有価証券報告書-第5期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/23 14:33
【資料】
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【項目】
139項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、理念体系として以下を掲げております。
企業理念: 子ども達の未来のために
ビジョン: 『2030 トリプルトラスト』
2030年 職員と親子と地域に最も信頼される存在になり、
子ども達の育ちと学びの社会インフラになる。
中期方向性: 子ども達が輝く社会づくりへ
目指す人財: 輝いた大人
大切にする姿勢: 『STAT(スタット)』
安心安全 (Safety)
チームワーク(Teamwork)
やってみよう(Action)
感謝 (Thanks)
保育理念: 豊かに生きる力を育てる
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2020年9月期から2022年9月期を最終年度とする『中期経営計画「2022」』のなかで、最終年度にあたる2022年9月期における目標計画として①売上高270億円、②営業利益12億円を掲げております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループが属する子育て支援事業を取り巻く状況は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け一部で一時的に入園を控える動きがみられました。しかし、女性の社会進出に対する意識の変化や政府による女性の活躍推進などにより、共働き世帯数や女性の就業率は上昇傾向が続いており、保育に対する需要は高い状況が続いており、保育所の利用率は9割超の高い水準で推移しております。
一方で、自治体における保育所増設が進められており、待機児童数は下表のとおり3年連続で減少しました。ただし、2020年4月時点で12,439人と政府が掲げる待機児童数ゼロとは乖離した状態が続いています。また、内閣府による「子ども・子育て会議」(2020年10月5日開催)において14.1万人分の保育の受け皿が不足するとの試算が示され、2024年度末までに新たに10万人超分の保育の受け皿を整備する検討が進められており、保育所の新設に対する需要は当面続くと見込まれます。
こうしたなか、当社グループは待機児童の解消など社会的要請にこたえるために、これまで重点的に新規開設を継続してきた東京23区を中心とした首都圏に、今後も安定した新園開発を進める方針です。
また、上記見通しを踏まえ、当社グループでは、持続的な成長に向けた『中期経営計画「2022」』において、以下のとおり方針を掲げたうえで3つの重点テーマに取り組んでまいります。
<方針>ビジョンに向けた保育事業基盤づくりと規模経済の最大化
<3つの重点テーマ>① 保育事業基盤の確立・進化 ~安定拡大と収益性向上~
・人財系の課題解消(大規模採用、適正配置、定着率向上)
・入所率向上や補助金収入の最大化等による収支最適化
・業界変化に対応したマーケティング活動
② 質の良い保育の確立 ~選ばれる施設へ~
・グローバルキッズ保育の確立
・職員が保育に集中できる環境の実現(子どもに向き合う時間の最大化)
・教育・育成機関の強化や質の評価機関の立ち上げ
③ 次なる成長に向けた布石・展開 ~周辺・新規事業の拡大~
・自社保育事業基盤を同業に横展開
・児童発達支援事業の拡大、保育と療育の融合モデル創り
・他事業者との連携・グループ化を展開
なお、次なる成長に向けた布石・展開を推進するため、当社グループの既存事業強化又は新規事業拡大を見込める企業との資本・業務提携を行うなどシナジーを見込める投資を行う方針です。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
我が国は、成長戦略の一つとして女性が輝く日本を念頭に「待機児童の解消」、「職場復帰・再就職の支援」、「女性役員・管理職の増加」に向けた対策が進められています。このように保育事業に対する国の関心が高まるなかで、当社グループとしてさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。
① 保育の質の維持・向上
運営施設数が増加する状況でも、優秀な人材の採用や育成の強化、及び、諸施策を通じた長期雇用の促進により、保育士の質の維持・向上を図ります。具体的な施策として、各職位における職務内容や人事評価制度の精緻化、処遇改善等を検討するほか、第三者評価を通じた利用者からの指摘事項の改善等を定期的に行います。また、当社グループの保育方針をより一層浸透させるため、施設長や本部スタッフに対する研修の実施を進めてまいります。
さらに、休暇制度の拡充や社員寮等の福利厚生などの人事制度の整備に加えて海外研修などの研修制度の充実、処遇改善等を通じた魅力ある就労環境の提供を通じて人材の長期雇用に努め、安定した保育を提供できる体制を整えてまいります。
こうした施策の推進に加えて、当社グループとして目指す保育である『グローバルキッズ保育』を確固たるものとし、これを各施設に浸透させることで保育の質の底上げを図ります。
② 人材育成力の強化
子ども・子育て支援制度などの国や自治体の保育方針に関する勉強会や保育士試験の講座、アレルギー研修等、各職位に応じた研修カリキュラムの充実や研修参加の推奨により、施設長等、管理職水準の人材の早期育成体制の強化を目指します。また、ヨーロッパの保育所における現地の多様な保育を学ぶ海外研修を通じて、当社グループにおける保育の幅を広げる取り組みを実施しております。
③ 採用力の強化等を通じた人材の確保
運営施設数の増加により、保育士資格を有する優秀な人材の確保が急務であります。しかしながら、保育士資格を有する求職者が不足していることから、特に首都圏においては、年々、採用が難しくなる傾向にあります。これまでは、当社が強みを持つ経験者の採用を中心に人材を確保してまいりましたが、新卒者の採用にも一段と注力することで採用力の強化に努めます。また、当社グループの職員からの保育士等の紹介・推薦によるリファラル採用に力を入れるなど、採用の多様化や採用コストの抑制にも注力しております。なお、人事制度の整備等により長期雇用に努めることで採用コストを抑えてまいります。
④ 戦略的な地域展開
当社グループは、これまで待機児童が集中する東京23区などの首都圏都心部を重点地域として運営施設数の拡大に努めてまいりました。この結果、現状では東京都で業界トップクラスの施設数を運営しております。今後も首都圏都心部においては、他の地域に比べ児童の確保に優位性があるうえ、新規開設への需要が継続すると見込んでおり、待機児童が多い地域を中心に安定した新規施設開設を進めていく方針です。
[全国及び東京都における待機児童数]
2018年4月1日時点2019年4月1日時点2020年4月1日現在
待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)
東京都5,414人27.23,690人22.02,343人18.8
全国19,895人100.016,772人100.012,439人100.0

出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」
東京都「都内の保育サービスの状況について」
⑤ 効率的な事業運営の推進
運営施設数の増加に伴い、備品購入等における規模のメリットの享受や、運営業務の一元化、システム導入等を積極的に推進することで、運営コストを抑制しながら効果的・安定的な事業運営が行えるよう努めます。
⑥ 安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化
当社グループは、現在、各施設の開発資金や運転資金の確保を、主に金融機関からの借入に依拠しております。今後も、積極的に開発を進め、安定した事業運営を行うためにも、諸施策を通じた安定的な資金調達の確保を図るとともに、収益力の向上による財務基盤の強化に努めます。
⑦ 事業の拡大と安定化
当社グループの収益は、現在、概ね子育て支援事業に依拠しており、国や自治体の政策等に大きく影響を受けている状況です。当該状況を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業以外に保育に関連する周辺事業を中心に収益基盤の拡充に取り組んでおります。具体的には、児童発達支援事業やコンサルティング事業、給食受託事業、研修事業、事務業務の受託事業等の拡大・参入等を検討してまいります。
また、新規の保育施設については、安定的な運営が見込みやすい認可保育所を中心とすること及び、認可以外の既存施設についても認可保育所へと転換を進めることで、収益基盤の一層の安定化に努めます。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、現状の待機児童数の推移及び保育の受皿の拡大ペースに鑑みると、大都市圏を中心に保育需要は引き続き強く、保育所の新設に対する需要は当面続くと想定しております。
このような想定において、2019年11月に『中期経営計画「2022」』を公表いたしました。具体的には、引き続き首都圏都心部を中心に、一定数の新規施設の開設を安定的に取り組む方針です。一方で、「保育事業基盤の確立・進化」による収益性向上、「質の良い保育の確立」による選ばれる施設づくり、「次なる成長に向けた布石・展開」による周辺・新規事業の拡大に取り組んでまいります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、子育て支援事業に対する社会的要請に応えるために、「子ども達の未来のために」保育の質向上に積極的に取り組むことが重要との認識でおります。このため、保育士が成長できる職場作りや処遇改善、保育士の社会的な地位向上等に向け取り組んでまいります。
また、先に掲げた3つの重点テーマの推進により、これまで進めてきた事業基盤拡大を生かし、規模経済の最大化を実現する方針です。

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