訂正内部統制報告書-第51期(2018/04/01-2019/03/31)

【提出】
2023/01/19 12:25
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

代表取締役大久保真一は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用している。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものである。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2019年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠した。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定している。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行った。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定した。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、会社及び連結子会社2社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定した。なお、子会社Blue Tiger Coffee Inc.及び持分法適用会社7社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めていない。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の前連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、前連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している2事業拠点を「重要な事業拠点」とした。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として、売上高、売掛金及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象とした。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加している。

評価結果に関する事項

下記のとおり、財務報告に係る内部統制の不備が認められ、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断した。従って、当事業年度末日時点における当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断した。

当社は、連結子会社Daiohs U.S.A.,Inc.(以下「米国子会社」という)の監査手続の中で、固定資産管理システムと会計システムとの間に固定資産残高の差異が存在することが判明し、有形固定資産の取得価額、減価償却累計額及び帳簿価額(以下「有形固定資産残高」という)と減損評価結果に疑義が生じたため、これに関する社内調査を実施しました。この調査の過程で、米国子会社において固定資産管理システムと会計システムの突合作業がこれまで行われていなかったこと、両システム間の差異を把握しながらその重要性の認識を欠いていたため当社や監査人に対する報告が行われてこなかったこと、固定資産管理システムの仕様上、過去のデータが参照できないにも関わらずバックアップが保存されてこなかったこと、顧客先に貸し出しているコーヒーブリューワーや浄水サーバー等の資産について、適切な台数管理が一部拠点において行われていなかったこと、等の事象が判明しました。
これらの事象を踏まえて会計監査人である三優監査法人と協議を行った結果、追加的な手続として過去に遡ってシステム処理の突合、修正を行っていく作業とともに有形固定資産実査が必要となりましたため、外部専門家を登用し、可及的速やかに有形固定資産残高の差異原因を分析するとともに会計上の誤謬を特定するための作業を進めることとなりました。
有形固定資産実査において、コーヒーブリューワー等の機器については、販売管理システムに登録されている情報を基に照合作業を行っておりますが、除売却時の入力処理及び機器交換時の変更登録処理が十分に行われていない状況で、当初システムの登録されている内容は精度が高い前提でおりましたが、実査を進めていく中で想定よりも精度が高くないことが判明しました。また、同じ機器でも異なる仕入先から購入すると機器名称が異なることもあり、現場での実査の際に、機器の名前が担当者の認識と異なっていることで混乱が生じております。更に支店間の資産移動が多く、管理会計上の償却費用の移し替えは行っていたものの、固定資産の移動を行っていなかったため、減損判定する上であるべき支店別の有形固定資産残高を特定することができませんでした。
以上のことから、米国子会社では、有形固定資産の購入及び移設の記録を基に有形固定資産残高を算出し、当連結会計年度末の有形固定資産残高を修正しております。
これらの事象は、当社の米国子会社の決算財務報告プロセスに含まれる有形固定資産管理の不備によるものと現時点においては判断しております。また、当社の決算財務報告プロセスにおいて米国子会社に対する管理・監督体制が不十分であったものと認識し、開示すべき重要な不備に該当すると評価し、当社内部統制は有効に機能していなかったと判断いたしました。
上記の開示すべき重要な不備については、当該事項の判明が当該事業年度の末日以降であったため、当該事業年度の末日までに是正することができませんでした。
当社グループでは、米国子会社でのシステム変更や証憑保管の徹底などの関連業務の改善、ならびに、財務報告の重要性を再度認識させるなどの内部統制の強化を進めております。また、財務報告に係る内部統制の重要性を認識し、開示すべき重要な不備を是正するため、実効性のある再発防止策を策定の上、財務報告に係る内部統制・内部管理体制の改善を図ってまいります。
以上