有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:59
【資料】
PDFをみる
【項目】
147項目

事業等のリスク

当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。但し、以下の記載は、当社グループの事業展開その他に関するリスクの全てを網羅するものではありません。
なお、本項において将来に関する記載がある場合、当該記載は、有価証券報告書提出日現在(2020年6月29日)における当社グループの判断に基づくものであります。
(1) 経済環境に関するリスク
経済環境に関するリスクとして、主として以下の観点においてその発生頻度を予想することは難しく、発生した場合にはその程度に応じて当社グループの事業運営に大きな影響が生じ得る事項が想定されます。かかる状況下、当社グループとしては全社戦略「ARRK Challenge 2019」の推進により、パッケージソリューション能力及び技術開発力を強化し、もって当社グループが提供する新製品開発支援サービスの付加価値を高めることで、当該リスクの低減を進めてまいります。
① 市場環境について
当社グループは、工業製品の新製品開発における上流から下流までの一連の工程である、企画、デザイン、設計、モデル、金型、成形品等を提供する事業を展開しております。したがって、当社グループ業績は、各種メーカー、特に自動車・家電メーカー等お客様における開発予算の圧縮やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。
② 原材料等の価格変動の影響について
プラスチック材料や鋼材等の原材料価格の変動が、当社グループの原材料コストや製品価格に影響を及ぼします。そのため、急激な原材料価格の高騰や供給悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
③ 為替変動の影響について
当社グループにおけるアジア地域への売上は、主に各々の自国通貨建てで行われており、欧州及び北米地域への売上は、主としてユーロ建て及び米ドル建てで行われております。当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上高の割合は、欧米地域59.6%、アジア地域9.3%、海外売上高全体では68.9%となっております。為替変動リスクの軽減及び回避に努めておりますが、上記のような外貨建て取引においては、為替変動が取引価格や売上高、当該取引に係る資産及び負債の日本円への換算額等に影響を与え、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
④ 新型コロナウイルスの影響について
当社グループは国内、欧米及びアジアにて、新製品開発支援サービスを展開しております。新型コロナウイルス感染症対策としての自粛要請や都市封鎖等により、顧客における新製品開発の遅延や事業活動停止等が発生しており、今後もこうした状況が継続した場合、当社グループの事業活動に対して継続的に影響を及ぼすことが予想されます。
当社としては、本部長クラスを主たる構成員とする新型コロナウイルス対策本部を設置し、週次での会議開催を通して、各事業はじめ各国・各拠点の状況を集約の上必要な対策を実施するとともに、「ステークホルダーの安全確保」「キャッシュの確保」「コスト最小化」及び「新型コロナウイルス感染症終息後の事業成長に向けた準備」の観点からあらゆる打ち手を検討した上で緊急対策として取り纏め、鋭意実行しております。
(2) 当社グループの事業活動に関するリスク
当社グループは、一貫してCAD/CAM/CAEを中心とした3次元データの有効活用を推進しており、各種メーカーにそれらのデータを提供しております。また、当社グループだけでは対応できない分野、技術の導入及び人材の育成に相当な時間を要する分野については、必要な能力を有する会社と業務提携を行っております。さらに、当社グループの顧客の多くはグローバルに開発拠点や製造拠点を有し、各国・地域の複数の部署が連携しながら一つの開発案件を進める事例が増加しております。このため、全社戦略「ARRK Challenge 2019」では重点課題のひとつとして「パッケージソリューション能力の強化」を掲げ、鋭意推進しております。
上記の経営戦略を進めていく上でリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、次のとおりであります。
① 機密保持について
当社は、その業務の性格上、新製品開発に関するお客様の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題の一つと認識し、様々な取り組みを行っております。
全社的な機密保持活動を行う機密保持委員会では、機密保持規程を制定し、機密情報の保護を目的としたネットワーク、ファイアウォール、サーバー及びパソコン管理並びにアクセス制御及びパスワード管理等、ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施により当社の機密保持レベルの向上に努めております。
また、立ち入り可能区域の指定、製品・仕掛品・文書等の管理、個人所有PCや携帯電話等、映像・通信機器の重要区画への持込、全従業員及び外注先との機密保持契約書の締結、並びに従業員を含めアクセス制限を厳しく設定したお客様専用開発ブースの設置等、機密保持を徹底するためのあらゆる具体的な対策を実施しております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、当社グループの信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
② 海外展開について
当社グループは、国内、欧米、アジアにおいて事業を展開しております。これら海外市場への事業進出にあたり、予期しない法律又は規制の変更、政治・経済情勢の悪化、社会的混乱等のリスクが内在しており、こうした事態が発生した場合には当該地域における一時的な事業停止や撤退等の対応を迫られることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
③ 工場の閉鎖又は操業停止
突発的に発生する自然災害や事故等により、工場の閉鎖、操業停止に追い込まれた場合、その発生頻度の予想は難しいものの、当該事業拠点の閉鎖などの対応を迫られることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。なお、発生時には当該事業拠点以外において、既存顧客との取引を継続する等により、その影響額の低減を図ります。
(3) その他のリスク
事業活動に関連して、訴訟、その他の法律的手続の対象となる可能性があり、その動向によっては損害賠償請求負担や信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。