有価証券届出書(新規公開時)

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2026/08/18 15:30
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139項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社は「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの「こまった!」をなくす。その積み重ねで世界をよりよくする。」をパーパス(存在意義)と定義しております。
上記パーパスの下、当社は「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」をミッション(果たすべき使命)として、「人と人」、「人と体験」とがリアルで出会う過程における障壁に着目し、それらを解消するサービスを提供することを目指します。そして、「世界一のモビリティプラットフォームをつくる。」をビジョン(中長期で目指す姿)に掲げ事業を運営しております。
また、これらを実現するために本質的に持つべき価値観として以下のバリューとホスピタリティ・カルチャーを定め、社員に展開しております。
≪バリュー / Value≫

≪ホスピタリティ・カルチャー / Foundations≫

(2) 経営環境
当社が主たる事業を展開する駐車場プラットフォーム市場においては、モビリティ社会の変革や都市インフラの効率化、並びにデジタル技術の進展を背景に、大きな構造転換期を迎えております。
行政動向におきましては、令和7年5月に国土交通省より「持続可能なまちづくりと都市交通の実現に向けた駐車場マネジメントの推進のためのガイドライン」が公表される等、従来の画一的な駐車場供給(「受け身の駐車場政策」)から、都市政策や交通需要と連携した積極的な管理(「攻めの駐車場政策」)への転換が国や地方公共団体において本格化しております。中心市街地への過度な車両流入による渋滞の発生、車種ごとの需給の不一致、あるいは都市部における低未利用土地(青空駐車場等)の発生といった外部不経済を解消するため、統合的な政策に基づいて駐車スペースの量や配置を適切に把握し、効率的にマネジメントしていく必要性が急速に高まっております。
このような環境下において、当社のコアターゲットとなる駐車場市場については、駐車場法等の基準に基づき届出が義務づけられる駐車場の整備状況が把握可能である一方、コインパーキングや月極駐車場の多くは届出制ではないため、その実態を正確に把握することが困難であります。総務省統計局「2024年全国家計構造調査」によれば、全国の1世帯当たりの1ヶ月間の駐車場借料の平均支出額は1,558円であり、年間では18,696円となります。(注1)また、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によると、2025年1月1日時点の全国の世帯数は約6,129万世帯となっております。(注2)これらを前提とした場合、1年間の世帯当たり支出額に世帯数を乗じた駐車場市場の規模はおよそ1兆1,458億円と推計いたします。このように、届出制駐車場と非届出制駐車場の双方を含む広範な市場が想定されるものの、正確な統計情報が存在しないことから、当社としては上記推計値を基礎データの一つとして位置づけております。
さらに当社では、提供するサービスの潜在的な成長性を把握するため、アプローチ可能な駐車場台数をベースとしたターゲット市場の分析を行っております。具体的には、市場全体の総量を示す「最大獲得可能市場(TAM)」、当社がアプローチ可能な「有効獲得可能市場(SAM)」、及び直近で獲得を目指す「現実獲得可能市場(SOM)」の3つの段階に分類して算出しております。
第一に、最大獲得可能市場(TAM)となる全国の潜在的な駐車場台数は、7,264万台以上と推計しております。その内訳は、月極駐車場(注3)が3,225万台以上、コインパーキング(注4)が約164万台であります。これらに加え、個人宅の一軒家や店舗等に付随する全国の遊休地(注5)が約3,875万台含まれており、これが当社の最も広範な潜在市場となります。
第二に、有効獲得可能市場(SAM)として、東京都及び政令指定都市のある都道府県(地方都市)の駐車場台数は、2,273万台以上と推計しております。その内訳は、月極駐車場(注6)が2,163万台以上、コインパーキング(注4)が約110万台となっております。
第三に、現実獲得可能市場(SOM)として、当社が主要なターゲットとしている3大都市圏(東京都、大阪府、愛知県)の駐車場台数は、1,239万台以上と推計しております。その内訳は、月極駐車場(注6)が1,179万台以上、コインパーキング(注4)が約60万台であります。

国や地方公共団体、民間事業者が一体となって駐車スペースの効率的な適正化を目指すこの公的トレンドは、社会に眠るあらゆる「駐車可能なスペース」を供給源としてマッチングを行う当社のビジネスモデルにとって極めて強い追い風となっております。当社は、この広大な潜在市場に対してデジタル技術を導入し、需給不一致の解消と資産価値の最大化を図ることで、社会的課題の解決と持続的な事業成長を同時に推し進めていく環境にあると認識しております。
(注1)総務省統計局「令和6年全国家計構造調査(全国 家計収支に関する結果[家計総合集計])」
(注2)総務省自治行政局(住民基本台帳関係)「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和7年1月1日現在)資料2」
(注3)全国の自家用車保有台数61,839,584台(国土交通省自動車保有車両数2026年3月)に推定して算出した一軒家の駐車場台数を減算して算出
(注4)一時利用有料駐車場(コインパーキング)市場に関する実態分析調査・2021年
(注5)一軒家の駐車場数は一戸建てに住居する世帯数2,932万世帯(住宅・土地統計調査 令和5年)に世帯当たり自家用車保有台数1.009台(一般社団法人日本自動車工業会公表令和7年度乗用車市場動向調査)を乗算して算出。店舗の駐車場数はショッピングセンターの総数3,013店舗(SC白書2025)にイオンモールの店舗当たり駐車場台数の平均3,045台(イオンモール株式会社 サステナビリティデータブック 2024)を乗算して算出。
(注6)月極駐車場とコインパーキングの都道府県ごとの分布は同様であると仮定し、全国の月極駐車場台数をコインパーキング台数で案分して算出
(3) 社会課題の解決と当社の事業機会
上記のような市場環境に加え、当社事業の背景には以下のような社会的課題が存在しております。これらの解決に対する社会的要請の高まりが、当社のビジネスモデルに対する需要を押し上げ、事業成長を牽引する強力な経営環境となっております。
① 一時貸し駐車場の構造的不足と需給の不一致
国内においては、一時利用の駐車需要に対して供給が十分とはいい難い構造的な課題が継続している実態があります。国土交通省の統計資料(注)によれば、2024年度末の自動車保有台数は約7,861万台であるのに対し、月極や住宅の車庫を除いた駐車場は約568万台にとどまり、自動車1万台当たりの駐車台数は2014年度末の631.9台から2024年度末には723.5台へと増加傾向にあるものの、一時貸し駐車場の慢性的な不足は依然として解消されたとはいえない状況にあります。さらに、駐車需要は地域や時間帯、車種、利用目的によって偏り(需給の不一致)がある一方で、個人宅の空きスペースや未活用の月極駐車場等の潜在的な遊休資産をコインパーキングとして運用するには、高額な初期投資や設備要件といったハードルが存在し、容易に供給拡大へ結び付けることは困難であると考えております。
(台数)
2024年度末(A)2014年度末(B)A/B
都市計画駐車場105,639台119,943台0.88
届出駐車場1,998,531台1,699,455台1.18
附置義務駐車施設3,583,037台3,068,737台1.17
路上駐車場533台606台0.88
5,687,740台4,888,741台1.16
自動車保有台数78,619,088台77,080,842台1.02
自動車1万台当たり駐車台数723.5台631.9台1.14

都市計画駐車場:都市計画上必要な位置に適正な規模で永続的に確保され、またその対象とする駐車
需要が広く一般公共の用に供すべき基幹的なものであり、都市計画に定められた路
外駐車場をいう。
届出駐車場:都市計画区域内で自動車の駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上の路外駐車場
を設置し、その利用について駐車料金を徴収する駐車場。
附置義務駐車施設:地方公共団体の条例により、一定規模以上の建築物の新増設の際に義務として整備
された駐車場施設。


(注)国土交通省『自動車駐車場年報 令和6年度版(2024年)』
② 路上駐車及び「うろつき交通」による社会的損失
この一時貸し駐車場の構造的不足と需給の不一致という構造問題は、都市交通において深刻な社会的損失を引き起こしております。警察庁交通局の資料(注)によれば、東京都23区内における瞬間路上駐車台数は約43,908台にのぼり、これらは幹線道路等における交通渋滞の要因となるほか、駐車車両に起因する交通事故等の深刻な原因となり得ることから、都市交通の円滑化と安全性確保の観点で重大な課題となっております。また、必要な場所に駐車場が不足しているため、駐車場を探すために車両が周辺を走行する「うろつき交通」が発生し、中心市街地での渋滞悪化や歩行者の安全性低下を招いております。こうした状況が進行すると、土地の低未利用地化や配置の適正化が妨げられ、中心市街地の魅力や回遊性の低下を招き、まちの活力をさらに下げるといった負の循環が生じるおそれがあります。
(注)警察庁交通局『令和6年11月 駐車対策の現状』
③ 地域の伝統イベントにおける交通課題と持続可能性
さらに、これら日常的な駐車場不足の課題は、地域の伝統的な花火大会や大規模なお祭り、プロスポーツの試合等のイベント開催時において、特定の地域及び時間帯に爆発的な駐車需要が集中するという極端な形で顕在化いたします。
十分な駐車インフラが確保されていない地域イベントにおいては、会場周辺への車両集中により激しい交通渋滞や広範な違法路上駐車が誘発され、救急車両の通行妨害や地域住民の安全性の低下といった深刻な「交通課題」が発生しております。
加えて、昨今の人件費や原材料費、警備・安全対策費用等の高騰はイベント主催者側の財政を著しく逼迫させており、「交通障壁の解消コスト」と「運営費用の増大」の二重の負担により、地域の貴重な伝統文化やコミュニティイベント、観光資源そのものが資金不足によって開催・継続が困難になるという、持続可能性(サステナビリティ)に関わる重大な社会課題が近年深刻化しております。
④ 「アキッパ」による課題解決アプローチと事業機会
当社は、単に駐車場の新設を図るという従来型の発想ではなく、既存の不動産ストックを有効活用しつつ、一時貸し駐車場不足の緩和に資する手段を整備することが現実的かつ有効な方向性であると認識しております。当社が展開する本サービスは、駐車環境のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、前述した社会課題に対する具体的なソリューションを提供し、同時に当社の成長基盤を確立しております。
ⅰ 駐車スペースの供給拡大とマッチング最適化
従来のコインパーキングで課題となっていた高額な初期投資や設備要件といったハードルを、本サービスが解消しております。月極駐車場の空き区画や個人宅の駐車場など、これまで活用されていなかった未活用の月極駐車場等の遊休資産を、設備投資不要かつ完全成果報酬型で一時貸し駐車場として提供できる仕組みを構築いたしました。これにより、市場における駐車場不足を緩和するとともに、デジタル技術を用いて需要と供給を最適に結びつけております。
ⅱ 路上駐車及び「うろつき交通」の解消
一時貸し駐車場の探索走行に起因する「うろつき交通」や違法路上駐車に対し、スマートフォンアプリ等を通じた事前検索・事前予約・オンライン決済の一元的体験を提供することで解決を図っております。ユーザーは現地到着前に駐車場を確保できるため、駐車場を探し回る無駄な走行や「満車による不確実性」から解放されます。これにより、中心市街地における交通渋滞や交通事故リスクを低減し、排気ガスの削減や歩行者の安全性向上といった都市交通全体の円滑化に寄与しております。
ⅲ 駐車場予約と収益分配モデルによるイベント周辺の渋滞緩和と運営財源の創出による地方創生
大規模イベント等において、会場周辺の公式駐車場や未活用スペースを事前予約制・有料化する仕組みを提供しております。来場者車両による渋滞や違法路上駐車を抑制して円滑なイベント運営を可能にすると同時に、駐車場運営から得られる収益の一部を報酬としてイベント主催者へ還元いたします。これにより、警備費増や物価高騰等に直面する主催者の財源不足を直接補い、地域の伝統イベントの継続的な開催と持続可能性の確保を実現しております。
上記3つの課題解決を通じて、ユーザー、オーナー、イベント主催者、並びに地域社会の各ステークホルダーから支持を獲得し、国内最大級の会員基盤と掲載駐車場数を確立しております。この強力な事業基盤から生み出される収益をプロダクトや管理システムの進化へ継続的に再投資することで、社会インフラとしてのプラットフォーム価値を自律的に向上させる持続的な成長サイクルを確立しております。

(4) 経営戦略等
当社は、パーパスである「“なくてはならぬ”サービスをつくり、みんなの「こまった!」をなくす。」を事業活動の根幹に据え、人々がリアルに移動し、集い、出会う場面における課題に向き合い続けております。そのうえで、ミッションである「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」を着実に果たしていくため、駐車場を起点としたモビリティ領域において事業を展開しております。また、当社は中長期で目指す姿として「世界一のモビリティプラットフォームをつくる」というビジョンを掲げており、その実現に向けた第一歩としてブランドミッションに掲げる「どこでもスマート駐車場」の社会的な実装を推進しております。
当社の成長戦略は、以下の3段階が段階的かつ相互に連動する構造として設計しております。第一に、既存の予約利用を前提とする駐車場マーケットプレイスにおけるネットワーク効果を最大化し、収益基盤を確立いたします。第二に、駐車場予約を起点として、月極駐車場、EV充電関連サービスその他周辺領域へのマルチプロダクト展開及びM&Aを通じて市場カバレッジを拡大いたします。第三に、AI技術を活用した事業基盤の高度化とEV充電・自動運転時代を見据えたインフラ価値の拡張により、次世代のモビリティインフラへの発展を目指してまいります。なお、これらの各段階は順次完了するものではなく、重なり合いながら並行して推進し、相互に強化し合う構造としております。各段階の取り組みが次の成長の土台となることで、累積的な競争優位を構築してまいります。
加えて、国土交通省は令和7年5月に「持続可能なまちづくりと都市交通の実現に向けた駐車場マネジメントの推進のためのガイドライン」を取りまとめ、駐車場政策を従来の需要充足型から、DX推進・モビリティハブ化・需給マネジメント・脱炭素対応・自動運転対応を包含する政策体系へ転換する方針を明示しております。当社が推進する事業戦略の方向性は、こうした政策動向と軌を一にするものと認識しており、この環境変化を積極的に活かしてまいります。
これらを踏まえた具体的な経営戦略は、以下のとおりであります。
① 既存事業のさらなる拡大と収益構造の進化(戦略的な駐車場拡大)
当社が展開する駐車場マーケットプレイスは、駐車場の供給が増加することで利用者の利便性が高まり、利用者の増加がさらに新たな駐車場の参画を促すという、ネットワーク効果を伴う成長構造を有しております。この自己強化的な成長循環を安定的かつ継続的に機能させることが、既存事業の成長における中核であると認識しております。当社は、この成長循環を加速させるため、当社及びパートナーからなる営業組織による戦略的な駐車場開拓と、オーナーが自律的に駐車場を掲載する「オーナーモード」の普及を両輪として、駐車場の供給数を拡大いたします。また、不動産管理会社等とのシステム面の連携や、新規ユーザー獲得の接点となる大規模イベントでの受託推進を通じて、利用者の利便性向上とさらなる供給増を促してまいります。

② ユースケース拡張による利便性の向上と対象市場の拡大
人々の移動シーンにおいては、事前予約のみでは対応しきれない、多種多様な駐車ニーズが存在しております。そのため、予約制に加え、マンスリー単位でのサブスクリプション型(定額制)等や、予約を必要としない即時利用(ドロップイン)等、多様な駐車ニーズに対応する複数のサービス形態を組み合わせた事業展開を推進いたします。
特に事前予約を必要としないドロップインについては、現地にスマートロック等のハードウェア機器を設置し、当社のソフトウェアと連携させた「スマート駐車場」として展開いたします。これにより、予約を必要としない現地での突発的な利用ニーズ(コインパーキング等で発生する需要領域等)にも対応が可能となり、アプリを通じた「事前の計画的需要」から「突発的な現地需要」へと対象市場を大きく拡張いたします。現地でのキャッシュレス決済により集金業務を不要とする等、設備投資や運営コストを抑えたアセットライトかつ高ROIな展開が可能となり、後述するM&Aのロールアップ戦略の強力な基盤となります。あらゆる移動シーンを網羅することで、一人のユーザーに当社のサービスを長く・多く利用していただき、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)の最大化を目指します。

③ テクノロジー・AIを駆使した進化
当社は、リアルなアセットとデジタルを融合させるテクノロジー開発力を強みとしており、事業規模の拡大にともない蓄積される膨大な利用データをAI技術によって分析・活用することが、需給マッチングの最適化と効率的なオペレーションを両立させる鍵であると考えております。このAI活用は、エンジニアリングにおける開発スピードの加速やプロダクト品質の向上にとどまらず、カスタマーサポートや営業支援、バックオフィスを含む全社的な業務プロセスの自動化・省力化にまで及び、積極的に社内導入することで事業規模の拡大に比例しないローコストな運営体制の構築を推進しております。また、蓄積されたデータに基づき、最適なレコメンドの提示や、ダイナミックプライシングの精度向上を通じて収益最大化の支援を目指します。このように、データとAIを事業基盤の核心に組み込み、継続的にアルゴリズムを深化させることで、ユーザー及びオーナーの利便性向上とプラットフォーム価値の自律的な向上を同時に実現する、持続可能な成長モデルを構築してまいります。

④ M&Aによる非連続成長
国内駐車場市場は数兆円規模を有しながらデジタル化が著しく遅れており、この構造的非効率が当社にとってのM&A機会を生み出しております。売り手側においては、中小コインパーキング事業者における後継者不在の加速、新紙幣対応の精算機更新やインボイス制度対応等に伴う設備投資負担の増大、さらには上場企業を中心としたノンコア事業整理の動き等が進行しており、譲渡ニーズは構造的に拡大していると分析しております。当社は、これらの機会を捉え、既存の駐車場運営事業者や不動産管理会社をターゲットとしたM&Aを積極的に検討してまいります。
買収した駐車場に対して、フラップレス化(車室を仕切る機器をなくす仕組み)やキャッシュレス決済、AIによる価格最適化等、当社のデジタル技術を導入し「スマート駐車場」化による駐車場のバリューアップを実現するロールアップ戦略を推進いたします。これにより、駐車場の利用形態の多様化に伴う稼働率の向上や運営コストの削減を短期間で目指します。その他、M&Aを活用しながら新規事業開発やビジネス連携を推進し、自社開発による内部成長とM&Aによる外部成長を組み合わせることで、スピード感をもって市場シェアの拡大を戦略的に推進してまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社のミッション・ビジョンの実現及び継続的な企業価値向上を達成するために、売上高、売上総利益、予約数、利用UU(注1)、及び掲載駐車場数(注2)を利益経営上の重要な指標としております。
また、それらの拡大・向上のためには、ユーザーニーズを的確に捉えたプロダクトの開発とマーケティング、また利用ニーズの高い駐車場の獲得と最適なプライシングによる、需要と供給のマッチングの最大化が必要であります。それらの活動の検討及び達成状況を判断する上で、予約数(注3)及び掲載駐車場数が当社における事業の根幹であると考え、その推移を重要な指標として位置づけております。
第14期
(2022年度)
第15期
(2023年度)
第16期
(2024年度)
第17期
(2025年度)
第18期
(2026年度2Q)
売上高(千円)2,081,7842,618,9243,191,1773,828,2911,915,622
売上総利益(千円)995,3001,271,7081,592,2471,928,1491,000,446
予約(数)2,051,6132,553,3183,084,7963,508,1741,820,002
利用UU(人)552,703711,841863,423993,264606,928
掲載駐車場数(台)35,60139,69247,84355,02058,870


(注1) 利用UUとは、各期に駐車場を利用し支払いを行ったユーザー数のうち、重複を除いた数をいう。
第14期から第17期は各事業年度の年間合計利用UU数を、第18期につきましては2026年1月から6月までの6ヶ月間における合計利用UU数を記載しております。
(注2) 第14期から第17期は各年度の12月度の掲載駐車場数を、第18期は6月度の掲載駐車場数を記載しております。
(注3)本サービスにおいて、対象期間内に予約が完了した予約のうち、キャンセルされた予約も含めて、予約完了日ごとに件数集計したもの
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 駐車ニーズを満たす駐車場の確保
当社プラットフォームに登録されている駐車場は全国各地に広がっており、現在も継続的に増加しております。一方で、人々の駐車ニーズは、イベントやコンサート、通勤・通学、旅行、ショッピング等多岐にわたり、利用される時間帯や場所も多様化しております。こうした多様なニーズに対し、当社は現状、駐車場の供給が十分に追いついていないエリアや時間帯があることが喫緊の課題であります。
「いつでも、どこでも駐車場が見つかる」というユーザーの期待に応えるため、引き続き、駐車場数の拡大に注力してまいります。
② 「駐車場は予約する」という文化の醸成と、サービス認知の向上
車での移動時に「駐車場を予約する」という行動様式は未だ発展途上であり、市場自体の社会的認知向上が課題です。当社はマーケットリーダーとして、この新しい行動様式や文化の醸成を牽引するとともに、当社サービスが第一想起されるポジショニングを確立してまいります。
自社による市場調査の結果、当社サービスは高い顧客満足度を得ている一方で認知度が低く、認知度拡大が直接的な利用者増加につながる大きな成長余地を有していると分析しております。今後は、投資対効果を厳格に管理しつつ、効果的なマーケティング施策を段階的に実行し、潜在顧客層の獲得とさらなる認知拡大を推進してまいります。
③ サービスの安全性・健全性、及びプラットフォームの安定性
Eコマースサービスやソーシャルメディア等の普及と、それに伴う不正利用の巧妙化の流れを受け、インターネット上のプラットフォームサービスの安全性維持に対する社会的要請は一層高まりを見せております。当社は、安心・安全な取引の場を提供するため、サービス及びプラットフォームそのものの安全性・健全性確保に向けて継続的に取り組んでまいります。
また、当社はインターネットを介したサービス提供を行っているため、そのシステムを安定的に稼働させることが重要になります。そのために、既存のプログラム等を最適にアップデートし続けるとともに、そのための人員確保、教育・研修等にも努めてまいります。
④ 優秀な人材の確保と組織体制の強化
当社の持続的な事業成長には、優秀な人材の確保と定着が重要な課題であると認識しております。特に、リアルな資産である駐車場を対象としつつ、テクノロジーを軸に事業を展開する当社においては、技術・プロダクト、営業、マーケティング等の各分野で高い専門性や企画力、戦略性を持つ人材の確保が不可欠であります。
採用競争が激化するなか、採用ブランディングの強化やリファーラル採用の推進等、当社のパーパス・ミッション・ビジョンに共感するタレントを惹きつけるとともに、多様な働き方を支援する人事制度のアップデートを継続いたします。個々の能力を最大化するタレントマネジメントを通じて、組織全体の生産性とエンゲージメントを向上させてまいります。
⑤ 生成AI等の新技術・データ活用による事業基盤の高度化
近年、生成AIをはじめとする新たな技術が急速に発展しており、これらをいかに活用するかが、企業競争力の維持・向上や他社との差別化において極めて重要な要素となっております。当社においても、これらの技術を自社の経営に適用し、業務の効率化や意思決定の高度化、サービスの質的向上に結び付けることが、今後の持続的成長を実現する上での重要な課題であると認識しております。一方、当社は、ユーザーの予約行動、駐車場の利用実績、時間帯別稼働率、エリア別需要傾向等、日々のサービス運用を通じて蓄積される多様なデータを保有しておりますが、これらの活用は限定的であります。
当社は、保有する多様なデータと生成AI技術の融合を競争優位の源泉と位置づけ、データ収集からAIによる解析、実業務への適用に至る「データ活用サイクル」を戦略的に構築してまいります。このサイクルの運用を通じて、サービス価値の最大化を図るとともに、テクノロジー駆動による持続可能な成長基盤を確立してまいります。
⑥ M&A推進体制の整備及び規律ある財務戦略の推進
今後の非連続的な成長を牽引するM&A戦略において確実な企業価値向上につなげるためには、実効性ある推進体制と財務マネジメントの確立が重要であると認識しております。具体的には、案件発掘から買収後の統合までを組織横断で迅速に推進できる組織体制を整備するとともに、グループガバナンスの強化を進めてまいります。また財務面においては、銀行借入等を活用しながら成長加速に向けて機動的な資金調達を行う一方で、持続的な成長を支える厳格な財務規律を厳守し、リスクの適切なコントロールを徹底してまいります。これら体制基盤の強化と規律ある財務戦略を一体として推進し、確実な外部成長の実現を図ってまいります。
⑦ 情報管理体制の強化
当社は、会員の個人情報を多く預かっており、安心して当社サービスを利用いただくためにも、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。
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