訂正有価証券届出書(新規公開時)
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
「イマをHAPPYに」という企業理念のもと、ご来店いただくお客様をはじめ、当社ガーデンに関わる人達が、幸
せ・元気・笑顔になれる空間作りを経営の基本方針としております。
創業以来、カラオケ事業をはじめ、飲食事業、不動産事業等のM&Aを繰り返し、民事再生案件含め12社以上の企
業再生を実現することにより発展を遂げてまいりました。各社の異なる価値観、多様な文化や企業風土をプラスに融
合させるために、「GARDEN」という庭で手を取り合って歩んでいくという想いが社名に込められています。
また、当社のロゴの形を数字の6に見立て、「6」という数字が持つ「調和と融合・正しい選択と決断」という意
味から、6つの行動指針を掲げております。
飲食事業の運営におきましては、ブランド力強化に向けたQSCA(Q=クオリティ、S=サービス、C=クレンリネス、A=
アトモスフィア)の向上を目指しております。衛生的で安全な店舗運営の維持と従業員の動作工数の削減、提供スピ
ードの向上に向けた既存店舗の内外装変更に取り組んでおります。
また、COVID-19感染の影響が収束に向かっているとみられておりますが、引き続き全従業員の健康管理の強化及
び、店舗における衛生管理に十分配慮し、お客様に安全で品質の高い商品の提供を行うことができるように、日々
「HAPPYな空間の提供」に向けて努めております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社では、事業拡大・企業価値向上を目指し、売上高成長率及び売上高経常利益率、ROA及びROEを重要な経営指標
と位置づけております。
・売上高経常利益率 10%以上
・ROA(総資産経常利益率) 10%以上
・ROE(自己資本当期純利益率) 10%以上
(3)経営環境
一般社団法人日本フードサービス協会の調査による外食産業の市場規模は、1997年の約29兆円からリーマンショッ
クや東日本大震災を経て、2011年には23兆円弱まで減少しました。その後は、外食支出額や訪日外国人の増加、消費
税増税等により売上前年比100%を超える微増を続け、2019年には26兆円まで回復しておりました。そのような中、
2020年以降はCOVID-19による感染症が世界的に猛威を振るい、外食産業にも深刻な影響がございました。
また、同協会による2024年1月25日発表の下図「外食産業市場動向調査 令和5年(2023年)年間結果報告」による
と、2023年の外食産業の全体の売上前年比は、1月にはコロナ第8波があったものの、3月に「マスク着用の緩
和」、5月には新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけを「5類」に移行(以下、「5類」移行)など、コロナに
よる行動制限が緩和から解除へと進み、社会経済環境は「ポストコロナ」へ移行しました。人流が戻り、年間を通し
て外食需要の回復基調が継続したことで、外食産業の全体売上は前年比114.1%、2019年比(以下19年比)107.7%と
なりました。これは、4月に入国規制などの水際対策が終了し、訪日外国人数が回復してインバウンド需要が拡大し
たことも売上増の一因となっています。
ただし、売上の回復傾向は続いているものの、「客単価の上昇」(全体前年比 107.3%)によるところが大きく、
「客数」についてはまだ19年の水準まで回復していないと推定され(全体19年比 90.9%)、また「人手不足の常態
化」など、外食産業を取り巻く環境は、「ポストコロナ」となっても依然厳しい状況が続いています。
出典:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 令和5年(2023年)年間結果報告」
また、最新の株式会社富士経済の外食産業マーケティング便覧2024によると当社の主力業態及び成長ドライバー
である『壱角家』『山下本気うどん』が属するラーメン、うどん市場の将来予測については2023年に引き続き人々の
動きが活発化するなかで、イートインとの親和性が高い両業態の需要はさらに高まっていくとみられ、市場は続伸す
る見込みであるほか、水際対策のさらなる緩和によってインバウンド需要についても高まっていくとみられ、市場拡
大に寄与していくことが期待されております。
(4)経営戦略
①M&Aによる成長
当社は創業以来、12社の株式をM&Aにより取得し既存事業とのシナジーによる規模の拡大、新しい飲食ブラン
ドの獲得をしてまいりました。

また、M&Aにより被買収企業が持っていたフランチャイズ事業を引き継ぐことで直営事業以外の収益源を獲得
し、社内ノウハウを積み重ねながらフランチャイズ店舗数の増加に取り組んでおります。

当社は飲食を運営する企業に対しM&Aをすることにより、被買収企業の店舗を当社の既存ブランドに業態変更す
ることで収益力を強化、又は被買収企業のブランドをブラッシュアップし、さらに横展開することで企業収益を向
上させることに注力して参りました。
被買収企業の店舗物件を取得し当社の既存ブランドに変更することで物件取得までの費用、時間を大幅に短縮、被
買収企業のもつブランドを取得し業態開発の時間を省くことで効率よく運営することができます。

今後も当社は情報収集の強化に努め、過去に実施してきたM&Aにより社内に蓄積された知見、経験を活かし成長
戦略の一つとして活用して参ります。
②直営店舗新規出店
当社では、主力とする2ブランド『壱角家』『山下本気うどん』の継続的な新規出店を計画しております。
コロナ禍の序盤は1事業者あたりの給付金に留まり、営業補償が厚くなかったため、通常では空くことがなかったで
あろう好立地の路面店の撤退が相次ぎ、当社は新宿の歌舞伎町や神楽坂、渋谷の道玄坂など都心の一等地に店舗を借
り上げ、いずれも黒字店舗として運営し大きな利益を積むことができております。
(単位:千円)

特に壱角家の既存店においては事業開始以来、乗降者数が20万人以上のターミナル駅を中心に、駅前型の立地にて
ドミナント戦略を展開しており、顧客が利用しやすい駅近の立地を戦略的に選定し今後も集客に取り組んでまいりま
す。また、当社では物件取得に際し、不動産事業とのシナジーを発揮しており、不動産事業を持たない競合他社に比
べ物件取得に優位性があります。レインズ(REINS)等の物件情報に直接アクセスすることができるため情報取得ま
での時間が短く、かつ自社運営サイトである「飲食店居抜き買い取り.com」では個人オーナーが撤退する際、売却を
サポートする事業も行っているため、当該サイトから一般市場に出ていない情報をいち早く獲得できております。今
後も不動産事業とのシナジーを活かし物件情報量、契約までのスピードを短縮するべく努力して参ります。

※1不動産物件情報交換のためのネットワークシステム/※2借主探しをオーナーから直接依頼された不動産業者/
※3不動産売買に応じるお客様を見つけてくる仲介業者
『壱角家』では、2020年よりフードコートの出店に乗り出しました。各施設によるところではありますが、通常の
居抜き物件、スケルトン物件ほどの内装費用はかからず、厨房設備と屋号看板の設置といった少額の投資で参入が可
能ですが、入客数や利益も通常の路面店に匹敵することから投資回収を早期に完了させることができます。
上記のことから壱角家において既存店の出店立地は駅前で視認性の高い物件が大半を占めておりますが、今後は繁
華街への出店と並行してフードコートへの出店を随時行っていきます。
『山下本気うどん』はメディアの露出を積極的に行い、注目された業態であると認識しております。引き続き、集
客力が期待できる路面店を中心に店舗を展開いたします。出店立地に関してはうどん競合チェーン店が少ない繁華街
立地を中心に行い、2025年2月期以降は「壱角家」で成功事例のあるフードコート出店にも取り組んでまいりたいと
考えております。
③アプリ、メディア活用
2022年2月期からの取り組みとして各業態においてスマートフォンアプリを導入し、顧客のリピートに注力してお
ります。
2024年2月末現在、当社スマートフォンアプリのダウンロード数は50万人を超え今後もアプリにより通知機能を通
して行う販促活動や、利用毎に貯まるスタンプ機能を利用し来店者数の拡大を行ってまいります。また、メディアに
対しての積極的なアプローチに力を入れており、継続的なプレスリリースによる情報発信により新店舗出店、店舗で
のキャンペーン、新商品の発売等を消費者へお伝えできる仕組みを取り入れております。同時に広告代理店に営業活
動を委託、日本ハムファイターズの監督、新庄剛志氏を起用し、テレビ、雑誌、ウエブ媒体への露出を増やしブラン
ドイメージの構築を行っています。
2022年4月にオープンした渋谷ガーデンビルにおいては、1階を「壱角家渋谷センター街店」2階を「山下本気う
どん渋谷センター街」とし、屋上には広告用の3D電子ビジョンを設置しており、PR店舗としての運用を目的とし利
益を積むことに加え、知名度向上を目指して可能性を探りながら挑戦を進めてまいります。
当社のアプリ会員情報調べによれば『山下本気うどん』においては顧客の73%が30代以下で構成されており、当社
店舗に来店した同顧客からの情報発信による新規顧客の掘り起こし、リピーターとしての再来店動機につながるよ
う注力して参ります。
また、『壱角家』アプリは登録会員数35万ダウンロードを超え、多くのお客様にご利用いただいており、来店動機
を喚起するための来店ポイントの付与(10ポイント獲得でラーメン一杯無料)、トッピングクーポン配布による集客
を行っております。
※ 以下の図表は山下本気うどんにおけるアプリ会員情報となります。

④商品開発
壱角家ブランドで「醤油壱郎ラーメン」「濃厚魚介つけ麺」「冷やし中華」等の季節限定商品を随時投入した他、
『山下本気うどん』はうどんの麺に抹茶やキャラメルナッツ等で味付けをしたデザート「ぅドーナツ」の商品開発・
販売を行う等、顧客を飽きさせないよう、商品を一部定期的に変更しております。また、『山下本気うどん』の戦略
として高単価商品として全体の客単価を引き上げるキラー商品を安定して開発していくことを重要視し、社内プロジ
ェクトによる商品開発はもとより、外部のコンサルタントとともに開発を行ってまいります。

⑤販売促進策
各事業では一部商品の割引やその日限りの限定商品をお楽しみいただける毎月開催のフェア「壱角家の日」「すた
めしの日」「肉の日」等を実施しております。また、テイクアウト販売の強化を行い、新規顧客の獲得と既存顧客の
維持に取り組みました。それ以外にも店舗の収益改善に向けた施策、徹底したコスト管理を進めるとともに、人材の
積極的な採用や教育面の強化を実施し、業容拡大を図ってまいりました。また、『壱角家』『山下本気うどん』『情
熱のすためしどんどん』『鉄板王国』においてスマートフォン向けにブランド公式アプリの運用を行っております。
スタンプカードを紙からデジタルへ移行し、非接触とするコロナ対策としての取り組みの他、来店データの蓄積・分
析を行うことで、お客様に応じたクーポン配信や新商品の告知など、来店動機の喚起による販売促進強化を目指し運
用しております。
⑥フランチャイズ事業・社内独立制度
フランチャイズ展開を加速することで、市場シェア率をさらに高め、オペレーションノウハウを蓄積し、ブランド
力の向上・発展につながると期待しております。また当社は、売上のロイヤルティ等を通じて、確実に利益を積み上
げられることもメリットと感じております。
社内独立制度は、「自分の店を持ちたい」という従業員を支援する取り組みとなります。店舗運営業務委託契約を
結び、直営店舗と同様の食材仕入ルートや備品、設備を保障しており、一方で店舗管理や従業員の雇用はオーナーの
裁量によるものとなります。2024年2月末時点で2名がオーナーとして独立して店舗を運営しております。また、
2024年2月期末時点で壱角家、肉寿司、一竜の屋号で日本国内にフランチャイズ加盟企業24社、39店舗を展開してお
り、海外においては壱角家の屋号でマレーシア1企業2店舗、タイ1企業1店舗を展開しております。今後も国内は
もとより日本食文化の浸透を推進するべく海外へも出店をして参りたいと考えております。さらに、2024年3月より
山下本気うどんのフランチャイズ加盟募集を開始し、今までラーメン、肉寿司業態で培ったフランチャイズノウハウ
を活用し全国へ広がる既存加盟企業へ出店を促進したいと考えております。
リテンションマーケティング(既存取引店と良好な関係性を維持して行くマーケティング活動)により、展開の止
まった休眠及び離反加盟店を掘り起こし、更に迅速なサポート体制を維持することで顧客ロイヤルティ向上を実現
し、新規展開に繋げます。
また、山下本気うどんの展開で培った、様々なメディアを組み合わせ、相乗効果を高めたメディア戦略をフランチ
ャイズ展開に取り入れ、スピーディーに新規展開を推し進めます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の通りであります。
①人材の採用・確保、社員教育の徹底
当社では人材の確保を事業成長の礎と考えております。飲食業界においては恒常的な人手不足に陥っていますが、優秀な人材採用するためには、労働関連法令を遵守した上で社員のライフワークバランスを重視した労働環境を社員
へ提供することが必須条件だと考えております。当社では、シルバー層、女性、外国人等を積極に登用し優秀な人材
を確保すること、また社員教育制度を充実させ、接客業として顧客から選ばれる店舗、会社の確立を目指しておりま
す。
②経営管理体制の強化
あらゆるステークホルダーのための適切な情報管理・開示体制の構築、コンプライアンス体制の整備、的確な経営
方針の策定等のために漸次経営管理体制の強化を行ってまいります。
③衛生管理の強化、徹底
食の安心・安全の顧客への提供は、飲食事業を営む当社にとって最優先すべき事項であり、日頃からの衛生意識向
上、作業手順の遵守を行い、品質管理担当者による臨店の実施により、徹底した衛生管理の強化を行ってまいりま
す。
④新規出店地域の開拓
首都圏を中心に店舗展開しておりますが、国内では全国各地域から乗降者数、商圏小売額等を参考に物件を選定し
た上で新規出店を進めてまいります。
⑤新業態、新メニューの開発
既存の飲食事業については、業態の見直しや新メニューの開発を行うことによって常に消費者の嗜好に合った商品
提供及び店舗運営を継続的に行っていくことが、当社の課題のひとつであります。現状は、よりノウハウをもつ外
部(肉寿司を運営していた株式会社スパイスワークスや自ら飲食店を経営する料理人等)へ業務委託料を支払い、開
発商品を提供いただく形で進めております。
⑥安定した食材・原材料の調達
ロシアのウクライナ侵攻及び物流の停滞による食材・原材料の高騰は、世界的に安定した供給に大きな影響を及
ぼすものであります。また、国内においても鳥インフルエンザの影響のよる鶏卵・鶏肉の供給不足、価格高騰も課題
となりますが、購買による仕入れルートの多様化によりお客様へ安定した商品を提供いたしております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
「イマをHAPPYに」という企業理念のもと、ご来店いただくお客様をはじめ、当社ガーデンに関わる人達が、幸
せ・元気・笑顔になれる空間作りを経営の基本方針としております。
創業以来、カラオケ事業をはじめ、飲食事業、不動産事業等のM&Aを繰り返し、民事再生案件含め12社以上の企
業再生を実現することにより発展を遂げてまいりました。各社の異なる価値観、多様な文化や企業風土をプラスに融
合させるために、「GARDEN」という庭で手を取り合って歩んでいくという想いが社名に込められています。
また、当社のロゴの形を数字の6に見立て、「6」という数字が持つ「調和と融合・正しい選択と決断」という意
味から、6つの行動指針を掲げております。
飲食事業の運営におきましては、ブランド力強化に向けたQSCA(Q=クオリティ、S=サービス、C=クレンリネス、A=アトモスフィア)の向上を目指しております。衛生的で安全な店舗運営の維持と従業員の動作工数の削減、提供スピ
ードの向上に向けた既存店舗の内外装変更に取り組んでおります。
また、COVID-19感染の影響が収束に向かっているとみられておりますが、引き続き全従業員の健康管理の強化及
び、店舗における衛生管理に十分配慮し、お客様に安全で品質の高い商品の提供を行うことができるように、日々
「HAPPYな空間の提供」に向けて努めております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社では、事業拡大・企業価値向上を目指し、売上高成長率及び売上高経常利益率、ROA及びROEを重要な経営指標
と位置づけております。
・売上高経常利益率 10%以上
・ROA(総資産経常利益率) 10%以上
・ROE(自己資本当期純利益率) 10%以上
(3)経営環境
一般社団法人日本フードサービス協会の調査による外食産業の市場規模は、1997年の約29兆円からリーマンショッ
クや東日本大震災を経て、2011年には23兆円弱まで減少しました。その後は、外食支出額や訪日外国人の増加、消費
税増税等により売上前年比100%を超える微増を続け、2019年には26兆円まで回復しておりました。そのような中、
2020年以降はCOVID-19による感染症が世界的に猛威を振るい、外食産業にも深刻な影響がございました。
また、同協会による2024年1月25日発表の下図「外食産業市場動向調査 令和5年(2023年)年間結果報告」による
と、2023年の外食産業の全体の売上前年比は、1月にはコロナ第8波があったものの、3月に「マスク着用の緩
和」、5月には新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけを「5類」に移行(以下、「5類」移行)など、コロナに
よる行動制限が緩和から解除へと進み、社会経済環境は「ポストコロナ」へ移行しました。人流が戻り、年間を通し
て外食需要の回復基調が継続したことで、外食産業の全体売上は前年比114.1%、2019年比(以下19年比)107.7%と
なりました。これは、4月に入国規制などの水際対策が終了し、訪日外国人数が回復してインバウンド需要が拡大し
たことも売上増の一因となっています。
ただし、売上の回復傾向は続いているものの、「客単価の上昇」(全体前年比 107.3%)によるところが大きく、
「客数」についてはまだ19年の水準まで回復していないと推定され(全体19年比 90.9%)、また「人手不足の常態
化」など、外食産業を取り巻く環境は、「ポストコロナ」となっても依然厳しい状況が続いています。
出典:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 令和5年(2023年)年間結果報告」また、最新の株式会社富士経済の外食産業マーケティング便覧2024によると当社の主力業態及び成長ドライバー
である『壱角家』『山下本気うどん』が属するラーメン、うどん市場の将来予測については2023年に引き続き人々の
動きが活発化するなかで、イートインとの親和性が高い両業態の需要はさらに高まっていくとみられ、市場は続伸す
る見込みであるほか、水際対策のさらなる緩和によってインバウンド需要についても高まっていくとみられ、市場拡
大に寄与していくことが期待されております。
(4)経営戦略
①M&Aによる成長
当社は創業以来、12社の株式をM&Aにより取得し既存事業とのシナジーによる規模の拡大、新しい飲食ブラン
ドの獲得をしてまいりました。

また、M&Aにより被買収企業が持っていたフランチャイズ事業を引き継ぐことで直営事業以外の収益源を獲得
し、社内ノウハウを積み重ねながらフランチャイズ店舗数の増加に取り組んでおります。

当社は飲食を運営する企業に対しM&Aをすることにより、被買収企業の店舗を当社の既存ブランドに業態変更す
ることで収益力を強化、又は被買収企業のブランドをブラッシュアップし、さらに横展開することで企業収益を向
上させることに注力して参りました。
被買収企業の店舗物件を取得し当社の既存ブランドに変更することで物件取得までの費用、時間を大幅に短縮、被
買収企業のもつブランドを取得し業態開発の時間を省くことで効率よく運営することができます。

今後も当社は情報収集の強化に努め、過去に実施してきたM&Aにより社内に蓄積された知見、経験を活かし成長
戦略の一つとして活用して参ります。
②直営店舗新規出店
当社では、主力とする2ブランド『壱角家』『山下本気うどん』の継続的な新規出店を計画しております。
コロナ禍の序盤は1事業者あたりの給付金に留まり、営業補償が厚くなかったため、通常では空くことがなかったで
あろう好立地の路面店の撤退が相次ぎ、当社は新宿の歌舞伎町や神楽坂、渋谷の道玄坂など都心の一等地に店舗を借
り上げ、いずれも黒字店舗として運営し大きな利益を積むことができております。
(単位:千円)
| 2024年2月期実績 | 売上高 | 営業利益 |
| 壱角家(横浜道含む) | 8,964,607 | 2,002,882 |
| 山下本気うどん | 1,589,036 | 231,725 |

特に壱角家の既存店においては事業開始以来、乗降者数が20万人以上のターミナル駅を中心に、駅前型の立地にて
ドミナント戦略を展開しており、顧客が利用しやすい駅近の立地を戦略的に選定し今後も集客に取り組んでまいりま
す。また、当社では物件取得に際し、不動産事業とのシナジーを発揮しており、不動産事業を持たない競合他社に比
べ物件取得に優位性があります。レインズ(REINS)等の物件情報に直接アクセスすることができるため情報取得ま
での時間が短く、かつ自社運営サイトである「飲食店居抜き買い取り.com」では個人オーナーが撤退する際、売却を
サポートする事業も行っているため、当該サイトから一般市場に出ていない情報をいち早く獲得できております。今
後も不動産事業とのシナジーを活かし物件情報量、契約までのスピードを短縮するべく努力して参ります。

※1不動産物件情報交換のためのネットワークシステム/※2借主探しをオーナーから直接依頼された不動産業者/※3不動産売買に応じるお客様を見つけてくる仲介業者
『壱角家』では、2020年よりフードコートの出店に乗り出しました。各施設によるところではありますが、通常の
居抜き物件、スケルトン物件ほどの内装費用はかからず、厨房設備と屋号看板の設置といった少額の投資で参入が可
能ですが、入客数や利益も通常の路面店に匹敵することから投資回収を早期に完了させることができます。
上記のことから壱角家において既存店の出店立地は駅前で視認性の高い物件が大半を占めておりますが、今後は繁
華街への出店と並行してフードコートへの出店を随時行っていきます。
『山下本気うどん』はメディアの露出を積極的に行い、注目された業態であると認識しております。引き続き、集
客力が期待できる路面店を中心に店舗を展開いたします。出店立地に関してはうどん競合チェーン店が少ない繁華街
立地を中心に行い、2025年2月期以降は「壱角家」で成功事例のあるフードコート出店にも取り組んでまいりたいと
考えております。
③アプリ、メディア活用
2022年2月期からの取り組みとして各業態においてスマートフォンアプリを導入し、顧客のリピートに注力してお
ります。
2024年2月末現在、当社スマートフォンアプリのダウンロード数は50万人を超え今後もアプリにより通知機能を通
して行う販促活動や、利用毎に貯まるスタンプ機能を利用し来店者数の拡大を行ってまいります。また、メディアに
対しての積極的なアプローチに力を入れており、継続的なプレスリリースによる情報発信により新店舗出店、店舗で
のキャンペーン、新商品の発売等を消費者へお伝えできる仕組みを取り入れております。同時に広告代理店に営業活
動を委託、日本ハムファイターズの監督、新庄剛志氏を起用し、テレビ、雑誌、ウエブ媒体への露出を増やしブラン
ドイメージの構築を行っています。
2022年4月にオープンした渋谷ガーデンビルにおいては、1階を「壱角家渋谷センター街店」2階を「山下本気う
どん渋谷センター街」とし、屋上には広告用の3D電子ビジョンを設置しており、PR店舗としての運用を目的とし利
益を積むことに加え、知名度向上を目指して可能性を探りながら挑戦を進めてまいります。
当社のアプリ会員情報調べによれば『山下本気うどん』においては顧客の73%が30代以下で構成されており、当社
店舗に来店した同顧客からの情報発信による新規顧客の掘り起こし、リピーターとしての再来店動機につながるよ
う注力して参ります。
また、『壱角家』アプリは登録会員数35万ダウンロードを超え、多くのお客様にご利用いただいており、来店動機
を喚起するための来店ポイントの付与(10ポイント獲得でラーメン一杯無料)、トッピングクーポン配布による集客
を行っております。
※ 以下の図表は山下本気うどんにおけるアプリ会員情報となります。

④商品開発
壱角家ブランドで「醤油壱郎ラーメン」「濃厚魚介つけ麺」「冷やし中華」等の季節限定商品を随時投入した他、
『山下本気うどん』はうどんの麺に抹茶やキャラメルナッツ等で味付けをしたデザート「ぅドーナツ」の商品開発・
販売を行う等、顧客を飽きさせないよう、商品を一部定期的に変更しております。また、『山下本気うどん』の戦略
として高単価商品として全体の客単価を引き上げるキラー商品を安定して開発していくことを重要視し、社内プロジ
ェクトによる商品開発はもとより、外部のコンサルタントとともに開発を行ってまいります。

⑤販売促進策
各事業では一部商品の割引やその日限りの限定商品をお楽しみいただける毎月開催のフェア「壱角家の日」「すた
めしの日」「肉の日」等を実施しております。また、テイクアウト販売の強化を行い、新規顧客の獲得と既存顧客の
維持に取り組みました。それ以外にも店舗の収益改善に向けた施策、徹底したコスト管理を進めるとともに、人材の
積極的な採用や教育面の強化を実施し、業容拡大を図ってまいりました。また、『壱角家』『山下本気うどん』『情
熱のすためしどんどん』『鉄板王国』においてスマートフォン向けにブランド公式アプリの運用を行っております。
スタンプカードを紙からデジタルへ移行し、非接触とするコロナ対策としての取り組みの他、来店データの蓄積・分
析を行うことで、お客様に応じたクーポン配信や新商品の告知など、来店動機の喚起による販売促進強化を目指し運
用しております。
⑥フランチャイズ事業・社内独立制度
フランチャイズ展開を加速することで、市場シェア率をさらに高め、オペレーションノウハウを蓄積し、ブランド
力の向上・発展につながると期待しております。また当社は、売上のロイヤルティ等を通じて、確実に利益を積み上
げられることもメリットと感じております。
社内独立制度は、「自分の店を持ちたい」という従業員を支援する取り組みとなります。店舗運営業務委託契約を
結び、直営店舗と同様の食材仕入ルートや備品、設備を保障しており、一方で店舗管理や従業員の雇用はオーナーの
裁量によるものとなります。2024年2月末時点で2名がオーナーとして独立して店舗を運営しております。また、
2024年2月期末時点で壱角家、肉寿司、一竜の屋号で日本国内にフランチャイズ加盟企業24社、39店舗を展開してお
り、海外においては壱角家の屋号でマレーシア1企業2店舗、タイ1企業1店舗を展開しております。今後も国内は
もとより日本食文化の浸透を推進するべく海外へも出店をして参りたいと考えております。さらに、2024年3月より
山下本気うどんのフランチャイズ加盟募集を開始し、今までラーメン、肉寿司業態で培ったフランチャイズノウハウ
を活用し全国へ広がる既存加盟企業へ出店を促進したいと考えております。
リテンションマーケティング(既存取引店と良好な関係性を維持して行くマーケティング活動)により、展開の止
まった休眠及び離反加盟店を掘り起こし、更に迅速なサポート体制を維持することで顧客ロイヤルティ向上を実現
し、新規展開に繋げます。
また、山下本気うどんの展開で培った、様々なメディアを組み合わせ、相乗効果を高めたメディア戦略をフランチ
ャイズ展開に取り入れ、スピーディーに新規展開を推し進めます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の通りであります。
①人材の採用・確保、社員教育の徹底
当社では人材の確保を事業成長の礎と考えております。飲食業界においては恒常的な人手不足に陥っていますが、優秀な人材採用するためには、労働関連法令を遵守した上で社員のライフワークバランスを重視した労働環境を社員
へ提供することが必須条件だと考えております。当社では、シルバー層、女性、外国人等を積極に登用し優秀な人材
を確保すること、また社員教育制度を充実させ、接客業として顧客から選ばれる店舗、会社の確立を目指しておりま
す。
②経営管理体制の強化
あらゆるステークホルダーのための適切な情報管理・開示体制の構築、コンプライアンス体制の整備、的確な経営
方針の策定等のために漸次経営管理体制の強化を行ってまいります。
③衛生管理の強化、徹底
食の安心・安全の顧客への提供は、飲食事業を営む当社にとって最優先すべき事項であり、日頃からの衛生意識向
上、作業手順の遵守を行い、品質管理担当者による臨店の実施により、徹底した衛生管理の強化を行ってまいりま
す。
④新規出店地域の開拓
首都圏を中心に店舗展開しておりますが、国内では全国各地域から乗降者数、商圏小売額等を参考に物件を選定し
た上で新規出店を進めてまいります。
⑤新業態、新メニューの開発
既存の飲食事業については、業態の見直しや新メニューの開発を行うことによって常に消費者の嗜好に合った商品
提供及び店舗運営を継続的に行っていくことが、当社の課題のひとつであります。現状は、よりノウハウをもつ外
部(肉寿司を運営していた株式会社スパイスワークスや自ら飲食店を経営する料理人等)へ業務委託料を支払い、開
発商品を提供いただく形で進めております。
⑥安定した食材・原材料の調達
ロシアのウクライナ侵攻及び物流の停滞による食材・原材料の高騰は、世界的に安定した供給に大きな影響を及
ぼすものであります。また、国内においても鳥インフルエンザの影響のよる鶏卵・鶏肉の供給不足、価格高騰も課題
となりますが、購買による仕入れルートの多様化によりお客様へ安定した商品を提供いたしております。