臨時報告書

【提出】
2022/04/28 16:01
【資料】
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提出理由

当社は、2022年4月28日開催の当社取締役会において、新京成電鉄株式会社(以下「新京成電鉄」といいます。)との間で、当社を株式交換完全親会社とし、新京成電鉄を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、新京成電鉄との間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結しました。これに伴い、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものです。

株式交換の決定

(1) 本株式交換の相手会社に関する事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号新京成電鉄株式会社
本店の所在地千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山四丁目1番12号
代表者の氏名代表取締役社長 眞下 幸人
資本金の額(2022年3月31日現在)5,935百万円
純資産の額(2022年3月31日現在)(連結)43,562百万円
総資産の額(2022年3月31日現在)(連結)68,109百万円
事業の内容鉄道による一般運輸事業
土地建物の売買、仲介及び賃貸事業

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(連結)(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期2022年3月期
売上高21,30217,41518,871
営業利益2,919△689603
経常利益3,299△364861
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)2,355△1,085520

③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2022年3月31日現在)
大株主の氏名又は名称発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合(%)
京成電鉄株式会社44.64%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)4.26%
日本生命保険相互会社2.50%
東京海上日動火災保険株式会社1.73%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)1.27%
新京成電鉄従業員持株会1.04%
三井住友海上火災保険株式会社1.04%
三井住友信託銀行株式会社1.03%
株式会社みずほ銀行1.00%
福田智子0.81%

(注)発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合については、自己株式を除く発行済株式の総数に
基づいて計算しています。
④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係当社は新京成電鉄の発行済株式総数(11,023,228株)から自己株式数(45,994株)を減じた株式数の44.64%に相当する4,899,895株の新京成電鉄株式を保有しております。
人的関係当社の取締役1名及び相談役1名が新京成電鉄の取締役を、当社の取締役2名が新京成電鉄の監査役を兼務しております。また、当社の従業員1名が新京成電鉄に出向しており、新京成電鉄の従業員1名が当社に出向しております。
取引関係当社とそのグループ会社、及び、新京成電鉄とそのグループ会社は取引関係がありますが、取引額は僅少であります。


(2) 本株式交換の目的
当社は、成田山のお不動参りの電車、京成電気軌道株式会社(同社はその後1945年6月に京成電鉄株式会社と社名変更しております。)として1909年6月に設立され、1912年11月に5両の電車で押上~江戸川・京成高砂~柴又間11.5kmの路線により、その一歩を踏み出しました。
その後、1960年12月には日本で最初の地下鉄との相互乗り入れ、1978年5月には成田空港へ路線を延伸、1991年3月には空港ターミナル直下への乗り入れを開始、2010年7月には都心から成田空港への新たなアクセスルートとして「成田スカイアクセス」を開業する等、鉄道ネットワークの拡充とお客様利便性の向上に努めてまいりました。
また、鉄道事業を基盤としながらさまざまな事業展開を行い、1932年7月に直営のバス事業を開始、1933年11月には不動産業に参入、さらに1950年代以降は流通業やレジャー・サービス業への参入等を行い、本日現在、当社及び子会社89社、関連会社8社(以下「当社グループ」といいます。)により当社グループを構成しています。当社グループは、「お客様に喜ばれる良質な商品・サービスを、安全・快適に提供し、健全な事業成長のもと、社会の発展に貢献します」をグループ経営理念とし、東京都東部、千葉県・茨城県を主な営業エリアとして、総合生活企業グループとして運輸業・不動産業・流通業等の事業を幅広く展開しております。
当社グループでは、将来的な沿線人口の減少や少子高齢化の進展及び成田空港の機能強化等、当社グループを取り巻く環境が変化する中においても収益規模を拡大し、持続的な成長を実現するため、2019年4月に中期経営計画「E4プラン」を策定し、2022年3月までの3年間遂行してまいりました。
E4プランでは、「地域社会との共生による京成グループのプレゼンス強化」「グループ経営体制の充実並びにコーポレート・ガバナンスの強化」「インバウンド市場の深耕」「既存事業の強化による収益拡大」「安全・安心の確保並びにサービス品質の向上」「新たな成長ビジョンの確立」を基本戦略に掲げ、沿線地域の持続的発展や多様化する社会的要請への対応、グループ全体で安全かつ満足度の高いサービスの提供、事業領域の拡大に取り組み、着実に成果を上げております。
当社グループを取り巻く環境としては、主力の運輸業では、空港輸送がインバウンド旅行客の増加に伴って増加基調で推移しておりましたが、足元では新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」といいます。)によるインバウンド需要の喪失や人流の減少に伴い、運輸業やレジャー・サービス業等で需要減少の影響を受けております。
感染症の影響については今後順次回復し、成田空港の機能強化に伴う航空旅客増等、成長軌道への回帰が見込まれますが、収支面においては燃料費の高騰に伴う運行コストの増加が懸念されるほか、沿線地域では中長期的には少子高齢化に起因する生産年齢人口の減少が予測されており、これは当社グループの主力事業において将来的な収益獲得機会の逓減要素であると捉えております。
他方、新京成電鉄は、1946年10月に千葉県北西部の開発を目的として設立され、旧陸軍鉄道連隊演習線を引き継いで、1947年12月、新津田沼~薬園台間2.5kmの路線に4両の電車で営業を開始いたしました。その後、1955年4月に松戸までの全線を単線で開通させ、1975年2月には新津田沼~松戸間を複線化し、2006年12月からは当社千葉線への乗り入れを開始する等、輸送力の増強とお客様の利便性向上に努めてまいりました。
また、鉄道事業を基盤としながらさまざまな事業展開を行い、1949年1月にはバス事業を開始、1955年2月には不動産業に参入、さらに1970年代以降はサービス業等への参入を行い、本日現在、新京成電鉄及び子会社7社、関連会社2社(以下「新京成電鉄グループ」といいます。)により構成されています。新京成電鉄グループは、「まいにち、ちょっと、新しい。」をブランドスローガンとして掲げ、千葉県北西部を主な営業エリアとして、運輸業・不動産業・コンビニ業等の事業を展開しております。
新京成電鉄グループでは、安全・安心・快適を旨とした事業運営を通じ、お客様や社会からより信頼される企業となることを目指しつつ、ニーズを先取りしたサービス展開により、住んでいたい・住んでみたい魅力的な沿線づくりを行うために、2019年4月に中期経営計画「S4計画」を策定し、2022年3月までの3年間取り組んでまいりました。
S4計画では、「社会・公共インフラとしての責務の遂行」「鎌ケ谷市内高架化の完成と高架下周辺の整備」「基幹事業を柱とする街づくりと新たな事業の推進」「次世代につながる強い企業体質の構築」を基本戦略として掲げ、安全・安心への恒久対策、基幹事業の強化と周辺事業の拡大、サービス品質の向上等に積極的に取り組み、沿線地域の価値を向上させるべく、着実に成果を上げております。
これまでの取り組みを踏まえ、一層の事業基盤の強化や新たな事業の創出、沿線地域との共生や支援による地域活性化を図るとともに地域ブランド力を向上させることで、新京成電鉄グループ全体としての魅力を向上させ、お客様や社会からより信頼される企業を目指しております。
新京成電鉄の沿線には、高度成長期に開発された団地住宅が多く立地しており、沿線地域における少子高齢化や生産年齢人口の減少による長期的な収益への影響が見込まれることから、従前より各種の対策を行ってまいりました。
しかしながら2020年2月以降、感染症拡大による人流減少が続いており、通勤・通学輸送を中心とした地域内輸送を主力事業とする新京成電鉄グループにおいては、同業他社よりも比較的早い段階で業績が回復すると見込まれているものの、足元では運輸業において輸送人員が減少する等の影響を受けております。
以上のように、経営環境は将来的に不透明さのある厳しい状況ですが、両社の中長期的な成長及び企業価値の向上を実現するためには、両社の事業エリアにおける事業基盤及び競争力の強化が求められていると認識しております。
また、両社が所属する運輸業界全体の動向として、SDGsの達成に向けた貢献やESG・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応等、企業の社会的責任や環境への取り組みを重視した経営が求められており、これまでも両社は社会・公共インフラを担う企業として安全・安心・快適な輸送サービスの提供や環境に配慮した省エネルギー車両の導入、バリアフリー化の推進、沿線地域の自治体や組織と連携した取り組みの実施等を行ってまいりましたが、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するというSDGsの達成に向けて、これまで以上に付加価値を創出し、かつ提供することが求められていると認識しております。
これまでも、当社は新京成電鉄を持分法適用関連会社とし、千葉県北西部エリアにおいて、鉄道事業では営業施策・安全施策等での情報交換、鉄道車両の共同開発、資材等の共同購入、並びにバス事業では営業施策・安全施策の情報交換、高速路線の共同運行等、緩やかな連携を行ってまいりました。しかし、当社としては、両社がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状においては、経営資源の効率的な利活用や機動的な意思決定等が必ずしも十分に行われていないものと考えております。例えば、新京成電鉄においては、上場企業としての独立性維持の観点から、新京成電鉄の少数株主(新京成電鉄の株主のうち当社以外の者をいいます。以下同じ。)との利益相反を考慮し、当社との取引の必要性や合理性等について、常に第三者間取引との比較検討が必要であり、その結果、当社との協業による事業シナジー追求は必ずしも優先的に検討されないといった課題がございます。また、当社においても、現状の資本構成を前提とした場合、新京成電鉄に投下した資本の半分以上が外部の株主の利益に帰属してしまうため、当社からの経営資源投入は新京成電鉄が完全子会社化された場合に比べると抑制的なものにならざるを得ない状況です。
当社は、前述のような厳しい経営環境においても、前述のように両社の企業価値の向上及び中長期的な成長を実現するとともに、SDGsの達成に向けた貢献やESG・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応等を行っていくためには、新京成電鉄を当社の完全子会社とし、グループ内の限りある経営資源を効率的に利活用し迅速な意思決定を行う体制を早急に構築すること、また、両社の連携をさらに強化し、当社グループ及び新京成電鉄グループが一体となって経営を遂行することが必要不可欠であると考えました。そこで、2021年10月に当社は新京成電鉄に対して、株式交換による完全子会社化に向けた初期的提案を行いました。
新京成電鉄は、当社からの初期的提案を受けて、本株式交換に係る具体的な検討を開始することといたしました。また、具体的検討を開始するに際し、当社からの初期的提案に対する新京成電鉄取締役会における意思決定過程の公正性、透明性及び客観性の確保並びに意思決定の恣意性の排除を目的として、2022年1月28日に当社との間で利害関係を有しない独立した委員のみから構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といい、その詳細については、下記「(4)本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等」の「⑤利益相反を回避するための措置」をご参照ください。)を設置する等、検討体制を整えた上で、当社との協議を行うことといたしました。
新京成電鉄グループ及び当社グループは、これまでも中・長期経営計画の策定及び実行を通じて企業体質を強化する等、選ばれる企業となるための進化に向けて尽力してまいりました。しかし、両社における検討の結果、上記のような厳しい経営環境の中で持続的な成長を実現し地域に根差した企業としての社会的責任を果たしていくためには、新京成電鉄が当社の完全子会社となることで強固な協力関係を構築し、スケールメリット、事業ノウハウ等の経営資源を活用することが、企業価値向上のためにも有益であるとの結論に至りました。
本株式交換により、具体的には以下のようなシナジーが実現可能であると考えております。
(ⅰ)千葉県北西部における事業基盤の強化及び地域活性化
(ⅱ)経営資源の相互活用による競争力強化及び事業規模の拡大
(ⅲ)スケールメリットを活かした効率的な協働体制の実現
以上の認識のもと、両社において株式交換比率を含む本株式交換に係る諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日開催の両社の取締役会において本株式交換を行うことをそれぞれ決議し、本日、両社の間で本株式交換契約を締結いたしました。今回の組織再編により当社グループの経営資源の最適かつ効率的な活用と、両社間での事業戦略の一層の共有化及び両社の競争力の強化を進めてまいります。これにより両社の企業価値が向上し、双方の株主にとって有益な組織再編になると考えています。
(3) 本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容
① 本株式交換の方法
当社を株式交換完全親会社、新京成電鉄を株式交換完全子会社とする株式交換です。本株式交換は、当社においては、会社法第796条第2項の規定に基づき、簡易株式交換の手続により、株主総会の承認を得ずに、新京成電鉄においては、2022年6月28日に開催予定の定時株主総会において承認を得た上で、2022年9月1日を効力発生日として行う予定です。
② 本株式交換に係る割当ての内容
当社
(株式交換完全親会社)
新京成電鉄
(株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率10.82
本株式交換により交付する株式数当社の普通株式:4,983,417株(予定)

(注1)株式の割当比率
新京成電鉄の普通株式(以下「新京成電鉄株式」といいます。)1株に対して、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)0.82株を割当交付いたします。ただし、当社が保有する新京成電鉄株式(2022年4月28日現在4,899,895株)については、本株式交換による株式の割当ては行いません。なお、上記の本株式交換に係る割当比率(以下「本株式交換比率」といいます。)は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合は、両社が協議し合意の上、変更されることがあります。
(注2)本株式交換により交付する当社株式数
当社株式:4,983,417株(予定)
上記株式数は、2022年3月31日時点における新京成電鉄の発行済株式数(11,023,228株)及び自己株式数(45,994株)並びに2022年4月28日現在における当社が保有する新京成電鉄株式数(4,899,895株)に基づいて算出しております。
当社は、本株式交換に際して、本株式交換により当社が新京成電鉄の発行済株式(ただし、当社が保有する新京成電鉄株式を除きます。)の全部を取得する時点の直前時点(以下「基準時」といいます。)における新京成電鉄の株主(ただし、以下の自己株式が消却された後の株主をいい、当社を除きます。)に対して、その保有する新京成電鉄株式に代えて、本株式交換比率に基づいて算出した数の当社株式を割当交付いたします。本株式交換に際して割当交付する当社株式には、当社が保有する自己株式(2022年4月28日現在1,605,651株)を充当し、新株式の発行は行わない予定です。当社は、機動的な資本政策の遂行及び資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図るために、別途5,000,000株を上限として、当社株式を取得する(以下「本自己株取得」といいます。)予定です。本自己株取得に関する概要は、①取得対象株式の種類:当社株式、②取得し得る株式の総数:5,000,000株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.93%)、③株式の取得価額の総額:18,000,000,000円(上限)、④自己株式取得の期間:2022年4月29日~2022年8月31日、⑤取得方法:株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)における自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を含む市場買付、⑥その他必要な事項:本自己株取得についての①~⑤以外の必要事項に関する一切の決定については、代表取締役社長に一任する、⑦(ご参考)2022年4月28日時点の自己株式の保有状況:発行済株式総数(自己株式を除く)170,805,534株・自己株式数1,605,651株、というものです。
なお、新京成電鉄は、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、基準時において新京成電鉄が保有する自己株式(本株式交換に際して、会社法第785条第1項の規定に基づいて行使される株式買取請求に係る株式の買取りによって新京成電鉄が取得する自己株式を含みます。)の全部を、基準時をもって消却する予定です。
本株式交換により割当交付する当社株式の総数については、新京成電鉄による自己株式の取得及び消却等により、今後修正される可能性があります。
(注3)単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、当社の単元未満株式(100株未満の株式)を保有することとなる新京成電鉄の株主の皆様におかれましては、以下の制度をご利用いただくことができます。なお、金融商品取引所市場において単元未満株式を売却することはできません。
1.単元未満株式の買取制度(100株未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、当社の単元未満株式を保有する株主の皆様が、当社に対して、その保有する単元未満株式の買取りを請求することができる制度です。
2.単元未満株式の買増制度(100株への買増し)
会社法第194条第1項及び当社の定款の規定に基づき、当社の単元未満株式を保有する株主の皆様が、当社に対して、その保有する単元未満株式の数と合わせて1単元(100株)となる数の当社株式を売り渡すことを請求し、これを買い増すことができる制度です。
(注4)1株に満たない端数の取扱い
本株式交換に伴い、当社株式の1株に満たない端数の交付を受けることとなる新京成電鉄の株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の規定に従い、その端数の合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合は、これを切り捨てるものとします。)に相当する数の当社株式を売却し、係る売却代金をその端数に応じて交付いたします。
③ 本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社の完全子会社となる新京成電鉄は、新株予約権及び新株予約権付社債を発行していないため、該当事項はありません。
④ その他の株式交換契約の内容
当社及び新京成電鉄が2022年4月28日に締結した株式交換契約の内容は、次のとおりです。
株式交換契約書
京成電鉄株式会社(以下、「甲」という。)及び新京成電鉄株式会社(以下、「乙」という。)は、2022年4月28日(以下、「本契約締結日」という。)、以下のとおり株式交換契約(以下、「本契約」という。)を締結する。
第1条(本株式交換)
甲及び乙は、本契約の規定に従い、甲を乙の株式交換完全親会社とし、乙を甲の株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により、乙の発行済株式(甲が有する乙の株式を除く。以下同じ。)の全部を取得する。
第2条(株式交換完全親会社及び株式交換完全子会社の商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は、以下のとおりである。
(1)甲(株式交換完全親会社)
商号:京成電鉄株式会社
住所:千葉県市川市八幡三丁目3番1号
(2)乙(株式交換完全子会社)
商号:新京成電鉄株式会社
住所:千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山四丁目1番12号
第3条(株式交換に際して交付する株式及びその割当て)
1. 甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下、「基準時」という。)における乙の各株主(第8条に基づく乙の自己株式の消却後の各株主をいうものとし、甲を除く。以下本条において同じ。)に対して、乙の普通株式に代わる金銭等として、その有する乙の普通株式の数の合計に0.82を乗じて得た数の甲の普通株式を交付する。
2. 甲は、本株式交換に際して、基準時における乙の各株主に対して、その有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式0.82株の割合をもって、甲の普通株式を割り当てる。
3. 前二項の規定に従い甲が乙の株主に対して割り当てるべき甲の普通株式の数に1株に満たない端数がある場合には、甲は会社法第234条その他の関連法令の規定に従い、その端数の合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合は、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の甲の普通株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて当該株主に交付する。
第4条(甲の資本金及び準備金の額)
本株式交換により増加すべき甲の資本金及び準備金の額は以下のとおりとする。
(1)資本金の額 0円
(2)資本準備金の額 会社計算規則第39条の規定に従って甲が別途定める額
(3)利益準備金の額 0円
第5条(本効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下、「本効力発生日」という。)は、2022年9月1日とする。但し、本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、これを変更することができる。
第6条(株主総会の承認)
1. 甲は、会社法第796条第2項の規定により、本契約について会社法第795条第1項に定める株主総会の承認を得ないで本株式交換を行う。ただし、会社法第796条第3項の規定により、本契約につき甲の株主総会の決議による承認が必要となった場合、甲は、本効力発生日の前日までに、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項に関する株主総会の決議を求める。
2. 乙は、2022年6月28日に開催予定の定時株主総会(以下、「乙定時株主総会」という。)において、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項に関する株主総会の決議を求めるものとする。
3. 本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、乙定時株主総会の開催日を変更することができる。
第7条(事業の運営等)
甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間、それぞれ善良な管理者の注意をもって自らの業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行い、その財産若しくは権利義務に重大な影響を及ぼす行為を行おうとする場合については、あらかじめ甲乙協議し合意の上、これを行う。
第8条(自己株式の消却)
乙は、基準時において乙が有するすべての自己株式(本株式交換に関する会社法785条に基づく乙の株主の株式買取請求に応じて乙が取得する株式を含む。)を、本効力発生日の前日までに開催する乙の取締役会決議により、基準時において消却する。
第9条(剰余金の配当)
1. 甲及び乙は、次項に定めるものを除き、本契約締結日以降、本効力発生日以前の日を基準日とする剰余金の配当の決議を行ってはならない。
2. 前項の規定にかかわらず、(i)甲は、2022年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、総額14.6億円を限度として、(ii)乙は、2022年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、総額1.4億円を限度として、それぞれ剰余金の配当を行うことができる。但し、甲及び乙は、別途書面により合意することにより、当該剰余金の配当額を変更することができる。
第10条(本株式交換の条件変更及び中止)
本契約締結日以降本効力発生日に至るまでの間において、本株式交換の実行に重大な支障となる事態が生じ又は明らかとなった場合その他本契約の目的の達成が困難となった場合には、甲及び乙は、誠実に協議し合意の上、本株式交換の条件その他の本契約の内容を変更し、又は本株式交換を中止し、若しくは本契約を解除することができる。
第11条(本契約の効力)
本契約は、本効力発生日の前日までに、第6条第1項ただし書に定める甲の株主総会における承認(但し、会社法第796条第3項の規定に従い本契約について甲の株主総会による承認が必要となった場合に限る。)若しくは乙の株主総会における承認又は本株式交換に必要となる法令に定める関係官庁等の承認が得られないとき、又は前条に従い本株式交換が中止され、若しくは本契約が解除されたときは、その効力を失う。
第12条(準拠法及び管轄)
1. 本契約の準拠法は日本法とし、日本法に従って解釈されるものとする。
2. 甲及び乙は、本契約に関連して裁判上の紛争が生じたときは、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。
第13条(協議)
本契約に記載のない事項、又は本契約の内容に疑義が生じた場合は、甲及び乙は誠実に協議し、その解決を図るものとする。
上記合意の成立を証するため、本書2通を作成し、各当事者記名押印の上、各自1通を保有する。
2022年4月28日
甲: 千葉県市川市八幡三丁目3番1号
京成電鉄株式会社
代表取締役社長 小林 敏也
乙: 千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山四丁目1番12号
新京成電鉄株式会社
代表取締役社長 眞下 幸人
(4) 本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等
① 割当ての内容の根拠及び理由
両社は、上記「(2)本株式交換の目的」に記載のとおり、2021年10月に、当社から新京成電鉄に対して本株式交換の提案が行われ、両社間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、当社が新京成電鉄を完全子会社化することが、両社の企業価値向上にとって最善の判断と考えるに至りました。
両社は、本株式交換に用いられる上記「(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容」の「②本株式交換に係る割当ての内容」に記載の本株式交換比率の算定に当たって、公正性・妥当性を確保するため、それぞれ別個に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社はみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、新京成電鉄は株式会社日本政策投資銀行(以下「日本政策投資銀行」といいます。)を、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。
当社においては、下記「④公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機関であるみずほ証券から2022年4月27日付で受領した株式交換比率算定書、リーガル・アドバイザーである卓照綜合法律事務所からの助言、当社が新京成電鉄に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、慎重に協議・検討した結果、本株式交換比率は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
他方、新京成電鉄においては、下記「④公正性を担保するための措置」及び「⑤利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、第三者算定機関である日本政策投資銀行から2022年4月27日付で受領した株式交換比率算定書、リーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所からの助言、新京成電鉄が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社との間で利害関係を有しない独立した委員のみから構成される本特別委員会からの指示、助言及び2022年4月27日付で受領した答申書の内容等を踏まえて、当社との間で複数回にわたり本株式交換比率を含む本株式交換の条件に関して慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当であり、新京成電鉄の少数株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
両社は、上記のそれぞれにおける検討を踏まえて両社間で交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当なものであり、それぞれの株主の利益に資するとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うこととし、本日開催の両社の取締役会の決議に基づき、両社間で本株式交換契約を締結しました。
なお、本株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議の上変更されることがあります。
② 算定に関する事項
イ) 算定機関の名称及び両社との関係
当社の第三者算定機関であるみずほ証券は、両社及び本株式交換からは独立した算定機関であり、両社の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して両社との利益相反に係る重要な利害関係を有していません。
みずほ証券は当社の株主たる地位を有しており、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、両社の株主たる地位を有しているほか、みずほ銀行及びみずほ証券のグループ会社であるみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。)は当社に対し、また、みずほ銀行は新京成電鉄に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等は生じていますが、みずほ証券によれば、みずほ証券は金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下同じ。)第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。以下同じ。)第70条の4その他の適用法令に従い、みずほ証券のファイナンシャル・アドバイザー業務を担当する部署と当社の株式を保有する同社の別部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じている他、みずほ銀行における両社の株式を保有する同行の別部署との間においても、情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じているとのことであり、これらの措置により、みずほ証券のファイナンシャル・アドバイザー業務を担当する部署は、本株式交換に関して利益相反に係る利害関係の影響を受けずに、みずほ証券、みずほ銀行及びみずほ信託銀行の両社に対する株主又は貸付人の地位とは独立した立場で、両社の株式価値の算定を行っているとのことです。
当社は、みずほ証券のファイナンシャル・アドバイザー業務を担当する部署とみずほ証券及びみずほ銀行の両社の株式を保有する別部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置が講じられていること、当社とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、みずほ証券を両社から独立した第三者算定機関として選定いたしました。
新京成電鉄の第三者算定機関である日本政策投資銀行は、両社から独立した算定機関であり、両社の関連当事者には該当しません。日本政策投資銀行は、両社に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等は生じていますが、本株式交換に関して両社との利益相反に係る重要な利害関係を有していません。
日本政策投資銀行によれば、日本政策投資銀行は金融商品取引法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4その他の適用法令に従い、日本政策投資銀行のファイナンシャル・アドバイザー業務及び新京成電鉄株式の価値算定業務を担当する部署と同行のその他部署との間において、情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じているとのことであり、これらの措置により、日本政策投資銀行のファイナンシャル・アドバイザー業務及び新京成電鉄株式の価値算定業務を担当する部署は、本株式交換に関して利益相反に係る利害関係の影響を受けずに、日本政策投資銀行の両社に対する貸付人の地位とは独立した立場で、新京成電鉄の株式価値の算定を行っているとのことです。
新京成電鉄は、日本政策投資銀行の行内で情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置が講じられていること、新京成電鉄と日本政策投資銀行は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、日本政策投資銀行は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、日本政策投資銀行を両社から独立した第三者算定機関として選定いたしました。
ロ) 算定の概要
みずほ証券は、当社については、同社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、新京成電鉄については、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価基準法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を採用して算定を行いました。
各評価手法による新京成電鉄株式1株につき割当交付される当社株式数の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定レンジ
市場株価基準法0.62~0.69
DCF法0.50~1.42

なお、市場株価基準法では、2022年4月27日を算定基準日として、算定基準日の株価、算定基準日から遡る1か月間、3か月間及び6か月間の株価終値の単純平均値を採用いたしました。
みずほ証券がDCF法による算定の前提とした両社の財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、当社の株式価値の算定に使用した事業計画については、2021年3月期及び2022年3月期において感染症流行の影響により運輸業を中心に収益が一時的に落ち込んでいたものの、2023年3月期はインバウンド需要や国内の人流が徐々に回復することを見込んでいるほか、不動産業において引き続き収益賃貸物件の拡充を進めること等により収益が回復し、約215億円の営業利益を見込み、2024年3月期においては対前年度比で約4割程度の増益を見込んでいます。一方、新京成電鉄の株式価値の算定に使用した事業計画については、2022年3月期までの感染症の影響による減益からの回復により、営業利益に関して2023年3月期は約10億円の営業利益を見込み、2024年3月期及び2025年3月期において、対前年度比でそれぞれ約4割及び約3割の増益を見込んでいます。また、不動産業において地域開発を行っていくことにより、2026年3月期の営業利益において、対前年度比で約4割の増益を見込んでいます。
なお、両社の財務予測は、本株式交換の実施を前提としていません。
みずほ証券は、株式交換比率の算定に際して、みずほ証券が検討した全ての公開情報及び両社からみずほ証券に提供され又はみずほ証券が両社と協議した財務その他の情報で株式交換比率の算定に際して実質的な根拠となった情報の全てが、正確かつ完全なものであることに依拠し、それを前提としています。
なお、みずほ証券は、係る情報の正確性もしくは完全性につき独自に検証を行っておらず、また、これらを独自に検証する責任又は義務を負いません。株式交換比率算定書に記載される内容は、みずほ証券に提供され又はみずほ証券が両社と協議した情報について、係る情報を重大な誤りとする事項があった場合、又は株式交換比率算定書交付時点で開示されていない事実や状況もしくは株式交換比率算定書交付時点以降に発生した事実や状況(株式交換比率算定書交付時点において潜在的に存在した事実で、その後明らかになった事実を含みます。)があった場合には、異なる可能性があります。みずほ証券は、両社の経営陣が、みずほ証券に提供され又はみずほ証券と協議した情報を不完全もしくは誤解を招くようなものとするような事実を一切認識していないことを前提としています。さらに、みずほ証券は、両社又はその関係会社の資産・負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債その他の偶発債務を含みます。)又は引当につき独自に評価・鑑定を行っておらず、いかなる評価又は鑑定についても、独自に第三者から提供を受けたことはなく、また、第三者に要求していません。みずほ証券は、両社又はその関係会社の財産又は施設を検査する義務を負っておらず、また、倒産、破産等に関する法律に基づいて両社又はその関係会社の株主資本、支払能力又は公正価格についての評価を行っていません。
株式交換比率の算定に際して両社から情報の提供又は開示を受けられず、又は提供もしくは開示を受けたもののそれが両社の株式価値に及ぼす影響が現時点においては不確定なもの、又はその他の方法によってもみずほ証券が評価の基礎として使用できなかったものもしくは使用できる確証を得られなかったものについては、みずほ証券は、みずほ証券が合理的及び適切と考える仮定を用いています。みずほ証券の係る仮定が重要な点において事実と異なることが明らかになった場合に、それが両社の将来の財務状況にどのような影響を及ぼすかについて、みずほ証券は検証を行っていません。
なお、みずほ証券が開示を受けた財務予測その他の将来に関する情報については、両社の将来の経営成績及び財務状況に関し現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき、両社の経営陣によって合理的に準備・作成又は調整されたことを前提としています。みずほ証券は上記の前提条件及び財務予測並びに事業計画の実現可能性について独自に検証することなく、これらの前提条件及び財務予測並びに事業計画に依拠しており、株式交換比率算定書で言及される分析又は予想又はそれらの基礎となる仮定に関して何らの見解も表明していません。みずほ証券は、法律、規制又は税務関連の専門家ではなく、係る事項については、両社の外部専門家が行った評価に依拠しています。
なお、本株式交換は、日本の法人税法上、課税されない取引であることを前提としています。
みずほ証券の算定結果は、みずほ証券が当社の依頼により、当社の取締役会が本株式交換比率を決定するための参考に資することを唯一の目的とし当社に提出したものであり、当該算定結果は、みずほ証券が本株式交換比率の妥当性について意見を表明するものではありません。
他方、日本政策投資銀行は、当社については、同社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、新京成電鉄については、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するため、DCF法を採用して算定を行いました。
各評価手法による新京成電鉄株式1株につき割当交付される当社株式数の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定レンジ
市場株価法0.60~0.70
DCF法0.57~1.31

なお、市場株価法では、2022年4月27日を算定基準日として、算定基準日の株価、算定基準日から遡る1か月間、3か月間及び6か月間の株価終値の単純平均値を採用いたしました。
日本政策投資銀行がDCF法による算定の前提とした両社の財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、当社の株式価値の算定に使用した事業計画については、2022年3月期は引き続き感染症の流行により人流が減少した影響を受けていたものの、徐々に回復に転じることを見込んでいることから、営業利益に関して2023年3月期には約100億円を見込み、2024年3月期、2025年3月期及び2026年3月期においては対前年度比でそれぞれ約4割、約5割及び約4割の増益を見込んでいます。一方、新京成電鉄の株式価値の算定に使用した事業計画については、2022年3月期までの感染症の影響による減益からの回復により、営業利益に関して2023年3月期は約10億円の営業利益を見込み、2024年3月期及び2025年3月期において、対前年度比でそれぞれ約4割及び約3割の増益を見込んでいます。また、不動産業において地域開発を行っていくことにより、2026年3月期の営業利益において、対前年度比で約4割の増益を見込んでいます。
なお、両社の財務予測は、本株式交換の実施を前提としていません。
日本政策投資銀行は、株式交換比率の算定に際して、日本政策投資銀行が検討した全ての公開情報及び両社から日本政策投資銀行に提供され又は日本政策投資銀行が両社と協議した財務その他の情報で株式交換比率の算定に際して実質的な根拠となった情報の全てが、正確かつ完全なものであることに依拠し、それを前提としています。
なお、日本政策投資銀行は、係る情報の正確性もしくは完全性につき独自に検証を行っておらず、また、これらを独自に検証する責任又は義務を負いません。株式交換比率算定書に記載される内容は、日本政策投資銀行に提供され又は日本政策投資銀行が両社と協議した情報について、係る情報を重大な誤りとする事項があった場合、又は株式交換比率算定書交付時点で開示されていない事実や状況もしくは株式交換比率算定書交付時点以降に発生した事実や状況(株式交換比率算定書交付時点において潜在的に存在した事実で、その後明らかになった事実を含みます。)があった場合には、異なる可能性があります。日本政策投資銀行は、両社の経営陣が、日本政策投資銀行に提供され又は日本政策投資銀行と協議した情報を不完全もしくは誤解を招くようなものとするような事実を一切認識していないことを前提としています。さらに、日本政策投資銀行は、両社又はその関係会社の資産・負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債その他の偶発債務を含みます。)又は引当につき独自に評価・鑑定を行っておらず、いかなる評価又は鑑定についても、独自に第三者から提供を受けたことはなく、また、第三者に要求していません。日本政策投資銀行は、両社又はその関係会社の財産又は施設を検査する義務を負っておらず、また、倒産、破産等に関する法律に基づいて両社又はその関係会社の株主資本、支払能力又は公正価格についての評価を行っていません。
株式交換比率の算定に際して両社から情報の提供又は開示を受けられず、又は提供もしくは開示を受けたもののそれが両社の株式価値に及ぼす影響が現時点においては不確定なもの、又はその他の方法によっても日本政策投資銀行が評価の基礎として使用できなかったものもしくは使用できる確証を得られなかったものについては、日本政策投資銀行は、日本政策投資銀行が合理的及び適切と考える仮定を用いています。日本政策投資銀行の係る仮定が重要な点において事実と異なることが明らかになった場合に、それが両社の将来の財務状況にどのような影響を及ぼすかについて、日本政策投資銀行は検証を行っていません。
なお、日本政策投資銀行が開示を受けた財務予測その他の将来に関する情報については、両社の将来の経営成績及び財務状況に関し現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき、両社の経営陣によって合理的に準備・作成又は調整されたことを前提としています。ただし、当社の財務予測においては、当社の2022年3月期の業績実績を踏まえると、新京成電鉄としてその実現可能性について一定の懸念を有していることから、2023年3月期、2024年3月期及び2025年3月期の財務予測に対して新京成電鉄に確認の上、一定の修正を加えた財務予測を採用しております。日本政策投資銀行は上記の前提条件及び財務予測並びに事業計画の実現可能性について独自に検証することなく、これらの前提条件及び財務予測並びに事業計画に依拠しており、株式交換比率算定書で言及される分析又は予想又はそれらの基礎となる仮定に関して何らの見解も表明していません。日本政策投資銀行は、法律、規制又は税務関連の専門家ではなく、係る事項については、両社の外部専門家が行った評価に依拠しています。
なお、本株式交換は、日本の法人税法上、課税されない取引であることを前提としています。
日本政策投資銀行の算定結果は、日本政策投資銀行が新京成電鉄の依頼により、新京成電鉄の取締役会が本株式交換比率を決定するための参考に資することを唯一の目的とし新京成電鉄に提出したものであり、当該算定結果は、日本政策投資銀行が本株式交換比率の妥当性について意見を表明するものではありません。
③ 上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換に伴い、その効力発生日である2022年9月1日(予定)をもって、当社は新京成電鉄の完全親会社となることから、新京成電鉄株式は、東京証券取引所スタンダード市場の上場廃止基準により、所定の手続を経て2022年8月30日に上場廃止(最終売買日は2022年8月29日)となる予定です。
上場廃止後は、新京成電鉄株式を金融商品取引所において取引することができなくなりますが、本株式交換の効力発生日において新京成電鉄の株主の皆様に割り当てられる当社株式は東京証券取引所プライム市場に上場されているため、一部の株主の皆様においては単元未満株式の割当てのみを受ける可能性があるものの、1単元以上の株式については引き続き金融商品取引所において取引が可能であり、株式の流動性を確保できるものと考えております。
他方、本株式交換により、当社の単元未満株式を保有することとなる株主の皆様においては、金融商品取引所において当該単元未満株式を売却することはできませんが、単元未満株式の買取制度をご利用いただくことが可能です。また、単元未満株式の買増制度をご利用いただき、その保有する単元未満株式の数と合わせて1単元となる数の株式を当社から買い増すことも可能です。係る取扱いの概要については、上記「(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容」の「②本株式交換に係る割当ての内容」の「(注3)単元未満株式の取扱い」をご参照ください。また、本株式交換に伴い1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細については、上記「(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容」の「②本株式交換に係る割当ての内容」の「(注4)1株に満たない端数の取扱い」をご参照ください。
なお、新京成電鉄の株主の皆様は、最終売買日である2022年8月29日(予定)までは、東京証券取引所スタンダード市場においてその保有する新京成電鉄株式を従来どおり取引することができるほか、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
④ 公正性を担保するための措置
両社は、当社が、新京成電鉄株式4,899,895株(2022年3月31日現在の発行済株式(自己株式を除く。)の総数10,977,234株に占める割合にして44.64%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算について同じです。))を保有しており、新京成電鉄が当社の持分法適用関連会社に該当すること、及び新京成電鉄において当社の役職員と兼務の取締役や当社出身の取締役が存在すること等から、本株式交換の公正性を担保する必要があると判断し、以下のとおり公正性を担保するための措置を実施しています。
イ) 独立した第三者算定機関からの株式交換比率算定書の取得
当社は、両社から独立した第三者算定機関であるみずほ証券から、2022年4月27日付で、本株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要は上記「②算定に関する事項」をご参照ください。なお、当社は、みずほ証券から、本株式交換比率が当社の株主にとって財務的見地より公正である旨の評価(フェアネス・オピニオン)を取得していません。
他方、新京成電鉄は、両社から独立した第三者算定機関である日本政策投資銀行から、2022年4月27日付で、本株式交換に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要は上記「②算定に関する事項」をご参照ください。なお、日本政策投資銀行に対する報酬には、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。また、新京成電鉄は、日本政策投資銀行から、本株式交換比率が新京成電鉄の株主にとって財務的見地より公正である旨の評価(フェアネス・オピニオン)を取得していません。
ロ) 独立した法律事務所からの助言
当社は、本株式交換のリーガル・アドバイザーとして、卓照綜合法律事務所を選定し、本株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を得ております。なお、卓照綜合法律事務所は、両社から独立しており、両社との間で重要な利害関係を有しておりません。
他方、新京成電鉄は、本株式交換のリーガル・アドバイザーとして、大江橋法律事務所を選定し、本株式交換の諸手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を得ております。なお、大江橋法律事務所は、両社から独立しており、両社との間で重要な利害関係を有しておりません。また、大江橋法律事務所の報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる時間制の報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑤ 利益相反を回避するための措置
新京成電鉄は、当社が、新京成電鉄株式4,899,895株(2022年3月31日現在の発行済株式(自己株式を除く。)の総数10,977,234株に占める割合にして44.64%)を保有しており、新京成電鉄が当社の持分法適用関連会社に該当すること、及び新京成電鉄において当社の役職員と兼務の取締役や当社出身の取締役が存在すること等から、利益相反を回避するため、以下の措置を講じております。
イ) 新京成電鉄における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
新京成電鉄は、本株式交換に係る新京成電鉄の意思決定に慎重を期し、また、新京成電鉄の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本株式交換を行う旨を決定することが新京成電鉄の少数株主にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、2022年1月28日開催の取締役会の決議に基づき、いずれも当社と利害関係を有しておらず、新京成電鉄の社外取締役であり東京証券取引所に独立役員として届け出ている池田等氏(株式会社千葉銀行参与)及び新京成電鉄の社外監査役であり東京証券取引所に独立役員として届け出ている山門浩一氏(元三井住友信託銀行株式会社常務執行役員)、並びに両社と利害関係を有しない独立した外部の有識者である櫻庭広樹氏(弁護士、奧野総合法律事務所・外国法共同事業)の3名により構成される本特別委員会を設置いたしました。なお、新京成電鉄は、当初からこの3名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また、各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬又は時間制の報酬を支払うものとされております。
その上で、新京成電鉄は、本株式交換を検討するにあたって、本特別委員会に対し、(ⅰ)本株式交換の目的の合理性(本株式交換が新京成電鉄の企業価値の向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本株式交換の取引条件(株式交換比率を含む。)の妥当性、(ⅲ)本株式交換の手続の公正性(どのような公正性担保措置をどの程度講じるべきかを含む。)並びに(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)まで、及びその他の事項を踏まえ、本株式交換が新京成電鉄の少数株主にとって不利益なものでないか(以下(ⅰ)から(ⅳ)までを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
なお、新京成電鉄の取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本株式交換に関する意思決定を行うことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(a)当社との間の交渉について、新京成電鉄の役職員に対して事前に方針を確認し、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと、(b)新京成電鉄の役職員から本株式交換に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、(c)新京成電鉄が選任したファイナンシャル・アドバイザー又は第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーを承認(事後承認を含む。)すること、並びに(d)必要に応じ、自らのファイナンシャル・アドバイザー又は第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は新京成電鉄が負担するものとしております。)の権限を付与することを決議しております。
本特別委員会は、2022年2月14日から2022年4月27日までに、委員会を合計11回開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見表明や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、まず、新京成電鉄が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である日本政策投資銀行並びにリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所につき、いずれも独立性に問題がないことを確認し、その選任を承認いたしました。その上で、新京成電鉄から、新京成電鉄及び新京成電鉄グループの事業概要、事業についての今後の見通し、本株式交換の実施について新京成電鉄が考えるメリット・デメリット、株式交換比率の算定の前提となる新京成電鉄の事業計画の策定手続及び内容等についての説明を受け、質疑応答を行ったほか、当社から、当社及び当社グループの事業概要、当社グループにおける新京成電鉄の位置づけ、本株式交換に至る背景・経緯、株式交換を選択した理由、本株式交換によって見込まれるシナジーその他の影響の内容、本株式交換後の経営方針や従業員の取扱い等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、新京成電鉄のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である日本政策投資銀行から本株式交換に係る割当比率の算定方法及び算定結果の説明を受け、質疑応答を行い、その合理性の検証を行いました。さらに、新京成電鉄のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所から、本株式交換に係る新京成電鉄の取締役会の意思決定方法、本特別委員会の運用その他の本株式交換に係る手続面の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関して助言を受けるとともに、当社に対する法務デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、新京成電鉄の依頼に基づき当社に対する財務・税務デュー・ディリジェンスを実施した株式会社AGSコンサルティング(本特別委員会にて同社が両社との間に重要な利害関係を有しないことを確認しております。)より、当該財務・税務デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行いました。なお、本特別委員会は、当社と新京成電鉄との間における本株式交換に係る協議・交渉の経緯及び内容について適時に報告を受けた上で、複数回にわたり交渉の方針等について協議を行い、新京成電鉄に意見する等して、当社との交渉過程に実質的に関与しております。
本特別委員会は、係る手続を経て、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、本株式交換は新京成電鉄の少数株主にとって不利益なものではない旨の答申書を、2022年4月27日付で、新京成電鉄の取締役会に対して提出しております。本特別委員会の意見の概要は以下のとおりです。
(ⅰ)本株式交換の目的の合理性(本株式交換が新京成電鉄の企業価値の向上に資するかを含む。)
上記「(2)本株式交換の目的」に記載の両社が有している新京成電鉄を取り巻く事業環境及び新京成電鉄の経営課題についての現状認識については、本特別委員会も同様の認識を有しており、本特別委員会として異存はない。
また、上記の事業環境及び経営課題を踏まえ、新京成電鉄からは、本特別委員会に対し、感染症の流行によって特に大きな影響を受けた運輸業では、テレワークの拡大等により、輸送人員が以前の水準まで回復することは困難であるとの見通しを有しており、利益確保のためには業務効率化や利用実態に合わせた運賃制度の見直し、旅客誘致に寄与する施策や新規事業の拡大等の対策が不可欠と考えていることの説明がなされた。他方で、当社からは、本特別委員会に対し、新京成電鉄が当社の完全子会社となり、当社グループとしてのスケールメリット、事業ノウハウ等を有効活用するとともに、従来以上に緊密化した連携を図りグループ一体となった経営を遂行することで、千葉県北西部における事業基盤の強化、経営資源の相互活用による競争力強化及び事業規模の拡大、並びにスケールメリットを活かした効率的な組織体制の実現といったシナジーの創出・発現が期待できるほか、両社が独立した上場会社であるという現在の状況に伴う制約なく当社との連携強化を加速させることができるとの認識が示されている。このような両社の説明は、新京成電鉄を取り巻く事業環境及び新京成電鉄の経営課題を前提とした具体的なもので、新京成電鉄の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合し、新京成電鉄における将来の競争力強化に向けた現実的なものであると考えられ、特段不合理な点は見当たらない。
一方、新京成電鉄からは、本特別委員会に対し、本株式交換に関する懸念として、新京成電鉄の独自性・独立性の欠如、新京成電鉄の既存株主への影響(株主優待より受けていた恩恵の消失等)、新京成電鉄の従業員及び採用活動への影響、労働組合との関係について懸念が示された。そして、これらの点については、当社から、本株式交換後も新京成電鉄の組織体制について現時点では具体的な変更は予定していないこと、現在沿線地域で浸透している新京成電鉄ブランドの変更等を行う予定は現時点ではないこと、本株式交換後は当社株式の優待制度が配布されること及び新京成電鉄の現株主に対し配布する株主優待を新京成電鉄の株主優待に交換できる制度の構築を前向きに検討していること、新京成電鉄の従業員にとっては、活躍の場が広がるチャンスであり、モチベーション向上に繋がり得るものとして本株式交換を前向きにとらえられるよう当社が協力すること、また、新京成電鉄の従業員にとってより働きがいのある職場を共に創り上げていけるよう当社も協力すること等の説明がなされた。また、当社からは、新京成電鉄グループの事業・資産を売却する等いわゆる焦土的な再編を行うことや新京成電鉄の事業・資産を使った当社のための資金調達を行うこと等について、いずれも現時点では想定していないとの説明がなされた。当社からのこのような説明によって、新京成電鉄が本特別委員会に対して示した本株式交換に係る懸念点については、一定程度軽減されると考えられる上、これらの懸念点が本株式交換により見込まれるメリットを上回り又は大きく毀損する具体的な蓋然性までは認められない。
よって、本特別委員会は、新京成電鉄を取り巻く事業環境及び新京成電鉄の経営課題に照らし、本株式交換は新京成電鉄の企業価値の向上に資すると認められ、本株式交換の目的は合理的であると判断するに至った。
(ⅱ)本株式交換の取引条件(株式交換比率を含む。)の妥当性
(ア)完全子会社化の方法である株式交換については、新京成電鉄の少数株主に対して本株式交換後におけるシナジー効果を享受する機会を提供し、また、現金化を望む株主は、流動性が高い当社株式を売却することで現金化が可能であること、株式交換は完全子会社化の方法として一般的に採用されている方法であることから、合理性があること、(イ)①日本政策投資銀行作成の株式交換比率に関する算定書の算定手法である市場株価法及びDCF法は、現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられ、また、DCF法における割引率の根拠に関する説明も合理的であって、その算定内容は現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、及び、②当該算定の前提となっている新京成電鉄の事業計画及び当社の事業計画(新京成電鉄及び本特別委員会として、当初当社から受領したものについてその実現可能性に一定の懸念を認めたことから、本特別委員会における議論を踏まえ、新京成電鉄においてその前提条件に一部修正を加えたもの)は、その作成経緯及び両社の現状に照らして、不合理なものではないと考えられるところ、同算定書による新京成電鉄株式及び当社株式の評価レンジに照らして、本株式交換比率は、市場株価法による算定結果の上限値を超え、かつ、DCF法による算定結果の範囲内にあること、(ウ)市場株価に対する本株式交換比率のプレミアム水準は、本株式交換の類似の取引事例である近時の国内上場企業の完全子会社化を目的とした株式交換の事例におけるプレミアム水準に照らし合理的な水準と認められること、(エ)本特別委員会は、新京成電鉄が本株式交換の本格的な検討を開始した後速やかに設置され、株式交換比率が新京成電鉄の少数株主に不利益を与えるものとなっていないかという点についての議論を複数回にわたって行い、当該議論の結果を当社との交渉方針に反映し、当社との交渉は本特別委員会において決定された当該交渉方針の下、その指示・要請に従って行われたことから、当社との交渉は、本特別委員会が実質的に関与してなされたと評価できること、並びに(オ)その他本株式交換比率の決定プロセスの公正性を疑わせるような具体的事情は存在しないことに照らし、本特別委員会は、株式交換比率を含む本株式交換の取引条件は妥当であると判断するに至った。
(ⅲ)本株式交換の手続の公正性(どのような公正性担保措置をどの程度講じるべきかを含む。)
(ア)新京成電鉄の取締役会は、両社から独立した本特別委員会を設置し、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本株式交換に関する意思決定を行うこととしていること、(イ)本特別委員会が当社との交渉に実質的に関与できる体制が確保され、当社との交渉は、本特別委員会が実質的に関与してなされたこと、また、当社との交渉経緯を踏まえると、当社との間では、独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が行われたものと評価できること、(ウ)新京成電鉄は両社及び本株式交換の成否から独立したリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所から法的助言を受けていること、(エ)新京成電鉄は両社から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関である日本政策投資銀行から株式交換比率に関する算定書を取得していること、(オ)新京成電鉄は、新京成電鉄が本株式交換の本格的な検討を開始した後速やかに、現に当社の役職員を兼務している新京成電鉄の役職員のみならず、過去に当社の役職員としての地位を有していた新京成電鉄の役職員が、新京成電鉄と当社との間の本株式交換に係る取引条件に関する協議・交渉過程、及び新京成電鉄の事業計画の作成過程に関与しない体制を構築していること、(カ)現に当社の役職員を兼務している取締役及び過去に当社の役職員としての地位を有していた取締役、並びに当社の取締役を兼務している監査役を取締役会における本株式交換に係る審議・決議から除外し、また、2022年4月28日に開催予定の取締役会における本株式交換に係る審議・決議からも除外する予定であり、さらに、これらの者を新京成電鉄の立場で、本株式交換に係る協議及び交渉に参加させていないこと、(キ)新京成電鉄は、当社との間で、新京成電鉄が当社以外の対抗的買収提案者と接触することを制限するような合意は一切行なっておらず、いわゆる間接的マーケット・チェックが行われていると認められること、一方、新京成電鉄は積極的なマーケット・チェックは行っていないが、本株式交換において、積極的なマーケット・チェックを行っていないことをもって本株式交換における手続の公正性を損なうものではないと考えられること、(ク)本株式交換では、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定しない予定であるが、企業価値向上に資すると考えられ、かつ取引条件の妥当性が認められる本株式交換に関して、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定することは、本株式交換の成立を不安定なものとし、かえって少数株主の利益に資さない可能性もあることに加え、本株式交換では、新京成電鉄において他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、本株式交換において、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本株式交換の手続の公正性を損なうものではないと考えられること、(ケ)適切な情報開示がなされる予定であること、並びに(コ)その他本株式交換に係る協議、検討及び交渉の過程において、新京成電鉄が当社より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められないことに照らし、本特別委員会は、本株式交換に至る交渉過程等においては適切な公正性担保措置が講じられており、本株式交換の手続は公正であると判断するに至った。
(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)まで、及びその他の事項を踏まえ、本株式交換が新京成電鉄の少数株主にとって不利益なものでないか
上記(ⅰ)のとおり、本株式交換は新京成電鉄の企業価値の向上に資するものと認められ、前記(ⅱ)及び(ⅲ)のとおり、取引条件の妥当性及び手続の公正性も認められる。したがって、新京成電鉄の取締役会において、本株式交換を行う旨を決議することは、新京成電鉄の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
ロ) 新京成電鉄における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
本株式交換に関する議案を決議した本日開催の新京成電鉄の取締役会においては、新京成電鉄の取締役11名のうち、眞下幸人氏は当社の出身者であることに鑑み、また、小林敏也氏は当社の取締役を、三枝紀生氏は当社の相談役を、それぞれ兼務していることに鑑み、利益相反を回避する観点から、眞下幸人氏、小林敏也氏及び三枝紀生氏を除く他の8名で審議し全員の賛成により決議しております。なお、同じく利益相反を回避する観点から、眞下幸人氏、小林敏也氏及び三枝紀生氏は、新京成電鉄の立場において本株式交換の協議及び交渉には参加しておりません。
また、上記の取締役会には、新京成電鉄の監査役4名のうち、当社の取締役を兼務している天野貴夫氏及び金子庄吉氏を除く、当社との間で利害関係を有しない監査役2名(うち社外監査役1名)が参加し、いずれも上記決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、新京成電鉄の監査役である天野貴夫氏及び金子庄吉氏は、当社の取締役を兼務していることを踏まえ、上記取締役会の本株式交換に関する審議には一切参加しておらず、上記取締役会の決議に際しても意見を述べることを差し控えております。また、天野貴夫氏及び金子庄吉氏は、新京成電鉄の立場において本株式交換の協議及び交渉には参加しておりません。
(5) 本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号京成電鉄株式会社
本店の所在地千葉県市川市八幡三丁目3番1号
代表者の氏名代表取締役社長 小林 敏也
資本金の額36,803百万円
純資産の額現時点では確定しておりません。
総資産の額現時点では確定しておりません。
事業の内容鉄道による一般運輸業
土地、建物の売買及び賃貸業

以 上