有価証券報告書-第20期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 12:25
【資料】
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【項目】
129項目
文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる」ことを目指
し、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配を行うこと、著作物利用に対し迅速かつ柔軟に対応する
こと、最新のテクノロジーを活用した効率的な管理・運営によりコストを削減することなどを心掛けております。
(2)目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、取扱高(※)であります。取扱高は、著作権等管理事業やDD業務等の徴
収額を示し、市場シェアや会社の成長性を見るために有効な指標であることが当該指標を重視している理由であり、取扱高のさらなる拡大を経営目標としております。
※取扱高とは、著作権管理事業においては音楽著作権の利用者から徴収した金額(権利者へ分配する金額と当社の
管理手数料からなります)を示し、著作権管理事業以外の事業では、取引先に対して役務提供の対価として請求を
行った金額を示しております。
取扱高と売上高の関係に関して、著作権管理事業では取扱高から当社の管理手数料を差し引いた金額を権利者へ
分配しており、当社は管理手数料部分を売上高として計上しております。他方で、著作権管理事業以外の事業に
おいては、取引先への請求金額を取扱高として認識しており、原則として取扱高をもって売上高として計上して
おります。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在の音楽市場の事業環境は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額が前年比95%(2019年1月~12月)と減少し、また、有料音楽配信売上実績では、前年比110%(2019年1月~12月)と6年連続の増加となりました。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、経営理念である「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる」の下、次代を奏でる著作権エージェントとなることを目指して、以下のような経営方針を定めております。
① 新しい時代の著作権エージェントとして、音楽文化の発展に貢献する。
② 公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配を行う。
③ 著作物利用に対して迅速かつ柔軟に対応する。
④ グループ事業のシナジー効果による権利者・利用者へのサービスを追求する。
(著作権等管理事業を核として、デジタルコンテンツディストリビューション業務、キャスティング事業、音楽出版
業務、システム関連業務等の様々なサービスの提供に取り組む。)
⑤ 最新のテクノロジーを活用した効率的な管理・運営によりコスト削減する。
これらの経営方針に沿って、以下のとおり事業計画の基本方針を定めております。
① 取扱高のさらなる拡大のための施策を立案・実行する。
② 著作権管理事業を中心に事業連携、シナジー効果を徹底する。
③ 全ての事業において権利者・利用者のニーズに対応する。
④ 権利者の利益を追求し、時代を先読みした更なるサービスを確立する。
事業計画における各事業セグメントの基本戦略は以下のとおりです。
① 著作権等管理事業(著作権管理業務)
著作権利者等のニーズが多様化している中で、プロモーション目的での楽曲利用については、権利者の意向が
反映しやすい規定・運用を行うことを心掛けながら、著作権使用料をより多く分配する為の環境を整備していき
ます。
また、音楽出版社の業務代行等をはじめとする各種サービスの提供によって、著作物の効率的な管理サポートを
行いながら楽曲コンテンツの利用促進を目指します。
② 著作権等管理事業(デジタルコンテンツディストリビューション業務)
ストリーミング配信許諾の促進による原盤使用料売上の拡大を目指すとともに、業務範囲を拡大し、権利者・
利用者向けサービスの拡充によって当社独自のメリットを構築します。
③ キャスティング事業
既存大口取引先との連携を強化しつつ、中長期的な視点で収益に寄与する新規コンテンツの獲得、新規事業の
開拓に注力します。
さらに、中長期的な成長戦略は以下のとおりです。
当面は、著作権等管理事業が着実に成長曲線を描くように経営資源を投入し、中長期的には「演奏権」を含め、全支分権・利用形態への早期参入と海外徴収の実現を目指します。
また、当社の強みであり他の音楽著作権管理事業者に無いデジタルコンテンツディストリビューション事業、キャスティング事業、音楽出版事業、システム関連事業、更には現事業から発展してこれから生まれる各種事業を含めた音楽権利ビジネスに係るあらゆるサービスを提供する著作権エージェントとなることを目指して参ります。
利用促進のプロモーター
・楽曲の利用状況データは利用促進への重要なアセットとしても活用
・データを活用した配信プラットフォームへの原盤供給(DD)やキャスティングにより、楽曲の浸透速度を加速
・著作権の管理のみならず、利用促進まで手がけ「権利者に選ばれ、利用者から支持される」経営理念実現へ

具体的な展開例

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 著作権管理業務における業務効率化とサービス向上への取り組み
順調に推移している委託者数・作品数に対応するべく、業務効率化の向上を目指し、引き続き作業プロセスの見直し及びシステム開発を進めて参ります。RPAの導入により業務の自動化を推進し、システム開発においても、既存の概念や技術にとらわれない新たな発想で、開発・研究を進めて参ります。また、新たなデータベース構築にも着手し、外部システム・データとの連携に取り組むとともに、分配ロジックの見直し等を行うことにより、更なる分配精度や透明性の向上に努めて参ります。
・分配金管理システムの高い透明性

② ソリューション型営業による取引拡大
サブスクリプション型配信サービス(※)や動画配信サービスの拡大、SNSでの音楽利用等、音楽を取り巻く環境は大きく変貌しており、権利者ニーズにもより一層の細分化・多様化の傾向が見受けられます。当社が展開する著作権管理業務・デジタルコンテンツディストリビューション業務・キャスティング事業・音楽出版業務・システム事業を複合的に組み合わせることにより、権利者の潜在的なニーズを掘り起こし、作品・コンテンツの獲得に注力して参ります。また、作品、コンテンツの利用促進を図りながら、権利者へのマーケティングデータの提供や新規事業の開発にも引き続き注力し、当社サービスの付加価値向上に努めて参ります。
(※)サブスクリプション型音楽配信サービス…毎月一定額の利用料を音楽配信サービスの運営会社に支払い、イン
ターネット上のサーバーに登録されている楽曲を無制限に聴くことができるサービス。定額制音楽配信サービ
スともよばれる。

③ 海外地域徴収並びに海外事業者と連携した権利処理サービスの提案
コンテンツ・ビジネスのボーダレス化により、海外利用に対応した従来型の管理とは異なる管理体制が権利者
より求められています。また、ネット利用など未徴収となっている領域が大きく存在します。今後は日本の楽曲に
対する注目度の向上、ネットによるグローバル化の進展から、海外徴収領域はより重要になると考えられ、市場規
模は決して小さくなく、将来的には拡大していく可能性が十分にあると考えるとともに、権利者からの海外利用に
対しての徴収ニーズは強くなっています。そのため、当社としてはグローバルに展開する配信事業者を対象に世界
同一条件を前提とした直接許諾契約(マルチテリトリアル・ライセンシング)を検討(既に一部の利用者とはイン
タラクティブ配信において、当該契約を開始)し、海外地域利用分の直接徴収による早期かつ明解な分配に向けて
チャレンジするとともに、これら以外については、海外著作権団体との徴収代行契約の締結を目指して海外サポー
ト体制の強化を図って参ります。
④ 演奏権管理への進出
当社設立以来の重要課題である演奏権管理への進出を目的として、昨年4月にプロジェクトを発足し、実現に向けた検討を開始いたしました。演奏権は、権利者・利用者双方から当社による管理を期待されている支分権であり、現在の音楽著作権市場の約20%を構成し、今後更なる伸長が見込まれる分野でもあります。最新のテクノロジーを駆使し、権利者・利用者団体らのご理解ご協力を得ながら、可及的速やかに参入し、著作権エージェントとしてフルラインサービス体制を目指して参ります。
また、各種の利用実績確認など、これまで以上に巨大なシステムデータの解析・処理が必要となる業務領域については、AI(人工知能)等の最新技術を活用した品質向上施策の研究、並びに対応を図って参ります。
⑤ NexToneグループの各種業務並びにサービスを支えるシステム整備
ビジネス・プロセスのシステム化による「安定的な業務品質の担保」を至上命題としつつ、様々なデータ活用に
よる業務効率化やコスト低減、更には営業施策としてのシステム活用など多方面にわたりシステム観点からのアプ
ローチも継続して参ります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループは、内部管理体制の強化を経営上の重要課題の一つとして認識しており、グループ各社との連携の
もと、内部統制機能の一層の充実とガバナンス体制の確立に努め、リスク管理の徹底を図ることで、株主の皆様を
はじめ各ステークホルダーの皆様との良好な信頼関係を保ちながら、社会的責任を果たして参ります。

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