有価証券報告書-第34期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)

【提出】
2020/08/27 17:08
【資料】
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【項目】
161項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの存在意義は、医薬分業の理想を実現することと考えております。そのための経営理念を、「医師と薬剤師の専門性を活用し、相互牽制機能を図り医療過誤を未然に防ぎ、より多くの患者に薬物療法の成果を上げることを目的とし、コンプライアンスを重視した企業活動を執り行うこと」と定義しております。この経営理念を具現化するために、当社グループは3つの基本方針と1つの社是を掲げて業務の運営を行うこととしております。
《基本方針》 ①地域医療への貢献 ②患者への良質な医療サービス ③医薬情報の共有化
《社是》 パーフェクト(完璧)
(2) 経営環境に対する認識
当社グループの主たる事業活動の場である調剤薬局業界におきましては、政府の医薬分業政策を背景に拡大しておりますが、医薬分業率の頭打ち傾向、薬価改定及び後発医薬品使用促進の強化などにより、市場の伸び率の鈍化傾向が予想されております。また、わが国の高齢者人口の増加に伴い、国民医療費は増加基調にあり、処方せん枚数も増加を続ける見込みでありますが、薬価改定や後発医薬品の更なる普及並びに今後とも予想される調剤報酬の抑制に伴う処方せん単価の下落により、中長期的には従来ほどの拡大は見込めなくなるとともに思い切った経営改善施策を実行しない限り、利益率の漸減傾向は回避できないものと予想しております。一方で、多数の薬局が混在する現状から、周辺業界からの参入も含めて再編成が進み、寡占化が進行すると想定しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、平成30年11月8日に「中期経営計画SFG(Steps for Future Growth)2021 ~成長を目指した経営基盤の構築」(以下、「新・中期経営計画」といいます)を公表しました。今後予想される厳しい経営環境変化の中でも、適正な利益水準を確保しながら力強く成長を継続する経営基盤を構築していくために、調剤薬局事業における競争力の強化及び新規出店並びにM&Aの加速、物販事業の拡大及び収益性の向上、及び業務手法とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善を推進しております。
新・中期経営計画の重点施策として、当社グループは、長年培ってきた地域に密着した活動をより強力に推進し、主たる事業の調剤薬局事業におきましては、国が進めるかかりつけ薬局・薬剤師の活動体制を強化します。同時に成長のためのM&Aを加速させます。またコスト構造を改善し、厳しい環境の中でも収益を維持してさらに成長するための事業構造基盤を構築して参ります。
(4) 目標とする経営指標
当社グループが目標とする経営指標(連結ベース)につきましては、新・中期経営計画の最終年度となる令和4年(2022年)5月期に営業利益15億円を目指しております。
(5) 対処すべき課題について
① 規模の拡大と積極的な新規出店
規模の拡大を目的として、新規出店に関しては、従来からの新規出店に関する情報入手ルートの他に、新たなルートを開拓することを営業上の課題と認識しております。また、当社グループは、既存の店舗網を更に充実させ、かかりつけ薬局として地域医療に貢献していくためにもドミナント展開を強化してまいります。この目的に沿って、医薬分業率の低い地域を重点開発地域として情報の収集を図り、より地域密着の開拓に努めてまいります。
また規模の拡大は単位当たりの管理コストの低減とともに、仕入に関し一定のバイイングパワー形成に寄与し、医薬品卸やその他業者との価格交渉を有利に運ぶメリットがあります。
② 変化への対応と質的向上
調剤薬局業界は医療法、健康保険法によって調剤報酬(調剤技術料)、薬価等が定められており、そのために隔年で実施される医療法の改正(調剤報酬・薬価改定(薬価については令和元年より毎年改定))等の影響を受けます。また社会の変化につれて医療の質も時々刻々変化しており、薬剤師が常駐する調剤薬局に対するニーズも今後一層強まっていくことが予想されます。
当社グループは変化する社会のニーズを適確に捉え、そのニーズを積極的にサービスに反映させていく方針であり、現在は、顧客の満足度を高めるホスピタリティ(おもてなしの心と訳される顧客重視の考え方)の実践や今後の高齢化をにらんだ在宅医療への対応などを経営課題と考えております。またニーズに適切に対応するためには、最新の専門情報の収集、蓄積や薬剤師の質的向上が必要となります。当社は、従来から学術研究の充実に取り組み、薬学、医療事務等自主的研究を重ねるとともに、教育・研修に関する専門部署を設けて、人材育成のため研修制度の質的向上を図ってまいりました。こうした地道な取組み姿勢が質の高い薬剤師の確保につながるものと考えております。
③ リスク管理の徹底
イ.調剤過誤への対応
調剤薬局は医療機関であり、薬剤の調剤は患者の生命、健康に関わる業務です。特に調剤過誤は、健康を損なうおそれがあり、徹底的に防止することが調剤薬局の使命であると認識しております。当社では過誤のリスクを管理するため、委員会組織を設けて過誤の防止に取り組んでおります。現場の店舗では「過誤防止検討会」を開催して、過誤、インシデント(調剤の過程で起こる何らかの間違い)の事例研究を行い、本部では「過誤防止委員会」が、各店の報告に基づいて全社レベルでの状況を把握し、対策を検討したうえで対応を指導しております。過誤が発生した場合には、適正かつ迅速に対応するため「調剤過誤判定委員会」が過誤のレベルを判定し、重大な過誤が発生した場合には、「過誤対策委員会」が組織的かつ迅速に対応を決定し指示しております。
このように当社では調剤過誤を防止するため、現場から本部まで連携の組織を設け、重層的な組織対応で防止に取り組んでおります。
ロ.個人情報保護への対応
当社グループのような調剤薬局チェーンは、膨大かつ重要な個人情報を取り扱っております。当社グループでは個人情報の保護を徹底するため、1.組織・体制の整備、2.人的対策、3.物理的対策、4.技術的対策という4つの側面から対策を講じております。
組織・体制の整備として「個人情報保護委員会」を設け、すべての部門に個人情報管理責任者を配置しております。人的対策としては、研修実施の他、実務レベルでのマニュアルを作成し、現場保管を義務付けております。このマニュアルの実施状況については随時内部監査・統制室が監査を実施し、随時フォローを行っております。また、その他全従業員から「個人情報保護に関する誓約書」を徴求して個人情報に対する意識を啓蒙しております。さらに物理的対策としては、入退室管理方法の徹底、情報廃棄方法のルール化等を行い、技術的対策としては、電子データの管理方法の徹底、暗号化等を行っております。
このように当社グループでは個人情報漏洩を防止するため、体系的かつ網羅的に対策を講じ、随時管理の精度向上に努めております。
④ オペレーションの効率化
広範な地域で多店舗展開を営む事業形態にあっては、店舗のオペレーションの効率化は必須の経営課題であり、これをIT化等の投資によって推進できることが、大企業の優位性であります。また規制が多く、収益確保に制約の多い調剤薬局事業においては、オペレーションの効率化が個別の店舗の採算確保の基礎であります。
こうした認識のもと、当社は店舗における煩雑な業務のオペレーションを常に見直し、効率化すると同時に、業務のIT化等も推進して、店舗の運営コスト低減に努めております。
⑤ 後発(ジェネリック)医薬品への対応
後発(ジェネリック)医薬品の強力な普及推進が国策として促されております。当社は、内部研究機関である「ファーマライズ医薬情報研究所」を中心に信頼性のおける後発医薬品の選定を行い、患者及び病院、クリニック等の医療機関の要望に極力対応できる体制の整備に努めております。
⑥ コンプライアンスへの取り組み
当社では、コンプライアンスの認識不足に起因する不祥事の発生を根絶するために、平成22年7月にコンプライアンス委員会を設置いたしました。コンプライアンス委員会では、コンプライアンス計画を策定し、役職員に対するコンプライアンス意識の啓蒙・教育活動に徹底的に努めてまいります。
⑦ 内部統制システムの強化
当社グループにおいて、内部統制システムの構築は最重要事項の一つと認識しております。当社では、内部監査・統制室を設置し、コーポレートガバナンスを担う各機関との連携を密にすることで、店舗やグループ企業の拡大にも柔軟に対応できる体制を構築するべく鋭意努めております。
⑧ 業務とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善
わが国では高齢者人口の増加に伴い国民医療費は増加傾向にあります。一方で薬価改定や後発医薬品使用促進強化等により、市場成長率の鈍化傾向が予想されております。また処方せん枚数も伸長していく見込みでありますが、薬価改定や調剤報酬の抑制による処方せん単価の下落により、適切な対策なしでは利益率の漸減傾向は回避できないものと予想しております。
このような事業環境下においても適正な利益水準を確保していくために、業務オペレーションとグループ組織構造の見直しを進めてまいります。具体的には、店舗業務のみならず本部業務のオペレーションも棚卸しを実施し、抜本的な見直しを行ったうえで対象となる作業の自動化・効率化を図ることにより、コストの削減に取り組んでまいります。またグループ形態を変革し、役割分担やコストの見直しをしていくことで販売管理費の削減にも努めてまいります。
⑨ 新型コロナウイルス感染症の長期化リスク等について
新型コロナウィルス感染症が終息せず長期化する場合、調剤薬局事業において、医療機関の受診抑制及び患者による医療機関受診回避による処方箋日数の長期化により、処方箋枚数が減少する等の状況が継続することになり、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。また、物販事業においては、在宅勤務の広がりや企業活動の自粛等の影響により、都心部等において店舗利用者が減少し、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループは、オンラインでの診療や服薬指導に対する需要の高まりを受け、急速に普及する可能性がある遠隔服薬指導の特区における取り組みや、令和2年4月10日に厚生労働省からの事務連絡で示された「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」への対応(0410対応)等を行ってまいりましたが、今後、グループ全体での体制整備を進めてまいります。

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