有価証券報告書-第20期(平成29年5月1日-平成30年4月30日)

【提出】
2018/07/27 12:23
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119項目

有報資料

(1) 経営方針
当社グループは、Philosophy「We Create the Best “e”for the Better “e” World.」の下、「happy mobile, easy e-commerce」を事業ドメインと定め、「世界中のモバイルユーザーに驚きを。ECをもっと簡単に。」を旗印として、「happy mobile」を追求するためのコマース事業と、「easy e-commerce」を追求するためのプラットフォーム事業の相乗効果を最大限に発揮しながら、「モバイルアクセサリーのグローバル№1ブランド」となること及び「ECのグローバルプラットフォーム」の構築を目指しております。また、Philosophyを実現するために、「クリエイティブ魂に火をつける」をVisionと定めております。
個性的で質の高いプロダクトを世界中に広め、それを手にしたユーザーの創造的な感性を刺激する、また、EC事業者向けクラウド型業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」によってECバックオフィス業務の自動化を進め、EC事業者をルーティンワークから解放することで、人間が本来取り組むべき創造的な活動に注力できる環境を提供する、この「クリエイティブ魂に火をつける」というVisionを追い求めることで、EC市場の更なる成長に貢献してまいります。
(2) 経営戦略
① コマース事業
コマース事業においては、自社リソースを活用した、独自デザイン及びキャラクターライセンスを活用したユニークな自社企画商品の開発を一層強化することで収益力とブランド力を向上させると同時に、ネクストエンジンによる効率化の徹底、多ブランド・多店舗展開及び海外展開強化による収益機会の増大に取り組んでまいります。
② プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのメイン機能強化による更なる自動化の追求と顧客の利便性向上、アプリストアのラインナップ充実、BtoB対応、越境EC進出支援等の各施策により、新規顧客の獲得と顧客単価の上昇を図ると同時に、AIによるビッグデータの活用を企図して平成28年2月に立ち上げた探究室の研究成果を、プラットフォーム事業の新たな付加価値と位置付けて、収益機会の増大に取り組んでまいります。
(3) 対処すべき課題
今後の事業展開において、業容を拡大し、経営基盤を安定させるために、以下の課題を認識しております。
当社グループは、これらの課題に迅速に対処してまいります。
① 全社的な課題
a.ブランド力の強化
当社の属するEC市場、モバイルアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、顧客から選ばれる商品、選ばれるサービスを提供することでブランド価値の向上を図るため、次のような施策を継続して実施してまいります。
(a) 商品及びサービスの一層のブランディング強化
コマース事業について、品揃え重視の商品展開から、よりデザインやクオリティを重視し、ブランド力の向上を意識した商品企画に注力することで「iFace」に代表されるオリジナル商品の認知度が高まり、モバイルアクセサリー市場において一定のブランド力を発揮しております。
また、プラットフォーム事業については、「自動化」を旗印として、EC事業者の効率化に資するサービスの開発に尽力し、プラットフォーム化のメリットを活かして様々な外部サービスと連携することで、「ネクストエンジン」の契約数は順調に増加するなど、市場において一定の評価を得ております。今後においても持続可能な成長性を維持するため、一層のブランディング強化に引き続き取組み、確固たる地位を築いてまいります。
(b) UI・UXの重視
ネクストエンジンを始めとしたサービスの開発、WEBサイトの運営、商品の企画を行うにあたり、顧客に対してのUI(注)、UX(User Experience:顧客の体験の総体)を引き続き重視し、常に改善に取り組んでまいります。
b.優秀な人材が働きやすい環境の整備
継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。
具体的施策として、ハード面の充実を図り快適な執務環境を確保するために、平成29年10月に本社を新社屋へ移転いたしました。今後、ソフト面で最も重要な人的基盤を強化するために、メンター制度活用による教育・育成・指導の実施、研修制度及び人事評価制度の充実等の各種施策を進めるほか、働き方改革や多様性の受容などを意識し、様々な価値観を有する人材が働きやすさや働き甲斐を感じることのできる環境を整備してまいります。
c.グローバル展開の加速
EC市場、モバイルアクセサリー市場ともに国内、国外の区分はなくなりグローバル化が進んでいます。そのような状況に対処するため、海外のECモール等に出店し、実際にECサイトを運営しながら現地ECに関連する情報収集及びマーケティングを行い、現地ECの状況を把握した上で、現地版ネクストエンジン等のEC関連サービスをリリースし、ネットワーク化することをグローバル展開の基本方針としております。
当該方針に基づいて設立した海外連結子会社5社について、国・地域別に最適な商品展開、販売チャネルを開拓することで、コマース事業の成果は着実に積みあがっております。今後は他の関連会社も含め、グループ全体での一層の収益力向上に努めるとともに、海外におけるプラットフォーム事業の立ち上げ等グローバル展開を加速させてまいります。
d.コンプライアンス体制の維持向上
近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。
e.新たな収益の柱を育てる取組みの強化
持続可能な成長性を維持し企業価値を向上させるためには、既存の事業に加え新規事業創造といったビジネス変革に対する取組みも重要であると認識しております。当社は従前より新規事業提案制度を運用しておりましたが、今後は新たな収益の柱を育てる観点を重視し、既存事業とのシナジーを前提に、外部との連携等も視野に入れるなど、より現業に近い位置で新規事業に取り組むことで、実効性を確保してまいります。
(注) UI(User Interface)とは、利用者が対象を操作するために接する部分であり、マウスやキーボード、ディスプレーといった機械的な要素、どのように操作するかという手順、画面に表示されるメニューやアイコン、ウインドウといった視覚的要素、警告音や文字の読み上げといった聴覚的要素などを指す。
② コマース事業
a.適正な在庫水準の維持
当社グループは、他社商品との差別化やブランド力の向上を図るため、自社企画商品の開発に注力しております。しかしながら、当該商品群は仕入商品に比べ、発注ロットが大きくなるため、自社企画商品の販売比率が増加するに伴い、在庫が増加する傾向が見られます。また、製造工場は中国に多く所在しており、春節時には工場が休業となることから、事前に在庫を積み増す等の対処が必要となるため、時期によって在庫水準が大きく変動いたします。
インターネット通信販売と卸販売という二つの販売チャネルを有することで、在庫リスクを回避しつつ自社企画商品の開発を行うことができるという、当社グループの強みを活かしながら、引き続き市場のニーズを見極めつつ、当社ブランディングを強く意識した商品ラインナップへの絞り込みを行う等の施策により、適正な在庫水準を維持する方針であります。
b.商品市場投入スピードの向上
コマース事業が属するモバイルアクセサリー業界においては、流行の変化に伴って商品のライフサイクルが短くなる傾向にあるため、「iFace」のような長期間に渡って人気を博している商品の訴求力を維持向上させる取組みと同時に、常に新しい商品を市場に投入し続けていく必要があります。市場に存在しないような自社企画商品をいち早く投入するため、開発プロジェクト管理を強化すると同時に、協力工場や仕入先企業と緊密な連携を取り、変化するニーズにスピーディに対応してまいります。
c.更なる業務のIT化
コマース事業においては、売上の増加に伴って業務負担がより大きく増加します。一つ一つの業務の効率化を図るため、当社はネクストエンジンの活用によって業務のIT化を図っておりますが、コマース事業のニーズをネクストエンジンに反映できる環境にあるという、自社開発の強みを活かして今後一層の業務の自動化を進め、業務負担及びコストの削減を実現してまいります。
③ プラットフォーム事業
a.総契約数5,000社の早期達成に向けた取組みの強化
ネクストエンジンは同サービスを利用する2万3千以上のEC店舗の日々のトランザクションデータを蓄積し続けており、将来的には当該ビッグデータを活用した新たな付加価値を生みながら、海外においても各国・各地域版のネクストエンジンを開発し、それらを連携させることで、あらゆる国・地域間での越境ECの実現を支えるECバックオフィスシステムのデファクトスタンダードとなることを目指しております。
そのためには、プラットフォーム化のメリットを活かして多様化する顧客ニーズへの対応を強化し、プラットフォームとしての魅力を一層高めることが重要であると認識しております。早期に総契約数5,000社を達成することを当面の目標として、以下の取組みを推進してまいります。
・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動
・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上
・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減
・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化
・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅を更に拡大
b.ネクストエンジンの解約の抑制
ネクストエンジンの契約後、運営するEC店舗が成長軌道に乗らず解約するケースや、運用方法を十分に習得できずに解約していくユーザー企業が一定数存在いたします。
前者については、株式を取得して子会社化したHameeコンサルティング株式会社によるEC事業者向けフロントオフィス支援サービスを活用し、ユーザー企業の成長を支援することで、後者については、サポート部門の人員増強による導入時のフォロー体制の充実化や、初期設定を簡便にするツールの開発等の諸施策を実施することで、解約数の抑制に努めております。今後につきましても、一層の解約率減少を目的として、ネクストエンジンのUIを改善し、マニュアルやサポートに頼ることなく誰でも簡単に初期設定が可能となるような仕組みを整備してまいります。
④ その他
a.IoT分野進出への取組み
コマース事業におけるものづくりに関するノウハウと、プラットフォーム事業におけるIT技術の二つのノウハウを活用し、IoT分野への進出を企図しておりますが、現時点ではサービス化に至っておりません。早期にサービスインを実現し、新市場の創出と開拓を実現するために、積極的な研究開発を継続してまいります。

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