有価証券報告書-第96期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 16:15
【資料】
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【項目】
124項目

事業等のリスク

当行は、平成30年5月1日を合併期日として、株式会社八千代銀行、株式会社新銀行東京と合併し(同日株式会社きらぼし銀行に商号変更)、消滅会社となっております。
株式会社きらぼし銀行の本有価証券報告書提出日現在における事業等のリスクは、以下のとおりであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。各項目に掲げられたリスクは、それぞれが独立するものではなく、ある項目のリスクの発生が関連する他の項目のリスクに結びつき、リスクが増大する可能性もあります。
当行及び当行グループ企業(以下、「当行グループ」という。)は、こうしたリスクの発生可能性を認識したうえで、管理体制の強化に取組み、発生の回避及び発生した場合の適切かつ迅速な対応に努めてまいります。
なお、以下の記載における将来に関する事項については、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
1 信用リスク
(1) 不良債権に関するリスク
当行グループは、貸出金に対する審査体制の強化や貸出先に対する事業性評価に基づく金融支援・本業支援の実践、及び自己査定の適切な運用を通じて貸出資産の健全化に努めております。しかし、国内外の景気動向、不動産価格や金利、株価等金融経済環境の変動、お取引先企業の経営状況の変動等によっては、不良債権が増加する可能性があります。
(2) 貸倒引当金に関するリスク
当行グループは、自己査定等に基づき、将来の損失額を見積り、貸倒引当金を計上しております。しかしながら、経済情勢や貸出先の経営状況の悪化、担保価値の下落、自己査定及び償却引当に関する基準の変更、その他予期せぬ理由により、貸倒引当金の積み増しが必要となり与信関係費用が増加する可能性があります。
(3) 貸出先への対応に関するリスク
当行グループは、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、回収の実効性その他の観点から、法的な権利をすべて行使しない場合があります。また、こうした先に対して追加貸出、債権放棄等による支援を行う場合があり、こうした支援により、当行グループの不良債権や与信関係費用が増加する可能性があります。
(4) 担保・保証に関するリスク
担保や保証による回収見込額は、現在の景気動向や不動産市況等を前提として算定しているため、不動産価格等の下落による担保価値の減少や保証人の信用状態の悪化等が発生した場合には、与信関係費用が増加する可能性があります。
(5) 権利行使に関するリスク
当行グループは、不動産市場における価格の下落や流動性の欠如、有価証券価格の下落等の要因により、担保権を設定した不動産や有価証券の換金、または貸出先が保有するこれらの資産に対して強制執行することが困難となる可能性があります。
(6) 他の金融機関の動向に関するリスク
当行グループは、業況が低迷している企業等であっても改善が見込まれる場合には、貸出条件の変更や追加のご融資にも応じておりますが、他の金融機関が急速な貸出金の回収や取組方針等の変更を行った場合には、与信関係費用や不良債権が増加する可能性があります。
2 市場リスク
(1) 有価証券の価格下落リスク
当行グループは、市場性のある株式や債券等の有価証券を保有しております。これらの有価証券の価格下落により、評価損や売却損が発生する場合があり、当行グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 金利変動リスク
当行グループでは、資金運用と資金調達に金利または期間のミスマッチが存在しているなかで金利変動が発生した場合には、資金収益が減少し、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) デリバティブ取引
当行グループは、国内の取引先企業・金融機関との間でデリバティブ取引を行っております。デリバティブ取引は、市場金利・為替相場等の変動によってもたらされる市場リスク及び取引先の契約不履行によってもたらされる信用リスクを有しているため、想定を超える市場金利・為替相場等の変動や取引先の契約不履行により、当行グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替リスク
当行グループは、資産及び負債の一部を外貨建てで保有しております。外貨建ての資産と負債が通貨ごとに同額ではなく互いに相殺されない場合には、その資産と負債の差額について為替相場の変動により円貨換算額が変動し、評価損や実現損が発生する可能性があります。
3 流動性リスク
経済環境の変化や金融市場全般または当行グループの信用状況等が悪化した場合には、資金調達コストが上昇し業績に悪影響を及ぼすことがある他、資金調達が困難になれば財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
4 オペレーショナルリスク
(1) 事務リスク
当行グループは、預貸金業務や為替業務をはじめ、国債や投資信託、生損保等の販売等、様々な業務を行っております。こうした業務において、役職員が過失の有無を問わず不適切な事務処理を行った場合には、当行グループが損失を被る可能性があります。
(2) システムリスク
当行グループは、銀行業務を正確かつ迅速に処理するとともに、お客さまに多様なサービスを提供するため、基幹系システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを使用しております。これらのシステムについて、事故やシステムの新規開発・更新等によるシステムダウンまたは誤作動等の障害が発生した場合、さらには、フィッシングサイトやコンピュータウィルス等の不正な手法による金融犯罪が発生した場合、障害や被害の規模によっては当行グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報セキュリティリスク
当行グループは、業務遂行上、多数のお客さま情報を保有しております。こうした情報が漏洩した場合には、お客さまからの信用が失墜するばかりでなく、当行グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) レピュテーショナルリスク
当行グループは、経営管理の徹底を図るとともにお客さま満足度や利便性の向上に努めております。しかしながら、マスコミ報道やインターネット等を通じ、当行グループや金融業界等に対する事実と異なった風説や風評が拡散した場合には、当行グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 訴訟リスク
今後の業務運営の過程で訴訟を提起され、補償等を余儀なくされた場合、当行グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
5 決済リスク
当行グループは、多くの金融機関と取引を行っております。取引にあたっては一定の基準を設定しておりますが、金融システム不安が発生した場合や大規模なシステム障害が発生した場合には、金融市場における流動性が低下する等、資金決済が困難となる可能性があります。
6 法令違反等に関するリスク
当行グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つととらえ態勢の整備に努めておりますが、法令等に違反するような事態が生じた場合には、罰則や行政処分等を受け、当行グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
7 退職給付債務に関するリスク
当行グループは、割引率や年金資産の期待運用収益率等について、一定の条件の下で、従業員退職給付債務及び退職給付費用を算出しております。しかしながら、年金資産の時価下落や運用利回りの低下、退職給付債務を計算する前提となる割引率等、算出の前提条件に変更があった場合は、退職給付費用が増加し、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
8 繰延税金資産に関するリスク
繰延税金資産は、現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果として貸借対照表に計上することが認められております。当行グループは、現時点で想定されるさまざまな予測・仮定を元に将来の課税所得を合理的に見積り繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が見積額と異なり一部または全部の回収が困難であると判断した場合や、算出基準が変更された場合には、繰延税金資産が減額され、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼし、自己資本比率の低下を招く可能性があります。
9 自己資本比率に関するリスク
当行グループは、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められた国内基準(現時点で4%)以上に維持することが求められておりますが、当行グループの自己資本比率がこの最低所要基準を下回った場合には、監督当局から行政処分を受ける可能性があります。
当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす主な要因として、以下のものがあります。
・債務者の信用力悪化及び不良債権処理の増加に伴う与信関係費用の大幅増加
・景気動向や金利変動に伴う保有有価証券の大幅下落
・繰延税金資産について将来の課税所得の見積額と実際の課税所得との相違等に伴う繰延税金資産の大幅減額
・自己資本比率基準や算定方法の変更
・本項記載のその他の不利益な展開
10 固定資産減損に係るリスク
当行グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)を適用しております。保有する固定資産は、市場価格の著しい下落、使用範囲または方法の変更、収益性の低下等により固定資産の減損損失を計上することになる場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
11 業務範囲拡大によるリスク
当行グループは、法令等に則ったうえで、伝統的な銀行業務以外の新規業務にも業務範囲を拡大しております。新規業務を取扱うことにより、当行グループは新しく複雑なリスクにさらされることになります。当行グループは新規業務に関するリスクについては全く経験がないか、または、限定的な経験しかない場合があります。
12 期待した統合効果を発揮できないことに関するリスク
当行は、平成26年10月1日に、株式移転の方式により株式会社八千代銀行とともに共同持株会社を設立し経営統合いたしました。平成28年4月1日には共同持株会社の傘下に株式会社新銀行東京が加わり、平成30年5月1日に当行は株式会社八千代銀行、株式会社新銀行東京と合併し、株式会社きらぼし銀行となっております。
経営統合、合併により、東京都及び神奈川県北東部を中心とした160以上の店舗網や、3行が有していたそれぞれの強み・ノウハウの活用、地方公共団体や地域の商工会議所等の経済団体との更なる連携強化を通じて、高度な金融サービスの提供に努め、お客さま満足度や競争力を向上させるとともに経営の効率化を進めております。
しかしながら、当初期待した統合効果を十分に発揮できないことにより、結果として当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
統合効果の進展を妨げる主な要因として以下のものが考えられますが、これらに限定されるものではありません。
・持株会社及び持株会社グループ企業(以下、「持株会社グループ」といいます。)内における業務面での協調体制の強化や経営資源の相互活用・効率化が奏功せず、シナジー効果を十分に発揮できない場合
・合併に伴う経営インフラの整備・統合・再編等により、想定外の追加費用が発生する場合
13 主要な業務の前提に関するリスク
当行は、監督官庁の認可を受け、銀行業を営んでおります。銀行業の免許には、有効期間その他の期限は法令等で定められておりませんが、銀行法第26条、第27条及び第28条に規定された要件に該当した場合には、業務の停止または免許の取消し等を命ぜられることがあります。現時点において、当行はこれらの事由に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により前述の業務の停止や免許の取消し等の要件に該当した場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたすとともに、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
14 格付低下によるリスク
当行は、外部格付機関より格付を取得しておりますが、格付が引き下げられた場合、当行の資金・資本調達に影響を及ぼす可能性があります。
15 地域経済の動向に影響を受けるリスク
当行グループは、東京都を主要営業エリアとし、地域の中小企業と個人のお客さまを中心に金融サービスを提供しております。そのため、営業エリアにおける地域経済の動向が当行グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
16 災害等に関するリスク
大地震・台風等の自然災害や伝染病の発生、停電等の社会インフラ障害、犯罪等の不測の事態が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
17 その他
当行グループが業務を行ううえで適用される法律及び規則、政策、実務慣行、会計制度、税制等が変更された場合には、当行グループの業務運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。