臨時報告書

【提出】
2017/05/11 15:02
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。)第179条第1項に規定する特別支配株主である住友不動産株式会社(以下「住友不動産」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本売渡請求」といいます。)の通知を受け、平成29年5月11日開催の当社取締役会において、本売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本売渡請求の通知に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
平成29年5月11日
(2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号住友不動産株式会社
本店の所在地東京都新宿区西新宿二丁目4番1号
代表者の氏名代表取締役社長 仁島 浩順

(3) 当該通知の内容
住友不動産は、当社の会社法第179条第1項に定める特別支配株主として、当社の株主の全員(但し、当社及び住友不動産を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全部(以下「本売渡株式」といいます。)を住友不動産に売り渡すことを請求することを決定し、当社は、平成29年5月11日付で住友不動産から以下の内容の通知を受領いたしました。
① 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称
該当事項はありません。
② 本売渡請求により売渡株主に対して売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項
住友不動産は、本売渡株主に対し、本売渡株式の売渡しの対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、本売渡株式1株につき3,600円の割合をもって、金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)
平成29年6月7日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法
住友不動産は、本売渡対価を、住友不動産が保有する現預金により支払います。住友不動産は、本売渡対価の支払のための資金に相当する額の銀行預金を保有しており、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性は現在認識しておりません。
⑥ その他の本売渡請求に係る取引条件
本売渡対価は、平成29年10月5日までに、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。ただし、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付について住友不動産が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
2.本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
平成29年5月11日
(2) 当該決定がされた年月日
平成29年5月11日
(3) 当該決定の内容
住友不動産からの通知のとおり、同社による本売渡請求を承認いたします。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った過程
住友不動産が平成29年3月21日から平成29年5月1日までを買付け等の期間として行った当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関し、当社が平成29年3月21日付で提出いたしました意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本売渡請求は、本公開買付けの結果、住友不動産が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全て(住友不動産が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を住友不動産の完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されています。
当社は、本意見表明報告書の「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③本公開買付けに賛同し、本公開買付けへの応募を推奨するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引により当社の企業価値の一層の向上が見込まれるとの結論に至りました。
当社としては、住友不動産の連結子会社ではありますが、直営仲介店舗のみによるビジネスモデルと現在に至るまでのたゆまぬ努力により、既に不動産流通業界の雄としての地位を確立していると自負しております。
また、今後の事業環境を展望いたしますと、国土交通省が平成28年に作成した住生活基本計画の中にも、既存住宅流通市場の市場規模を倍増させる目標が盛り込まれておりますとおり、今後、既存住宅流通市場は更なる大きな成長が期待されております。一方で、IT化の進展や顧客ニーズの多様化、また参入障壁の低さなどから新規参入が相次ぐなど、競争環境は今後一層激しさを増すことが予想されます。また、安心・安全な既存住宅の流通促進を企図して宅地建物取引業法が改正されインスペクション(建物状況調査)への関心が高まっていることや、既存住宅に一定の品質保証を付与する取組みの進展、社会問題化する空き家への対応等、変化する事業環境に対して迅速かつ柔軟な対応が必要な状況にあります。
このような状況において、当社が現状の地位に甘んじることなく更なる成長を実現していくためには、市場環境の変化に対応すべく中長期的な視点に立った抜本的な施策が必要であります。具体的には、IT系新規参入企業への対抗策も含めたインターネットを核とする情報戦略の充実、新規出店による店舗網の拡充、駅前一等地・路面店への移転、店舗の改装、ライバル企業との差別化を図るための更なる認知度やイメージ向上・反響獲得を目指す広告展開などの施策を考えております。しかしながら、これらの諸施策は、新たなITサービスの開発や新規出店等に伴う投資負担が必要であり、短期的な利益水準への悪影響を及ぼす可能性や、その後の収益回復に対する不確実性を伴うものであります。また、当社が上場維持される場合、これら施策の検討や株主の皆様への説明等のために相当な時間を要することとなり、意思決定のスピードが求められる今日の市場環境において諸施策を実行するうえでは望ましいものではないと考えております。
また、住友不動産と当社の一体経営を実現することにより、当社と住友不動産の経営資源と顧客基盤等の最大限の相互活用が可能となり、①不動産流通事業と隣接する様々な事業(リフォーム、インテリア、賃貸管理、保険等)との一体展開により、付加価値の高いソリューションの一元的な提供ができる、②住友不動産の新築マンション供給量ナンバーワン(平成29年2月20日付不動産経済研究所「全国マンション市場動向」)を背景に、当社の既存マンション市場でのプレゼンスをより一層高めることが可能となる、③住友不動産と市場情報を一元的に管理することにより、都心に210棟超のオフィスビルを展開し東京でナンバーワン(住友不動産調べ。東京都内における賃貸オフィスビルの運営・管理棟数。)となっている住友不動産のテナントを始めとする顧客層へのアプローチが強化でき、法人仲介での更なる顧客基盤の拡充が見込めるなど幅広い事業領域において双方の事業機会の拡大やサービスの向上を図ることが可能になると考えております。
以上より、当社は、本取引により住友不動産の完全子会社となり住友不動産との一体経営を行うことは、株主の皆様のリスク負担を回避しつつ、不確実性を伴う抜本的な施策を大胆かつ迅速に実行するうえで有用であり、変化の大きな市場環境に対応し、中長期的な視点での当社の事業戦略の実現に資するものであると判断するに至っております。
なお、当社は、長期的な企業価値の向上を実現するにあたっては、質の高い当社従業員が当社にとって最大の経営資源であり、価値向上の源泉であると考えており、今後とも士気向上のための人材の採用・育成・登用の枠組みを確保し、一体経営の中においても、当社の事業・組織・人事というビジネスモデルの基盤に意を用いつつ、当社の持続的な成長と発展を目指していく方針であります。
また、本公開買付価格が、(i)本意見表明報告書の「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②算定の概要」に記載されているSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)による当社普通株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回るものであり、且つ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジ内であること、(ⅱ)本公開買付けの公表日の前営業日である平成29年3月16日の東京証券取引所における当社普通株式の終値2,921円に対して23.25%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)について同じです。)、平成29年3月16日から過去1ヶ月間の終値単純平均値2,899円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値について同じです。)に対して24.18%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,768円に対して30.06%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,607円に対して38.09%のプレミアムが加算されていること、(ⅲ)本意見表明報告書の「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅳ)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と住友不動産の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であることを踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格での株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、平成29年3月17日開催の当社取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
その後、当社は、平成29年5月2日、住友不動産より、本公開買付けの結果について、当社株式15,349,859株の応募があり、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、本日付で、住友不動産の有する当社株式の議決権所有割合は97.24%となり、住友不動産は、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注)「議決権所有割合」とは、当社が平成29年5月11日に公表した平成29年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載された平成29年3月31日現在の当社の発行済株式総数(57,200,000株)から、当該決算短信に記載された平成29年3月31日現在の当社が所有する自己株式数(51,148株)を控除した株式数(57,148,852株)に係る議決権数(571,488個)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下同じです。
このような経緯を経て、当社は、住友不動産より、本日付で、本意見表明報告書の「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、会社法第179条第1項に基づき、本売渡請求をする旨の通知を受領しました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、本日開催の当社取締役会において、(i)本売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおりの理由から、本取引により当社の企業価値の一層の向上が見込まれると判断しており、当該判断の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段の事情が見受けられないこと、(ii)本売渡株式1株につき3,600円という本売渡対価は、本公開買付価格と同一の価格であること及び本意見表明報告書の「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等から、本売渡株主の皆様にとって合理的な価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると考えられること、(iii)住友不動産の本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された同社の預金残高証明書を確認した結果、同社が本売渡対価の支払のための資金に相当する額の銀行預金を有していること、及び、住友不動産によれば、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性は現在認識されていないことから、住友不動産による本売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(iv)本売渡対価は、平成29年10月5日までに、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付され、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付について住友不動産が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対して本売渡対価を支払うものとされているところ、本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること等を踏まえ、本売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本売渡請求の条件等は適正であると判断し、住友不動産からの通知のとおり、本売渡請求を承認する旨の決議をいたしました。
なお、当社の取締役のうち、田中俊和氏、加藤宏史氏及び伊藤公二氏は住友不動産の取締役を兼務しておりますので、利益相反回避の観点から、住友不動産との間で当社取締役の立場として協議及び交渉をしておらず、また、当社の上記取締役会における本売渡請求の承認に関する議案の審議及び決議には、一切参加しておりません。当該取締役会においては、当社の取締役である田中俊和氏、加藤宏史氏及び伊藤公二氏を除く全ての取締役の全員一致で、本売渡請求の承認に関する決議をしております。
また、当該取締役会には、当社の社外監査役を含む監査役全員が出席し、その全ての監査役が、当社の取締役会が本売渡請求を承認する旨の決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
以 上