有価証券報告書-第18期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

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2018/03/29 16:23
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有報資料

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、設備投資は持ち直しの動きが続き、企業収益、雇用情勢ともに改善する等、景気は緩やかな回復基調が続きました。また、日本政府が平成29年3月に決定した「働き方改革実行計画」に基づき、関連法案の提出や法改正が見込まれる等、働き方改革について本格始動に向けた動きがみられました。世界の景気は緩やかに回復しており、中国では各種政策の効果もあり、不動産価格や過剰債務問題を含む金融市場の動向によっては景気が下振れするリスクはあるものの、景気は持ち直しの動きが続きました。中国以外のアジア地域でも、おおむね景気は持ち直しや緩やかな回復の動きがみられました。
当社グループが注力するクラウドサービスを取り巻く環境について、クラウドサービスの利用企業の割合は平成22年末の14.1%から平成28年末には46.9%と大きく増加してきております((注)1、2)。ネットワーク環境の進歩に加え、スマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスの登場により、クラウドサービスの利用環境が改善されてきており、クラウドサービスへの認知度が高まるにつれ、利用企業は順調に増加すると予想されます。
このような環境の下、当社グループは、「いつでも」・「どこでも」・『だれでも』使えるビジュアルコミュニケーションサービスをコンセプトとして、「アジアNo.1のビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を目指し、以下の重点施策を遂行してきました。
1.働き方改革市場の深耕
Web会議・テレビ会議分野でのシェア拡大、利用シーンの拡大、普及の加速と日常性の実現、グループシナジーの最大化
2.社会インフラとしての活用
3.アジアを中心とした海外での事業拡大
一方で、当連結会計年度を構造改革の年と位置づけ、今までの成長の過程で顕在化してきた問題点を洗い出し、注力すべき課題を明確化しました。「選択と集中」を基本に、日本国内でのコスト削減や不採算事業・拠点の見直しを最優先に行いながら、利益の出る収益構造の構築に向けた取り組みを実行しています。
当連結会計年度においては、売上高は、「クラウド」型を中心とした「V-CUBE」各サービスの提供を積極的に推進してきた日本や、企業向けサービスが拡大したシンガポールでは堅調に推移したものの、中国の自動車メーカー向けサービスが終了し、新サービスの提供開始が遅れたことにより、全体として前期比で減少しました。
費用面では、コスト削減を中心とした構造改革を実行しており、前期までの事業拡大に伴う製造原価の増加や
当社グループの規模拡大に伴う販売費及び一般管理費の増加に歯止めをかけ、前期並みとなりました。
営業利益は、売上高の減少により赤字となりました。
なお、特別損失は2,509,950千円となりました。構造改革のコスト削減策として、Web会議サービスの新バージョン(「V-CUBE ミーティング5」)の販売を開始した後も提供を継続していた旧バージョンの開発を停止した結果、収益性の低下が認められたことにより、第2四半期連結会計期間に旧バージョンに係るソフトウェアの減損損失を計上しました。また、第3四半期連結会計期間に、業績推移に鑑み構造改革を一段と推し進める中で、子会社であるパイオニアVC株式会社の買収にかかるのれんを全額減損処理したほか、中国において顧客企業のサービス利用に係るインフラ整備のために一部負担していた前払費用について、サービス開始が遅れていたことから、その全額を減損損失として計上しました。第4四半期連結会計期間には、利益の出る体質を目指し、構造改革のためには一段の保有資産の整理が必要と判断し、中国子会社の売却により子会社株式売却損を計上するとともに、当社が顧客向けに無償で提供してきたチャットサービス「V-CUBE Gate」の売却についても決定し、その将来の収益性が下落したソフトウェアについて減損損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,638,220千円(前期比8.3%減)、営業損失550,753千円(前期は営業利益36,463千円)、経常損失567,047千円(前期は経常損失197,101千円)、親会社株主に帰属する当期純損失3,035,797千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失527,480千円)となりました。
なお、当社グループは、ビジュアルコミュニケーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当連結会計年度の主な取り組みは、以下のとおりであります。
・総務省「ふるさとテレワーク推進事業」の一つで、岐阜県郡上市で実施される、「郡上クリエイティブテレワークセンター」創設プロジェクトに参画しました。同プロジェクトは多様なICTクリエイターやエンジニアが集結する創造的ICT都市・郡上の実現に向けたパイロット事業です。当社のビジュアルコミュニケーションサービスを活用し、働き方改革の推進と地方創生に貢献します。
・平成28年の国内Web会議市場について、当社グループは10年連続で、Web会議「ASP(クラウド)型」及びWeb会議「ASP(クラウド)型+SI(オンプレミス)型」の分野でシェアNo.1を獲得しました((注)3)。
・教育分野で学習管理システム等を提供する子会社アイスタディ株式会社は、平成28年に米国ナスダック上場でエンタープライズ向けビデオ領域の世界的なリーディングカンパニーであるQumu Corporationと戦略的パートナーとして提携し、同社の提供するビデオコンテンツマネジメントソリューション「QUMU」の国内での事業展開を開始しています。そして、学習管理システム「iStudy LMS」が、ウエルシア薬局株式会社の全国約1500店舗を対象としたeラーニングシステムとして導入されました。
・ビジュアルコミュニケーションサービス「V-CUBE」が、髙木証券株式会社の「投信の窓口」WEB支店の『対面オンラインサービス』に採用されました。全国のお客様が店舗と同様の個別相談サービスをPC、スマートフォン、タブレット等多様なデバイスから簡単な操作でご利用いただけるようになりました。
・子会社のパイオニアVC株式会社は、学校向けに、ICT機器を活用した学習を先生用タブレットから実現できる「xSync Classroom」を発表しました。多様なデバイスに対応しており、ディスプレイ型やプロジェクター型の電子黒板に加え、既存の大型提示装置の活用によるコストを抑えた導入も可能です。
・働き方改革の実現を支援する、新しいコミュニケーションブース「テレキューブ」を発売しました。テレワークにおける「話すコミュニケーションの場が不足している」という課題解決に貢献するため、レノボ・ジャパン株式会社とともに開発した、テレビ会議などのITサービスと防音性の高いセキュリティが確保された空間を統合した製品です。企業のオフィススペースに加え、オフィスビル、サテライトオフィス、カフェ、商業施設、公共施設、鉄道の駅、空港などへの設置を想定しています。
・当社はより一層ビジュアルコミュニケーションサービスを活用したテレワークの普及を加速させていくべく、コーポレートロゴのショルダーコピーを「テレワークで日本を変える」に変更しました。また、当社自らテレワークを通した働き方改革へ取り組み、社会に発信していくために、人事制度を刷新しテレワーク対象業務及び利用回数の制限を撤廃するとともに、スーパーフレックスタイム制を導入し、より時間を効率的に利用することが可能になりました。
・平成29年10月、従来対面での説明が義務付けられていた賃貸不動産取引における重要事項説明が解禁され、不動産仲介業者などの業界関係者が、当社サービス「V-CUBEミーティング」と弁護士ドットコム株式会社の「クラウドサイン」を併用して活用することで、入居者はオンラインで重要事項説明から契約締結まで完了することができるようになりました。
・当社及び連結子会社であるアイスタディ株式会社は、新たな成長に舵を切るため、当事業年度において第三者割当増資による資金調達をそれぞれ行いました。アイスタディ株式会社は、「第2の創業期」を掲げ組織の強化とeラーニングのコンテンツと運用サービス分野での事業拡大を目的に、株式会社イーフロンティア等より約7億円を調達しています。また、当社はソフトウェア開発費用としてひふみ投信マザーファンドより約10億円、ソフトウェア開発費用や運転資金及び借入金の返済のために地域中核企業活性化投資事業有限責任組合から約15億円を調達しました。
(「クラウド」型サービス)
主力のWeb会議サービス「V-CUBE ミーティング」をはじめとする「V-CUBE」各サービスについて、「クラウド」型による提供を推進しており、代理店販売網も活用し、市場の開拓を行ってきました。また、OEMによるサービス提供等、パートナーとの協業体制強化を積極的に進めてまいりました。
また、日本において、政府の推進する働き方改革の本格始動により「V-CUBE」各サービスの導入が拡大し、ビジュアルコミュニケーションサービス市場の開拓が進んでいます。国内における売上高成長率は前期比10%超となりました。
一方、中国の自動車メーカー向けサービスが終了し、新サービス提供開始の遅れによる影響がありました。
以上の結果、「クラウド」型サービスの売上高は4,596,410千円(前期比7.3%減)となりました。
(「オンプレミス」型サービス)
基本的には「クラウド」型サービスの販売に注力していますが、代理店販売網も活用しながら、教育機関・官公庁・金融機関を中心に、セキュリティーポリシー上、「クラウド」型サービスを導入することが難しい企業等への営業活動を進めてきました。
近年の顧客のクラウド志向の高まりや、前期にあった大型案件の反動減もあり、「オンプレミス」型サービスの売上高は469,909千円(同29.1%減)となりました。
(アプライアンス)
代理店販売網も活用しながら、教育機関を中心に電子黒板システム、官公庁や企業を中心にディスカッションテーブル、企業を中心にテレビ会議システム「V-CUBE Box」及び新商品「テレキューブ」の販売を行いました。
以上の結果、アプライアンスの売上高は1,009,440千円(同5.0%増)となりました。
(その他)
主にビジュアルコミュニケーションに関わるハードウエア(ウェブカメラ、ヘッドセット、エコーキャンセラー付きマイク、大型液晶ディスプレイ等)等の販売を行いました。
以上の結果、その他の売上高は562,459千円(同14.1%減)となりました。
(注)1.出所:総務省「平成24年通信利用動向調査」平成25年6月14日発表
2.出所:総務省「平成28年通信利用動向調査」平成29年6月8日発表
3.出所:株式会社シード・プランニング「2017 ビデオ会議/Web会議の最新市場とビデオコミュニケーション周辺ビジネス動向」平成29年3月24日発刊
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は3,378,266千円となり、前連結会計年度末と比較して1,378,975千円の増加となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は870,375千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が△3,076,161千円、減損損失1,321,877千円、子会社株式売却損1,100,323千円、減価償却費934,960千円が発生したこと、また、売上債権が98,087千円、前渡金が61,105千円減少したことによるものであります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は2,423,085千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,188,801千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出975,474千円によるものであります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は2,870,784千円となりました。これは主に、株式の発行による収入2,497,691千円、非支配株主からの払込による収入709,607千円のほか、長期借入金の返済による支出968,707千円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成27年12月期平成28年12月期平成29年12月
自己資本比率(%)42.234.430.1
時価ベースの
自己資本比率(%)
187.9119.9118.7
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
7.23.95.6
インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)
23.450.525.9

(注)1.各指標の計算方法は以下のとおりであります。
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。

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