有価証券報告書-第26期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
当社グループは、多岐にわたる事業展開をしており、これらの企業活動の遂行には様々なリスクが伴います。本項では当社グループの事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると認識している主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。ただし、当社グループで発生する全てのリスクを網羅しているものではありません。当社グループの経営陣は、これらリスクの発生可能性の程度及び時期を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。
なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
<当社グループ全般に係るリスク>1 事業環境に関するリスク
(1)経済環境について
当社グループが営む各事業は国内外の経済環境、具体的には景気後退に伴う雇用環境、所得環境、個人消費の動向等に影響を受けます。当社グループにおいては国内外経済動向、社会情勢等について注視し、事業活動やサービス提供を行っていますが、世界経済の低迷や社会情勢が悪化した場合には、当社グループサービス需要減退に伴う減収等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)インターネットの利用について
当社グループは、インターネット技術を活用して多様なサービスを提供しています。このため、インターネットの利用を制約するような法規制、個人情報管理の安全性を中心とした情報セキュリティに対する問題意識の広がり等の外部要因等により影響を受けます。当社グループでは、情報の適切な管理を行い、これを担保するため、マニュアルの整備や教育・研修の実施等で社員教育を行っていますが、それらの取組みが何らかの理由で不十分であった場合には当社グループの社会的信用の毀損や、損害に対する賠償金の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)業界における技術変化等について
当社グループが営む各事業では、技術分野における進歩及び変化が著しく、新しい技術を活用した商品やサービスが導入されています。当社グループは常に業界調査を行い、有用な技術・サービスの導入の検討、既存システムの見直しを行っていますが、当該変化等への対応が遅れた場合や新技術への対応のための開発費用が大幅に増加した場合、当社グループ事業運営の障害となりうる技術が開発された場合等には、当社グループ提供サービスの競争力低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2 楽天グループとの関係に関するリスク
(1)楽天グループ株式会社との資本関係等に関するリスク
当社の親会社である楽天グループ株式会社は、取締役、監査役の選任・解任や定款の変更及び剰余金の処分等、株主総会決議が必要となる事項に関して、重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)楽天等のブランド利用等に関するリスク
当社グループは、楽天グループ株式会社と経営基本契約並びに経営管理契約を締結し、それらに基づき「楽天」等のブランド利用等をしています。それに伴い、楽天グループ株式会社にブランドロイヤリティを支払っています。
当社が楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、「楽天」等のブランド利用等ができない、又は利用条件が制限される可能性があり、この場合には、当社グループが提供するサービスへの需要の減退による収益の低下等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、楽天グループ株式会社や、当社グループ及びその他の楽天グループ各社において、行政処分等に伴うマイナスイメージが生じた場合や、商品やサービス等に関する不信感や不祥事等が生じた場合、必ずしも正確な情報に基づかないものや、憶測に基づいた内容の報道や情報の流布がされた場合等により、楽天グループ全体のブランドに影響した場合には、ユーザーの離反による収益の低下等、当社グル―プの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)楽天グループ間の業務提携及び楽天グループ内組織再編に関するリスク
当社グループは、楽天グループ株式会社との間でポイントプログラムでの提携や、楽天グループ各社との間での様々な提携等を行っており、当社が楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、この提携が制限、解除等される可能性があり、かかる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、楽天グループにおける組織再編により、当社グループにおける子会社・関連会社等の変更や当社グループの事業が変更される場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3 主要株主との関係に関するリスク
当社の主要株主である株式会社みずほ銀行とは、今後とも良好な関係の維持、取引の継続に努めていく所存ではありますが、同社の方針転換又は株主構成に変更があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループと、楽天グループ株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社みずほ銀行、ユーシーカード株式会社、株式会社オリエントコーポレーションは、2024年11月13日付で業務提携契約を締結しました。競争が激化する決済ビジネスにおいて、それぞれの強みを持ち寄ることで、より利便性の高い、新たなリテール事業ビジネスモデルが創造できると考えています。しかしながら、提携先の方針又は事業戦略の変化、提携解消等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4 競合に関するリスク
当社グループが営む各セグメントには、多くの企業が参入しており、また今後参入する可能性があり、激しい競合状況にあります。当社グループは楽天エコシステムの強みを最大限発揮するため、各サービス間のシナジー効果の最大化を図り、楽天グループ内での相互送客を行うことによって競争優位性を維持することに努めています。また、新サービス・商品の開発、既存サービスの改善、マーケティング精度の向上等を継続的に行うことで各業界での存在感を強めていますが、各種プロモーションに係る費用等が大幅に増加した場合、また競合他社が画期的なサービスを展開する等の場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5 法的規制等に関するリスク
当社グループは、サービスを提供するために必要な許認可につき、金融関連諸法規、監督官庁の指針、業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受けています。将来、何らかの事由により業務の停止、免許等の取消等があった場合、また、法令諸規則、監督官庁の政策、規制、監督指針等が新設され、又はこれらにつき当該サービスにとって影響のある変更等が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2021年8月には、FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書が公表されています。日本当局を含めた各国当局は、マネーローンダリング及びテロ資金供与防止に関連し、FATF等の要請に基づいた各種施策を強化しており、当社グループは、国内外で業務を行うに当たり、各種規制の適用を受けています。当社グループは、関係法令その他諸規則等を遵守すべく、楽天グループ全体の基本方針としてAML/CFTに関する関連規程を定め、同規程に基づいた運営及び管理を行っています。
さらに、昨今の国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等を背景に2022年5月11日に経済安全保障推進法が成立し、同法3章の対象事業者に指定された事業者は、重要設備の導入・維持管理等の委託をする際は、国の事前審査に対応する必要があります。
しかしながら、当社グループにおいて、関係法令その他諸規則等を遵守できなかった場合、法規制に対する検討が不十分であった場合には、行政処分や罰則を受けたり、業務に制限を付されたりするおそれがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6 マーケットに関するリスク
(1)金利変動リスク
当社グループは幅広い金融事業を営んでおり、それぞれにおいて資産負債管理(ALM)を実施し、資産や負債の金利期間等を適切に管理していますが、市場動向等により金利環境が大幅に変動した場合、ALMを適切に実行できない可能性があり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)有価証券等の価格変動リスク
当社グループは、有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しています。これらの有価証券等は金融商品市場の動向等により価格が変動し、大幅な価格変動は当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的な有価証券価格のモニタリングにより、リスクの低減を図っています。
(3)為替変動リスク
当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引について外貨建てで実行するものは、経済動向を注視しつつ、為替変動リスクを適切にヘッジすることを目指しています。また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成しています。一方で為替変動に伴うリスクを完全に回避することは難しく、外国為替市場における変動等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)信用リスク
当社グループでは、貸付債権等を保有しており、経済状況が悪化した場合及び債務者の信用状況が著しく悪化した場合、当該貸付債権等の信用力が低下し、元利金の支払いが不履行となる可能性があるとともに、当該貸付債権等への引当金計上に悪影響を及ぼす可能性があります。貸付債権に関しては、外部信用情報機関を利用した与信や定期的な与信枠を見直すことでリスク低減に努めています。しかしながら、これらのリスクを完全に回避することは困難であり、想定以上の経済状況の悪化等による信用コストの増大や債務不履行等が発生した場合には貸倒関連費用の増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、市場リスクをヘッジするために行う金利スワップ取引についても、カウンターパーティリスクがあり、デリバティブ取引上のカウンターパーティの義務について不履行が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)資金調達に関するリスク
当社グループは、運転資金の調達を金融機関からの借入金、金融市場からの直接調達等により賄っています。その中には変動金利による調達もあり、将来的な金利上昇は支払利息の増加を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、経済環境が悪化した場合、金融機関の与信方針が変更されて金融機関からの借入や債権流動化による調達が困難になることや、金融市場の悪化により金融市場からの直接調達が困難になること等が予想され、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
締結しているコミットメントライン契約等借入に係る契約には財務制限条項が規定されている場合があり、当社グループ及び各社の経営成績、財政状態又は信用力が悪化した場合、及び組織再編等が行われた場合には、これらの条項に基づき既存借入金の一括返済、金利及び手数料率の引上げ又は新たな担保権の設定を迫られる可能性があります。今後の資金調達については、金融市場が不安定な場合や、当社グループ及び親会社である楽天グループ株式会社の信用力の悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があるほか、資金調達コストの増加等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループでは資金調達先、手法の多様化、及び取引銀行とのコミュニケーションを強化することで、リスクの低減を図っていきます。
7 繰延税金資産に関するリスク
当社及び一部の連結子会社においては、IFRS会計基準に基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しています。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得と実行可能なタックスプランニングを考慮し、回収可能な繰延税金資産を計上していますが、事業の見通しに基づく将来の課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合や税制及び会計基準の変更が行われた場合に、繰延税金資産が減額されることがあり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8 のれんに関するリスク
当社グループは、連結財務諸表についてIFRS会計基準を適用しており、毎期減損テストを実施しています。のれんの対象会社における経営成績悪化等により、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9 リスク管理の有効性について
近年金融市場においては、市場の急激かつ大規模な変動や混乱が度々生じています。当社グループにおいては、リスク管理方針及び手続を整備し運用していますが、当社グループにおけるリスク管理方針及び手続の一部は、金融市場において将来発生する種々のリスクを必ずしも正確に予測することができず、有効に機能しない可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10 コンプライアンスに関するリスク
(1)法的規制等の適用の可能性について
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置付け、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っていますが、役員及び従業員による個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスク若しくは社会的に信用が毀損されるリスクを回避できない可能性があり、かかる場合にはユーザーの離反等が発生し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)訴訟等の可能性について
当社グループが提供している各種サービスの利用者に対し、システム障害等によって損害を与えた場合や、第三者の知的財産権を侵害した場合等においては、当社グループに対して訴訟を提起される可能性、又はその他の請求を受ける可能性があります。当社グループでは、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、適切かつ適法なサービスの提供に努めていますが、かかる場合には、賠償金の支払いや、サービス提供により見込まれた収益の喪失等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社グループが第三者によって何らかの権利を侵害された又は損害を被った際に、当社グループの権利が保護されない場合や、訴訟等により当社グループの権利保護のために多大な費用を要する場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
11 国際事業展開に関するリスク
国際事業展開の上では、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安、通信環境や商慣習の違い等の様々な潜在的リスク及び特定の国や地域固有のリスクが存在します。当社グループはこれらのリスクに対し、国際情勢の注視や現地監督官庁との定期的なコミュニケーションの実施を行い、カントリーリスクの最小化に努めています。しかしながら、現地規則や制度の理解が不十分であった場合や、想定し得なかった経済的・政治的・地政学的要因によってこれらのリスクに対処できない場合には、追加費用の発生等により、当社グループの国際事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは海外における事業活動を遂行するために、他の企業との提携を行っています。業務提携先とは良好な関係を維持すべく取り組んでいますが、何らかの理由で関係が悪化した場合、又はこれらの業務運営に支障が生じた場合、当社グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
12 人材に関するリスク
当社グループのサービスにおいては、金融及びインターネット等の分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大及び国際展開に応じて継続した人材の育成・確保を行うことが欠かせません。当社グループは社員の知識、技能、経験、モチベーションが事業目標の達成に多大なる影響を及ぼすことを認識しており、これらのリスクに備えた対応策を講じています。当社グループでは、業務、知識が属人化しないよう、業務マニュアル作成の徹底を行い、人事異動や社外流出の際の当該ビジネス、部署への影響を最小限に留めるよう努めています。また、社員の流出を避けるため、継続的に福利厚生の改善、公正な人事評価及び業績に応じた賞与の提供等、より働きやすい環境を作り上げ、社員満足度を高める努力を行っています。しかしながら、今後各サービス分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合や、在職する人材の社外流出が多数生じた場合には、当社グループの業容拡大や国際展開が困難となる等による収益力の低下や、採用コストの増加により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13 情報セキュリティ、システム及び通信ネットワークに関するリスク
当社グループは、顧客に関する情報を有しており、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っており、情報アクセス権限の適切な管理や研修等による社員の教育を行うことで、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等のリスクの排除に努めています。しかしながら、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性や、内外監督官庁からの処分等を受ける可能性があり、かかる場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのサービスの多くは、通信ネットワークを通じて提供されていますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエア若しくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウイルスやマルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障を生じる可能性があるほか、当社グループサービスの不正な利用、重要なデータの消去又は不正取得等が発生する可能性もあります。また、当社グループでは、高度で複雑なシステムを開発・運用しサービスを提供しており、何らかの要因によって、開発遅延や中止、設備の故障、不具合等が発生する可能性もあります。
これらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的・物理的にも各種対応策を講じていますが、十分に機能しなかった場合には、サービスの停止や機能低下が生じる等により、収益機会の喪失、当社グループのシステム自体への信頼性低下又は損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける可能性があります。
さらに、当社グループサービスの不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社グループの損害となります。かかる場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
14 事務・オペレーションリスク
当社グループは、業務の遂行において各種情報システムの活用や再鑑制度の実施等、業務の正確性、効率性を高めるための様々な取組みを実施しています。しかしながら、一部においては専用の情報システムが導入されておらず人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続のミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務手続のミスが安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、かかる場合にはブランドイメージの低下等により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、社内規範や事務手続の標準化及び文書化に取り組んでいますが、当社グループの急速な拡大に伴う事務量の増加、新サービスの導入等により、業務遂行に必要な知識の共有、継承が不十分になる可能性があり、その結果生じ得る事務手続のミスの増加や生産性の低下が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
15 災害紛争事故等に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループのサービス運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、これらの災害等が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)等の有事の際の対応策を策定していますが、災害等の規模が想定を超える場合にはサービスの運営が困難又は不可能となる可能性や、これら災害等の発生により人や物の移動に規制がかかる等により、社会全体の経済活動が停滞又は停止する場合には当社グループの提供するサービスに対する需要が減少する可能性や、セグメントによっては、状況に応じて業務の運営様態を変更せざるを得ないことにより情報セキュリティ及びプライバシー保護に一定レベルのリスクが増す可能性があり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な拠点において大規模な自然災害等が発生した場合に備え、オペレーション拠点を分散させ、一定の地域における災害発生時でも、事業の継続が可能になるようリスク低減を図っていますが、想定以上の災害等発生時には、サービスの提供等が停止する可能性もあり、かかる場合には当社グループの信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<各セグメントに係るリスク>1 クレジットカード事業セグメントに係るリスク
クレジットカード事業セグメントは、主として楽天カード株式会社が業務運営をしています。
楽天カード株式会社においては、主に個人顧客を対象とした債権を有しており、経済動向により債務不履行や返済遅延のリスクが存在します。定期的な審査基準の見直しや、審査可決後の継続的なモニタリングに基づき適正な限度額の設定に努めていますが、想定以上の失業率の上昇による自己破産又は多重債務者の増加等が生じた場合には、貸倒関連費用の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、クレジットカード決済等における加盟店契約業務を提供しており、加盟店からの手数料を収入源としています。加盟店手数料率の低下、競合他社との競争激化等による加盟店流出が生じる可能性がありますが、当社は引き続き、業務改善を通じたコスト削減、及びお客様のニーズに合わせたサービス展開に取り組みます。しかしながら、その取組みが期待どおりの成果を発揮しなかった場合、加盟店数の減少や手数料ビジネスの利益率の悪化により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また経済環境の悪化に伴い、自己破産及び多重債務者の増加、消費の落ち込みによるサービス需要の低下並びに求償債権の増加による引受信用保証の収益性の悪化の可能性があります。これらのリスクに対して与信管理を適切に行っていますが、想定を超え経済環境が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらにクレジットカードの不正利用等については、クレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済手段の拡充に伴う取扱高の増加に伴い、年々増加しています。当社においてはカード情報を裏面に記載した新デザインカードの発行、SMSを活用した本人認証サービスの実施、及び24時間体制でのモニタリング等にて不正利用の防止体制を強化していますが、想定を超える不正利用が発生した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2 ペイメント事業セグメントに係るリスク
ペイメント事業セグメントは、楽天ペイメント株式会社が主にモバイル決済サービス等、楽天Edy株式会社がプリペイド型電子マネーサービス等を提供しています。また、楽天Edy株式会社は資金決済法に基づく前払式支払手段発行者及び資金移動業者の登録等を行っており、同法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。特に、前払式支払手段に対しては基準日未使用残高の2分の1の額以上の発行保証金を、資金移動業においては送金途中にあり滞留している資金の100%以上の履行保証金をそれぞれ保全することが義務付けられており、法令やガイドラインに定められた内容に沿って顧客資産の保全を実施しています。加えて、2025年3月19日には、楽天Edy株式会社が厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者として、「賃金のデジタル払い」の提供を開始しました。これにより、労働基準法に基づく賃金において、希望する労働者にはデジタル支払が行われることとなり、新たなサービス機会が創出される一方で、労働者の賃金を取り扱う指定事業者として高いレベルの法令遵守態勢やシステム管理態勢が求められています。しかしながら、何らかの理由で関連業法等に違反した場合には、金融庁・厚生労働省等の関係当局から指定の取消しや営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
キャッシュレス決済サービスに関連するシステムに障害や不正アクセス等が発生した場合には、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社ひいては当社グループのセキュリティに対する信頼性及びレピュテーションが低下し、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があります。また、日本国内における、キャッシュレス決済の認知、利用頻度の高まりにより、クレジットカード同様、社会インフラの一つとして認識されていることから、より一層高い信頼性が求められます。両社は、キャッシュレス決済関連システムの障害発生及び不正アクセスを防ぐため、システムの冗長構成(バックアップ体制の構築)、セキュリティの強化等に努めていますが、かかる取組みが期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
<当社グループ全般に係るリスク>1 事業環境に関するリスク
(1)経済環境について
当社グループが営む各事業は国内外の経済環境、具体的には景気後退に伴う雇用環境、所得環境、個人消費の動向等に影響を受けます。当社グループにおいては国内外経済動向、社会情勢等について注視し、事業活動やサービス提供を行っていますが、世界経済の低迷や社会情勢が悪化した場合には、当社グループサービス需要減退に伴う減収等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)インターネットの利用について
当社グループは、インターネット技術を活用して多様なサービスを提供しています。このため、インターネットの利用を制約するような法規制、個人情報管理の安全性を中心とした情報セキュリティに対する問題意識の広がり等の外部要因等により影響を受けます。当社グループでは、情報の適切な管理を行い、これを担保するため、マニュアルの整備や教育・研修の実施等で社員教育を行っていますが、それらの取組みが何らかの理由で不十分であった場合には当社グループの社会的信用の毀損や、損害に対する賠償金の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)業界における技術変化等について
当社グループが営む各事業では、技術分野における進歩及び変化が著しく、新しい技術を活用した商品やサービスが導入されています。当社グループは常に業界調査を行い、有用な技術・サービスの導入の検討、既存システムの見直しを行っていますが、当該変化等への対応が遅れた場合や新技術への対応のための開発費用が大幅に増加した場合、当社グループ事業運営の障害となりうる技術が開発された場合等には、当社グループ提供サービスの競争力低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2 楽天グループとの関係に関するリスク
(1)楽天グループ株式会社との資本関係等に関するリスク
当社の親会社である楽天グループ株式会社は、取締役、監査役の選任・解任や定款の変更及び剰余金の処分等、株主総会決議が必要となる事項に関して、重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)楽天等のブランド利用等に関するリスク
当社グループは、楽天グループ株式会社と経営基本契約並びに経営管理契約を締結し、それらに基づき「楽天」等のブランド利用等をしています。それに伴い、楽天グループ株式会社にブランドロイヤリティを支払っています。
当社が楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、「楽天」等のブランド利用等ができない、又は利用条件が制限される可能性があり、この場合には、当社グループが提供するサービスへの需要の減退による収益の低下等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、楽天グループ株式会社や、当社グループ及びその他の楽天グループ各社において、行政処分等に伴うマイナスイメージが生じた場合や、商品やサービス等に関する不信感や不祥事等が生じた場合、必ずしも正確な情報に基づかないものや、憶測に基づいた内容の報道や情報の流布がされた場合等により、楽天グループ全体のブランドに影響した場合には、ユーザーの離反による収益の低下等、当社グル―プの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)楽天グループ間の業務提携及び楽天グループ内組織再編に関するリスク
当社グループは、楽天グループ株式会社との間でポイントプログラムでの提携や、楽天グループ各社との間での様々な提携等を行っており、当社が楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、この提携が制限、解除等される可能性があり、かかる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、楽天グループにおける組織再編により、当社グループにおける子会社・関連会社等の変更や当社グループの事業が変更される場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3 主要株主との関係に関するリスク
当社の主要株主である株式会社みずほ銀行とは、今後とも良好な関係の維持、取引の継続に努めていく所存ではありますが、同社の方針転換又は株主構成に変更があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループと、楽天グループ株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社みずほ銀行、ユーシーカード株式会社、株式会社オリエントコーポレーションは、2024年11月13日付で業務提携契約を締結しました。競争が激化する決済ビジネスにおいて、それぞれの強みを持ち寄ることで、より利便性の高い、新たなリテール事業ビジネスモデルが創造できると考えています。しかしながら、提携先の方針又は事業戦略の変化、提携解消等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4 競合に関するリスク
当社グループが営む各セグメントには、多くの企業が参入しており、また今後参入する可能性があり、激しい競合状況にあります。当社グループは楽天エコシステムの強みを最大限発揮するため、各サービス間のシナジー効果の最大化を図り、楽天グループ内での相互送客を行うことによって競争優位性を維持することに努めています。また、新サービス・商品の開発、既存サービスの改善、マーケティング精度の向上等を継続的に行うことで各業界での存在感を強めていますが、各種プロモーションに係る費用等が大幅に増加した場合、また競合他社が画期的なサービスを展開する等の場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5 法的規制等に関するリスク
当社グループは、サービスを提供するために必要な許認可につき、金融関連諸法規、監督官庁の指針、業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受けています。将来、何らかの事由により業務の停止、免許等の取消等があった場合、また、法令諸規則、監督官庁の政策、規制、監督指針等が新設され、又はこれらにつき当該サービスにとって影響のある変更等が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2021年8月には、FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書が公表されています。日本当局を含めた各国当局は、マネーローンダリング及びテロ資金供与防止に関連し、FATF等の要請に基づいた各種施策を強化しており、当社グループは、国内外で業務を行うに当たり、各種規制の適用を受けています。当社グループは、関係法令その他諸規則等を遵守すべく、楽天グループ全体の基本方針としてAML/CFTに関する関連規程を定め、同規程に基づいた運営及び管理を行っています。
さらに、昨今の国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等を背景に2022年5月11日に経済安全保障推進法が成立し、同法3章の対象事業者に指定された事業者は、重要設備の導入・維持管理等の委託をする際は、国の事前審査に対応する必要があります。
しかしながら、当社グループにおいて、関係法令その他諸規則等を遵守できなかった場合、法規制に対する検討が不十分であった場合には、行政処分や罰則を受けたり、業務に制限を付されたりするおそれがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6 マーケットに関するリスク
(1)金利変動リスク
当社グループは幅広い金融事業を営んでおり、それぞれにおいて資産負債管理(ALM)を実施し、資産や負債の金利期間等を適切に管理していますが、市場動向等により金利環境が大幅に変動した場合、ALMを適切に実行できない可能性があり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)有価証券等の価格変動リスク
当社グループは、有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しています。これらの有価証券等は金融商品市場の動向等により価格が変動し、大幅な価格変動は当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的な有価証券価格のモニタリングにより、リスクの低減を図っています。
(3)為替変動リスク
当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引について外貨建てで実行するものは、経済動向を注視しつつ、為替変動リスクを適切にヘッジすることを目指しています。また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成しています。一方で為替変動に伴うリスクを完全に回避することは難しく、外国為替市場における変動等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)信用リスク
当社グループでは、貸付債権等を保有しており、経済状況が悪化した場合及び債務者の信用状況が著しく悪化した場合、当該貸付債権等の信用力が低下し、元利金の支払いが不履行となる可能性があるとともに、当該貸付債権等への引当金計上に悪影響を及ぼす可能性があります。貸付債権に関しては、外部信用情報機関を利用した与信や定期的な与信枠を見直すことでリスク低減に努めています。しかしながら、これらのリスクを完全に回避することは困難であり、想定以上の経済状況の悪化等による信用コストの増大や債務不履行等が発生した場合には貸倒関連費用の増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、市場リスクをヘッジするために行う金利スワップ取引についても、カウンターパーティリスクがあり、デリバティブ取引上のカウンターパーティの義務について不履行が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)資金調達に関するリスク
当社グループは、運転資金の調達を金融機関からの借入金、金融市場からの直接調達等により賄っています。その中には変動金利による調達もあり、将来的な金利上昇は支払利息の増加を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、経済環境が悪化した場合、金融機関の与信方針が変更されて金融機関からの借入や債権流動化による調達が困難になることや、金融市場の悪化により金融市場からの直接調達が困難になること等が予想され、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
締結しているコミットメントライン契約等借入に係る契約には財務制限条項が規定されている場合があり、当社グループ及び各社の経営成績、財政状態又は信用力が悪化した場合、及び組織再編等が行われた場合には、これらの条項に基づき既存借入金の一括返済、金利及び手数料率の引上げ又は新たな担保権の設定を迫られる可能性があります。今後の資金調達については、金融市場が不安定な場合や、当社グループ及び親会社である楽天グループ株式会社の信用力の悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があるほか、資金調達コストの増加等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループでは資金調達先、手法の多様化、及び取引銀行とのコミュニケーションを強化することで、リスクの低減を図っていきます。
7 繰延税金資産に関するリスク
当社及び一部の連結子会社においては、IFRS会計基準に基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しています。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得と実行可能なタックスプランニングを考慮し、回収可能な繰延税金資産を計上していますが、事業の見通しに基づく将来の課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合や税制及び会計基準の変更が行われた場合に、繰延税金資産が減額されることがあり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8 のれんに関するリスク
当社グループは、連結財務諸表についてIFRS会計基準を適用しており、毎期減損テストを実施しています。のれんの対象会社における経営成績悪化等により、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9 リスク管理の有効性について
近年金融市場においては、市場の急激かつ大規模な変動や混乱が度々生じています。当社グループにおいては、リスク管理方針及び手続を整備し運用していますが、当社グループにおけるリスク管理方針及び手続の一部は、金融市場において将来発生する種々のリスクを必ずしも正確に予測することができず、有効に機能しない可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10 コンプライアンスに関するリスク
(1)法的規制等の適用の可能性について
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置付け、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っていますが、役員及び従業員による個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスク若しくは社会的に信用が毀損されるリスクを回避できない可能性があり、かかる場合にはユーザーの離反等が発生し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)訴訟等の可能性について
当社グループが提供している各種サービスの利用者に対し、システム障害等によって損害を与えた場合や、第三者の知的財産権を侵害した場合等においては、当社グループに対して訴訟を提起される可能性、又はその他の請求を受ける可能性があります。当社グループでは、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、適切かつ適法なサービスの提供に努めていますが、かかる場合には、賠償金の支払いや、サービス提供により見込まれた収益の喪失等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社グループが第三者によって何らかの権利を侵害された又は損害を被った際に、当社グループの権利が保護されない場合や、訴訟等により当社グループの権利保護のために多大な費用を要する場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
11 国際事業展開に関するリスク
国際事業展開の上では、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安、通信環境や商慣習の違い等の様々な潜在的リスク及び特定の国や地域固有のリスクが存在します。当社グループはこれらのリスクに対し、国際情勢の注視や現地監督官庁との定期的なコミュニケーションの実施を行い、カントリーリスクの最小化に努めています。しかしながら、現地規則や制度の理解が不十分であった場合や、想定し得なかった経済的・政治的・地政学的要因によってこれらのリスクに対処できない場合には、追加費用の発生等により、当社グループの国際事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは海外における事業活動を遂行するために、他の企業との提携を行っています。業務提携先とは良好な関係を維持すべく取り組んでいますが、何らかの理由で関係が悪化した場合、又はこれらの業務運営に支障が生じた場合、当社グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
12 人材に関するリスク
当社グループのサービスにおいては、金融及びインターネット等の分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大及び国際展開に応じて継続した人材の育成・確保を行うことが欠かせません。当社グループは社員の知識、技能、経験、モチベーションが事業目標の達成に多大なる影響を及ぼすことを認識しており、これらのリスクに備えた対応策を講じています。当社グループでは、業務、知識が属人化しないよう、業務マニュアル作成の徹底を行い、人事異動や社外流出の際の当該ビジネス、部署への影響を最小限に留めるよう努めています。また、社員の流出を避けるため、継続的に福利厚生の改善、公正な人事評価及び業績に応じた賞与の提供等、より働きやすい環境を作り上げ、社員満足度を高める努力を行っています。しかしながら、今後各サービス分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合や、在職する人材の社外流出が多数生じた場合には、当社グループの業容拡大や国際展開が困難となる等による収益力の低下や、採用コストの増加により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13 情報セキュリティ、システム及び通信ネットワークに関するリスク
当社グループは、顧客に関する情報を有しており、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っており、情報アクセス権限の適切な管理や研修等による社員の教育を行うことで、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等のリスクの排除に努めています。しかしながら、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性や、内外監督官庁からの処分等を受ける可能性があり、かかる場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのサービスの多くは、通信ネットワークを通じて提供されていますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエア若しくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウイルスやマルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障を生じる可能性があるほか、当社グループサービスの不正な利用、重要なデータの消去又は不正取得等が発生する可能性もあります。また、当社グループでは、高度で複雑なシステムを開発・運用しサービスを提供しており、何らかの要因によって、開発遅延や中止、設備の故障、不具合等が発生する可能性もあります。
これらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的・物理的にも各種対応策を講じていますが、十分に機能しなかった場合には、サービスの停止や機能低下が生じる等により、収益機会の喪失、当社グループのシステム自体への信頼性低下又は損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける可能性があります。
さらに、当社グループサービスの不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社グループの損害となります。かかる場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
14 事務・オペレーションリスク
当社グループは、業務の遂行において各種情報システムの活用や再鑑制度の実施等、業務の正確性、効率性を高めるための様々な取組みを実施しています。しかしながら、一部においては専用の情報システムが導入されておらず人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続のミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務手続のミスが安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、かかる場合にはブランドイメージの低下等により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、社内規範や事務手続の標準化及び文書化に取り組んでいますが、当社グループの急速な拡大に伴う事務量の増加、新サービスの導入等により、業務遂行に必要な知識の共有、継承が不十分になる可能性があり、その結果生じ得る事務手続のミスの増加や生産性の低下が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
15 災害紛争事故等に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループのサービス運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、これらの災害等が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)等の有事の際の対応策を策定していますが、災害等の規模が想定を超える場合にはサービスの運営が困難又は不可能となる可能性や、これら災害等の発生により人や物の移動に規制がかかる等により、社会全体の経済活動が停滞又は停止する場合には当社グループの提供するサービスに対する需要が減少する可能性や、セグメントによっては、状況に応じて業務の運営様態を変更せざるを得ないことにより情報セキュリティ及びプライバシー保護に一定レベルのリスクが増す可能性があり、かかる場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な拠点において大規模な自然災害等が発生した場合に備え、オペレーション拠点を分散させ、一定の地域における災害発生時でも、事業の継続が可能になるようリスク低減を図っていますが、想定以上の災害等発生時には、サービスの提供等が停止する可能性もあり、かかる場合には当社グループの信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<各セグメントに係るリスク>1 クレジットカード事業セグメントに係るリスク
クレジットカード事業セグメントは、主として楽天カード株式会社が業務運営をしています。
楽天カード株式会社においては、主に個人顧客を対象とした債権を有しており、経済動向により債務不履行や返済遅延のリスクが存在します。定期的な審査基準の見直しや、審査可決後の継続的なモニタリングに基づき適正な限度額の設定に努めていますが、想定以上の失業率の上昇による自己破産又は多重債務者の増加等が生じた場合には、貸倒関連費用の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、クレジットカード決済等における加盟店契約業務を提供しており、加盟店からの手数料を収入源としています。加盟店手数料率の低下、競合他社との競争激化等による加盟店流出が生じる可能性がありますが、当社は引き続き、業務改善を通じたコスト削減、及びお客様のニーズに合わせたサービス展開に取り組みます。しかしながら、その取組みが期待どおりの成果を発揮しなかった場合、加盟店数の減少や手数料ビジネスの利益率の悪化により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また経済環境の悪化に伴い、自己破産及び多重債務者の増加、消費の落ち込みによるサービス需要の低下並びに求償債権の増加による引受信用保証の収益性の悪化の可能性があります。これらのリスクに対して与信管理を適切に行っていますが、想定を超え経済環境が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらにクレジットカードの不正利用等については、クレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済手段の拡充に伴う取扱高の増加に伴い、年々増加しています。当社においてはカード情報を裏面に記載した新デザインカードの発行、SMSを活用した本人認証サービスの実施、及び24時間体制でのモニタリング等にて不正利用の防止体制を強化していますが、想定を超える不正利用が発生した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2 ペイメント事業セグメントに係るリスク
ペイメント事業セグメントは、楽天ペイメント株式会社が主にモバイル決済サービス等、楽天Edy株式会社がプリペイド型電子マネーサービス等を提供しています。また、楽天Edy株式会社は資金決済法に基づく前払式支払手段発行者及び資金移動業者の登録等を行っており、同法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。特に、前払式支払手段に対しては基準日未使用残高の2分の1の額以上の発行保証金を、資金移動業においては送金途中にあり滞留している資金の100%以上の履行保証金をそれぞれ保全することが義務付けられており、法令やガイドラインに定められた内容に沿って顧客資産の保全を実施しています。加えて、2025年3月19日には、楽天Edy株式会社が厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者として、「賃金のデジタル払い」の提供を開始しました。これにより、労働基準法に基づく賃金において、希望する労働者にはデジタル支払が行われることとなり、新たなサービス機会が創出される一方で、労働者の賃金を取り扱う指定事業者として高いレベルの法令遵守態勢やシステム管理態勢が求められています。しかしながら、何らかの理由で関連業法等に違反した場合には、金融庁・厚生労働省等の関係当局から指定の取消しや営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
キャッシュレス決済サービスに関連するシステムに障害や不正アクセス等が発生した場合には、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社ひいては当社グループのセキュリティに対する信頼性及びレピュテーションが低下し、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があります。また、日本国内における、キャッシュレス決済の認知、利用頻度の高まりにより、クレジットカード同様、社会インフラの一つとして認識されていることから、より一層高い信頼性が求められます。両社は、キャッシュレス決済関連システムの障害発生及び不正アクセスを防ぐため、システムの冗長構成(バックアップ体制の構築)、セキュリティの強化等に努めていますが、かかる取組みが期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。