有価証券報告書-第33期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「不動産の賃貸料から生成されるマリオンのサービスを以って、年金・医療・介護・環境のサプリメントとなし、皆様に夢のある快適な老後と幸せをお届けすること」を経営理念に掲げております。
この経営理念を具体化するため、リスクの適切な制御のもと、居住用を中心とした賃貸不動産による安定的な事業基盤を確保するとともに、賃貸事業の基盤に基づく経営理念を具現化する不動産証券化商品を生成し、かかる住に関連したサービスを通じて社会に貢献することにより当社の企業価値を高め、ステーク・ホルダー各位の期待に応えてまいります。
(2)目標とする経営指標
不動産市況等のリスクを適切に制御しつつ、賃貸及び関連証券化商品による安定成長を目指していくことを基本方針に、財務指標としては売上高経常利益率の水準と推移を、業務指標としては入居率及び収入率(注)の推移を重視しております。
(注)収入率=実際の月間受取賃料等÷満室時想定月間賃料
(3)経営環境
不動産業界におきましては、不祥事等を受けた不動産業界一部セグメントに対する金融機関の融資姿勢の厳格化が認められるものの、旺盛な不動産投資需要が継続したことや、外国人観光客の増加やオリンピックも展望したホテル・商業施設への需要増加などから、三大都市圏の商業地における地価が高止まりの状況にあります。住宅地についても、分譲マンションをはじめとする住宅需要に加え、相続対策としての不動産投資需要、日本銀行により導入されたマイナス金利付き量的・質的金融緩和継続の影響、投資利回りの相対比較を受けたJ-REITへの資金流入継続など、全体としては不動産市場への資金流入が継続する環境にあります。
居住者向け賃貸不動産市場については、人口減少・少子高齢化の進展が需給の悪化を招くとの懸念もあるなか、株式会社野村総合研究所が総務省の住宅・土地統計調査に基づき作成した「日本の不動産投資市場2015」と題する資料によれば、賃貸マンションに居住する世帯は1988年には全世帯の9%であったところ、2013年には約20%まで増加しており、転居世帯数が1994年-10年の1,221万世帯から2009年-25年には939万世帯に減少する中、賃貸マンションに転居する世帯の比率はむしろ46%から48%に増加し、賃貸マンション需要を底支えしているというデータも確認されております。また、同資料によれば、東京圏において中長期的に人口・世帯の減少が始まる見込みの中、当社が主に顧客層とする単身世帯については、少なくとも2033年頃までは世帯増を牽引する見込みであるとしております。
一方、賃貸不動産の投資利回りは首都圏を中心に低下が著しく、建築費も引き続き上昇傾向にあり、賃貸不動産についても価格が高値圏で推移していることから、賃貸不動産の仕入れにあたっては、収益性と不動産市況リスクの見極めが一層重要になる局面にあるものと考えられます。
当社が許可を有する不特法関連では、国土交通省が2016年3月に取り纏めた「不動産投資市場の成長戦略~2020年に向けた成長目標と具体的取組」の中で、不特法の事業については、投資家保護とのバランスを斟酌しつつ、既存の枠組みについて必要な検討を行い、事業の充実を図る必要があるとされ、2017年6月2日に公布された改正不特法において、一連の取引を電磁的に完結するクラウドファンディング対応に係る改正が盛り込まれ、2017年12月1日に施行、2019年4月15日に関連施行規則の改正が実施されております。
かかる中、当社は、施行規則改正日同日付にて、電磁取引を含む改正不特法に基づく金融庁長官・国土交通大臣許可を取得し、改正不特法に基づくクラウドファンディング業務運営の体制を整備致しました。
(4)中長期的な経営戦略
当社といたしましては、これらの状況を踏まえまして、以下のとおり考えております。
ⅰ)不動産賃貸サービス
当社事業の基盤を構成する不動産賃貸サービスについては、相対的に入居率変動リスクが少なく、底堅い需要が期待される居住者向け物件、中でも単身者向け物件を中心に事業を展開致します。
当事業年度末現在、首都圏における当社賃貸顧客の31.7%を占め当社の賃貸業務の比較優位性のひとつである地方公共団体等の安定的な賃貸顧客基盤の維持拡大など、既存保有物件の入居率の維持・安定・改善施策の着実な実施につとめることにより、ストック収益の安定的な確保を図ってまいります。
投資利回りの低下、不動産市況リスクの増大を踏まえて、新規仕入れについては慎重検討を基本としつつ、利回りの低下は特に首都圏において顕著であることから、首都圏以外の主要都市における仕入れ機会を引き続き追求し、賃貸業務基盤の拡充と、新規証券化案件の組成につなげてまいります。
ⅱ)不動産証券化サービス
不特法に基づく当社の証券化商品は、当事業年度末現在当社総負債の35.8%、当事業年度売上高に占める対象賃貸不動産の賃貸売上比率が24.5%を構成するなど、当社事業において重要な位置づけにあるほか、不動産業界向けの金融機関の融資姿勢の後退時など金融環境が難しい状況下にあっても、投資家からの直接の資金調達に基づく物件の仕入れを可能とし、当社賃貸不動産ポートフォリオ構築において大きな役割を果たして参りました。
一部不動産業界セグメントに対する金融機関の融資姿勢の厳格化が指摘されるなか、証券化商品についての既存投資家との関係の維持発展につとめるとともに、新たに取得した電磁的取引に関する改正不特法許可に基づく不動産クラウドファンディング型証券化商品の展開を進めることにより、当該分野における当社の優位性を維持強化して参ります。
ⅲ)不動産売買
当社は、賃貸・証券化業務のライフサイクルの一環として、含み益の実現益への転換による投資収益の確定の手段として不動産の売却を行います。また、新規賃貸物件、新規証券化物件の対象資産の仕入れ、既存ポートフォリオの入れ替え等の目的で、不動産の購入を実施致します。
不動産市況の状況を踏まえ、物件の売却については、保有不動産にかかる含み益の実現益への転換に向けての取り組みの一環として引き続き時宜を捉えた対応を行う一方、物件の購入については、当面の方針としては、案件の選別、利回りの検討等において慎重な対応を基本としつつ、仕入れ好適時期の到来に向けての時宜を得た対応を可能とする体制の整備を進める方針であります。
(5)会社の対処すべき課題
このような経営環境の下、株主をはじめ、賃貸顧客、投資家などの利害関係者各位の期待に応え、当社が持続的な成長を実現し株主価値を高めるために優先的に対処すべき課題として、以下を認識しております。
①賃貸物件仕入れ力の持続的強化と物件価値査定力の一段の強化
賃貸業務基盤の持続的拡大を実現するとともに、投資家各位に安定的かつ継続的に証券化商品を提供していくためには、優良な対象物件の仕入れを安定的に実現していくことが課題であります。
現下の市場環境においては、特に首都圏において優良な賃貸物件は超過需要の状況にあり、投資利回りの低下が顕著となっていることから、物件の仕入れについてはリスク分析に基づく選別を強化するとともに、首都圏のみならず全国主要都市にわたる優良物件の情報収集力、物件価値査定力の継続的強化を図っていく方針です。
②保有物件の稼働率の維持向上
新規物件の利回り低下に伴い、新規物件調達のリスクが拡大するなか、安定的な収益基盤を確保するためには、既存保有物件の稼働率の維持向上が課題であります。そのため、当社は首都圏においては、2019年9月末現在、当社賃貸顧客の31.7%程度を占める地方公共団体顧客等の安定的な顧客基盤維持拡大のため顧客満足度の維持向上につとめるとともに、入居率の動向をきめ細かく管理し、退去等に伴い空室が見込まれる場合等においては、種々の施策を能動的かつ機動的に講じております。
③資金調達基盤の維持拡大
金融機関及び不特法に基づく匿名組合出資調達基盤の維持・拡大・選択肢の多様化が課題であります。そのため当社は、金融市場の動向を注視し資金調達環境の変化の捕捉につとめるとともに、金融機関、証券化商品の既存投資家との関係の維持向上を図ってまいります。
④物件ポートフォリオの品質の維持向上
不動産証券化商品の提供においては、安定的な賃貸収益基盤に基づく優良運用商品を投資家に継続的に提供することが求められ、そのため賃貸物件ポートフォリオを優良なものに維持することが課題であります。このため、当社は償還期限が到来する不動産証券化商品対象物件について、償還時点又は償還日近接時点における市況等を捉えて売却または物件の入れ替え等を行うなど、きめ細かな物件ポートフォリオ管理につとめ、物件ポートフォリオの品質の継続的な維持向上を図っております。
⑤内部統制とコーポレート・ガバナンスの強化
経営の透明性を確保し、当社の持続的な成長を実現するためには、適正な内部統制環境の整備と、コーポレート・ガバナンスの不断の強化が継続的な課題であると認識しております。
このため、組織体制の整備、内部管理体制の継続的な強化を図るとともに、2015年に監査等委員会設置会社に移行し、全役員10名のうち、2名の社外取締役監査等委員、3名の非常勤社外取締役を配し、社外取締役による牽制のもとでの事業運営を行っております。
また、当社は、宅地建物取引業法、不特法をはじめとする各種法規制等のもとで事業を行っております。そのため、コンプライアンスを重視した企業経営を推進し、高い倫理観と社会的良識を持った事業運営を進めてまいります。
⑥人材の育成と確保
適正なコーポレート・ガバナンス体制のもとでの組織的な事業運営を行い、当社の持続的な成長を実現するためには、各種の施策を組織のもとで適切に推進できる人材の育成と確保が課題であります。このため、当社は役職員の教育強化、組織体制の強化に注力してまいります。
⑦商品力の継続的強化と拡充
当社は不特法の許可に基づき証券化商品を提供しておりますが、根拠法令である不特法については、2017年6月2日に「不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)」が公布され、2017年12月1日に施行、関連施行規則が2019年4月15日に実施に移されております。
改正に伴い、クラウドファンディングの進展への対応を可能とするため、不特法においても、従来書面での締結が要件とされていた証券化商品の契約についても、電磁的方法が認められることとなりました。
当社は、改正不特法施行規則実施当日に、改正不特法に基づく金融庁長官・国土交通大臣許可を取得し、同許可に基づく新規証券化商品の提供を開始いたしました。
不動産分野におけるクラウドファンディングの一段の進展を展望し、引き続き商品力の強化に向けた諸施策を推進してまいります。
⑧情報開示体制の強化
当社賃貸物件に基づく証券化商品について、投資家が有用な運用商品と認識して投資を継続するためには、証券化対象の各賃貸物件の運用状況についての適切な情報還元を行い、当社及び当社商品に対する信頼を醸成・維持・向上することが課題となります。
当社はウェブページ上で証券化対象物件毎の入居・収入状況等を月次で開示している他、インターネットでの申し込みが可能なサラリーマンボンド、申込から契約締結までをインターネットで完了することが可能なi-Bondについては、投資家が各人の投資資産の状況をインターネットで検索できる機能を提供するなど、適切な開示と投資家利便の向上につとめているところでありますが、不特法改正を受けたクラウドファンディングの一段の進展も踏まえて、システム対応の一段の強化等の施策を実施してまいります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「不動産の賃貸料から生成されるマリオンのサービスを以って、年金・医療・介護・環境のサプリメントとなし、皆様に夢のある快適な老後と幸せをお届けすること」を経営理念に掲げております。
この経営理念を具体化するため、リスクの適切な制御のもと、居住用を中心とした賃貸不動産による安定的な事業基盤を確保するとともに、賃貸事業の基盤に基づく経営理念を具現化する不動産証券化商品を生成し、かかる住に関連したサービスを通じて社会に貢献することにより当社の企業価値を高め、ステーク・ホルダー各位の期待に応えてまいります。
(2)目標とする経営指標
不動産市況等のリスクを適切に制御しつつ、賃貸及び関連証券化商品による安定成長を目指していくことを基本方針に、財務指標としては売上高経常利益率の水準と推移を、業務指標としては入居率及び収入率(注)の推移を重視しております。
(注)収入率=実際の月間受取賃料等÷満室時想定月間賃料
(3)経営環境
不動産業界におきましては、不祥事等を受けた不動産業界一部セグメントに対する金融機関の融資姿勢の厳格化が認められるものの、旺盛な不動産投資需要が継続したことや、外国人観光客の増加やオリンピックも展望したホテル・商業施設への需要増加などから、三大都市圏の商業地における地価が高止まりの状況にあります。住宅地についても、分譲マンションをはじめとする住宅需要に加え、相続対策としての不動産投資需要、日本銀行により導入されたマイナス金利付き量的・質的金融緩和継続の影響、投資利回りの相対比較を受けたJ-REITへの資金流入継続など、全体としては不動産市場への資金流入が継続する環境にあります。
居住者向け賃貸不動産市場については、人口減少・少子高齢化の進展が需給の悪化を招くとの懸念もあるなか、株式会社野村総合研究所が総務省の住宅・土地統計調査に基づき作成した「日本の不動産投資市場2015」と題する資料によれば、賃貸マンションに居住する世帯は1988年には全世帯の9%であったところ、2013年には約20%まで増加しており、転居世帯数が1994年-10年の1,221万世帯から2009年-25年には939万世帯に減少する中、賃貸マンションに転居する世帯の比率はむしろ46%から48%に増加し、賃貸マンション需要を底支えしているというデータも確認されております。また、同資料によれば、東京圏において中長期的に人口・世帯の減少が始まる見込みの中、当社が主に顧客層とする単身世帯については、少なくとも2033年頃までは世帯増を牽引する見込みであるとしております。
一方、賃貸不動産の投資利回りは首都圏を中心に低下が著しく、建築費も引き続き上昇傾向にあり、賃貸不動産についても価格が高値圏で推移していることから、賃貸不動産の仕入れにあたっては、収益性と不動産市況リスクの見極めが一層重要になる局面にあるものと考えられます。
当社が許可を有する不特法関連では、国土交通省が2016年3月に取り纏めた「不動産投資市場の成長戦略~2020年に向けた成長目標と具体的取組」の中で、不特法の事業については、投資家保護とのバランスを斟酌しつつ、既存の枠組みについて必要な検討を行い、事業の充実を図る必要があるとされ、2017年6月2日に公布された改正不特法において、一連の取引を電磁的に完結するクラウドファンディング対応に係る改正が盛り込まれ、2017年12月1日に施行、2019年4月15日に関連施行規則の改正が実施されております。
かかる中、当社は、施行規則改正日同日付にて、電磁取引を含む改正不特法に基づく金融庁長官・国土交通大臣許可を取得し、改正不特法に基づくクラウドファンディング業務運営の体制を整備致しました。
(4)中長期的な経営戦略
当社といたしましては、これらの状況を踏まえまして、以下のとおり考えております。
ⅰ)不動産賃貸サービス
当社事業の基盤を構成する不動産賃貸サービスについては、相対的に入居率変動リスクが少なく、底堅い需要が期待される居住者向け物件、中でも単身者向け物件を中心に事業を展開致します。
当事業年度末現在、首都圏における当社賃貸顧客の31.7%を占め当社の賃貸業務の比較優位性のひとつである地方公共団体等の安定的な賃貸顧客基盤の維持拡大など、既存保有物件の入居率の維持・安定・改善施策の着実な実施につとめることにより、ストック収益の安定的な確保を図ってまいります。
投資利回りの低下、不動産市況リスクの増大を踏まえて、新規仕入れについては慎重検討を基本としつつ、利回りの低下は特に首都圏において顕著であることから、首都圏以外の主要都市における仕入れ機会を引き続き追求し、賃貸業務基盤の拡充と、新規証券化案件の組成につなげてまいります。
ⅱ)不動産証券化サービス
不特法に基づく当社の証券化商品は、当事業年度末現在当社総負債の35.8%、当事業年度売上高に占める対象賃貸不動産の賃貸売上比率が24.5%を構成するなど、当社事業において重要な位置づけにあるほか、不動産業界向けの金融機関の融資姿勢の後退時など金融環境が難しい状況下にあっても、投資家からの直接の資金調達に基づく物件の仕入れを可能とし、当社賃貸不動産ポートフォリオ構築において大きな役割を果たして参りました。
一部不動産業界セグメントに対する金融機関の融資姿勢の厳格化が指摘されるなか、証券化商品についての既存投資家との関係の維持発展につとめるとともに、新たに取得した電磁的取引に関する改正不特法許可に基づく不動産クラウドファンディング型証券化商品の展開を進めることにより、当該分野における当社の優位性を維持強化して参ります。
ⅲ)不動産売買
当社は、賃貸・証券化業務のライフサイクルの一環として、含み益の実現益への転換による投資収益の確定の手段として不動産の売却を行います。また、新規賃貸物件、新規証券化物件の対象資産の仕入れ、既存ポートフォリオの入れ替え等の目的で、不動産の購入を実施致します。
不動産市況の状況を踏まえ、物件の売却については、保有不動産にかかる含み益の実現益への転換に向けての取り組みの一環として引き続き時宜を捉えた対応を行う一方、物件の購入については、当面の方針としては、案件の選別、利回りの検討等において慎重な対応を基本としつつ、仕入れ好適時期の到来に向けての時宜を得た対応を可能とする体制の整備を進める方針であります。
(5)会社の対処すべき課題
このような経営環境の下、株主をはじめ、賃貸顧客、投資家などの利害関係者各位の期待に応え、当社が持続的な成長を実現し株主価値を高めるために優先的に対処すべき課題として、以下を認識しております。
①賃貸物件仕入れ力の持続的強化と物件価値査定力の一段の強化
賃貸業務基盤の持続的拡大を実現するとともに、投資家各位に安定的かつ継続的に証券化商品を提供していくためには、優良な対象物件の仕入れを安定的に実現していくことが課題であります。
現下の市場環境においては、特に首都圏において優良な賃貸物件は超過需要の状況にあり、投資利回りの低下が顕著となっていることから、物件の仕入れについてはリスク分析に基づく選別を強化するとともに、首都圏のみならず全国主要都市にわたる優良物件の情報収集力、物件価値査定力の継続的強化を図っていく方針です。
②保有物件の稼働率の維持向上
新規物件の利回り低下に伴い、新規物件調達のリスクが拡大するなか、安定的な収益基盤を確保するためには、既存保有物件の稼働率の維持向上が課題であります。そのため、当社は首都圏においては、2019年9月末現在、当社賃貸顧客の31.7%程度を占める地方公共団体顧客等の安定的な顧客基盤維持拡大のため顧客満足度の維持向上につとめるとともに、入居率の動向をきめ細かく管理し、退去等に伴い空室が見込まれる場合等においては、種々の施策を能動的かつ機動的に講じております。
③資金調達基盤の維持拡大
金融機関及び不特法に基づく匿名組合出資調達基盤の維持・拡大・選択肢の多様化が課題であります。そのため当社は、金融市場の動向を注視し資金調達環境の変化の捕捉につとめるとともに、金融機関、証券化商品の既存投資家との関係の維持向上を図ってまいります。
④物件ポートフォリオの品質の維持向上
不動産証券化商品の提供においては、安定的な賃貸収益基盤に基づく優良運用商品を投資家に継続的に提供することが求められ、そのため賃貸物件ポートフォリオを優良なものに維持することが課題であります。このため、当社は償還期限が到来する不動産証券化商品対象物件について、償還時点又は償還日近接時点における市況等を捉えて売却または物件の入れ替え等を行うなど、きめ細かな物件ポートフォリオ管理につとめ、物件ポートフォリオの品質の継続的な維持向上を図っております。
⑤内部統制とコーポレート・ガバナンスの強化
経営の透明性を確保し、当社の持続的な成長を実現するためには、適正な内部統制環境の整備と、コーポレート・ガバナンスの不断の強化が継続的な課題であると認識しております。
このため、組織体制の整備、内部管理体制の継続的な強化を図るとともに、2015年に監査等委員会設置会社に移行し、全役員10名のうち、2名の社外取締役監査等委員、3名の非常勤社外取締役を配し、社外取締役による牽制のもとでの事業運営を行っております。
また、当社は、宅地建物取引業法、不特法をはじめとする各種法規制等のもとで事業を行っております。そのため、コンプライアンスを重視した企業経営を推進し、高い倫理観と社会的良識を持った事業運営を進めてまいります。
⑥人材の育成と確保
適正なコーポレート・ガバナンス体制のもとでの組織的な事業運営を行い、当社の持続的な成長を実現するためには、各種の施策を組織のもとで適切に推進できる人材の育成と確保が課題であります。このため、当社は役職員の教育強化、組織体制の強化に注力してまいります。
⑦商品力の継続的強化と拡充
当社は不特法の許可に基づき証券化商品を提供しておりますが、根拠法令である不特法については、2017年6月2日に「不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)」が公布され、2017年12月1日に施行、関連施行規則が2019年4月15日に実施に移されております。
改正に伴い、クラウドファンディングの進展への対応を可能とするため、不特法においても、従来書面での締結が要件とされていた証券化商品の契約についても、電磁的方法が認められることとなりました。
当社は、改正不特法施行規則実施当日に、改正不特法に基づく金融庁長官・国土交通大臣許可を取得し、同許可に基づく新規証券化商品の提供を開始いたしました。
不動産分野におけるクラウドファンディングの一段の進展を展望し、引き続き商品力の強化に向けた諸施策を推進してまいります。
⑧情報開示体制の強化
当社賃貸物件に基づく証券化商品について、投資家が有用な運用商品と認識して投資を継続するためには、証券化対象の各賃貸物件の運用状況についての適切な情報還元を行い、当社及び当社商品に対する信頼を醸成・維持・向上することが課題となります。
当社はウェブページ上で証券化対象物件毎の入居・収入状況等を月次で開示している他、インターネットでの申し込みが可能なサラリーマンボンド、申込から契約締結までをインターネットで完了することが可能なi-Bondについては、投資家が各人の投資資産の状況をインターネットで検索できる機能を提供するなど、適切な開示と投資家利便の向上につとめているところでありますが、不特法改正を受けたクラウドファンディングの一段の進展も踏まえて、システム対応の一段の強化等の施策を実施してまいります。