有価証券報告書-第52期(2025/04/21-2026/04/20)

【提出】
2026/07/02 14:56
【資料】
PDFをみる
【項目】
160項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、創業以来「新しい足場文化と安全文化の創造」を理念に掲げ、単に「安全・安心」だけでなく「感動」も提供できるサービス会社として社会に貢献することを経営の基本方針としておりましたが、2024年4月21日付で新たに企業理念と経営の基本方針とパーパスを設定いたしました。
企業理念「私たちは志を高く持ち常に未来を創造し、社会の持続と発展に貢献します」について、当社のコア事業である建築向け足場の生産・販売と足場の施工サービスは、ともに“仮設資材”の提供であり、使用される現場において常設されることはありません。しかしながら、建物を作る上では欠かせない資材であり、建物自体の品質や働く方の安全・安心を大きく左右する存在でもあります。そのため、当社で働くすべてのスタッフが、現場の安全を守る強い志を立て、お客様への対応や技術の向上に努めることで、快適で持続可能な社会の実現に貢献できることを理念としております。
基本方針「ファーストなサービスを心から」については、当社グループ全体で掲げている方針であり、グループに所属するすべてのスタッフが、“心から”お客様に向き合い、最大限の技術と品質を提供することを表しており、行動の結果としてお客様からいただける“ありがとう”が、さらなる企業価値を創造し、業界の地位向上にもつながっていくと考えております。これからも常にお客様ファーストで物事を考え、感謝いただけるサービスを提供してまいります。
パーパス「人と現場を守り抜く」については、当社が提供する新商品・サービスをご利用いただくお客様の安全と未来を守り抜くという考えのもと定めております。現場という言葉には、建設現場だけでなく社会全体の職場環境の意味が含まれております。建設業に従事するすべてのお客様や当社スタッフ・社会全体に対して、働きやすくやりがいのある魅力的な職場環境を提供していくことで、当社の継続的な成長と高収益を実現し、企業価値向上を図りながらステークホルダーとも価値共有することを目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業を継続的に発展させていくためには、売上高を増加させ、適正な利益確保を図っていくことが必要であると考えております。また、成長のための財務基盤を強化する観点から営業外の活動も重視し、「売上高経常利益率」を重要な経営指標として捉え、その向上を図る経営に努めております。
加えて、当社グループは、“ヒト”を源泉とする事業を主体としており、施工力・品質の向上と安全な現場づくりを進めるためには、人材の確保・育成及び働きがいのある職場環境の整備が重要であると認識しております。そのため、人的資本への投資と生産性の向上を追求していくことが、足場業界だけでなく建設業における各種課題の解決につながるものと考えております。具体的な人的資本に関する指標につきましては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)指標及び目標」に記載のとおりであります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境について、日本国内では、雇用・所得環境の改善や設備投資の持ち直し等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米国の通商政策をめぐる動向、ウクライナ情勢や中東情勢に起因する地政学的リスク、為替の変動、物価上昇等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、地政学的リスクの高まりを背景に、国内外で資材調達や工期への影響も一部で見られました。
当社に関連の深い住宅・建設業界においては、住宅建築費の上昇、住宅ローン金利上昇への懸念、人口減少に伴う世帯数の減少等を背景に、新設住宅着工戸数が減少傾向にあり、引き続き動向を注視する必要があります。加えて、ナフサ等を原料とする石油化学製品の供給・価格動向に伴う原材料調達への影響も見込まれ、新設住宅着工戸数及びリフォームを含む住宅関連需要は、先行き不透明な状況が続くものと認識しております。足場施工業界を含む建設業界全体では、熟練技能者の減少や若年層の入職者確保が課題となっております。さらに、鋼材価格をはじめとする原材料価格や人件費、物流費等の各種コストは高止まりしており、関係法令に基づく安全基準への対応に伴う使用部材数や作業時間の増加も、施工体制や収益性に影響を及ぼしております。
在外子会社のあるシンガポールにおいては、建設関連需要は堅調に推移しております。一方で、主要な需要先である石油化学産業では、環境規制の強化等を背景とした投資抑制の動きが継続しており、地政学的リスクの高まりにより、一部案件で工期や資材調達への影響も見られました。また、外国人労働者の雇用規制や人材関連コストの上昇も継続しており、収益性の確保が重要な課題となっております。
また、資源価格や調達環境の不安定化、環境保護への関心の高まり等を背景に、資源の有効活用や環境負荷低減に向けた取組みの重要性は一層高まっております。今後も、資源の循環型社会の形成に向けて、3Rやレンタル・リユース等を通じた資源の有効活用が求められるものと考えております。
(4)会社の対処すべき課題と中期経営計画
①会社の対処すべき課題
当社グループでは、これからの経営環境を踏まえ、以下の課題を掲げております。
<住宅市場の変化と受注基盤拡大への対応>当社に関連の深い住宅・建設業界においては、新設住宅着工戸数が減少傾向にあることに加え、建築コストの上昇や原材料調達の影響等により、リフォームを含む住宅関連需要の先行きは不透明な状況にあります。また、関係法令に基づく安全基準への対応や各種コストの上昇を背景に、足場施工業者を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、安定した部材供給力と施工体制を有する事業者の重要性が高まっているものと認識しております。
当社グループは、メーカーとしての部材供給力と施工体制を活かし、住宅向け足場を中心に、既存顧客におけるシェア拡大と新規顧客の獲得を進めるとともに、住宅以外の建築物や改修・更新工事への対応力も高め、受注基盤の拡大を図ることが求められています。
<足場の施工効率向上と施工スタッフの高齢化への対応>足場施工に関する一連の作業は、手作業による工程が多く、身体的負担も大きいことから、作業負担の軽減と施工効率の向上が重要な課題となっております。また、生産年齢人口の減少が進む中、経験や技能を有する施工スタッフが長く安全に働ける環境の整備も重要であると認識しております。
このような状況に対応するため、施工スタッフの負担軽減や安全衛生教育の充実を進めるとともに、経験を有する施工スタッフの教育・安全衛生関連業務への職務転換や技能・ノウハウの継承を通じて、安心して働き続けられる体制づくりと施工体制の安定化を図ることが求められています。
<施工品質・安全性の向上による安全な社会への貢献>社会の安全と高品質なインフラを支えるうえで、足場の果たす役割は大きいものと考えております。当社の主力である住宅向け足場においても、施工前に足場計画図を作成し、顧客と計画内容を確認・共有することが、施工品質及び安全な現場づくりに重要であると認識しております。施工後の手直しや不安全状態を防ぐため、足場計画図に基づく安全管理を徹底するとともに、足場施工技術の向上及び多様な施工条件への対応力強化を通じて、安全な社会の実現に貢献していくことが求められています。
<デジタル技術の活用による業務効率化>当社では、基幹システムの活用により、施工管理、請求処理、現場情報等の一元管理と情報共有の効率化を進めております。一方で、足場計画図の作成や足場資材の在庫管理など、現場関連業務には人手に依存する部分が残っており、デジタル技術を活用した業務の省力化・標準化が課題となっております。
基幹システムを中心とした業務基盤の活用に加え、足場計画図作成の自動化や、現場業務を支援するデジタルツールの活用を通じて、業務負担の軽減、施工品質及び安全性の向上を図ることが求められています。
<多様な人材の確保・育成・定着と人的資本の強化>足場施工業界を含む建設業界全体では、熟練技能者の減少や若年層の入職者確保が課題となっており、当社グループにおいても、事業の継続的な成長を支える人材の確保・育成・定着が重要な課題となっております。また、第4次中期経営計画を実現するためには、多様な領域を担う人材の育成と活躍が不可欠であると認識しております。
このため、採用・育成、教育研修の充実、処遇の見直し、人事評価制度の運用等を通じて、従業員が安心して能力を発揮し、一生涯働ける組織づくりを進めることが求められています。
<海外事業人材の育成とグローバル対応力の強化>当社グループが海外事業を継続的に成長させていくためには、現地法人の運営や事業の支援・管理を担う人材の育成が重要な課題となっております。
このため、語学力や異文化理解に加え、海外事業における管理・運営業務に対応できる人材を育成し、本社と現地法人が連携して事業を推進できる体制を強化することが求められています。
<建設資材価格等の高止まりと部材調達方法の変化への対応>建設資材価格や物流費等の各種コストは高止まりしており、足場施工業者においても、部材購入時の資金負担や投資判断への影響が生じております。
当社グループでは、足場部材のレンタルサービスによる顧客接点の拡大や、顧客の利用状況に応じた販売提
案を通じて、顧客ニーズに対応するとともに、収益機会の拡大を図ることが求められています。
②中期経営計画とその進捗
当社グループでは、2025年4月期から2029年4月期までの5連結会計年度を期間とする中期経営計画を『第4次中期経営計画』と設定し、進めております。その概要は、以下の通りになります。
<第4次中期経営計画の概要>~2025年4月期から2029年4月期~
今後の経済動向につきましては、中東情勢をはじめとする地域紛争による国際情勢不安に加え、米国の通商政策をめぐる動向や金融・為替市場の変動など、依然として不確実性の高い状況が続くものと見込まれます。また、エネルギー価格、原材料価格及び物流費等の各種コストへの影響についても、引き続き注視が必要な状況が続くものと認識しております。
国内においては、雇用・所得環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。一方で、物価上昇の継続や金利・為替の変動に加え、建設資材価格や調達コストの高止まりも懸念され、先行きは不透明な状況が続くものと思われます。また、建設業界においては、少子高齢化に伴う人口減少や熟練技能者の減少、若年層の入職者確保への対応などの課題が継続しており、施工力の確保及び人材の採用・育成に向けた取組みがますます重要となっております。
これら国内外の経済見通しを踏まえ、当社グループでは、当事業年度を2年目とする第4次中期経営計画「Reborn」において、3つの重点戦略を設定しております。
<目標数値>当社グループでは、中期経営計画の最終年度である2029年4月期の連結売上高、連結営業利益の目標を以下の通り設定しております。
0102010_001.jpg<3つの重点戦略の概要>①コア事業領域の深化
当社のメイン事業である施工サービス事業、製商品販売事業、海外事業をコア事業領域と定め、業界の新スタンダードや規範づくりの先導・普及、新しいレンタルシステムの構築等に取り組んでまいります。海外事業においては、適正な施工人員枠の確保と戦略的な配置、エンジニアリング会社としての高付加価値化、受注構成見直しによる収益性向上に取り組んでまいります。生産性・技術・品質の差別化を図り、より高付加価値のサービス提供により業界をけん引する存在となることを目指します。
②新たな収益事業の創造
デジタル・IT技術を活用した建設業界の生産性向上のためのプロダクト開発や販売や新住宅用足場の開発、東南アジアを中心とした海外人材の育成など、コア事業領域における課題の解決に向けたノウハウ・技術の探索・活用により、新たな収益事業を創造し、社会を変革するサービス・価値提供の実現を目指します。
③経営基盤の強靭化
コア事業領域の深化と新たな収益事業の創造を推進するため、経営環境の変化へ柔軟に対応できる強靭な経営基盤を構築してまいります。従業員エンゲージメント向上に向けた新人事評価制度の導入やデジタル技術活用による業務負担軽減、管理コスト削減を進めるほか、製品の製造・生産における優位性を高めるため、海外パートナーとの共創体制によるサプライチェーンの構築に取り組んでまいります。
これら3つの重点戦略を推し進め、建設業界におけるイノベーション創出を通じ、継続的な事業拡大と持続可能な社会の実現に向けた取組みを進めております。当連結会計年度においては、足場施工サービス事業における適正価格での受注交渉、住宅向け足場を中心とした既存顧客のシェア拡大及び新規顧客の獲得、施工スタッフの採用・育成、足場部材レンタルサービスの拡大等に取り組みました。海外事業においては、継続的な価格改定交渉やコスト削減に取り組むとともに、エンジニアリング分野での受注獲得など、受注基盤の拡大を進めております。新たな収益事業においては、デジタル事業におけるSES・受託開発の拡大及びインドネシアでの海外人材育成事業の基盤構築に取り組んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループとして、優先的に対処すべき事業上の課題は、施工力の確保及び人材の確保・育成、住宅向け足場を中心とした受注基盤の拡大、並びに各事業における収益性の向上であると認識しております。また、財務上の課題としては、人材の採用・育成及び処遇改善、足場部材のレンタルサービス用資材、デジタル技術の活用に係る必要な投資を適切に行うとともに、資金効率の向上及び財務基盤の安定化を図ることが重要であると考えております。なお、課題に対する今後のセグメント別の取組みは以下のとおりです。
①施工サービス事業
施工サービス事業については、住宅向け足場を中心に、既存顧客におけるシェア拡大と新規顧客の獲得を進め、受注基盤の拡大を図ってまいります。また、施工スタッフの採用・育成、特定技能外国人のチーフ(職長)への育成、施工スタッフが長く安全に働ける環境の整備等を通じて、施工体制の安定化と施工力の強化に取り組んでまいります。加えて、関係法令に基づく安全基準への対応や施工品質の向上に向け、足場計画図の活用、現場管理の強化、適正価格での受注交渉を進め、施工品質及び収益性の向上を図ってまいります。
②製商品販売事業
製商品販売事業については、建設資材価格や物流費等の各種コストが高止まりする中、足場施工業者における部材購入時の資金負担や投資判断への影響を踏まえ、足場部材のレンタルサービスを通じた顧客接点の拡大に取り組んでまいります。また、継続利用が見込まれる顧客に対しては、利用状況に応じた販売提案を進めるとともに、付帯商材・サービス等の提案を通じて、顧客ニーズへの対応と収益機会の拡大を図ってまいります。
③海外事業
海外事業については、在外子会社のあるシンガポールにおいて、人材関連コストの上昇や主要顧客における工事計画の見直し等が想定される中、適正価格での受注交渉、協力会社体制の活用、デジタル技術による管理業務の効率化に取り組んでまいります。また、エンジニアリング分野における材工一式での受注拡大を推進し、受注基盤の拡大と収益性の向上を図ってまいります。
また、当社グループを取り巻く経営環境については、先行き不透明な状況が続くものと想定されることから、主要取引金融機関との連携を強化し、財務基盤の安定化を図るとともに、引き続き予算統制を徹底してまいります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。