意見表明報告書
- 【提出】
- 2022/10/28 15:56
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脚注、表紙
(注1) 本書中の「当社」とは、株式会社日立物流をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、HTSK株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「本公開買付け」とは、本書提出に係る公開買付けをいいます。
(注6) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、HTSK株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「本公開買付け」とは、本書提出に係る公開買付けをいいます。
(注6) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地
名 称 HTSK株式会社
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号明治安田生命ビル11階
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号明治安田生命ビル11階
公開買付者が買付け等を行う株券等の種類
普通株式
当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由
(1) 意見の内容
当社は、2022年4月28日開催の当社取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しておりました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに国内外(日本、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインド)の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応(これらのうち、対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応については、日本及びロシアにおいて手続及び対応が必要であり、また、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインドにおいて手続及び対応の要否を検討しておりましたが、その後、2022年8月31日までに、下記のとおり対応は不要と認識・判断したとのことです。)のうちロシア連邦外国投資実施状況監督政府委員会(以下「ロシア当局」といいます。)からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)その他の一定の事項(注1)(以下「本公開買付前提条件」といいます。)の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)(注2)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受け、当社の業績や本取引(以下に定義します。)を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、2022年10月27日現在においても、本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したことから、同日開催の取締役会(以下、2022年4月28日開催の取締役会と併せて「両取締役会」といいます。)において、改めて本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
上記の両取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(注1) 公開買付者によれば、①当社が本公開買付けに関して設置した特別委員会(以下「特別委員会」といいます。)において、当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更(変更後の答申が当社の取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容である場合又は本基本契約(以下に定義します。)締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていないこと、②当社取締役会により、本取引に賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更(変更後の意見表明が本取引に賛同する内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていないこと、③本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、その具体的なおそれがないこと、④本基本契約に基づき株式会社日立製作所(以下「日立製作所」といいます。)が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務(注3)が全て重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当該義務の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑤日立製作所による表明及び保証(注4)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること(但し、当該表明及び保証の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑥当社から、当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しない旨の確認が得られていること、⑦必要許認可等(注5)について、クリアランスの取得が完了していること、⑧公開買付者が、当社から、本合意書(以下に定義します。)を受領しており、かつ、本合意書が本公開買付けの開始日までに撤回されておらず適法かつ有効に存続していること、⑨本合意書に基づき当社が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務(注6)(当社が本取引を適法かつ有効に実行するために法令等、内部規則、労働協約及び事業上重要な契約等に基づき必要となる行為を実施するための努力義務を除きます。)が、全ての重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当該義務の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑩当社による本合意書の表明及び保証(注7)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること(但し、当該表明及び保証の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)を本公開買付け開始の前提条件としているとのことです。
(注2) 日立製作所による本公開買付けを開始しないことの請求権に関する事項については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「①本基本契約等」をご参照ください。なお、本書提出日現在、日立製作所から、当該本公開買付けを開始しないことの請求権は行使されていないとのことです。
(注3) 本基本契約に基づく日立製作所の義務の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」をご参照ください。
(注4) 本基本契約に基づく日立製作所による表明及び保証の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」をご参照ください。
(注5) 公開買付者によれば、日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコにおける競争法上の届出並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出をいいます。なお、当社の上記各国における事業、公開買付者の属性に対する関係当局の見解及び現地法律事務所による法的助言を踏まえ、本基本契約の締結日(2022年4月28日)後の2022年8月31日までに、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインドの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出が必要とならないことが確認できた一方で、2022年9月上旬から中旬にかけて、ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令(第618号/2022年9月8日施行)に基づく事前届出が新たに必要となることを確認しているとのことです。
(注6) 本合意書に基づく当社の義務の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本合意書」をご参照ください。
(注7) 本合意書に基づく当社の表明及び保証の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本合意書」をご参照ください。
(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、当社の株券等を取得及び所有し、本公開買付け成立後に、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる事業として2022年4月21日に設立された株式会社であり、本書提出日現在、その発行済株式の全てを2022年4月21日に設立された株式会社であるHTSKホールディングス株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)が所有しているとのことです。また、本書提出日現在、米国デラウェア州設立の投資顧問会社であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、以下「KKR」といいます。)によって間接的に保有・運営されている、カナダ国オンタリオ州法に基づき2022年4月25日に設立されたリミテッド・パートナーシップであるHTSK Investment L.P.(以下「KKRファンド」といいます。)が、公開買付者親会社の発行済株式の全てを所有しているとのことです。なお、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、本書提出日現在、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を所有していないとのことです。
KKRは、経営陣とのパートナーシップに基づく長期的な視点での投資を志向する投資哲学を掲げており、優れた事業基盤及び潜在力を持つ企業・経営陣のパートナーとして、KKRの持つ様々な経営資源、知見及びネットワークの活用による業界のリーディング・カンパニーの創造をめざしているとのことです。こうした哲学の下、企業からの子会社・事業部門のカーブアウト(事業の切り離し)・独立支援にも注力し、投資先のオーガニック(既存の経営資源を活用した手法)・インオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略並びに収益力や業務効率の改善を促進することで、独立企業体としての事業発展の支援に取り組んでおり、その結果、既に世界中で約60件のカーブアウト(事業の切り出し)・独立支援案件の実績を有しているとのことです。
KKRは、1976年に設立された、プライベート・エクイティ投資を含み全世界で約4,700億ドルの運用資産を持つ国際的投資会社であり、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しているとのことです。2006年の東京オフィス開設以降、日本市場における投資活動を積極的に拡大しており、日本国内の商慣行を熟知し、様々なバックグラウンドを有する社員により運営されているとのことです。日本においては、2010年に総合人材サービスを提供する株式会社インテリジェンスに投資したとのことです。2014年にはパナソニックヘルスケア株式会社(以下「PHC」といいます。)のパナソニック株式会社からの独立を支援し、2016年にはPHCによるBayer Aktiengesellschaftとその子会社であるBayer HealthCare傘下の糖尿病ケア事業の買収、2019年にはThermo Fisher Scientific, Inc.の解剖病理事業(現Epredia)の買収及び三菱ケミカルホールディングス株式会社傘下の国内臨床検査大手・株式会社LSIメディエンスの買収を実現するなど、日本の投資先企業による国内外の企業の追加買収の実績も積んでいるとのことです。さらに、2015年にパイオニア株式会社の一事業部であったDJ機器事業(現Pioneer DJ株式会社)への投資、2017年に日産自動車株式会社の上場子会社であるカルソニックカンセイ株式会社、日立製作所の上場子会社である日立工機株式会社及び株式会社日立国際電気への公開買付けを実現し、日本企業の子会社や事業部門の独立支援を推進中とのことです。2021年3月にはWalmart Inc.傘下のスーパー大手である株式会社西友(以下「西友」といいます。)の株式を楽天株式会社(以下「楽天」といいます。)の子会社である楽天DXソリューション合同会社と共同取得し、楽天との提携を通じてネットとリアルの小売りを融合し、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)の推進を支援しているとのことです。この様な今後の高成長が見込まれる企業に対しても、KKRの資本と人的リソースやネットワークなどを提供することにより、企業の成長加速と体制整備を支援する取り組みを行っているとのことです。2022年3月には、オリックス株式会社より、業務ソフトウェアを提供し、個人事業主向けクラウド会計ソフトで国内一位のシェア(出典:MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2021年4月末)」)を有する弥生株式会社(以下「弥生」といいます。)を買収したとのことです。日本の企業数の99%以上を中小企業者(中小企業基本法(昭和38年7月20日法律第154号)第2条第1項において定義される意味(注1)を有します。)が占める中、弥生は、中小企業者の業務効率化や生産性向上をDX及びクラウド化の推進とともに支援するという重要な役割を担っていると考えており、将来の成長余地は非常に大きいとみているとのことです。KKRはグローバルにソフトウェア、クラウド及びSaaS(注2)分野における投資実績を豊富に有していると考えており、今後はその経験と知見を活かし、弥生の新たな成長を支援していく予定とのことです。また、2022年4月には、三菱商事株式会社及びUBSグループより、運用資産総額1.7兆円を有する不動産運用会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(以下「MC-UBSR」といいます。)を買収したとのことです。強固な事業基盤を有していると考えられるMC-UBSRとグローバルで不動産投資事業を展開するKKRのリソース及びネットワークを活用することで、MC-UBSRの更なる価値向上を支援していく予定とのことです。
(注1) 「中小企業者」とは、①資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(卸売業、サービス業及び小売業を除きます。)に属する事業を主たる事業として営むもの、②資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であって、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの、③資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であって、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの、並びに④資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人であって、小売業に属する事業を主たる事業として営むものをいいます。
(注2) 「SaaS」とは、「Software as a Service」の略であり、ソフトウェアの機能をインターネット経由でサービスとして提供する形態のことをいいます。
公開買付者が2022年4月28日に公表した「株式会社日立物流(証券コード:9086)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」によれば、公開買付者は、2022年4月28日、国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法及び国内外(日本、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインド)の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応に一定期間を要することから、当該手続及び対応が完了すること等の本公開買付前提条件が充足(又は公開買付者により放棄)されていることを条件として、当社の株主を公開買付者のみとし、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式の全て(但し、当社の主要株主及び筆頭株主であり、かつ、その他の関係会社にあたる日立製作所が所有する当社株式:33,471,578株、所有割合(注3):39.91%。以下「本売却予定株式」といいます。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を対象とする本公開買付けを実施することを決定し、2022年9月下旬を目途に本公開買付けを開始することをめざしていたとのことです。
その後、公開買付者が2022年9月29日に公表した「(訂正)「株式会社日立物流(証券コード:9086)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」の一部訂正に関するお知らせ」(以下「2022年9月29日付公開買付者訂正プレスリリース」といいます。)によれば、公開買付者は、2022年9月21日付で、日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコの競争法並びに日本の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応を完了したとのことです。また、公開買付者は、本基本契約の締結後である2022年8月31日までに、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインドの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出が必要とならないことが確認できた一方で、2022年9月上旬から中旬にかけて、ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令(第618号/2022年9月8日施行)に基づく事前届出が新たに必要となることを確認し、2022年10月10日(現地時間)付でロシア当局に本公開買付けによる株式取得(以下「本株式取得」といいます。)に関する事前届出を行い(当該事前届出は同日付で受理されているとのことです。)、2022年11月上旬を目途に本公開買付けを開始することをめざしていたとのことです。
(注3) 「所有割合」とは、当社が2022年10月27日に公表した「2023年3月期第2四半期決算短信[IFRS](連結)」(以下「当社2023年3月期第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2022年9月30日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式177,000株を除きます。)(228,878株)を控除した株式数(83,872,836株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下、所有割合の計算において同じとします。
その後、公開買付者は、2022年10月20日(現地時間)付で、ロシア弁護士を通じて、ロシア当局に審査の状況を確認したところ、ロシア当局の担当者から、当該時点では、公開買付者が行った届出に関する審査は開始していない旨の回答があり、ロシア弁護士からは、かかる審査状況を踏まえると、同年11月上旬までにロシア当局から本株式取得に関する承認を取得することはできない可能性が相応にあり、当該承認の取得までの期間を正確に予測することは困難である旨の説明を受けたとのことです。
公開買付者は、ロシア弁護士から、ロシア大統領令第618号上、外国法人がロシア法人の議決権の過半数を直接又は間接に取得する場合、当該外国法人は、かかる議決権の取得に先立ち、ロシア当局の承認を取得する必要があるものの、外国法人がロシア法人の議決権の過半数を直接又は間接に取得する場合であっても、当該外国法人が自ら及びその子会社をして、当該ロシア法人に支配権の行使を行わず、当該ロシア法人が独立して運営される措置を講じれば、ロシア大統領令第618号の違反を構成しないものとしてかかる議決権の取得は可能であること及び当該措置を講じることは例外的なものの、当該措置を講じる場合には、実務上、ロシア当局に本株式取得に関する事前届出を実施した後一定の期間が経過した後に行うことが多いとの説明を、2022年10月10日(現地時間)付で行ったロシア当局への届出対応及び届出後の審査状況の確認を行う過程で受けたとのことです。
公開買付者は、上記のロシア当局による審査の状況及びロシア弁護士からの説明を踏まえて検討した結果、速やかにロシア当局から本株式取得に関する承認を取得することをめざしつつ(注4)、もし、当該承認を取得する前に、公開買付者が、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得することとなる場合には、当該承認を求めるロシア大統領令その他の法令等の違反を構成することなく本公開買付けに係る決済を実施できるようにする観点から、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)の満了後、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上(注5)を取得する(注6)ことが明らかとなった時点から本公開買付けに係る決済の開始日までの間に、ロシア弁護士の法的助言を踏まえ、公開買付者が、当該承認の取得完了までの間、自ら又は当社グループ(以下に定義します。)をして、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCに対する株主権の行使、意思決定への介入その他の積極的な権利行使(第三者へVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株式の譲渡等を行うことに関するものを含むとのことです。)による支配権の行使を行わず、同社が公開買付者及び当社グループから独立して運営されることに関する措置(以下「本分離措置」といいます。)を講じることとしたとのことです。上記の場合には、本分離措置を講じることに関し、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主である当社並びにVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主及び当社の完全子会社である株式会社バンテックから了承を得ているとのことです。本分離措置は、公開買付者の取締役が取締役決定書をもって決定し、また、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主が株主決議書をもって決議するものであり、それぞれが任意の裁量により本分離措置を講じることができることから、本分離措置の実行に支障となるような事実は認識していないとのことです。なお、公開買付者としては、本分離措置について、仮にこれを行うこととなったとしても、ロシア当局から本株式取得に関する承認を取得するまでの暫定的なものであることから、本分離措置が当社グループの企業価値に影響することは特段ないと判断しているとのことです(注7)。
(注4) 公開買付者は、公開買付期間中に当該承認を取得した場合は、訂正届出書を提出するとのことです。
(注5) 下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」に記載のとおり、公開買付者は、2022年4月28日付で、日立製作所との間で本基本契約を締結し、日立製作所は、本売却予定株式について本公開買付けに応募しないことを合意しておりますが、公開買付者は、ロシア弁護士から、ロシア大統領令第618号上、本売却予定株式に係る議決権は、本公開買付けにより取得した当社の議決権には含まれないとの説明を受けているとのことです。
(注6) 公開買付者は、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得できない場合であって、かつ、本株式取得に関する承認を取得する前に、本株式併合(以下に定義します。)の効力が生じる場合には、本株式併合の効力発生日までの間に、本分離措置を講じることとしているとのことです。かかる場合に本分離措置を講じることに関し、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主である当社並びにVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主及び当社の完全子会社である株式会社バンテックから了承を得ているとのことです。
(注7) 本分離措置を講じることにより、Vantec HTS Logistic (Rus) LLCの運営は、同社の役職員の経営判断に基づいて行われることとなる一方で、本分離措置はロシア当局から本株式取得に関する承認を取得するまでの間の暫定的な措置であり、その間の株主決議事項は現状特段見込んでいないことに加え、決算承認等、法令遵守の目的で株主として必要な決議を行うことは可能であり、また、Vantec HTS Logistic (Rus) LLCの役員とVantec HTS Logistic (Rus) LLCを除く当社グループの役職員とは現在一部兼任しておりますが、これら兼任役員が退任する必要はなく、公開買付者による当社の議決権の過半数以上の取得以前と同様、公開買付者の影響を受けることなく経営判断を行えば本分離措置を実施するにあたり法的問題はない旨、それぞれロシア弁護士より法的助言を受けているとのことです。
以上より、公開買付者は、本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄することとしたとのことです。
そして、公開買付者は、上記のとおり、ロシア弁護士から、同年11月上旬までにロシア当局から本株式取得に関する承認を取得することができない可能性が相応にあり、当該承認の取得までの期間を正確に予測することは困難である旨の説明を受けておりますが、本公開買付けが公表されているにもかかわらず、開始されていないという不安定な状況をできる限り早期に解消すべく、実務的に可能な限り早急に本公開買付けを開始し、引き続きロシア当局からの承認を取得できるよう努めるとともに、もし、ロシア当局からの承認を取得する前に、公開買付者が、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得することとなる場合には、当該承認を求めるロシア大統領令その他の法令等の違反を構成することなく本公開買付けに係る決済を実施できるようにする観点から、公開買付期間の満了後、本公開買付けに係る決済の開始日までに、本分離措置を講じることとしているとのことです。以上を踏まえ、公開買付者は、2022年10月28日より本公開買付けを開始することが可能であることが見込まれると2022年10月20日に判断したとのことです。その後、公開買付者は、ロシア当局からの承認の取得という条件を除く本公開買付前提条件について、以下のとおりいずれも充足されたことを確認したことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、2022年10月27日、本公開買付けを2022年10月28日より開始することとしたとのことです。
① 公開買付者は、当社より、当社取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会において、2022年10月26日現在においても、2022年4月28日時点における当社の取締役会が賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは相当である旨の特別委員会の意見答申を変更する要因はないと判断し、改めて、当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更(変更後の答申が当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていない旨の報告を受け、2022年10月26日に、当該特別委員会において当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われていることを確認したとのことです。
② 公開買付者は、当社より、2022年10月27日開催の当社取締役会において、2022年10月27日現在においても、2022年4月28日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断し、改めて、本取引に賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更(変更後の意見表明が本取引に賛同する内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていない旨の報告を受け、2022年10月27日に、当該決議が実施され、これが公表されており、かつかかる意見表明が変更又は撤回されていないことを確認したとのことです。
③ 公開買付者は、当社より、2022年10月27日時点において、本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、その具体的なおそれがない旨の報告を受け、同日、当該事由は生じていないと判断したとのことです。
④ 公開買付者は、日立製作所より、2022年10月27日時点において、本基本契約に基づき日立製作所が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が全て重要な点において履行又は遵守されている旨の報告を受け、同日、当該義務が履行及び遵守されていると判断したとのことです。
⑤ 公開買付者は、日立製作所より、2022年10月27日時点においても、日立製作所による表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確である旨の報告を受け、同日、当該表明及び保証はいずれも重要な点において真実かつ正確であると判断したとのことです。
⑥ 公開買付者は、当社から、2022年10月27日時点において、当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しない旨の報告を受け、同日、当社に係る業務等に関する重要事実で当社が公表していないものが存在しないと判断したとのことです。
⑦ 日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコにおける競争法上の届出並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出について、公開買付者は、ロシア当局からの承認の取得という条件については、2022年10月27日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄することとし、ロシア当局からの承認の取得という条件を除く本公開買付前提条件については、2022年9月21日付でロシア連邦反独占庁から本株式取得を承認する文書を受領したことをもって充足し、本株式取得を実行することが可能となったことを確認したとのことです。
⑧ 公開買付者は、当社から、本合意書を受領しており、かつ、本合意書は本公開買付けの開始日までに撤回されておらず適法かつ有効に存続しているとのことです。
⑨ 公開買付者は、当社より、2022年10月27日時点において、本合意書に基づき当社が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務(当社が本取引を適法かつ有効に実行するために法令等、内部規則、労働協約及び事業上重要な契約等に基づき必要となる行為を実施するための努力義務を除きます。)が、全ての重要な点において履行又は遵守されている旨の報告を受け、同日、当該義務が全ての重要な点において履行及び遵守されていると判断したとのことです。
⑩ 公開買付者は、当社より、2022年10月27日時点において、当社による本合意書の表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確である旨の報告を受け、同日、当該表明保証はいずれも重要な点において真実かつ正確であると判断したとのことです。
本取引は、①公開買付者による本公開買付け、②公開買付者が本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合に、当社の株主を公開買付者と日立製作所のみとするために当社が行う本株式併合による手続(以下「本スクイーズ・アウト手続」といいます。)、③本株式併合の効力発生を条件として、当社が実施する日立製作所が所有する本売却予定株式の取得(以下「本自己株式取得」といいます。なお、日立製作所において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させるために本自己株式取得を実施するとのことです。)を実施するための必要な分配可能額及び本自己株式取得に係る資金を確保するために当社が行う(ⅰ)金融機関からの借入れ(以下「本借入れ」といいます。)及び(ⅱ)の本資金提供のための原資とするための公開買付者への貸付け(以下「本貸付け」といいます。)、(ⅱ)公開買付者による当社に対する資金提供(公開買付者を引受人とする第三者割当増資又は当社に対する貸付けによることを予定しているとのことです。(以下「本資金提供」といいます。))並びに(ⅲ)会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含み、以下「会社法」といいます。)第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金、資本準備金及び利益準備金の額の減少(以下「本減資等」といいます。(注8))、並びに④本自己株式取得から構成され、最終的に公開買付者が当社を完全子会社化することを企図しているとのことです。また、本資金提供の実施に先立ち、(a)本資金提供に係る資金を確保するためにKKRファンドを割当先とする公開買付者親会社による第三者割当増資を行うこと、(b)当社の日立製作所に対する本自己株式取得に係る代金支払債務のうち金100億円に相当する代金支払債務の引受けを公開買付者親会社が行うことにより、日立製作所が、公開買付者親会社に対して取得する当該代金支払請求権の現物出資(以下「本日立再出資」といいます。なお、当該代金支払請求権は民法(明治29年法律第89号。その後の改正を含みます。)第520条に基づき混同により消滅するとのことです。)を行い、公開買付者親会社に対する議決権の10%を取得することが予定されているとのことです(注9)。なお、当該10%の再出資については、日立製作所及びKKRの協議により、当社と日立製作所の間で現在も取り組むDX分野における共同開発等を推進する観点で望ましく、日立製作所が当社の経営に一定の関与を残すことが可能な議決権構成をもとに判断しているとのことです。また、日立製作所及びKKRは、日立製作所が公開買付者親会社に対し現金を払込む方法により本日立再出資を実行することも検討したとのことですが、現金を払込む方法により本日立再出資を実行する場合、日立製作所により払込まれた現金を原資として本自己株式取得の代金として当社から日立製作所に支払われるところ、このように現金を還流させる必要性が乏しいこと等から、日立製作所及びKKRにて協議の上、上記の現物出資の方法により本日立再出資を実施することとしたとのことです。なお、本株式併合の詳細については、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
(注8) 本減資等においては、当社は、減少する資本金及び資本準備金の一部又は全額をその他資本剰余金に、また、減少する利益準備金の全額を繰越利益剰余金にそれぞれ振り替える予定です。
(注9) ①本日立再出資における公開買付者親会社の普通株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、公開買付価格(普通株式1株につき、8,913円。以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格である8,913円(但し、本スクイーズ・アウト手続として実施する株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定とのことです。)にする予定であることから、本日立再出資における日立製作所による公開買付者親会社の普通株式1株当たりの払込価額は、実質的に本公開買付価格よりも有利な条件が設定されているわけではないと考えられること、また、②本日立再出資は、当社の主要株主及び筆頭株主の日立製作所が、公開買付者親会社への出資を通じて非公開化後も当社に関与することを目的として実施されるものであり、日立製作所による本公開買付けへの応募の可否とは独立して検討されたものであることから、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。
本公開買付けに際し、公開買付者は、2022年4月28日付で、日立製作所との間で、①同社が所有する本売却予定株式について本公開買付けに応募しないこと、②同社が総額100億円の公開買付者親会社の議決権付き株式を取得(議決権比率10%)すること、③本自己株式取得に応じて本売却予定株式を売却すること等を内容に含む、基本契約書(以下「本基本契約」といいます。)を締結しているとのことです。また、公開買付者は、本基本契約における合意に関連して、2022年10月27日付で、日立製作所、公開買付者親会社及び当社との間で、本日立再出資の実施及び手続に関連する事項を規定した四者間契約を締結しているとのことです。本基本契約及び当該四者間契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」をご参照ください。
また、本取引に際し、(ⅰ)当社、日立製作所及びKKRファンドは、2022年10月27日付で、当社の運営等に関する資本業務提携契約を締結しており(資本業務提携契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本資本業務提携契約」をご参照ください。以下「本資本業務提携契約」といいます。)、(ⅱ)日立製作所及び当社は、当社の事業活動を円滑に継続することを目的とした契約として移行サービス契約、委託研究契約及び日立ブランド使用許諾契約並びに日立物流ソフトウェア株式会社の運営等に関する株主間契約を締結しております。
なお、本取引を図で表示すると大要以下のとおりとなるとのことです。
<本取引のストラクチャー図>Ⅰ.本公開買付けの実施前(現状)
本書提出日現在において、日立製作所が当社株式33,471,578株(所有割合:39.91%)、少数株主が残りの50,401,258株(所有割合:60.09%)を所有。

Ⅱ.公開買付者による本公開買付け及びその決済に要する資金の調達
公開買付者は、当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を対象とする本公開買付けを実施。
本公開買付けに係る決済に要する資金を、公開買付者親会社からの出資(以下「本出資」といいます。)によって調達する資金により賄う予定。

Ⅲ.(本公開買付けの成立後)株式併合を用いた本スクイーズ・アウト手続
公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、当社に対して本株式併合の手続の実行を要請し、当社の株主を公開買付者及び日立製作所のみとするための手続を実施。

Ⅳ.当社による分配可能額及び本自己株式取得に係る資金の確保を目的とした本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等
当社株式の上場廃止及び本株式併合の効力発生後に、本自己株式取得に必要となる資金及び分配可能額を確保するために、本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等を実施。また、本資金提供の実施に先立ち、本日立再出資及びKKRファンドを割当先とする公開買付者親会社による第三者割当増資を実施。

Ⅴ.当社による日立製作所からの本自己株式取得
当社は、本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等により確保した分配可能額を活用し、日立製作所が所有する本売却予定株式の全てを取得するための本自己株式取得を実施。

Ⅵ.本取引の実施後

公開買付者は、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(22,443,700株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、当社株式を非公開化することを目的としておりますので、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(22,443,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(22,443,700株)は、当社2023年3月期第2四半期決算短信に記載された2022年9月30日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式177,000株を除きます。)(228,878株)を控除した株式数(83,872,836株)に係る議決権の数(838,728個)に3分の2を乗じた数(559,152個、小数点以下切り上げ)から、本売却予定株式(33,471,578株)に係る議決権の数(334,715個)を控除した数(224,437個)に当社の単元株式数である100を乗じた株式数(22,443,700株)とのことです。これは、本取引においては当社株式の非公開化を目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合の手続を実施するには、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていること、また、日立製作所との間で本売却予定株式について本公開買付けに応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には本スクイーズ・アウト手続に関する各議案に賛成する旨を合意していることを踏まえ、本取引を確実に実施できるようにしたものとのことです。
公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を本出資により賄うとのことです。また、本自己株式取得は、当社の分配可能額の範囲内で行われますが、公開買付者は当社において本自己株式取得に必要となる資金の額、並びに当社の保有する現預金及び事業運営に要する現預金の水準等を勘案して、本株式併合後に、本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等により、当社の分配可能額の不足額を賄うことを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針は、以下のとおりです。
(ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等
当社は、1950年2月、日立製作所の輸送業務を請け負う物流子会社として創業し、同社工場構内・発送業務の一括受託、国内外における超重量物の輸送を引き受けるなどして業容を拡大してきました。1989年1月に東京証券取引所の市場第二部に上場、1990年9月に市場第一部に指定替え、その後の東京証券取引所の再編を経て、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しております。なお、当社の1950年2月の創業時の商号は日東運輸株式会社であり、1952年12月に日立運輸株式会社に商号変更、1967年11月に西部日立運輸株式会社、東京モノレール株式会社と三社合併し日立運輸東京モノレール株式会社に商号変更、1981年5月に東京モノレール株式会社を分離し商号を日立運輸株式会社に変更、1985年7月に商号を現在の株式会社日立物流に変更しております。
当社は、経営理念である「広く未来をみつめ 人と自然を大切にし 良質なサービスを通じて豊かな社会づくりに貢献します」の下、高度化・多様化・広範化しているグローバルサプライチェーンにおいて、お客様・株主・従業員などあらゆるステークホルダーから、最も選ばれるソリューションプロバイダとなることを経営ビジョンとして掲げ、様々な『協創』を通じた課題の解決と『価値』の創出に取り組み、持続的な成長を実現していくことをめざしております。
こうした中、当社が2022年4月28日付で公表した、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画『LOGISTEED 2024』(注1)では、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響の長期化や地政学的リスクの顕在化等、不安定な世界情勢の下、長期的にめざす姿である経営ビジョンや当社のマテリアリティ(重要課題)を踏まえ、「脱炭素・循環型社会への貢献」、「強靭で持続可能な物流サービスの構築と進化」及び「DX(デジタル・トランスフォーメーション)による新たな価値の創出」を注力すべき分野としてとらえ、『LOGISTEED 2024』でめざすべき「アジア圏での3PLリーディングカンパニー」に向けて、「DX・LT(Logistics Technology)・現場力でグローバルサプライチェーン戦略パートナーへ」をスローガンに、「海外事業の強化・拡大」、「新たな付加価値による事業領域の拡張(LOGISTEEDの加速)」、「スマートロジスティクス(注2)の進化」及び「ESG経営(注3)の基盤強化」に取り組む予定です。
(注1) 「LOGISTEED」とは、LOGISTICSと、Exceed、Proceed、Succeed、そしてSpeedを融合した言葉であり、ロジスティクスを超えてビジネスを新しい領域に導いていく意思が込められています。
(注2) 「スマートロジスティクス」とは、お客様の多様な物流ニーズにワンストップでお応えし、ロジスティクスのスマート化を実現するソリューションを意味します。
(注3) 「ESG経営」とは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向け、環境・社会・ガバナンスと企業倫理を意識した行動を意味します。
これらのうち、まず、「海外事業の強化・拡大」においては、市場成長のキャッチアップと地域戦略をベースにした海外事業の拡大施策を進めていくことをめざしております。
具体的には、北米ではシェアードミルクラン(注4)・幹線輸送ビジネスの拡大と工場向け一気通貫ロジスティクスの提供を、欧州ではインターモーダル(注5)事業の広域化や欧州成長エリア・市場での事業拡大を、中国では自動化・省人化による安全・品質・生産性の更なる向上と高付加価値物流サービスの強化を、そしてアジアでは、インド・タイ・インドネシア・マレーシア他での投資・事業拡大、コールドチェーンの展開、地域・域内ネットワークの強化を進めていくことをめざしております。
(注4) 「ミルクラン」とは、1台のトラックで複数サプライヤーの拠点を巡回して生産部品等の集荷を行い、生産工場に一括納品する輸送方式を意味します。
(注5) 「インターモーダル」とは、トラック・船・鉄道等の異なる輸送モード(輸送機関)を複数組み合わせた複合一貫輸送を意味します。幹線輸送部分に鉄道や船を組み入れることで環境負荷の低減が期待できます。
そして、「新たな付加価値による事業領域の拡張(LOGISTEEDの加速)」では、サプライチェーンの課題解決に貢献するSCDOS(Supply Chain Design & Optimization Services)(注6)の展開や、製造と物流の境界領域における新サービスを拡大し、顧客へのVAS(Value Added Services)(注7)展開を進めていくことをめざしております。また、「スマートロジスティクスの進化」においては、システムと機械が連動した自動化・省力化、DXによる労働環境の向上を図るとともに、三温度帯倉庫(注8)や危険物倉庫などの倉庫機能の強化・充実化につとめ、またSSCV(輸送デジタルプラットフォーム)(注9)の活用によって輸送事業の強靭化とドライバー不足(2024年問題(注10))や脱炭素化へ対応していくことをめざしております。
(注6) 「SCDOS(Supply Chain Design & Optimization Services)」とは、お客様のサプライチェーン上の多様なデータを一元管理・可視化し、課題解決や戦略立案をサポートするサービスを意味します。
(注7) 「VAS(Value Added Services)」とは、顧客への調達支援や製造支援を含む高付加価値サービスを意味します。
(注8) 「三温度帯倉庫」とは、常温・冷蔵・冷凍機能を備えた倉庫を意味します。
(注9) 「SSCV」とは、「Smart & Safety Connected Vehicle」の略であり、「持続可能な輸送サービス」と「事故ゼロ社会の実現」をめざして開発・提供する輸送デジタルプラットフォームであり、「SSCV-Safety」(安全運行管理)、「SSCV-Smart」(受発注管理、配車管理、運行管理)及び「SSCV-Vehicle」(車両管理の最適化、故障予兆・予防整備)の3つのソリューションで構成されております。
(注10) 「2024年問題」とは、働き方改革関連法によって2024年4月に自動車運転業務に対して、時間外労働時間の年間960時間の上限規制が適用されることに伴い、発生するドライバー不足を含む諸問題を意味します。
これらの事業における諸施策の遂行と、諸施策の遂行の基盤となる「ESG経営の基盤強化」は企業価値向上への両輪であり、「ESG経営の基盤強化」のために、脱炭素活動を含めた環境施策の推進や各種災害対策などのリスクマネジメント、高度かつ持続的な安全・品質活動を通じ、社会・経済・環境価値を創出してまいります。
一方で、本書提出日時点において、当社グループは、当社、当社の連結子会社77社及び持分法適用関連会社15社(以下「当社グループ」といいます。)で構成されるところ、当社グループの属する物流業界の事業環境においては、日本国内の少子高齢化を背景とした労働力不足や新型コロナウイルス感染症拡大・地政学的リスクの顕在化・他業種からの物流事業への参入による競争激化等の直面する環境変化に対し、グローバルサプライチェーンの維持・強靭化の対応のため、さらにはIoT(注11)・AI(人工知能)(注12)・ロボティクス(注13)・DX(デジタル・トランスフォーメーション)によるイノベーションで課題解決を図り、持続可能な社会の実現に取り組んでいくことが求められております。
(注11) 「IoT」とは、モノのインターネット(Internet of Things)の略称であり、身の回りのものがインターネットにつながる仕組みのことを意味します。
(注12) 「AI」とは、人工知能(Artificial Intelligence)の略称です。
(注13) 「ロボティクス」とは、ロボットの設計・製作・制御を行う「ロボット工学」を意味します。
上記のような状況を踏まえ、当社は、当社のめざす姿を早期に実現するためには、意思決定のスピードアップのみならず、機動的な事業投資を実行せしめる投資資金の獲得、外部知見の導入といった、当社の企業競争力を高める組織的な能力を補完するパートナーとの協創が必要であり、そのためには、現在の資本構成に制限されない迅速な経営と改革を進めることが必要であると判断し、様々な検討を行ってまいりました。
その中でも、当社は、これまでも、複数の事業会社や投資ファンドとの間で、資本取引の可能性を含めた当社の成長戦略についての協議を重ねてきており、かかる協議の一環として、特にKKRとの間では、過去約5年にわたり、事業成長の加速や将来の成長に向けた競争優位性について、当社による事業パートナーとのM&Aの可能性に関する検討等も含め継続的に議論を重ねてきました。その結果、当社は、「SCM(注14)全体最適化に向けた高付加価値ソリューション」、「DX推進による顧客利便性の向上と効率化」、「海外向けの一貫したバリューチェーンの強化」、「投資先行型案件への取り組み強化」、「戦略的M&Aの推進」及び「協創パートナーとの連携を通じたプラットフォーマーとしての地位強化」といった当社の経営課題に対する方向性についても共有しているKKRとの間で将来にわたり企業価値向上を推進するパートナーとしての信頼関係を構築していると考えております。
当社としては、KKRは、(ⅰ)経営コンサルティング又は事業会社での実務経験を有するプロフェッショナルで構成され、投資先企業に対して「現場でのハンズオン支援」を提供するKKRキャップストーンや、資金調達を専門とするKKRキャピタルマーケッツ等、投資先企業の事業改善に向けた戦略策定及び実行支援や、中長期的成長に資する資本政策の推進を支援する潤沢なリソースを有しており、(ⅱ)カーブアウト案件、投資先企業の追加買収・PMI支援、及び事業会社の共同出資パートナーへの招聘・協働における豊富な実績を有しており、(ⅲ)さらに近年では、DXの推進をテーマとした西友及び弥生への投資や、国内最大級の不動産運用会社であるMC-UBSRの買収等、当社経営課題と関連性の高い分野での投資実績も重ねていると考えております。
これら及び下記「(ⅱ) 公開買付者と当社及び日立製作所との協議、公開買付者による意思決定の過程等」に記載する本入札プロセス(以下に定義します。)を踏まえ、当社は、2022年3月28日に、当社のLOGISTEED戦略を実現するためには、当社及び当社事業への理解、中長期的な企業価値向上を支援する知見とリソース及び日本市場への強いコミットメントと豊富な実績を有するKKRとのパートナーシップにより、現在の資本構成に制限されることなく非上場化の上で、ともに上記改革を進めることが最適と判断しました。
(注14) 「SCM」とは、「Supply Chain Management」の略であり、原材料の調達から商品が消費者へ渡るまでの生産・流通プロセスについて全体の効率化を図る経営管理のことをいいます。
(ⅱ) 公開買付者と当社及び日立製作所との協議、公開買付者による意思決定の過程等
上記「(ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等」に記載の経営環境の下において、当社は、日立製作所より、2021年1月下旬、本売却予定株式を速やかに売却したい旨の意向を受け、また、当社は、日立製作所より、同年3月上旬、本売却予定株式の売却を前提とした資本取引に関する協議開始の打診を受けたことを踏まえ、当社は、日立製作所との間で当社の株主を日立製作所以外の第三者のみとし、当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引(以下、当該取引又は当該取引の検討の過程における本売却予定株式の売却を前提とした資本取引(当社株式を非公開化することを目的とする取引に限られません。)を「本資本取引」といいます。)の進め方について、同年3月上旬から本格的な協議を開始しました。なお、当該3月上旬の協議において、日立製作所からは、本資本取引について、①当社の成長戦略に資すること、②当社の全株主に対して株式の売却の機会が付与されること、③少なくとも時価以上の株価で売却の機会が提供されることという3つの条件が示され、当該条件を充足するという観点から公開買付けによって、本資本取引を実施することについて検討することを確認いたしました。
その後、当社及び日立製作所は、事業会社や複数の投資ファンドを含めた潜在的な売却先5社との間で同年3月上旬から同年4月下旬にかけて協議を重ね、同年4月下旬から5月上旬にかけて、事業会社や複数の投資ファンドを含めた潜在的な売却先5社のうちKKRを含めた投資ファンド3社から本資本取引に関する買収価格が含まれない初期的な提案を受領いたしました。
当社は、同年5月上旬、UBS証券株式会社(以下「UBS証券」といいます。)を本資本取引に係る財務アドバイザー及び第三者評価機関に選任し、本資本取引に関する上記の初期的な提案を比較検討の上、当社の更なる企業価値向上、及び、日立製作所を含む当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式の取得に関心を示すと考えられる複数の候補先を対象とする入札手続を実施した上で、買手を決定することが望ましいと同年5月中旬に判断いたしました。なお、当該時点において、当社及び特別委員会は、本資本取引に関する上記の初期的な提案の検討を行うとともに、別途、当該入札手続において、当社の上場維持を前提とした当社の発行済株式の一部の取得を実現する取引スキーム(以下「上場維持スキーム」といいます。)と、当社の非上場化を前提とした当社の発行済株式の全部の取得を実現する取引スキーム(以下「非上場化スキーム」といいます。)のいずれの提案を求めるかについても検討を行いました。具体的には、投資ファンドを候補先として非上場化スキームにより本資本取引を実施した場合、レバレッジにより投資リターンを上げることが可能なLBOローンの利用が想定され、当社の有利子負債が増加すること、また、当社が非上場化することにより、当社が上場会社として享受していた社会的信用や知名度の維持・向上等のメリットが享受できなくなることにより取引先等との関係に影響が生じ得ること等について慎重に検討を行いました。当該検討の結果、当社及び特別委員会は、非上場化した場合、LBOローンに伴う負債の増加により投資に制約がかかり、安定的で強靱な競争力あるサプライチェーンの維持が困難になる可能性があること、日立グループから離脱する中で、既存顧客からの信用を確保し、良好な関係の維持するためには上場会社であることが重要であること、既存又は新規の当社の事業と親和性のある事業を営む事業者(以下「協創パートナー」といいます。)との協創関係の維持・強化の観点からは独立した上場会社であることが重要であることから、当社の事業運営や成長戦略の実行の観点からは、LBOローンを利用した非上場化スキームではなく、上場維持スキームによって本資本取引を行うことが当社の中長期的な企業価値の向上にとって望ましいと、同年5月中旬に考えました。
当社は、同年5月下旬以降、競争環境を醸成しつつ、具体的な買収価格を提示させることを企図し、上記初期的な提案を受領したKKRを含む投資ファンド3社に本資本取引に関する入札プロセスに参加することを打診し、上場維持スキームを前提とした本資本取引に関する提案を求める第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を開始いたしました。なお、その後、同年6月上旬に、追加で投資ファンド1社を本第一次入札プロセスに招集いたしました(当該候補先を含む投資ファンド4社を、以下「本第一次候補先」といいます。)。本第一次入札プロセスの開始後、本第一次候補先は、当社の事業・財務に関する初期的なデュー・ディリジェンスや当社経営陣との面談等を実施いたしました。そして、同年7月上旬に、当社は本第一次候補先より提案書を受領し、当該提案書の内容について株式価値評価額、取引のスキーム、資金調達力・資金調達の前提条件、成長戦略を含む本資本取引実施後の経営戦略及びその支援体制、従業員の処遇及びガバナンス体制等の経営方針等の諸条件、並びに少数株主の利益の最大化などの観点から慎重に比較検討を行うとともに、日立製作所との間でも同年7月上旬から同年8月中旬までの間に複数回にわたって協議を行いました。さらには、当該協議と並行して、同年7月上旬に、当社との間での事業面での協業を検討していた事業会社1社から、事業上の協業の打診があったことから、当社より当該事業会社に対して本第一次入札プロセスへの参加を提案し、当該事業会社との間でも協議を開始しました。そして、当該事業会社からは、同年7月下旬に初期的な意向表明書を受領いたしました。
もっとも、同年8月中旬、日立製作所から当社に対し、非上場化スキームも含めた全ての選択肢に基づく提案を求め、それらを真摯に評価した上で、当社の企業価値向上及び株主利益の最大化の観点から最適な提案を、日立製作所が当社と協議の上で選択したいとの意向が示されました。当社としては、上記のとおり、上場維持スキームにより本資本取引を行うことが当社の企業価値の向上に資するとの認識を有していたものの、株主価値の最大化の観点及び売主である日立製作所の意向に鑑みて、同年10月中旬、日立製作所との協議を経て、日立製作所主導で、当社の非公開化の提案も含めた再一次入札プロセス(以下「本再一次入札プロセス」といいます。)を開始することに同意いたしました。なお、本再一次入札プロセスにおいては、当社との事業上のシナジーが見込め、LBOローンを利用せず当社の全株式の取得が可能な事業会社も対象に含めることとし、また、上場維持を前提とした提案と非上場化を前提とした提案を比較検討する観点から、当該プロセスに参加する候補先に対しては、同年10月中旬、本第一次候補先及び初期的な意向表明書を提示した事業会社1社(以下「本再一次候補先」と総称します。)に対して、本再一次入札プロセスのプロセスレターを送付し、上場維持スキームと非上場化スキームの両方の提案を求めました。
そして、当社及び日立製作所は、同年11月初旬から中旬にかけて、全ての本再一次候補先より本再一次入札プロセスに関する提案を受けました。当該提案につき、当社は、本第一次入札プロセスと同様の観点から慎重に比較検討を行うとともに、日立製作所との間でも同年11月初旬から同年12月中旬までの間に複数回にわたって協議を行いました。当該協議に基づき、当社は、本再一次候補先による本再一次入札プロセスに関する提案の内容について、以下のとおり理解しました。
① 買収価格については、非上場化スキームにおいてLBOローンを利用したスキームとLBOローンを利用していないスキームの価格差を付けない提案もあったものの、LBOローンを利用したスキームが非LBOローンの価格を上回る提案も存在したこと
② 非上場化スキームの方が上場維持スキームよりも高い買収価格を全ての本再一次候補先が提案したこと
③ 本資本取引の成立の見込みを高める観点から、より高い買収価格の提案が見込まれるスキームを選択する必要があること
④ 当社の事業運営への影響については、当社グループの属する物流業界においては、外資系ファンドの傘下になることについて、一定の抵抗感を取引先等に持たれる可能性が想定されたところ、買収SPCに国内事業パートナーが参加する場合には、既存顧客からの信用の確保及び良好な関係の維持、並びに既存又は新規の協創パートナーとの協創関係の維持・強化が期待できることから、事業運営や成長戦略の実行に及ぼす影響が限定的である可能性があり、非上場化スキームを採用した場合でも当社の企業価値の向上に資する取引が可能であると考えられたこと
⑤ LBOローンを利用した場合、当社に一定の財務制限条項等に基づく財務負担が生じることが予定されていることから、本資本取引に伴い生じる当社の財務負担はLBOローンを利用した非上場化スキームの方が、LBOローンを利用しない非上場化スキームよりも大きいこと
その結果、本再一次入札プロセス後のプロセスにおいては、上記①乃至③を踏まえて非上場化スキームのみの提案を求めつつ、上記④及び⑤を踏まえて、本資本取引に伴う当社の財務負担や非上場化による事業上の影響、買収資金の調達に伴い生じる当社への影響、当社とのシナジーが見込める事業会社との共同出資構想についても提案を求めることが、同年12月中旬に確認されました。
上記の協議及び検討を踏まえて、同年12月中旬、本資本取引についての最終的な候補先を決定するための当社及び日立製作所の共同の第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といい、本第一次入札プロセス及び本再一次入札プロセスと併せて、以下「本入札プロセス」と総称します。)への参加を認める、本再一次入札プロセスにおいて一定の具体性を伴った提案を行ったKKRを含む5社の候補者(以下「本第二次候補先」といいます。)を選定し、2022年1月初旬、本第二次入札プロセスを開始いたしました。本第二次候補先は、本第二次入札プロセスにおいて、同年1月中旬から同年2月下旬まで、当社の事業・財務・法務等に関する本格的なデュー・ディリジェンスや当社経営陣との面談等を通じて、当社株式の取得に係る更なる分析と検討を進め、同年3月1日、当社及び日立製作所は、本第二次候補先の全ての候補先から最終提案書の提出を受けました。
なお、本第二次入札プロセスと並行して、同年2月中旬、日立製作所から、当社に対して、当社及び日立製作所との間で推進している価値創造プロジェクトなどについて、引き続きシームレスに連携し、取り組みを継続していく観点から、本資本取引後も当社との間の資本関係を一定程度維持したい旨の意向が示されました。このため、上記プロセスと並行して、日立製作所が本資本取引後の当社の株主に対し再出資するスキーム(以下「本再出資スキーム」といいます。)に関する資本業務提携契約及び当社の連結子会社で日立製作所が25%出資する日立物流ソフトウェア株式会社の運営等に関する株主間契約の契約条件について、同年3月上旬まで当社及び日立製作所の間で協議を重ねました。
その後、当社は、当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律務事務所及び当社の財務アドバイザーであるUBS証券からの助言等を踏まえて、また、特別委員会の意見も踏まえた上で、本第二次候補先から受領した最終提案書を株式価値評価額、公開買付価格、資金調達力・資金調達の前提条件、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点において総合的に検討した結果、KKRの提案が、本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、資金調達力・資金調達の前提条件が本第二次候補先から提示された資金調達の前提条件との比較において有利なものであったこと、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制の提案内容が本第二次候補先との比較において優位なものであると判断したこと、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続においてより具体的な対応策を示すことにより本資本取引実行の確実性の面において優位なものであったことから、日立製作所とも協議の上、2022年3月上旬に、本再出資スキームの実施の可能性についてKKRと協議を始めました。
一方で、KKRは、当社との間で、過去約5年にわたり、資本取引の可能性を含めた当社の成長戦略についての協議の一環として、事業成長の加速や将来の成長に向けた競争優位性について、当社による事業パートナーとのM&Aの可能性に関する検討等も含め継続的に議論を重ねてきたとのことです。2021年4月下旬、当社に対して、本売却予定株式の売却を含む当社の株主構成の変更及び企業価値向上に向けた資本業務提携を含むパートナーシップに関する初期的な協議を当社との間で複数回にわたり行い、同年5月上旬、当社に対して当社株式の買収に関する買収価格が含まれない初期的な提案を行ったところ、同年5月下旬に、当社より、当社の財務アドバイザーであるUBS証券を通じて、本第一次入札プロセスへの参加打診を受け、本第一次入札プロセスに参加し、同年7月初旬、当社の事業計画及び概要説明資料をもとに、財務モデルを作成し、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出し、2021年7月1日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2021年6月2日から2021年7月1日まで)、直近3ヶ月(2021年4月2日から2021年7月1日まで)及び直近6ヶ月(2021年1月4日から2021年7月1日まで)の終値の単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、単純平均値の計算において同じとします。)(4,530円、4,133円、3,697円及び3,541円。)に対していずれもプレミアム(21.41%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、33.08%、48.77%及び55.32%。)が付与されていることを確認の上、上場維持を前提に公開買付価格を5,500円とする提案を行ったとのことです。その後、同年10月下旬、KKRは、日立製作所より、日立製作所の財務アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を通じて、本再一次入札プロセスに係るプロセスレターを受領するとともに本再一次入札プロセスへの参加打診を受け、本再一次入札プロセスに参加し、同年11月初旬に、本再一次入札プロセスに係る提案書において、当社及び日立製作所に対し、本第一次入札プロセスと同様の分析を実施し、2021年11月4日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2021年10月5日から2021年11月4日まで)、直近3ヶ月(2021年8月5日から2021年11月4日まで)及び直近6ヶ月(2021年5月5日から2021年11月4日まで)の終値の単純平均値(4,600円、4,708円、4,699円及び4,363円。)に対していずれもプレミアム(19.57%、16.82%、17.05%及び26.06%。)が付与されていることを確認の上、上場維持を前提に本第一次入札プロセスと同額の公開買付価格を5,500円とする提案、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、当社が本自己株式取得を実施するスキームの提案、並びに当社の事業計画及び概要説明資料をもとに非公開化を前提として財務モデルを作成し、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出した上で、2021年11月4日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2021年10月5日から2021年11月4日まで)、直近3ヶ月(2021年8月5日から2021年11月4日まで)及び直近6ヶ月(2021年5月5日から2021年11月4日まで)の終値の単純平均値(4,600円、4,708円、4,699円及び4,363円。)に対していずれもプレミアム(48.63%、45.22%、45.50%及び56.70%。)が付与されていることを確認の上、非公開化を前提として公開買付価格を6,837円とし、本自己株式取得における自己株式取得の対価(株式併合前1株当たり。以下「当社自己株式取得価格」といいます。)を4,744円とする提案をしたとのことです。なお、日立製作所において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、当社自己株式取得価格を仮に日立製作所が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額として設定しているとのことです。その後、KKRは、本再一次入札プロセスを通過したことから、2022年1月上旬から実施された本第二次入札プロセスに参加し、同年1月上旬から同年2月下旬にかけて、当社の事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス、当社の経営陣との面談等を実施し、当社株式の取得について、分析、検討を進めたとのことです。そして、KKRとしては、本第二次入札プロセスにおいて2022年1月上旬から同年2月下旬にかけて実施した当社に対するデュー・ディリジェンスを経て、大きな成長余地を有するとKKRが考える当社と、潤沢な人的・資本的リソース及びグローバル・ネットワークを有すると考えているKKRとのパートナーシップを通じ、当社が、「グローバル・サプライチェーン・ソリューションプロバイダー」として、高付加価値化及び事業成長の推進を加速させることができ、当社とその株主の皆様、経営陣及び従業員の皆様、その他ステークホルダーの利益をともに最大化することが可能であるとの考えに2022年3月1日に至ったとのことです。そこで、KKRは、同日に、2022年1月上旬から2月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等に基づき、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析の上、当該分析を反映した財務モデルの作成を再度行い、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出し、さらに、当社と事業内容、事業規模、収益の状況等において比較的類似する複数の上場会社の市場株価と収益性等を示す財務指標等との比較を通じて当社株式の株式価値を分析し、当社及び日立製作所が非上場化スキームのみの提案を求めたことも踏まえ、当社及び日立製作所に対し、2021年11月初旬の提案価格から増額を行い、非公開化を前提として公開買付価格を8,355円、当社自己株式取得価格を6,217円とする最終提案を提示したとのことです。
また、KKRは、本再出資スキームの実施の可能性について当社及び日立製作所と協議及び検討した結果、日立製作所と当社が協創活動として取り組む、WMS(注)、SCDOS、SSCVをはじめとする物流デジタルソリューションの重要性を強く認識する中、本再出資スキームにより期待されるDX分野における共同開発等のシナジー効果が当社の事業成長及び企業価値向上に資すると判断するとともに、日立製作所及びKKRの協議により、当社と日立製作所の間で現在も取り組むDX分野における共同開発等を推進する観点で望ましく、日立製作所が当社の経営に一定の関与を残すことが可能な議決権構成が10%であるとの判断のもと、当社及び日立製作所に対し、同年3月8日に、本スクイーズ・アウト手続後に日立製作所を割当先とする公開買付者親会社による第三者割当増資を行うこと等を含む内容とする変更後の最終提案書を提出したとのことです。なお、KKRファンドと日立製作所の株主の立場を一致する観点で公開買付者親会社に出資するとともに、現金の移動を極力抑え資金フローを効率化する観点で、第三者割当増資は現物出資としているとのことです。
(注) 「WMS」とは、「Warehouse Management System」の略称であり、倉庫などの商品や各種資材の入出庫や在庫管理などの機能を持つ物流センター管理システムのことを意味します。
その後、KKR、当社及び日立製作所は、当該変更後の最終提案書提出以降、繰り返し、提案内容や公開買付価格及び当社自己株式取得価格に関する継続的な協議・交渉を重ねた結果、同年3月28日、当社及び日立製作所が、KKRに対し、公開買付価格及び当社自己株式取得価格が当社及び日立製作所の求める水準を満たすものではないとの理由で、公開買付価格及び当社自己株式取得価格の引き上げを要請したことから、当社及び日立製作所は、同日、KKRより、公開買付価格を8,464円へ、当社自己株式取得価格を6,298円へ引き上げること等を内容とする追加変更後の最終提案書の提出を再度受けました。当社は、提案条件に関するKKRとの協議交渉と並行して、株式価値評価額、公開買付価格、資金調達力・資金調達の前提条件、本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点において、各最終提案書を総合的に検討した結果、同年3月28日、日立製作所とも協議の上、本第二次候補先の中から、上記の観点から最終提案内容が最も優れていたKKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討(最終的な公開買付価格に関する交渉を含みます。)を開始いたしました。
その後、KKR、当社及び日立製作所は提案内容に関する継続的な協議・交渉を重ねる中で、同年4月14日、引き続き公開買付価格及び当社自己株式取得価格が当社及び日立製作所の求める水準を満たすものではないとの理由で、当社及び日立製作所より公開買付価格及び当社自己株式取得価格の引き上げを要請したことから、その後も改めて公開買付価格及び当社自己株式取得価格に関する継続的な協議・交渉を重ねた結果、KKRは、同年4月18日に、当該最終提案における買付価格として、公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とする修正提案を提出したところ、同日、当社及び日立製作所より最終候補者として選定する旨の連絡を行いました。また、当該修正提案を提出した後、同年4月21日に本取引に関する一部報道機関による憶測報道等がなされ、当社の市場株価の変動が生じましたが、当該憶測報道が当社の事業及び財務の状況に影響を与えるものではないため、本公開買付価格及び当社自己株式取得価格の見直しは必要ないとKKRは判断するとともに、KKR、当社及び日立製作所にて本取引の実施に向けた継続的な協議・交渉を重ねた結果、2022年4月28日に、本公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とすることでKKR、当社及び日立製作所との間で合意に至ったことから、公開買付者は、日立製作所との間で本基本契約を締結することを決定し、日立製作所との間で本基本契約を締結するとともに、同日、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
そして、公開買付者は、当社に対し、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に行いました。そして、公開買付者は、ロシア当局からの承認の取得という条件を除く本公開買付前提条件について、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、いずれも充足されたことを確認したことから、2022年9月29日付公開買付者訂正プレスリリースの予定どおりの時期に本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、2022年10月27日、本公開買付けを2022年10月28日より開始することとしたとのことです。
(ⅲ) 本公開買付け後の経営方針
本取引後は、KKRは、当社の役職員とともに、今まで当社が築き上げてきた確固たる事業基盤を活かしつつ、KKRが有するグローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)・インオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略の推進を通じて、当社の更なる事業成長及び企業価値の向上をめざしていくとのことです。また、当社の事業成長及び企業価値の向上に資するシナジー効果が期待できる事業会社を共同出資パートナーとして招聘することについても、継続的に検討・協議していくとのことです。その上で、KKRは、本取引を通じて当社の事業成長及び企業価値の向上が実現した後は、当社株式の再上場を行うことを基本方針としているとのことです。なお、KKRは、本取引後、当社のコーポレートローン・ストラクチャーを維持することを基本方針としており、財務コベナンツ・担保、保証等の負担を伴ういわゆるLBOローンへの切替えは想定しておらず、また、公開買付者と当社との合併は想定していないとのことです。さらに、本取引後の負債・資本の再構成については、資本効率を高める観点から、借入返済が一定程度進んだ段階において、一定の水準で実施することを検討しているとのことですが、その場合であっても、再上場に差し支えのない範囲で実施する想定であるとのことです。
公開買付者は、現時点においては、本取引後に、経営の効率化を図るために、指名委員会等設置会社から監査役会設置会社に移行すること、KKRが指名する当社の取締役(3名又は4名)及び監査役(1名又は2名)を選任することを予定しておりますが、その具体的な候補者等については、未定とのことです。また、公開買付者は、本資本業務提携契約に基づいて、本取引後に、日立製作所が指名する当社の取締役1名を選任することを予定しておりますが、その具体的な候補者等については未定とのことです。本資本業務提携契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本資本業務提携契約」をご参照ください。
なお、公開買付者は、当社の役職員に対してストックオプション等のインセンティブ・プランの導入を予定しており、公開買付者及び当社の役職員が一丸となって、当社の長期的な企業価値の向上を図る体制を構築する予定とのことです。なお、具体的な導入時期は未定とのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、2021年5月下旬より、本第一次入札プロセス、本再一次入札プロセス及び本第二次入札プロセスで構成される本入札プロセスを開始し、複数の候補者を対象とするデュー・ディリジェンス及び各候補者との協議を含む入札手続を経て、各候補者の提案内容を総合的に検討した結果、2022年3月28日、日立製作所とも協議の上、各候補者の中で最終提案内容が最も優れていたKKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討(最終的な公開買付価格に関する交渉を含みます。)を開始しました。
なお、当社は、2022年4月15日付で「物流センターにおける火災に伴うその他の費用(火災損失)の計上および、2022年3月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を公表し連結業績予想の修正を行っておりますが、当該修正は、2021年11月29日に当社のグループ会社である株式会社日立物流西日本の物流センターにて発生した火災を理由とするものであり、本資本取引とは無関係に行われたものです。
当社は、本資本取引は、最終的に買手として選定されるいずれかの候補先と当社の議決権の約40%を有する筆頭株主である日立製作所が本公開買付けの実施を含む最終契約を締結する予定であり、日立製作所と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本資本取引及び本入札プロセスにおける候補者選定過程に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、本資本取引の是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性、買付者(パートナー)の選定プロセスを含む手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、本資本取引の検討開始直後の2021年4月27日に特別委員会を設置し、本資本取引における手続の公正性・妥当性等について諮問しております(委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」をご参照ください。)。これに加えて、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の各措置を講じた上で、財務アドバイザーであるUBS証券から取得した株式価値算定書の内容、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、特別委員会から2022年4月28日に提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本資本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本資本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
すなわち、当社は、株式価値評価額、取引のスキーム、契約条項、資金調達力・資金調達の前提条件、バリューアップ施策を含む本資本取引実施後の経営戦略及びその支援体制、従業員の処遇及びガバナンス体制等の経営方針等の諸条件、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続の要否及び当該手続の必要期間の短さ等の観点、並びに少数株主の皆様の利益の最大化の観点から、本第二次候補先から受領した最終提案書を総合的に検討した結果、KKRによる提案が最善であり、KKRとともに本資本取引を進めることが、今後の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。より具体的には、KKRの提示した株式価値評価額及び公開買付価格が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、KKRによる提案は負債性資本の調達において当社の保証や担保に依存するLBOローンが想定されておらず、資金調達力・資金調達の前提条件が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された資金調達の前提条件との比較において有利なものであったこと、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制の提案内容が、過去の実績、リソース等によって裏付けられており、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先の提案内容との比較において優位なものであると判断したこと、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続において当該手続が必要となる国・地域及び届出準備のための期間等を踏まえたより具体的な対応策を示すことにより本資本取引実行の確実性の面において優位なものであったことから、KKRが提示した提案が、当社の株主の皆様にとって最善のものであると判断し、2022年3月28日、日立製作所とも協議の上、KKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討を開始しました。その後、当社及び日立製作所は、KKRとの間で、提案内容に関する継続的な協議・交渉を重ねる中で、同年4月14日、当社及び日立製作所は、KKRに対し、引き続き公開買付価格及び当社自己株式取得価格が当社及び日立製作所の求める水準を満たすものではないとの理由で、公開買付価格及び当社自己株式取得価格の引き上げを要請したことから、その後も改めて公開買付価格及び当社自己株式取得価格に関する継続的な協議・交渉を重ねた結果、同年4月18日に、KKRより、公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とする修正提案を受け、同日、当社及び日立製作所は、KKRに対し、最終候補者として選定する旨の連絡を行いました。その後、KKR、当社及び日立製作所にて本取引の実施に向けた継続的な協議・交渉を重ねた結果、同年4月28日に、公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とすることでKKR、当社及び日立製作所との間で合意に至りました。
また、本公開買付価格について、(a)上記のとおり、KKRの提示した株式価値評価額及び公開買付価格が、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、(b)下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得」に記載のUBS証券による当社株式の価値の算定結果のうち、本公開買付価格及びKKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値(注1)は、市場株価平均法(基準日1(以下に定義します。))、類似企業比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の上限を上回っており、また、本公開買付価格は市場株価平均法(基準日2(以下に定義します。))による算定結果の上限を上回り、KKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値は市場株価平均法(基準日2)による算定結果のレンジの上限に近接した数値であること、(c)当社株価変動のきっかけとなった当社による本第一次入札プロセスの開始に関する一部報道機関による憶測報道等(2021年6月16日の立会時間終了後)がなされる直前の2021年6月16日の東京証券取引所における当社株式の終値3,915円に対して127.66%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値3,575円に対して149.31%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値3,545円に対して151.42%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,408円に対して161.53%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、かつ、本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日の東京証券取引所における当社株式の終値8,270円に対して7.78%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値6,877円に対して29.61%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値6,341円に対して40.56%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値5,681円に対して56.89%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、本資本取引に関する複数回の憶測報道により本資本取引に関する期待値等の影響を相当程度受けたものであるという見方も不合理ではない状況においても一定のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること、(d)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられており、少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
以上より、当社は、2022年4月28日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが実施された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の特別委員会に対して、特別委員会が2022年4月28日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。
その後、2022年9月15日に開催された第21回特別委員会において、当社は、公開買付者における競争法及び対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応の進捗状況等(ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出が新たに必要となったことを含みます。)を各委員に対して共有し、UBS証券は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨を各委員に対して説明いたしました。また、当社は、2022年10月20日に開催された第22回特別委員会において、公開買付者におけるロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出の進捗状況等を各委員に対して共有いたしました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受けたため、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、同日、当社の特別委員会に対して、本答申書の意見の内容に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問しました。特別委員会は、当社に対して、2022年4月28日以降、本資本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い当該諮問事項について慎重に検討した結果、2022年4月28日以降、2022年10月26日までの事情を勘案しても、本答申書の答申の内容について、いずれも変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2022年10月26日付で、当社の取締役会に対して、本答申書における意見に変更がない旨の追加答申書(以下「追加答申書」といいます。)を提出しました。当社は、特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、2022年10月27日現在においても、本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したことから、2022年10月27日開催の取締役会において、改めて本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当社の両取締役会決議の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。
(注1) 当社株主の1株当たりの価値の計算で用いる株式数は、当社が2022年4月28日に公表した「2022年3月期 決算短信[IFRS](連結)」(以下「当社2022年3月期決算短信」といいます。)に記載された2022年3月31日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式184,700株を除きます。)(228,530株)を控除した株式数(83,873,184株)です。
(3) 算定に関する事項
① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得
(ⅰ) 第三者評価機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、日立製作所及び当社から独立した当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関であるUBS証券に対し、当社株式の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、2022年4月28日付で、下記(ⅱ)(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得しました。
当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日開催の取締役会から2022年10月27日時点までの状況及び本分離措置の可能性を考慮しても、本株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等は不要であると判断しております。
UBS証券は、公開買付者、日立製作所及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本資本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、UBS証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、本資本取引に係るUBS証券の報酬は、本資本取引の完了を条件に支払われる成功報酬及び本資本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬とされております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本資本取引が成立した場合又は不成立となった場合に当社が負担することとなる報酬の条件等も勘案の上、上記の報酬体系によりUBS証券を当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関として選任いたしました。
(ⅱ) 算定の概要
UBS証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似企業比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、下記(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下に当社の株式価値分析を行っております。
UBS証券によれば、上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たり株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。UBS証券による本株式価値算定書作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項については、下記(注1)をご参照ください。
市場株価平均法(基準日1): 3,408円~3,915円
市場株価平均法(基準日2): 5,681円~8,270円
類似企業比較法: 2,796円~5,093円
DCF法: 3,618円~6,407円
市場株価平均法では、①当社による本第一次入札プロセスの開始に関する一部報道機関による憶測報道等(2021年6月16日の立会時間終了後)による株価への影響を排除するため、かかる報道がなされる前の取引である2021年6月16日を基準日(以下「基準日1」といいます。)として、東京証券取引所における当社株式の基準日1の終値3,915円、基準日1までの過去1ヶ月の終値の単純平均値3,575円、同過去3ヶ月の終値の単純平均値3,545円、同過去6ヶ月の終値の単純平均値3,408円を基に、当社株式の1株当たりの価値(注2)の範囲を3,408円から3,915円まで、②本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日を基準日(以下「基準日2」といいます。)として、東京証券取引所における当社株式の終値8,270円、過去1ヶ月の終値の単純平均値6,877円、同過去3ヶ月の終値の単純平均値6,341円、同過去6ヶ月の終値の単純平均値5,681円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を5,681円から8,270円までと算定しております。
類似企業比較法では、当社と比較的類似性があると判断される事業を営む上場企業の市場株価及び収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,796円から5,093円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2023年3月期から2027年3月期までの5期分の連結ベースの事業計画(以下「本連結財務予測」といいます。)、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の収益予想に基づき、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値及び株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を3,618円から6,407円までと算定しております。
特別委員会は、UBS証券がDCF法による分析の前提とした、本連結財務予測の策定にあたり設定された前提条件及びそれに基づく数値等について、当社より説明を受けた上で質疑応答を行いましたが、特段不合理な点は認められませんでした。また、上記DCF法の基礎とした本連結財務予測については、2023年3月期において、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比で約80%の大幅な増益を見込んでおります。具体的には、2021年11月29日に当社グループ会社である株式会社日立物流西日本の物流センターにて発生した火災損失に関する引当金を2022年3月期に計上したことによる親会社株主に帰属する当期純利益の減益に対して、翌年の2023年3月期には当該火災に関する受取保険金等により、親会社株主に帰属する当期純利益の増益を見込んでおります。当該事業年度以外には大幅な増減益を見込んでいる事業年度はありません。なお、2021年11月29日に当社のグループ会社である株式会社日立物流西日本の物流センターにて発生した火災に関する影響については、2022年4月15日時点で当社が把握している情報を基に合理的に算出した影響金額を本連結財務予測に加味しております。また、本連結財務予測には、当社が2022年4月15日付で公表した「物流センターにおける火災に伴うその他の費用(火災損失)の計上および、2022年3月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」における連結業績予想の修正の影響が織り込まれております。
また、本資本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、本連結財務予測には加味されておりません。
(注1) 本株式価値算定書は、当社取締役会がその立場において本公開買付価格を財務的見地から検討することのみを目的として提供されたものです。本株式価値算定書は、本資本取引に関連して当社のいかなる種類の有価証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。本株式価値算定書は、本資本取引の取引形態、ストラクチャー等を含め本資本取引の条件その他の側面について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、当社にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本資本取引の相対的な利点又は本資本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。また、本資本取引又はそれに関連する事項について、当社の株主に対して本資本取引に応募すること又はしないこと、当社の株主の議決権行使又は行動について何ら意見を述べ又は推奨するものでもありません。また、本資本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本資本取引の公開買付価格との比較における公正性(財務的か否かを問いません。)について、何らの意見も見解も表明するものではありません。本株式価値算定書は、本資本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において当社株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもありません。
本株式価値算定書の作成にあたりUBS証券は、本株式価値算定書作成のためにUBS証券が吟味した公開の又は当社若しくは当社の他のアドバイザーから提供された前提事項又は情報等の正確性及び完全性を前提とし、またそれらに依拠しています。当該前提事項又は情報等について、UBS証券又はその役職員、代理人、代表者、アドバイザーその他のいずれも、別途その内容を検証していません。
UBS証券又はその役職員、代理人、代表者若しくはアドバイザーのいずれも、本株式価値算定書に含まれる情報の正確性、完全性、信頼性及び充分性について、また、本株式価値算定書の中で前提としている内容の妥当性について、明示されていると否とにかかわらず、何ら表明、保証又は約束するものではありません。
本株式価値算定書は当社取締役会の利益のためにのみ提供され、当社の株主又はその他いかなる者も、本株式価値算定書に依拠してはならず、また本株式価値算定書によって利益、権利又は救済を得られるものではありません。
本株式価値算定書を受領することにより、当社は、法令上許容される限り、かつそれが詐欺による場合及び委託契約書に定める場合を除き、本株式価値算定書又は本株式価値算定書に関連して書面若しくは口頭により提供される情報、本株式価値算定書に含まれる情報の誤り又は本株式価値算定書からの情報の脱漏から生じ得るあらゆる責任から、UBS証券並びにその役職員、代理人、代表者及びアドバイザーを明示的に免責することを確認し、承諾しています。
本株式価値算定書には、当社からUBS証券に提供された将来予想に関する記述、見通し、見積もり、予測、目標、及び意見(以下「将来予測」と総称します。)が含まれる可能性があり、UBS証券は将来予測の妥当性及び達成可能性(またそれらの前提及び根拠)について、当社の経営陣の意見に依拠しています。UBS証券は、かかる将来予測が、現時点で入手可能な最善の当社の経営陣による評価及び判断を示すものであること、並びに、かかる将来予測が当社の経営陣が熟考した数値又は時期において実現することを前提としています。本株式価値算定書中の全ての前提事項は当社と検討し、合意されています。かかる将来予測は、大きな前提と主観的判断を含んでおり、それらが正しいものとは限らず、また、いかなる将来予測も将来の業績の信頼性の高い指標であるとの保証はなく、また、それらが達成可能又は実現するとは限りません。本株式価値算定書に含まれる将来予測は、その達成又は妥当性について何ら表明保証はなされておらず、また依拠されるべきものでもありません。
本株式価値算定書は、本株式価値算定書の日付現在における経済、規制、市況その他の状況、及び同日までにUBS証券が入手した情報に基づいて作成されたものであり、その後の状況の変化により、本株式価値算定書に含まれる情報に影響が生じる可能性があります。本株式価値算定書の内容は本株式価値算定書の日付現在のものであり(本株式価値算定書中で別途過去時点を示す場合を除きます。)、本株式価値算定書の提供に際し、当社に対し、①追加情報の提供、②本株式価値算定書中の将来予測を含む情報の更新、改訂若しくは再確認、又は③内容の不正確が判明した場合の訂正につき、いかなる者も義務を負わず、また表明又は約束をするものではありません。
本株式価値算定書に記載されたUBS証券による分析は、UBS証券が本株式価値算定書に関連して当社取締役会に提示する主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書に関連してUBS証券が行った分析及び参照した情報を全て網羅するものではありません。本株式価値算定書の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではありません。UBS証券による分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、UBS証券の分析の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得られない可能性があります。UBS証券は、その意見を表明するにあたり、各分析及び要因を総体的かつ全体的に考慮しており、特定の分析又は要因に特別な比重を置いておらず、また、個別に検討した各分析又は各要因のいずれがUBS証券の分析の根拠となったか、また、どの程度根拠となったかについて、UBS証券は意見を述べておりません。UBS証券による分析に際して比較対象として検討されたいずれの会社も、当社の事業部門又は子会社と同一ではなく、UBS証券による分析の目的において、当社と類似すると考えられる事業に従事する公開会社であるという理由により選択されたものです。また、UBS証券による分析は、当社との比較対象として検討された会社の財務及び事業上の特性の相違、並びにこれらの会社に影響を及ぼす可能性のあるその他の要因に関する、複雑な検討及び判断を必然的に伴っています。
本株式価値算定書の作成においてUBS証券は、①本株式価値算定書中で参照される当社又はその他の会社の物的資産・負債について何ら独立した評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価又は鑑定を提供されておらず、②本資本取引の商業的利点に関する検証を行っておらず、③本資本取引について法務、税務、会計又はその他の分析を行っておらず、適宜これらの分野に精通した専門家アドバイザーの判断のみに依拠しており、④本資本取引のために規制上の又は第三者の承認、同意及び免除を得るにあたり、当社、本株式価値算定書中で言及される他の会社又は本資本取引に悪影響を与えるような遅延、制限、制約又は条件がないことを前提としています。
UBS証券は、本資本取引に関連して当社の財務アドバイザーを務め、かかるサービスに対し手数料(その相当部分が、本資本取引の完了を条件としています。)を受領します。また、当社は、UBS証券の関与に関してUBS証券が負担する費用及びUBS証券の業務から発生する一定の責任についてUBS証券に補償することを合意しています。
UBS証券及び同社の関係会社は、本人又は代理人として、全世界において商業銀行業務、投資銀行業務その他の業務(投資助言、資産運用、調査、証券発行、トレーディング(自己勘定及び顧客勘定)並びに仲介を含みます。)に幅広く従事しており、本株式価値算定書に関連して、有価証券、通貨、金融商品、又はその他の資産を裏付けとする取引において、ロング・ショートのポジションを持ち、又はトレーディングやマーケットメイクを行う可能性があります。UBS証券及び同社の関係会社が行うバンキング、トレーディング又はヘッジング業務によりかかる裏付資産の価格に影響が生じることがあり、これに起因して利益又は義務の相反が生じる可能性があります。UBS証券及び同社の関係会社は、当社のグループ企業、役職員その他の法人又は個人(以下「第三者」といいます。)に対してサービスを提供すること、当社若しくは第三者に関して自己勘定か顧客勘定かを問わず取引を行うこと、又は自己若しくは第三者のために何らかの行為をすることがあり、当該サービス提供、取引又は行為により、当社又は当社のグループ企業が不利益を被り、UBS証券又は同社の関係会社が報酬又は収益を得る可能性があります。
(注2) 当社株主の1株当たりの価値の計算で用いる株式数は、当社2022年3月期決算短信に記載された2022年3月31日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式184,700株を除きます。)(228,530株)を控除した株式数(83,873,184株)です。
② 公開買付者による算定方法
KKRは、本公開買付価格を決定するに際し、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して2022年1月上旬から同年2月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等に基づき、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析の上、当該分析を反映した財務モデルの作成を行い、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出したとのことです。また、公開買付者は、当社株式が金融商品取引所を通じて取引されていることに鑑みて、公開買付者が本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(8,270円)並びに直近1ヶ月(2022年3月28日から2022年4月27日まで)、直近3ヶ月(2022年1月28日から2022年4月27日まで)及び直近6ヶ月(2021年10月28日から2022年4月27日まで)の終値単純平均値(6,877円、6,341円及び5,681円)の推移を参考にしたとのことです。さらに、当社と事業内容、事業規模、収益の状況等において比較的類似する複数の上場会社の市場株価と収益性等を示す財務指標等との比較を通じて当社の株式価値を分析したとのことです。
なお、公開買付者は、上記の諸要素を総合的に考慮し、かつ、当社及び日立製作所との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの株式価値算定書の取得はしていないとのことです。
本公開買付価格8,913円は、本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値8,270円に対して7.78%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値6,877円に対して29.61%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値6,341円に対して40.56%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値5,681円に対して56.89%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっているとのことです。また、本公開買付価格8,913円は、本書提出日の前営業日である2022年10月27日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値8,690円に対して2.57%のプレミアムを加えた価格となっているとのことです。
(4) 上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズ・アウト手続を実施することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった場合は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立し、公開買付者が当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社に対し、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2023年2月上旬を目途に開催することを要請する予定とのことです。なお、公開買付者及び日立製作所は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者、日立製作所及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者及び日立製作所のみが当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者、日立製作所及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。
当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができ、かつ裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができます。なお、これらの申立てがなされた場合における、当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者、日立製作所及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者が当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
なお、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得できない場合であって、かつ、本株式取得に関する承認を取得する前に、本株式併合の効力が生じる場合には、本株式併合の効力発生日までの間に、本分離措置を講じることとしているとのことです。かかる場合に本分離措置を講じることに関し、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主である当社並びにVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主及び当社の完全子会社である株式会社バンテックから了承を得ているとのことです。
(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、本資本取引は、当社の議決権の約40%を有する筆頭株主である日立製作所から提案された取引であり、日立製作所と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本公開買付価格の公正性を担保し利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しました。
なお、公開買付者は、本売却予定株式が33,471,578株(所有割合:39.91%)であることに鑑み、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定していないとのことですが、公開買付者及び当社において以下の①から⑥までの措置が講じられていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 入札手続の実施
「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社は、2021年5月下旬より、複数の候補者を対象とする本入札プロセスを実施し、KKRを含む複数の候補者に2022年1月中旬から2022年2月下旬までデュー・ディリジェンスの機会を付与した上で、複数の候補者から最終意向表明書を受領いたしました。
その後、KKR、当社及び日立製作所は継続的に協議・交渉を重ねた結果、KKRの提示した株式価値評価額及び公開買付価格が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、資金調達力・資金調達の前提条件が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された資金調達の前提条件との比較において有利なものであったこと、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制の提案内容が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先との比較において優位なものであると判断したこと、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続においてより具体的な対応策を示すことにより本資本取引実行の確実性の面において優位なものであったことから、KKRが提示した提案と比べて、当社の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補先は存在しませんでした。
② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手
当社は、本資本取引は、最終的に買手として選定されるいずれかの候補先と当社の議決権の約40%を有する筆頭株主である日立製作所が本公開買付けの実施を含む最終契約を締結する予定であり、日立製作所と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本資本取引及び本入札プロセスにおける候補者選定過程に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、本資本取引の是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性、買付者(パートナー)の選定プロセスを含む手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、本資本取引の検討開始直後の2021年4月27日に、公開買付者、日立製作所及び当社らから独立した浦野光人氏(当社社外取締役、独立役員)、西島剛志氏(当社社外取締役、独立役員)及び渡邊肇氏(当社社外取締役、独立役員、弁護士)の3名から構成される特別委員会を設置しました。また、特別委員会の委員の互選により特別委員会の委員長として浦野光人氏が選定されております。特別委員会の委員の報酬は、浦野光人氏、西島剛志氏及び渡邊肇氏は、当社の社外取締役であることから、委員としての職務に応じた報酬の支払いについては、報酬委員会において別途検討することとしております。2022年4月21日開催の当社報酬委員会において検討がなされたところ、同委員会は、特別委員会の各委員に対し別途の報酬・手当は支払わないことを決定しており、本資本取引の成立を条件とする成功報酬は採用されておりません。
当社取締役会は、当該特別委員会に対し、当社が表明すべき意見の内容を検討する前提として、(ⅰ)本資本取引の目的の正当性・合理性(本資本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本資本取引における手続(パートナーの選定プロセスを含む。)の公正性、(ⅲ)本資本取引の条件の公正性・妥当性、(ⅳ)本資本取引に際して公開買付けが実施される場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して公開買付けへの応募を推奨することの是非、(ⅴ)上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえて、当社取締役会が本資本取引に関する決定を行うことが当社の少数株主にとって不利益ではないか、という各事項(以下「本諮問事項」といいます。)について、2021年4月27日に諮問しております。また、当社取締役会は、特別委員会の設置に際し、(a)当社取締役会は、本資本取引の実施を決定するに際しては、特別委員会の意見を最大限尊重し、特別委員会が本資本取引を実施することが妥当でないと判断した場合には、本資本取引の実施を決定しないこと、(b)特別委員会は、パートナーの選定プロセス及び取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、パートナーの選定プロセス及び取引条件に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて直接交渉を行うことができること、(c)特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、当社による合理的費用の負担の下、独自にアドバイザー等を選任する権限、及び当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼できると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができること、並びに(d)特別委員会が答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社又は当社のアドバイザーに対して求めることができることを、併せて決議しております。もっとも、特別委員会は、当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関であるUBS証券並びに法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、独自にアドバイザーを選任する権限を行使しておりません。
特別委員会は、2021年4月27日より2022年4月28日までの間に合計20回、合計約20時間にわたって開催され、本諮問事項についての協議及び検討を行いました。
具体的には、特別委員会は、KKR及び当社より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討を行うとともに、当社、当社の財務アドバイザーであるUBS証券、及び当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から、公開買付者を選定するプロセスの概要、選定手法、選定手続の確認、本公開買付けを含む本資本取引の経緯・背景、内容、意義・目的、当社の企業価値に与える影響、公開買付者及び日立製作所との関係及び現在の提携の内容、各アドバイザーの独立性、本公開買付価格の算定手法の合理性、分析の前提事実の適正性、利害関係者からの不当な干渉の有無、当社の状況や当社が意思決定をするに至る経緯・検討経緯の妥当性、開示の適正性その他本資本取引に関連する事項について説明を受けるとともに、質疑応答を行いました。また、特別委員会は、当社役職員から当社の事業計画について説明を受け、質疑応答を行った上で事業計画の合理性について確認を行い、当社の財務アドバイザーであるUBS証券から、当社宛に提出された本株式価値算定書について説明を受け、当該価値算定の前提等に関するヒアリング調査を行いました。加えて、特別委員会は、当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から、当社における本公開買付けを含む本資本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本資本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関して当社が同事務所から得た法的助言の内容についても説明を受け、検討を行いました。なお、特別委員会は、本入札プロセスにおいて、当社が公開買付者を含む本第二次候補先から価格提案を受領する都度、当社から適時にその内容について報告を受け、当社がUBS証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえた当社の見解を聴取した上でその内容を審議・検討し、候補者の選定等の重要な局面において公開買付価格を含む取引条件に関する意見を述べることにより、候補者の選定プロセス及び取引条件に関する交渉過程に実質的に関与しております。
特別委員会は、このような経緯の下、本諮問事項について審議の上、2022年4月28日、当社取締役会に対し、特別委員会において説明を受けた内容及び開示を受けた資料の内容は真実かつ正確であること等の一定の前提条件の下、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書を提出しております。
(ⅰ) 本資本取引の目的の正当性・合理性(本資本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
当社は、高度化・多様化・広範化しているグローバルサプライチェーンにおいて、お客様・株主・従業員などあらゆるステークホルダーから、最も選ばれるソリューションプロバイダとなることを経営ビジョンとして掲げ、持続的な成長を実現していくことをめざしている。かかる当社の経営ビジョン及び目標を踏まえると、本資本取引の目的は、当社を非公開化し、当社が、現在の資本構成に制限されることなく、新しいパートナーとともに、これまで以上の意思決定のスピードアップや、投資資金の獲得、また外部知見の導入を行い、当社の競争力と収益力を伸張させ、新成長により企業価値の向上をめざすことにあると考えられる。かかる本資本取引の目的は合理的であり、また、意思決定のスピードアップや、投資資金の獲得、また外部知見の導入を行うことは、当社グループを持続的に発展させ収益を改善させることに繋がり、当社グループの企業価値を向上させるものといえることから合理性が認められる。
また、KKRが想定する成長戦略及び事業価値向上策についても、当社の経営陣との間でその認識に相違がある点があるものの、当該相違点は戦略的方向性に影響を及ぼす程度のものではなく、当社の経営陣として、当該戦略的方向性・具体的施策に基本的には違和感や不合理な点はなく、特に、当社の今後の企業価値において最も重要と考えられるM&Aについては、当社の事業課題を踏まえ丁寧に調査されていると評価しているとのことであるから、特別委員会としても、この点に特段不合理な点を見いだすことはできない。
さらに、公開買付者の説明する本資本取引後の経営方針についても、当社の現経営陣が本資本取引後も継続して当社の運営事業の成長につき一定の役割を果たすことが想定されており、当社の事業をよく理解した者が更なる支援体制を受けて経営するという方針について、不合理な点は見受けられない。
KKRは、企業価値向上の施策において、相応に高い数値目標を掲げているが、当社の経営陣によれば、当該数値目標は基本的に達成可能な水準であると考えているとのことであるから、かかる企業価値向上の施策についても、不合理ではないと評価できる。また、本資本取引後の経営方針としても、非上場化する会社における経営方針として妥当なものであり、また、コーポレートローン・ストラクチャーの維持や負債・資本の再構成に関して、当社の要請も踏まえた配慮がなされていることから、KKRの想定する経営方針に不合理な点はないと評価できる。
その一方で、本資本取引実施による潜在的なデメリットとして、日立製作所グループからの離脱による影響、非上場化することによる影響、当社の債務等の負担による影響及び外資傘下に入ることによる影響が想定されるものの、いずれについても適切な対処及び解決策を講じることができるものと認められるため、当社の本資本取引以前の態様の事業運営が妨げられるものではなく、かつ当社の企業価値に重大な悪影響を与えるものではないと評価できる。
以上のとおり、本資本取引の目的は、当社グループの企業価値の向上に資するものと認められ、正当かつ合理的と考えられる。
(ⅱ) 本資本取引における手続(パートナーの選定プロセスを含む。)の公正性
本資本取引では、以下の各種の公正性担保措置が履践されていること等からすると、本資本取引に係る手続は公正なものであると考えられる。
・ 特別委員会が、本第一次入札プロセスにおける候補者の初期な取引条件提示前の段階から設置され、アドバイザー等の選任権限が付与された上、当社は特別委員会の意見を最大限尊重し、特別委員会が本資本取引について妥当でないと判断した場合には、本資本取引を行う旨の意思決定を行わないものと当社取締役会において決議された上で、本入札プロセスの実施方法を含めたプロセス全体における候補者及び日立製作所との間の交渉過程等に実質的に関与したことが認められる。また、特別委員の独立性、属性・専門性等の構成、特別委員会の設置・委員選定のプロセス、アドバイザー等の検討体制、情報の取得体制、報酬面、当社の社内の検討体制等についても特段の問題は認められない。よってこれらのことから、独立性を有する特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
・ 当社は、当社、日立製作所、公開買付者及び候補者から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、法的助言を受けている。
・ 当社は、当社、日立製作所、公開買付者及び候補者から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関であるUBS証券に対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、2022年4月28日付で本株式価値算定書を取得している。
・ 当社、日立製作所及び候補者との間の協議・交渉によって最善のスキーム及び候補先を模索しながら本入札プロセスが実施されており、本入札プロセスは適切な配慮がされていると評価できる。
・ 本公開買付けにおいては、公開買付期間は21営業日に設定されているところ、本公開買付けはいわゆる事前公表型公開買付けであり、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで一定の期間が確保されており、当該公表後の期間も考慮すると、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも、対抗的な買付け等を行う機会を確保していると評価できる。
・ 当社の開示資料において、特別委員会に関する情報、株式価値算定書に関する情報その他の情報は、十分に開示されるものと認められる。
・ 少数株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされている。
なお、本資本取引においては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件が設定されていないものの、①日立製作所が当社株式を33,471,578株(所有割合:39.91%)所有しており、マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件を設定すると、本公開買付けにおける買付予定数の下限が高くなり、本公開買付けの成立を不安定にし、寧ろ応募する少数株主の利益に資さない可能性が認められること、②上記のとおり公正性担保措置が講じられていること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件を設定しないことが、本資本取引の手続の公正性を損なわせるものとはいえないと判断する。
(ⅲ) 本資本取引の条件の公正性・妥当性
本資本取引の取引条件は、本入札プロセスを通じた、マーケット・チェックが行われた上で、公開買付者が、本入札プロセスにおいて最も高い価格を提示したものであるから、特別委員会として、本入札プロセスにおいて、透明性や公正性を疑わせるような事情を見いだすことはできず、かつ本資本取引の交渉状況にも疑義ある点を見いだすことはできなかった。
また、本株式価値算定書によれば、当社株式1株当たりの株式価値は、市場株価平均法(基準日1)で3,408円から3,915円、市場株価平均法(基準日2)で5,681円から8,270円、類似企業比較法で2,796円から5,093円、DCF法で3,618円から6,407円と算定されているところ、本公開買付価格である8,913円及びKKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値は、市場株価平均法(基準日1)、類似企業比較法及びDCF法に基づく算定結果の上限値をいずれも上回っており、また、本公開買付価格は市場株価平均法(基準日2)による算定結果の上限を上回り、KKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値は市場株価平均法(基準日2)による算定結果のレンジの上限に近接した数値であるところ、株式価値算定の基礎となる事業計画や、株式価値算定の評価手法の選択及び評価内容についても不合理な点はない。したがって、算定資料には信頼性が認められ、算定資料における株式価値算定の結果との関係でも本公開買付価格は妥当であると判断する。
プレミアム水準からみても、本公開買付価格は、市場株価平均法、類似企業比較法、及びDCF法のいずれによる算定結果のレンジの上限値を上回っていることから、当委員会は、本公開買付価格が、本資本取引のシナジーによって当社に実現される株式価値が相当程度反映されたものと判断しても差し支えないと考える。特に本資本取引については数回の憶測報道がされたこともあり、通常の事案と異なり、株価に対して一定の買収期待が織り込まれているが、当委員会は、本公開買付価格がその市場株価平均法の算定結果の上限を上回り、本公開買付価格が当社の本源的価値を表すDCF法による評価レンジの上限値を大きく上回る価格であることが、本公開買付価格の妥当性を裏付ける事情として重要であると考える。
また、本資本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる、当社の完全子会社化手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付けと同額の対価を得ることが確保されている。
以上より、当社の企業価値は適正に評価されており、また、本公開買付価格、本株式併合において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される対価の額を含めて、本資本取引に係る取引条件は適正に設定されていると評価できるから、特別委員会は、本資本取引の条件は公正・妥当であると判断する。
(ⅳ) 本資本取引に際して公開買付けが実施される場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して公開買付けへの応募を推奨することの是非
上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の検討のとおり、本資本取引の目的は正当かつ合理的と考えられること、本資本取引における手続は公正であると考えられること、及び本資本取引の取引条件は公正・妥当であると考えられることからすると、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると判断する。
(ⅴ) 上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえて当社取締役会が本資本取引に関する決定をすることが当社の少数株主にとって不利益ではないか
上記(ⅰ)乃至(ⅳ)の検討のとおり、本公開買付けにより当社の少数株主に適正な価格で当社普通株式を売却できる機会を提供することが、現時点における株主の利益を配慮した上での最善の選択であるとの結論に至ったものであり、本資本取引の目的は正当かつ合理的と考えられ、本資本取引の手続は公正であり、また本資本取引の条件は公正・妥当であると考えられることから、当社が本資本取引に関する決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
その後、2022年9月15日に開催された第21回特別委員会において、当社は、公開買付者における競争法及び対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応の進捗状況等(ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出が新たに必要となったことを含みます。)を各委員に対して共有し、UBS証券は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨を各委員に対して説明いたしました。また、当社は、2022年10月20日に開催された第22回特別委員会において、公開買付者におけるロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出の進捗状況等を各委員に対して共有いたしました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受けたため、同日、当社の特別委員会に対して、本答申書の意見の内容に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問しました。特別委員会は、当社に対して、2022年4月28日以降、本資本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、当該諮問事項について慎重に検討した結果、2022年4月28日以降、2022年10月26日までの事情を勘案しても、本答申書の答申の内容について、いずれも変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2022年10月26日付で、当社の取締役会に対して、本答申書における意見に変更がない旨の追加答申書を提出いたしました。
なお、特別委員会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日以降重大な事象は生じておらず、UBS証券が株式価値算定の前提とした事業計画について、当社が追加答申書作成日までに変更を加えていないことは不合理ではないと評価し得ること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられることから、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断しております。
③ 当社における独立した法務アドバイザーからの助言の取得
当社は、本公開買付けを含む本資本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会における意思決定の公正性及び適正性を担保するために、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、公開買付者、日立製作所及び当社から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、同事務所より、本公開買付けを含む本資本取引の諸手続、取締役会の意思決定の方法・過程、その他本資本取引に関する意思決定にあたっての留意点等(利害関係を有する当社取締役の範囲、特別委員会を設置すること及びその設置時期、特別委員会の答申の内容を最大限尊重して意思決定を行うことが望ましいこと等を含みますが、これらに限られません。)について法的助言を受けております。
なお、西村あさひ法律事務所は、公開買付者、日立製作所及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本資本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
④ 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
当社は、企業価値評価及び価格交渉等に関する専門的助言及び補助を得るため、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、公開買付者、日立製作所及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関としてUBS証券を選任し、財務的見地からの助言を受けるとともに、2022年4月28日付で上記(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、本株式価値算定書を取得しました。本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得」をご参照ください。
なお、当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日開催の取締役会から2022年10月27日時点までの状況及び本分離措置の可能性を考慮しても、本株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等は不要であると判断しております。
UBS証券は、公開買付者、日立製作所及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本資本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社取締役会は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言、UBS証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本資本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本資本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(ⅰ)本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制等の提案内容が、当社及び当社の事業への深い理解に基づくものであり、かつ、中長期的な企業価値向上を支援するKKRの知見とリソース及び日本市場への強いコミットメントと豊富な実績に裏付けられたものであって、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先との比較において優位であるKKRによる本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、(ⅱ)KKRによる提案の本第二次候補先との比較における株式価値評価額及び公開買付価格の優位性、本公開買付価格が株式価値算定書における各算定結果の上限値をいずれも相当程度上回ること、本公開買付価格は、本資本取引に関する複数回の憶測報道により本資本取引に関する期待値等の影響を相当程度受けたものであるという見方も不合理ではない状況においても一定のプレミアムが付されていると考えられること、並びに本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられ少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえれば、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当なものであり、本公開買付けは当社の少数株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2022年4月28日開催の当社取締役会において、当社の取締役9名のうち、下記の丸田宏氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役8名全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の特別委員会に対して、特別委員会が2022年4月28日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受けたため、特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、2022年10月27日現在においても、本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したことから、2022年10月27日開催の取締役会において、改めて本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当社の取締役会は、公開買付者から、本分離措置について、仮にこれを行うこととなったとしても、ロシア当局から本株式取得に関する承認を取得するまでの暫定的なものであると説明を受けていることから、仮に公開買付者が本分離措置を講じる場合であっても、本分離措置による当社の企業価値に対する重大な影響はなく、本公開買付価格の妥当性は2022年10月27日現在においても維持されており、本公開買付価格の見直しは不要であると判断しております。
また、当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日開催の取締役会から2022年10月27日時点までの状況及び本分離措置の可能性を考慮しても、本株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等は不要であると判断しております。
当社の取締役のうち、丸田宏氏は、日立製作所の出身者であることを踏まえ、利益相反の疑いを回避し、本資本取引の公正性を担保するため、上記の両取締役会における審議及び決議を含む、本資本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者及び当社は、当社に本公開買付けへの賛同や応募推奨を義務付ける合意は行っておらず、また当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておりません。このように、公開買付者は、公開買付期間の設定と併せ、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
さらに、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社及び日立製作所は複数の買手候補先に打診することによる本入札プロセスを実施しており、一定の競争状態において、他の複数の買付候補者との比較を通じて、最終提案内容が最も優れていたKKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討(最終的な公開買付価格に関する交渉を含みます。)を開始し、その後も継続的な協議・交渉を重ねた上で、最終候補者に選定した経緯があります。加えて、本公開買付けは、本公開買付けの開始までの期間が長期にわたるため、当社の少数株主の皆様の本公開買付けに対する応募についての判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されていると考えられることも踏まえると、公開買付者は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は十分に設けられていると考えているとのことです。
(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本基本契約等
本公開買付けに際し、公開買付者は、2022年4月28日付で、日立製作所との間で本基本契約を締結し、日立製作所は、本売却予定株式について本公開買付けに応募しないことを合意しているとのことです。
但し、本基本契約において、日立製作所は、公開買付期間の末日までに、公開買付者以外の者により当社株式を対象として、本公開買付価格を超える買付価格であり、かつ、買付予定数の上限を設定しない公開買付け(以下「対抗公開買付け」といいます。)が開始された場合には、公開買付者に対し、本公開買付価格及び当社自己株式取得価格の変更について協議を申し入れることができ、かかる協議を踏まえても、対抗公開買付けの買付価格以上の金額に変更し、かつ、当社自己株式取得価格を対抗公開買付けの買付価格と税効果を考慮して実質的に同額以上の金額に変更しないときには、日立製作所は、何らの金銭の支払い又は義務負担を課されることなく、当該対抗公開買付けに対し、本売却予定株式の全てを応募し、又は当該対抗公開買付け後の当社による自己株式の取得(本自己株式取得を除きます。)に応じることができることとされているとのことです。
また、本基本契約において、日立製作所は、2022年4月28日から、公開買付期間の末日までの間、(ⅰ)公開買付者以外の者との間で、本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする取引に関連する合意を行ってはならず、(ⅱ)公開買付者以外の者に対し、かかる取引に関連して当社グループに関する情報を提供してはならず、かつ(ⅲ)かかる取引の申込み若しくは申込みの勧誘又はかかる取引に関するいかなる協議若しくは交渉も行ってはならないものとされているとのことです。なお、日立製作所が当該義務に違反することなく、(a)公開買付者以外の第三者が対抗公開買付けを開始した場合において、日立製作所が前段落の内容に従い当該対抗公開買付けに応募すること、及び当該対抗公開買付けを開始した第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議又は交渉を行うこと、並びに(b)公開買付者以外の第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの提案を受領した場合において、日立製作所が当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うことは、当該情報提供と同一の情報、交渉の進捗状況及び(公開買付者が要請した場合には)合理的な範囲においてその協議若しくは交渉の内容並びに当該合意内容を公開買付者に対しても直ちに提供することを条件として、妨げられていないとのことです。
また、本基本契約においては、(ⅰ)本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けにおいて当社株式の全て(当社が所有する自己株式及び本売却予定株式を除きます。)を取得できなかった場合に、公開買付者及び日立製作所は、当社に対して本株式併合の実施に必要な事項を議案とする株主総会の開催を要請し、当該議案に賛成の議決権を行使すること、(ⅱ)本株式併合の結果として公開買付者及び日立製作所が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することになった後実務上可能な限り速やかに、本自己株式取得を行うために必要な分配可能額を確保するため、当社をして本減資等を実施させること、(ⅲ)本減資等の効力発生後速やかに、日立製作所は、本自己株式取得により、当社自己株式取得価格である6,632円に本売却予定株式の数を乗じた金額(但し、日立製作所が所有する本売却予定株式に本株式併合によって端数が生じた場合には、当該端数の対価として日立製作所に交付される金額を控除した額とします。)を対価の総額として、本売却予定株式の全てを当社に譲渡することについて合意しているとのことです。
なお、本基本契約において、本公開買付けの条件に係る事項、本公開買付前提条件、日立製作所による本公開買付けを開始しないことの請求権に関する事項(注1)、日立製作所が公開買付者以外の者から当社の普通株式に係る公開買付けの提案を受けた場合の公開買付者への通知義務、公開買付者及び日立製作所による表明保証事項(注2)、競争法上のクリアランス取得に向けた努力義務、本取引及び本日立再出資の実施に関する義務、当社グループが、本自己株式取得までの間、従前の慣行に従った通常の業務の範囲内においてその業務を行うことに係る努力義務、当社グループに係る勧誘禁止義務、資金調達への協力義務、公開買付者及び日立製作所が本基本契約に基づく自らの義務の不履行又は表明保証事項に違反した場合、公開買付者は200億円、日立製作所は100億円を上限とする補償義務、自らに発生する公租公課及び費用の負担義務、秘密保持義務、契約上の権利義務の譲渡禁止義務、並びに、表明保証の違反及び義務違反がある場合、相手方に倒産手続開始の申立てがなされた場合及び本公開買付けが2022年11月30日までに開始されなかった場合を事由とする公開買付者又は日立製作所による解除に係る条項等を合意しているとのことです。なお、公開買付者は、上記の「本取引及び本日立再出資の実施に関する義務」に係る本基本契約における合意に関連して、2022年10月27日付で、日立製作所、公開買付者親会社及び当社との間で、本日立再出資について、当社の日立製作所に対する本自己株式取得に係る代金支払債務のうち金100億円に相当する代金支払債務の引受けを公開買付者親会社が行うことにより、日立製作所が、公開買付者親会社に対して取得する当該代金支払請求権の現物出資を行い、公開買付者親会社に対する議決権の10%を取得すること及びその手続に関連する事項を規定した四者間契約を締結しているとのことです。
(注1) 日立製作所は、①当社取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会において、当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更(変更後の答申が当社の取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていないこと、②当社取締役会により、本取引に賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないこと、③本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、その具体的なおそれがないこと、④本基本契約に基づき公開買付者が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が全て重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当該義務の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑤公開買付者による表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること(但し、当該表明及び保証の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑥本取引に関する契約が適法かつ有効に締結されており、かつ存続していること、⑦必要許認可等について、クリアランスの取得が完了していること、⑧公開買付者が、当社から、本合意書を受領しており、かつ、本合意書が本公開買付けの開始日までに撤回されていないことのいずれかが充足されなかった場合、当該充足されなかった条件と共通の本公開買付前提条件を公開買付者が放棄をした場合であっても、公開買付者に対し、本公開買付けを開始しないことを請求することができるとのことです。
(注2) 本基本契約において、公開買付者は、(1)設立及び存続の有効性、(2)本基本契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、(3)本基本契約の締結及び履行に関して、関係法令及び公開買付者の内部規則上必要とされる手続の履践、(4)本基本契約の有効性及び強制執行可能性、(5)本基本契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(6)本基本契約の締結日、本公開買付けの開始日、公開買付期間の満了日及び本公開買付けの決済日の各時点までに必要なクリアランスの取得の完了、(7)反社会的勢力との取引・関与の不存在並びに(8)資金調達について表明及び保証を行っているとのことです。本基本契約において、日立製作所は、(1)設立及び存続の有効性、(2)本基本契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、(3)本基本契約の締結及び履行に関して、関係法令及び日立製作所の内部規則上必要とされる手続の履践、(4)本基本契約の有効性及び強制執行可能性、(5)本基本契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(6)本売却予定株式の適法かつ有効な所有、(7)当社の株式に関する事項、並びに(8)反社会的勢力との取引・関与の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
② 本合意書
本公開買付けに際し、当社は、2022年4月28日付で本取引に関し、合意書(以下「本合意書」といいます。)を公開買付者に対して差入れており、当社グループの事業運営に関する事項、汚職防止法制、マネーロンダリング法制又は制裁関連法制の遵守並びに違反時の対応及び情報提供、財務情報の提供、当社の表明保証事項(必要な許認可等の取得、競争法制、汚職防止法制、マネーロンダリング法制及び制裁関連法制等への違反の不存在及び遵守のための社内規則の策定、政府関係者又は制裁対象者との取引等の不存在、並びに政府関係者及び政府組織による当社の株式保有の不存在等)、当社が本取引を適法かつ有効に実行するために法令等、内部規則、労働協約及び事業上重要な契約等に基づき必要となる行為を実施するための努力義務等を合意しております。
③ 本資本業務提携契約
本取引に際し、当社、日立製作所及びKKRファンドは、2022年10月27日付で、本資本業務提携契約を締結しており、(ⅰ)日立製作所が、当社の取締役1名を指名する権利を有すること、(ⅱ)本日立再出資の効力発生日から3年間の日立製作所の保有する公開買付者親会社株式の譲渡制限、(ⅲ)(ⅱ)の日立製作所の譲渡制限期間経過後の自己の保有する公開買付者親会社株式の譲渡時におけるKKRファンドの先買権(日立製作所がかかる譲渡を行う場合に、KKRファンドがそれを優先的に買い受ける権利)(ⅳ)KKRファンドによる公開買付者親会社株式の第三者への譲渡時におけるKKRファンドの強制売却請求権(KKRファンドが、日立製作所の保有する公開買付者親会社株式も併せて譲渡予定先に売却するよう請求できる権利)及び日立製作所の売却参加請求権(日立製作所が、自己の保有する公開買付者親会社株式も併せて譲渡予定先に譲渡するよう請求する権利)、並びに(ⅴ)日立製作所及び当社グループが、物流事業における当社グループの専門知識と、日立製作所の研究開発力及びデジタルソリューション事業の外販力とを相互に活用し、今後も、物流事業における協創パートナーとして業務提携を継続すること等を合意しております。本資本業務提携契約は、(ⅰ)日立製作所又はKKRファンドのいずれかが公開買付者親会社株式を直接又は間接に保有しなくなった場合、(ⅱ)本資本業務提携契約が解除された場合(注3)、(ⅲ)当社の清算が結了し、残余財産の分配が完了した場合、(ⅳ)契約の終了について書面により合意した場合、並びに(ⅴ)公開買付者親会社、公開買付者又は当社の株式の金融商品取引所への上場が実行された場合に終了します。
(注3) 当社、日立製作所及びKKRファンドは、他の当事者が、(i)本資本業務提携契約に定める義務につき重大な違反があり、解除を請求する者から是正を要求したにもかかわらず、当該違反が是正の要求をした日から30日以内に解消されない場合、又は(ii)倒産手続開始の申立てがなされた場合、又は支払停止若しくは支払不能の状態に陥った場合、本資本業務提携契約を直ちに解除することができる旨を合意しております。
当社は、2022年4月28日開催の当社取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しておりました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに国内外(日本、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインド)の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応(これらのうち、対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応については、日本及びロシアにおいて手続及び対応が必要であり、また、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインドにおいて手続及び対応の要否を検討しておりましたが、その後、2022年8月31日までに、下記のとおり対応は不要と認識・判断したとのことです。)のうちロシア連邦外国投資実施状況監督政府委員会(以下「ロシア当局」といいます。)からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)その他の一定の事項(注1)(以下「本公開買付前提条件」といいます。)の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)(注2)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受け、当社の業績や本取引(以下に定義します。)を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、2022年10月27日現在においても、本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したことから、同日開催の取締役会(以下、2022年4月28日開催の取締役会と併せて「両取締役会」といいます。)において、改めて本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
上記の両取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(注1) 公開買付者によれば、①当社が本公開買付けに関して設置した特別委員会(以下「特別委員会」といいます。)において、当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更(変更後の答申が当社の取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容である場合又は本基本契約(以下に定義します。)締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていないこと、②当社取締役会により、本取引に賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更(変更後の意見表明が本取引に賛同する内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていないこと、③本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、その具体的なおそれがないこと、④本基本契約に基づき株式会社日立製作所(以下「日立製作所」といいます。)が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務(注3)が全て重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当該義務の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑤日立製作所による表明及び保証(注4)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること(但し、当該表明及び保証の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑥当社から、当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しない旨の確認が得られていること、⑦必要許認可等(注5)について、クリアランスの取得が完了していること、⑧公開買付者が、当社から、本合意書(以下に定義します。)を受領しており、かつ、本合意書が本公開買付けの開始日までに撤回されておらず適法かつ有効に存続していること、⑨本合意書に基づき当社が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務(注6)(当社が本取引を適法かつ有効に実行するために法令等、内部規則、労働協約及び事業上重要な契約等に基づき必要となる行為を実施するための努力義務を除きます。)が、全ての重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当該義務の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑩当社による本合意書の表明及び保証(注7)が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること(但し、当該表明及び保証の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)を本公開買付け開始の前提条件としているとのことです。
(注2) 日立製作所による本公開買付けを開始しないことの請求権に関する事項については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「①本基本契約等」をご参照ください。なお、本書提出日現在、日立製作所から、当該本公開買付けを開始しないことの請求権は行使されていないとのことです。
(注3) 本基本契約に基づく日立製作所の義務の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」をご参照ください。
(注4) 本基本契約に基づく日立製作所による表明及び保証の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」をご参照ください。
(注5) 公開買付者によれば、日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコにおける競争法上の届出並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出をいいます。なお、当社の上記各国における事業、公開買付者の属性に対する関係当局の見解及び現地法律事務所による法的助言を踏まえ、本基本契約の締結日(2022年4月28日)後の2022年8月31日までに、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインドの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出が必要とならないことが確認できた一方で、2022年9月上旬から中旬にかけて、ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令(第618号/2022年9月8日施行)に基づく事前届出が新たに必要となることを確認しているとのことです。
(注6) 本合意書に基づく当社の義務の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本合意書」をご参照ください。
(注7) 本合意書に基づく当社の表明及び保証の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本合意書」をご参照ください。
(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、当社の株券等を取得及び所有し、本公開買付け成立後に、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる事業として2022年4月21日に設立された株式会社であり、本書提出日現在、その発行済株式の全てを2022年4月21日に設立された株式会社であるHTSKホールディングス株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)が所有しているとのことです。また、本書提出日現在、米国デラウェア州設立の投資顧問会社であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、以下「KKR」といいます。)によって間接的に保有・運営されている、カナダ国オンタリオ州法に基づき2022年4月25日に設立されたリミテッド・パートナーシップであるHTSK Investment L.P.(以下「KKRファンド」といいます。)が、公開買付者親会社の発行済株式の全てを所有しているとのことです。なお、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、本書提出日現在、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を所有していないとのことです。
KKRは、経営陣とのパートナーシップに基づく長期的な視点での投資を志向する投資哲学を掲げており、優れた事業基盤及び潜在力を持つ企業・経営陣のパートナーとして、KKRの持つ様々な経営資源、知見及びネットワークの活用による業界のリーディング・カンパニーの創造をめざしているとのことです。こうした哲学の下、企業からの子会社・事業部門のカーブアウト(事業の切り離し)・独立支援にも注力し、投資先のオーガニック(既存の経営資源を活用した手法)・インオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略並びに収益力や業務効率の改善を促進することで、独立企業体としての事業発展の支援に取り組んでおり、その結果、既に世界中で約60件のカーブアウト(事業の切り出し)・独立支援案件の実績を有しているとのことです。
KKRは、1976年に設立された、プライベート・エクイティ投資を含み全世界で約4,700億ドルの運用資産を持つ国際的投資会社であり、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しているとのことです。2006年の東京オフィス開設以降、日本市場における投資活動を積極的に拡大しており、日本国内の商慣行を熟知し、様々なバックグラウンドを有する社員により運営されているとのことです。日本においては、2010年に総合人材サービスを提供する株式会社インテリジェンスに投資したとのことです。2014年にはパナソニックヘルスケア株式会社(以下「PHC」といいます。)のパナソニック株式会社からの独立を支援し、2016年にはPHCによるBayer Aktiengesellschaftとその子会社であるBayer HealthCare傘下の糖尿病ケア事業の買収、2019年にはThermo Fisher Scientific, Inc.の解剖病理事業(現Epredia)の買収及び三菱ケミカルホールディングス株式会社傘下の国内臨床検査大手・株式会社LSIメディエンスの買収を実現するなど、日本の投資先企業による国内外の企業の追加買収の実績も積んでいるとのことです。さらに、2015年にパイオニア株式会社の一事業部であったDJ機器事業(現Pioneer DJ株式会社)への投資、2017年に日産自動車株式会社の上場子会社であるカルソニックカンセイ株式会社、日立製作所の上場子会社である日立工機株式会社及び株式会社日立国際電気への公開買付けを実現し、日本企業の子会社や事業部門の独立支援を推進中とのことです。2021年3月にはWalmart Inc.傘下のスーパー大手である株式会社西友(以下「西友」といいます。)の株式を楽天株式会社(以下「楽天」といいます。)の子会社である楽天DXソリューション合同会社と共同取得し、楽天との提携を通じてネットとリアルの小売りを融合し、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)の推進を支援しているとのことです。この様な今後の高成長が見込まれる企業に対しても、KKRの資本と人的リソースやネットワークなどを提供することにより、企業の成長加速と体制整備を支援する取り組みを行っているとのことです。2022年3月には、オリックス株式会社より、業務ソフトウェアを提供し、個人事業主向けクラウド会計ソフトで国内一位のシェア(出典:MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2021年4月末)」)を有する弥生株式会社(以下「弥生」といいます。)を買収したとのことです。日本の企業数の99%以上を中小企業者(中小企業基本法(昭和38年7月20日法律第154号)第2条第1項において定義される意味(注1)を有します。)が占める中、弥生は、中小企業者の業務効率化や生産性向上をDX及びクラウド化の推進とともに支援するという重要な役割を担っていると考えており、将来の成長余地は非常に大きいとみているとのことです。KKRはグローバルにソフトウェア、クラウド及びSaaS(注2)分野における投資実績を豊富に有していると考えており、今後はその経験と知見を活かし、弥生の新たな成長を支援していく予定とのことです。また、2022年4月には、三菱商事株式会社及びUBSグループより、運用資産総額1.7兆円を有する不動産運用会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(以下「MC-UBSR」といいます。)を買収したとのことです。強固な事業基盤を有していると考えられるMC-UBSRとグローバルで不動産投資事業を展開するKKRのリソース及びネットワークを活用することで、MC-UBSRの更なる価値向上を支援していく予定とのことです。
(注1) 「中小企業者」とは、①資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(卸売業、サービス業及び小売業を除きます。)に属する事業を主たる事業として営むもの、②資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であって、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの、③資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であって、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの、並びに④資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人であって、小売業に属する事業を主たる事業として営むものをいいます。
(注2) 「SaaS」とは、「Software as a Service」の略であり、ソフトウェアの機能をインターネット経由でサービスとして提供する形態のことをいいます。
公開買付者が2022年4月28日に公表した「株式会社日立物流(証券コード:9086)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」によれば、公開買付者は、2022年4月28日、国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法及び国内外(日本、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインド)の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応に一定期間を要することから、当該手続及び対応が完了すること等の本公開買付前提条件が充足(又は公開買付者により放棄)されていることを条件として、当社の株主を公開買付者のみとし、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式の全て(但し、当社の主要株主及び筆頭株主であり、かつ、その他の関係会社にあたる日立製作所が所有する当社株式:33,471,578株、所有割合(注3):39.91%。以下「本売却予定株式」といいます。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を対象とする本公開買付けを実施することを決定し、2022年9月下旬を目途に本公開買付けを開始することをめざしていたとのことです。
その後、公開買付者が2022年9月29日に公表した「(訂正)「株式会社日立物流(証券コード:9086)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」の一部訂正に関するお知らせ」(以下「2022年9月29日付公開買付者訂正プレスリリース」といいます。)によれば、公開買付者は、2022年9月21日付で、日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコの競争法並びに日本の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応を完了したとのことです。また、公開買付者は、本基本契約の締結後である2022年8月31日までに、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド及びインドの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出が必要とならないことが確認できた一方で、2022年9月上旬から中旬にかけて、ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令(第618号/2022年9月8日施行)に基づく事前届出が新たに必要となることを確認し、2022年10月10日(現地時間)付でロシア当局に本公開買付けによる株式取得(以下「本株式取得」といいます。)に関する事前届出を行い(当該事前届出は同日付で受理されているとのことです。)、2022年11月上旬を目途に本公開買付けを開始することをめざしていたとのことです。
(注3) 「所有割合」とは、当社が2022年10月27日に公表した「2023年3月期第2四半期決算短信[IFRS](連結)」(以下「当社2023年3月期第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2022年9月30日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式177,000株を除きます。)(228,878株)を控除した株式数(83,872,836株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下、所有割合の計算において同じとします。
その後、公開買付者は、2022年10月20日(現地時間)付で、ロシア弁護士を通じて、ロシア当局に審査の状況を確認したところ、ロシア当局の担当者から、当該時点では、公開買付者が行った届出に関する審査は開始していない旨の回答があり、ロシア弁護士からは、かかる審査状況を踏まえると、同年11月上旬までにロシア当局から本株式取得に関する承認を取得することはできない可能性が相応にあり、当該承認の取得までの期間を正確に予測することは困難である旨の説明を受けたとのことです。
公開買付者は、ロシア弁護士から、ロシア大統領令第618号上、外国法人がロシア法人の議決権の過半数を直接又は間接に取得する場合、当該外国法人は、かかる議決権の取得に先立ち、ロシア当局の承認を取得する必要があるものの、外国法人がロシア法人の議決権の過半数を直接又は間接に取得する場合であっても、当該外国法人が自ら及びその子会社をして、当該ロシア法人に支配権の行使を行わず、当該ロシア法人が独立して運営される措置を講じれば、ロシア大統領令第618号の違反を構成しないものとしてかかる議決権の取得は可能であること及び当該措置を講じることは例外的なものの、当該措置を講じる場合には、実務上、ロシア当局に本株式取得に関する事前届出を実施した後一定の期間が経過した後に行うことが多いとの説明を、2022年10月10日(現地時間)付で行ったロシア当局への届出対応及び届出後の審査状況の確認を行う過程で受けたとのことです。
公開買付者は、上記のロシア当局による審査の状況及びロシア弁護士からの説明を踏まえて検討した結果、速やかにロシア当局から本株式取得に関する承認を取得することをめざしつつ(注4)、もし、当該承認を取得する前に、公開買付者が、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得することとなる場合には、当該承認を求めるロシア大統領令その他の法令等の違反を構成することなく本公開買付けに係る決済を実施できるようにする観点から、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)の満了後、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上(注5)を取得する(注6)ことが明らかとなった時点から本公開買付けに係る決済の開始日までの間に、ロシア弁護士の法的助言を踏まえ、公開買付者が、当該承認の取得完了までの間、自ら又は当社グループ(以下に定義します。)をして、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCに対する株主権の行使、意思決定への介入その他の積極的な権利行使(第三者へVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株式の譲渡等を行うことに関するものを含むとのことです。)による支配権の行使を行わず、同社が公開買付者及び当社グループから独立して運営されることに関する措置(以下「本分離措置」といいます。)を講じることとしたとのことです。上記の場合には、本分離措置を講じることに関し、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主である当社並びにVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主及び当社の完全子会社である株式会社バンテックから了承を得ているとのことです。本分離措置は、公開買付者の取締役が取締役決定書をもって決定し、また、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主が株主決議書をもって決議するものであり、それぞれが任意の裁量により本分離措置を講じることができることから、本分離措置の実行に支障となるような事実は認識していないとのことです。なお、公開買付者としては、本分離措置について、仮にこれを行うこととなったとしても、ロシア当局から本株式取得に関する承認を取得するまでの暫定的なものであることから、本分離措置が当社グループの企業価値に影響することは特段ないと判断しているとのことです(注7)。
(注4) 公開買付者は、公開買付期間中に当該承認を取得した場合は、訂正届出書を提出するとのことです。
(注5) 下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」に記載のとおり、公開買付者は、2022年4月28日付で、日立製作所との間で本基本契約を締結し、日立製作所は、本売却予定株式について本公開買付けに応募しないことを合意しておりますが、公開買付者は、ロシア弁護士から、ロシア大統領令第618号上、本売却予定株式に係る議決権は、本公開買付けにより取得した当社の議決権には含まれないとの説明を受けているとのことです。
(注6) 公開買付者は、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得できない場合であって、かつ、本株式取得に関する承認を取得する前に、本株式併合(以下に定義します。)の効力が生じる場合には、本株式併合の効力発生日までの間に、本分離措置を講じることとしているとのことです。かかる場合に本分離措置を講じることに関し、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主である当社並びにVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主及び当社の完全子会社である株式会社バンテックから了承を得ているとのことです。
(注7) 本分離措置を講じることにより、Vantec HTS Logistic (Rus) LLCの運営は、同社の役職員の経営判断に基づいて行われることとなる一方で、本分離措置はロシア当局から本株式取得に関する承認を取得するまでの間の暫定的な措置であり、その間の株主決議事項は現状特段見込んでいないことに加え、決算承認等、法令遵守の目的で株主として必要な決議を行うことは可能であり、また、Vantec HTS Logistic (Rus) LLCの役員とVantec HTS Logistic (Rus) LLCを除く当社グループの役職員とは現在一部兼任しておりますが、これら兼任役員が退任する必要はなく、公開買付者による当社の議決権の過半数以上の取得以前と同様、公開買付者の影響を受けることなく経営判断を行えば本分離措置を実施するにあたり法的問題はない旨、それぞれロシア弁護士より法的助言を受けているとのことです。
以上より、公開買付者は、本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄することとしたとのことです。
そして、公開買付者は、上記のとおり、ロシア弁護士から、同年11月上旬までにロシア当局から本株式取得に関する承認を取得することができない可能性が相応にあり、当該承認の取得までの期間を正確に予測することは困難である旨の説明を受けておりますが、本公開買付けが公表されているにもかかわらず、開始されていないという不安定な状況をできる限り早期に解消すべく、実務的に可能な限り早急に本公開買付けを開始し、引き続きロシア当局からの承認を取得できるよう努めるとともに、もし、ロシア当局からの承認を取得する前に、公開買付者が、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得することとなる場合には、当該承認を求めるロシア大統領令その他の法令等の違反を構成することなく本公開買付けに係る決済を実施できるようにする観点から、公開買付期間の満了後、本公開買付けに係る決済の開始日までに、本分離措置を講じることとしているとのことです。以上を踏まえ、公開買付者は、2022年10月28日より本公開買付けを開始することが可能であることが見込まれると2022年10月20日に判断したとのことです。その後、公開買付者は、ロシア当局からの承認の取得という条件を除く本公開買付前提条件について、以下のとおりいずれも充足されたことを確認したことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、2022年10月27日、本公開買付けを2022年10月28日より開始することとしたとのことです。
① 公開買付者は、当社より、当社取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会において、2022年10月26日現在においても、2022年4月28日時点における当社の取締役会が賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは相当である旨の特別委員会の意見答申を変更する要因はないと判断し、改めて、当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更(変更後の答申が当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていない旨の報告を受け、2022年10月26日に、当該特別委員会において当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われていることを確認したとのことです。
② 公開買付者は、当社より、2022年10月27日開催の当社取締役会において、2022年10月27日現在においても、2022年4月28日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断し、改めて、本取引に賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更(変更後の意見表明が本取引に賛同する内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていない旨の報告を受け、2022年10月27日に、当該決議が実施され、これが公表されており、かつかかる意見表明が変更又は撤回されていないことを確認したとのことです。
③ 公開買付者は、当社より、2022年10月27日時点において、本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、その具体的なおそれがない旨の報告を受け、同日、当該事由は生じていないと判断したとのことです。
④ 公開買付者は、日立製作所より、2022年10月27日時点において、本基本契約に基づき日立製作所が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が全て重要な点において履行又は遵守されている旨の報告を受け、同日、当該義務が履行及び遵守されていると判断したとのことです。
⑤ 公開買付者は、日立製作所より、2022年10月27日時点においても、日立製作所による表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確である旨の報告を受け、同日、当該表明及び保証はいずれも重要な点において真実かつ正確であると判断したとのことです。
⑥ 公開買付者は、当社から、2022年10月27日時点において、当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しない旨の報告を受け、同日、当社に係る業務等に関する重要事実で当社が公表していないものが存在しないと判断したとのことです。
⑦ 日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコにおける競争法上の届出並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく事前届出について、公開買付者は、ロシア当局からの承認の取得という条件については、2022年10月27日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄することとし、ロシア当局からの承認の取得という条件を除く本公開買付前提条件については、2022年9月21日付でロシア連邦反独占庁から本株式取得を承認する文書を受領したことをもって充足し、本株式取得を実行することが可能となったことを確認したとのことです。
⑧ 公開買付者は、当社から、本合意書を受領しており、かつ、本合意書は本公開買付けの開始日までに撤回されておらず適法かつ有効に存続しているとのことです。
⑨ 公開買付者は、当社より、2022年10月27日時点において、本合意書に基づき当社が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務(当社が本取引を適法かつ有効に実行するために法令等、内部規則、労働協約及び事業上重要な契約等に基づき必要となる行為を実施するための努力義務を除きます。)が、全ての重要な点において履行又は遵守されている旨の報告を受け、同日、当該義務が全ての重要な点において履行及び遵守されていると判断したとのことです。
⑩ 公開買付者は、当社より、2022年10月27日時点において、当社による本合意書の表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確である旨の報告を受け、同日、当該表明保証はいずれも重要な点において真実かつ正確であると判断したとのことです。
本取引は、①公開買付者による本公開買付け、②公開買付者が本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合に、当社の株主を公開買付者と日立製作所のみとするために当社が行う本株式併合による手続(以下「本スクイーズ・アウト手続」といいます。)、③本株式併合の効力発生を条件として、当社が実施する日立製作所が所有する本売却予定株式の取得(以下「本自己株式取得」といいます。なお、日立製作所において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させるために本自己株式取得を実施するとのことです。)を実施するための必要な分配可能額及び本自己株式取得に係る資金を確保するために当社が行う(ⅰ)金融機関からの借入れ(以下「本借入れ」といいます。)及び(ⅱ)の本資金提供のための原資とするための公開買付者への貸付け(以下「本貸付け」といいます。)、(ⅱ)公開買付者による当社に対する資金提供(公開買付者を引受人とする第三者割当増資又は当社に対する貸付けによることを予定しているとのことです。(以下「本資金提供」といいます。))並びに(ⅲ)会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含み、以下「会社法」といいます。)第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金、資本準備金及び利益準備金の額の減少(以下「本減資等」といいます。(注8))、並びに④本自己株式取得から構成され、最終的に公開買付者が当社を完全子会社化することを企図しているとのことです。また、本資金提供の実施に先立ち、(a)本資金提供に係る資金を確保するためにKKRファンドを割当先とする公開買付者親会社による第三者割当増資を行うこと、(b)当社の日立製作所に対する本自己株式取得に係る代金支払債務のうち金100億円に相当する代金支払債務の引受けを公開買付者親会社が行うことにより、日立製作所が、公開買付者親会社に対して取得する当該代金支払請求権の現物出資(以下「本日立再出資」といいます。なお、当該代金支払請求権は民法(明治29年法律第89号。その後の改正を含みます。)第520条に基づき混同により消滅するとのことです。)を行い、公開買付者親会社に対する議決権の10%を取得することが予定されているとのことです(注9)。なお、当該10%の再出資については、日立製作所及びKKRの協議により、当社と日立製作所の間で現在も取り組むDX分野における共同開発等を推進する観点で望ましく、日立製作所が当社の経営に一定の関与を残すことが可能な議決権構成をもとに判断しているとのことです。また、日立製作所及びKKRは、日立製作所が公開買付者親会社に対し現金を払込む方法により本日立再出資を実行することも検討したとのことですが、現金を払込む方法により本日立再出資を実行する場合、日立製作所により払込まれた現金を原資として本自己株式取得の代金として当社から日立製作所に支払われるところ、このように現金を還流させる必要性が乏しいこと等から、日立製作所及びKKRにて協議の上、上記の現物出資の方法により本日立再出資を実施することとしたとのことです。なお、本株式併合の詳細については、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
(注8) 本減資等においては、当社は、減少する資本金及び資本準備金の一部又は全額をその他資本剰余金に、また、減少する利益準備金の全額を繰越利益剰余金にそれぞれ振り替える予定です。
(注9) ①本日立再出資における公開買付者親会社の普通株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、公開買付価格(普通株式1株につき、8,913円。以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格である8,913円(但し、本スクイーズ・アウト手続として実施する株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定とのことです。)にする予定であることから、本日立再出資における日立製作所による公開買付者親会社の普通株式1株当たりの払込価額は、実質的に本公開買付価格よりも有利な条件が設定されているわけではないと考えられること、また、②本日立再出資は、当社の主要株主及び筆頭株主の日立製作所が、公開買付者親会社への出資を通じて非公開化後も当社に関与することを目的として実施されるものであり、日立製作所による本公開買付けへの応募の可否とは独立して検討されたものであることから、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。
本公開買付けに際し、公開買付者は、2022年4月28日付で、日立製作所との間で、①同社が所有する本売却予定株式について本公開買付けに応募しないこと、②同社が総額100億円の公開買付者親会社の議決権付き株式を取得(議決権比率10%)すること、③本自己株式取得に応じて本売却予定株式を売却すること等を内容に含む、基本契約書(以下「本基本契約」といいます。)を締結しているとのことです。また、公開買付者は、本基本契約における合意に関連して、2022年10月27日付で、日立製作所、公開買付者親会社及び当社との間で、本日立再出資の実施及び手続に関連する事項を規定した四者間契約を締結しているとのことです。本基本契約及び当該四者間契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約等」をご参照ください。
また、本取引に際し、(ⅰ)当社、日立製作所及びKKRファンドは、2022年10月27日付で、当社の運営等に関する資本業務提携契約を締結しており(資本業務提携契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本資本業務提携契約」をご参照ください。以下「本資本業務提携契約」といいます。)、(ⅱ)日立製作所及び当社は、当社の事業活動を円滑に継続することを目的とした契約として移行サービス契約、委託研究契約及び日立ブランド使用許諾契約並びに日立物流ソフトウェア株式会社の運営等に関する株主間契約を締結しております。
なお、本取引を図で表示すると大要以下のとおりとなるとのことです。
<本取引のストラクチャー図>Ⅰ.本公開買付けの実施前(現状)
本書提出日現在において、日立製作所が当社株式33,471,578株(所有割合:39.91%)、少数株主が残りの50,401,258株(所有割合:60.09%)を所有。

Ⅱ.公開買付者による本公開買付け及びその決済に要する資金の調達
公開買付者は、当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を対象とする本公開買付けを実施。
本公開買付けに係る決済に要する資金を、公開買付者親会社からの出資(以下「本出資」といいます。)によって調達する資金により賄う予定。

Ⅲ.(本公開買付けの成立後)株式併合を用いた本スクイーズ・アウト手続
公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、当社に対して本株式併合の手続の実行を要請し、当社の株主を公開買付者及び日立製作所のみとするための手続を実施。

Ⅳ.当社による分配可能額及び本自己株式取得に係る資金の確保を目的とした本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等
当社株式の上場廃止及び本株式併合の効力発生後に、本自己株式取得に必要となる資金及び分配可能額を確保するために、本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等を実施。また、本資金提供の実施に先立ち、本日立再出資及びKKRファンドを割当先とする公開買付者親会社による第三者割当増資を実施。

Ⅴ.当社による日立製作所からの本自己株式取得
当社は、本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等により確保した分配可能額を活用し、日立製作所が所有する本売却予定株式の全てを取得するための本自己株式取得を実施。

Ⅵ.本取引の実施後

公開買付者は、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(22,443,700株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、当社株式を非公開化することを目的としておりますので、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(22,443,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(22,443,700株)は、当社2023年3月期第2四半期決算短信に記載された2022年9月30日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式177,000株を除きます。)(228,878株)を控除した株式数(83,872,836株)に係る議決権の数(838,728個)に3分の2を乗じた数(559,152個、小数点以下切り上げ)から、本売却予定株式(33,471,578株)に係る議決権の数(334,715個)を控除した数(224,437個)に当社の単元株式数である100を乗じた株式数(22,443,700株)とのことです。これは、本取引においては当社株式の非公開化を目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合の手続を実施するには、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていること、また、日立製作所との間で本売却予定株式について本公開買付けに応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には本スクイーズ・アウト手続に関する各議案に賛成する旨を合意していることを踏まえ、本取引を確実に実施できるようにしたものとのことです。
公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を本出資により賄うとのことです。また、本自己株式取得は、当社の分配可能額の範囲内で行われますが、公開買付者は当社において本自己株式取得に必要となる資金の額、並びに当社の保有する現預金及び事業運営に要する現預金の水準等を勘案して、本株式併合後に、本借入れ、本貸付け、本資金提供及び本減資等により、当社の分配可能額の不足額を賄うことを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針は、以下のとおりです。
(ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等
当社は、1950年2月、日立製作所の輸送業務を請け負う物流子会社として創業し、同社工場構内・発送業務の一括受託、国内外における超重量物の輸送を引き受けるなどして業容を拡大してきました。1989年1月に東京証券取引所の市場第二部に上場、1990年9月に市場第一部に指定替え、その後の東京証券取引所の再編を経て、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しております。なお、当社の1950年2月の創業時の商号は日東運輸株式会社であり、1952年12月に日立運輸株式会社に商号変更、1967年11月に西部日立運輸株式会社、東京モノレール株式会社と三社合併し日立運輸東京モノレール株式会社に商号変更、1981年5月に東京モノレール株式会社を分離し商号を日立運輸株式会社に変更、1985年7月に商号を現在の株式会社日立物流に変更しております。
当社は、経営理念である「広く未来をみつめ 人と自然を大切にし 良質なサービスを通じて豊かな社会づくりに貢献します」の下、高度化・多様化・広範化しているグローバルサプライチェーンにおいて、お客様・株主・従業員などあらゆるステークホルダーから、最も選ばれるソリューションプロバイダとなることを経営ビジョンとして掲げ、様々な『協創』を通じた課題の解決と『価値』の創出に取り組み、持続的な成長を実現していくことをめざしております。
こうした中、当社が2022年4月28日付で公表した、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画『LOGISTEED 2024』(注1)では、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響の長期化や地政学的リスクの顕在化等、不安定な世界情勢の下、長期的にめざす姿である経営ビジョンや当社のマテリアリティ(重要課題)を踏まえ、「脱炭素・循環型社会への貢献」、「強靭で持続可能な物流サービスの構築と進化」及び「DX(デジタル・トランスフォーメーション)による新たな価値の創出」を注力すべき分野としてとらえ、『LOGISTEED 2024』でめざすべき「アジア圏での3PLリーディングカンパニー」に向けて、「DX・LT(Logistics Technology)・現場力でグローバルサプライチェーン戦略パートナーへ」をスローガンに、「海外事業の強化・拡大」、「新たな付加価値による事業領域の拡張(LOGISTEEDの加速)」、「スマートロジスティクス(注2)の進化」及び「ESG経営(注3)の基盤強化」に取り組む予定です。
(注1) 「LOGISTEED」とは、LOGISTICSと、Exceed、Proceed、Succeed、そしてSpeedを融合した言葉であり、ロジスティクスを超えてビジネスを新しい領域に導いていく意思が込められています。
(注2) 「スマートロジスティクス」とは、お客様の多様な物流ニーズにワンストップでお応えし、ロジスティクスのスマート化を実現するソリューションを意味します。
(注3) 「ESG経営」とは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向け、環境・社会・ガバナンスと企業倫理を意識した行動を意味します。
これらのうち、まず、「海外事業の強化・拡大」においては、市場成長のキャッチアップと地域戦略をベースにした海外事業の拡大施策を進めていくことをめざしております。
具体的には、北米ではシェアードミルクラン(注4)・幹線輸送ビジネスの拡大と工場向け一気通貫ロジスティクスの提供を、欧州ではインターモーダル(注5)事業の広域化や欧州成長エリア・市場での事業拡大を、中国では自動化・省人化による安全・品質・生産性の更なる向上と高付加価値物流サービスの強化を、そしてアジアでは、インド・タイ・インドネシア・マレーシア他での投資・事業拡大、コールドチェーンの展開、地域・域内ネットワークの強化を進めていくことをめざしております。
(注4) 「ミルクラン」とは、1台のトラックで複数サプライヤーの拠点を巡回して生産部品等の集荷を行い、生産工場に一括納品する輸送方式を意味します。
(注5) 「インターモーダル」とは、トラック・船・鉄道等の異なる輸送モード(輸送機関)を複数組み合わせた複合一貫輸送を意味します。幹線輸送部分に鉄道や船を組み入れることで環境負荷の低減が期待できます。
そして、「新たな付加価値による事業領域の拡張(LOGISTEEDの加速)」では、サプライチェーンの課題解決に貢献するSCDOS(Supply Chain Design & Optimization Services)(注6)の展開や、製造と物流の境界領域における新サービスを拡大し、顧客へのVAS(Value Added Services)(注7)展開を進めていくことをめざしております。また、「スマートロジスティクスの進化」においては、システムと機械が連動した自動化・省力化、DXによる労働環境の向上を図るとともに、三温度帯倉庫(注8)や危険物倉庫などの倉庫機能の強化・充実化につとめ、またSSCV(輸送デジタルプラットフォーム)(注9)の活用によって輸送事業の強靭化とドライバー不足(2024年問題(注10))や脱炭素化へ対応していくことをめざしております。
(注6) 「SCDOS(Supply Chain Design & Optimization Services)」とは、お客様のサプライチェーン上の多様なデータを一元管理・可視化し、課題解決や戦略立案をサポートするサービスを意味します。
(注7) 「VAS(Value Added Services)」とは、顧客への調達支援や製造支援を含む高付加価値サービスを意味します。
(注8) 「三温度帯倉庫」とは、常温・冷蔵・冷凍機能を備えた倉庫を意味します。
(注9) 「SSCV」とは、「Smart & Safety Connected Vehicle」の略であり、「持続可能な輸送サービス」と「事故ゼロ社会の実現」をめざして開発・提供する輸送デジタルプラットフォームであり、「SSCV-Safety」(安全運行管理)、「SSCV-Smart」(受発注管理、配車管理、運行管理)及び「SSCV-Vehicle」(車両管理の最適化、故障予兆・予防整備)の3つのソリューションで構成されております。
(注10) 「2024年問題」とは、働き方改革関連法によって2024年4月に自動車運転業務に対して、時間外労働時間の年間960時間の上限規制が適用されることに伴い、発生するドライバー不足を含む諸問題を意味します。
これらの事業における諸施策の遂行と、諸施策の遂行の基盤となる「ESG経営の基盤強化」は企業価値向上への両輪であり、「ESG経営の基盤強化」のために、脱炭素活動を含めた環境施策の推進や各種災害対策などのリスクマネジメント、高度かつ持続的な安全・品質活動を通じ、社会・経済・環境価値を創出してまいります。
一方で、本書提出日時点において、当社グループは、当社、当社の連結子会社77社及び持分法適用関連会社15社(以下「当社グループ」といいます。)で構成されるところ、当社グループの属する物流業界の事業環境においては、日本国内の少子高齢化を背景とした労働力不足や新型コロナウイルス感染症拡大・地政学的リスクの顕在化・他業種からの物流事業への参入による競争激化等の直面する環境変化に対し、グローバルサプライチェーンの維持・強靭化の対応のため、さらにはIoT(注11)・AI(人工知能)(注12)・ロボティクス(注13)・DX(デジタル・トランスフォーメーション)によるイノベーションで課題解決を図り、持続可能な社会の実現に取り組んでいくことが求められております。
(注11) 「IoT」とは、モノのインターネット(Internet of Things)の略称であり、身の回りのものがインターネットにつながる仕組みのことを意味します。
(注12) 「AI」とは、人工知能(Artificial Intelligence)の略称です。
(注13) 「ロボティクス」とは、ロボットの設計・製作・制御を行う「ロボット工学」を意味します。
上記のような状況を踏まえ、当社は、当社のめざす姿を早期に実現するためには、意思決定のスピードアップのみならず、機動的な事業投資を実行せしめる投資資金の獲得、外部知見の導入といった、当社の企業競争力を高める組織的な能力を補完するパートナーとの協創が必要であり、そのためには、現在の資本構成に制限されない迅速な経営と改革を進めることが必要であると判断し、様々な検討を行ってまいりました。
その中でも、当社は、これまでも、複数の事業会社や投資ファンドとの間で、資本取引の可能性を含めた当社の成長戦略についての協議を重ねてきており、かかる協議の一環として、特にKKRとの間では、過去約5年にわたり、事業成長の加速や将来の成長に向けた競争優位性について、当社による事業パートナーとのM&Aの可能性に関する検討等も含め継続的に議論を重ねてきました。その結果、当社は、「SCM(注14)全体最適化に向けた高付加価値ソリューション」、「DX推進による顧客利便性の向上と効率化」、「海外向けの一貫したバリューチェーンの強化」、「投資先行型案件への取り組み強化」、「戦略的M&Aの推進」及び「協創パートナーとの連携を通じたプラットフォーマーとしての地位強化」といった当社の経営課題に対する方向性についても共有しているKKRとの間で将来にわたり企業価値向上を推進するパートナーとしての信頼関係を構築していると考えております。
当社としては、KKRは、(ⅰ)経営コンサルティング又は事業会社での実務経験を有するプロフェッショナルで構成され、投資先企業に対して「現場でのハンズオン支援」を提供するKKRキャップストーンや、資金調達を専門とするKKRキャピタルマーケッツ等、投資先企業の事業改善に向けた戦略策定及び実行支援や、中長期的成長に資する資本政策の推進を支援する潤沢なリソースを有しており、(ⅱ)カーブアウト案件、投資先企業の追加買収・PMI支援、及び事業会社の共同出資パートナーへの招聘・協働における豊富な実績を有しており、(ⅲ)さらに近年では、DXの推進をテーマとした西友及び弥生への投資や、国内最大級の不動産運用会社であるMC-UBSRの買収等、当社経営課題と関連性の高い分野での投資実績も重ねていると考えております。
これら及び下記「(ⅱ) 公開買付者と当社及び日立製作所との協議、公開買付者による意思決定の過程等」に記載する本入札プロセス(以下に定義します。)を踏まえ、当社は、2022年3月28日に、当社のLOGISTEED戦略を実現するためには、当社及び当社事業への理解、中長期的な企業価値向上を支援する知見とリソース及び日本市場への強いコミットメントと豊富な実績を有するKKRとのパートナーシップにより、現在の資本構成に制限されることなく非上場化の上で、ともに上記改革を進めることが最適と判断しました。
(注14) 「SCM」とは、「Supply Chain Management」の略であり、原材料の調達から商品が消費者へ渡るまでの生産・流通プロセスについて全体の効率化を図る経営管理のことをいいます。
(ⅱ) 公開買付者と当社及び日立製作所との協議、公開買付者による意思決定の過程等
上記「(ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等」に記載の経営環境の下において、当社は、日立製作所より、2021年1月下旬、本売却予定株式を速やかに売却したい旨の意向を受け、また、当社は、日立製作所より、同年3月上旬、本売却予定株式の売却を前提とした資本取引に関する協議開始の打診を受けたことを踏まえ、当社は、日立製作所との間で当社の株主を日立製作所以外の第三者のみとし、当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引(以下、当該取引又は当該取引の検討の過程における本売却予定株式の売却を前提とした資本取引(当社株式を非公開化することを目的とする取引に限られません。)を「本資本取引」といいます。)の進め方について、同年3月上旬から本格的な協議を開始しました。なお、当該3月上旬の協議において、日立製作所からは、本資本取引について、①当社の成長戦略に資すること、②当社の全株主に対して株式の売却の機会が付与されること、③少なくとも時価以上の株価で売却の機会が提供されることという3つの条件が示され、当該条件を充足するという観点から公開買付けによって、本資本取引を実施することについて検討することを確認いたしました。
その後、当社及び日立製作所は、事業会社や複数の投資ファンドを含めた潜在的な売却先5社との間で同年3月上旬から同年4月下旬にかけて協議を重ね、同年4月下旬から5月上旬にかけて、事業会社や複数の投資ファンドを含めた潜在的な売却先5社のうちKKRを含めた投資ファンド3社から本資本取引に関する買収価格が含まれない初期的な提案を受領いたしました。
当社は、同年5月上旬、UBS証券株式会社(以下「UBS証券」といいます。)を本資本取引に係る財務アドバイザー及び第三者評価機関に選任し、本資本取引に関する上記の初期的な提案を比較検討の上、当社の更なる企業価値向上、及び、日立製作所を含む当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式の取得に関心を示すと考えられる複数の候補先を対象とする入札手続を実施した上で、買手を決定することが望ましいと同年5月中旬に判断いたしました。なお、当該時点において、当社及び特別委員会は、本資本取引に関する上記の初期的な提案の検討を行うとともに、別途、当該入札手続において、当社の上場維持を前提とした当社の発行済株式の一部の取得を実現する取引スキーム(以下「上場維持スキーム」といいます。)と、当社の非上場化を前提とした当社の発行済株式の全部の取得を実現する取引スキーム(以下「非上場化スキーム」といいます。)のいずれの提案を求めるかについても検討を行いました。具体的には、投資ファンドを候補先として非上場化スキームにより本資本取引を実施した場合、レバレッジにより投資リターンを上げることが可能なLBOローンの利用が想定され、当社の有利子負債が増加すること、また、当社が非上場化することにより、当社が上場会社として享受していた社会的信用や知名度の維持・向上等のメリットが享受できなくなることにより取引先等との関係に影響が生じ得ること等について慎重に検討を行いました。当該検討の結果、当社及び特別委員会は、非上場化した場合、LBOローンに伴う負債の増加により投資に制約がかかり、安定的で強靱な競争力あるサプライチェーンの維持が困難になる可能性があること、日立グループから離脱する中で、既存顧客からの信用を確保し、良好な関係の維持するためには上場会社であることが重要であること、既存又は新規の当社の事業と親和性のある事業を営む事業者(以下「協創パートナー」といいます。)との協創関係の維持・強化の観点からは独立した上場会社であることが重要であることから、当社の事業運営や成長戦略の実行の観点からは、LBOローンを利用した非上場化スキームではなく、上場維持スキームによって本資本取引を行うことが当社の中長期的な企業価値の向上にとって望ましいと、同年5月中旬に考えました。
当社は、同年5月下旬以降、競争環境を醸成しつつ、具体的な買収価格を提示させることを企図し、上記初期的な提案を受領したKKRを含む投資ファンド3社に本資本取引に関する入札プロセスに参加することを打診し、上場維持スキームを前提とした本資本取引に関する提案を求める第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を開始いたしました。なお、その後、同年6月上旬に、追加で投資ファンド1社を本第一次入札プロセスに招集いたしました(当該候補先を含む投資ファンド4社を、以下「本第一次候補先」といいます。)。本第一次入札プロセスの開始後、本第一次候補先は、当社の事業・財務に関する初期的なデュー・ディリジェンスや当社経営陣との面談等を実施いたしました。そして、同年7月上旬に、当社は本第一次候補先より提案書を受領し、当該提案書の内容について株式価値評価額、取引のスキーム、資金調達力・資金調達の前提条件、成長戦略を含む本資本取引実施後の経営戦略及びその支援体制、従業員の処遇及びガバナンス体制等の経営方針等の諸条件、並びに少数株主の利益の最大化などの観点から慎重に比較検討を行うとともに、日立製作所との間でも同年7月上旬から同年8月中旬までの間に複数回にわたって協議を行いました。さらには、当該協議と並行して、同年7月上旬に、当社との間での事業面での協業を検討していた事業会社1社から、事業上の協業の打診があったことから、当社より当該事業会社に対して本第一次入札プロセスへの参加を提案し、当該事業会社との間でも協議を開始しました。そして、当該事業会社からは、同年7月下旬に初期的な意向表明書を受領いたしました。
もっとも、同年8月中旬、日立製作所から当社に対し、非上場化スキームも含めた全ての選択肢に基づく提案を求め、それらを真摯に評価した上で、当社の企業価値向上及び株主利益の最大化の観点から最適な提案を、日立製作所が当社と協議の上で選択したいとの意向が示されました。当社としては、上記のとおり、上場維持スキームにより本資本取引を行うことが当社の企業価値の向上に資するとの認識を有していたものの、株主価値の最大化の観点及び売主である日立製作所の意向に鑑みて、同年10月中旬、日立製作所との協議を経て、日立製作所主導で、当社の非公開化の提案も含めた再一次入札プロセス(以下「本再一次入札プロセス」といいます。)を開始することに同意いたしました。なお、本再一次入札プロセスにおいては、当社との事業上のシナジーが見込め、LBOローンを利用せず当社の全株式の取得が可能な事業会社も対象に含めることとし、また、上場維持を前提とした提案と非上場化を前提とした提案を比較検討する観点から、当該プロセスに参加する候補先に対しては、同年10月中旬、本第一次候補先及び初期的な意向表明書を提示した事業会社1社(以下「本再一次候補先」と総称します。)に対して、本再一次入札プロセスのプロセスレターを送付し、上場維持スキームと非上場化スキームの両方の提案を求めました。
そして、当社及び日立製作所は、同年11月初旬から中旬にかけて、全ての本再一次候補先より本再一次入札プロセスに関する提案を受けました。当該提案につき、当社は、本第一次入札プロセスと同様の観点から慎重に比較検討を行うとともに、日立製作所との間でも同年11月初旬から同年12月中旬までの間に複数回にわたって協議を行いました。当該協議に基づき、当社は、本再一次候補先による本再一次入札プロセスに関する提案の内容について、以下のとおり理解しました。
① 買収価格については、非上場化スキームにおいてLBOローンを利用したスキームとLBOローンを利用していないスキームの価格差を付けない提案もあったものの、LBOローンを利用したスキームが非LBOローンの価格を上回る提案も存在したこと
② 非上場化スキームの方が上場維持スキームよりも高い買収価格を全ての本再一次候補先が提案したこと
③ 本資本取引の成立の見込みを高める観点から、より高い買収価格の提案が見込まれるスキームを選択する必要があること
④ 当社の事業運営への影響については、当社グループの属する物流業界においては、外資系ファンドの傘下になることについて、一定の抵抗感を取引先等に持たれる可能性が想定されたところ、買収SPCに国内事業パートナーが参加する場合には、既存顧客からの信用の確保及び良好な関係の維持、並びに既存又は新規の協創パートナーとの協創関係の維持・強化が期待できることから、事業運営や成長戦略の実行に及ぼす影響が限定的である可能性があり、非上場化スキームを採用した場合でも当社の企業価値の向上に資する取引が可能であると考えられたこと
⑤ LBOローンを利用した場合、当社に一定の財務制限条項等に基づく財務負担が生じることが予定されていることから、本資本取引に伴い生じる当社の財務負担はLBOローンを利用した非上場化スキームの方が、LBOローンを利用しない非上場化スキームよりも大きいこと
その結果、本再一次入札プロセス後のプロセスにおいては、上記①乃至③を踏まえて非上場化スキームのみの提案を求めつつ、上記④及び⑤を踏まえて、本資本取引に伴う当社の財務負担や非上場化による事業上の影響、買収資金の調達に伴い生じる当社への影響、当社とのシナジーが見込める事業会社との共同出資構想についても提案を求めることが、同年12月中旬に確認されました。
上記の協議及び検討を踏まえて、同年12月中旬、本資本取引についての最終的な候補先を決定するための当社及び日立製作所の共同の第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といい、本第一次入札プロセス及び本再一次入札プロセスと併せて、以下「本入札プロセス」と総称します。)への参加を認める、本再一次入札プロセスにおいて一定の具体性を伴った提案を行ったKKRを含む5社の候補者(以下「本第二次候補先」といいます。)を選定し、2022年1月初旬、本第二次入札プロセスを開始いたしました。本第二次候補先は、本第二次入札プロセスにおいて、同年1月中旬から同年2月下旬まで、当社の事業・財務・法務等に関する本格的なデュー・ディリジェンスや当社経営陣との面談等を通じて、当社株式の取得に係る更なる分析と検討を進め、同年3月1日、当社及び日立製作所は、本第二次候補先の全ての候補先から最終提案書の提出を受けました。
なお、本第二次入札プロセスと並行して、同年2月中旬、日立製作所から、当社に対して、当社及び日立製作所との間で推進している価値創造プロジェクトなどについて、引き続きシームレスに連携し、取り組みを継続していく観点から、本資本取引後も当社との間の資本関係を一定程度維持したい旨の意向が示されました。このため、上記プロセスと並行して、日立製作所が本資本取引後の当社の株主に対し再出資するスキーム(以下「本再出資スキーム」といいます。)に関する資本業務提携契約及び当社の連結子会社で日立製作所が25%出資する日立物流ソフトウェア株式会社の運営等に関する株主間契約の契約条件について、同年3月上旬まで当社及び日立製作所の間で協議を重ねました。
その後、当社は、当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律務事務所及び当社の財務アドバイザーであるUBS証券からの助言等を踏まえて、また、特別委員会の意見も踏まえた上で、本第二次候補先から受領した最終提案書を株式価値評価額、公開買付価格、資金調達力・資金調達の前提条件、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点において総合的に検討した結果、KKRの提案が、本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、資金調達力・資金調達の前提条件が本第二次候補先から提示された資金調達の前提条件との比較において有利なものであったこと、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制の提案内容が本第二次候補先との比較において優位なものであると判断したこと、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続においてより具体的な対応策を示すことにより本資本取引実行の確実性の面において優位なものであったことから、日立製作所とも協議の上、2022年3月上旬に、本再出資スキームの実施の可能性についてKKRと協議を始めました。
一方で、KKRは、当社との間で、過去約5年にわたり、資本取引の可能性を含めた当社の成長戦略についての協議の一環として、事業成長の加速や将来の成長に向けた競争優位性について、当社による事業パートナーとのM&Aの可能性に関する検討等も含め継続的に議論を重ねてきたとのことです。2021年4月下旬、当社に対して、本売却予定株式の売却を含む当社の株主構成の変更及び企業価値向上に向けた資本業務提携を含むパートナーシップに関する初期的な協議を当社との間で複数回にわたり行い、同年5月上旬、当社に対して当社株式の買収に関する買収価格が含まれない初期的な提案を行ったところ、同年5月下旬に、当社より、当社の財務アドバイザーであるUBS証券を通じて、本第一次入札プロセスへの参加打診を受け、本第一次入札プロセスに参加し、同年7月初旬、当社の事業計画及び概要説明資料をもとに、財務モデルを作成し、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出し、2021年7月1日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2021年6月2日から2021年7月1日まで)、直近3ヶ月(2021年4月2日から2021年7月1日まで)及び直近6ヶ月(2021年1月4日から2021年7月1日まで)の終値の単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、単純平均値の計算において同じとします。)(4,530円、4,133円、3,697円及び3,541円。)に対していずれもプレミアム(21.41%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、33.08%、48.77%及び55.32%。)が付与されていることを確認の上、上場維持を前提に公開買付価格を5,500円とする提案を行ったとのことです。その後、同年10月下旬、KKRは、日立製作所より、日立製作所の財務アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を通じて、本再一次入札プロセスに係るプロセスレターを受領するとともに本再一次入札プロセスへの参加打診を受け、本再一次入札プロセスに参加し、同年11月初旬に、本再一次入札プロセスに係る提案書において、当社及び日立製作所に対し、本第一次入札プロセスと同様の分析を実施し、2021年11月4日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2021年10月5日から2021年11月4日まで)、直近3ヶ月(2021年8月5日から2021年11月4日まで)及び直近6ヶ月(2021年5月5日から2021年11月4日まで)の終値の単純平均値(4,600円、4,708円、4,699円及び4,363円。)に対していずれもプレミアム(19.57%、16.82%、17.05%及び26.06%。)が付与されていることを確認の上、上場維持を前提に本第一次入札プロセスと同額の公開買付価格を5,500円とする提案、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、当社が本自己株式取得を実施するスキームの提案、並びに当社の事業計画及び概要説明資料をもとに非公開化を前提として財務モデルを作成し、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出した上で、2021年11月4日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2021年10月5日から2021年11月4日まで)、直近3ヶ月(2021年8月5日から2021年11月4日まで)及び直近6ヶ月(2021年5月5日から2021年11月4日まで)の終値の単純平均値(4,600円、4,708円、4,699円及び4,363円。)に対していずれもプレミアム(48.63%、45.22%、45.50%及び56.70%。)が付与されていることを確認の上、非公開化を前提として公開買付価格を6,837円とし、本自己株式取得における自己株式取得の対価(株式併合前1株当たり。以下「当社自己株式取得価格」といいます。)を4,744円とする提案をしたとのことです。なお、日立製作所において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、当社自己株式取得価格を仮に日立製作所が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額として設定しているとのことです。その後、KKRは、本再一次入札プロセスを通過したことから、2022年1月上旬から実施された本第二次入札プロセスに参加し、同年1月上旬から同年2月下旬にかけて、当社の事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス、当社の経営陣との面談等を実施し、当社株式の取得について、分析、検討を進めたとのことです。そして、KKRとしては、本第二次入札プロセスにおいて2022年1月上旬から同年2月下旬にかけて実施した当社に対するデュー・ディリジェンスを経て、大きな成長余地を有するとKKRが考える当社と、潤沢な人的・資本的リソース及びグローバル・ネットワークを有すると考えているKKRとのパートナーシップを通じ、当社が、「グローバル・サプライチェーン・ソリューションプロバイダー」として、高付加価値化及び事業成長の推進を加速させることができ、当社とその株主の皆様、経営陣及び従業員の皆様、その他ステークホルダーの利益をともに最大化することが可能であるとの考えに2022年3月1日に至ったとのことです。そこで、KKRは、同日に、2022年1月上旬から2月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等に基づき、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析の上、当該分析を反映した財務モデルの作成を再度行い、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出し、さらに、当社と事業内容、事業規模、収益の状況等において比較的類似する複数の上場会社の市場株価と収益性等を示す財務指標等との比較を通じて当社株式の株式価値を分析し、当社及び日立製作所が非上場化スキームのみの提案を求めたことも踏まえ、当社及び日立製作所に対し、2021年11月初旬の提案価格から増額を行い、非公開化を前提として公開買付価格を8,355円、当社自己株式取得価格を6,217円とする最終提案を提示したとのことです。
また、KKRは、本再出資スキームの実施の可能性について当社及び日立製作所と協議及び検討した結果、日立製作所と当社が協創活動として取り組む、WMS(注)、SCDOS、SSCVをはじめとする物流デジタルソリューションの重要性を強く認識する中、本再出資スキームにより期待されるDX分野における共同開発等のシナジー効果が当社の事業成長及び企業価値向上に資すると判断するとともに、日立製作所及びKKRの協議により、当社と日立製作所の間で現在も取り組むDX分野における共同開発等を推進する観点で望ましく、日立製作所が当社の経営に一定の関与を残すことが可能な議決権構成が10%であるとの判断のもと、当社及び日立製作所に対し、同年3月8日に、本スクイーズ・アウト手続後に日立製作所を割当先とする公開買付者親会社による第三者割当増資を行うこと等を含む内容とする変更後の最終提案書を提出したとのことです。なお、KKRファンドと日立製作所の株主の立場を一致する観点で公開買付者親会社に出資するとともに、現金の移動を極力抑え資金フローを効率化する観点で、第三者割当増資は現物出資としているとのことです。
(注) 「WMS」とは、「Warehouse Management System」の略称であり、倉庫などの商品や各種資材の入出庫や在庫管理などの機能を持つ物流センター管理システムのことを意味します。
その後、KKR、当社及び日立製作所は、当該変更後の最終提案書提出以降、繰り返し、提案内容や公開買付価格及び当社自己株式取得価格に関する継続的な協議・交渉を重ねた結果、同年3月28日、当社及び日立製作所が、KKRに対し、公開買付価格及び当社自己株式取得価格が当社及び日立製作所の求める水準を満たすものではないとの理由で、公開買付価格及び当社自己株式取得価格の引き上げを要請したことから、当社及び日立製作所は、同日、KKRより、公開買付価格を8,464円へ、当社自己株式取得価格を6,298円へ引き上げること等を内容とする追加変更後の最終提案書の提出を再度受けました。当社は、提案条件に関するKKRとの協議交渉と並行して、株式価値評価額、公開買付価格、資金調達力・資金調達の前提条件、本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点において、各最終提案書を総合的に検討した結果、同年3月28日、日立製作所とも協議の上、本第二次候補先の中から、上記の観点から最終提案内容が最も優れていたKKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討(最終的な公開買付価格に関する交渉を含みます。)を開始いたしました。
その後、KKR、当社及び日立製作所は提案内容に関する継続的な協議・交渉を重ねる中で、同年4月14日、引き続き公開買付価格及び当社自己株式取得価格が当社及び日立製作所の求める水準を満たすものではないとの理由で、当社及び日立製作所より公開買付価格及び当社自己株式取得価格の引き上げを要請したことから、その後も改めて公開買付価格及び当社自己株式取得価格に関する継続的な協議・交渉を重ねた結果、KKRは、同年4月18日に、当該最終提案における買付価格として、公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とする修正提案を提出したところ、同日、当社及び日立製作所より最終候補者として選定する旨の連絡を行いました。また、当該修正提案を提出した後、同年4月21日に本取引に関する一部報道機関による憶測報道等がなされ、当社の市場株価の変動が生じましたが、当該憶測報道が当社の事業及び財務の状況に影響を与えるものではないため、本公開買付価格及び当社自己株式取得価格の見直しは必要ないとKKRは判断するとともに、KKR、当社及び日立製作所にて本取引の実施に向けた継続的な協議・交渉を重ねた結果、2022年4月28日に、本公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とすることでKKR、当社及び日立製作所との間で合意に至ったことから、公開買付者は、日立製作所との間で本基本契約を締結することを決定し、日立製作所との間で本基本契約を締結するとともに、同日、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
そして、公開買付者は、当社に対し、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に行いました。そして、公開買付者は、ロシア当局からの承認の取得という条件を除く本公開買付前提条件について、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、いずれも充足されたことを確認したことから、2022年9月29日付公開買付者訂正プレスリリースの予定どおりの時期に本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、2022年10月27日、本公開買付けを2022年10月28日より開始することとしたとのことです。
(ⅲ) 本公開買付け後の経営方針
本取引後は、KKRは、当社の役職員とともに、今まで当社が築き上げてきた確固たる事業基盤を活かしつつ、KKRが有するグローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)・インオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略の推進を通じて、当社の更なる事業成長及び企業価値の向上をめざしていくとのことです。また、当社の事業成長及び企業価値の向上に資するシナジー効果が期待できる事業会社を共同出資パートナーとして招聘することについても、継続的に検討・協議していくとのことです。その上で、KKRは、本取引を通じて当社の事業成長及び企業価値の向上が実現した後は、当社株式の再上場を行うことを基本方針としているとのことです。なお、KKRは、本取引後、当社のコーポレートローン・ストラクチャーを維持することを基本方針としており、財務コベナンツ・担保、保証等の負担を伴ういわゆるLBOローンへの切替えは想定しておらず、また、公開買付者と当社との合併は想定していないとのことです。さらに、本取引後の負債・資本の再構成については、資本効率を高める観点から、借入返済が一定程度進んだ段階において、一定の水準で実施することを検討しているとのことですが、その場合であっても、再上場に差し支えのない範囲で実施する想定であるとのことです。
公開買付者は、現時点においては、本取引後に、経営の効率化を図るために、指名委員会等設置会社から監査役会設置会社に移行すること、KKRが指名する当社の取締役(3名又は4名)及び監査役(1名又は2名)を選任することを予定しておりますが、その具体的な候補者等については、未定とのことです。また、公開買付者は、本資本業務提携契約に基づいて、本取引後に、日立製作所が指名する当社の取締役1名を選任することを予定しておりますが、その具体的な候補者等については未定とのことです。本資本業務提携契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本資本業務提携契約」をご参照ください。
なお、公開買付者は、当社の役職員に対してストックオプション等のインセンティブ・プランの導入を予定しており、公開買付者及び当社の役職員が一丸となって、当社の長期的な企業価値の向上を図る体制を構築する予定とのことです。なお、具体的な導入時期は未定とのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、2021年5月下旬より、本第一次入札プロセス、本再一次入札プロセス及び本第二次入札プロセスで構成される本入札プロセスを開始し、複数の候補者を対象とするデュー・ディリジェンス及び各候補者との協議を含む入札手続を経て、各候補者の提案内容を総合的に検討した結果、2022年3月28日、日立製作所とも協議の上、各候補者の中で最終提案内容が最も優れていたKKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討(最終的な公開買付価格に関する交渉を含みます。)を開始しました。
なお、当社は、2022年4月15日付で「物流センターにおける火災に伴うその他の費用(火災損失)の計上および、2022年3月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を公表し連結業績予想の修正を行っておりますが、当該修正は、2021年11月29日に当社のグループ会社である株式会社日立物流西日本の物流センターにて発生した火災を理由とするものであり、本資本取引とは無関係に行われたものです。
当社は、本資本取引は、最終的に買手として選定されるいずれかの候補先と当社の議決権の約40%を有する筆頭株主である日立製作所が本公開買付けの実施を含む最終契約を締結する予定であり、日立製作所と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本資本取引及び本入札プロセスにおける候補者選定過程に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、本資本取引の是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性、買付者(パートナー)の選定プロセスを含む手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、本資本取引の検討開始直後の2021年4月27日に特別委員会を設置し、本資本取引における手続の公正性・妥当性等について諮問しております(委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」をご参照ください。)。これに加えて、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の各措置を講じた上で、財務アドバイザーであるUBS証券から取得した株式価値算定書の内容、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、特別委員会から2022年4月28日に提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本資本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本資本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
すなわち、当社は、株式価値評価額、取引のスキーム、契約条項、資金調達力・資金調達の前提条件、バリューアップ施策を含む本資本取引実施後の経営戦略及びその支援体制、従業員の処遇及びガバナンス体制等の経営方針等の諸条件、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続の要否及び当該手続の必要期間の短さ等の観点、並びに少数株主の皆様の利益の最大化の観点から、本第二次候補先から受領した最終提案書を総合的に検討した結果、KKRによる提案が最善であり、KKRとともに本資本取引を進めることが、今後の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。より具体的には、KKRの提示した株式価値評価額及び公開買付価格が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、KKRによる提案は負債性資本の調達において当社の保証や担保に依存するLBOローンが想定されておらず、資金調達力・資金調達の前提条件が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された資金調達の前提条件との比較において有利なものであったこと、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制の提案内容が、過去の実績、リソース等によって裏付けられており、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先の提案内容との比較において優位なものであると判断したこと、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続において当該手続が必要となる国・地域及び届出準備のための期間等を踏まえたより具体的な対応策を示すことにより本資本取引実行の確実性の面において優位なものであったことから、KKRが提示した提案が、当社の株主の皆様にとって最善のものであると判断し、2022年3月28日、日立製作所とも協議の上、KKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討を開始しました。その後、当社及び日立製作所は、KKRとの間で、提案内容に関する継続的な協議・交渉を重ねる中で、同年4月14日、当社及び日立製作所は、KKRに対し、引き続き公開買付価格及び当社自己株式取得価格が当社及び日立製作所の求める水準を満たすものではないとの理由で、公開買付価格及び当社自己株式取得価格の引き上げを要請したことから、その後も改めて公開買付価格及び当社自己株式取得価格に関する継続的な協議・交渉を重ねた結果、同年4月18日に、KKRより、公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とする修正提案を受け、同日、当社及び日立製作所は、KKRに対し、最終候補者として選定する旨の連絡を行いました。その後、KKR、当社及び日立製作所にて本取引の実施に向けた継続的な協議・交渉を重ねた結果、同年4月28日に、公開買付価格を8,913円とし、当社自己株式取得価格を6,632円とすることでKKR、当社及び日立製作所との間で合意に至りました。
また、本公開買付価格について、(a)上記のとおり、KKRの提示した株式価値評価額及び公開買付価格が、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、(b)下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得」に記載のUBS証券による当社株式の価値の算定結果のうち、本公開買付価格及びKKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値(注1)は、市場株価平均法(基準日1(以下に定義します。))、類似企業比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の上限を上回っており、また、本公開買付価格は市場株価平均法(基準日2(以下に定義します。))による算定結果の上限を上回り、KKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値は市場株価平均法(基準日2)による算定結果のレンジの上限に近接した数値であること、(c)当社株価変動のきっかけとなった当社による本第一次入札プロセスの開始に関する一部報道機関による憶測報道等(2021年6月16日の立会時間終了後)がなされる直前の2021年6月16日の東京証券取引所における当社株式の終値3,915円に対して127.66%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値3,575円に対して149.31%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値3,545円に対して151.42%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値3,408円に対して161.53%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、かつ、本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日の東京証券取引所における当社株式の終値8,270円に対して7.78%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値6,877円に対して29.61%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値6,341円に対して40.56%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値5,681円に対して56.89%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、本資本取引に関する複数回の憶測報道により本資本取引に関する期待値等の影響を相当程度受けたものであるという見方も不合理ではない状況においても一定のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること、(d)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられており、少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
以上より、当社は、2022年4月28日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが実施された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の特別委員会に対して、特別委員会が2022年4月28日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。
その後、2022年9月15日に開催された第21回特別委員会において、当社は、公開買付者における競争法及び対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応の進捗状況等(ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出が新たに必要となったことを含みます。)を各委員に対して共有し、UBS証券は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨を各委員に対して説明いたしました。また、当社は、2022年10月20日に開催された第22回特別委員会において、公開買付者におけるロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出の進捗状況等を各委員に対して共有いたしました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受けたため、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、同日、当社の特別委員会に対して、本答申書の意見の内容に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問しました。特別委員会は、当社に対して、2022年4月28日以降、本資本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い当該諮問事項について慎重に検討した結果、2022年4月28日以降、2022年10月26日までの事情を勘案しても、本答申書の答申の内容について、いずれも変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2022年10月26日付で、当社の取締役会に対して、本答申書における意見に変更がない旨の追加答申書(以下「追加答申書」といいます。)を提出しました。当社は、特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、2022年10月27日現在においても、本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したことから、2022年10月27日開催の取締役会において、改めて本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当社の両取締役会決議の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。
(注1) 当社株主の1株当たりの価値の計算で用いる株式数は、当社が2022年4月28日に公表した「2022年3月期 決算短信[IFRS](連結)」(以下「当社2022年3月期決算短信」といいます。)に記載された2022年3月31日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式184,700株を除きます。)(228,530株)を控除した株式数(83,873,184株)です。
(3) 算定に関する事項
① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得
(ⅰ) 第三者評価機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、日立製作所及び当社から独立した当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関であるUBS証券に対し、当社株式の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、2022年4月28日付で、下記(ⅱ)(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得しました。
当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日開催の取締役会から2022年10月27日時点までの状況及び本分離措置の可能性を考慮しても、本株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等は不要であると判断しております。
UBS証券は、公開買付者、日立製作所及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本資本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、UBS証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、本資本取引に係るUBS証券の報酬は、本資本取引の完了を条件に支払われる成功報酬及び本資本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬とされております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本資本取引が成立した場合又は不成立となった場合に当社が負担することとなる報酬の条件等も勘案の上、上記の報酬体系によりUBS証券を当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関として選任いたしました。
(ⅱ) 算定の概要
UBS証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似企業比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、下記(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下に当社の株式価値分析を行っております。
UBS証券によれば、上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たり株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。UBS証券による本株式価値算定書作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項については、下記(注1)をご参照ください。
市場株価平均法(基準日1): 3,408円~3,915円
市場株価平均法(基準日2): 5,681円~8,270円
類似企業比較法: 2,796円~5,093円
DCF法: 3,618円~6,407円
市場株価平均法では、①当社による本第一次入札プロセスの開始に関する一部報道機関による憶測報道等(2021年6月16日の立会時間終了後)による株価への影響を排除するため、かかる報道がなされる前の取引である2021年6月16日を基準日(以下「基準日1」といいます。)として、東京証券取引所における当社株式の基準日1の終値3,915円、基準日1までの過去1ヶ月の終値の単純平均値3,575円、同過去3ヶ月の終値の単純平均値3,545円、同過去6ヶ月の終値の単純平均値3,408円を基に、当社株式の1株当たりの価値(注2)の範囲を3,408円から3,915円まで、②本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日を基準日(以下「基準日2」といいます。)として、東京証券取引所における当社株式の終値8,270円、過去1ヶ月の終値の単純平均値6,877円、同過去3ヶ月の終値の単純平均値6,341円、同過去6ヶ月の終値の単純平均値5,681円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を5,681円から8,270円までと算定しております。
類似企業比較法では、当社と比較的類似性があると判断される事業を営む上場企業の市場株価及び収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,796円から5,093円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2023年3月期から2027年3月期までの5期分の連結ベースの事業計画(以下「本連結財務予測」といいます。)、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の収益予想に基づき、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値及び株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を3,618円から6,407円までと算定しております。
特別委員会は、UBS証券がDCF法による分析の前提とした、本連結財務予測の策定にあたり設定された前提条件及びそれに基づく数値等について、当社より説明を受けた上で質疑応答を行いましたが、特段不合理な点は認められませんでした。また、上記DCF法の基礎とした本連結財務予測については、2023年3月期において、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比で約80%の大幅な増益を見込んでおります。具体的には、2021年11月29日に当社グループ会社である株式会社日立物流西日本の物流センターにて発生した火災損失に関する引当金を2022年3月期に計上したことによる親会社株主に帰属する当期純利益の減益に対して、翌年の2023年3月期には当該火災に関する受取保険金等により、親会社株主に帰属する当期純利益の増益を見込んでおります。当該事業年度以外には大幅な増減益を見込んでいる事業年度はありません。なお、2021年11月29日に当社のグループ会社である株式会社日立物流西日本の物流センターにて発生した火災に関する影響については、2022年4月15日時点で当社が把握している情報を基に合理的に算出した影響金額を本連結財務予測に加味しております。また、本連結財務予測には、当社が2022年4月15日付で公表した「物流センターにおける火災に伴うその他の費用(火災損失)の計上および、2022年3月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」における連結業績予想の修正の影響が織り込まれております。
また、本資本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、本連結財務予測には加味されておりません。
(注1) 本株式価値算定書は、当社取締役会がその立場において本公開買付価格を財務的見地から検討することのみを目的として提供されたものです。本株式価値算定書は、本資本取引に関連して当社のいかなる種類の有価証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。本株式価値算定書は、本資本取引の取引形態、ストラクチャー等を含め本資本取引の条件その他の側面について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、当社にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本資本取引の相対的な利点又は本資本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。また、本資本取引又はそれに関連する事項について、当社の株主に対して本資本取引に応募すること又はしないこと、当社の株主の議決権行使又は行動について何ら意見を述べ又は推奨するものでもありません。また、本資本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本資本取引の公開買付価格との比較における公正性(財務的か否かを問いません。)について、何らの意見も見解も表明するものではありません。本株式価値算定書は、本資本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において当社株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもありません。
本株式価値算定書の作成にあたりUBS証券は、本株式価値算定書作成のためにUBS証券が吟味した公開の又は当社若しくは当社の他のアドバイザーから提供された前提事項又は情報等の正確性及び完全性を前提とし、またそれらに依拠しています。当該前提事項又は情報等について、UBS証券又はその役職員、代理人、代表者、アドバイザーその他のいずれも、別途その内容を検証していません。
UBS証券又はその役職員、代理人、代表者若しくはアドバイザーのいずれも、本株式価値算定書に含まれる情報の正確性、完全性、信頼性及び充分性について、また、本株式価値算定書の中で前提としている内容の妥当性について、明示されていると否とにかかわらず、何ら表明、保証又は約束するものではありません。
本株式価値算定書は当社取締役会の利益のためにのみ提供され、当社の株主又はその他いかなる者も、本株式価値算定書に依拠してはならず、また本株式価値算定書によって利益、権利又は救済を得られるものではありません。
本株式価値算定書を受領することにより、当社は、法令上許容される限り、かつそれが詐欺による場合及び委託契約書に定める場合を除き、本株式価値算定書又は本株式価値算定書に関連して書面若しくは口頭により提供される情報、本株式価値算定書に含まれる情報の誤り又は本株式価値算定書からの情報の脱漏から生じ得るあらゆる責任から、UBS証券並びにその役職員、代理人、代表者及びアドバイザーを明示的に免責することを確認し、承諾しています。
本株式価値算定書には、当社からUBS証券に提供された将来予想に関する記述、見通し、見積もり、予測、目標、及び意見(以下「将来予測」と総称します。)が含まれる可能性があり、UBS証券は将来予測の妥当性及び達成可能性(またそれらの前提及び根拠)について、当社の経営陣の意見に依拠しています。UBS証券は、かかる将来予測が、現時点で入手可能な最善の当社の経営陣による評価及び判断を示すものであること、並びに、かかる将来予測が当社の経営陣が熟考した数値又は時期において実現することを前提としています。本株式価値算定書中の全ての前提事項は当社と検討し、合意されています。かかる将来予測は、大きな前提と主観的判断を含んでおり、それらが正しいものとは限らず、また、いかなる将来予測も将来の業績の信頼性の高い指標であるとの保証はなく、また、それらが達成可能又は実現するとは限りません。本株式価値算定書に含まれる将来予測は、その達成又は妥当性について何ら表明保証はなされておらず、また依拠されるべきものでもありません。
本株式価値算定書は、本株式価値算定書の日付現在における経済、規制、市況その他の状況、及び同日までにUBS証券が入手した情報に基づいて作成されたものであり、その後の状況の変化により、本株式価値算定書に含まれる情報に影響が生じる可能性があります。本株式価値算定書の内容は本株式価値算定書の日付現在のものであり(本株式価値算定書中で別途過去時点を示す場合を除きます。)、本株式価値算定書の提供に際し、当社に対し、①追加情報の提供、②本株式価値算定書中の将来予測を含む情報の更新、改訂若しくは再確認、又は③内容の不正確が判明した場合の訂正につき、いかなる者も義務を負わず、また表明又は約束をするものではありません。
本株式価値算定書に記載されたUBS証券による分析は、UBS証券が本株式価値算定書に関連して当社取締役会に提示する主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書に関連してUBS証券が行った分析及び参照した情報を全て網羅するものではありません。本株式価値算定書の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではありません。UBS証券による分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、UBS証券の分析の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得られない可能性があります。UBS証券は、その意見を表明するにあたり、各分析及び要因を総体的かつ全体的に考慮しており、特定の分析又は要因に特別な比重を置いておらず、また、個別に検討した各分析又は各要因のいずれがUBS証券の分析の根拠となったか、また、どの程度根拠となったかについて、UBS証券は意見を述べておりません。UBS証券による分析に際して比較対象として検討されたいずれの会社も、当社の事業部門又は子会社と同一ではなく、UBS証券による分析の目的において、当社と類似すると考えられる事業に従事する公開会社であるという理由により選択されたものです。また、UBS証券による分析は、当社との比較対象として検討された会社の財務及び事業上の特性の相違、並びにこれらの会社に影響を及ぼす可能性のあるその他の要因に関する、複雑な検討及び判断を必然的に伴っています。
本株式価値算定書の作成においてUBS証券は、①本株式価値算定書中で参照される当社又はその他の会社の物的資産・負債について何ら独立した評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価又は鑑定を提供されておらず、②本資本取引の商業的利点に関する検証を行っておらず、③本資本取引について法務、税務、会計又はその他の分析を行っておらず、適宜これらの分野に精通した専門家アドバイザーの判断のみに依拠しており、④本資本取引のために規制上の又は第三者の承認、同意及び免除を得るにあたり、当社、本株式価値算定書中で言及される他の会社又は本資本取引に悪影響を与えるような遅延、制限、制約又は条件がないことを前提としています。
UBS証券は、本資本取引に関連して当社の財務アドバイザーを務め、かかるサービスに対し手数料(その相当部分が、本資本取引の完了を条件としています。)を受領します。また、当社は、UBS証券の関与に関してUBS証券が負担する費用及びUBS証券の業務から発生する一定の責任についてUBS証券に補償することを合意しています。
UBS証券及び同社の関係会社は、本人又は代理人として、全世界において商業銀行業務、投資銀行業務その他の業務(投資助言、資産運用、調査、証券発行、トレーディング(自己勘定及び顧客勘定)並びに仲介を含みます。)に幅広く従事しており、本株式価値算定書に関連して、有価証券、通貨、金融商品、又はその他の資産を裏付けとする取引において、ロング・ショートのポジションを持ち、又はトレーディングやマーケットメイクを行う可能性があります。UBS証券及び同社の関係会社が行うバンキング、トレーディング又はヘッジング業務によりかかる裏付資産の価格に影響が生じることがあり、これに起因して利益又は義務の相反が生じる可能性があります。UBS証券及び同社の関係会社は、当社のグループ企業、役職員その他の法人又は個人(以下「第三者」といいます。)に対してサービスを提供すること、当社若しくは第三者に関して自己勘定か顧客勘定かを問わず取引を行うこと、又は自己若しくは第三者のために何らかの行為をすることがあり、当該サービス提供、取引又は行為により、当社又は当社のグループ企業が不利益を被り、UBS証券又は同社の関係会社が報酬又は収益を得る可能性があります。
(注2) 当社株主の1株当たりの価値の計算で用いる株式数は、当社2022年3月期決算短信に記載された2022年3月31日現在の当社の発行済株式総数(84,101,714株)から同日現在当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の当社執行役に対する業績連動型株式報酬制度として株式交付信託が保有する当社株式184,700株を除きます。)(228,530株)を控除した株式数(83,873,184株)です。
② 公開買付者による算定方法
KKRは、本公開買付価格を決定するに際し、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して2022年1月上旬から同年2月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等に基づき、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析の上、当該分析を反映した財務モデルの作成を行い、KKRとして必要とする投資リターンが確保できる公開買付価格を算出したとのことです。また、公開買付者は、当社株式が金融商品取引所を通じて取引されていることに鑑みて、公開買付者が本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(8,270円)並びに直近1ヶ月(2022年3月28日から2022年4月27日まで)、直近3ヶ月(2022年1月28日から2022年4月27日まで)及び直近6ヶ月(2021年10月28日から2022年4月27日まで)の終値単純平均値(6,877円、6,341円及び5,681円)の推移を参考にしたとのことです。さらに、当社と事業内容、事業規模、収益の状況等において比較的類似する複数の上場会社の市場株価と収益性等を示す財務指標等との比較を通じて当社の株式価値を分析したとのことです。
なお、公開買付者は、上記の諸要素を総合的に考慮し、かつ、当社及び日立製作所との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの株式価値算定書の取得はしていないとのことです。
本公開買付価格8,913円は、本公開買付け実施についての公表日(2022年4月28日)の前営業日である2022年4月27日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値8,270円に対して7.78%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値6,877円に対して29.61%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値6,341円に対して40.56%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値5,681円に対して56.89%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっているとのことです。また、本公開買付価格8,913円は、本書提出日の前営業日である2022年10月27日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値8,690円に対して2.57%のプレミアムを加えた価格となっているとのことです。
(4) 上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズ・アウト手続を実施することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった場合は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立し、公開買付者が当社株式の全て(但し、本売却予定株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社に対し、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2023年2月上旬を目途に開催することを要請する予定とのことです。なお、公開買付者及び日立製作所は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者、日立製作所及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者及び日立製作所のみが当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者、日立製作所及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。
当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができ、かつ裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができます。なお、これらの申立てがなされた場合における、当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者、日立製作所及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者が当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
なお、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けにより当社の議決権の過半数以上を取得できない場合であって、かつ、本株式取得に関する承認を取得する前に、本株式併合の効力が生じる場合には、本株式併合の効力発生日までの間に、本分離措置を講じることとしているとのことです。かかる場合に本分離措置を講じることに関し、Vantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主である当社並びにVantec HTS Logistics (Rus) LLCの株主及び当社の完全子会社である株式会社バンテックから了承を得ているとのことです。
(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、本資本取引は、当社の議決権の約40%を有する筆頭株主である日立製作所から提案された取引であり、日立製作所と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本公開買付価格の公正性を担保し利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しました。
なお、公開買付者は、本売却予定株式が33,471,578株(所有割合:39.91%)であることに鑑み、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定していないとのことですが、公開買付者及び当社において以下の①から⑥までの措置が講じられていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 入札手続の実施
「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社は、2021年5月下旬より、複数の候補者を対象とする本入札プロセスを実施し、KKRを含む複数の候補者に2022年1月中旬から2022年2月下旬までデュー・ディリジェンスの機会を付与した上で、複数の候補者から最終意向表明書を受領いたしました。
その後、KKR、当社及び日立製作所は継続的に協議・交渉を重ねた結果、KKRの提示した株式価値評価額及び公開買付価格が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された株式価値評価額及び公開買付価格との比較において最も高額であったこと、資金調達力・資金調達の前提条件が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から提示された資金調達の前提条件との比較において有利なものであったこと、本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制の提案内容が本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先との比較において優位なものであると判断したこと、競争法その他の適用法令に基づくクリアランス取得等の手続においてより具体的な対応策を示すことにより本資本取引実行の確実性の面において優位なものであったことから、KKRが提示した提案と比べて、当社の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補先は存在しませんでした。
② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手
当社は、本資本取引は、最終的に買手として選定されるいずれかの候補先と当社の議決権の約40%を有する筆頭株主である日立製作所が本公開買付けの実施を含む最終契約を締結する予定であり、日立製作所と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本資本取引及び本入札プロセスにおける候補者選定過程に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、本資本取引の是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性、買付者(パートナー)の選定プロセスを含む手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、本資本取引の検討開始直後の2021年4月27日に、公開買付者、日立製作所及び当社らから独立した浦野光人氏(当社社外取締役、独立役員)、西島剛志氏(当社社外取締役、独立役員)及び渡邊肇氏(当社社外取締役、独立役員、弁護士)の3名から構成される特別委員会を設置しました。また、特別委員会の委員の互選により特別委員会の委員長として浦野光人氏が選定されております。特別委員会の委員の報酬は、浦野光人氏、西島剛志氏及び渡邊肇氏は、当社の社外取締役であることから、委員としての職務に応じた報酬の支払いについては、報酬委員会において別途検討することとしております。2022年4月21日開催の当社報酬委員会において検討がなされたところ、同委員会は、特別委員会の各委員に対し別途の報酬・手当は支払わないことを決定しており、本資本取引の成立を条件とする成功報酬は採用されておりません。
当社取締役会は、当該特別委員会に対し、当社が表明すべき意見の内容を検討する前提として、(ⅰ)本資本取引の目的の正当性・合理性(本資本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本資本取引における手続(パートナーの選定プロセスを含む。)の公正性、(ⅲ)本資本取引の条件の公正性・妥当性、(ⅳ)本資本取引に際して公開買付けが実施される場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して公開買付けへの応募を推奨することの是非、(ⅴ)上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえて、当社取締役会が本資本取引に関する決定を行うことが当社の少数株主にとって不利益ではないか、という各事項(以下「本諮問事項」といいます。)について、2021年4月27日に諮問しております。また、当社取締役会は、特別委員会の設置に際し、(a)当社取締役会は、本資本取引の実施を決定するに際しては、特別委員会の意見を最大限尊重し、特別委員会が本資本取引を実施することが妥当でないと判断した場合には、本資本取引の実施を決定しないこと、(b)特別委員会は、パートナーの選定プロセス及び取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、パートナーの選定プロセス及び取引条件に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて直接交渉を行うことができること、(c)特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、当社による合理的費用の負担の下、独自にアドバイザー等を選任する権限、及び当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼できると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができること、並びに(d)特別委員会が答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社又は当社のアドバイザーに対して求めることができることを、併せて決議しております。もっとも、特別委員会は、当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関であるUBS証券並びに法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、独自にアドバイザーを選任する権限を行使しておりません。
特別委員会は、2021年4月27日より2022年4月28日までの間に合計20回、合計約20時間にわたって開催され、本諮問事項についての協議及び検討を行いました。
具体的には、特別委員会は、KKR及び当社より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討を行うとともに、当社、当社の財務アドバイザーであるUBS証券、及び当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から、公開買付者を選定するプロセスの概要、選定手法、選定手続の確認、本公開買付けを含む本資本取引の経緯・背景、内容、意義・目的、当社の企業価値に与える影響、公開買付者及び日立製作所との関係及び現在の提携の内容、各アドバイザーの独立性、本公開買付価格の算定手法の合理性、分析の前提事実の適正性、利害関係者からの不当な干渉の有無、当社の状況や当社が意思決定をするに至る経緯・検討経緯の妥当性、開示の適正性その他本資本取引に関連する事項について説明を受けるとともに、質疑応答を行いました。また、特別委員会は、当社役職員から当社の事業計画について説明を受け、質疑応答を行った上で事業計画の合理性について確認を行い、当社の財務アドバイザーであるUBS証券から、当社宛に提出された本株式価値算定書について説明を受け、当該価値算定の前提等に関するヒアリング調査を行いました。加えて、特別委員会は、当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から、当社における本公開買付けを含む本資本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本資本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関して当社が同事務所から得た法的助言の内容についても説明を受け、検討を行いました。なお、特別委員会は、本入札プロセスにおいて、当社が公開買付者を含む本第二次候補先から価格提案を受領する都度、当社から適時にその内容について報告を受け、当社がUBS証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえた当社の見解を聴取した上でその内容を審議・検討し、候補者の選定等の重要な局面において公開買付価格を含む取引条件に関する意見を述べることにより、候補者の選定プロセス及び取引条件に関する交渉過程に実質的に関与しております。
特別委員会は、このような経緯の下、本諮問事項について審議の上、2022年4月28日、当社取締役会に対し、特別委員会において説明を受けた内容及び開示を受けた資料の内容は真実かつ正確であること等の一定の前提条件の下、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書を提出しております。
(ⅰ) 本資本取引の目的の正当性・合理性(本資本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
当社は、高度化・多様化・広範化しているグローバルサプライチェーンにおいて、お客様・株主・従業員などあらゆるステークホルダーから、最も選ばれるソリューションプロバイダとなることを経営ビジョンとして掲げ、持続的な成長を実現していくことをめざしている。かかる当社の経営ビジョン及び目標を踏まえると、本資本取引の目的は、当社を非公開化し、当社が、現在の資本構成に制限されることなく、新しいパートナーとともに、これまで以上の意思決定のスピードアップや、投資資金の獲得、また外部知見の導入を行い、当社の競争力と収益力を伸張させ、新成長により企業価値の向上をめざすことにあると考えられる。かかる本資本取引の目的は合理的であり、また、意思決定のスピードアップや、投資資金の獲得、また外部知見の導入を行うことは、当社グループを持続的に発展させ収益を改善させることに繋がり、当社グループの企業価値を向上させるものといえることから合理性が認められる。
また、KKRが想定する成長戦略及び事業価値向上策についても、当社の経営陣との間でその認識に相違がある点があるものの、当該相違点は戦略的方向性に影響を及ぼす程度のものではなく、当社の経営陣として、当該戦略的方向性・具体的施策に基本的には違和感や不合理な点はなく、特に、当社の今後の企業価値において最も重要と考えられるM&Aについては、当社の事業課題を踏まえ丁寧に調査されていると評価しているとのことであるから、特別委員会としても、この点に特段不合理な点を見いだすことはできない。
さらに、公開買付者の説明する本資本取引後の経営方針についても、当社の現経営陣が本資本取引後も継続して当社の運営事業の成長につき一定の役割を果たすことが想定されており、当社の事業をよく理解した者が更なる支援体制を受けて経営するという方針について、不合理な点は見受けられない。
KKRは、企業価値向上の施策において、相応に高い数値目標を掲げているが、当社の経営陣によれば、当該数値目標は基本的に達成可能な水準であると考えているとのことであるから、かかる企業価値向上の施策についても、不合理ではないと評価できる。また、本資本取引後の経営方針としても、非上場化する会社における経営方針として妥当なものであり、また、コーポレートローン・ストラクチャーの維持や負債・資本の再構成に関して、当社の要請も踏まえた配慮がなされていることから、KKRの想定する経営方針に不合理な点はないと評価できる。
その一方で、本資本取引実施による潜在的なデメリットとして、日立製作所グループからの離脱による影響、非上場化することによる影響、当社の債務等の負担による影響及び外資傘下に入ることによる影響が想定されるものの、いずれについても適切な対処及び解決策を講じることができるものと認められるため、当社の本資本取引以前の態様の事業運営が妨げられるものではなく、かつ当社の企業価値に重大な悪影響を与えるものではないと評価できる。
以上のとおり、本資本取引の目的は、当社グループの企業価値の向上に資するものと認められ、正当かつ合理的と考えられる。
(ⅱ) 本資本取引における手続(パートナーの選定プロセスを含む。)の公正性
本資本取引では、以下の各種の公正性担保措置が履践されていること等からすると、本資本取引に係る手続は公正なものであると考えられる。
・ 特別委員会が、本第一次入札プロセスにおける候補者の初期な取引条件提示前の段階から設置され、アドバイザー等の選任権限が付与された上、当社は特別委員会の意見を最大限尊重し、特別委員会が本資本取引について妥当でないと判断した場合には、本資本取引を行う旨の意思決定を行わないものと当社取締役会において決議された上で、本入札プロセスの実施方法を含めたプロセス全体における候補者及び日立製作所との間の交渉過程等に実質的に関与したことが認められる。また、特別委員の独立性、属性・専門性等の構成、特別委員会の設置・委員選定のプロセス、アドバイザー等の検討体制、情報の取得体制、報酬面、当社の社内の検討体制等についても特段の問題は認められない。よってこれらのことから、独立性を有する特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
・ 当社は、当社、日立製作所、公開買付者及び候補者から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、法的助言を受けている。
・ 当社は、当社、日立製作所、公開買付者及び候補者から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関であるUBS証券に対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、2022年4月28日付で本株式価値算定書を取得している。
・ 当社、日立製作所及び候補者との間の協議・交渉によって最善のスキーム及び候補先を模索しながら本入札プロセスが実施されており、本入札プロセスは適切な配慮がされていると評価できる。
・ 本公開買付けにおいては、公開買付期間は21営業日に設定されているところ、本公開買付けはいわゆる事前公表型公開買付けであり、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで一定の期間が確保されており、当該公表後の期間も考慮すると、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも、対抗的な買付け等を行う機会を確保していると評価できる。
・ 当社の開示資料において、特別委員会に関する情報、株式価値算定書に関する情報その他の情報は、十分に開示されるものと認められる。
・ 少数株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされている。
なお、本資本取引においては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件が設定されていないものの、①日立製作所が当社株式を33,471,578株(所有割合:39.91%)所有しており、マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件を設定すると、本公開買付けにおける買付予定数の下限が高くなり、本公開買付けの成立を不安定にし、寧ろ応募する少数株主の利益に資さない可能性が認められること、②上記のとおり公正性担保措置が講じられていること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件を設定しないことが、本資本取引の手続の公正性を損なわせるものとはいえないと判断する。
(ⅲ) 本資本取引の条件の公正性・妥当性
本資本取引の取引条件は、本入札プロセスを通じた、マーケット・チェックが行われた上で、公開買付者が、本入札プロセスにおいて最も高い価格を提示したものであるから、特別委員会として、本入札プロセスにおいて、透明性や公正性を疑わせるような事情を見いだすことはできず、かつ本資本取引の交渉状況にも疑義ある点を見いだすことはできなかった。
また、本株式価値算定書によれば、当社株式1株当たりの株式価値は、市場株価平均法(基準日1)で3,408円から3,915円、市場株価平均法(基準日2)で5,681円から8,270円、類似企業比較法で2,796円から5,093円、DCF法で3,618円から6,407円と算定されているところ、本公開買付価格である8,913円及びKKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値は、市場株価平均法(基準日1)、類似企業比較法及びDCF法に基づく算定結果の上限値をいずれも上回っており、また、本公開買付価格は市場株価平均法(基準日2)による算定結果の上限を上回り、KKRの提示した株式価値評価額から計算される当社株式の1株当たりの価値は市場株価平均法(基準日2)による算定結果のレンジの上限に近接した数値であるところ、株式価値算定の基礎となる事業計画や、株式価値算定の評価手法の選択及び評価内容についても不合理な点はない。したがって、算定資料には信頼性が認められ、算定資料における株式価値算定の結果との関係でも本公開買付価格は妥当であると判断する。
プレミアム水準からみても、本公開買付価格は、市場株価平均法、類似企業比較法、及びDCF法のいずれによる算定結果のレンジの上限値を上回っていることから、当委員会は、本公開買付価格が、本資本取引のシナジーによって当社に実現される株式価値が相当程度反映されたものと判断しても差し支えないと考える。特に本資本取引については数回の憶測報道がされたこともあり、通常の事案と異なり、株価に対して一定の買収期待が織り込まれているが、当委員会は、本公開買付価格がその市場株価平均法の算定結果の上限を上回り、本公開買付価格が当社の本源的価値を表すDCF法による評価レンジの上限値を大きく上回る価格であることが、本公開買付価格の妥当性を裏付ける事情として重要であると考える。
また、本資本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる、当社の完全子会社化手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付けと同額の対価を得ることが確保されている。
以上より、当社の企業価値は適正に評価されており、また、本公開買付価格、本株式併合において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される対価の額を含めて、本資本取引に係る取引条件は適正に設定されていると評価できるから、特別委員会は、本資本取引の条件は公正・妥当であると判断する。
(ⅳ) 本資本取引に際して公開買付けが実施される場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して公開買付けへの応募を推奨することの是非
上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の検討のとおり、本資本取引の目的は正当かつ合理的と考えられること、本資本取引における手続は公正であると考えられること、及び本資本取引の取引条件は公正・妥当であると考えられることからすると、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると判断する。
(ⅴ) 上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえて当社取締役会が本資本取引に関する決定をすることが当社の少数株主にとって不利益ではないか
上記(ⅰ)乃至(ⅳ)の検討のとおり、本公開買付けにより当社の少数株主に適正な価格で当社普通株式を売却できる機会を提供することが、現時点における株主の利益を配慮した上での最善の選択であるとの結論に至ったものであり、本資本取引の目的は正当かつ合理的と考えられ、本資本取引の手続は公正であり、また本資本取引の条件は公正・妥当であると考えられることから、当社が本資本取引に関する決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
その後、2022年9月15日に開催された第21回特別委員会において、当社は、公開買付者における競争法及び対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応の進捗状況等(ロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出が新たに必要となったことを含みます。)を各委員に対して共有し、UBS証券は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨を各委員に対して説明いたしました。また、当社は、2022年10月20日に開催された第22回特別委員会において、公開買付者におけるロシアの対内直接投資に係る新しい大統領令に基づく事前届出の進捗状況等を各委員に対して共有いたしました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受けたため、同日、当社の特別委員会に対して、本答申書の意見の内容に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問しました。特別委員会は、当社に対して、2022年4月28日以降、本資本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、当該諮問事項について慎重に検討した結果、2022年4月28日以降、2022年10月26日までの事情を勘案しても、本答申書の答申の内容について、いずれも変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2022年10月26日付で、当社の取締役会に対して、本答申書における意見に変更がない旨の追加答申書を提出いたしました。
なお、特別委員会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日以降重大な事象は生じておらず、UBS証券が株式価値算定の前提とした事業計画について、当社が追加答申書作成日までに変更を加えていないことは不合理ではないと評価し得ること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられることから、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断しております。
③ 当社における独立した法務アドバイザーからの助言の取得
当社は、本公開買付けを含む本資本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会における意思決定の公正性及び適正性を担保するために、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、公開買付者、日立製作所及び当社から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、同事務所より、本公開買付けを含む本資本取引の諸手続、取締役会の意思決定の方法・過程、その他本資本取引に関する意思決定にあたっての留意点等(利害関係を有する当社取締役の範囲、特別委員会を設置すること及びその設置時期、特別委員会の答申の内容を最大限尊重して意思決定を行うことが望ましいこと等を含みますが、これらに限られません。)について法的助言を受けております。
なお、西村あさひ法律事務所は、公開買付者、日立製作所及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本資本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
④ 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
当社は、企業価値評価及び価格交渉等に関する専門的助言及び補助を得るため、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、公開買付者、日立製作所及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関としてUBS証券を選任し、財務的見地からの助言を受けるとともに、2022年4月28日付で上記(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、本株式価値算定書を取得しました。本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得」をご参照ください。
なお、当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日開催の取締役会から2022年10月27日時点までの状況及び本分離措置の可能性を考慮しても、本株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等は不要であると判断しております。
UBS証券は、公開買付者、日立製作所及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本資本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社取締役会は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言、UBS証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本資本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本資本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(ⅰ)本資本取引実施後の成長戦略、当社の財務健全性維持を考慮した財務戦略及びそれらの支援体制等の提案内容が、当社及び当社の事業への深い理解に基づくものであり、かつ、中長期的な企業価値向上を支援するKKRの知見とリソース及び日本市場への強いコミットメントと豊富な実績に裏付けられたものであって、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先との比較において優位であるKKRによる本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、(ⅱ)KKRによる提案の本第二次候補先との比較における株式価値評価額及び公開買付価格の優位性、本公開買付価格が株式価値算定書における各算定結果の上限値をいずれも相当程度上回ること、本公開買付価格は、本資本取引に関する複数回の憶測報道により本資本取引に関する期待値等の影響を相当程度受けたものであるという見方も不合理ではない状況においても一定のプレミアムが付されていると考えられること、並びに本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられ少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえれば、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当なものであり、本公開買付けは当社の少数株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2022年4月28日開催の当社取締役会において、当社の取締役9名のうち、下記の丸田宏氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役8名全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の特別委員会に対して、特別委員会が2022年4月28日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
そして、今般、当社は、公開買付者から、(ⅰ)国内外(日本、中国、米国、欧州、ロシア及びトルコ)の競争法並びに日本及びロシアの対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応のうちロシア当局からの承認の取得を除く全ての必要な手続及び対応が完了した旨、(ⅱ)本公開買付前提条件の⑦のうちロシア当局からの承認の取得という条件については、本書提出日現在において充足していないものの、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅲ)本公開買付前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2022年10月28日から開始したい旨の連絡を2022年10月21日に受けたため、特別委員会から提出された追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、2022年10月27日現在においても、本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したことから、2022年10月27日開催の取締役会において、改めて本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当社の取締役会は、公開買付者から、本分離措置について、仮にこれを行うこととなったとしても、ロシア当局から本株式取得に関する承認を取得するまでの暫定的なものであると説明を受けていることから、仮に公開買付者が本分離措置を講じる場合であっても、本分離措置による当社の企業価値に対する重大な影響はなく、本公開買付価格の妥当性は2022年10月27日現在においても維持されており、本公開買付価格の見直しは不要であると判断しております。
また、当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を変更する必要はない旨のUBS証券の説明に不合理な点は見られないこと、2022年4月28日開催の取締役会から2022年10月27日時点までの状況及び本分離措置の可能性を考慮しても、本株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えられること、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと考えられること、及び、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び意見の入手」に記載のとおり、特別委員会が本株式価値算定書の内容の変更及び更新等を要請する必要はないと判断していることも踏まえ、本株式価値算定書の内容の変更及び更新等は不要であると判断しております。
当社の取締役のうち、丸田宏氏は、日立製作所の出身者であることを踏まえ、利益相反の疑いを回避し、本資本取引の公正性を担保するため、上記の両取締役会における審議及び決議を含む、本資本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者及び当社は、当社に本公開買付けへの賛同や応募推奨を義務付ける合意は行っておらず、また当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておりません。このように、公開買付者は、公開買付期間の設定と併せ、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
さらに、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社及び日立製作所は複数の買手候補先に打診することによる本入札プロセスを実施しており、一定の競争状態において、他の複数の買付候補者との比較を通じて、最終提案内容が最も優れていたKKRと本自己株式取得を含む本取引の実施に向けた協議及び検討(最終的な公開買付価格に関する交渉を含みます。)を開始し、その後も継続的な協議・交渉を重ねた上で、最終候補者に選定した経緯があります。加えて、本公開買付けは、本公開買付けの開始までの期間が長期にわたるため、当社の少数株主の皆様の本公開買付けに対する応募についての判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されていると考えられることも踏まえると、公開買付者は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は十分に設けられていると考えているとのことです。
(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本基本契約等
本公開買付けに際し、公開買付者は、2022年4月28日付で、日立製作所との間で本基本契約を締結し、日立製作所は、本売却予定株式について本公開買付けに応募しないことを合意しているとのことです。
但し、本基本契約において、日立製作所は、公開買付期間の末日までに、公開買付者以外の者により当社株式を対象として、本公開買付価格を超える買付価格であり、かつ、買付予定数の上限を設定しない公開買付け(以下「対抗公開買付け」といいます。)が開始された場合には、公開買付者に対し、本公開買付価格及び当社自己株式取得価格の変更について協議を申し入れることができ、かかる協議を踏まえても、対抗公開買付けの買付価格以上の金額に変更し、かつ、当社自己株式取得価格を対抗公開買付けの買付価格と税効果を考慮して実質的に同額以上の金額に変更しないときには、日立製作所は、何らの金銭の支払い又は義務負担を課されることなく、当該対抗公開買付けに対し、本売却予定株式の全てを応募し、又は当該対抗公開買付け後の当社による自己株式の取得(本自己株式取得を除きます。)に応じることができることとされているとのことです。
また、本基本契約において、日立製作所は、2022年4月28日から、公開買付期間の末日までの間、(ⅰ)公開買付者以外の者との間で、本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にする取引に関連する合意を行ってはならず、(ⅱ)公開買付者以外の者に対し、かかる取引に関連して当社グループに関する情報を提供してはならず、かつ(ⅲ)かかる取引の申込み若しくは申込みの勧誘又はかかる取引に関するいかなる協議若しくは交渉も行ってはならないものとされているとのことです。なお、日立製作所が当該義務に違反することなく、(a)公開買付者以外の第三者が対抗公開買付けを開始した場合において、日立製作所が前段落の内容に従い当該対抗公開買付けに応募すること、及び当該対抗公開買付けを開始した第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議又は交渉を行うこと、並びに(b)公開買付者以外の第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの提案を受領した場合において、日立製作所が当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うことは、当該情報提供と同一の情報、交渉の進捗状況及び(公開買付者が要請した場合には)合理的な範囲においてその協議若しくは交渉の内容並びに当該合意内容を公開買付者に対しても直ちに提供することを条件として、妨げられていないとのことです。
また、本基本契約においては、(ⅰ)本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けにおいて当社株式の全て(当社が所有する自己株式及び本売却予定株式を除きます。)を取得できなかった場合に、公開買付者及び日立製作所は、当社に対して本株式併合の実施に必要な事項を議案とする株主総会の開催を要請し、当該議案に賛成の議決権を行使すること、(ⅱ)本株式併合の結果として公開買付者及び日立製作所が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することになった後実務上可能な限り速やかに、本自己株式取得を行うために必要な分配可能額を確保するため、当社をして本減資等を実施させること、(ⅲ)本減資等の効力発生後速やかに、日立製作所は、本自己株式取得により、当社自己株式取得価格である6,632円に本売却予定株式の数を乗じた金額(但し、日立製作所が所有する本売却予定株式に本株式併合によって端数が生じた場合には、当該端数の対価として日立製作所に交付される金額を控除した額とします。)を対価の総額として、本売却予定株式の全てを当社に譲渡することについて合意しているとのことです。
なお、本基本契約において、本公開買付けの条件に係る事項、本公開買付前提条件、日立製作所による本公開買付けを開始しないことの請求権に関する事項(注1)、日立製作所が公開買付者以外の者から当社の普通株式に係る公開買付けの提案を受けた場合の公開買付者への通知義務、公開買付者及び日立製作所による表明保証事項(注2)、競争法上のクリアランス取得に向けた努力義務、本取引及び本日立再出資の実施に関する義務、当社グループが、本自己株式取得までの間、従前の慣行に従った通常の業務の範囲内においてその業務を行うことに係る努力義務、当社グループに係る勧誘禁止義務、資金調達への協力義務、公開買付者及び日立製作所が本基本契約に基づく自らの義務の不履行又は表明保証事項に違反した場合、公開買付者は200億円、日立製作所は100億円を上限とする補償義務、自らに発生する公租公課及び費用の負担義務、秘密保持義務、契約上の権利義務の譲渡禁止義務、並びに、表明保証の違反及び義務違反がある場合、相手方に倒産手続開始の申立てがなされた場合及び本公開買付けが2022年11月30日までに開始されなかった場合を事由とする公開買付者又は日立製作所による解除に係る条項等を合意しているとのことです。なお、公開買付者は、上記の「本取引及び本日立再出資の実施に関する義務」に係る本基本契約における合意に関連して、2022年10月27日付で、日立製作所、公開買付者親会社及び当社との間で、本日立再出資について、当社の日立製作所に対する本自己株式取得に係る代金支払債務のうち金100億円に相当する代金支払債務の引受けを公開買付者親会社が行うことにより、日立製作所が、公開買付者親会社に対して取得する当該代金支払請求権の現物出資を行い、公開買付者親会社に対する議決権の10%を取得すること及びその手続に関連する事項を規定した四者間契約を締結しているとのことです。
(注1) 日立製作所は、①当社取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会において、当社取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が変更(変更後の答申が当社の取締役会が本取引に賛同する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容である場合又は本基本契約の締結日から本公開買付けの開始日までの期間の経過に伴い当然に必要となる情報の更新その他の軽微な変更の場合を除きます。)又は撤回されていないこと、②当社取締役会により、本取引に賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないこと、③本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、その具体的なおそれがないこと、④本基本契約に基づき公開買付者が本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が全て重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当該義務の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑤公開買付者による表明及び保証が、いずれも重要な点において真実かつ正確であること(但し、当該表明及び保証の違反が重大な悪影響をもたらすものでない限り、充足されたものとみなされます。)、⑥本取引に関する契約が適法かつ有効に締結されており、かつ存続していること、⑦必要許認可等について、クリアランスの取得が完了していること、⑧公開買付者が、当社から、本合意書を受領しており、かつ、本合意書が本公開買付けの開始日までに撤回されていないことのいずれかが充足されなかった場合、当該充足されなかった条件と共通の本公開買付前提条件を公開買付者が放棄をした場合であっても、公開買付者に対し、本公開買付けを開始しないことを請求することができるとのことです。
(注2) 本基本契約において、公開買付者は、(1)設立及び存続の有効性、(2)本基本契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、(3)本基本契約の締結及び履行に関して、関係法令及び公開買付者の内部規則上必要とされる手続の履践、(4)本基本契約の有効性及び強制執行可能性、(5)本基本契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(6)本基本契約の締結日、本公開買付けの開始日、公開買付期間の満了日及び本公開買付けの決済日の各時点までに必要なクリアランスの取得の完了、(7)反社会的勢力との取引・関与の不存在並びに(8)資金調達について表明及び保証を行っているとのことです。本基本契約において、日立製作所は、(1)設立及び存続の有効性、(2)本基本契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、(3)本基本契約の締結及び履行に関して、関係法令及び日立製作所の内部規則上必要とされる手続の履践、(4)本基本契約の有効性及び強制執行可能性、(5)本基本契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(6)本売却予定株式の適法かつ有効な所有、(7)当社の株式に関する事項、並びに(8)反社会的勢力との取引・関与の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
② 本合意書
本公開買付けに際し、当社は、2022年4月28日付で本取引に関し、合意書(以下「本合意書」といいます。)を公開買付者に対して差入れており、当社グループの事業運営に関する事項、汚職防止法制、マネーロンダリング法制又は制裁関連法制の遵守並びに違反時の対応及び情報提供、財務情報の提供、当社の表明保証事項(必要な許認可等の取得、競争法制、汚職防止法制、マネーロンダリング法制及び制裁関連法制等への違反の不存在及び遵守のための社内規則の策定、政府関係者又は制裁対象者との取引等の不存在、並びに政府関係者及び政府組織による当社の株式保有の不存在等)、当社が本取引を適法かつ有効に実行するために法令等、内部規則、労働協約及び事業上重要な契約等に基づき必要となる行為を実施するための努力義務等を合意しております。
③ 本資本業務提携契約
本取引に際し、当社、日立製作所及びKKRファンドは、2022年10月27日付で、本資本業務提携契約を締結しており、(ⅰ)日立製作所が、当社の取締役1名を指名する権利を有すること、(ⅱ)本日立再出資の効力発生日から3年間の日立製作所の保有する公開買付者親会社株式の譲渡制限、(ⅲ)(ⅱ)の日立製作所の譲渡制限期間経過後の自己の保有する公開買付者親会社株式の譲渡時におけるKKRファンドの先買権(日立製作所がかかる譲渡を行う場合に、KKRファンドがそれを優先的に買い受ける権利)(ⅳ)KKRファンドによる公開買付者親会社株式の第三者への譲渡時におけるKKRファンドの強制売却請求権(KKRファンドが、日立製作所の保有する公開買付者親会社株式も併せて譲渡予定先に売却するよう請求できる権利)及び日立製作所の売却参加請求権(日立製作所が、自己の保有する公開買付者親会社株式も併せて譲渡予定先に譲渡するよう請求する権利)、並びに(ⅴ)日立製作所及び当社グループが、物流事業における当社グループの専門知識と、日立製作所の研究開発力及びデジタルソリューション事業の外販力とを相互に活用し、今後も、物流事業における協創パートナーとして業務提携を継続すること等を合意しております。本資本業務提携契約は、(ⅰ)日立製作所又はKKRファンドのいずれかが公開買付者親会社株式を直接又は間接に保有しなくなった場合、(ⅱ)本資本業務提携契約が解除された場合(注3)、(ⅲ)当社の清算が結了し、残余財産の分配が完了した場合、(ⅳ)契約の終了について書面により合意した場合、並びに(ⅴ)公開買付者親会社、公開買付者又は当社の株式の金融商品取引所への上場が実行された場合に終了します。
(注3) 当社、日立製作所及びKKRファンドは、他の当事者が、(i)本資本業務提携契約に定める義務につき重大な違反があり、解除を請求する者から是正を要求したにもかかわらず、当該違反が是正の要求をした日から30日以内に解消されない場合、又は(ii)倒産手続開始の申立てがなされた場合、又は支払停止若しくは支払不能の状態に陥った場合、本資本業務提携契約を直ちに解除することができる旨を合意しております。
役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数
氏名 | 役職名 | 所有株式数(株) | 議決権の数(個) |
青木 美保 | 社外取締役、監査委員 | ― | ― |
泉本 小夜子 | 社外取締役、報酬委員長、監査委員 | ― | ― |
浦野 光人 | 社外取締役、取締役会議長、指名委員長 | 3,000 | 30 |
西島 剛志 | 社外取締役、指名委員、報酬委員 | ― | ― |
丸田 宏 | 社外取締役、監査委員長 | ― | ― |
渡邊 肇 | 社外取締役、監査委員 | ― | ― |
髙木 宏明 | 取締役、代表執行役社長(COO) | 4,400 | 44 |
中谷 康夫 | 取締役、指名委員、報酬委員、代表執行役会長(CEO) | 6,000 | 60 |
神宮司 孝 | 執行役副社長 | 3,000 | 30 |
林 伸和 | 執行役副社長(CFO)、経営戦略本部長、PM推進本部長 | 4,100 | 41 |
佐藤 清輝 | 執行役専務、営業統括本部長 | 3,300 | 33 |
畠山 和久 | 執行役専務、西日本統括本部長 | 10,000 | 100 |
渡辺 亨 | 執行役専務、安全品質管理本部長、経営戦略本部副本部長 | 3,000 | 30 |
安部 賢司 | 執行役常務、営業統括本部営業開発本部長 | ― | ― |
坂口 和久 | 執行役常務、西日本統括本部西日本営業本部長 | ― | ― |
長尾 清志 | 執行役常務、営業統括本部ロジスティクスソリューション開発本部長 | 1,900 | 19 |
西川 和宏 | 執行役常務、東日本統括本部長、東日本統括本部東日本営業本部長 | 2,000 | 20 |
米倉 俊輔 | 執行役常務、営業統括本部DX戦略本部長、IT基盤本部長、情報セキュリティ本部長 | 3,000 | 30 |
伊与久 賢一 | 執行役、東日本統括本部首都圏営業本部長 | ― | ― |
瀬辺 隆喜 | 執行役、人事総務本部長 | 800 | 8 |
髙田 淳子 | 執行役、海外事業統括本部長、北米代表、AEO・輸出管理本部長 | ― | ― |
中村 浩 | 執行役、西日本統括本部中部営業本部長 | ― | ― |
平野 利一郎 | 執行役、欧州代表 | 6,800 | 68 |
本田 仁志 | 執行役、財務戦略本部長 | ― | ― |
本田 隆一 | 執行役、アジア代表 | 300 | 3 |
三村 哲史 | 執行役、営業統括本部営業開発本部副本部長 | 800 | 8 |
計 | ― | 52,400 | 524 |
(注) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。