訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2025/12/10 15:30
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有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「わかりあう願いをつなごう」というミッションを掲げ、事業運営を行っております。その中でも当社は、主要な事業としてライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」を開発及び運営しております。
(2) 経営環境
当社グループは、昨今のテクノロジーの発達に伴い、個人の価値観が多様化し、「皆が同じ有名人を推す時代」から「自分の「小さな推し」を見つける時代」へと変化を遂げていると捉えており、「自分の物語(ナラティブ)」の有無が、個人のエンゲージメントやコミュニティへの帰属意識を左右する重要な要素であると考えております。
ミラティブ事業が属するモバイルコンテンツ市場は、2025年7月公表の一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム調査によると、2024年時点で前年比11%増の3兆2,458億円と成長しております。また、当社グループが属するデジタルエンターテインメント市場においては、2025年5月公表のエンタメ・クリエイティブ産業政策研究会の中間とりまとめ(経済産業省)によると、世界のコンテンツ市場規模は2018年から2027年までCAGR5%で成長すると予測されているなど拡大基調が継続しております。また、「ファミ通モバイルゲーム白書2025(株式会社角川アスキー総合研究所)」によると、2024年の世界のモバイルゲーム市場規模は12兆4,103億円と試算されている他、「2025年 VTuber市場の徹底研究~市場調査編(株式会社矢野経済研究所)」によると、2025年度のVTuber市場は前年度比120.0%の1,260億円と予測されている等、モバイルゲーム、VTuber等の新興領域は高成長を維持しております。
さらに、技術面では高速通信(5G)とスマートフォンの普及により、高画質・低遅延の配信が可能になり、誰もが手軽に配信者になれる環境が整っております。コンテンツ面ではゲーム実況や雑談、音楽、VTuber配信、さらにスポーツ中継や企業のイベント配信等、コロナ禍を経てライブ配信コンテンツの多様化が一層進みました。
このような経営環境の中、当社グループは、ライブ配信市場においては、画一的なコンテンツではなく、個々のユーザーの興味関心に合致した、よりパーソナルでインタラクティブな体験が求められる傾向が強まっており、誰もが手軽に情報発信できるようになった現代において、人々は共感できる「物語」を持つ個人やコミュニティに集い、自身の「物語」を共有することで、より深い繋がりや自己実現を求めていると捉えております。
このような変化は、当社グループが展開するライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」にとって、大きな事業機会をもたらすと認識しており、当社グループが創業期から掲げている「好きでつながり、自分の物語が生まれる居場所」というビジョンは、まさにこのような社会の変化に対応するものであり、ユーザー一人ひとりの「物語」が輝き、共感を通じて新たな繋がりが生まれる場を提供することを目指しております。
一方で、このような個性を重視する時代においては、多様なニーズに対応できる柔軟なプラットフォーム設計や、ユーザーが安心して自身の「物語」を発信・共有できる健全な環境の整備が、より一層重要であると考えております。また、競争が激化する市場において、ユーザーの多様な「小さな推し」を見つけ、繋げるための独自の価値提供が求められています。当社グループは、このような経営環境の変化を的確に捉え、ユーザーの「物語」を尊重し、その実現を支援するプラットフォームとなることで、持続的な成長を目指してまいります。
(3) 経営戦略
インターネット市場は、技術進歩が非常に早く、また市場が拡大する中でサービスの多様化も求められます。その中でも、当社グループはゲーム実況/ライブ配信サービスのパイオニアとして市場をリードしてきましたが、さらなる発展に向け、ゲームとゲーム実況を融合した「ライブゲーミング」への投資及び開発を進めている他、「Mirrativ」で培ったアセットを「Mirrativ」外のプラットフォームにおける配信者に対しても展開しております。これらの市場は新市場であり、サービス形態やマーケティング手法が確立されていない段階であります。当社グループは、上記の環境を踏まえ、以下の事項を主要な課題として認識し、事業展開を図る方針であります。
① サービスの差別化、競合優位性の確立
「Mirrativ」は、プロ又はセミプロの事務所所属の配信者が多く活躍している一般的なライブ配信プラットフォームとは異なり、アマチュアを中心とした新しいコミュニティサービスとして利用されるプラットフォームとしてサービスを提供しております。その結果、アクティブユーザーの約3割が配信者であり(※2025年9月時点、月次ベース)、送られたギフトがサービス内で再消費(※配信によって得たコインを他の配信者へ再度ギフトする)される等、一般的なプラットフォームの収益構造と大きく異なっていると考えております。このユニークなコスト構造をもとに、エモモやライブゲーミング、ランキングイベント等のデジタルコンテンツに投資を行うことで、ユーザーに対し、配信が盛り上がるコンテンツを提供しております。さらに、熱量の高い配信者の体験に向き合い続けた結果として、月次課金率が継続的に向上しているものと考えている他、ユーザーにとって「居場所」になることで、ロイヤルユーザーからの売上が積み上がり続ける事業構造を実現できているものと捉えております。
また、インターネット市場における動画・実況等を提供するプラットフォームは海外の大手企業が運営するサービスを中心に多数存在する中で、ログインユーザー数をターゲットとすることは、視聴回数を戦略上重視することとなり、マーケティングコスト等が嵩むことによる高コスト構造かつ競合が多い事業環境において事業を展開することとなります。そのため当社では差別化のため、ゲーム配信とそれに伴うコミュニケーションを楽しむ体験を重視してきており、良好なユーザー体験を反映する結果の指標として、ログインユーザー数ではなく、有償コイン消費ユーザー数の拡大、その上でのARPPU(Average Revenue Per Paid User)の上昇を重視しております。またその中でも特にエンゲージメントの高いロイヤルユーザー(月額課金10,001円以上)数の増加、ARPLU(Average Revenue Per Loyal User、ロイヤルユーザーあたり月間平均課金金額)の上昇を目指しております。


(注)1.課金率 = Paid User (UU) ÷ MAU(Monthly Active Users、月間アクティブユーザー数)
2.ロイヤルユーザー:課金額が月額10,001円以上のPaid User
3.データ期間:2020年7月~ 2025年9月
4. 当該図における月次課金売上高は会計上の繰延等による調整前の社内管理数値に基づく
② コスト効率化による収益性の改善
当社グループは、更なるコスト効率化の打ち手として、決済手数料率の低減を進めております。これまでも決済手数料率低減の実現に向け、Web決済比率を向上させることを目的に、当社グループの株主である株式会社丸井グループと共同で、Mirrativエポスカードやミラティブ推し活カードの導入を行ってきた他、「PayPay」の導入など決済手段の多様化を進めております。今後についても、これらの施策を拡充していくことによりWeb決済比率を向上させる他、固定費性の高いサーバーコスト、人件費等も、売上増加に伴い比率が低減していくことにより、コスト効率化を図る方針であります。

(注)1.ミラティブ事業単体にて作成(ストリーマープラットフォーム事業は含まず)
2.デジタルコンテンツ開発コストは、Mirrativアプリにおける売上原価の一部(QA費用、アバター製作費、業務委託費、人件費)、ライブゲーミングにおける売上原価の一部(通信費、開発費、運営費、RS費用、QA費用)、販管費の一部(給与手当、雑給与、人材派遣料、販促費、研究開発費)を含む。またデジタルコンテンツ開発コストに含まれる人件費等はプロジェクト稼働状況等に照らし合わせ、合理的に算定しております。
③ 「Mirrativ」外のプラットフォームにおける配信者に対するサービス提供
当社グループが開発・運営するライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」は、アクティブユーザーの約3割(※2025年9月時点、月次ベース)が配信者という特徴を有しております。当社グループはこれまで多くの配信者に向き合い、サービス提供を行ってきた中で、「Mirrativ」における上位配信者と個人VTuberに需要の共通点を認識し、これまで「Mirrativ」のユーザーに対して行ってきた課題解決を、VTuberをはじめとした「Mirrativ」外のプラットフォームにおける配信者に対しても横展開していく方針であります。例えば「CastCraft」では、配信の魅力を高める配信支援ツールを提供し、14,000人以上のアクティブ配信者に利用されております。このような戦略の実現に向け、今後も必要に応じて事業提携及びM&Aを検討していく方針であります。

(注)月次稼働チャンネル数はYouTube及びTwitchでの稼働チャンネル数(2019年3月~2025年9月)を記載しております。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループのミッション・ビジョンの実現及び持続的な企業価値向上を目指す指標としては、課金売上高、ロイヤルユーザー数、ARPLU、ARPPUの各指標が重要だと考えております。
① 課金売上高
視聴者が配信者に対して送った有償コインギフトに伴う売上金額合計
② ロイヤルユーザー数
月額課金額10,001円以上の有償コイン消費ユーザー数
③ ARPLU(Average Revenue Per Loyal User)
ロイヤルユーザーあたり月間平均課金売上金額
④ ARPPU(Average Revenue Per Paid User)
有償コイン購入ユーザーあたり月間平均課金売上金額
また、上記主要指標の2020年12月期から2025年12月期第3四半期までの推移は以下のとおりとなります。
主要指標2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期第3四半期
累計期間
課金売上高
(千円)
1,478,0542,802,1153,790,3435,042,2475,806,4644,909,086
ロイヤルユーザー数(人)4,9766,2887,4608,2058,696
ARPLU(円)39,67643,50350,76554,11557,993
ARPPU(円)5,4117,6878,30812,01914,08817,528

(注)1.課金売上高については、各事業年度の年間(または四半期)合計金額を記載しております。なお、各金額は、単体ベースの金額を記載しております。
2.ロイヤルユーザー数、ARPLU及びARPPUについては、各事業年度(または四半期)累計期間の平均値を記載しております。
3. 2020年12月期のロイヤルユーザー数及びARPLUについては、期中よりロイヤルユーザー数の集計を開始しているため、記載を省略しております。
(5) 優先的に対処すべき課題
① サービスの健全性確保
当社グループが運営する「Mirrativ」は、スマートフォン一つで簡単にライブ配信ができ、配信を通じて配信者と視聴者の相互のコミュニケーションを行うことが出来ることを踏まえ、ユーザーが安心して利用できるよう、プラットフォームの健全性維持・改善に努めております。具体的には、未成年者の保護に関する施策、サービスの監視体制の構築、配信者の保護に関する施策、著作権保護対応、ユーザーへの啓蒙活動等を行っております。当社グループでは、今後もサービスの健全性維持・改善を推進するための体制強化を継続してまいります。
② サービスの認知度向上
「Mirrativ」は、ゲーム配信プラットフォームとして、既に一定の認知を得ておりますが、当社グループが今後も高い成長率を維持していくためには、さらに認知度を向上させ、継続的にユーザーを獲得していくことが必要不可欠であると考えております。サービスの認知度向上を実現するため、Webマーケティングや広報活動等を充実させてまいります。
③ ライブゲーミングの拡大
当社グループは、「Mirrativ」内において、既に自社オリジナルのライブゲームを複数リリースしており、視聴者が配信者と一緒にゲームをするという新しい体験を提供しております。今後も継続してユーザーに対し、新しい感動体験を提供し続けるために、新たなライブゲームの研究開発やパブリッシャーによる開発ゲームの導入、プラットフォームのオープン化等を進めてまいります。
④ 優秀な人材の確保
今後も高い成長率を維持していくために、優秀な人材の確保及びその定着を図ることが重要であると認識しております。そのため、当社グループは継続的に採用活動を行い、優秀な人材の確保に努めてまいります。また、適正な人事評価を行うことで優秀な人材の定着を図る他、人材の教育・育成を進めていく方針であります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループの事業の急速な成長に伴い、事業成長に応じた内部管理体制の強化が課題であると認識しております。経営の公正性・透明性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。
⑥ コンプライアンス対応
当社グループは、「Mirrativ」の差別化と競合優位性の確立のために「ライブゲーミング」等の新市場の創出に挑戦しております。新市場の創出にあたっては、関連する法規制を含むリスクを適切に認識・評価して、コンプライアンスへの対応を適切に実施することが必要となっております。
このようにコンプライアンスへの対応を適切に実施するために、内部監査室・外部専門家等と適切に連携する方針であります。
⑦ 企業買収(M&A)
当社グループは、新規事業の創出及び更なる収益拡大を検討するにあたり、新たなアライアンスの締結やM&Aを行うことを常に検討しております。検討にあたっては、当社事業とのシナジー、事業戦略との整合性、買収後の収益性、買収プロセスの透明性、買収後の統合効果を最大化するプロセス(PMI)等に留意しております。今後においても、必要に応じて新たなアライアンスの締結やM&Aを推進し、一層の収益基盤の拡大を図る方針であります。
⑧ 財務上の課題
当社グループは、金融機関からの借入金を有するものの十分な手元流動性は確保されている他、2025年12月期第3四半期連結累計期間において、営業利益・経常利益ともに黒字を計上しており、本書提出日現在において対処すべき財務上の重要課題はございません。ただし、今後の事業拡大に備えて、更なる内部留保資金の確保等により、引き続き財務基盤の強化に努めてまいります。

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