有価証券報告書-第2期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/26 13:02
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138項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」に則り、ミッションを「働く機会と希望を創出する」とし、企業と人の成長を支援する人材ソリューションサービスで、働く人がやりがいを持ち、成長していける職場を作り上げていくとともに、社会変化や産業構造変化に対応できるサービスの提供を目指し、「高い成長力のある企業グループに変革する」ための取り組みを推進してまいります。
(2)経営戦略
当社グループは、ミッションの実現に向けたマテリアリティ(重要課題)を「働きやすい職場づくり」、「社会変化や構造変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しています。デジタル化の推進と人材投資を積極的に行い、従業員満足と顧客満足を最大化させ、必要なスキルを有した人材を輩出することによる高付加価値サービスの提供を行い、管理体制や内部統制の強化に取り組むことで、社会価値創造による企業価値の向上を目指しています。
(事業戦略)
事業ポートフォリオ戦略においては、製造派遣や製造請負に代表されるコア領域の「深化」とエンジニア派遣に代表される当社グループの注力領域の「探索」を両立させてまいります。あわせて、コア領域事業の高質化と高付加価値化の推進を図ってまいります。
変化するモノづくりに対応したサービス提供に向けて、顧客と共に価値を創り出せるビジネスモデルへの転換を図ってまいります。
サービス別の戦略については次のとおりになります。
(総合人材サービス)
製造生産系人材サービス
製造生産系人材サービスでは、主に製造派遣、製造請負を行っており、顧客へのサービス提供体制を強化し、重要な顧客におけるシェア率を向上させることで、効率性を向上させ、「稼ぐチカラ」を強化してまいります。
エンジニア系人材サービス
エンジニア系人材サービスでは、製造業を中心としたエンジニア派遣、SES(System Engineering Service)を行っており、高付加価値領域の拡大のための人材育成を継続してまいります。
事務系人材サービス
事務系人材サービスでは、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing)を行っており、サービスの再構築を図り、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。
その他の人材サービス
その他の人材サービスでは、高年齢者社員、および障がい者社員が活躍できるモデルの構築に取り組んでまいります。
(介護・福祉サービス)
介護・福祉サービスでは、施設介護、在宅介護を行っており、提供サービスの充実を図りながら、新たなメニューの開発にも取り組んでまいります。
(基盤強化戦略)
人的資本経営の実践に向けて、人材管理、教育研修、キャリア開発などに積極的に人的資本投資を行い、顧客と共に育成の連携を図ることで、付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。
また、人材流動化への対応に向けては、労働者の能力と企業ニーズを発掘、可視化し、人材発掘と事業機会の拡大を両立させてまいります。あわせて、キャリア開発において、強みの伸張と不足領域の補完を実現することで、適材適所の配置につなげてまいります。
更に、業務のデジタル化によるビジネストランスフォーメーション(BX)の実現に向けて、基幹系システムの再構築、データ活用基盤の整備、XR技術の活用推進、顧客とのデータ連携を図ることで、データを基にした経営体制の構築を目指してまいります。
(3)目標とする経営指標
(単位:百万円)
2023年3月期2024年3月期2025年3月期
目標実績目標実績目標実績
売上高88,60090,827100,00096,858115,000101,560
営業利益2,7002,2684,0003,0586,7003,555
営業利益率3.0%2.5%4.0%3.2%5.8%3.5%

2025年3月期までの中期経営計画においては、コロナ禍以降の半導体業界の回復の鈍化や、自動車業界での地政学リスクによる部品不足等の厳しい環境下において、技術革新による産業界の人材ニーズの変化に対応した人材育成のための教育施設や設備への投資・人材への教育投資を計画通り実行してまいりました。この結果、売上高においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して6.6%の増収、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して4.9%の増収となりましたが、目標達成には至りませんでした。
また、事業の拡大に伴う従業員募集費の増加、事業基盤の強化に向けた従業員の増強による人件費の増加などがあったものの、売上高の増加で吸収した結果、営業利益においては、2024年3月期は2023年3月期と比較して34.8%の増益、当連結会計年度(2025年3月期)は2024年3月期と比較して16.3%の増益となりましたが、目標達成には至りませんでした。
当社グループが重要な経営指標としている「営業利益率」は、前連結会計年度より売上総利益率が0.7ポイント改善し17.2%となる一方、販売費及び一般管理費率が0.3ポイント悪化し13.7%となり、この結果、営業利益率は3.5%となりました。引き続き売上総利益率の向上及び販管効率の向上を図り、営業利益率の改善に取り組んでまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社をとりまく経営環境は、Society5.0やIndustry5.0の進展、AIの進化、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、かつてない速さで変化を続けています。また、米国の関税措置による影響など変動要素が多く、先行きは不透明な状況にあります。
このような経営環境の中、当社は、2024年8月に、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を発表しました。
当社グループは、中期経営計画の目標達成を目指し、企業価値と企業の存在意義を持続的に高めていくため、以下の活動を推進しています。
(財務戦略)
財務戦略方針
当社は、自社の資本コスト(株主資本コストおよび加重平均資本コスト(WACC))を注視し、重要な経営指標を自己資本利益率(ROE)と投下資本利益率(ROIC)とした上で、稼ぐ力の追求と資本効率性の向上に取り組みます。また、安定的にROICが資本コスト(加重平均資本コスト(WACC))を上回る構造を実現する事で企業価値の向上に努めてまいります。
財務戦略
当社グループは、稼ぐ力の追求に向けて、既存事業の高付加価値化、事業ポートフォリオの見直し、成長分野への投資、デジタル技術の活用による業務効率化、人材への投資を行ってまいります。また、財務規律の維持と資本効率性の向上に向けて、適切な経営資源の配分、適正な負債の活用、最適な株主還元(安定配当・自社株買)、適時適切な情報開示を行ってまいります。
財務指標
当社は、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には、成長性を示す指標である売上高成長率(CAGR)12.3%以上、収益性を示す指標である営業利益率5%以上の達成を目指してまいります。
また、中期経営計画期間(2026年3月期から2028年3月期まで)における、財務の効率性を示す指標であるROE平均20%以上、ROIC平均15%以上、中期経営計画の最終年度である2028年3月期には財務の健全性を示す指標である財務レバレッジ2.5倍以下を目安にしています。
なお、2025年3月期においては、戦略的な投資を実行するとともに健全な財務基盤を維持することで、重要な経営指標であるROEは12.3%、ROICは13.1%となりました。この結果、ROICがWACCを上回りました。
各指標については以下の定義にて算出しています。
・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ ((期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2)
・投下資本利益率(ROIC):税引後営業利益 ÷ 投下資本(当期平均有利子負債 + 当期平均純資産額)
(非財務戦略)
サステナビリティへの取組
当社グループは、「働く機会と希望を創出する」というミッションの達成に向けて、グループの原動力である「人」への投資を通じて社会や環境への貢献を図ることが重要であると認識し、2021年10月に策定した「サステナビリティ方針」に基づき、持続的な事業の成長を目指すと共に、人権と労働、環境、安全衛生、倫理の方針を定め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
当社グループの事業の持続的な成長を目指す上では、「人材育成」と「ダイバーシティ」が最も重要であると定義しています。
「人材育成」においては、高度人材の比率を向上させることが重要であると認識しています。「人財育成方針」の指標は「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2025年4月までに15.0%としていました。2025年3月末日時点における製造生産系及びエンジニア系人材サービスの在籍人数における「エンジニア系社員比率」は、12.6%となりました。
「ダイバーシティ」においては、全ての従業員が夢とやりがいを持てる職場を作り、多様な人材が活躍できる場を構築することが重要であると認識しています。「社内環境整備方針」の指標は「女性管理職比率」とし、その目標を2025年4月までに11.5%としていました。2025年3月末日時点における「当社グループ女性管理職比率」は9.0%となりました。
当社グループは、2025年2月に「人財育成方針」、及び「社内環境整備方針」に基づく指標と目標の見直しを行いました。「人財育成方針」における指標は、引き続き「エンジニア系社員比率」とし、その目標を2030年度までに30%を達成することとします。また、「社内環境整備方針」においては、実行課題を「DE&I(多様性・公平性と包摂性)の推進」に更新し、指標として「ダイバーシティ比率」を新たに設定、その目標を2030年度までに40%の水準を達成することに見直しを行いました。また、「女性管理職比率」の目標は、2030年度までに15%を達成することとし、活動の推進を継続してまいります。
日本国内における労働人口の減少や高齢化比率の上昇などにより、当社グループの経営環境は大きく変化しています。2025年3月末日時点における、当社グループ社員の女性、高年齢者、外国人、障がい者を合わせた「ダイバーシティ比率」は31.9%となりました。この比率を上昇させていくことで、当社グループの組織としての強靭さや事業の持続的な成長を目指してまいります。
また、ガバナンスの強化に向けて、人材育成に強みを持つ企業グループとして、ガバナンス維持のための教育プログラムを実践し、ステークホルダーに信頼される取組を継続してまいります。
なお、当社グループのサステナビリティ活動の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(総合人材サービス)
インダストリー戦略
技術革新や環境問題を背景に加速度的に産業構造が変化していくのに合わせ、産業毎に必要な人材像も刻一刻と変化しています。中でも日本をリードする自動車・半導体・電子を中心とした産業界の人材ニーズに応えるべく、当社は最新の製造設備を有する研修施設を立ち上げ、付加価値の高い人材を育成し、変革する産業界を強力にバックアップしてまいります。
2026年3月期において、当社グループの注力業界であるオートモーティブインダストリー(自動車製造及びEV関連製造業界)では、米国関税の影響は考えられるものの生産台数に大きな変動はないと想定しています。セミコンダクターインダストリー(半導体製造業界)の当社グループ注力メーカーについては、堅調に推移することを見込んでいます。あわせて、2026年、2027年の半導体、バッテリー新工場稼働に向けた人材ニーズを見込み、育成関連への投資を継続してまいります。なお、エレクトロニクスインダストリー(電子機器製造業界)における電子部品需要は横ばいを想定しています。
採用戦略
経済活動の正常化に伴う人材ニーズの高まりにより、当社グループにおいても就業者の確保が、これまで以上に必要になっています。
当社グループは、人材確保という課題に対し、グローバル人材の更なる活用を進めてまいります。日本に来てよかった、日本でもっと働きたいと思っていただける各種制度や環境を整備し、2031年3月期末の在籍3,000人を目指してまいります。
また、高付加価値人材の採用に向けて、当社グループ内での人材流動化と他社とのアライアンスを推進する「採用コンソーシアム」の拡大も図ってまいります。
育成戦略
当社グループは、メーカーにおける生産活動の高度化、人材に求めるニーズの多様化、製造業全体における慢性的な人手不足といった課題への対応を目指し、事業の拡大に向けて必要となる事業領域の調査を行いながら、人材育成分野でお客様と共創してまいります。また、当社グループが拡大領域と位置付ける半導体や蓄電池の製造領域、保守・保全といった職種に、当社グループ独自の「人材育成モデル」を掛け合わせることで、高付加価値人材の育成を積極的に推進してまいります。官民と連携を取りながら、他産業や他職種で働いている人材に対して、リスキリングの機会を提供し、半導体関連の量産に対応できる人材育成も行ってまいります。
重なるニーズの拡大を踏まえ、2024年3月に、蓄電池産業向けの人材育成に特化した教育研修施設である「日総EVテクニカルセンター関西」を開設いたしました。また、2024年5月に、半導体製造向け人材の育成に特化した「日総テクニカルセンター熊本」を増設いたしました。
なお、中部東海エリアに、変革の激しい、自動車、蓄電池、半導体分野において、必要不可欠な保全を中心とした各種エンジニアを育成する、中核的育成拠点の設置を計画するなど、お客様のニーズに応える育成体制を整えてまいります。
新たなサービスの創出
連結売上高において、総合人材サービスは約9割を占めています。当該サービスはお客様との継続的な取引関係をベースとしており、「安定性」と「依存度」の2つの側面を持ち合わせている事業であることから、顧客の生産動向に当社グループの業績が大きく左右されることが課題となっています。
当社グループは、エンジニア系人材サービスの拡大のみならず、HRテックやAI関連サービスといった当社グループの事業と親和性の高い領域へ進出し、M&Aや新たなパートナーシップの構築などをつうじて価値共創に取り組むことで、中核である総合人材サービスの事業拡大を図ってまいります。
また、当社グループは、教育受託サービスである「NISSO HR Development Service」を展開しています。このサービスは、お取引先から数多くお寄せいただいた、教育を担う講師人材の不足、繁忙のため実際の生産ラインや現場を使ったOJTができないことによる実技研修不足、未経験者向けの教育プログラムの不足などの課題に応えるため、全国に教育研修施設を有し、多くの研修カリキュラムを開発してきた実績を持つ当社グループが、社員研修を代行することで、課題解決をお手伝いできるサービスと位置づけており、そのニーズは順調に拡大しています。
(介護・福祉サービス)
介護・福祉業界においては、要介護者の更なる増加、介護従事者の慢性的な不足、介護サービスの質の低下などが社会課題となっています。
当社グループは、介護従事者の安定的な確保と定着率向上を図るために、介護従事者への階層別教育や採用者への導入教育を実施し、より働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。
また、外国人材の活用を促進するなど、多様な人材の活用を推進することで、新たな介護従事者の確保を目指してまいります。
介護施設への入居者数の増加に向けては、WebやSNSの積極的な活用や内覧会を通じて、入居を検討されるご家族様との接触機会を増やすことで、お客様一人ひとりのニーズを把握した質の高い介護サービスが提供できる体制を構築してまいります。
(DX戦略)
当社グループが持続的に利益成長を続けていく上では、経営管理機能や事業運営基盤の強化に向けたDX化の推進が重要な経営課題であると認識しています。
当社グループは、デジタル基盤の構築に向けて、時と場所を選ばずアプリが利用できるIT基盤を提供し、グループ経営データの一元化・可視化・標準化・利活用などを推進してまいります。また、AIやVRなどを利用した業務の効率化や自動化を推進することで、販管費の抑制に努めてまいります。
(新たな価値共創(CSV)への取組)
当社グループは、お客様の抱える困りごとを解決すべく、制限を設けず、可能性のあるパートナーとの協業を積極的に進めています。
当社は、重要顧客内のシェアを拡大し、当社グループの強みである人材育成のノウハウを活用することで、中部東海エリアにおけるプレゼンスの確立を目指し、2025年4月17日開催の取締役会において、「Man to Manホールディングス株式会社」の子会社化を決議しています。また、同日開催の取締役会において、新たな領域となる警備業に強みを持つ「オールジヤパンガード株式会社」の子会社化を決議しています。これら2社のみなし取得日は2025年6月30日を予定しており、2026年3月期第2四半期より、当社グループの業績に寄与していくことを想定しています。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

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  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。