有価証券報告書-第35期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/31 15:01
【資料】
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【項目】
145項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「-BEING-存在しつづける」を企業理念に掲げ、「会社をつくる。人間をつくる。社会をつくる。」という経営目的のもと、時代や文明とともに進化するロジスティクス事業を探求し、時代にあわせた社会インフラの提供を通じて、企業、さらには社会システムのイノベーションを起こすような『リアルロジスティクス』の体現を目指してまいります。
マーケティングコンセプトとしては、「ロジスティクスのプロフェッショナルたれ」「必要を発見し、本質を発見する」「価値あるものしか、価格はつけない」の3つを掲げております。ロジスティクス事業を通し、社会インフラを支え、経済のライフラインを担うプロとして、お客様の真の問題を発見し、お客様にとって価値のあるサービスだけを提供できるよう、最善を尽くします。また、マネジメントコンセプトとして、「雇用は最大の社会貢献」を掲げ、雇用をすることが社会貢献の始まりと捉え、誰もが働ける企業グループとして雇用を守り抜くことを命題とし、人が仕事する場所を安易に奪うことのないように、最大限の努力を惜しまないことを約束しております。
(2)経営環境
当社グループの属する物流業界は、世界経済の低迷から国外への輸送量が減少している中、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内経済においても先行き不透明な状況にあることから、さらなる輸送量の減少が懸念されています。また、物流業界においては、極めて多層的なピラミッド型の業界構造が形成されているのが特徴で、単純な輸送サービスのみでの生き残りは厳しい状況にあり、今後は事業者の淘汰が進む可能性が高いとみられております。
一方、近年ではこのような物流業界の現状を背景にして大きな変革の動きも見られています。まず、物流の需要者側の変化として、ネット通販市場の拡大や単身世帯の増加等による消費者の購買スタイルの変化に伴い、小口・多頻度の輸送ニーズが高まっております。また、物流の供給者側の変化として、小売業等の荷主企業は、店舗網の拡大や店舗運営の効率性向上のため、商品保管機能や輸配送機能の高度化を進めており、物流事業者においても大量の配送物を短期間で処理するための物流施設や保管・流通加工機能を備えた物流施設等の新設が増加しております。
このように、物流に関するニーズの多様化・高度化やインフラの整備が進む中で、当社グループの主軸事業である3PL事業の重要性は年々高まっており、その市場規模は3兆円を超える水準まで拡大しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは中長期的な安定した成長を遂げるため、「卸売業者の持つ物流センターの下請業者」から「卸売・小売業者向けの3PL事業者」への移行を進め、1:1の部分最適な物流ではなく、1:Nの全体最適な消費者向けの物流サービスの提供を展開してまいります。
また、当社グループの強みである拠点間物流を合理化するサプライチェーンの全体デザイン力をさらに拡充する技術・システム開発を推進し、モノを運ぶだけでなく、モノに関する様々なデータを収集・管理・分析し、サプライチェーンに携わる事業者同士を繫げ、クラウド上で管理する『データネットワークセンター』を構築し、当社グループの用意したDX(注1)プラットフォームを同業他社へと提供する、『小売ビジネスの物流プラットフォーマー』を目指します。
その中で、技術面とビジネスモデル面の研究開発を重要課題と捉え、AIやIoTを使った省力化設備や高生産性・高品質の業務フロー等の技術面及びDtoC(注2)、オムニチャネルに対応する物流ビジネスの研究開発に取り組んでまいります。
(注1)「DX」(Digital transformation)とは、デジタルトランスフォーメーションの略であり、「デジタル技術が進化し、人々の生活をより豊かにする」ことを指します。
(注2)「DtoC」(Direct to Consumer)とは、製造者が直接消費者と取引を行うビジネスを指します。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、上記のような経営戦略に基づき、小売・卸売事業者向けの3PL事業に注力し、顧客数拡大と事業エリア拡大を進め、データネットワークセンター実現に向けた技術面・ビジネスモデル面の変革に取り組んでまいります。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては次の3点を掲げております。
① 顧客数・・・顧客数の増加による事業の拡大を進めてまいります。
② 拠点数・・・拠点数の増加による事業の拡大を進めてまいります。
③ 輸送力・・・協力会社を含むグループ全体の取扱車両数の拡大を進めてまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、国内外における政治・経済情勢の変動等の懸念が払拭されておらず、今後も先行きの不透明感から積極的な投資が抑えられ、景気の膠着状態が続くものと思われます。また、少子高齢化による労働人口の減少、長時間労働や働き方等の労働問題、自動運転、AI、IT化・グローバル化による商流の変化や異業種からの物流参入など、時代の流れを捉えて早々に対応すべき大きな課題であると考えております。
このような状況のもと、当社グループは、将来的な物流事業者の在り方を見据えた経営資源の選択と集中による効率化・合理化を図ってまいります。今後、当社グループが対処すべき課題として、成長率の確保、収益率の向上、品質管理の徹底、人財の育成、持続可能な社会の実現を掲げており、その取組みについては次のとおりであります。
① 成長率の確保
3PL業界は成長市場であり、その中で当社の価値を市場に示していくために計画的な取組みを社内に定着させる仕組みが必要であり、CRM(顧客関係管理)により顧客満足度、営業収益、利益、生産性を高め、顧客の要望、商談内容、クレームを組織的に管理し、迅速な対応や管理体制をグループ全体の知恵を結集して確立し、物流品質を向上させる中で成長性の確保を図ってまいります。
② 収益率の向上
2020年度は自社雇用の切り替え促進及び配送コースの見直しにより、原価の改善を図っております。日常的に現場で行われる「カイゼン」のサポート及びプロジェクトにより在るべき姿を追求する「カイゼン」を両立させ、継続的な収益率の向上を図ります。
③ 品質管理の徹底
AI、IoT、自動運転等、物流業界を取り巻く環境は、ドラスティックな変換期を迎えております。当社グループは、全国区の物流事業者へと成長を遂げるために、時代を見据えた明確な成長戦略と先行投資が必要になると考えております。そのために、新しい技術の積極的な導入及びロジスティクスの新しい価値を創造してまいります。当社グループは、小ロット多頻度の物流による問題を解決していくためには、在庫管理を全体最適化することが不可欠であると考えております。当社グループは、小売、卸売、メーカーの中間物流拠点として北陸、関東、関西、東海、東北各地で3PL事業を展開しております。在庫管理を全体最適化するために、各エリアで消費される物資のデータを蓄積し、分析に基づいた消費データによる「在庫モデル」をもとに、正確に予測された地域在庫を管理することにより、小ロットの輸送コストの削減及び分散された労働力の集約を図ることが可能と考えており、実現化に向けてしくみを構築してまいります。また、2020年度からTQM(Total Quality Management=総合的品質管理)に取り組んでおります。
④ 人財の育成
将来の人材確保のために、多様化する従業員のやりがいに応える取組みや制度を導入するとともに、当社グループの強みである現場力や物流品質の向上、及び生産性の向上にプラスに働くしくみを構築してまいります。具体的には、福利厚生、評価制度、賃金体系の整備及びIT化、生産性管理システムによる労働の管理を図ってまいります。また、人財開発部門を新設して階層教育などのプログラムにより将来を担う人財開発計画とそれを実行していくための体制を確立してまいります。
⑤ 持続可能な社会の実現
当社グループでは、SDGs(持続可能な開発目標)に積極的に取り組んでおります。その中でも環境問題への取組みとしてトラックのCO2排出問題及びトラックドライバーの待機時間問題の解消を目的として、入荷・出荷トラックのバース(注1)予約システムの自社開発及び導入を推進しております。
(注1)バースとは、物流センター等で荷物の積み降ろしのためにトラックを停車する場所のことを言います。
⑥ 財務体質の強化
当社グループは、事業拠点の新設や車両の入替のために継続的な設備投資を行っております。設備投資に係る必要資金については、主に金融機関からの借入金を充当しているため、事業規模の拡大に伴い、有利子負債が増加する傾向にあります。健全な企業経営を実現するためには、財務的基盤を安定させることが重要であると考えており、今後は営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、多様な資金調達手法を活用し、有利子負債の削減に取り組んでまいります。

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