有価証券報告書-第35期(2025/07/01-2026/06/30)
有報資料
(1) 事業環境に関するリスク
当社は、リスクマネジメント基本規程に基づき、当社および当社の連結子会社の企業活動および経営戦略上のリスク管理を所管するリスクマネジメント統括委員会を設置し、代表取締役社長を委員長としてリスクマネジメント体制の構築と運用にあたっています。
リスクマネジメント統括委員会は、経営上重要なリスクの抽出・評価・見直しの実施、対応策の策定、リスク管理状況の確認を定期的に行い、適時取締役会に報告しております。
なお、当該リスクは、業務所管部門が職務執行の中で管理することを基本とし、複数の所管に関わるリスクの場合は組織横断的な委員会等で審議のうえ、適切に管理しています。
(2) 当社のリスクマネジメント体制の運用状況
当社は、リスクマネジメント統括委員会を定期的(年4回)および必要に応じて臨時に開催しております。当事業年度は同委員会を5回開催し、活発な議論を踏まえて経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」を選定しております。
なお、リスクマネジメント統括委員会の協議内容は都度取締役会に報告しております。
(3) 事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクとして考えていない事項についても、投資家の投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、これらは事業等に関するリスクのうち代表的なものであり、実際に起こり得るリスクはこの限りではありません。また、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①事業環境に関するリスク
a.時間⦅とき⦆デザイン事業の業界および競合について
当社グループが製作・販売している一般消費者向け手帳関連商品は、スマートフォンやグループウエアの普及に伴いスケジュール管理のあり方が多様化してきているものの、弊社調査から、予定や行事の記録に手帳をメインツールとしている層は依然として多く、手書きの手帳ならではの価値が評価されていると考えております。一方で、手書きの効用を兼ね備えたデジタルツールなど技術革新による手帳の代替品が急速に普及し、紙媒体による商品の需要低下に対応しきれない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.学びのデザイン事業の業界および競合について
当社グループは企業を主要顧客とし、新入社員から経営幹部までの社会人を対象に、通信教育、eラーニング、研修、アセスメント、検定などの商品・サービスの提供を通じた人材育成支援をおこなっております。国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客の人材育成関連予算が削減されるような場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、社会人を対象とした人材育成業界には、他の教育研修会社、コンサルティングファーム、シンクタンク系研修会社等、多数の企業が参入しており、競争が激化するものと認識しております。当社グループでは他社に対する競争優位を強化・維持するために市場ニーズを捉えるためマーケティング活動を行い、調査にもとづく新商品・サービスの開発を行い、また既存商品の改訂・価格見直し等の施策を行っておりますが、これらの施策を講じてもなお、優位性を維持できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
c.学びのデザイン事業における出版市場の動向について
当社グループは、ビジネス書、資格本など様々な出版物を提供しております。併せて今後更なる拡大が見込まれる電子書籍市場に対応するコンテンツの充実に努めております。出版市場では、販路そのものである書店の閉店が続いており、急激な市場変化によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②当社グループの事業内容に起因するリスク
a.再販制度について
当社グループが製作・販売している書籍、雑誌等の著作物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独占禁止法」という)第23条の規定により、再販売価格維持契約制度(以下「再販制度」という)が認められております。
公正取引委員会は2001年3月23日付「著作権再販制度の取扱いについて」において、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべき」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」と指摘しており、当面、当該再販制度が維持されることとなっております。当該制度が廃止された場合には、業界全体への影響も含め、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.委託販売制度(返品条件付販売)について
法的規制等には該当いたしませんが、再販制度と並んで出版業界における特殊な慣行として委託販売制度があります。委託販売制度とは、当社グループが取次及び書店に配本した出版物について、配本後、約定期間内に限り返品を受け入れることを条件とする販売制度であります。当社グループではそのような返品による損失に備えるため、過去の返品率等に基づき、出荷状況や販売動向を見極め、返品損失見込額を返金負債として流動負債に計上しております。しかしながら、何らかの要因により想定を上回る返品が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
c.特定販売先への依存度に関するリスク
当社グループの手帳関連商品および書籍、雑誌等の主要な販路である書店との取引においては、日本全国におよぶ中小書店への物流システムの確保および信用リスク回避のため、取次店を通して卸販売を行っております。中でも、大手取次店である日本出版販売株式会社、株式会社トーハン2社への当連結会計年度における売上高金額合計は連結売上高金額の17.0%になります。各社と当社との関係は良好ですが、各社の今後の営業方針等の変化によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
d.原材料の高騰
当社グループが製作・販売している手帳関連商品および書籍、雑誌等の主な原材料は、原紙・樹脂等であります。原材料は国内外の素材メーカーから調達しておりますが、原油価格の高騰等により原材料価格が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは商品の付加価値を高め、商品価格の見直しを行うとともに、生産性の向上やコストダウンによって原価の圧縮に努めております。しかしながら、こうした施策を上回る影響が出た場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
e.手帳関連商品の生産委託について
当社グループが製作・販売している手帳関連商品は、商品の特性上、生産時期が一定期間に集中しているため、当社仕様による生産指示のもとで、特定の当社グループ外部の委託先に対して、原材料を支給し、加工(製本等)を委託しております。また、当社グループでは、外部委託先において生産が出来ない事態が発生した場合、又は大規模な自然災害が発生し、外部委託先の生産設備等が被害を被った場合に備え、代替できる外部委託先を有しております。しかしながら、万一、当該事象が発生した場合には、新たな外部委託先を早急に確保できず、商品の生産体制に影響が生じることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
f.重大な不良品の発生について
当社グループが製作・販売している手帳関連商品は、当社仕様による生産指示のもとで、特定の当社グループ外部の委託先に対して、原材料を支給し、加工(製本等)を委託しております。不良品の発生防止に向けて、外部委託先との連携を密にしながら品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、何らかの事情により不良品が発生した場合には、製品の再生産、再検品、回収、廃棄等の負担が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
g.研修講師の確保・育成について
研修の成果は研修講師の品質が重要な評価要素の一つとなるため、豊富な知識や経験、的確なスキルを有する講師の確保・育成が不可欠であります。当社グループでは、講師の技術向上につながる機会提供や段階的な育成システムを採用しており、従業員の研修講師だけでなく社外の契約研修講師を確保・育成しておりますが、将来において、優秀な講師人材の流出が生じ、当社グループが求める知識、経験、スキルを有する研修講師を確保・育成できなくなった場合には、当社グループの研修実施に重大な支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
h.研修講師や映像商品出演者、著者の不祥事・風評等のリスクについて
当社グループは、研修講師や映像商品出演者、出版物の著者が、事故、事件、不祥事等を起こした場合、または巻き込まれた場合、風説、風評及び報道がなされた場合等には、該当する研修講師の研修への登壇中止、該当する出演者が出演する映像商品の使用中止、出版物の回収等の措置が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、これらの発生事象に対し、当社グループの対応の如何に関わらず、当社グループにとって悪影響のある形で当該発生事象が投資家、マスメディア、インターネット、その他社会一般に広まった場合等には、当社グループに対する社会的信用が損なわれ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 収益変動について
時間デザイン事業における一般消費者向け手帳関連商品の出荷が例年8月から12月に集中することから季節的変動があり、第2四半期連結累計期間における売上高および営業利益が多く計上され、第3四半期連結会計期間以降は営業利益が減少する傾向があります。前連結会計年度および当連結会計年度における各四半期売上高および営業利益または損失は下表のとおりです。
(5) 人材の確保・育成について
顧客の多様なニーズに応えるサービスを行っていくためには、当社の企業理念および事業戦略に適った優秀な人材を確保し、育成を通じ活躍の場を広げていく必要があると考えております。新卒採用に関しては、優秀な学生に訴求すべく就職活動支援サイトや各種メディアへの露出を通じて知名度アップを図り、多様なバックグラウンドを持つ人材との接点強化に努めています。キャリア採用に関しては、今後の事業成長に必要となるキーポジションの採用に力を入れ、転職エージェントの活用だけでなく、ダイレクトリクルーティング等採用チャンネルを増やし、外部人材の獲得を推進しています。人材育成面では、入社後のミスマッチを防ぐために、採用選考過程で業種や職種の適正性判断を強化することはもちろん、OJTによるスキル修得だけではなく、上長との1on1ミーティングやOff-JTにより人間的成長の支援に努めています。しかしながら、少子化や外部人材市場の流動化等の理由により、事業展開上必要な質・量の人材の確保・維持が困難な状況となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) 情報システムについて
①社内システムの開発体制について
当社グループでは社内業務のシステム化を積極的に推し進めることで、業容の拡大の中でも人件費を中心としたコストの増加を極力抑えることで競争力を高めてまいりました。しかし今後、プロジェクト管理や開発要員確保の不調等の理由により、システム開発の進捗が滞った場合、効率的な社内業務の推進が阻害されたり、社内システムをベースとした顧客管理・営業支援システム開発が遅れたりすることで、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②システム障害について
当社グループの提供サービスやそれを支える社内業務は、コンピューター及びインターネット技術に密接に関連しております。したがって、通信事業者が運営する通信ネットワークサービスに依存しており、電力供給不足、災害や事故等によって通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合、コンピューターウィルスによる被害にあった場合、あるいは自社開発サーバー・ソフトウェアに不具合が生じた場合等によって、当社グループのサービスの提供が不可能となる可能性があります。このような事態が発生した場合には、顧客等から損害賠償の請求や当社グループの社会的信用を失う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③情報資産について
当社グループはハッカーやコンピューターウィルス等に備えるための情報資産へのセキュリティ対策を施しておりますが、外部からの不正な手段によるサーバー内の侵入などの犯罪や従業員の過誤等により顧客の個人情報等重要なデータが消去または不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には、顧客等から損害賠償の請求や当社グループの社会的信用を失う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 物流業務の外部委託に関するリスクについて
当社グループは、通信販売において商品の在庫管理業務、商品の梱包、発送等に関する業務、顧客への商品受け渡し、商品代金回収業務等の物流業務を外部に委託しています。当社では外部委託先と緊密に連携し、サービス水準の把握と向上を図っており、また、外部委託先との契約に基づき、直接的な損害は外部委託先に賠償請求できます。しかし、外部委託先のサービスの遅延及び障害等が発生し、当社に対する顧客の信用低下が発生した場合等には、当社への損害賠償請求や当社の信用下落等によって、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(8) 災害等による影響について
当社グループの事業所、工場、倉庫施設の周辺地域において大規模な自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生し、事業所、工場、倉庫施設に損害が生じ、当社グループの生産活動、販売活動、流通・仕入活動等が阻害された場合や人的被害があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 法的規制について
当社は、著作権法等コンテンツ制作に関する各種法規制、特定商取引法、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報保護法等情報管理に関する法規制等に基づいて事業を運営しております。当社は各種法規制を遵守しており、現時点において重大な法的問題は生じていないものと認識しております。また、各種法規制を遵守すべく、適宜行政当局に相談するとともに、法務の体制強化を進めております。しかしながら、法規制における解釈、運用の変化や規制の強化、新たな規制の制定等により、より厳格な対応を求められる場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(10) 知的財産権について
当社グループの事業においては、オリジナルコンテンツの制作を重視している関係上、著作権・商標権などの知的財産の確保が業務遂行上重要になっております。当社グループでは、商標権の取得や著作権の明示など、さらに開発した技術・ノウハウなどの保護・保全に努めておりますが、悪意の第三者によるサービスの模倣などにより、当社グループの営業展開に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社が第三者に帰属する商標権や著作権などの知的財産権、肖像権などを侵害しないよう、事前に権利関係を調査するなど細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権、肖像権などを侵害した場合には、損害賠償の請求や当社グループの社会的信用を失う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11) 個人情報・機密情報について
当社グループは事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しております。当社グループの個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用され、また、適切に個人情報を取り扱う体制を整備していることの証として、プライバシーマークを取得しております。
第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員の故意または過失などによって、当社グループが保有する関係者の個人情報や機密情報の外部流出又は不正使用などが発生した場合、当社グループは顧客などに対する損害賠償責任を負うとともに、当局から業務改善命令を受ける可能性があるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12) 製品評価損に関するリスクについて
当社は、市場におけるシェアを獲得することを方針として、付加価値の高い独自商品を開発し、様々な販路を含む幅広い市場拡大を図っております。また、特に新商品においては、類似商品の市場動向を勘案し、想定販売数量を控えめに算出することで在庫リスクを抑えております。しかし、不測の事態により想定を超える滞留在庫が生じた場合には、棚卸資産に関して製品評価損を計上する結果、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(13) 株式の評価損やのれんの減損損失に関するリスク
当社グループは、事業領域の拡大及び事業運営の円滑化等の目的で、有価証券を保有しております。近時の経済環境、市場環境は、ますます不透明な状況となっていることから、当該会社の業績悪化の危険性が増大しており、当該株式価値の急激な下落に伴う当該株式の評価損の可能性があります。また、M&Aの実施に際しては、対象会社の財務・法務・事業等について詳細な事前調査を行い、リスクの把握や正常収益力を分析した上で決定しておりますが、買収後の事業環境の変化等により、当初想定した事業計画通りに進まなかった場合には、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(14) 企業買収、事業提携について
当社グループは、事業拡大の手段の一つとして企業買収や戦略的提携を行う可能性があります。企業買収や提携の実施に際しては、適切なデューディリジェンス、リスク評価を実施したうえで実行可否を判断する方針です。しかしながら、当初期待した成果が実現されない場合や、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(15) 株式会社JMAホールディングスとの関係について
株式会社JMAホールディングスは、本有価証券報告書提出日現在、当社の発行済株式総数の38.6%(自己株式を除く議決権ベース)を保有するその他の関係会社に該当しております。
当社は同社の持分法適用会社であり、株式会社JMAホールディングスを構成するグループにおいて、シンクタンク・コンサルティング事業における人材育成、出版等を通じて経営革新の支援を行う会社の一つと位置づけられております。
当社グループは同社グループと役員等の兼任はなく、当社グループの経営上の重要な意思決定において同社の事前承認事項・事前報告事項は存在しないため、同社グループとの関係によって当社グループの自由な事業活動を阻害されることはありません。なお、同社グループとの取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保する方針です。
しかし、同社の議決権比率が著しく増加した場合には、議決権の行使方針によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は、リスクマネジメント基本規程に基づき、当社および当社の連結子会社の企業活動および経営戦略上のリスク管理を所管するリスクマネジメント統括委員会を設置し、代表取締役社長を委員長としてリスクマネジメント体制の構築と運用にあたっています。
リスクマネジメント統括委員会は、経営上重要なリスクの抽出・評価・見直しの実施、対応策の策定、リスク管理状況の確認を定期的に行い、適時取締役会に報告しております。
なお、当該リスクは、業務所管部門が職務執行の中で管理することを基本とし、複数の所管に関わるリスクの場合は組織横断的な委員会等で審議のうえ、適切に管理しています。
(2) 当社のリスクマネジメント体制の運用状況
当社は、リスクマネジメント統括委員会を定期的(年4回)および必要に応じて臨時に開催しております。当事業年度は同委員会を5回開催し、活発な議論を踏まえて経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」を選定しております。
なお、リスクマネジメント統括委員会の協議内容は都度取締役会に報告しております。
(3) 事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクとして考えていない事項についても、投資家の投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、これらは事業等に関するリスクのうち代表的なものであり、実際に起こり得るリスクはこの限りではありません。また、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①事業環境に関するリスク
a.時間⦅とき⦆デザイン事業の業界および競合について
当社グループが製作・販売している一般消費者向け手帳関連商品は、スマートフォンやグループウエアの普及に伴いスケジュール管理のあり方が多様化してきているものの、弊社調査から、予定や行事の記録に手帳をメインツールとしている層は依然として多く、手書きの手帳ならではの価値が評価されていると考えております。一方で、手書きの効用を兼ね備えたデジタルツールなど技術革新による手帳の代替品が急速に普及し、紙媒体による商品の需要低下に対応しきれない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.学びのデザイン事業の業界および競合について
当社グループは企業を主要顧客とし、新入社員から経営幹部までの社会人を対象に、通信教育、eラーニング、研修、アセスメント、検定などの商品・サービスの提供を通じた人材育成支援をおこなっております。国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客の人材育成関連予算が削減されるような場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、社会人を対象とした人材育成業界には、他の教育研修会社、コンサルティングファーム、シンクタンク系研修会社等、多数の企業が参入しており、競争が激化するものと認識しております。当社グループでは他社に対する競争優位を強化・維持するために市場ニーズを捉えるためマーケティング活動を行い、調査にもとづく新商品・サービスの開発を行い、また既存商品の改訂・価格見直し等の施策を行っておりますが、これらの施策を講じてもなお、優位性を維持できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
c.学びのデザイン事業における出版市場の動向について
当社グループは、ビジネス書、資格本など様々な出版物を提供しております。併せて今後更なる拡大が見込まれる電子書籍市場に対応するコンテンツの充実に努めております。出版市場では、販路そのものである書店の閉店が続いており、急激な市場変化によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②当社グループの事業内容に起因するリスク
a.再販制度について
当社グループが製作・販売している書籍、雑誌等の著作物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独占禁止法」という)第23条の規定により、再販売価格維持契約制度(以下「再販制度」という)が認められております。
公正取引委員会は2001年3月23日付「著作権再販制度の取扱いについて」において、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべき」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」と指摘しており、当面、当該再販制度が維持されることとなっております。当該制度が廃止された場合には、業界全体への影響も含め、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.委託販売制度(返品条件付販売)について
法的規制等には該当いたしませんが、再販制度と並んで出版業界における特殊な慣行として委託販売制度があります。委託販売制度とは、当社グループが取次及び書店に配本した出版物について、配本後、約定期間内に限り返品を受け入れることを条件とする販売制度であります。当社グループではそのような返品による損失に備えるため、過去の返品率等に基づき、出荷状況や販売動向を見極め、返品損失見込額を返金負債として流動負債に計上しております。しかしながら、何らかの要因により想定を上回る返品が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
c.特定販売先への依存度に関するリスク
当社グループの手帳関連商品および書籍、雑誌等の主要な販路である書店との取引においては、日本全国におよぶ中小書店への物流システムの確保および信用リスク回避のため、取次店を通して卸販売を行っております。中でも、大手取次店である日本出版販売株式会社、株式会社トーハン2社への当連結会計年度における売上高金額合計は連結売上高金額の17.0%になります。各社と当社との関係は良好ですが、各社の今後の営業方針等の変化によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
d.原材料の高騰
当社グループが製作・販売している手帳関連商品および書籍、雑誌等の主な原材料は、原紙・樹脂等であります。原材料は国内外の素材メーカーから調達しておりますが、原油価格の高騰等により原材料価格が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは商品の付加価値を高め、商品価格の見直しを行うとともに、生産性の向上やコストダウンによって原価の圧縮に努めております。しかしながら、こうした施策を上回る影響が出た場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
e.手帳関連商品の生産委託について
当社グループが製作・販売している手帳関連商品は、商品の特性上、生産時期が一定期間に集中しているため、当社仕様による生産指示のもとで、特定の当社グループ外部の委託先に対して、原材料を支給し、加工(製本等)を委託しております。また、当社グループでは、外部委託先において生産が出来ない事態が発生した場合、又は大規模な自然災害が発生し、外部委託先の生産設備等が被害を被った場合に備え、代替できる外部委託先を有しております。しかしながら、万一、当該事象が発生した場合には、新たな外部委託先を早急に確保できず、商品の生産体制に影響が生じることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
f.重大な不良品の発生について
当社グループが製作・販売している手帳関連商品は、当社仕様による生産指示のもとで、特定の当社グループ外部の委託先に対して、原材料を支給し、加工(製本等)を委託しております。不良品の発生防止に向けて、外部委託先との連携を密にしながら品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、何らかの事情により不良品が発生した場合には、製品の再生産、再検品、回収、廃棄等の負担が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
g.研修講師の確保・育成について
研修の成果は研修講師の品質が重要な評価要素の一つとなるため、豊富な知識や経験、的確なスキルを有する講師の確保・育成が不可欠であります。当社グループでは、講師の技術向上につながる機会提供や段階的な育成システムを採用しており、従業員の研修講師だけでなく社外の契約研修講師を確保・育成しておりますが、将来において、優秀な講師人材の流出が生じ、当社グループが求める知識、経験、スキルを有する研修講師を確保・育成できなくなった場合には、当社グループの研修実施に重大な支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
h.研修講師や映像商品出演者、著者の不祥事・風評等のリスクについて
当社グループは、研修講師や映像商品出演者、出版物の著者が、事故、事件、不祥事等を起こした場合、または巻き込まれた場合、風説、風評及び報道がなされた場合等には、該当する研修講師の研修への登壇中止、該当する出演者が出演する映像商品の使用中止、出版物の回収等の措置が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、これらの発生事象に対し、当社グループの対応の如何に関わらず、当社グループにとって悪影響のある形で当該発生事象が投資家、マスメディア、インターネット、その他社会一般に広まった場合等には、当社グループに対する社会的信用が損なわれ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 収益変動について
時間デザイン事業における一般消費者向け手帳関連商品の出荷が例年8月から12月に集中することから季節的変動があり、第2四半期連結累計期間における売上高および営業利益が多く計上され、第3四半期連結会計期間以降は営業利益が減少する傾向があります。前連結会計年度および当連結会計年度における各四半期売上高および営業利益または損失は下表のとおりです。
| 第34期連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | |||||
| 第1四半期 (2024年9月30日) | 第2四半期 (2024年12月31日) | 第3四半期 (2025年3月31日) | 第4四半期 (2025年6月30日) | 通期 (2025年6月30日) | |
| 売上高(千円) | 5,424,183 | 5,232,157 | 3,740,261 | 2,527,822 | 16,924,425 |
| 構成比(%) | 32.0 | 30.9 | 22.1 | 14.9 | 100.0 |
| 営業利益(千円) | 708,057 | 399,889 | 9,226 | △717,857 | 399,298 |
| 第35期連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | |||||
| 第1四半期 (2025年9月30日) | 第2四半期 (2025年12月31日) | 第3四半期 (2026年3月31日) | 第4四半期 (2026年6月30日) | 通期 (2026年6月30日) | |
| 売上高(千円) | 5,669,750 | 6,007,274 | 3,844,041 | 2,906,688 | 18,427,753 |
| 構成比(%) | 30.8 | 32.6 | 20.9 | 15.8 | 100.0 |
| 営業利益(千円) | 841,095 | 619,065 | △36,169 | △427,813 | 996,178 |
(5) 人材の確保・育成について
顧客の多様なニーズに応えるサービスを行っていくためには、当社の企業理念および事業戦略に適った優秀な人材を確保し、育成を通じ活躍の場を広げていく必要があると考えております。新卒採用に関しては、優秀な学生に訴求すべく就職活動支援サイトや各種メディアへの露出を通じて知名度アップを図り、多様なバックグラウンドを持つ人材との接点強化に努めています。キャリア採用に関しては、今後の事業成長に必要となるキーポジションの採用に力を入れ、転職エージェントの活用だけでなく、ダイレクトリクルーティング等採用チャンネルを増やし、外部人材の獲得を推進しています。人材育成面では、入社後のミスマッチを防ぐために、採用選考過程で業種や職種の適正性判断を強化することはもちろん、OJTによるスキル修得だけではなく、上長との1on1ミーティングやOff-JTにより人間的成長の支援に努めています。しかしながら、少子化や外部人材市場の流動化等の理由により、事業展開上必要な質・量の人材の確保・維持が困難な状況となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) 情報システムについて
①社内システムの開発体制について
当社グループでは社内業務のシステム化を積極的に推し進めることで、業容の拡大の中でも人件費を中心としたコストの増加を極力抑えることで競争力を高めてまいりました。しかし今後、プロジェクト管理や開発要員確保の不調等の理由により、システム開発の進捗が滞った場合、効率的な社内業務の推進が阻害されたり、社内システムをベースとした顧客管理・営業支援システム開発が遅れたりすることで、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②システム障害について
当社グループの提供サービスやそれを支える社内業務は、コンピューター及びインターネット技術に密接に関連しております。したがって、通信事業者が運営する通信ネットワークサービスに依存しており、電力供給不足、災害や事故等によって通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合、コンピューターウィルスによる被害にあった場合、あるいは自社開発サーバー・ソフトウェアに不具合が生じた場合等によって、当社グループのサービスの提供が不可能となる可能性があります。このような事態が発生した場合には、顧客等から損害賠償の請求や当社グループの社会的信用を失う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③情報資産について
当社グループはハッカーやコンピューターウィルス等に備えるための情報資産へのセキュリティ対策を施しておりますが、外部からの不正な手段によるサーバー内の侵入などの犯罪や従業員の過誤等により顧客の個人情報等重要なデータが消去または不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には、顧客等から損害賠償の請求や当社グループの社会的信用を失う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 物流業務の外部委託に関するリスクについて
当社グループは、通信販売において商品の在庫管理業務、商品の梱包、発送等に関する業務、顧客への商品受け渡し、商品代金回収業務等の物流業務を外部に委託しています。当社では外部委託先と緊密に連携し、サービス水準の把握と向上を図っており、また、外部委託先との契約に基づき、直接的な損害は外部委託先に賠償請求できます。しかし、外部委託先のサービスの遅延及び障害等が発生し、当社に対する顧客の信用低下が発生した場合等には、当社への損害賠償請求や当社の信用下落等によって、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(8) 災害等による影響について
当社グループの事業所、工場、倉庫施設の周辺地域において大規模な自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生し、事業所、工場、倉庫施設に損害が生じ、当社グループの生産活動、販売活動、流通・仕入活動等が阻害された場合や人的被害があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 法的規制について
当社は、著作権法等コンテンツ制作に関する各種法規制、特定商取引法、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報保護法等情報管理に関する法規制等に基づいて事業を運営しております。当社は各種法規制を遵守しており、現時点において重大な法的問題は生じていないものと認識しております。また、各種法規制を遵守すべく、適宜行政当局に相談するとともに、法務の体制強化を進めております。しかしながら、法規制における解釈、運用の変化や規制の強化、新たな規制の制定等により、より厳格な対応を求められる場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(10) 知的財産権について
当社グループの事業においては、オリジナルコンテンツの制作を重視している関係上、著作権・商標権などの知的財産の確保が業務遂行上重要になっております。当社グループでは、商標権の取得や著作権の明示など、さらに開発した技術・ノウハウなどの保護・保全に努めておりますが、悪意の第三者によるサービスの模倣などにより、当社グループの営業展開に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社が第三者に帰属する商標権や著作権などの知的財産権、肖像権などを侵害しないよう、事前に権利関係を調査するなど細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権、肖像権などを侵害した場合には、損害賠償の請求や当社グループの社会的信用を失う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11) 個人情報・機密情報について
当社グループは事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しております。当社グループの個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用され、また、適切に個人情報を取り扱う体制を整備していることの証として、プライバシーマークを取得しております。
第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員の故意または過失などによって、当社グループが保有する関係者の個人情報や機密情報の外部流出又は不正使用などが発生した場合、当社グループは顧客などに対する損害賠償責任を負うとともに、当局から業務改善命令を受ける可能性があるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12) 製品評価損に関するリスクについて
当社は、市場におけるシェアを獲得することを方針として、付加価値の高い独自商品を開発し、様々な販路を含む幅広い市場拡大を図っております。また、特に新商品においては、類似商品の市場動向を勘案し、想定販売数量を控えめに算出することで在庫リスクを抑えております。しかし、不測の事態により想定を超える滞留在庫が生じた場合には、棚卸資産に関して製品評価損を計上する結果、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(13) 株式の評価損やのれんの減損損失に関するリスク
当社グループは、事業領域の拡大及び事業運営の円滑化等の目的で、有価証券を保有しております。近時の経済環境、市場環境は、ますます不透明な状況となっていることから、当該会社の業績悪化の危険性が増大しており、当該株式価値の急激な下落に伴う当該株式の評価損の可能性があります。また、M&Aの実施に際しては、対象会社の財務・法務・事業等について詳細な事前調査を行い、リスクの把握や正常収益力を分析した上で決定しておりますが、買収後の事業環境の変化等により、当初想定した事業計画通りに進まなかった場合には、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(14) 企業買収、事業提携について
当社グループは、事業拡大の手段の一つとして企業買収や戦略的提携を行う可能性があります。企業買収や提携の実施に際しては、適切なデューディリジェンス、リスク評価を実施したうえで実行可否を判断する方針です。しかしながら、当初期待した成果が実現されない場合や、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(15) 株式会社JMAホールディングスとの関係について
株式会社JMAホールディングスは、本有価証券報告書提出日現在、当社の発行済株式総数の38.6%(自己株式を除く議決権ベース)を保有するその他の関係会社に該当しております。
当社は同社の持分法適用会社であり、株式会社JMAホールディングスを構成するグループにおいて、シンクタンク・コンサルティング事業における人材育成、出版等を通じて経営革新の支援を行う会社の一つと位置づけられております。
当社グループは同社グループと役員等の兼任はなく、当社グループの経営上の重要な意思決定において同社の事前承認事項・事前報告事項は存在しないため、同社グループとの関係によって当社グループの自由な事業活動を阻害されることはありません。なお、同社グループとの取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保する方針です。
しかし、同社の議決権比率が著しく増加した場合には、議決権の行使方針によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。