有価証券報告書-第25期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
以下は、当社の事業展開その他に関連してリスク要因となり得る主な事項を記載しております。当社は、これらのリスクを認識し、発生の回避及び発生時の適切な対応に努めておりますが、すべてのリスクを回避できる保証はありません。また、以下の記載は当社に関連するすべてのリスクを網羅するものではありませんので、ご留意ください。
なお、本項における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 再生医療支援事業・細胞シート再生医療事業の双方に共通するリスク
(a) 知的財産権に関するリスク
当社は研究開発活動等に必要な各種知的財産権を保有し、または適法に実施許諾を受けているものと認識しております。事業に必要な特許については、原則として自社での取得を基本方針としており、各再生医療パイプラインに関する基幹特許については当社を出願人として出願しております。あわせて、周辺特許の出願を通じて特許網の拡充を進めております。
しかしながら、出願中特許が登録に至らない可能性や、事業に必要な特許を確保できない可能性があります。また、重要なノウハウについては秘密保持契約の締結等により管理しておりますが、第三者が同様または類似のノウハウを独自に開発・取得する可能性を排除することはできません。
これらの事象が生じた場合、当社の事業戦略、経営成績、外部企業との提携関係、さらには財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要な知的財産権については、関連特許の出願状況等を定期的にモニタリングし、問題が顕在化する前に対応できる体制を整備しております。また、継続的な新規特許の出願により、知的財産基盤の強化に努めております。
(b) 技術革新に伴う競合リスク
当社は、細胞シート工学を基盤技術として、細胞シート再生医療等製品及び再生医療支援製品の研究開発を推進しております。現時点で再生医療分野へ本格参入している企業は限定的であるものの、研究開発を進めつつ参入を検討している潜在的競合企業は少なくないと認識しております。
また、本分野は技術進歩のスピードが速く、後発製品が先発製品を上回る機能を有する可能性があり、今後競争が一層激化することが想定されます。競合企業の中には、技術力、財務基盤、製品機能、販売力等において当社より優位にある企業が存在する可能性があります。
このような競争環境の下、当社は早期の事業化及び収益化を目指しておりますが、競争の激化により、計画どおりの収益を確保できない可能性があります。
(c) 製造物責任に関するリスク
医薬品・医療機器及び再生医療等製品の設計、開発、製造ならびに販売には、製造物責任に基づく損害賠償リスクが存在しております。当社は、細胞培養器材の一部について製造物責任保険を付保しておりますが、当社が最終的に負担すべき賠償額を全額補填できる保証はありません。
当社製品の欠陥等に起因する事故、当社が開発した細胞シート再生医療等製品による健康被害、または治験、製造又は人道的使用に関する説明、営業・販売活動における不適切な対応が発生した場合、当社が製造物責任を負う可能性があり、事業及び財務状況に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
さらに、当社に過失が認められない場合であっても、損害賠償請求等の提起自体により、企業イメージや製品に対する信頼が毀損し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(d) 研究開発活動に由来するリスク
当社は研究開発型企業として、産学連携のもと大学との共同研究や治験を進めております。また、細胞シート再生医療事業及び再生医療支援事業はいずれも新規性の高い事業であることから、社内の多くの部門が研究開発に関与しており、事業予算に占める研究開発費の割合は高水準にあります。
しかしながら、研究開発が計画どおりに進展する保証はなく、期待する成果が得られない場合には、当社の事業戦略、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、細胞シート再生医療事業及び再生医療支援事業は、製品化までに長期間を要するほか、細胞シート再生医療事業における治験承認や製造販売承認等の薬事承認プロセスには不確実性が伴います。研究開発期間が想定を超えて長期化した場合や追加的な費用負担が発生した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(e) ビジネスモデルに由来するリスク
ⅰ)大学及び研究機関等との関係に由来するリスク
当社は、東京女子医科大学及び東海大学をはじめとする大学・研究機関との連携を通じて、研究開発の推進及び事業基盤の強化を図っております。具体的には、大学教員と顧問契約に基づく技術指導の受領や、大学・研究機関との共同研究等を実施しております。
しかしながら、大学教員と企業との関係は法令や各大学の規程等の影響を受ける可能性があり、また、国立大学の独立行政法人化以降、大学における知的財産権の管理方針も変化しております。その結果、当社の想定どおりに共同研究の実施や権利の譲受等が進まない可能性があります。
これらが生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ)提携に関するリスク
当社の事業計画には、外部企業との提携関係を前提とする事項が含まれております。これらの提携には、既に契約を締結しているものに加え、今後締結を予定しているものが含まれます。
既存の提携については、提携先の事情等により契約が終了または条件変更となる可能性があります。また、将来の締結については、想定する時期または条件で契約を締結できない可能性があります。
これらの事象が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 再生医療支援事業に関するリスク
当社は現在、販売代理店を通じて国内外においてUpCellをはじめとする各種細胞培養器材を販売しております。当社の再生医療支援事業に係る製品の多くは、これまでに例のない新規性の高い製品であり、高い付加価値を有する一方で、販売価格も相対的に高水準に設定しております。
このため、市場環境や顧客動向等の影響により、販売数量が事業計画どおりに伸長しない可能性があります。また、販売促進等を目的として価格引き下げを実施した場合には、収益性が低下する可能性があります。
さらに、当社は温度応答性細胞培養器材の生産能力増強や製造コスト低減、新製品の研究開発に取り組んでおりますが、これらの施策が当社の事業計画及び経営成績に与える影響には不確実性を伴います。これらの要因が顕在化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 細胞シート再生医療事業に関するリスク
(a) 先端医療に関する事業であることに由来するリスク
再生医療は、世界的に見て未だ本格的な普及段階には至っておらず、特に国内においては、これまで特定の医師・医療機関を中心とした高度医療技術として限定的に臨床応用が行われてきた経緯があります。
このような状況の背景には、最先端医療に特有の課題及び不確実性が存在します。再生医療の基盤となる学問・技術は急速に進展しており、再生医療等製品に関する研究開発も加速度的に進んでいることから、安全性・有効性等に関する新たな知見が継続的に蓄積されています。
当社の基盤技術である細胞シート工学は新規性の高い再生医療技術ですが、急速な技術革新により競合技術が優位性を有する場合や、想定していなかった副作用等が顕在化する可能性があります。これらの事象が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(b) 法規制改正・政府推進政策等の変化に由来するリスク
再生医療等製品に関連する法規制は、技術革新の進展や社会的要請の変化に応じて、今後追加、改正又は見直しが行われる可能性があります。
例えば、法令や各種ガイドラインの改正により、従来使用が認められていた原材料が制限または禁止される可能性があります。また、当社の想定どおりの内容で製造販売承認を取得できない、又は承認取得までに想定以上の期間を要する可能性があります。
さらに、世界的な医療費抑制の動向等を背景として、当社が想定する水準を下回る薬価または保険償還価格が設定される可能性があります。
これらの事象が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(c) 事業基盤の整備・確立に係るリスク
細胞シート再生医療事業は、未だ十分に確立された事業基盤が存在しない分野であり、その構築過程において固有のリスクを伴います。本事業を長期的に持続可能な事業構造とするためには、製造・販売・流通・情報提供体制等の整備に加え、関連法制度や業界全体のインフラ整備など、当社のみならず行政機関や関係企業等との連携を要する社会的基盤の拡充も必要となります。
当社は再生医療等製品の製造企業として、安定的な製品供給体制の確立に向けた取り組みを進めておりますが、製造原価の低減による適切な利益水準の確保、医療機関に対する適切な情報提供を行うためのマーケティング・販売体制の構築、製造販売開始後の安全対策及びフォローアップ体制の整備など、多くの課題が存在します。これらの取り組みには相当の時間及び資金を要します。
また、市場の形成及び拡大が当社の想定どおりに進展する保証はありません。当社は豊富な業界経験を有する人材を確保し、事業基盤の確立に努めておりますが、これらの基盤整備が計画どおりに進まない場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(d) ヒト又は動物由来の原材料の使用に関するリスク
再生医療等製品は、ヒト細胞及び組織を利用する特性上、これらに由来する感染症等のリスクを完全に排除することはできません。
また、原材料や製造工程で使用する培地等に動物由来原料を用いる場合には、未知のウイルスその他病原体による影響が生じる可能性があります。
このように、ヒト又は動物由来材料(その一部を含みます。)を使用し、これらが患者の体内に移植されることに伴う安全性上のリスクが存在します。これらの事象が生じた場合には、当社の事業及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社に過失が認められない場合であっても、当該事象に起因する社会的評価の低下や業界全体に対する信頼の毀損が生じた場合には、当社製品の販売等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 財務状況に由来するリスク
(a) マイナスの利益剰余金を計上していることに由来するリスク
当社は研究開発活動を中心とする事業段階にあり、細胞シート再生医療等製品の本格的な販売開始までの間は、多額の研究開発費用が先行して発生する状況にあります。その結果、当事業年度末において利益剰余金△1,104,101千円を計上しております。
当社は、将来的な利益拡大を目指しておりますが、事業が想定どおりに進展せず、継続的に当期純利益を計上できない可能性があります。その場合、利益剰余金が正の残高に転換するまでに相当の時間を要する可能性があり、財務体質の改善が遅延するリスクがあります。
(b) 税務上の繰越欠損金に関するリスク
当社は税務上の繰越欠損金を有しております。今後、事業計画の進展に伴い課税所得が発生し、繰越欠損金の控除が行われなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が生じます。
この結果、当期純利益又は当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(c) 資金繰り及び資金調達に関するリスク
当社は研究開発活動を推進していることから、営業キャッシュ・フローは継続してマイナスとなっております。今後も事業の進展に伴い、運転資金、研究開発投資及び設備投資等に係る資金需要が発生する見込みです。
当社は、これまで第三者割当増資や公募増資等により資金調達を実施してまいりました。今後も、エクイティ・ファイナンスの活用、事業提携の推進による開発中品目の上市前収益(契約一時金等)の獲得、国をはじめとする公的助成金・補助金の活用など、多様な手段により必要資金の確保を図る方針です。
しかしながら、これらの資金調達が想定どおりに実行できない場合や、売上収入、提携一時金及び公的助成金・補助金等を十分に確保できない場合には、資金繰りに支障が生じ、当社の事業活動及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、将来エクイティ・ファイナンスを実施した場合には、発行済株式数の増加により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(d) 配当政策に関するリスク
当社は設立以来、配当を実施しておりません。
当社は研究開発活動を継続的に推進する必要があることから、当面は内部留保の充実を図り、研究開発資金の確保を優先する方針です。
当社は株主への利益還元を重要な経営課題の一つと認識しており、今後の経営成績及び財政状態を総合的に勘案のうえ、配当の実施を検討してまいります。しかしながら、事業の進捗状況等によっては、配当の実施までに相当の期間を要する可能性があります。
⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社はストック・オプション制度を導入しており、2017年8月10日開催の取締役会において会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づき新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、発行済株式数の増加により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、優秀な人材確保及び動機付けを目的として、今後も同様のインセンティブ制度を継続または新たに導入する可能性があります。その場合にも、新株予約権の行使により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑥ 人材及び組織に関するリスク
(a) 特定の人材への依存に由来するリスク
当社は、特定の人材に過度に依存しない組織体制の構築を進めております。しかしながら、重要な役職員が退任、長期離脱その他の事由により業務を継続できなくなった場合には、業務遂行や意思決定に支障が生じ、当社の事業展開及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(b) 人材の確保及び育成に関するリスク
当社の事業は、経営陣及び各部門の責任者・専門人材の能力に大きく依存しております。そのため、優秀な人材の確保及び育成に努めておりますが、必要な人材を適時に確保できない場合や、計画どおりに育成が進まない場合には、事業推進力の低下等により、当社の事業展開及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(c) 小規模組織であることに由来するリスク
当社は比較的小規模な組織体制で事業を運営しており、内部管理体制も現状の規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大に伴い、組織体制及び内部管理体制の一層の強化を図る方針ですが、事業拡大に応じた適切な体制整備が遅れた場合には、業務効率の低下や内部統制上の課題が生じる可能性があります。
また、人員増強に伴う人件費の増加が収益の伸長を上回った場合には、経営効率が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 訴訟について
当社は国内外において事業を展開しており、今後、訴訟その他の法的手続の当事者となる可能性があります。重要な訴訟等が提起された場合や、これにより事業活動に制限が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は2024年2月6日付で、三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)より、契約上の地位確認等請求に係る訴訟を提起されております(訴状送達日、2024年3月7日)。当社は、2023年12月18日付で三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対し、独占的事業提携契約の条項に則り、締結済みの全ての契約関係を解消した旨を通知しておりますが、三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)は、訴状において当該契約関係の解消の無効を主張し、契約当事者としての地位の確認を求めております。
当社は、三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)の主張とは法的見解を異にしており、当該訴訟において適切に対応してまいります。現時点では本件が当社の財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であると判断しておりますが、今後の訴訟の進展及び結果によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社の当事業年度末の手元資金(現金及び預金)の残高は1,318,909千円となっておりますが、2025年11月20日開示「第三者割当による第25回新株予約権(行使価額修正条項付)」に係る発行及び行使が始まっており、2026年1月においては、402,805千円の資金調達を行っていること及び未行使新株予約権も相当数残っていることから、財務基盤については当面の資金繰りに支障はないものと判断しております。
一方で、事業面においては細胞シート再生医療事業の重要課題である当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化に向けた具体的な道筋を示すまでには至っておらず、当社は、当事業年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しております。
当社は当該状況の解消を図るべく、以下の施策に取り組んでまいります。
当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化の実現及び事業提携の推進による収益機会の獲得
当社は、今後、同種軟骨細胞シートの開発を推進し、当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化を実現すること、また、事業提携先の開拓を通じて、更なる収益機会を獲得していくことで当該状況の解消を図ってまいります。
なお、本項における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 再生医療支援事業・細胞シート再生医療事業の双方に共通するリスク
(a) 知的財産権に関するリスク
当社は研究開発活動等に必要な各種知的財産権を保有し、または適法に実施許諾を受けているものと認識しております。事業に必要な特許については、原則として自社での取得を基本方針としており、各再生医療パイプラインに関する基幹特許については当社を出願人として出願しております。あわせて、周辺特許の出願を通じて特許網の拡充を進めております。
しかしながら、出願中特許が登録に至らない可能性や、事業に必要な特許を確保できない可能性があります。また、重要なノウハウについては秘密保持契約の締結等により管理しておりますが、第三者が同様または類似のノウハウを独自に開発・取得する可能性を排除することはできません。
これらの事象が生じた場合、当社の事業戦略、経営成績、外部企業との提携関係、さらには財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要な知的財産権については、関連特許の出願状況等を定期的にモニタリングし、問題が顕在化する前に対応できる体制を整備しております。また、継続的な新規特許の出願により、知的財産基盤の強化に努めております。
(b) 技術革新に伴う競合リスク
当社は、細胞シート工学を基盤技術として、細胞シート再生医療等製品及び再生医療支援製品の研究開発を推進しております。現時点で再生医療分野へ本格参入している企業は限定的であるものの、研究開発を進めつつ参入を検討している潜在的競合企業は少なくないと認識しております。
また、本分野は技術進歩のスピードが速く、後発製品が先発製品を上回る機能を有する可能性があり、今後競争が一層激化することが想定されます。競合企業の中には、技術力、財務基盤、製品機能、販売力等において当社より優位にある企業が存在する可能性があります。
このような競争環境の下、当社は早期の事業化及び収益化を目指しておりますが、競争の激化により、計画どおりの収益を確保できない可能性があります。
(c) 製造物責任に関するリスク
医薬品・医療機器及び再生医療等製品の設計、開発、製造ならびに販売には、製造物責任に基づく損害賠償リスクが存在しております。当社は、細胞培養器材の一部について製造物責任保険を付保しておりますが、当社が最終的に負担すべき賠償額を全額補填できる保証はありません。
当社製品の欠陥等に起因する事故、当社が開発した細胞シート再生医療等製品による健康被害、または治験、製造又は人道的使用に関する説明、営業・販売活動における不適切な対応が発生した場合、当社が製造物責任を負う可能性があり、事業及び財務状況に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
さらに、当社に過失が認められない場合であっても、損害賠償請求等の提起自体により、企業イメージや製品に対する信頼が毀損し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(d) 研究開発活動に由来するリスク
当社は研究開発型企業として、産学連携のもと大学との共同研究や治験を進めております。また、細胞シート再生医療事業及び再生医療支援事業はいずれも新規性の高い事業であることから、社内の多くの部門が研究開発に関与しており、事業予算に占める研究開発費の割合は高水準にあります。
しかしながら、研究開発が計画どおりに進展する保証はなく、期待する成果が得られない場合には、当社の事業戦略、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、細胞シート再生医療事業及び再生医療支援事業は、製品化までに長期間を要するほか、細胞シート再生医療事業における治験承認や製造販売承認等の薬事承認プロセスには不確実性が伴います。研究開発期間が想定を超えて長期化した場合や追加的な費用負担が発生した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(e) ビジネスモデルに由来するリスク
ⅰ)大学及び研究機関等との関係に由来するリスク
当社は、東京女子医科大学及び東海大学をはじめとする大学・研究機関との連携を通じて、研究開発の推進及び事業基盤の強化を図っております。具体的には、大学教員と顧問契約に基づく技術指導の受領や、大学・研究機関との共同研究等を実施しております。
しかしながら、大学教員と企業との関係は法令や各大学の規程等の影響を受ける可能性があり、また、国立大学の独立行政法人化以降、大学における知的財産権の管理方針も変化しております。その結果、当社の想定どおりに共同研究の実施や権利の譲受等が進まない可能性があります。
これらが生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ)提携に関するリスク
当社の事業計画には、外部企業との提携関係を前提とする事項が含まれております。これらの提携には、既に契約を締結しているものに加え、今後締結を予定しているものが含まれます。
既存の提携については、提携先の事情等により契約が終了または条件変更となる可能性があります。また、将来の締結については、想定する時期または条件で契約を締結できない可能性があります。
これらの事象が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 再生医療支援事業に関するリスク
当社は現在、販売代理店を通じて国内外においてUpCellをはじめとする各種細胞培養器材を販売しております。当社の再生医療支援事業に係る製品の多くは、これまでに例のない新規性の高い製品であり、高い付加価値を有する一方で、販売価格も相対的に高水準に設定しております。
このため、市場環境や顧客動向等の影響により、販売数量が事業計画どおりに伸長しない可能性があります。また、販売促進等を目的として価格引き下げを実施した場合には、収益性が低下する可能性があります。
さらに、当社は温度応答性細胞培養器材の生産能力増強や製造コスト低減、新製品の研究開発に取り組んでおりますが、これらの施策が当社の事業計画及び経営成績に与える影響には不確実性を伴います。これらの要因が顕在化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 細胞シート再生医療事業に関するリスク
(a) 先端医療に関する事業であることに由来するリスク
再生医療は、世界的に見て未だ本格的な普及段階には至っておらず、特に国内においては、これまで特定の医師・医療機関を中心とした高度医療技術として限定的に臨床応用が行われてきた経緯があります。
このような状況の背景には、最先端医療に特有の課題及び不確実性が存在します。再生医療の基盤となる学問・技術は急速に進展しており、再生医療等製品に関する研究開発も加速度的に進んでいることから、安全性・有効性等に関する新たな知見が継続的に蓄積されています。
当社の基盤技術である細胞シート工学は新規性の高い再生医療技術ですが、急速な技術革新により競合技術が優位性を有する場合や、想定していなかった副作用等が顕在化する可能性があります。これらの事象が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(b) 法規制改正・政府推進政策等の変化に由来するリスク
再生医療等製品に関連する法規制は、技術革新の進展や社会的要請の変化に応じて、今後追加、改正又は見直しが行われる可能性があります。
例えば、法令や各種ガイドラインの改正により、従来使用が認められていた原材料が制限または禁止される可能性があります。また、当社の想定どおりの内容で製造販売承認を取得できない、又は承認取得までに想定以上の期間を要する可能性があります。
さらに、世界的な医療費抑制の動向等を背景として、当社が想定する水準を下回る薬価または保険償還価格が設定される可能性があります。
これらの事象が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(c) 事業基盤の整備・確立に係るリスク
細胞シート再生医療事業は、未だ十分に確立された事業基盤が存在しない分野であり、その構築過程において固有のリスクを伴います。本事業を長期的に持続可能な事業構造とするためには、製造・販売・流通・情報提供体制等の整備に加え、関連法制度や業界全体のインフラ整備など、当社のみならず行政機関や関係企業等との連携を要する社会的基盤の拡充も必要となります。
当社は再生医療等製品の製造企業として、安定的な製品供給体制の確立に向けた取り組みを進めておりますが、製造原価の低減による適切な利益水準の確保、医療機関に対する適切な情報提供を行うためのマーケティング・販売体制の構築、製造販売開始後の安全対策及びフォローアップ体制の整備など、多くの課題が存在します。これらの取り組みには相当の時間及び資金を要します。
また、市場の形成及び拡大が当社の想定どおりに進展する保証はありません。当社は豊富な業界経験を有する人材を確保し、事業基盤の確立に努めておりますが、これらの基盤整備が計画どおりに進まない場合には、当社の事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(d) ヒト又は動物由来の原材料の使用に関するリスク
再生医療等製品は、ヒト細胞及び組織を利用する特性上、これらに由来する感染症等のリスクを完全に排除することはできません。
また、原材料や製造工程で使用する培地等に動物由来原料を用いる場合には、未知のウイルスその他病原体による影響が生じる可能性があります。
このように、ヒト又は動物由来材料(その一部を含みます。)を使用し、これらが患者の体内に移植されることに伴う安全性上のリスクが存在します。これらの事象が生じた場合には、当社の事業及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社に過失が認められない場合であっても、当該事象に起因する社会的評価の低下や業界全体に対する信頼の毀損が生じた場合には、当社製品の販売等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 財務状況に由来するリスク
(a) マイナスの利益剰余金を計上していることに由来するリスク
当社は研究開発活動を中心とする事業段階にあり、細胞シート再生医療等製品の本格的な販売開始までの間は、多額の研究開発費用が先行して発生する状況にあります。その結果、当事業年度末において利益剰余金△1,104,101千円を計上しております。
当社は、将来的な利益拡大を目指しておりますが、事業が想定どおりに進展せず、継続的に当期純利益を計上できない可能性があります。その場合、利益剰余金が正の残高に転換するまでに相当の時間を要する可能性があり、財務体質の改善が遅延するリスクがあります。
(b) 税務上の繰越欠損金に関するリスク
当社は税務上の繰越欠損金を有しております。今後、事業計画の進展に伴い課税所得が発生し、繰越欠損金の控除が行われなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が生じます。
この結果、当期純利益又は当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(c) 資金繰り及び資金調達に関するリスク
当社は研究開発活動を推進していることから、営業キャッシュ・フローは継続してマイナスとなっております。今後も事業の進展に伴い、運転資金、研究開発投資及び設備投資等に係る資金需要が発生する見込みです。
当社は、これまで第三者割当増資や公募増資等により資金調達を実施してまいりました。今後も、エクイティ・ファイナンスの活用、事業提携の推進による開発中品目の上市前収益(契約一時金等)の獲得、国をはじめとする公的助成金・補助金の活用など、多様な手段により必要資金の確保を図る方針です。
しかしながら、これらの資金調達が想定どおりに実行できない場合や、売上収入、提携一時金及び公的助成金・補助金等を十分に確保できない場合には、資金繰りに支障が生じ、当社の事業活動及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、将来エクイティ・ファイナンスを実施した場合には、発行済株式数の増加により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(d) 配当政策に関するリスク
当社は設立以来、配当を実施しておりません。
当社は研究開発活動を継続的に推進する必要があることから、当面は内部留保の充実を図り、研究開発資金の確保を優先する方針です。
当社は株主への利益還元を重要な経営課題の一つと認識しており、今後の経営成績及び財政状態を総合的に勘案のうえ、配当の実施を検討してまいります。しかしながら、事業の進捗状況等によっては、配当の実施までに相当の期間を要する可能性があります。
⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社はストック・オプション制度を導入しており、2017年8月10日開催の取締役会において会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づき新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、発行済株式数の増加により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、優秀な人材確保及び動機付けを目的として、今後も同様のインセンティブ制度を継続または新たに導入する可能性があります。その場合にも、新株予約権の行使により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑥ 人材及び組織に関するリスク
(a) 特定の人材への依存に由来するリスク
当社は、特定の人材に過度に依存しない組織体制の構築を進めております。しかしながら、重要な役職員が退任、長期離脱その他の事由により業務を継続できなくなった場合には、業務遂行や意思決定に支障が生じ、当社の事業展開及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(b) 人材の確保及び育成に関するリスク
当社の事業は、経営陣及び各部門の責任者・専門人材の能力に大きく依存しております。そのため、優秀な人材の確保及び育成に努めておりますが、必要な人材を適時に確保できない場合や、計画どおりに育成が進まない場合には、事業推進力の低下等により、当社の事業展開及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(c) 小規模組織であることに由来するリスク
当社は比較的小規模な組織体制で事業を運営しており、内部管理体制も現状の規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大に伴い、組織体制及び内部管理体制の一層の強化を図る方針ですが、事業拡大に応じた適切な体制整備が遅れた場合には、業務効率の低下や内部統制上の課題が生じる可能性があります。
また、人員増強に伴う人件費の増加が収益の伸長を上回った場合には、経営効率が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 訴訟について
当社は国内外において事業を展開しており、今後、訴訟その他の法的手続の当事者となる可能性があります。重要な訴訟等が提起された場合や、これにより事業活動に制限が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は2024年2月6日付で、三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)より、契約上の地位確認等請求に係る訴訟を提起されております(訴状送達日、2024年3月7日)。当社は、2023年12月18日付で三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対し、独占的事業提携契約の条項に則り、締結済みの全ての契約関係を解消した旨を通知しておりますが、三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)は、訴状において当該契約関係の解消の無効を主張し、契約当事者としての地位の確認を求めております。
当社は、三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)の主張とは法的見解を異にしており、当該訴訟において適切に対応してまいります。現時点では本件が当社の財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であると判断しておりますが、今後の訴訟の進展及び結果によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社の当事業年度末の手元資金(現金及び預金)の残高は1,318,909千円となっておりますが、2025年11月20日開示「第三者割当による第25回新株予約権(行使価額修正条項付)」に係る発行及び行使が始まっており、2026年1月においては、402,805千円の資金調達を行っていること及び未行使新株予約権も相当数残っていることから、財務基盤については当面の資金繰りに支障はないものと判断しております。
一方で、事業面においては細胞シート再生医療事業の重要課題である当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化に向けた具体的な道筋を示すまでには至っておらず、当社は、当事業年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しております。
当社は当該状況の解消を図るべく、以下の施策に取り組んでまいります。
当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化の実現及び事業提携の推進による収益機会の獲得
当社は、今後、同種軟骨細胞シートの開発を推進し、当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化を実現すること、また、事業提携先の開拓を通じて、更なる収益機会を獲得していくことで当該状況の解消を図ってまいります。