有価証券報告書-第91期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
(1)リスクマネジメント方針
当社グループでは、「リスク水準を積極的にコントロールし、各種企業リスクを予防することによって、人的・物的・その他の経営資源の損失を低減若しくは回避し、有事においては被害並びに損害を最小限にとどめるよう、グループ全体でリスクマネジメントを推進し、持続的な成長に繋げ、企業価値を向上させる」というグループ方針を定めています。この方針のもと、当社及びYKK AP㈱においてCRO(最高リスクマネジメント責任者)を任命し、ファスニング事業、AP事業それぞれの事業戦略等を踏まえてリスクマネジメントに取り組んでおります。
更に、リスク発生時の対応について、「リスク対応ガイドライン」を作成し、適切かつ迅速な対応を行うよう規定しております。
当社は、当連結会計年度末日に、当社が設立した中間持株会社であるYKKインベストメント㈱を通じて、パナソニック ハウジングソリューションズ㈱の発行済株式の80%を取得し、“HS事業”として当社グループの事業ポートフォリオに組み込みました。事業環境の変化、法規制対応、人財確保、業務統合(PMI)等に関するリスクが想定されますが、取得日が年度末であったため、当連結会計年度末日時点では詳細なリスク評価は完了していません。今後、当社グループとして、当該事業におけるリスク評価の考え方やリスクマネジメント活動等の取組状況について把握を進めていく方針です。
(2)リスク評価プロセスと重要リスクの特定フロー
① ファスニング事業
ファスニング事業では、組織ごとにリスク項目の洗い出しを実施し、ワーストシナリオとその対応状況を考慮した上で、損害規模と発生頻度によるリスク評価を行っています。損害規模は、財務的な影響、人命・健康への影響、信用・評判への影響、社会秩序に対する影響を加味した評価を行っており、大きな影響が想定されるものは経営レベルで管理すべき重要リスクと捉え、それらの動向の把握と対応進捗状況を可視化しながらリスク管理を行っております。
② AP事業
AP事業では、事業部門・リスク管理部門によるリスク項目の洗い出しを実施し、リスク対応の重要度や対策実施状況を考慮したうえで、予測される損害規模と発生頻度によりリスク評価を行っています。経営に大きな影響を及ぼす重要リスク項目はYKK AP㈱取締役会で確定し、担当部門及び委員会において対応策を定め、BCPの整備や有事の体制構築などに取り組むことで、レジリエンスの向上に努めています。
<リスク評価プロセスと重要リスクの特定フロー(概念図)>
上記プロセスにより特定した財務リスク、ファスニング事業及びAP事業における重要リスク項目に対し、当社のCFOや、当社及びYKK AP㈱のCROをはじめとする各責任者が主導し対応を行っております。
(3)経営、事業を取り巻くリスクとその分析
当社グループは、YKK精神「善の巡環」のもと、社会との共存、共栄を目指して世界約70の国/地域で事業を展開しており、様々なリスクが存在する中でグローバルでの事業活動を行っております。
その中で、前述のプロセスにより選定した、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項においては将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、財務リスク及びファスニング事業及びAP事業におけるリスク項目について、それぞれ重要度が高いと判断したものから順に記載しております。
① 財務リスク
② ファスニング事業におけるリスク
③ AP事業におけるリスク
当社グループでは、「リスク水準を積極的にコントロールし、各種企業リスクを予防することによって、人的・物的・その他の経営資源の損失を低減若しくは回避し、有事においては被害並びに損害を最小限にとどめるよう、グループ全体でリスクマネジメントを推進し、持続的な成長に繋げ、企業価値を向上させる」というグループ方針を定めています。この方針のもと、当社及びYKK AP㈱においてCRO(最高リスクマネジメント責任者)を任命し、ファスニング事業、AP事業それぞれの事業戦略等を踏まえてリスクマネジメントに取り組んでおります。
更に、リスク発生時の対応について、「リスク対応ガイドライン」を作成し、適切かつ迅速な対応を行うよう規定しております。
当社は、当連結会計年度末日に、当社が設立した中間持株会社であるYKKインベストメント㈱を通じて、パナソニック ハウジングソリューションズ㈱の発行済株式の80%を取得し、“HS事業”として当社グループの事業ポートフォリオに組み込みました。事業環境の変化、法規制対応、人財確保、業務統合(PMI)等に関するリスクが想定されますが、取得日が年度末であったため、当連結会計年度末日時点では詳細なリスク評価は完了していません。今後、当社グループとして、当該事業におけるリスク評価の考え方やリスクマネジメント活動等の取組状況について把握を進めていく方針です。
(2)リスク評価プロセスと重要リスクの特定フロー
① ファスニング事業
ファスニング事業では、組織ごとにリスク項目の洗い出しを実施し、ワーストシナリオとその対応状況を考慮した上で、損害規模と発生頻度によるリスク評価を行っています。損害規模は、財務的な影響、人命・健康への影響、信用・評判への影響、社会秩序に対する影響を加味した評価を行っており、大きな影響が想定されるものは経営レベルで管理すべき重要リスクと捉え、それらの動向の把握と対応進捗状況を可視化しながらリスク管理を行っております。
② AP事業
AP事業では、事業部門・リスク管理部門によるリスク項目の洗い出しを実施し、リスク対応の重要度や対策実施状況を考慮したうえで、予測される損害規模と発生頻度によりリスク評価を行っています。経営に大きな影響を及ぼす重要リスク項目はYKK AP㈱取締役会で確定し、担当部門及び委員会において対応策を定め、BCPの整備や有事の体制構築などに取り組むことで、レジリエンスの向上に努めています。
<リスク評価プロセスと重要リスクの特定フロー(概念図)>

上記プロセスにより特定した財務リスク、ファスニング事業及びAP事業における重要リスク項目に対し、当社のCFOや、当社及びYKK AP㈱のCROをはじめとする各責任者が主導し対応を行っております。
(3)経営、事業を取り巻くリスクとその分析
当社グループは、YKK精神「善の巡環」のもと、社会との共存、共栄を目指して世界約70の国/地域で事業を展開しており、様々なリスクが存在する中でグローバルでの事業活動を行っております。
その中で、前述のプロセスにより選定した、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項においては将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、財務リスク及びファスニング事業及びAP事業におけるリスク項目について、それぞれ重要度が高いと判断したものから順に記載しております。
① 財務リスク
| No. | リスク項目 | 想定される主な影響 | 主要な対応策 |
| 1 | 退職給付債務の増加 | ・退職給付債務計算における割引率の低下や年金資産の運用利回りが悪化したことによる退職給付費用及び退職給付債務の増加 | ・目標収益率に見合う分散を効かせたポートフォリオの構築 ・リスクの大きい株式については運用資産残高相当を想定元本としたダイナミックヘッジ手法による株価暴落への備え |
| 2 | 事業ポートフォリオ戦略の失敗 | ・複数事業分野への経営資源の配分失敗による業績悪化 | ・十分な事前調査の実施と収益確保が行える体制の構築 ・統合効果や事業の進捗状況の取締役会での継続的なモニタリング ・想定通りの成果が得られない場合、事業戦略や体制の見直しの適時実行 |
| 3 | 保有株式の株価下落 | ・保有している上場株式の大幅な株価下落による保有株式の減損又は評価損発生 | ・規程での投機目的による株式運用の禁止 ・関係会社株式及び政策保有株式のみの保有 |
② ファスニング事業におけるリスク
| No. | リスク項目 | 想定される主な影響 | 主要な対応策 |
| 1 | 国際紛争・内戦 | ・進出国での紛争や内戦による長期での生産停止や撤退、資産没収 | ・海外生産拠点の分散化や生産管理体制の強化等による生産停止リスクの最小化 ・BCPの策定及び危機管理対応マニュアル作成・危機管理教育 ・地域統括会社との連携強化・現地要請に基づくグループ支援 |
| 2 | サイバーインシデント | ・社内システムやサーバーへのランサムウェア攻撃によるデータ流出、攻撃者による暗号化に伴う業務停止 | ・オフラインバックアップ、脆弱性対応強化、情報セキュリティ教育 ・インシデント対応体制の強化 |
| 3 | 原材料、燃料の高騰・供給逼迫 | ・原材料・資材価格の高騰による製造原価の上昇 ・気候変動抑制のための環境規制による燃料等のコスト増加 | ・原材料・資材の複数購買体制整備 ・継続的な製造コスト削減施策の実行と代替原材料・代替商品の開発 |
| 4 | 設備投資への失敗 | ・事業判断や需要予測の誤りによる設備投資の失敗 | ・設備投資計画策定における効果計算、判定・承認プロセス等の設備投資管理の強化 |
| 5 | 技術進歩への対応遅延 | ・環境対応を含む技術進歩への対応遅延による事業競争力低下 | ・月次での主要開発テーマの進捗確認 |
| 6 | 景気悪化・需要低迷・競争激化 | ・景気悪化・需要低下・気候変動・少子化に伴う売上減少や競争激化 | ・価格競争力のある製品や高付加価値製品の提供による市場における優位性確保 |
| 7 | 為替変動 | ・急激かつ大幅な通貨安による輸入原材料の支払い急増 | ・顧客・仕入先との取引通貨、価格の改定交渉 ・為替予約等によるヘッジ ・実需に基づく外貨のみを保有 ・海外グループ会社からの外貨建借入によるヘッジ |
| 8 | マーケティング失敗・参入遅延 | ・マーケティングの失敗や市場参入への遅延による商機損失 | ・市場分析の精度向上、事業会社と連携した販売促進強化 |
| 9 | 独占禁止法・取適法違反 | ・競争法・取適法等の法令違反による排除措置命令、制裁金支払い、刑事罰 | ・法改正の周知 ・各種研修・e-learning等のコンプライアンス教育 ・各種規程・ガイドラインの制定・運用(競争法接触報告制度、YGCC等の各種モニタリング運用) ・懲戒制度の適正運用及び再発防止 |
| 10 | 外為法違反 | ・外為法違反による行政処分と会社の信用低下 | ・法令改正の影響を踏まえたガイドラインの整備と周知・運用徹底 |
| 11 | 贈収賄 | ・贈収賄規制違反による損害と会社の信用低下 | ・贈収賄防止ポリシー及び贈答規程・ガイドライン、YGCC、アセスメントツールに基づくモニタリング ・各種研修・e-learning等のコンプライアンス教育 ・内部通報窓口の設置及び定期的なモニタリング ・懲戒制度の適正運用及び再発防止 |
| 12 | 個人情報保護法令違反 | ・各国の個人情報保護法(GDPR等)に抵触したことによる課徴金支払い | ・情報の取扱に関する規程の周知・運用徹底 ・インシデント対応計画書(IRP)の整備 |
| 13 | 大規模地震(津波含む) | ・地震・噴火等の大規模自然災害による従業員の死傷や操業・出荷停止や修繕費用支払い | ・定期的な防災訓練・緊急時対応教育BCPの継続的見直し ・建物耐震診断と補強工事及び重要設備の災害対策 |
| 14 | 大規模風水害 | ・台風や気候変動による集中豪雨等の増加に伴う被害頻度の増加 | ・リスク存在拠点の選定と事前調査(影響評価)の拡充 ・重要設備への浸水対策とノウハウ蓄積・活用 ・初動対応マニュアルの整備 |
| 15 | 製品規制法令違反 | ・製品に関する法令や規制違反によるリコールや損害賠償・罰金の支払い | ・各国の品質関連法規制の特定 ・対象法令の管理規程の整備・運用 ・製品法令、社内規程の教育 |
| 16 | 移転価格税制における追徴課税 | ・税務当局の調査により海外子会社との内部取引及びサービス提供に対する不適正を指摘されることによる追徴課税 | ・当社と子会社間の移転価格に関する情報・認識の共有、連携強化 ・外部専門家の活用等を通じた税務リスク管理及び税務コンプライアンス体制の強化 |
③ AP事業におけるリスク
| No. | リスク項目 | 想定される主な影響 | 主要な対応策 |
| 1 | サイバーセキュリティ | ・サイバー攻撃によるシステムの長期停止による業務の停止 ・秘密情報・個人情報を含むデータの損失・漏洩 | ・IT-BCP整備・運用、訓練の実施 ・バックアップの実施、脆弱性への対応強化 ・情報セキュリティに関する従業員教育とメール訓練の実施 ・サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度への対応 |
| 2 | 市場変化によるリスク | ・需要低下・景気低迷に伴う売上減少や競争激化 ・ビジネスモデルや事業計画の変更を迫られる可能性 | ・高付加価値化の推進による市場での優位性確保 ・新領域への展開による事業拡大 |
| 3 | 大規模自然災害 | ・大規模自然災害による事業活動の長期停滞 ・従業員や関係者の死傷、建屋・設備等の損壊、ライフラインの停止や物流麻痺 | ・新たな防災気象情報への対応 ・各拠点でのBCP訓練及びBCP教育の実施 ・リスクサーベイの計画的実施と改善進捗管理 ・大規模地震発生時の被害想定の集計と各拠点での避難計画への落とし込み |
| 4 | 火災・爆発 | ・従業員や関係者の死傷、設備や社屋・倉庫等の損壊による事業活動の停滞 | ・グローバル防火管理基準の展開とセルフチェックに基づく改善、老朽化要因での小火対策と点検 ・リスクサーベイの計画的実施と改善進捗管理 ・施工現場での小火/出火対策 |
| 5 | 品質リスク | ・賠償責任や当該製品の回収等に係る費用の発生、刑事罰や行政処分 ・社会的信用の失墜とブランド力・競争力の低下 | ・品質関連問題発生時の報告の徹底、再発防止体制の構築とモニタリングの継続 ・各種品質監査の実施と規程類、品質文書の再整備 ・QMS教育と大臣認定品に関する教育の強化 |
| 6 | 業務上の法令違反 | ・是正勧告や措置命令、罰金等の法的措置、刑事罰や課徴金納付命令等の行政処分 ・企業名の公表によるブランドイメージや競争力の著しい低下 | ・法令分野別教育コンテンツの拡充及び研修の実施強化 ・法令管理体制の整備と運用 ・業務規程の運用徹底 ・定期社内監査の実施 |
| 7 | 買収・合併・提携の失敗 | ・不十分なデューデリジェンスや不適当な買収条件の設定 ・買収後の事業環境の変化や統合作業の失敗 | ・買収後の統合を意識した条件設定や外部有識者や第三者評価を活用したデューデリジェンスの実施 ・M&A失敗時の撤退(清算、売却)基準の検討 |
| 8 | 労務問題 | ・長時間労働やサービス残業による労働基準法違反に対する行政指導や罰則、社名公表によるブランドイメージの低下 ・従業員の心身への悪影響や不公平感・不満の蓄積によるエンゲージメントの低下、離職率の上昇 | ・産業医と連携した安全配慮義務の徹底 ・各種の通報・相談窓口の周知と適正利用の浸透 ・コンプライアンス教育(労働時間管理)の実施 ・働き方に関する制度や各種施策の実施 |
| 9 | 人財戦略リスク | ・従業員の負荷の増加による業務効率の低下と生産性の悪化 ・採用活動の長期化や競争激化による採用コストの増加 ・人財育成の遅れによる将来的な競争力の低下 | ・インターンシップや先輩社員面談等の母集団形成の強化 ・研修や自己申告制度等を通じた、主体的なキャリア形成と自己啓発の促進 ・リーダー育成プログラムやデジタル・ITリテラシー教育の実施 |
| 10 | 環境規制への対応不備 | ・環境規制に違反もしくは対応できていないというブランドイメージの低下 ・環境規制に適合するための投資規模の拡大、生産活動の抑制 | ・資源循環に向けた取組強化 ・カーボンニュートラル技術の実装加速と経済合理性の両立 |
| 11 | サプライチェーンリスク | ・原材料、資材価格、燃料の高騰による製造原価の上昇や仕入れコストの増大による収益圧迫 | ・ヘッジスキームや複数購買による競争環境の構築等、マーケット変動によるリスクの低減 |
| 12 | 製造プロセス・インフラリスク | ・設備やシステムの不具合により生産効率が低下するなど納期遅延や欠品に至ることによる商機損失 | ・AI活用、需給会議運用見直しによる需要予測精度向上 ・中長期での老朽化施設・設備への計画的投資 |
| 13 | システム障害 | ・システムやソフトウェア等の障害による業務の停止 ・秘密情報・個人情報を含むデータの損失 | ・IT-BCP整備・運用、訓練の実施 ・バックアップの適正管理 |
| 14 | 内戦・紛争・テロ等リスク | ・従業員の生命や安全への脅威、設備や建屋等の損壊 ・長期間な事業活動の停滞あるいは事業活動の中断や撤退 | ・有事の際の対策本部体制の構築 ・情報収集の強化、各事業拠点の対応体制、代替生産の検討 ・非常用通信手段の確保 |
| 15 | 安全衛生リスク | ・従業員の死傷、身体的・精神的な後遺症による業務の継続困難 ・企業の安全管理体制不備に対する法的責任や社会的信用の失墜 | ・重大災害ゼロを目指した自動搬送設備安全対策の強化 ・人と技術で築く安全基盤強化(見守りカメラ活用) ・ISO45001要求事項を踏まえたPDCAの徹底と業務の効率化 |
| 16 | 業務の有効性と効率性のリスク | ・非効率な業務プロセスやシステムによる業務の煩雑化やミス・トラブル、業務の遅延やセキュリティリスクの発生 ・デジタル戦略の遅れによる競争力低下や収益悪化 | ・業務プロセスの標準化・効率化 ・デジタル戦略における部門間の情報共有とガバナンス強化 |