有価証券報告書-第82期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 11:56
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有報資料

(1) 業績
(経済環境)
当期における日本経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和策により、企業収益や雇用情勢は堅調に推移し、実質総雇用者所得の緩やかな増加に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
また、世界経済は、地政学リスクの高まりや、政治情勢、世界経済の不確実性は払拭されず、先行き不透明な状況が続く中にあっても、米国や欧州のユーロ圏諸国では緩やかな経済成長が続き、中国では経済成長が鈍化する中、公共投資の拡大などの財政政策により、次第に改善に向かいました。
(当期の連結業績)
このような環境の中、当期は2013年度にスタートした当社グループの第4次中期経営計画の最終年度となりましたが、当社グループは数値目標の達成はもとより様々な事業課題の解決に向けた事業活動を継続してまいりました。第4次中期事業方針として、ファスニング事業本部と工機技術本部を擁する当社では「『技術の進化と革新』-既存ビジネスの進化と革新による量的成長-」を、AP事業を中核とするYKK AP㈱では「商品力・提案力によるAP事業の持続的成長」を掲げており、この方針に沿った事業戦略や各種施策に取り組みました。次期中期経営計画に繰り越す課題が一部あったものの、第4次中期経営計画はファスニング・AP両事業ともにそれぞれの課題にしっかりと取り組んだ成果が出たと認識しています。
当期の連結業績については、ファスニング事業で販売を伸ばしきれなかったことに加え、為替変動の影響があり、売上高は前期比3.9%減の712,783百万円、営業利益は前期比12.8%減の60,282百万円、経常利益は前期比13.3%減の61,545百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比1.2%増の45,180百万円となりました。
当期の事業別売上高及び営業利益は、次のとおりであります。
①ファスニング事業
当期のファスニング事業を取り巻く事業環境は、中国の経済成長鈍化に伴う中国縫製市場における競争の激化や、中国から東南アジア・南アジアへの縫製移行の加速など、不安定な要素が増加しました。また、日本ではインバウンド消費減速による需要が減少し、米国ではファッショントレンドの変化や暖冬によるアパレル小売在庫高の高止まりによるアパレル市場低調の影響で顧客の在庫調整が続きました。こうした環境の中、ファスニング事業の業績は、グローバルマーケティング活動による量販店向け拡販や、アジア供給力増強による縫製移行の捕捉などの施策の効果があった一方、為替変動の影響や北中米で続いた顧客の生産調整の影響がありました。
地域別では、北中米においては、顧客の生産調整が続いたことによる販売の減少、日本においては、グループ会社向けの材料供給が減少したことや高級鞄向け顧客への販売が減少し、減収となりました。中国においては、量販店向け施策の効果や内需顧客の新規開拓を進めて販売を伸ばした一方で、アパレル小売市場の停滞や他のアジア地域への縫製移行に伴う販売低下の影響を受けました。アジア(中国・日本を除く)地域においては、顧客の増産や縫製移行に伴う需要増を供給体制の強化により着実に捕捉することで販売を伸ばし、EMEA(欧州・中東・アフリカ)においては、高付加価値品や高級鞄向け顧客への販売を伸ばしました。しかし、為替変動による円貨換算後の売上高目減りもあり、当期は減収となりました。
その結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前期比10.3%減の293,002百万円となりました。営業利益は、継続的なコスト削減や原材料価格下落による増益要因があったものの、アジア・中国地域の増販・増産に向けた投資に伴う償却費や労務費などの製造固定費の増加、次期中期経営計画に向けた製造・開発基盤強化費用の増加に加え、為替変動の影響が減益要因となり、前期比21.9%減の47,398百万円となりました。
②AP事業
当期のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内では、相続税法改正の影響と低金利の長期化により貸家の共同建ての建設が活発化し、新設住宅着工戸数は前年を上回る水準となったものの、リフォーム市場は省エネ住宅ポイント制度終了の反動などにより、低調に推移しました。海外では、米国で緩やかな経済成長、インドネシアで緩やかな回復が見られる一方、中国においては経済成長率が減速傾向の中、不動産市場の停滞が続き、台湾では景気回復局面にあるものの不動産市場は回復に遅れが見られました。このような事業環境の下、第4次中期事業方針に掲げる「商品力・提案力によるAP事業の持続的成長」に向けて事業を推進してまいりました。
「窓事業の拡大」では、2012年度から継続しているAPWフォーラムを2016年度は前年度の2倍以上となる全国50会場で開催し、5年間で延べ110回開催、約28,000人の建築関係者に参加いただき、細やかな情報提供と高断熱窓の普及・啓蒙を図りました。更に、6月には「YKK AP体感ショールーム」を東京・品川にオープンし、窓の性能を多くのプロユーザーの皆様が体感して、好評をいただきました。「リフォーム分野の強化」では、集合住宅改装分野での省エネ改修提案活動による拡販を図りました。「エクステリア商品力の強化」においては、「ルシアス」シリーズの充実により、建物と外構デザインの調和によるトータルコーディネイトの必要性を提案し、拡販に結びつけました。「ビル事業の強化」については、首都圏強化に取り組み、集合住宅での受注を伸ばしました。「海外AP事業の拡大」では、米国・台湾・インドネシアが好調に推移しました。一方、中国では市場環境の変化に合わせた対応に課題が残りました。「YKK AP FACADEブランドの構築」では、プロジェクトマネジメントの徹底を図りました。
その結果、AP事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、前期比1.3%増の413,578百万円となりました。営業利益は、売上増及び操業度の向上、製造コストダウン、原材料価格の変動、海外の物件収支改善などによる増益効果があり、全体では前期比14.1%増の27,771百万円となりました。
③その他
その他の事業につきましては、ファスニング加工用機械・建材加工用機械・金型及び機械部品製造・販売、不動産、アルミ製錬事業などを行っています。
その他の事業の売上高(セグメント間の内部売上を含む)は、前期比7.4%減の64,884百万円、営業利益については、前期比36.5%増の962百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ4,029百万円増加し、171,259百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは81,619百万円と、前期に比べ20,108百万円減少しました。これは主に、退職給付に係る負債の増減額が前期は3,886百万円の増加であったのに対し、当期は13,896百万円の減少となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは59,345百万円と、前期に比べ35,906百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が前期に比べ16,649百万円減少し、68,476百万円となったこと、定期預金の払戻による収入が18,188百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは14,569百万円と、前期に比べ10,210百万円増加しました。これは主に、10,000百万円の社債の償還による支出を行ったこと等によるものです。

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