軽量化」「高効率化」「高機能化」を実現する新素材・新技術の導入を加速させます。また、東アジア・欧米を含むグローバルな顧客基盤の拡大に合わせ、各地域のニーズに即したR&D体制の強化と、オープンイノベーションによる外部知見の取り込みを推進し、競争優位性を確立いたします。
④ グローバル・サプライチェーンの高度化と収益構造の強靭化
地産地消体制を基盤とし、拠点間のシナジー最大化による収益性向上を図ります。具体的には、高い収益力を誇る中国子会社の先進的な生産技術を日本を含む各拠点へ水平展開し、グループ全体の生産効率を抜本的に強化します。また、中国子会社製品の日本市場における展開・販売を検討し、拠点の強みを相互活用する「双方向のグローバル戦略」により、強靭な収益構造を構築してまいります。
⑤ 既存事業と新規事業を支える人財の育成
急激な事業構造の変化に対応するため、従来の技術継承に加え、「変革を生み出す」人財の育成を急務と認識しております。自動車部品の専門性に加え、デジタル技術(DX)や環境技術に精通した人財の確保・育成を推進します。社員一人ひとりが挑戦し続けられる人事制度の整備と、ダイバーシティ&インクルージョンの推進により、グローバルで成果を出し続ける「やり抜く組織」を構築いたします。
⑥ 新規事業(Web3・ロボティクス・環境)の早期収益化
持続的な企業価値向上のため、主力事業以外の新たな収益柱を早期に確立いたします。
・決済プラットフォーム:ステーブルコインを活用したB2B決済プラットフォームの構築と、余剰電力を活用したマイニング事業の展開。
・ロボティクス:RaaS(サービス提供型)モデルによる社会課題解決型ビジネスの展開。
・水素事業:水素自転車を起点とした、脱炭素社会に貢献する水素活用のビジネス化。
これら先端分野において、戦略的アライアンスやM&Aを積極的に活用し、スピード感を持って事業化を推進いたします。
⑦ サステナビリティ経営の実践とグリーンエネルギーの活用
岡山・名古屋工場を中心とした太陽光発電の導入等、再生可能エネルギーの自家消費率を向上させます。また、グリーンエネルギーの余剰分をマイニング事業へ充当する「循環型ビジネスモデル」を確立し、環境負荷低減と収益確保の両立を図ります。脱炭素化(カーボンニュートラル)への対応を、リスクではなく新たな事業機会と捉え、サステナブルな企業体質への転換を急ぎます。
⑧ 戦略的アライアンスとM&A実行力の強化
自社単独の経営資源に依存せず、大学・スタートアップ・異業種企業とのオープンイノベーションを常態化させます。特に自動運転技術、決済プラットフォーム及びロボティクス等の新領域において、法規制対応やシステム開発を共に行うパートナーシップを迅速に構築する体制を整えます。また、投資先とのシナジーを最大化させるためのPMI(買収後の統合プロセス)能力を高め、グループ全体の機動力を向上させます。
⑨ 持株会社体制への移行とグループガバナンスの最適化
持株会社体制への移行に伴い、グループ経営機能と事業執行機能を分離し、経営戦略の高度化を図ります。持株会社が資本政策や資源配分に集中する一方で、事業子会社が自律的かつ機動的に事業を遂行できる体制を整備します。また、グループ全体のコンプライアンスおよびリスク管理体制を再構築し、企業価値最大化に向けた高度なガバナンスを実践いたします。
⑩ 米国上場に向けたグローバル基準の経営基盤構築
イクヨオートモーティブ株式会社の米国上場を実現するため、グローバルな会計基準への対応、内部統制の強化、および適時開示体制の整備を急務として取り組みます。米国投資家からの高い関心を集めるEV・自動運転分野における事業成長を可視化し、適切な企業価値評価を獲得します。あわせて、米国上場企業に相応しい高度な専門性を持つ人財を積極的に採用・育成し、組織基盤の抜本的な強化を図ります。
⑪ 新工場への移転と生産体制の刷新
当社グループは、経営基盤の抜本的な強化に向け、2028年9月の移転完了を目指した新工場の設置を最優先課題として取り組んでおります。当初予定の用地取得状況を踏まえ、現在は顧客近接エリアでの最適な代替地の選定を迅速に進めてまいります。本移転を機に、大型射出成形機の電動化や塗装ラインの自動化といった最新鋭設備の導入を推進し、生産効率の向上とカーボンニュートラルへの対応を両立した筋肉質な生産基盤を構築いたします。移転期間中においても、グループ全体での生産補完体制を整え、製品の安定供給とリスク管理を徹底することで、着実な計画遂行と中長期的な企業価値の向上に邁進してまいります。