有価証券報告書-第22期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)

【提出】
2020/07/31 9:34
【資料】
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【項目】
149項目
(1) 経営方針
当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、コマース事業とプラットフォーム事業の相乗効果を最大限に発揮しながら、「モバイルアクセサリーのグローバル№1ブランド」となること及び「ECのグローバルプラットフォーム」の構築を目指しております。
個性的で質の高いプロダクトを世界中に広め、それを手にしたユーザーの創造的な感性を刺激する、また、EC事業者向けクラウド型(SaaS)業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」によってECバックオフィス業務の自動化を進め、EC事業者をルーティンワークから解放することで、人間が本来取り組むべき創造的な活動に注力できる環境を提供する、この「クリエイティブ魂に火をつける」というMissionを追い求めることで、EC市場の更なる成長に貢献してまいります。
(2) 経営戦略
① コマース事業
コマース事業においては、自社リソースを活用した、独自デザイン及びキャラクターライセンスを活用したユニークな自社企画商品の開発を一層強化することで収益力とブランド力を向上させると同時に、ネクストエンジンによる効率化の徹底、多ブランド・多店舗展開、販路におけるポートフォリオの充実(卸販売と小売販売のバランス)及び海外展開強化による収益機会の増大に取り組んでまいります。
② プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのメイン機能強化による更なる自動化の追求と顧客の利便性向上、アプリストアのラインナップ充実、BtoB対応、越境EC進出支援等の各施策により、新規顧客の獲得と顧客単価の上昇を図ると同時に、AIによるビッグデータの活用を企図して2016年2月に立ち上げた探究室(現データマイニング部)の研究成果を、プラットフォーム事業の新たな付加価値と位置付けて、収益機会の増大に取り組んでまいります。
③ その他
2018年12月に策定した中期経営計画「Hamee Infinity Strategy」に基づいて、グループシナジーを強化し、全事業でデータセントリックなストック型ビジネスモデルへの転換を図るため、当該セグメントにおいて開発投資を積極化しております。開発の成果として「レコメンドメール自動配信アプリ」「Hamic BEAR」「ふるさと納税支援サービス」等のサービスをリリースしており、今後もネクストエンジンのデータを活用した新たなサービスを継続的に開発・リリースしてまいります。
(3) 対処すべき課題
今後の事業展開において、業容を拡大し、経営基盤を安定させるために、以下の課題を認識しております。当社グループは、これらの課題に迅速に対処してまいります。
① 全社的な課題
a.ブランド力の強化
当社の属するEC市場、モバイルアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、顧客から選ばれる商品、選ばれるサービスを提供することでブランド価値の向上を図るため、次のような施策を継続して実施してまいります。
(a) 商品及びサービスの一層のブランディング強化
コマース事業について、品揃え重視の商品展開から、よりデザインやクオリティを重視し、ブランド力の向上を意識した商品企画に注力することで「iFace」に代表されるオリジナル商品の認知度が高まり、モバイルアクセサリー市場において一定のブランド力を発揮しております。今後「iFace」を始めとする自社ブランドを一層強化し、ブランドが発する感情的価値や情緒的価値を高めていくことで、他社商品との差別化を図り、激化する競争に対処してまいります。
また、プラットフォーム事業について、プラットフォーム化のメリットを最大限に活用して様々な外部サービスとの連携を可能とすることで、「ネクストエンジン」の契約数は順調に増加し、市場において一定の評価を得ております。今後においても持続可能な成長性を維持するため、EC事業者の省力化・効率化に資するサービスのみならず、顧客となるEC事業者の成長に資するサービスを開発するなど、一層のブランディング強化に取組み、確固たる地位を築いてまいります。
(b) UI・UXの重視
ネクストエンジンを始めとしたサービスの開発、WEBサイトの運営、商品の企画を行うにあたり、顧客に対してのUI(注)、UX(User Experience:顧客の体験の総体)を引き続き重視し、常に改善に取り組んでまいります。
b.優秀な人材が働きやすい環境の整備
継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。2019年にフレックスタイム制度を導入することにより働きやすい環境を整備しました。今後も、研修制度及び人事評価制度の充実等の各種施策を進めるほか、働き方改革や多様性の受容などを意識し、様々な価値観を有する人材が働きやすさや働き甲斐を感じることのできる環境を整備してまいります。
c.グローバル展開の加速
EC市場、モバイルアクセサリー市場ともに国内、国外の区分はなくなりグローバル化が進んでいます。そのような状況に対処するため、海外のECモール等に出店し、実際にECサイトを運営しながら現地ECに関連する情報収集及びマーケティングを行い、現地ECの状況を把握した上で、現地版ネクストエンジン等のEC関連サービスをリリースし、ネットワーク化することをグローバル展開の基本方針としております。
当該方針に基づいて、コマース事業については、韓国連結子会社が製品製造機能を取得し、グローバルに販売できる商品を開発・生産する体制を整え、グローバル展開を更に加速させてまいります。一方、プラットフォーム事業については、韓国連結子会社において現地版のネクストエンジンをスタートさせております。その他の国・地域については、エンジニアの確保やローカライズの可能性を探るなど様々な課題に対処する必要があります。引き続き、コマース事業、プラットフォーム事業ともグローバル展開を加速させてまいります。
d.コンプライアンス体制の維持向上
近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。
e.新たな収益の柱を育てる取組みの強化
持続可能な成長性を維持し企業価値を向上させるためには、既存の事業に加え新規事業創造といったビジネス変革に対する取組みも重要であると認識しております。既存事業で獲得した経営資源を活用し、新たなビジネスの創出にチャレンジしていきます。
f.新たなビジネスモデルへの進化
従前のコマース事業とプラットフォーム事業のシナジーを活かした成長戦略だけでは、変化の激しいEC市場において持続可能な成長性を維持することは、今後困難になるものと認識しております。
そのため当社グループは、既存事業で獲得した経営資源を活用し、顧客体験価値追求のためのビジネスモデル転換(フローからストックへ)にチャレンジしています。その具体的な取組みとして「レコメンドメール自動配信アプリ」や「RUKAMO」等のプロダクト及びサービスをリリースいたしましたが、今後も中期経営計画の達成を実現するために、様々な商品、サービスの研究開発に注力してまいります。
g.新型コロナウイルス感染症対策
新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に伴い、国内外で公衆衛生上の緊急事態が発生しております。この危機的状況に対応するべく、当社グループではBCP災害対策本部の設置、在宅勤務制度の導入、感染防止策の周知徹底等を行うことにより従業員をはじめとするステークホルダーの安全を確保し、政府・各自治体の方針・要請に基づいた感染予防・感染拡大防止に努め、事業を継続させていきます。
(注)UI(User Interface)とは、利用者が対象を操作するために接する部分であり、マウスやキーボード、ディスプレーといった機械的な要素、どのように操作するかという手順、画面に表示されるメニューやアイコン、ウインドウといった視覚的要素、警告音や文字の読み上げといった聴覚的要素などを指す。
② コマース事業
a.適正な在庫水準の維持
当社グループは、他社商品との差別化やブランド力の向上を図るため、自社企画商品の開発に注力しております。しかしながら、当該商品群は仕入商品に比べ、発注ロットが大きくなるため、自社企画商品の販売比率が増加するに伴い、在庫が増加する傾向が見られます。また、製造工場は中国及び韓国に多く所在しており、春節時には工場が休業となることから、事前に在庫を積み増す等の対処が必要となるため、時期によって在庫水準が大きく変動いたします。
インターネット通信販売と卸販売という二つの販売チャネルを有することで、在庫リスクを回避しつつ自社企画商品の開発を行うことができるという、当社グループの強みを活かしながら、引き続き市場のニーズを見極めつつ、当社ブランディングを強く意識した商品ラインナップへの絞り込みを行う等の施策により、適正な在庫水準を維持する方針であります。
b.商品市場投入スピードの向上
コマース事業が属するモバイルアクセサリー業界においては、流行の変化に伴って商品のライフサイクルが短くなる傾向にあるため、「iFace」のような長期間に渡って人気を博している商品の訴求力を維持向上させる取組みと同時に、常に新しい商品を市場に投入し続けていく必要があります。市場に存在しないような自社企画商品をいち早く投入するため、商品開発体制を強化すると同時に、協力工場や仕入先企業と緊密な連携を取り、変化するニーズにスピーディに対応してまいります。
c.更なる業務のIT化
コマース事業においては、売上の増加に伴って業務負担がより大きく増加します。一つ一つの業務の効率化を図るため、当社はネクストエンジンの活用によって業務のIT化を図っておりますが、コマース事業のニーズをネクストエンジンに反映できる環境にあるという、自社開発の強みを活かして今後一層の業務の自動化を進め、業務負担及びコストの削減を実現してまいります。
d. 新型コロナウイルス感染症対策
国内卸販売におきましては、緊急事態宣言の発出を受け営業自粛をする顧客が増加したことにより受注が減速した一方、国内小売においては、日常生活の変容による「巣ごもり消費」の顕著化やEC利用への「デジタルシフト」等、消費行動の変化による市場拡大の影響が見られたことから、国内卸販売の落ち込みをカバーする結果となりました。これは販路におけるポートフォリオのバランスが取れていた事に起因すると考えております。先々の見通しが不確実、不安定である経営環境に対して、引き続きポートフォリオを充実させ、様々な変化に対応できるよう、事業を推進していきます。
③ プラットフォーム事業
a.総契約社数の更なる拡大に向けた体制の整備
当社グループは、早期にネクストエンジン総契約社数5,000社を達成することを目標として、以下の取組みを推進してまいりました。
・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動
・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上
・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減
・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化
・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅を更に拡大
これらの取組みの成果により、第22期においては契約社数の純増数が375社と、過去最高の実績を残すことができましたが、新規顧客の増加に伴い、自社リソース(サポート人員)におけるコールセンター業務の比重が高まっております。
顧客満足度に直結するサポート品質の維持向上と、収益確保に直結する新規契約獲得に向けた自社リソースの活用という、二つの要素を両立させることが喫緊の課題となったことから、当社グループはプラットフォーム事業におけるコールセンター業務をアウトソーシングする方針といたしました。早期にコールセンター業務のアウトソーシングを実現することで、顧客満足度を維持しつつ、自社リソースを事業成長に有効活用できる体制を整備してまいります。
b.ネクストエンジンの解約の抑制
ネクストエンジンの契約後、運営するEC店舗が成長軌道に乗らず解約するケースや、運用方法を十分に習得できずに解約していくユーザー企業が一定数存在いたします。
前者については、連結子会社Hameeコンサルティング株式会社によるEC事業者向けフロントオフィス支援サービスを活用し、ユーザー企業の成長を支援することで、後者については、サポート部門の人員増強による導入時のフォロー体制の充実化や、初期設定を簡便にするツールの開発等の諸施策を実施することで、解約数の抑制に努めております。今後につきましても、一層の解約率減少を目的として、ネクストエンジンのUIを改善し、マニュアルやサポートに頼ることなく誰でも簡単に初期設定が可能となるような仕組みを整備してまいります。
c. 新型コロナウイルス感染症対策
コマース事業同様、日常生活の変容による「巣ごもり消費」の顕著化やEC利用への「デジタルシフト」等、消費行動の変化による市場拡大の影響により、ネクストエンジン顧客企業の受注処理件数も増加する流れにあることから、当該トランザクションに紐づく従量課金制としているネクストエンジンの売上も好調に推移するなど、負の影響は見られませんでした。感染状況において不確実ながら一定程度は収束に向かうと予想されるものの、引き続き消費行動の変化の流れは続くと考えられ、市場ニーズを捉えながら事業成長を目指していきます。
④ その他
a.IoT分野進出への取組み
コマース事業におけるものづくりに関するノウハウと、プラットフォーム事業におけるIT技術の二つのノウハウを活用し、IoT分野への進出を企図し第一弾のプロダクトとして「Hamic BEAR」をリリースいたしました。データセントリックなストック型ビジネスモデルへの転換と、新市場の開拓を実現するために、積極的な研究開発を継続してまいります。

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