有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスクについて
① HR関連市場について
当社グループは、企業における人材マネジメント課題の解決に向け、人材評価サービス(GROW360+)、スキルマップ作成、人的資本研究会の運営、組織コンサルティング(人的資本IR・人的資本デューデリジェンスを含む)を一体的に提供し、採用・配置・育成・組織開発から経営の上流領域までを支援するソリューションを展開しております(事業セグメント:HR事業)。
近年、国による人的資本開示の義務化や「人的資本可視化指針」の整備等により、企業に求められる開示責任は一段と高まっており、当社グループはこうした政策的動向に即した上流サービスの提供を進めております。さらに、グローバルサプライチェーンの再構築、海外子会社との連携、M&A後の組織統合といった経営意思決定の局面においては、組織内外の知見を集約する「集合知の経営活用」へのニーズが顕在化しつつあります。
当社グループは、コンピテンシー及びスキルの測定にとどまらず、ブロックチェーン基盤の予測市場プラットフォーム「Signals」(主要顧客は企業)を通じて、社内・サプライチェーン・エコシステム内の集合知を経営資源として可視化・活用するサービスを提供することで、企業向け人的資本マネジメント市場の上流支援を強化してまいります。
こうした事業環境は当社グループの成長機会である一方、人的資本開示や集合知活用に関する顧客企業のニーズの顕在化スピードに当社グループの開発・販売体制が追随できない場合、社会的要請や制度の変化への対応を欠いた場合、又は予測市場をはじめとする新サービスの社会的受容が想定より進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 教育関連市場について
当社グループは、子ども・学習者を対象とした非認知能力評価及び教育支援サービスを展開しております。具体的には、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想を背景とした教育のオンライン化やICT活用の推進、並びに非認知能力評価への社会的関心の高まりを背景として、児童・生徒向けの「Ai GROW」及び「探究アセスメント」(事業セグメント:教育事業)を、自治体(教育委員会)・教育機関・学習教材/ICT事業者との連携を通じて全国展開しております。加えて、就学前段階の子どもを対象としたアセスメントサービス「FirstGROW」(保育事業者・法人顧客を経由して提供)の提供を開始するなど、提供対象の拡大にも取り組んでおります。
しかしながら、国の教育政策や補助金等の予算措置の変動、自治体・パートナー連携の進捗の遅延、保育事業者・法人顧客の導入意思決定の鈍化、あるいは教育現場・保育現場における環境やニーズの急激な変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当該市場における当社サービスの成長が阻害され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、長期的には、少子化の影響により利用対象者が減少する可能性があるものの、当社サービスの市場規模は今後拡大することが見込まれます。今後、少子化が当社の想定を超えて急速に進展した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ グローバル新規事業について
当社グループは、グローバル人材の流動化と人的資本の国境を越えた活用の進展を背景として、グローバル新規事業を展開しております。具体的には、スキルや学習履歴を改ざん不能な形で記録するSBT(Soulbound Token)関連サービス等を展開しており、当社グループの中長期的な成長ドライバーとして位置付けております。
なお、Signalsについても、国内のみならず海外への展開も今後計画しております。
Signalsは国内法規制に準拠した設計であり、賭博等に関連する法令には該当しない企業グループ内利用のプラットフォームですが、法規制は各国において依然として整備途上であり、規制の変更や新設、又は地政学的環境の変化が当社のサービス提供に影響を及ぼす可能性があります。また、当該事業の特性上、ブロックチェーン技術、海外拠点設立支援に関する高度な知見を有する人材の確保が重要な課題となっており、競争環境の中で適切な人材を確保・維持できない場合、事業の継続的な成長が損なわれるリスクがあります。これらの対応が不十分であった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合等について
基幹サービスである「GROW」は、AIを活用した特許技術を数多く利用した当社独自の人材評価システムで、子どもから大人まで同じ枠組みで非認知能力の測定が可能です。
他方で、人的資本開示の義務化を契機として、人材アセスメント及び人的資本データ活用に対する社会的関心が一段と高まったことを背景に、コンサルティングファーム、人事系SaaS事業者、海外グローバルHRベンダー、並びに生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用したHRテクノロジー・評価ツールを提供するスタートアップ
等、多様なプレイヤーの参入が進んでおり、競争環境はこれまでの「市場創出フェーズ」から「市場形成・競争
激化フェーズ」へと移行したと認識しております。
また、予測市場プラットフォーム「Signals」の領域につきましても、現時点で国内に直接の競合は見られないものの、海外には企業内利用ではないものの同様のテクノロジーを活用したサービスが既に存在しており、今後、海外プレイヤーが領域を変えての国内市場への参入や、海外市場における競合の顕在化の可能性があります。
また、非認知能力の可視化や予測市場の運用にあたっては個人データを取り扱う側面があるため、個人情報保護に対する社会的要請の高まりにも対応が求められます。これらのリスクに対しては、技術的優位性の維持、特許等の知的財産による保護、個人情報保護体制の強化、顧客ニーズに基づく上流サービス(人的資本IR・DD、組織コンサルティング等)への進化等を通じて対応を図ってまいりますが、これらに適切に対応できない場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 業績の季節偏重について
HR事業におきましては、顧客企業の事業年度末に1年の報告や完了が求められる案件が多いことや、予算執行のタイミング、採用スケジュールの都合により、売上計上時期が3月に偏重する傾向があります。同様に、教育事業におきましても、主に、自治体から受注したプロジェクトにつきましては、事業年度末に報告や完了が求められるため、売上計上時期もしくは検収時期が3月に偏重しております。
このため、検収時期の変動等により売上計上時期が翌期となった場合、もしくは3月度の売上が計画どおりに進捗しなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 技術革新について
当社はAIを活用した人材評価サービスを展開しておりますが、AI分野においては、生成AIを含む技術革新やサービス開発が急速に進展しており、市場環境や顧客ニーズも大きく変化しております。当社はそうした技術革新や市場環境の変化に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後、技術革新のスピード、新たなビジネスモデルや競合サービスの出現、関連法規制や社会的要請の変化に当社が適時適切に対応できない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について
当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。
今後、当社の想定を超える設備・システム投資が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があります。また、設備・システム投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない場合には、固定資産に関して減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ システム障害について
当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や停電、事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。
当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 感染症の影響について
当社グループは、企業及び教育機関向けにサービスを提供しておりますが、感染症の流行その他の事由により社会経済活動が停滞した場合には、顧客企業等の投資・採用活動の縮小、営業活動の制限等が生じる可能性があります。また、事業環境や顧客ニーズの変化に適切に対応できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業運営・組織体制に関するリスク
① 特定人物への依存について
当社創業者である代表取締役会長 福原正大は当社の経営において重要な役割を果たしておりますが、2024年6月より、長年取締役を務めてきた中里忍が代表取締役社長に就任、現行の経営体制へと移行してから2年が経過しております。中里社長を中心とした事業推進及び迅速な意思決定が定着したことにより、持続的な成長を目指した経営体制の構築は一歩進んだものと考えております。当社グループとしては、引き続き代表取締役会長及び代表取締役社長に過度に依存しない組織体制への移行を進めるとともに、次世代の人材育成及び経営基盤のさらなる強化に努めておりますが、両名が何らかの理由で業務執行できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、代表取締役会長の福原正大は慶應義塾大学にて教授を兼務しておりますが、実際の業務関与時間等の状況から見て、当社グループの事業運営に支障はないと考えております。
② 個人情報保護について
当社は、人材評価システムを利用したサービスを提供しているため、顧客である企業の社員及び採用候補者及び顧客である学校・教育機関の生徒・学生に関する個人情報を扱っております。当社では、個人情報の保護に関する法令に従い厳格な管理を行うとともに、情報セキュリティについて適切な保護体制を構築するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)及びプライバシーマークの認証を取得・維持しております。当連結会計年度においては、プライバシーマークの3回目の更新(登録番号:第21004769(03)号)を完了したほか、今後の事業展開を見据え、GDPR(欧州一般データ保護規則)をはじめとする国際的なデータ保護基準を意識したプライバシーポリシーの改定等、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、予期せぬサイバー攻撃やヒューマンエラー等により個人情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合、取引先からの契約解除や損害賠償請求、当社グループや提供サービスに対する社会的信頼の低下等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について
当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めており、当連結会計年度においては、国内にて「人材採用装置及び人材採用システム」に関する特許が新たに登録されたほか、海外(ベトナム)においても特許の査定通知を受領するなど、知財基盤の強化を進めております 。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております 。 しかしながら、今後当社が属する事業分野において、予期せぬ理由により第三者の権利侵害が成立した場合は、損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性や、ライセンス料等の対価の支払いが発生する可能性があり、また、当社の知的財産が第三者に侵害された場合も含め、これらが適切に解決できない場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の確保・育成について
当社が今後さらなる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内研修や各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成及び人材の流出に対応した各種施策を推進しております。なお、現時点では業績や経営環境を踏まえ、採用活動は選択的かつ慎重に進めておりますが、優秀な人材との出会いには柔軟に対応する方針です。加えて、社内における人材育成の強化にも注力しており、スキルマップに基づくジョブレベルの向上を通じて中核人材の育成を進めております。また、当社は社員の働きがいや組織への帰属意識の向上を重視しており、エンゲージメント向上に資する施策の導入や、社員の意見を可能な範囲で把握し一定の配慮を行う取り組みを推進しております。しかしながら、これらの施策が十分に機能せず、社員のモチベーションや組織への定着が低下した場合には、人材の流出や生産性の低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
さらに、高度な技術を持つエンジニアやデータサイエンティスト等の人材の確保競争は激化しており、新規採用や社内育成が計画通りに進まない場合には、適正な人員配置が困難となり、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因となる可能性があります。これらの状況は当社グループの事業及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。
⑤ 小規模組織であることについて
当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合やこれらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は877,981株であり、発行済株式総数4,773,400株の18.4%に相当します。
⑦ 配当政策について
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していくことを基本方針としております。しかしながら、当面の間は内部留保の充実を図り、内部留保資金につきましては、優秀な人材の確保や新技術の導入及び独自製品開発に向けた投資に充当し、企業価値の向上に努める方針であります。そのため、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
⑧ 訴訟等について
当社グループは、現時点において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスクについて
① HR関連市場について
当社グループは、企業における人材マネジメント課題の解決に向け、人材評価サービス(GROW360+)、スキルマップ作成、人的資本研究会の運営、組織コンサルティング(人的資本IR・人的資本デューデリジェンスを含む)を一体的に提供し、採用・配置・育成・組織開発から経営の上流領域までを支援するソリューションを展開しております(事業セグメント:HR事業)。
近年、国による人的資本開示の義務化や「人的資本可視化指針」の整備等により、企業に求められる開示責任は一段と高まっており、当社グループはこうした政策的動向に即した上流サービスの提供を進めております。さらに、グローバルサプライチェーンの再構築、海外子会社との連携、M&A後の組織統合といった経営意思決定の局面においては、組織内外の知見を集約する「集合知の経営活用」へのニーズが顕在化しつつあります。
当社グループは、コンピテンシー及びスキルの測定にとどまらず、ブロックチェーン基盤の予測市場プラットフォーム「Signals」(主要顧客は企業)を通じて、社内・サプライチェーン・エコシステム内の集合知を経営資源として可視化・活用するサービスを提供することで、企業向け人的資本マネジメント市場の上流支援を強化してまいります。
こうした事業環境は当社グループの成長機会である一方、人的資本開示や集合知活用に関する顧客企業のニーズの顕在化スピードに当社グループの開発・販売体制が追随できない場合、社会的要請や制度の変化への対応を欠いた場合、又は予測市場をはじめとする新サービスの社会的受容が想定より進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 教育関連市場について
当社グループは、子ども・学習者を対象とした非認知能力評価及び教育支援サービスを展開しております。具体的には、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想を背景とした教育のオンライン化やICT活用の推進、並びに非認知能力評価への社会的関心の高まりを背景として、児童・生徒向けの「Ai GROW」及び「探究アセスメント」(事業セグメント:教育事業)を、自治体(教育委員会)・教育機関・学習教材/ICT事業者との連携を通じて全国展開しております。加えて、就学前段階の子どもを対象としたアセスメントサービス「FirstGROW」(保育事業者・法人顧客を経由して提供)の提供を開始するなど、提供対象の拡大にも取り組んでおります。
しかしながら、国の教育政策や補助金等の予算措置の変動、自治体・パートナー連携の進捗の遅延、保育事業者・法人顧客の導入意思決定の鈍化、あるいは教育現場・保育現場における環境やニーズの急激な変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当該市場における当社サービスの成長が阻害され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、長期的には、少子化の影響により利用対象者が減少する可能性があるものの、当社サービスの市場規模は今後拡大することが見込まれます。今後、少子化が当社の想定を超えて急速に進展した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ グローバル新規事業について
当社グループは、グローバル人材の流動化と人的資本の国境を越えた活用の進展を背景として、グローバル新規事業を展開しております。具体的には、スキルや学習履歴を改ざん不能な形で記録するSBT(Soulbound Token)関連サービス等を展開しており、当社グループの中長期的な成長ドライバーとして位置付けております。
なお、Signalsについても、国内のみならず海外への展開も今後計画しております。
Signalsは国内法規制に準拠した設計であり、賭博等に関連する法令には該当しない企業グループ内利用のプラットフォームですが、法規制は各国において依然として整備途上であり、規制の変更や新設、又は地政学的環境の変化が当社のサービス提供に影響を及ぼす可能性があります。また、当該事業の特性上、ブロックチェーン技術、海外拠点設立支援に関する高度な知見を有する人材の確保が重要な課題となっており、競争環境の中で適切な人材を確保・維持できない場合、事業の継続的な成長が損なわれるリスクがあります。これらの対応が不十分であった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合等について
基幹サービスである「GROW」は、AIを活用した特許技術を数多く利用した当社独自の人材評価システムで、子どもから大人まで同じ枠組みで非認知能力の測定が可能です。
他方で、人的資本開示の義務化を契機として、人材アセスメント及び人的資本データ活用に対する社会的関心が一段と高まったことを背景に、コンサルティングファーム、人事系SaaS事業者、海外グローバルHRベンダー、並びに生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用したHRテクノロジー・評価ツールを提供するスタートアップ
等、多様なプレイヤーの参入が進んでおり、競争環境はこれまでの「市場創出フェーズ」から「市場形成・競争
激化フェーズ」へと移行したと認識しております。
また、予測市場プラットフォーム「Signals」の領域につきましても、現時点で国内に直接の競合は見られないものの、海外には企業内利用ではないものの同様のテクノロジーを活用したサービスが既に存在しており、今後、海外プレイヤーが領域を変えての国内市場への参入や、海外市場における競合の顕在化の可能性があります。
また、非認知能力の可視化や予測市場の運用にあたっては個人データを取り扱う側面があるため、個人情報保護に対する社会的要請の高まりにも対応が求められます。これらのリスクに対しては、技術的優位性の維持、特許等の知的財産による保護、個人情報保護体制の強化、顧客ニーズに基づく上流サービス(人的資本IR・DD、組織コンサルティング等)への進化等を通じて対応を図ってまいりますが、これらに適切に対応できない場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 業績の季節偏重について
HR事業におきましては、顧客企業の事業年度末に1年の報告や完了が求められる案件が多いことや、予算執行のタイミング、採用スケジュールの都合により、売上計上時期が3月に偏重する傾向があります。同様に、教育事業におきましても、主に、自治体から受注したプロジェクトにつきましては、事業年度末に報告や完了が求められるため、売上計上時期もしくは検収時期が3月に偏重しております。
このため、検収時期の変動等により売上計上時期が翌期となった場合、もしくは3月度の売上が計画どおりに進捗しなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 技術革新について
当社はAIを活用した人材評価サービスを展開しておりますが、AI分野においては、生成AIを含む技術革新やサービス開発が急速に進展しており、市場環境や顧客ニーズも大きく変化しております。当社はそうした技術革新や市場環境の変化に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後、技術革新のスピード、新たなビジネスモデルや競合サービスの出現、関連法規制や社会的要請の変化に当社が適時適切に対応できない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について
当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。
今後、当社の想定を超える設備・システム投資が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があります。また、設備・システム投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない場合には、固定資産に関して減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ システム障害について
当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や停電、事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。
当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 感染症の影響について
当社グループは、企業及び教育機関向けにサービスを提供しておりますが、感染症の流行その他の事由により社会経済活動が停滞した場合には、顧客企業等の投資・採用活動の縮小、営業活動の制限等が生じる可能性があります。また、事業環境や顧客ニーズの変化に適切に対応できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業運営・組織体制に関するリスク
① 特定人物への依存について
当社創業者である代表取締役会長 福原正大は当社の経営において重要な役割を果たしておりますが、2024年6月より、長年取締役を務めてきた中里忍が代表取締役社長に就任、現行の経営体制へと移行してから2年が経過しております。中里社長を中心とした事業推進及び迅速な意思決定が定着したことにより、持続的な成長を目指した経営体制の構築は一歩進んだものと考えております。当社グループとしては、引き続き代表取締役会長及び代表取締役社長に過度に依存しない組織体制への移行を進めるとともに、次世代の人材育成及び経営基盤のさらなる強化に努めておりますが、両名が何らかの理由で業務執行できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、代表取締役会長の福原正大は慶應義塾大学にて教授を兼務しておりますが、実際の業務関与時間等の状況から見て、当社グループの事業運営に支障はないと考えております。
② 個人情報保護について
当社は、人材評価システムを利用したサービスを提供しているため、顧客である企業の社員及び採用候補者及び顧客である学校・教育機関の生徒・学生に関する個人情報を扱っております。当社では、個人情報の保護に関する法令に従い厳格な管理を行うとともに、情報セキュリティについて適切な保護体制を構築するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)及びプライバシーマークの認証を取得・維持しております。当連結会計年度においては、プライバシーマークの3回目の更新(登録番号:第21004769(03)号)を完了したほか、今後の事業展開を見据え、GDPR(欧州一般データ保護規則)をはじめとする国際的なデータ保護基準を意識したプライバシーポリシーの改定等、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、予期せぬサイバー攻撃やヒューマンエラー等により個人情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合、取引先からの契約解除や損害賠償請求、当社グループや提供サービスに対する社会的信頼の低下等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について
当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めており、当連結会計年度においては、国内にて「人材採用装置及び人材採用システム」に関する特許が新たに登録されたほか、海外(ベトナム)においても特許の査定通知を受領するなど、知財基盤の強化を進めております 。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております 。 しかしながら、今後当社が属する事業分野において、予期せぬ理由により第三者の権利侵害が成立した場合は、損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性や、ライセンス料等の対価の支払いが発生する可能性があり、また、当社の知的財産が第三者に侵害された場合も含め、これらが適切に解決できない場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の確保・育成について
当社が今後さらなる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内研修や各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成及び人材の流出に対応した各種施策を推進しております。なお、現時点では業績や経営環境を踏まえ、採用活動は選択的かつ慎重に進めておりますが、優秀な人材との出会いには柔軟に対応する方針です。加えて、社内における人材育成の強化にも注力しており、スキルマップに基づくジョブレベルの向上を通じて中核人材の育成を進めております。また、当社は社員の働きがいや組織への帰属意識の向上を重視しており、エンゲージメント向上に資する施策の導入や、社員の意見を可能な範囲で把握し一定の配慮を行う取り組みを推進しております。しかしながら、これらの施策が十分に機能せず、社員のモチベーションや組織への定着が低下した場合には、人材の流出や生産性の低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
さらに、高度な技術を持つエンジニアやデータサイエンティスト等の人材の確保競争は激化しており、新規採用や社内育成が計画通りに進まない場合には、適正な人員配置が困難となり、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因となる可能性があります。これらの状況は当社グループの事業及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。
⑤ 小規模組織であることについて
当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合やこれらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は877,981株であり、発行済株式総数4,773,400株の18.4%に相当します。
⑦ 配当政策について
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していくことを基本方針としております。しかしながら、当面の間は内部留保の充実を図り、内部留保資金につきましては、優秀な人材の確保や新技術の導入及び独自製品開発に向けた投資に充当し、企業価値の向上に努める方針であります。そのため、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
⑧ 訴訟等について
当社グループは、現時点において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。