有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/06/24 15:00
【資料】
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【項目】
160項目

事業内容

(1) 事業の概況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、新聞社や出版社をはじめとするメディア業界向け情報システム開発・運用・保守事業(メディア事業)、製造業・金融業等の各種事業者向けの情報システム開発・運用・保守事業(プロフェッショナルサービス事業)及び自社開発の情報システム・ソフトウエア・クラウドサービスを提供する事業(プロダクト推進事業)、並びに中国の消費者向けに日本製品を販売し、そのためのクラウドサービスを提供する事業(越境EC事業)を展開しております。
本書提出日現在、当社グループは当社及び当社が受託したシステム開発案件等のオフショア開発を担う連結子会社1社(方正株式(武漢)科技開発有限公司)、並びに越境EC事業を行う連結子会社1社(24ABC㈱)の計3社で構成されております。なお、連結子会社の方株泰克(武漢)信息技術有限公司は、2022年6月9日付けで方正株式(武漢)科技開発有限公司に吸収合併されました。
各々の事業の内容や特徴は以下のとおりであります。当社グループは、本書提出日現在において、以下の2つのセグメントで事業を展開しております。なお、当社グループは第26期連結会計年度においては「情報システム事業」を単一の報告セグメントとしておりましたが、越境EC事業の量的重要性が増加したことから、第27期連結会計年度より報告セグメントを「情報システム事業」及び「越境EC事業」に変更しております。以下では変更後の報告セグメントの区分に従って記載しておりますが、以下におけるセグメントの区分は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分とは異なっております。
(2) 事業の特徴
① 情報システム事業
当社グループの情報システム事業では、システムインテグレーションを主体として、受託システム開発、自社で開発・制作したソフトウエア・クラウドサービス等を販売するプロダクト販売等を行っており、システム開発分野においては元請け型で、コンサルティングからシステムの設計・構築・プログラム開発、及び運用・保守のアフターフォローまで情報システム構築に係る全行程を自社グループ内で提供するワンストップソリューションの実現を目指しております。
情報システム事業では、製品・サービス及び顧客業界別に主に以下の事業に取り組んでおります。また、開発工程は以下のとおりであり、原則として当社、及び詳細設計・製造・単体試験の工程について中国・武漢に設置した開発子会社である方正株式(武漢)科技開発有限公司及び外注にて行っております。
[開発工程]
要件定義→基本設計→詳細設計→製造→単体試験→結合試験→運用試験
1)メディア事業
メディア事業は、主に新聞社や出版社といった紙媒体のメディア事業者に対して、紙面構成を決める組版システムをはじめ、紙面管理システム、制作システム、広告管理システム、営業管理システム等の受託開発並びに保守を行っております。これらのシステムは、新聞社向けシステムの場合、新聞の発行計画から紙面レイアウト作成、刷り出しに至るまでの新聞制作の基盤となるシステムであり、かつ新聞が発行時間帯や配布地域により複数の紙面(版)を短時間で顧客ニーズに合わせて仕上げる必要があり、顧客ごとの独自性が強く、また迅速な報道を行う点から高い安定性が求められるシステムであります。当社グループでは、総合紙、スポーツ紙、専門紙など、特定の分野によらない顧客層を有し、コンテンツの収集・管理・組版・画像処理・配信に至るまでの新聞社の製作ワークフローに関するトータルソリューション、及び広告業務の管理、記事や写真等のデータベース化、その他付帯するハードウエア・ミドルウエア等を提供しております。
当社では、自社及び中国・武漢の開発子会社にて、数億円から十数億円規模の、新システムとして新たに要件定義からシステム運用までを一貫して行うシステム開発案件を手掛けております。
2)プロフェッショナルサービス事業
プロフェッショナルサービス事業では、金融業、製造業、小売業等のメディア業界以外の業界向けのシステム開発並びに保守を手掛けております。また、従来のシステムで使われている機能を新しいシステム基盤に移植するマイグレーションによる現行システムの延命だけでなく、システムの課題やユーザーからの機能追加等の要望に応じて、既存のIT資産を有効活用しながらシステムを再構築するほか、クラウド(注1)、ビッグデータ(注2)、AI(注3)を活用した業務システムの構築等にも対応しております。
当社では、自社及び中国・武漢の開発子会社にて、数億円から十数億円規模の、新システムとして新たに要件定義からシステム運用までを一貫して行うシステム開発案件を手掛けております。
3)プロダクト推進事業
プロダクト推進事業では、自社開発のシステムやソフトウエア及びクラウドサービス並びに保守を提供しております。具体的な開発実績として、顔認証システムやクラウド型CRMシステム(注4)のほか、テレビ会議システム、中国語フォント等を取り扱っております。
(注) 1.クラウドとはクラウドコンピューティングの略であり、自社でサーバーやソフトウエアを購入してシステムを構築し、利用するのではなく、インターネットなどのネットワーク上でサービスとして提供されているハードウエアやソフトウエアを用いたコンピューターの利用形態を指します。
2.ビッグデータとはさまざまな種類・形式のデータによって構成された巨大なデータ群のことですが、これを活用することにより、様々なビジネスやシステムが生み出されるものとして期待されています。
3.AIとはArtificial Intelligenceの略であり、人工知能のことであります。
4.CRMシステムとはCustomer Relationship Managementシステムの略であり、一般的には顧客管理システムの機能を拡張したシステムのことを指します。
② 越境EC事業
当社グループの国内子会社である24ABC㈱が「越境ECプラットフォーム24ABC」を運営し、中国の消費者向けに日本の製品を販売する越境ECショップが開設できるECプラットフォームを提供、及び中国の個人輸入代行業者向け越境ECサービスとして化粧品、日用雑貨等の日本の消費財の販売を行っております。
主な顧客は中国に製品を販売したい日本の事業者ですが、当社グループ自らも製品を仕入れて中国の個人輸入代行業者向けに販売しております。中国国内での販売ルートとしては、中国国内で実績がある多数のEC事業者を経由しております。
上記に基づく、当社グループの事業系統図は、次のとおりです。