有価証券報告書-第39期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/30 11:26
【資料】
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【項目】
145項目
(2)戦略
当社グループにおけるサステナビリティを巡る重要課題として、「地域社会とのつながり」「誰もが働きやすい環境づくり」「サステナブルな商品セレクト」「エコロジカルな店舗運営」「ロスをうまない経営」の5つを掲げ、人的資本と気候変動への対応に取り組んでまいります。
① 人的資本
当社グループは、多店舗展開を成長戦略の柱としております。都市部や地方郊外への出店を通じてその地域における雇用を生み出し、様々な人々に必要なモノ(日用品・嗜好品)の提供を行うことで地域経済を活性化させる役割を担っております。当社グループの主なステークホルダーは、お客様、従業員、お取引先様、株主様であります。お客様との接点となる「ABC-MART」を通じて地域社会とのつながりを強固にするためには、まずは「ABC-MART」で働く人一人ひとりのために働きやすい環境づくりを行うことが重要であります。このことから、人的資本経営を最重要視し、「人材育成に関する方針」と「社内環境整備に関する方針」を定め、推進してまいります。
1) 人材育成に関する方針
(a) 現場での経験と“共育”
お客様との対面販売による現場での経験が人材育成の基本となり、当社グループの強力な販売力の源です。新人スタッフの育成にあたり、現場経験豊富な先輩スタッフによるコーチングは不可欠であり、ときに先輩スタッフも“自らを知る”機会を得て、共に成長できる環境をも育てます。そして、こうした環境下で“ライバル心”を育てることで、販売力の最大化を目指します。
(b) 雇用の多様化とワークライフバランスの充実
当社グループでは、ライフスタイルの変化に対応し、雇用形態の多様化を進めております。女性やパート・アルバイトの積極採用はもとより、地域限定社員やショートタイム社員の登用など、地域や目的に応じた雇用を確立しております。こうした取り組みにより、経験を積んだスタッフが継続して働ける環境づくりを行い、ワークライフバランスの充実を図ります。
(c) キャリア開発とチームづくり
社員数が増え、顔が見えづらい環境下において、社員の潜在能力を見出し、適切な場所でその能力を十分発揮させることはとても重要な課題です。各人の能力・実績・経験・志向等を把握し、適切なキャリア開発を行うため、人事部と現場を良く知るエリアスーパーバイザーとでキャリア開発チームをつくり、当社グループの将来の担い手を発掘してまいります。
2) 社内環境整備に関する方針
(a) ダイバーシティと人権の尊重
当社グループには、国籍、人種、性別、年齢等の属性面に加え、キャリア、考え方、価値観、ライフスタイル等も含んだ多様な社員が共存しております。社員一人ひとりの持つ個性を多様性として理解し、全ての社員が受け入れられ、尊重し合いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かすことが、新たな発想や価値の創造に繋がると考えております。
これらのことから、当社グループでは、個々を尊重し、以下の対応を行ってまいります。
・女性が当たり前に活躍できる環境づくり
・将来的に組織の意思決定に関わる女性役職者を増やしていく取り組み
・障がいの有無に関わらず、全ての従業員が自身の強みを活かして永く活躍できる環境づくり
・外国人の積極雇用と異文化コミュニケーションの促進
・LGBTQへの理解と対応、相談窓口の設置
(b) 研修制度とサポート体制
当社グループの人材育成は、「教育=共育」を全社共有のテーマとしており、OJTによるコーチングを実務スキル教育の軸としております。集合研修においては、マインドセットを目的に人事部主導で実施する研修と、全国各地の店舗社員から人事部が任命したファシリテーター(研修講師)が地域毎に実施する研修に分けております。店舗社員が研修講師になる仕組みにより、現場で獲得したノウハウが社内に蓄積され、また共有化されることで販売力の強化を図る取り組みです。
将来的に組織の意思決定に関わる女性社員を育成する目的で、女性役職者育成研修、選抜女性店長研修を実施してまいります。また様々な価値観を持った人材がモチベーション高く働ける職場環境をつくるため、エリアを管轄するスーパーバイザーを対象に、アンコンシャスバイアスの理解を深めるための研修を実施してまいります。
障がいのある社員も“チームの一員(ONE TEAM)”として活躍できるような環境づくりを行います。2024年2月末現在、139名が在籍(雇用率2.61%)しております。障がいに関する専門知識を持つ支援チームが配属店舗に定期的に訪問し、また管理者を対象にした研修を実施することで、特性や個性に合わせた指導方法のサポート体制を確立してまいります。
外国人の雇用を積極的に行ってまいります。2024年2月末現在、15の国又は地域(中国、韓国、台湾、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、ペルーなど)からグローバルな人材を採用しており、141名が在籍しております。グローバル企業として異なる文化や価値観を受け入れるための取り組みとして、異文化コミュニケーション研修やフォローアップ研修を実施してまいります。
LGBTQに対する理解を深め、全ての社員が働きやすい環境づくりを目指してまいります。2023年度において、LGBTQ相談窓口を設置し、社内管理上の性別選択項目が変更できる体制に変え、そしてパートナーシップ登録制度を導入いたしました。
② 気候変動への対応
当社グループは、世界的な平均気温4℃上昇による気候変動が社会経済活動に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することを目指す動きに貢献していくことが重要であると考えます。これらの気候変動への対応を強化するため、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握するように努め、戦略の検討を進めてまいります。
1) 気候変動に伴うリスク
気候変動に伴うリスクには、足元では、気温上昇による商品需給バランスの悪化と販売機会のロス、エネルギー資源やあらゆるモノの価格上昇に伴う営業費用の増加、政府による温室効果ガス排出に関する規制強化やカーボンプライシングの導入による新たな費用の発生が予想されます。自然災害の激甚化(台風・豪雨などによる水害発生等)や海水面の上昇によって発生するリスクとしては、商品在庫や店舗などの営業資産の滅失・損壊、仕入先や倉庫等の被災による供給停止や物流網の寸断による供給遅延、従業員の被災や情報システムの停止に伴う本社機能の不全など、中長期的な営業活動の停滞、それに伴う収益の著しい減少や財務状況の悪化が考えられます。
当社グループは、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの経験から、それらのリスクについて、多少のレジリエンスを持っておりますが、一方で、想定を上回る事態への対応が急務であることも認識しております。
これらの気候変動による事業への影響を鑑みて、“今、私たちにできること”を日常的に考え、企業活動に伴い発生する環境負荷の低減に取り組んでまいります。
2) 気候変動による機会
気候変動は、新たな商品需要を生み出すビジネスチャンスとも捉えております。消費者の環境意識の高まりは、マーケットに新たなトレンドを生み出す機会になります。気温の上昇によりサンダルの需要や降雨降雪により防水系シューズの需要が高まることから、機能面での付加価値の提案が新たな収益機会に繋がる可能性があります。また、再生プラスチック商品の需要拡大に伴い、天然皮革製品の需要は低下傾向にあるものの、モノを大事にする思想が天然皮革や綿・麻・絹などの自然素材の価値を高め、新たなニーズを生み出すものと考えます。これらのことから、当社グループとしては、これからも新商品の企画・開発や商品カテゴリー別の販売戦略に重点を置き、今後もお客様のニーズに寄り添った商品やサービスの提案を継続してまいります。

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