有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、当社におけるリスク管理の体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」における「②企業統治に関する事項及び当該体制を採用する理由 g.リスク管理・コンプライアンス委員会」及び「④リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業及び事業環境に関するリスク
① 出力制御リスク
太陽光発電や風力発電といった発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源においては、電力需給バランスを保ち電力供給の安定化を図ること、及び電源が送電容量制約を超過しないよう抑制することを目的とし、運転開始後における無制限・無補償の出力制御を受け入れることが系統への接続要件となる出力制御ルールを拡充する制度改定が2015年1月に行われました。
当社の発電所は出力制御を受けない自家消費施設が全体の約66%(発電容量ベース、2026年3月末時点)を占めており、FIT制度を利用して送配電網を通じて全量を売電するメガソーラーと比較して、出力制御リスクを抑えた形の事業構造となっております。一方で出力制御の対象となる余剰電力施設の開発数も伸びており、当該施設については出力制御を受けることにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社の発電所は流通小売施設等、周辺に電力需要があるエリアに多く分布していることから、こちらについても電力需要が少ないエリアにある土地型のメガソーラーと比較して出力制御の影響を受けにくい形となっていることと、再生可能エネルギーの発電が石炭火力等より優先されるように送電線混雑時の系統利用ルールの見直しが進められており、2022年12月から再給電方式(調整電源の活用)が導入、2023年12月には、新たな「出力制御対策パッケージ」として、再エネが優先的に活用される制度的な枠組みを措置していくことが示されており、出力制御の影響が低減されることも見込まれております。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中~長期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
② 物価上昇のリスク
「R.E.A.L. Solar Power」で発電される電力の顧客に対する売電単価は、契約上長期にわたり固定されております。そのため、我が国において長期的な経済状況の変化によって大幅な物価の上昇が生じ、それに合わせて契約上の売電単価が改定されない場合には、屋根上ソーラーの運営に係る収支のバランスが損なわれる可能性があります。GXソリューション事業においては、長期固定の売電収入ではなく、太陽光発電所の開発受託や発電所譲渡によるフロー収益により重きをおいたアライアンスソリューションの展開も進んでおり、当社におけるストック収入とフロー収入はより均衡の取れたバランスとなりつつありますが、大幅な物価上昇が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期は比較的長期と考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 設備や資材の価格上昇及び工事労務費高騰による発電設備開発コストの上昇リスク
当社は、太陽光発電設備の設置に関する工事を外部のEPC事業者に依頼しております。当該工事に係る開発コストは、各種資材価格及び工事従事者の労務費動向等の影響を受けますが、当社では、資材価格や工事労務費が上昇した場合においても、販売価格への転嫁を前提とした収益管理の仕組み、調達先の分散化、価格高騰リスクが見込まれる資材の先行調達、EPC事業者の受注や稼働状況(人員の余裕を含む)に応じた工期や人員調整等により、開発コストの安定化及び低減に努めております。
近年は資源価格の変動が大きく、工事に係る人手不足等の影響も受けて一般に資材価格及び工事労務費は上昇傾向にあることに加え、中東情勢の緊迫化等の影響により、これらの価格が想定以上にかつ短期間で高騰することも懸念されるため、開発コストの上昇によって、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
④ 法的規制等に起因するリスク
当社の主要な事業は、「R.E.A.L. Solar Power」を軸とするGXソリューション事業と、法人及び家庭への電力小売を軸とするエナジートレーディング事業であり、「電気事業法」、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」等の法的規制を受けております。また、これ以外にも「電力の小売営業に関する指針」、「適正な電力取引についての指針」等の法的規制や行政指導以外のガイドラインに基づいた事業活動を行っております。
将来これらの法令の改正や新たな法令規制、ガイドライン等が制定され当社の事業に適用された場合には、当社の事業はその制約を受ける可能性があります。当社の事業が制約を受けることが見込まれた場合には、法令改正等の内容に基づいて迅速な対応を行う方針ではありますが、法令改正等の内容によっては当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑤ 顧客や施設、EPC事業者側の事由、送配電事業者事由や天候要因、及び設備や資材等の供給が不足し、発電設備の工事スケジュールに遅延等が生じるリスク
当社は、発電設備の設置にあたっては、顧客施設の建物構造計算を実施し、発電設備を屋根上に長期間設置することが構造上問題ないことの検証を行った上で、着工の判断を行っております。かかる検証の結果、顧客施設の構造上、物理的に発電設備を設置することができない場合には、工事を中止せざるを得ない場合があります。
また、工事には停電を伴う工程があるため、各顧客施設の営業状況を鑑みて多数の施設における工事スケジュールの調整・管理を行っております。工事スケジュールの策定・調整・管理は、複数のEPC事業者と連携のもと、各社の施工キャパシティ(対応可能件数)を踏まえて余裕をもって実施するよう努めておりますが、突発的に生じ得る顧客施設側やEPC事業者側の都合によって、当初スケジュール通りに工事が実施できない場合があります。その他、送配電事業者との系統連系に関する事前申請手続きの状況や、工事期間における天候影響(猛暑や積雪による工程変更等)によって工事スケジュールが延期となる場合があります。
上述のような事由による工事の中止や延期については、過去の実績等を踏まえ、中止等を勘案するための係数設定や、遅延を勘案するために一定割合で遅延が生じる前提を設定し事業計画に織り込んでおります。なお、こうした事象が発生した場合には、数多ある開発中又は開発予定の他施設における工事の優先順位を引き上げる等の調整によって、全体の工事スケジュールや開発計画の変更リスクを最小限に抑える対策を実施しております。合わせて、EPC事業者の施工キャパシティの余裕を持った確保、EPC事業者との定例開催のミーティングにおける連携・調整等により、突発的な工事時期の調整が生じた場合でも柔軟に対応できる体制の拡充も進めております。
また、発電設備の調達において、半導体不足によるメーカーの製造遅延や、ヨーロッパ等の需要増に伴う海外メーカー製品の日本市場への供給量減少等に影響を受ける場合があります。
このため、当社では、商社と共同でメーカーに対する発注量の予測提出を行い、資材を商社で先行調達・在庫運用を行うことで資材の納品遅延リスクを最小限に抑える対策を実施しております。しかしながら、仮に工事の中止や延期事例が頻発した場合や、当社の想定どおりに先行調達等を行うことができなかった場合、先行調達の対象としていない資材の供給が予想に反して不足した場合等には、全体の工事スケジュールや開発計画に大幅な変更が必要になり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑥ 特定の四半期に収益が偏重するリスク
発電設備の設置にあたって顧客施設の屋根上での工事を行う都合上、地域にもよりますが、猛暑や積雪等の天候影響を受けやすい夏季や冬季においては工事を行いづらい場合があり、これらの時期を避けた第2四半期(10~12月)、第4四半期(4~6月)の新規稼働が比較的多くなる場合があります。これに伴って、特定の四半期に収益が偏重する可能性があり、特に第4四半期(4~6月)、中でも6月に新規稼働を予定していた案件については、雨を含む天候の影響、その他上述「⑤顧客や施設、EPC事業者側の事由、送配電事業者事由や天候要因、及び設備や資材等の供給が不足し、発電施設の工事スケジュールに遅延等が生じるリスク」記載の事由による複合的な要因により、稼働開始が翌事業年度にずれこむ可能性があります。この場合、当該事業年度における稼働件数や売上高計上額と差異が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような天候影響による工事スケジュール調整が個別案件に生じても、上期又は決算期中には完工できるよう、工事会社とは調整を行っていることに加え、数多ある開発中又は開発予定の他施設における工事の優先順位を引き上げる等の調整によって、全体の工事スケジュールや開発計画の変更リスクを最小限に抑える対策を実施しております。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑦ 特定の販売先への依存に係るリスク
当社は、「アライアンスソリューション」の「アセット譲渡型スキーム」の拡大を追求していく事業方針であり、本スキームが売上高及び売上総利益に占める比率は、今後高まっていくことを想定しております。
本スキームは複数のアライアンス先と取り組んでおり、各社との間で中期的な取り組み方針について合意の上、その方針に沿った規模でのアセット譲渡を計画しております。また、特定の販売先への過度な集中を回避するためにも、新規アライアンス先の開拓も引き続き行う予定であります。
しかしながら、新規アライアンス先の開拓の進捗や、アライアンス各社との取引条件、その他の要因により、特定のアライアンス先向けの販売額や利益が当社の売上高及び売上総利益に占める割合が上昇する可能性も想定されます。この場合において当該アライアンス先との取り組みの条件変更や、取り組み自体が継続困難になる等の事情が生じた際には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、販売額が最も大きいアライアンス先は、当事業年度(2025年6月期)においてはTLC VPP合同会社(売上高に占める割合:13.7%)であり、2026年6月期第3四半期累計期間においてはTLC VPP合同会社(売上高に占める割合:21.6%)であります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的大きいと想定しております。
⑧ 電力市場価格の変動リスク
当社はエナジートレーディング事業において、一部の電力をJEPXより調達しております。燃料価格の高騰等に伴うJEPXでのスポット価格の上昇により、当社の電源調達価格が上昇した場合に、かかる調達コスト増大分を供給単価に転嫁できるよう、当社では2023年1月に電気需給約款及び電気供給約款(低圧)を改定しております。この結果、電力供給の損益自体が逆鞘に陥るリスクは限定的ですが、電源調達及び顧客への電力供給それぞれに係る計上時期や算定期間、支払・入金サイトの兼ね合いで、損益計算書上の売上・原価のバランスやキャッシュ・フロー上の支払額と収受額のバランスが一時的に悪化する可能性があります。また、調達コスト増大分を顧客への供給単価に転嫁することで顧客の離脱に繋がる可能性や、顧客からの信用失墜に繋がる可能性があります。当社のエナジートレーディング事業においてJEPXからの電源調達依存分は、もとより割合としては限定的になるようコントロールしており、このようなリスクが重大な問題として顕在化する可能性は大きくはなく、また当該事象が発生した場合には、柔軟な資金調達等の対応に努めますが、JEPX価格が異常な高騰を示した場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑨ インバランス料金の変動リスク
一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則に基づき、需給計画と実際の需給量を30分単位で一致させる義務(計画値同時同量制度)を当社は負っており、それに過不足(インバランス)が生じた場合、一般送配電事業者との間でインバランス料金の精算が必要になります。当社ではスポット市場並びに時間前市場価格とインバランス価格の動向を確認し、インバランス価格のリスクを評価した上で需給計画を立てており、加えて電力受渡しの1時間前まで取引が可能な時間前取引を活用することで、インバランス発生及びインバランス精算コストの抑制に努めております。
需給バランスがひっ迫していない平時では、インバランス精算コストの影響は軽微ですが、需給バランスがひっ迫し、スポット価格、インバランス価格が上昇するタイミングにインバランス精算が発生する場合、収益に与える影響が平時よりも大きくなり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑩ 自然災害等に係るリスク
メガソーラー等の大型発電所の運営者は、自然災害等によって発電所が損害を被った場合に、事業全体として重大な影響を被るリスクを分散できないという問題を抱えておりますが、当社では多数の中小型発電所を、全国の幅広い地域で運用しております。従って、発電所が自然災害等により損傷し、当社の事業全体が深刻な影響を被るリスクは分散されております。また、自然災害による発電設備損害に備え、火災保険、利益保険に全ての発電所が加入しておりますが、特に広範な地域に大きな損害をもたらす大規模災害が生じた場合等においては、長期間にわたる設備の稼働停止や、発電設備の修繕に相応の期間が必要となる等、当社の事業運営に影響を与える可能性があります。
当社は、当該事象が発生した場合には、適切な対応に努めますが、事業への影響を完全に防止又は軽減できない可能性があり、結果として、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑪ 天候不順により想定した発電量を確保できないリスク
太陽光発電における発電量は日射量に大きく依存します。計画策定においては、過去の約17年の日射量実績や季節性を考慮しておりますが、日射量は当社によるコントロールが及ぶ事象ではございません。当社では多数の発電設備を全国の幅広い地域で運用しており、気象状況等に起因する日射量不足のリスクは分散できていると認識しておりますが、日射量の多い春季から秋季にかけての長期間の悪天候、新しい建物の建築等による周辺環境の変化、また、粉じん・黄砂・降灰等による直達光・散乱光の減少、更に冬季にかけての降雪等の様々な要因により、想定した発電量を確保できない可能性があり、このような場合には当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑫ 重大事故の発生リスク
当社はGXソリューション事業の開発工事における安全対策や品質管理には万全を期しておりますが、人身や施工物に関わる重大な事故が発生した場合、操業停止、当社に対する損害賠償請求や信用失墜等に繋がり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑬ 再生可能エネルギーに関する政策変更リスク
当社が事業を展開する再生可能エネルギー分野においては、政府による再生可能エネルギー導入拡大のための取り組みが積極的に進められており、世界的に取り組みが加速している気候変動問題への対応として、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」の実現、2021年4月に「2030年度の温室効果ガス排出46%削減(2013年度比)、更に50%削減の高みを目指す」という我が国の目標を表明し、2021年10月の「第6次エネルギー基本計画」及び2025年2月の「第7次エネルギー基本計画」においてその道筋を示しております。
足元では、2023年2月の「GX実現に向けた基本方針」の閣議決定や続く「GX推進法」「GX脱炭素電源法」の成立に代表されるように、上記のような政策目標や脱炭素化に向けた国際的潮流を背景に再生可能エネルギーの導入が後押しされており、当社を取り巻く経営環境は経営戦略の遂行上、大きな追い風になっていると認識しております。かかる状況は今後も継続するものと見込んでおりますが、このような政策に変化が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社としては随時政策動向の変化を把握するように努めており、当社事業に影響を及ぼす可能性が予見される場合には、迅速な対応を行う方針であります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑭ FIT制度において、今後の買取価格の変動、適用年数の変動等が生じた場合のリスク
当社は原則としてFIT制度を活用しない事業を展開しており、今後の当該制度における買取価格の変動、適用年数の変動等の影響を直接受けることはございません。一方で、当該制度からその利用者が得られる経済的メリットが増加する場合は、当社の太陽光発電所が生み出す再生可能エネルギーの売電価格や、当社による再生可能エネルギーの買取価格に影響を与え、この結果、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ただ、太陽光に関しては既にFIT制度を利用しなくとも経済合理性をもった普及段階に入っており、国民負担の上に成り立つFIT制度について、今後事業者にとっての条件面の優遇を行っていく可能性は少ないと考えております。なお、FIT制度を活用した場合の経済的メリットが減少する場合においては、当社の事業にとって追い風になる可能性があると認識しております。当社としては随時FIT制度に関する最新状況を把握するように努めており、当社事業に影響を及ぼす可能性が予見される場合には、迅速な対応を行う方針であります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑮ 事業許認可等に関するリスク
当社のエナジートレーディング事業を遂行するにあたっては、電気事業法に基づく小売電気事業者の登録(2015年11月取得)を受けているほか、電力広域的運営推進機関の会員資格(2015年4月取得)及び日本卸電力取引所の取引会員資格(2015年9月取得)を有していることが、主要な事業活動の前提となっております。これらの許認可・登録等については、いずれも有効期間の定めはなく、法令等に定められた要件を継続して充足する限り有効に存続いたします。本書提出日現在において、これらの継続に支障をきたす要因は発生しておりません。一方で、電気事業法に基づく命令若しくは処分への違反により公共の利益を阻害すると認められた場合や、不正の手段による登録、欠格事由への該当等が生じた場合には、小売電気事業者の登録が取り消される可能性があります。また、当該登録が取り消された場合には、電力広域的運営推進機関の会員資格及び日本卸電力取引所の取引会員資格の前提が失われ、これらの資格を喪失し、又は維持できなくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、当社のエナジートレーディング事業の継続が困難となり、当社の事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は大きいと想定しております。
(2)事業の運営体制に関するリスク
① 人材の獲得・育成に係るリスク
当社の継続的な事業拡大には、成長の段階に応じた適切な人材の獲得、育成、維持が重要であると認識しております。採用体制の強化や当社の知名度向上に伴い、近年は当社の望む人材の採用が進んでおり、組織体制は着実に強化されております。
しかしながら、今後の事業展開において、採用市場の影響等を受けてその時々で重要度が高い固有の能力をもった人材を適時に確保できない場合や人材が離職してしまった場合、又は人材育成が計画どおりに進展しない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。離職防止や人材育成に関しては、人材の管理・育成を担うミドルマネージャー層の育成に注力すべく、体系立てた研修プログラムを導入しております。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、比較的短期に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
② 特定人物への事業運営の依存リスク
代表取締役社長である秋田智一は、入社以降長年にわたり当社の事業上重要な役職を務めており、経営方針の決定や事業運営を含め、極めて重要な役割を果たしております。当社では、適切な権限委譲を図るための組織整備、社内の人材育成、社外取締役及び社外監査役を含む指名・報酬委員会での取締役の選解任の審議等を行うことによって、特定人物に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により秋田智一の業務遂行が困難になった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 伊藤忠商事株式会社との関係性
伊藤忠商事株式会社は、本書提出日現在、当社の議決権の24.7%を保有しているため、当社のその他の関係会社に該当いたします。同社は、当社の株主であると同時に当社との間で設備や資材等の調達、電力仕入等の関連当事者取引がありますが、取引の合理性及び妥当性は確保し、他の企業との取引条件等の比較等により取引条件の適正性等を確認しております。また、同社とは事業上の競合状況にはなく、相互に事業領域の調整等も生じておりません。
同社とは、同社の全国取引先ネットワークを活用した営業面及び太陽光パネル・蓄電池等の資材調達面を含め、既に幅広いシナジーを発揮しており、今後も連携を継続する方針でありますが、何らかの理由により今後の連携が困難となった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、営業チャネルの拡大や発注者として他商流との定期的な条件協議や比較検討を行う事で、そのような場合の事業影響を抑える対策を講じております。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
(3)会社組織の運営体制に関するリスク
① 情報管理に係るリスク
当社は、顧客の個人情報や取引先の機密情報を取扱っており、厳格な情報セキュリティが求められております。これらの情報管理に万全を期するため、管理体制の構築、社内規程の整備、システム上のセキュリティ対策を図るとともに、研修等により役職員の情報管理意識の向上に努めております。
しかしながら、万一、当社の故意・過失、又は第三者のサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合、当社に対する損害賠償請求や信用失墜等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的大きいと想定しております。
② システム障害に係るリスク
当社のGXソリューション事業においては、AI・IoT・クラウド等のデジタル技術を活用したサービスを、インターネットを介して提供しております。当社は安定的なサービスの提供を実現するために、サーバー設備の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する万全の備えをしておりますが、大規模なプログラム不良や不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、サービスの継続に支障が生じる可能性がある他、AIによる予測精度に関連して過大なインバランスが発生する等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 内部管理体制に係るリスク
当社は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題のひとつと位置付け、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。適切な管理体制のもとで役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しているものの、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
(4)財務リスク
① 負債性資金調達に係るリスク
当社は、GXソリューション事業における発電設備への投資資金及びエナジートレーディング事業における運転資金等への充当を資金使途として、金融機関からの借入を行っている他、設備投資の一部についてリースを活用しており、2025年6月期末における自己資本比率は15.8%(前連結会計年度末13.7%)、短期借入金や1年内返済予定の長期借入金、リース債務、長期借入金及び長期リース債務の合計が273億円(総資産に占める割合は65.7%)と有利子負債への依存度が高くなっております。有利子負債への依存度低下に向けた施策として、アライアンスソリューションの拡大により当社の自己資金負担を抑制しながらのGXソリューション事業の拡大が進んでおります。また今後も有利子負債への一定の依存は継続すると見込んでいるため負債調達の手段の多様化にも取り組んでおり、銀行借入の他、リースの活用、GXソリューション事業から得られるキャッシュ・フローを裏付けとしたプロジェクトファイナンスやプロジェクトボンドの活用等、方法の多様化を絶えず検討しており、適正条件での負債調達に務めております。
一方で、一層有利子負債への依存度が高くなることによる財務体質の悪化や、業績悪化等による当社信用力の低下、金融機関の融資姿勢の変化等によっては今後の資金調達が困難になるリスクがあり、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、比較的中期に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
② 金利上昇リスク
当社全体の借入のうち、過半は変動金利を固定金利にスワップしている又は料率が長期固定のリースを活用しているため、市中金利が上昇する局面において、既存借入に係る利払いが大幅に上昇するリスクは概ね抑制されておりますが、新規に調達する借入については金利上昇局面においては、調達コストが増加いたします。資金調達コストの増加分について、当社の各種サービス提供価格への一定の転嫁は検討しうるものの、極端に金利が上昇した場合や業績悪化等により当社の信用力が低下した場合には、利払い負担の増加により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、比較的短期に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 財務制限条項への抵触リスク
当社の資金調達に係る契約には財務制限条項が付されている契約が多くあり、当事業年度以降においては経常利益及び当期純利益の計上を見込んでいることから財務制限条項へ抵触するリスクは低いと判断しているものの、財務制限条項へ抵触した場合には、資金調達先の請求により期限の利益を喪失し、当社の財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を与える可能性があります。当該財務制限条項は、「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 貸借対照表関係 ※6 財務制限条項」に記載しております。なお、株式会社みずほ銀行とのコミットメントライン契約(契約日2022年11月29日)、株式会社みなと銀行とのコベナンツ付融資に関する特約書(契約日2019年11月29日)に関して2022年6月期決算において財務制限条項に抵触した事例(いずれも経常損益黒字維持という条件への抵触)がありますが、各金融機関に対して当該抵触の内容及び発生要因、今後の業績見通し等について適時適切に説明するとともに、継続的な協議及びコミュニケーションを行った結果、いずれの金融機関からも債務の弁済は求められておりません。引続き財務制限条項へ抵触することのないよう当社事業の収益性確保を着実に行いながら、金融機関との関係の維持・強化にも努めることで、仮に財務制限条項へ抵触する事態が生じた場合においてもリスク低減を図りたいと考えております。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的大きいと想定しております。
④ 売掛債権管理上のリスク
当社では法人・個人を含む幅広い顧客に対し売上債権を有していますが、取引先ごとに売上債権の回収状況・滞留状況のチェックを行い、社内規程に従い管理しております。滞留債権の発生防止に努め、一定の基準により引当処理をしておりますが、予期せぬ事態により債権回収に支障が生じた場合は当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑤ 新株予約権による希薄化リスク
当社は、役職員等の業績向上に対する意欲や士気向上のため、ストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在、ストック・オプションによる潜在株式総数は4,390,000株であり、発行済株式総数の13.7%に相当しております。これらのストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中~長期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑥ 配当政策について
当社は現在、成長過程にあると認識しており、将来の事業展開に向けた設備投資や財務体質強化を重視する観点から、創業以来配当を実施しておりません。将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益配分を検討いたしますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であり、また、事業環境の変化などによりこの配当政策を変更する可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業及び事業環境に関するリスク
① 出力制御リスク
太陽光発電や風力発電といった発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源においては、電力需給バランスを保ち電力供給の安定化を図ること、及び電源が送電容量制約を超過しないよう抑制することを目的とし、運転開始後における無制限・無補償の出力制御を受け入れることが系統への接続要件となる出力制御ルールを拡充する制度改定が2015年1月に行われました。
当社の発電所は出力制御を受けない自家消費施設が全体の約66%(発電容量ベース、2026年3月末時点)を占めており、FIT制度を利用して送配電網を通じて全量を売電するメガソーラーと比較して、出力制御リスクを抑えた形の事業構造となっております。一方で出力制御の対象となる余剰電力施設の開発数も伸びており、当該施設については出力制御を受けることにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社の発電所は流通小売施設等、周辺に電力需要があるエリアに多く分布していることから、こちらについても電力需要が少ないエリアにある土地型のメガソーラーと比較して出力制御の影響を受けにくい形となっていることと、再生可能エネルギーの発電が石炭火力等より優先されるように送電線混雑時の系統利用ルールの見直しが進められており、2022年12月から再給電方式(調整電源の活用)が導入、2023年12月には、新たな「出力制御対策パッケージ」として、再エネが優先的に活用される制度的な枠組みを措置していくことが示されており、出力制御の影響が低減されることも見込まれております。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中~長期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
② 物価上昇のリスク
「R.E.A.L. Solar Power」で発電される電力の顧客に対する売電単価は、契約上長期にわたり固定されております。そのため、我が国において長期的な経済状況の変化によって大幅な物価の上昇が生じ、それに合わせて契約上の売電単価が改定されない場合には、屋根上ソーラーの運営に係る収支のバランスが損なわれる可能性があります。GXソリューション事業においては、長期固定の売電収入ではなく、太陽光発電所の開発受託や発電所譲渡によるフロー収益により重きをおいたアライアンスソリューションの展開も進んでおり、当社におけるストック収入とフロー収入はより均衡の取れたバランスとなりつつありますが、大幅な物価上昇が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期は比較的長期と考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 設備や資材の価格上昇及び工事労務費高騰による発電設備開発コストの上昇リスク
当社は、太陽光発電設備の設置に関する工事を外部のEPC事業者に依頼しております。当該工事に係る開発コストは、各種資材価格及び工事従事者の労務費動向等の影響を受けますが、当社では、資材価格や工事労務費が上昇した場合においても、販売価格への転嫁を前提とした収益管理の仕組み、調達先の分散化、価格高騰リスクが見込まれる資材の先行調達、EPC事業者の受注や稼働状況(人員の余裕を含む)に応じた工期や人員調整等により、開発コストの安定化及び低減に努めております。
近年は資源価格の変動が大きく、工事に係る人手不足等の影響も受けて一般に資材価格及び工事労務費は上昇傾向にあることに加え、中東情勢の緊迫化等の影響により、これらの価格が想定以上にかつ短期間で高騰することも懸念されるため、開発コストの上昇によって、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
④ 法的規制等に起因するリスク
当社の主要な事業は、「R.E.A.L. Solar Power」を軸とするGXソリューション事業と、法人及び家庭への電力小売を軸とするエナジートレーディング事業であり、「電気事業法」、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」等の法的規制を受けております。また、これ以外にも「電力の小売営業に関する指針」、「適正な電力取引についての指針」等の法的規制や行政指導以外のガイドラインに基づいた事業活動を行っております。
将来これらの法令の改正や新たな法令規制、ガイドライン等が制定され当社の事業に適用された場合には、当社の事業はその制約を受ける可能性があります。当社の事業が制約を受けることが見込まれた場合には、法令改正等の内容に基づいて迅速な対応を行う方針ではありますが、法令改正等の内容によっては当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑤ 顧客や施設、EPC事業者側の事由、送配電事業者事由や天候要因、及び設備や資材等の供給が不足し、発電設備の工事スケジュールに遅延等が生じるリスク
当社は、発電設備の設置にあたっては、顧客施設の建物構造計算を実施し、発電設備を屋根上に長期間設置することが構造上問題ないことの検証を行った上で、着工の判断を行っております。かかる検証の結果、顧客施設の構造上、物理的に発電設備を設置することができない場合には、工事を中止せざるを得ない場合があります。
また、工事には停電を伴う工程があるため、各顧客施設の営業状況を鑑みて多数の施設における工事スケジュールの調整・管理を行っております。工事スケジュールの策定・調整・管理は、複数のEPC事業者と連携のもと、各社の施工キャパシティ(対応可能件数)を踏まえて余裕をもって実施するよう努めておりますが、突発的に生じ得る顧客施設側やEPC事業者側の都合によって、当初スケジュール通りに工事が実施できない場合があります。その他、送配電事業者との系統連系に関する事前申請手続きの状況や、工事期間における天候影響(猛暑や積雪による工程変更等)によって工事スケジュールが延期となる場合があります。
上述のような事由による工事の中止や延期については、過去の実績等を踏まえ、中止等を勘案するための係数設定や、遅延を勘案するために一定割合で遅延が生じる前提を設定し事業計画に織り込んでおります。なお、こうした事象が発生した場合には、数多ある開発中又は開発予定の他施設における工事の優先順位を引き上げる等の調整によって、全体の工事スケジュールや開発計画の変更リスクを最小限に抑える対策を実施しております。合わせて、EPC事業者の施工キャパシティの余裕を持った確保、EPC事業者との定例開催のミーティングにおける連携・調整等により、突発的な工事時期の調整が生じた場合でも柔軟に対応できる体制の拡充も進めております。
また、発電設備の調達において、半導体不足によるメーカーの製造遅延や、ヨーロッパ等の需要増に伴う海外メーカー製品の日本市場への供給量減少等に影響を受ける場合があります。
このため、当社では、商社と共同でメーカーに対する発注量の予測提出を行い、資材を商社で先行調達・在庫運用を行うことで資材の納品遅延リスクを最小限に抑える対策を実施しております。しかしながら、仮に工事の中止や延期事例が頻発した場合や、当社の想定どおりに先行調達等を行うことができなかった場合、先行調達の対象としていない資材の供給が予想に反して不足した場合等には、全体の工事スケジュールや開発計画に大幅な変更が必要になり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑥ 特定の四半期に収益が偏重するリスク
発電設備の設置にあたって顧客施設の屋根上での工事を行う都合上、地域にもよりますが、猛暑や積雪等の天候影響を受けやすい夏季や冬季においては工事を行いづらい場合があり、これらの時期を避けた第2四半期(10~12月)、第4四半期(4~6月)の新規稼働が比較的多くなる場合があります。これに伴って、特定の四半期に収益が偏重する可能性があり、特に第4四半期(4~6月)、中でも6月に新規稼働を予定していた案件については、雨を含む天候の影響、その他上述「⑤顧客や施設、EPC事業者側の事由、送配電事業者事由や天候要因、及び設備や資材等の供給が不足し、発電施設の工事スケジュールに遅延等が生じるリスク」記載の事由による複合的な要因により、稼働開始が翌事業年度にずれこむ可能性があります。この場合、当該事業年度における稼働件数や売上高計上額と差異が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような天候影響による工事スケジュール調整が個別案件に生じても、上期又は決算期中には完工できるよう、工事会社とは調整を行っていることに加え、数多ある開発中又は開発予定の他施設における工事の優先順位を引き上げる等の調整によって、全体の工事スケジュールや開発計画の変更リスクを最小限に抑える対策を実施しております。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑦ 特定の販売先への依存に係るリスク
当社は、「アライアンスソリューション」の「アセット譲渡型スキーム」の拡大を追求していく事業方針であり、本スキームが売上高及び売上総利益に占める比率は、今後高まっていくことを想定しております。
本スキームは複数のアライアンス先と取り組んでおり、各社との間で中期的な取り組み方針について合意の上、その方針に沿った規模でのアセット譲渡を計画しております。また、特定の販売先への過度な集中を回避するためにも、新規アライアンス先の開拓も引き続き行う予定であります。
しかしながら、新規アライアンス先の開拓の進捗や、アライアンス各社との取引条件、その他の要因により、特定のアライアンス先向けの販売額や利益が当社の売上高及び売上総利益に占める割合が上昇する可能性も想定されます。この場合において当該アライアンス先との取り組みの条件変更や、取り組み自体が継続困難になる等の事情が生じた際には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、販売額が最も大きいアライアンス先は、当事業年度(2025年6月期)においてはTLC VPP合同会社(売上高に占める割合:13.7%)であり、2026年6月期第3四半期累計期間においてはTLC VPP合同会社(売上高に占める割合:21.6%)であります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的大きいと想定しております。
⑧ 電力市場価格の変動リスク
当社はエナジートレーディング事業において、一部の電力をJEPXより調達しております。燃料価格の高騰等に伴うJEPXでのスポット価格の上昇により、当社の電源調達価格が上昇した場合に、かかる調達コスト増大分を供給単価に転嫁できるよう、当社では2023年1月に電気需給約款及び電気供給約款(低圧)を改定しております。この結果、電力供給の損益自体が逆鞘に陥るリスクは限定的ですが、電源調達及び顧客への電力供給それぞれに係る計上時期や算定期間、支払・入金サイトの兼ね合いで、損益計算書上の売上・原価のバランスやキャッシュ・フロー上の支払額と収受額のバランスが一時的に悪化する可能性があります。また、調達コスト増大分を顧客への供給単価に転嫁することで顧客の離脱に繋がる可能性や、顧客からの信用失墜に繋がる可能性があります。当社のエナジートレーディング事業においてJEPXからの電源調達依存分は、もとより割合としては限定的になるようコントロールしており、このようなリスクが重大な問題として顕在化する可能性は大きくはなく、また当該事象が発生した場合には、柔軟な資金調達等の対応に努めますが、JEPX価格が異常な高騰を示した場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑨ インバランス料金の変動リスク
一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則に基づき、需給計画と実際の需給量を30分単位で一致させる義務(計画値同時同量制度)を当社は負っており、それに過不足(インバランス)が生じた場合、一般送配電事業者との間でインバランス料金の精算が必要になります。当社ではスポット市場並びに時間前市場価格とインバランス価格の動向を確認し、インバランス価格のリスクを評価した上で需給計画を立てており、加えて電力受渡しの1時間前まで取引が可能な時間前取引を活用することで、インバランス発生及びインバランス精算コストの抑制に努めております。
需給バランスがひっ迫していない平時では、インバランス精算コストの影響は軽微ですが、需給バランスがひっ迫し、スポット価格、インバランス価格が上昇するタイミングにインバランス精算が発生する場合、収益に与える影響が平時よりも大きくなり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑩ 自然災害等に係るリスク
メガソーラー等の大型発電所の運営者は、自然災害等によって発電所が損害を被った場合に、事業全体として重大な影響を被るリスクを分散できないという問題を抱えておりますが、当社では多数の中小型発電所を、全国の幅広い地域で運用しております。従って、発電所が自然災害等により損傷し、当社の事業全体が深刻な影響を被るリスクは分散されております。また、自然災害による発電設備損害に備え、火災保険、利益保険に全ての発電所が加入しておりますが、特に広範な地域に大きな損害をもたらす大規模災害が生じた場合等においては、長期間にわたる設備の稼働停止や、発電設備の修繕に相応の期間が必要となる等、当社の事業運営に影響を与える可能性があります。
当社は、当該事象が発生した場合には、適切な対応に努めますが、事業への影響を完全に防止又は軽減できない可能性があり、結果として、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑪ 天候不順により想定した発電量を確保できないリスク
太陽光発電における発電量は日射量に大きく依存します。計画策定においては、過去の約17年の日射量実績や季節性を考慮しておりますが、日射量は当社によるコントロールが及ぶ事象ではございません。当社では多数の発電設備を全国の幅広い地域で運用しており、気象状況等に起因する日射量不足のリスクは分散できていると認識しておりますが、日射量の多い春季から秋季にかけての長期間の悪天候、新しい建物の建築等による周辺環境の変化、また、粉じん・黄砂・降灰等による直達光・散乱光の減少、更に冬季にかけての降雪等の様々な要因により、想定した発電量を確保できない可能性があり、このような場合には当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑫ 重大事故の発生リスク
当社はGXソリューション事業の開発工事における安全対策や品質管理には万全を期しておりますが、人身や施工物に関わる重大な事故が発生した場合、操業停止、当社に対する損害賠償請求や信用失墜等に繋がり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
⑬ 再生可能エネルギーに関する政策変更リスク
当社が事業を展開する再生可能エネルギー分野においては、政府による再生可能エネルギー導入拡大のための取り組みが積極的に進められており、世界的に取り組みが加速している気候変動問題への対応として、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」の実現、2021年4月に「2030年度の温室効果ガス排出46%削減(2013年度比)、更に50%削減の高みを目指す」という我が国の目標を表明し、2021年10月の「第6次エネルギー基本計画」及び2025年2月の「第7次エネルギー基本計画」においてその道筋を示しております。
足元では、2023年2月の「GX実現に向けた基本方針」の閣議決定や続く「GX推進法」「GX脱炭素電源法」の成立に代表されるように、上記のような政策目標や脱炭素化に向けた国際的潮流を背景に再生可能エネルギーの導入が後押しされており、当社を取り巻く経営環境は経営戦略の遂行上、大きな追い風になっていると認識しております。かかる状況は今後も継続するものと見込んでおりますが、このような政策に変化が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社としては随時政策動向の変化を把握するように努めており、当社事業に影響を及ぼす可能性が予見される場合には、迅速な対応を行う方針であります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑭ FIT制度において、今後の買取価格の変動、適用年数の変動等が生じた場合のリスク
当社は原則としてFIT制度を活用しない事業を展開しており、今後の当該制度における買取価格の変動、適用年数の変動等の影響を直接受けることはございません。一方で、当該制度からその利用者が得られる経済的メリットが増加する場合は、当社の太陽光発電所が生み出す再生可能エネルギーの売電価格や、当社による再生可能エネルギーの買取価格に影響を与え、この結果、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ただ、太陽光に関しては既にFIT制度を利用しなくとも経済合理性をもった普及段階に入っており、国民負担の上に成り立つFIT制度について、今後事業者にとっての条件面の優遇を行っていく可能性は少ないと考えております。なお、FIT制度を活用した場合の経済的メリットが減少する場合においては、当社の事業にとって追い風になる可能性があると認識しております。当社としては随時FIT制度に関する最新状況を把握するように努めており、当社事業に影響を及ぼす可能性が予見される場合には、迅速な対応を行う方針であります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑮ 事業許認可等に関するリスク
当社のエナジートレーディング事業を遂行するにあたっては、電気事業法に基づく小売電気事業者の登録(2015年11月取得)を受けているほか、電力広域的運営推進機関の会員資格(2015年4月取得)及び日本卸電力取引所の取引会員資格(2015年9月取得)を有していることが、主要な事業活動の前提となっております。これらの許認可・登録等については、いずれも有効期間の定めはなく、法令等に定められた要件を継続して充足する限り有効に存続いたします。本書提出日現在において、これらの継続に支障をきたす要因は発生しておりません。一方で、電気事業法に基づく命令若しくは処分への違反により公共の利益を阻害すると認められた場合や、不正の手段による登録、欠格事由への該当等が生じた場合には、小売電気事業者の登録が取り消される可能性があります。また、当該登録が取り消された場合には、電力広域的運営推進機関の会員資格及び日本卸電力取引所の取引会員資格の前提が失われ、これらの資格を喪失し、又は維持できなくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、当社のエナジートレーディング事業の継続が困難となり、当社の事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は大きいと想定しております。
(2)事業の運営体制に関するリスク
① 人材の獲得・育成に係るリスク
当社の継続的な事業拡大には、成長の段階に応じた適切な人材の獲得、育成、維持が重要であると認識しております。採用体制の強化や当社の知名度向上に伴い、近年は当社の望む人材の採用が進んでおり、組織体制は着実に強化されております。
しかしながら、今後の事業展開において、採用市場の影響等を受けてその時々で重要度が高い固有の能力をもった人材を適時に確保できない場合や人材が離職してしまった場合、又は人材育成が計画どおりに進展しない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。離職防止や人材育成に関しては、人材の管理・育成を担うミドルマネージャー層の育成に注力すべく、体系立てた研修プログラムを導入しております。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、比較的短期に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
② 特定人物への事業運営の依存リスク
代表取締役社長である秋田智一は、入社以降長年にわたり当社の事業上重要な役職を務めており、経営方針の決定や事業運営を含め、極めて重要な役割を果たしております。当社では、適切な権限委譲を図るための組織整備、社内の人材育成、社外取締役及び社外監査役を含む指名・報酬委員会での取締役の選解任の審議等を行うことによって、特定人物に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により秋田智一の業務遂行が困難になった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 伊藤忠商事株式会社との関係性
伊藤忠商事株式会社は、本書提出日現在、当社の議決権の24.7%を保有しているため、当社のその他の関係会社に該当いたします。同社は、当社の株主であると同時に当社との間で設備や資材等の調達、電力仕入等の関連当事者取引がありますが、取引の合理性及び妥当性は確保し、他の企業との取引条件等の比較等により取引条件の適正性等を確認しております。また、同社とは事業上の競合状況にはなく、相互に事業領域の調整等も生じておりません。
同社とは、同社の全国取引先ネットワークを活用した営業面及び太陽光パネル・蓄電池等の資材調達面を含め、既に幅広いシナジーを発揮しており、今後も連携を継続する方針でありますが、何らかの理由により今後の連携が困難となった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、営業チャネルの拡大や発注者として他商流との定期的な条件協議や比較検討を行う事で、そのような場合の事業影響を抑える対策を講じております。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
(3)会社組織の運営体制に関するリスク
① 情報管理に係るリスク
当社は、顧客の個人情報や取引先の機密情報を取扱っており、厳格な情報セキュリティが求められております。これらの情報管理に万全を期するため、管理体制の構築、社内規程の整備、システム上のセキュリティ対策を図るとともに、研修等により役職員の情報管理意識の向上に努めております。
しかしながら、万一、当社の故意・過失、又は第三者のサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合、当社に対する損害賠償請求や信用失墜等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的大きいと想定しております。
② システム障害に係るリスク
当社のGXソリューション事業においては、AI・IoT・クラウド等のデジタル技術を活用したサービスを、インターネットを介して提供しております。当社は安定的なサービスの提供を実現するために、サーバー設備の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する万全の備えをしておりますが、大規模なプログラム不良や不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、サービスの継続に支障が生じる可能性がある他、AIによる予測精度に関連して過大なインバランスが発生する等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 内部管理体制に係るリスク
当社は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営の重要課題のひとつと位置付け、内部統制システムの適切な運用に努め、同システムの充実・強化を継続的に図っております。適切な管理体制のもとで役職員の不正及び不法行為の防止に万全を期しているものの、万が一不正及び不法行為が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は比較的低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
(4)財務リスク
① 負債性資金調達に係るリスク
当社は、GXソリューション事業における発電設備への投資資金及びエナジートレーディング事業における運転資金等への充当を資金使途として、金融機関からの借入を行っている他、設備投資の一部についてリースを活用しており、2025年6月期末における自己資本比率は15.8%(前連結会計年度末13.7%)、短期借入金や1年内返済予定の長期借入金、リース債務、長期借入金及び長期リース債務の合計が273億円(総資産に占める割合は65.7%)と有利子負債への依存度が高くなっております。有利子負債への依存度低下に向けた施策として、アライアンスソリューションの拡大により当社の自己資金負担を抑制しながらのGXソリューション事業の拡大が進んでおります。また今後も有利子負債への一定の依存は継続すると見込んでいるため負債調達の手段の多様化にも取り組んでおり、銀行借入の他、リースの活用、GXソリューション事業から得られるキャッシュ・フローを裏付けとしたプロジェクトファイナンスやプロジェクトボンドの活用等、方法の多様化を絶えず検討しており、適正条件での負債調達に務めております。
一方で、一層有利子負債への依存度が高くなることによる財務体質の悪化や、業績悪化等による当社信用力の低下、金融機関の融資姿勢の変化等によっては今後の資金調達が困難になるリスクがあり、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、比較的中期に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
② 金利上昇リスク
当社全体の借入のうち、過半は変動金利を固定金利にスワップしている又は料率が長期固定のリースを活用しているため、市中金利が上昇する局面において、既存借入に係る利払いが大幅に上昇するリスクは概ね抑制されておりますが、新規に調達する借入については金利上昇局面においては、調達コストが増加いたします。資金調達コストの増加分について、当社の各種サービス提供価格への一定の転嫁は検討しうるものの、極端に金利が上昇した場合や業績悪化等により当社の信用力が低下した場合には、利払い負担の増加により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、比較的短期に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は中程度と想定しております。
③ 財務制限条項への抵触リスク
当社の資金調達に係る契約には財務制限条項が付されている契約が多くあり、当事業年度以降においては経常利益及び当期純利益の計上を見込んでいることから財務制限条項へ抵触するリスクは低いと判断しているものの、財務制限条項へ抵触した場合には、資金調達先の請求により期限の利益を喪失し、当社の財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を与える可能性があります。当該財務制限条項は、「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 貸借対照表関係 ※6 財務制限条項」に記載しております。なお、株式会社みずほ銀行とのコミットメントライン契約(契約日2022年11月29日)、株式会社みなと銀行とのコベナンツ付融資に関する特約書(契約日2019年11月29日)に関して2022年6月期決算において財務制限条項に抵触した事例(いずれも経常損益黒字維持という条件への抵触)がありますが、各金融機関に対して当該抵触の内容及び発生要因、今後の業績見通し等について適時適切に説明するとともに、継続的な協議及びコミュニケーションを行った結果、いずれの金融機関からも債務の弁済は求められておりません。引続き財務制限条項へ抵触することのないよう当社事業の収益性確保を着実に行いながら、金融機関との関係の維持・強化にも努めることで、仮に財務制限条項へ抵触する事態が生じた場合においてもリスク低減を図りたいと考えております。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的大きいと想定しております。
④ 売掛債権管理上のリスク
当社では法人・個人を含む幅広い顧客に対し売上債権を有していますが、取引先ごとに売上債権の回収状況・滞留状況のチェックを行い、社内規程に従い管理しております。滞留債権の発生防止に努め、一定の基準により引当処理をしておりますが、予期せぬ事態により債権回収に支障が生じた場合は当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑤ 新株予約権による希薄化リスク
当社は、役職員等の業績向上に対する意欲や士気向上のため、ストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在、ストック・オプションによる潜在株式総数は4,390,000株であり、発行済株式総数の13.7%に相当しております。これらのストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は中程度と想定しており、中~長期的に顕在化する可能性もあると考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。
⑥ 配当政策について
当社は現在、成長過程にあると認識しており、将来の事業展開に向けた設備投資や財務体質強化を重視する観点から、創業以来配当を実施しておりません。将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益配分を検討いたしますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であり、また、事業環境の変化などによりこの配当政策を変更する可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと想定しており、顕在化する可能性のある時期の特定は難しいと考えております。また、顕在化した場合の当社業績への影響度は比較的小さいと想定しております。