訂正有価証券報告書-第144期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2019/04/26 11:30
【資料】
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【項目】
132項目

事業等のリスク

当行及びグループ会社の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当行及びグループ会社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)自己資本比率に関するリスク
当行は、海外営業拠点を有しておりませんので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。
当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または、一部の停止等の命令を受けることとなります。
当行の自己資本比率に影響を与える要因には以下のものなどが含まれます。
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・不良債権の処分に際して生じうる総与信費用の増加
・債務者の信用力の悪化に際して生じうる総与信費用の増加
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
なお、連結自己資本比率(国内基準)については、高水準を維持し、推移しております。
○連結自己資本比率の推移(国内基準)
平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度
自己資本比率%13.4713.4313.2412.9712.68
(Tier1比率)%12.5512.6312.60

※平成25年度より、改正後の自己資本比率基準に基づいて算出しております。
(2)信用リスク
①不良債権の状況
貸出債権について、景気動向、経済環境、不動産価格の変動等によっては、不良債権残高及び総与信費用が増加し、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及びグループ会社の不良債権額(平成23年度以前の計数には持分法適用会社を含む)は、低水準を維持しており、総与信債権に占める割合も概ね2%台で推移しております。
○金融再生法開示基準による不良債権額の推移(連結:平成23年度以前は持分法適用会社含む)
平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度
不良債権額億円597695662607629
総与信債権に占める割合%2.532.872.612.322.30


②貸倒引当金の状況
当行及びグループ会社では、金融検査マニュアルなどに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、予想損失額算出の前提条件と比較して、著しい経済状態の悪化や不動産価格の下落などが生じた場合は、貸倒引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③権利行使の困難性
不動産、有価証券等の流動性の欠如または価格の下落により、担保権を設定した不動産などを換金し、または貸出先の保有する資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。この場合、信用コストが増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。
(3)市場リスク
市場リスクとは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクをいいます。
①金利リスク
当行の資産及び負債は、主要業務である貸出金、有価証券及び預金で形成されており、主たる収益源は資金運用利回りと資金調達利回りとの利鞘による資金利益収入であります。したがって、金利変動等が発生した場合は、利鞘も変動するため、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②為替リスク
当行の資産及び負債の一部は外貨建てとなっております。為替相場の変動がこれらの外貨建資産もしくは負債に不利に変動した場合、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③価格変動リスク
当行及びグループ会社は、国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券を保有しており、将来、債券の利回りが上昇する場合や、株価が下落する場合には保有する有価証券に評価損が発生し、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)流動性リスク
内外の経済情勢や市場環境が大きく変化した場合等には、必要な資金が確保できなくなり資金繰りに影響をきたす場合や、通常より著しく高い金利での調達を余儀なくされる可能性があります。また、格付機関により当行の格付けが引き下げられた場合等にも、不利な条件での資金調達を余儀なくされる可能性があり、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であること又は外生的な事象により損失を被るリスクをいいます。
①事務リスク
各種銀行取引に伴う事務を適宜適切に処理しなかったこと、及び事務プロセスそのものの不備、並びに外部者による窃盗や詐欺などの事故が発生した場合、金融資産の喪失や原状回復にかかわる対応費用などの発生により、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
当行及びグループ会社の業務の多くは、コンピュータシステムにより運営しており、自然災害等によるコンピュータシステムの停止や誤作動、システムの不備及びコンピュータが不正に使用されることなどに伴い、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法務リスク
当行及びグループ会社は、法令等遵守の徹底や法的な確認を厳格に実施することにより法務リスクの軽減に努めておりますが、法令解釈の相違、法的手続の不備、法令等に違反する行為等が発生した場合、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④人的リスク
人事処遇や労働時間管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題などに関連する重大な訴訟などが発生した場合、社会的信用の失墜等により、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤災害リスク
東日本大震災規模の大地震や未曽有の大型台風及び豪雨など、大規模自然災害の発生等により、当行及びグループ会社の業務の全部または一部が継続困難となった場合、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥風評リスク
当行及びグループ会社に対する報道、記事、噂などにより、地域、お取引先及び投資家等の間で、事実と異なる風説や風評によって評判が低下した場合、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦情報資産リスク
当行及びグループ会社は、膨大な顧客情報を保有しているため、情報管理に関する内部管理体制の整備により、情報資産の厳正な管理に努めております。しかしながら、顧客情報や経営情報等の漏洩、紛失、改ざん、不正利用等が発生し、当行の信用低下等が生じた場合、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)コンプライアンス
当行及びグループ会社では、法令等遵守の重要性を経営の最重要課題として認識し、諸施策の実施を通じてコンプライアンス体制の整備につとめておりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合には、当行の信用低下や業務運営への支障等により、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)繰延税金資産に関するリスク
繰延税金資産は、現時点の会計基準に基づき計上しておりますが、今後会計基準に何らかの変更があり、繰延税金資産の算入に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収が出来ないと判断される場合は、繰延税金資産は取り崩しとなり、当行及びグループ会社の業績並びに自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。
(8)固定資産の減損会計に関するリスク
当行及びグループ会社が所有する固定資産については、使用目的の変更、今後の地価動向及び対象となる固定資産の収益状況等により、減損処理に伴う損失が発生し、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)退職給付債務に関するリスク
当行の年金資産の時価下落や、退職給付債務を計算する前提条件の変更などが、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)競合に関するリスク
金融業界を取り巻く環境が厳しくなるなか、県境を越えた金融機関の競争は激化しております。
当行及びグループ会社の営業基盤である熊本県では、ゆうちょ銀行、メガバンク及び他の地域金融機関等との競合など、事業環境はますます激しくなっております。
当行及びグループ会社が、こうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)地域経済の動向に影響を受けるリスク
当行及びグループ会社は熊本県を主要な営業基盤としていることから、地域経済が悪化した場合は、業容の拡大が図れないほか、信用リスクが増加するなど当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制に関するリスク
当行及びグループ会社は、現時点の法令・規制等に従い業務を運営しておりますが、将来において法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更が行われた場合には、当行及びグループ会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)鹿児島銀行との経営統合
当行及び鹿児島銀行は、平成27年10月に「株式会社九州フィナンシャルグループ」を設立し、経営統合する予定であります。今後、本件に関わり、予期せぬ損失や費用が発生した場合には、当行の業績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性があります。