訂正有価証券届出書(新規公開時)
対処すべき課題
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「IT人材の適材適所によって、成長機会にあふれる社会を創る」というパーパスのもと、日本社会の課題である労働生産性の向上に貢献することを経営の基本方針としております。
DXやAI等への期待が高まる一方で、IT人材の不足は企業の生産性向上の妨げとなっており、当社はその構造的な課題の解消に向けて、IT人材の成長に資するキャリア支援を推進しております。当社は今後も、社会課題の解決と事業成長を両立させる取組を通じて、企業・個人・社会それぞれにとって持続的な価値を提供してまいります。
(2)経営環境
IT分野における技術革新の加速度は顕著であり、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、サイバーセキュリティといった先端技術が日進月歩で進化しております。これにより、必要とされるスキルセットも頻繁に変動し、また、高度な専門スキルの需要が急増していることから、特にAIエンジニアやデータサイエンティストなどの希少なスキルを持つ人材の確保が極めて困難になっております。
リモートワークの普及により地理的な制約が大幅に緩和され、グローバルな人材プールからの採用が可能となった反面、リモート環境での効率的な業務管理とコミュニケーションの確立が新たな課題となっております。また、人材の流動性が高く、特にIT業界では転職率が高いため、企業は優秀な人材の継続雇用に苦労しております。
更に、国内ではDXやAI対応への需要が旺盛であり、システム開発は設計からプログラミングなど各段階で多くの人材が必要になるため開発を担う人材不足が慢性化しております。経済産業省からは2030年にはIT人材が最大79万人不足すると公表されており、IT人材不足は社会課題になっております。
以上の背景から、2018年より関東圏にてTVCMを放映し認知を獲得した状況下においてIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービスを提供する当社にとっては好環境下と捉えております。


(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、独自のポジショニングをさらに強固なものとしていくため、売上高及び面談CAの人数を重要な経営指標と位置づけ目標達成に向けて取り組んでおり四半期の推移は以下のとおりであります。
(4)人材紹介業界の経営環境
a.人材紹介業界に求められる役割の変化
人材紹介業界は、景気回復に伴う市場のニーズが活性化しており、特にホワイトカラー職や高度専門職を中心に採用ニーズが急増しております。コロナによる全国的なパンデミックの影響で一時的に縮小した労働市場が再び拡大し、人材紹介事業者は「採用活動の代行機能」から「高度な人材コンサルティングサービス」まで進化を求められております。企業は自社の人材戦略において、今欠けている人材を採用しようとするのではなく中長期的に会社を発展させていくために必要な人材を確保する「タレントアクイジション(TA)」を図っており、人材紹介業界には企業が求めている人材のスキルや適性を精査し、正しい職務に迅速にマッチングさせることが求められております。IT業界やDXを推進する企業の増加により、データサイエンス、クラウド、AI関連の人材需要が急速に高まっている現状を背景に、人材紹介業界は学歴や経験業種・職種を問わず、候補者の業務遂行能力で選考する「スキルベースド・リクルーティング」への対応力を強化する必要があります。
更に、人材紹介業界には、候補者のスキルや適性を高精度に評価し、適切なポジションにマッチングさせるための専門的な知識とマッチング精度を向上させるためテクノロジーの導入が求められております。
また、最新の技術革新に伴い、特にAIエンジニアやクラウドソリューションアーキテクト(企業のIT課題をクラウド技術で解決する専門家)、データアナリストといった高度スキルを有する人材へのニーズが活発化しており、これからの変化に対応しながら人材紹介業界は、人材の仲介という役割ではなく、「データリーダーのタレントマネジメント」及び「採用戦略のパートナー」としての役割を持ち、長期的な優位性を確立するための経営リソースを投入する必要があります。
b.人材紹介事業の付加価値
人材採用手法の多様化により、求人企業のニーズは複雑化しており、採用媒体上には無数の求人情報が溢れております。この状況は「情報の非対称性」と「情報過多」を助長し、求職者が自力で最適な選択を行うことを困難にさせました。こうした状況下で、膨大な情報から真に価値ある選択肢を提示できる人材紹介事業者の付加価値は飛躍的に高まっております。しかし、市場の成熟に伴い、単なる「情報の仲介」だけでは付加価値にならず、今後は求人企業の真の課題解決と、求職者のキャリア観を深く結びつける「マッチングの高度化」が不可欠になります。人材紹介業界は精緻なコンサルティング能力と介在価値の最大化という「量」ではなく、高度な専門性と人間性に基づく「マッチングの質」が問われるフェーズに突入しております。
(5)当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、既存事業の拡大、収益性の向上、内部管理体制の整備が重要であると認識しております。
a.サービスの認知度向上
当社は、創業以来、主に関東近郊での事業展開を行ってきたことから、関東以外の地域における認知度が不足していると考えております。当社のパーパスである「IT人材の適材適所によって成長機会にあふれる社会を創る」を実現するためには、サービスの認知度向上が必要不可欠であると考えており、今後、費用対効果を慎重に検討した上で、より幅広い広告宣伝活動を検討してまいります。
b.優秀人材の確保
人的資本経営が強く求められる潮流の中、顧客満足度を高めるためには、優秀な人材の確保が欠かせないものとなっております。また、当社の成長に応じた組織体系の強化により、人材紹介事業におけるキャリアアドバイザーのみならず、エンジニアや高いスキルを有したトップタレント等の幅広い分野での人材の確保が課題と考えております。継続的に人材採用をするために企業が従業員に提供する有益性を拡充させつつ、社内外の教育研修を通じた育成により当該課題に対応してまいります。
c.中堅層向けのサービス強化とハイレイヤーへの既存事業領域の拡張
足元で当社のボリュームゾーンとなっている求職者は、平均年収600万円前後のITエンジニアです。ボリュームゾーンとなる中堅層は、プログラミングやデバック処理などを手掛ける未経験者のステップアップの職種となっており、年々増加傾向にあります。また、今後はAIの普及によってプログラミングやデバック処理の仕事が縮小する可能性があり、プログラミングやデバック処理に従事していた人材がITエンジニア領域に流入するスピードが加速する可能性があります。ITエンジニア領域への流入速度が変化した場合、当社は未経験者をCAとして採用できるなどの特徴から、フレキシブルにCAを増員できるため、他社に先駆けてトレンド変化に対応できるものと考えております。また、年収800~1,300万円のハイレイヤー層は、中堅層と比較して人材が少ないため、広告宣伝費や販売促進費など面談CPA(広告宣伝費、販売促進費÷面談数)の負担が中堅層よりも重くなる傾向にあります。そのため一定の財務基盤を持った企業のみが参入できる領域となっております。当社は過去からの事業規模拡大に加え、東京証券取引所への新規上場を受けた知名度向上など、ハイレイヤー層へ参入するに十分な財務基盤を確保したものと考え、今後ハイレイヤー層へ事業領域を拡大してまいります。

d.RPAやAI導入によるバックオフィスの業務生産性向上
2026年5月期にCAをサポートする事務部門にてRPAやAIを導入することによる生産性の改善に取り組んでおります。RPAやAIを導入することで、アウトバウンド集客におけるスカウトメールの作成や、求人企業への選考書類提出の作成などの業務における生産性改善が見られ、2024年11月時点ではCA一人あたりに対するその他部門の人員数比率は1:1.3となっていたのに対し、2025年11月時点では同比率が1:1.1となっており改善傾向にあります。今後もMA領域や事務領域へのRPA、AIの導入を進めることで、人員構成比を適正化し、売上高人件費比率の改善に取り組みます。

e.ハイクラス人材領域への事業領域拡大
既存のIT人材紹介領域において、年収1,300万円以上の求職者の領域はヘッドハンティング会社など限られた事業者が手掛ける領域となっております。今後当社はヘッドハンティング会社や一部の人材紹介会社のM&Aを通して、ハイクラス人材領域への参入による事業領域の拡大に取り組みます。また、IT以外の金融、士業などのハイクラス領域における人材紹介を手掛ける企業についてもM&Aを通して事業領域の拡大に取り組みます。

f.内部管理体制の強化
当社はビジネス上、個人情報という機密性の高い情報を有しております。定期的な社内教育の実施や管理体制の強化に取り組んでおりますが、内部統制の整備と実効性ある運用を通じて、組織の健全なる発展に努めてまいります。
g.財務上の課題
現状においては、安定的に利益を計上しており、事業継続に支障をきたすような財務上の課題は認識しておりません。今後、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でありますが、自己資金で賄えない部分については金融機関からの借入を優先的に検討いたします。引き続き、手許資金の流動性確保、金融機関との良好な取引関係を維持し、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「IT人材の適材適所によって、成長機会にあふれる社会を創る」というパーパスのもと、日本社会の課題である労働生産性の向上に貢献することを経営の基本方針としております。
DXやAI等への期待が高まる一方で、IT人材の不足は企業の生産性向上の妨げとなっており、当社はその構造的な課題の解消に向けて、IT人材の成長に資するキャリア支援を推進しております。当社は今後も、社会課題の解決と事業成長を両立させる取組を通じて、企業・個人・社会それぞれにとって持続的な価値を提供してまいります。
(2)経営環境
IT分野における技術革新の加速度は顕著であり、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、サイバーセキュリティといった先端技術が日進月歩で進化しております。これにより、必要とされるスキルセットも頻繁に変動し、また、高度な専門スキルの需要が急増していることから、特にAIエンジニアやデータサイエンティストなどの希少なスキルを持つ人材の確保が極めて困難になっております。
リモートワークの普及により地理的な制約が大幅に緩和され、グローバルな人材プールからの採用が可能となった反面、リモート環境での効率的な業務管理とコミュニケーションの確立が新たな課題となっております。また、人材の流動性が高く、特にIT業界では転職率が高いため、企業は優秀な人材の継続雇用に苦労しております。
更に、国内ではDXやAI対応への需要が旺盛であり、システム開発は設計からプログラミングなど各段階で多くの人材が必要になるため開発を担う人材不足が慢性化しております。経済産業省からは2030年にはIT人材が最大79万人不足すると公表されており、IT人材不足は社会課題になっております。
以上の背景から、2018年より関東圏にてTVCMを放映し認知を獲得した状況下においてIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介サービスを提供する当社にとっては好環境下と捉えております。


(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、独自のポジショニングをさらに強固なものとしていくため、売上高及び面談CAの人数を重要な経営指標と位置づけ目標達成に向けて取り組んでおり四半期の推移は以下のとおりであります。
| 2025年5月期 | 2026年5月期 | |||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | |
| 売上高 (百万円) | 1,530 | 1,982 | 1,725 | 1,909 | 2,071 | 2,401 |
| 面談CA(人) | 70 | 71 | 72 | 81 | 90 | 90 |
(4)人材紹介業界の経営環境
a.人材紹介業界に求められる役割の変化
人材紹介業界は、景気回復に伴う市場のニーズが活性化しており、特にホワイトカラー職や高度専門職を中心に採用ニーズが急増しております。コロナによる全国的なパンデミックの影響で一時的に縮小した労働市場が再び拡大し、人材紹介事業者は「採用活動の代行機能」から「高度な人材コンサルティングサービス」まで進化を求められております。企業は自社の人材戦略において、今欠けている人材を採用しようとするのではなく中長期的に会社を発展させていくために必要な人材を確保する「タレントアクイジション(TA)」を図っており、人材紹介業界には企業が求めている人材のスキルや適性を精査し、正しい職務に迅速にマッチングさせることが求められております。IT業界やDXを推進する企業の増加により、データサイエンス、クラウド、AI関連の人材需要が急速に高まっている現状を背景に、人材紹介業界は学歴や経験業種・職種を問わず、候補者の業務遂行能力で選考する「スキルベースド・リクルーティング」への対応力を強化する必要があります。
更に、人材紹介業界には、候補者のスキルや適性を高精度に評価し、適切なポジションにマッチングさせるための専門的な知識とマッチング精度を向上させるためテクノロジーの導入が求められております。
また、最新の技術革新に伴い、特にAIエンジニアやクラウドソリューションアーキテクト(企業のIT課題をクラウド技術で解決する専門家)、データアナリストといった高度スキルを有する人材へのニーズが活発化しており、これからの変化に対応しながら人材紹介業界は、人材の仲介という役割ではなく、「データリーダーのタレントマネジメント」及び「採用戦略のパートナー」としての役割を持ち、長期的な優位性を確立するための経営リソースを投入する必要があります。
b.人材紹介事業の付加価値
人材採用手法の多様化により、求人企業のニーズは複雑化しており、採用媒体上には無数の求人情報が溢れております。この状況は「情報の非対称性」と「情報過多」を助長し、求職者が自力で最適な選択を行うことを困難にさせました。こうした状況下で、膨大な情報から真に価値ある選択肢を提示できる人材紹介事業者の付加価値は飛躍的に高まっております。しかし、市場の成熟に伴い、単なる「情報の仲介」だけでは付加価値にならず、今後は求人企業の真の課題解決と、求職者のキャリア観を深く結びつける「マッチングの高度化」が不可欠になります。人材紹介業界は精緻なコンサルティング能力と介在価値の最大化という「量」ではなく、高度な専門性と人間性に基づく「マッチングの質」が問われるフェーズに突入しております。
(5)当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、既存事業の拡大、収益性の向上、内部管理体制の整備が重要であると認識しております。
a.サービスの認知度向上
当社は、創業以来、主に関東近郊での事業展開を行ってきたことから、関東以外の地域における認知度が不足していると考えております。当社のパーパスである「IT人材の適材適所によって成長機会にあふれる社会を創る」を実現するためには、サービスの認知度向上が必要不可欠であると考えており、今後、費用対効果を慎重に検討した上で、より幅広い広告宣伝活動を検討してまいります。
b.優秀人材の確保
人的資本経営が強く求められる潮流の中、顧客満足度を高めるためには、優秀な人材の確保が欠かせないものとなっております。また、当社の成長に応じた組織体系の強化により、人材紹介事業におけるキャリアアドバイザーのみならず、エンジニアや高いスキルを有したトップタレント等の幅広い分野での人材の確保が課題と考えております。継続的に人材採用をするために企業が従業員に提供する有益性を拡充させつつ、社内外の教育研修を通じた育成により当該課題に対応してまいります。
c.中堅層向けのサービス強化とハイレイヤーへの既存事業領域の拡張
足元で当社のボリュームゾーンとなっている求職者は、平均年収600万円前後のITエンジニアです。ボリュームゾーンとなる中堅層は、プログラミングやデバック処理などを手掛ける未経験者のステップアップの職種となっており、年々増加傾向にあります。また、今後はAIの普及によってプログラミングやデバック処理の仕事が縮小する可能性があり、プログラミングやデバック処理に従事していた人材がITエンジニア領域に流入するスピードが加速する可能性があります。ITエンジニア領域への流入速度が変化した場合、当社は未経験者をCAとして採用できるなどの特徴から、フレキシブルにCAを増員できるため、他社に先駆けてトレンド変化に対応できるものと考えております。また、年収800~1,300万円のハイレイヤー層は、中堅層と比較して人材が少ないため、広告宣伝費や販売促進費など面談CPA(広告宣伝費、販売促進費÷面談数)の負担が中堅層よりも重くなる傾向にあります。そのため一定の財務基盤を持った企業のみが参入できる領域となっております。当社は過去からの事業規模拡大に加え、東京証券取引所への新規上場を受けた知名度向上など、ハイレイヤー層へ参入するに十分な財務基盤を確保したものと考え、今後ハイレイヤー層へ事業領域を拡大してまいります。

d.RPAやAI導入によるバックオフィスの業務生産性向上
2026年5月期にCAをサポートする事務部門にてRPAやAIを導入することによる生産性の改善に取り組んでおります。RPAやAIを導入することで、アウトバウンド集客におけるスカウトメールの作成や、求人企業への選考書類提出の作成などの業務における生産性改善が見られ、2024年11月時点ではCA一人あたりに対するその他部門の人員数比率は1:1.3となっていたのに対し、2025年11月時点では同比率が1:1.1となっており改善傾向にあります。今後もMA領域や事務領域へのRPA、AIの導入を進めることで、人員構成比を適正化し、売上高人件費比率の改善に取り組みます。

e.ハイクラス人材領域への事業領域拡大
既存のIT人材紹介領域において、年収1,300万円以上の求職者の領域はヘッドハンティング会社など限られた事業者が手掛ける領域となっております。今後当社はヘッドハンティング会社や一部の人材紹介会社のM&Aを通して、ハイクラス人材領域への参入による事業領域の拡大に取り組みます。また、IT以外の金融、士業などのハイクラス領域における人材紹介を手掛ける企業についてもM&Aを通して事業領域の拡大に取り組みます。

f.内部管理体制の強化
当社はビジネス上、個人情報という機密性の高い情報を有しております。定期的な社内教育の実施や管理体制の強化に取り組んでおりますが、内部統制の整備と実効性ある運用を通じて、組織の健全なる発展に努めてまいります。
g.財務上の課題
現状においては、安定的に利益を計上しており、事業継続に支障をきたすような財務上の課題は認識しておりません。今後、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でありますが、自己資金で賄えない部分については金融機関からの借入を優先的に検討いたします。引き続き、手許資金の流動性確保、金融機関との良好な取引関係を維持し、財務基盤の強化に取り組んでまいります。