有価証券報告書-第25期(2025/03/01-2026/02/28)

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2026/05/27 15:45
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有報資料

当社は、旅行・観光業界のデータ流通を担うビジネスハブとして、デジタルビジネスプラットフォーム事業を展開しています。膨大・複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する検索テクノロジーを基盤としたシステム開発やサービス提供、コンサルティングを通じ、インターネット上に存在する有益な情報を円滑に流通させることを企業活動の根幹に据えています。
当社は、複雑化するデータ環境において、ユーザーが目的とする情報に迅速に到達できる状態を実現することで、ビジネス機会の拡大及び付加価値の向上に貢献することを事業の本質としております。
創業当初から、独自の検索技術基盤「Spook(スプーク)」を軸に、業界固有の課題や個別顧客のニーズに対応してまいりました。本技術は、単に検索結果を提示するものではなく、企業ごとに異なるデータの形式や構造を整理・最適化し、高速に処理できるデータ形式に変換する点に特長があります。この技術基盤を活用し、当社はこれまで大手旅行会社の予約サイトや専門商社のECサイトなど、高度なデータ処理が求められる分野においてデジタルビジネスの進化に貢献してまいりました。
近年においては、こうした個別課題への対応を通じて蓄積した業界知見・経験を基に、事業領域を「検索」から「業務基盤」、さらに「データ流通基盤」へと拡張しております。特に旅行・観光業界においては、商品販売・業務管理を担うプラットフォーム「webコネクト」に加え、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」を展開し、業界全体のデータ流通を支える基盤の構築を推進しております。
(1) 事業の重点領域
当社の重点領域は、創業当初から継続して事業展開を行っている旅行・観光業界向けのサービス提供であります。当領域においては、日時、場所、部屋タイプ、食事条件、交通手段、経路など多様な要素が組み合わされるとともに、それらの在庫及び料金が外部システムと連携して時々刻々と変動するため、取り扱うデータは極めて複雑であり、高度なデータ処理及び業界特有の知識が求められます。
近年、旅行・観光業界においては、商品構成や販売チャネルの多様化、在庫・価格の変動の拡大にともない、取り扱うデータは一層複雑化しています。このような状況においては、個社ごとの最適化にとどまらず、業界横断的なデータ流通基盤の整備が不可欠となっております。当社は、こうした環境において、検索機能の高度化に加え、商品販売・予約管理・データ連携など、ビジネス全体を支えるシステム基盤の構築に取り組んでまいりました。
その成果として開発した「webコネクト」は、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能をモジュールとして提供する商品販売プラットフォームであり、多数の旅行会社に導入されております。さらに当社は、こうした基盤の上に、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」を展開することで、データ流通そのものを創出・拡大する取り組みを進めております。
このような取り組みを通じて、当社は旅行・観光業界におけるデータ流通を支える共通基盤としての役割を担うことを目指しております。
(2) 収益構造
当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントで、顧客ごとの要件に応じた個別ソリューション提供から標準化されたプロダクト提供までを含む形で事業を展開しております。提供形態としては、オンプレミス(顧客のシステム環境に導入して利用する形態)及びクラウド(当社のシステムをクラウド上のサービスとして提供する形態)の双方に対応しております。
当社においては、検索技術基盤「Spook」を活用したデータ処理システムの提供を「ソリューション型サービス」、旅行・観光商材の販売・業務基盤である「webコネクト」等の共同利用型のサービス提供を「SaaS型サービス」と位置付けています。当社の収益は、いずれの提供形態においても、主として開発収益及び月額収益により構成されております。開発収益は、基幹システムの構築や導入時の設定・カスタマイズ及び、導入に関連した各種コンサルティング等に係る対価であり、原則としてプロジェクトの進捗に応じて収益計上されます。月額収益は、システム稼働後の運用保守費やライセンス使用料、サービス利用料等により構成され、導入顧客数の増加にともなって安定的に積み上がる収益であります。
なお、従来の開示において「初期開発収益」としていた収益には、サービス導入時におけるシステム構築・設定に係る対価に加え、個別課題への対応、既存ソフトウェア資産の利用、改修、機能追加、導入に関連した各種コンサルティング等に係る対価も含まれております。また、特にエンタープライズ領域においては、導入後も継続的に顧客業務基盤の高度化に対応する開発が発生することから、「初期」という表現では収益実態を必ずしも十分に表さない側面がありました。このため、当社の収益構造をより実態に即して示す観点から、今後は「初期開発収益」ではなく「開発収益」として整理しております。
当社は、これらの収益基盤を拡大する過程において、顧客規模及び提供するサービス内容に応じて、事業をエンタープライズ、スタンダード、ベーシックの3つの区分で展開しております。
エンタープライズ領域においては、大手旅行会社向けに「webコネクト」を中心に高度なカスタマイズを伴う基幹システムの構築を行っております。当該領域では、開発期間が長期にわたる大型案件が中心となり、主として開発収益並びに稼働後の運用・保守収益により構成されます。本領域は、業務知識及びデータ構造に関する知見の蓄積を通じて、当社の事業基盤を強化する役割を担っております。
スタンダード領域においては、中堅事業者を中心に「webコネクト」を活用した販売・業務基盤の提供を主に行っております。当該領域では、標準機能をベースとしつつ必要に応じたカスタマイズを行うことで、導入効率と柔軟性の両立を図っており、主として月額利用料による継続収益により構成されます。本領域は、顧客基盤の拡大を通じて収益の安定化を図る役割を担っております。
ベーシック領域においては、小規模事業者向けに標準化された共同利用型サービスを中心に提供し、幅広い事業者のビジネスのデジタル化を支援しております。当該領域では、初期導入コストを抑えつつサービス利用の拡大を促進することで、データ流通の裾野拡大に寄与しております。
また当社は、これら各領域における顧客基盤の拡大及びデータ流通の活性化を通じて、「valueコネクト」を活用した成果連動型(テイクレート型)収益を獲得することを目指しております。テイクレート型収益は、特定の事業領域に限定されるものではなく、エンタープライズ、スタンダード、ベーシックの各領域において蓄積・拡大されるデータ流通の上に成立する収益機会として位置づけられております。
(3) 基盤技術及びサービスの特徴
当社は、検索技術基盤「Spook」、販売・業務基盤「webコネクト」及び商品流通基盤である「valueコネクト」の3つのプロダクトを展開しており、これらが相互に連携することで、統合的なデータ流通基盤としての機能を構築しております。
当社の技術の特徴は、単に個別機能を提供するだけではなく、企業ごとに異なるデータの形式や構造を整理・最適化し、柔軟なカスタマイズに対応しながら、最適なサービスを提供する点にあります。このデータ流通基盤の上で、検索、販売、予約、データ連携といった各機能の一体的な提供を可能とすることで、顧客のビジネス全体を支える仕組みを実現しております。
a. Spook
Spookは、顧客が保有する膨大かつ複雑なデータを高速かつ正確に処理する技術基盤であり、顧客ごとの業務要件に応じて最適化されたシステムとして提供するソリューション型サービスの中核を担っております。企業ごとに異なるデータ構造に柔軟に対応し、大規模かつ複雑なデータ処理を実現するシステム基盤として、ECサイトを中心に採用されております。
Spookの強みは、「検索結果を表示する」機能そのものではなく、その前提となるデータの形式や構造を整理・最適化し、高速に処理できるデータ形式に変換する点にあります。これにより、複雑な条件を伴う検索であっても高速かつ正確な処理が可能となり、顧客のビジネスにおける意思決定及び販売機会の最大化に寄与します。
b. webコネクト
webコネクトは、旅行・観光業界向けの商品販売・業務管理プラットフォームであり、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能を統合的に提供しております。
Spookによって構築された当社の技術基盤を基に、複雑な商品構造や外部システムと連携したリアルタイムな在庫・価格の変動に対応し、旅行・観光商品の販売業務を一体的に支援します。標準化された機能をベースとした共同利用型サービスとして提供されるとともに、顧客の業務要件に応じた柔軟なカスタマイズや部分的な活用にも対応することで、標準化と個別最適化の両立を実現しております。
c. valueコネクト
valueコネクトは、観光素材の提供者と販売事業者を接続し、共通の基盤上で商品情報及び在庫の流通を実現するサービスです。
本サービスにより、従来個別に行われていたシステム連携やデータ統合作業が効率化されるとともに、複数の事業者間でのデータ流通が促進されます。これにより、流通量の拡大及び新たな販売機会の創出が可能となり、業界全体の付加価値向上に寄与します。
(4) 事業系統図
当社の事業系統図は以下のとおりであります。

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