有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2026/03/06 15:30
【資料】
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【項目】
135項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「人が主役の情報化社会づくりに貢献します」を企業理念として掲げております。この意味するところは、急速に進化するITと複雑化するシステム開発の中で、当社の目指す方向性はソフトウェアテクノロジーとヒューマンウェア((注)1)の融合であり、技術のための技術ではなく、人や社会のための技術という視点であります。
また、経営の基本方針として、「私たちの“喜び”“幸せ”“いきがい”は、当社の情報技術が、健康で安全・豊かな社会づくりに役立ち、私たちの提供するシステムやサービスによりお客様から感謝されること」としております。これらの企業理念、経営の基本方針の実現に向けて努力しております。
(2) 経営環境
IT市場を取り巻く環境は、経営戦略の中でIT戦略の重要性が増している一方、IT技術の進展はAI、IoT((注)2)に代表されるように日々進歩を遂げております。経済回復と業績好調の背景から企業の設備投資も好調で、中でもDX推進には欠かせないソフトウェア投資は今後も増加が予想されます。
こうした中、政府は経済成長と社会課題の解決を目的として、「統合イノベーション戦略」を毎年6月に閣議決定しています。2024年版では、AI等の重要技術に関する統合的戦略、グローバルな連携強化、AI分野の競争力強化と安全・安心の確保が柱として掲げられました。この戦略と連動し、当社の本拠地である愛知県では、2024年10月に愛知県名古屋市において国内最大級のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」が開業、スタートアップ企業、大企業、大学、自治体が一堂に会し、オープンイノベーションを促進する場としての活用が期待されています。こうしたスタートアップと既存産業との連携による新たな価値創出の動きは、全国各地で加速しています。
このような環境の中で、当社としましては「(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載する戦略における各種の課題への対応が必須と認識しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
中長期的な戦略として、「逞しくしなやかに 持続的成長へ」をスローガンに掲げ、変化に柔軟に対応できる体制を整えながら、着実な成長を目指してまいります。社会や環境に対する責任を果たしつつ、ESGの視点を踏まえた企業経営を行ってまいります。そして経営戦略を「事業」「生産・販売」「組織・環境」に層別し、取り組んでまいります。
① 事業
成長戦略:M&A、新規事業、研究開発、人材開発、アライアンス推進の継続的な取り組み
事業規模拡大:ビジネスモデル改善による売上高・利益・生産性向上と、生成AIのビジネス利活用の推進
コア事業強化:多角的な製品開発の推進とブランド化、販売方法の見直し、潜在顧客の開拓
首都圏ビジネス拡大:顧客接点の強化、クラウド基盤提供サービスの推進
企業価値向上:顧客満足の向上、社会貢献・環境保全活動の推進、非財務情報開示の対応
人月ビジネス脱却:医療サービスの強化、サブスクリプション型ソリューション・サービスの創出
② 生産・販売
顧客ニーズへの対応:顧客情報の収集・分析の強化、先進技術の習得、顧客デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という。)((注)3) の支援、生成AIの利活用提案の推進
生産性・生産力の向上:調達体制・調達力の強化、IT人材確保・育成の強化
品質向上:品質管理体制の強化、品質マネジメント認証の維持、プロジェクト管理能力の向上
営業力強化:営業プロセスの見直し、ソリューション提案力の向上、新規顧客開拓の強化
③ 組織・環境
働く環境改善:人事評価制度の見直し、福利厚生の充実、災害対策
従業員エンゲージメント:エンゲージメントサーベイの実施と改善対応
健康経営・多様性推進:ワークライフバランスの向上、疾病予防、女性・高齢者の活躍推進
人材確保:多様な採用手法による優秀人材の獲得
ガバナンス強化:内部統制の強化、内部監査の充実、IT統制の向上、リスク管理の徹底
後継者育成:取締役の後継者育成、執行役員への権限移譲と育成プログラムの整備
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための指標等
当社は、持続可能な成長・発展を目指して、成長戦略の推進、利益の向上、既存事業の売上拡大、研究開発、人材開発、企業イメージ及び企業価値の向上、顧客価値創造に取り組んでいくことが重要と認識しており、企業の収益力を表す経常利益率、そして経営基盤の安定化を示す自己資本比率の向上を目指しております。具体的な目標値としては、中期経営計画により2028年3月期の目標として、下記指標を掲げています。
目標項目第45期
2028年3月期目標
第42期
2025年3月期実績
売上規模売上高42億円35億円
従業員数390名311名
利益体質の維持売上高経常利益率9%8.1%
総資本経常利益率15%14.9%
売上高販管費比率15%19.2%
財務基盤の改善自己資本比率50%63.1%
外部負債依存率10%0.2%

これらの目標は一時的な達成を目的とするものではなく、事業環境の変動下においても中長期的に安定して確保すべき収益性及び財務健全性の水準として、現行中期経営計画に基づき設定しております。
当社は、短期的な利益率の最大化ではなく、人材投資及び品質確保を重視した持続的成長を基本方針としており、今後の上場や資本増強等による経営環境の変化及び成長ステージを踏まえ、適宜見直しを行う方針であります。
また、2025年3月期においては、自己資本比率63.1%、外部負債依存率0.2%と、いずれも目標値(自己資本比率50%、外部負債依存率10%)を達成しておりますが、これは、これまでの事業活動において内部資金を中心とした資金運営を行ってきた結果であります。
今後の成長に向けては、投資内容や規模によっては、新たな借入を活用する可能性があり、このことを踏まえ、自己資本比率50%以上、外部負債依存率10%以下を経営目標指標として設定しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。
① ソフトウェア開発人材の採用と育成
日々進展するIT技術への追随とその技術をビジネスに結び付ける開発力と営業力、顧客からの低コスト、高品質、短納期のニーズという要望がさらに強まる中での開発能力の強化、生産性の向上、品質保証体制の強化、そして、ソフトウェア開発を支える人材の確保と能力向上が最重要の課題と認識しております。優秀な人材の確保は、IT需要が高まる中で現在において逼迫した状況にあり、人材の確保と育成が今後の成長の大きな鍵となります。同時に働き方改革に象徴される社員が「“喜び”“幸せ”“いきがい”」を感じることのできる企業風土づくりもその前提条件となります。
これらの課題に対する具体的な施策として、慢性的なIT人材不足に対しては、若手人材に注目した採用・育成の強化や多様な採用手法による採用促進と人材の確保等の施策を促進し、同時に調達機能の向上による外部リソースの活用により、引き続き対応してまいります。また、人事制度の見直し等の従業員の処遇及び職場環境の改善、企業ミッションとビジョンの従業員への浸透等、従業員エンゲージメントの向上、健康経営の取り組みも並行して推進しております。
② 財務上の課題
今後の事業規模の拡大と成長にはさらなる財務基盤の強化が課題と認識しており、収益性の向上が必要となります。売上高の拡大は製品開発、研究開発投資により、新規事業の創出、コア事業を基にしたソリューション・サービスの強化を推進することで実現し、並行してM&A投資により、同様の効果と生産力の増強を目指してまいります。利益率の改善は教育・育成投資と採用投資、設備投資により、品質力、技術力、提案力、生産力を向上させることで実現してまいります。
③ 技術革新への対応と競争の激化
顧客の求める価値やサービスの移り変わり等、経済社会の変化が著しく、技術革新のスピードが急速な中で、超高速開発ツールの活用による製造原価の軽減とともに競争が激化しております。また、システム開発案件の小規模化や基幹業務系システムの運用コスト削減等、従来のビジネスモデルでは成長性と収益性の確保が困難になりつつあります。
これらの課題に対する具体的な施策として、DXを方向性の柱としたクラウド基盤及び技術の活用、サービタイゼーションの取り組み等の施策を推進しております。
④ 上流工程へのシフト及びITコンサルとしての役割
ノーコード開発やAIの進化は、ソフトウェア開発企業に新たな課題をもたらしています。これにより、従来のシステム開発手法が見直され、製造のみならず、コンサル的な役割を担う上流工程へのシフトが重要課題であると捉えております。プロジェクトの初期段階での要件定義や設計が重要視される中、ITコンサルの役割も拡大しています。こうした状況に対応するためには、人材育成に重点を置き、技術者のスキルセット強化と顧客とのコミュニケーション能力を向上させてまいります。
⑤ 防災・モビリティ開発の今後の展開
防災及びモビリティ開発において今後の展開への対応が急務となっております。防災開発では、これまでに培った技術を他の顧客へ水平展開するとともに、新規顧客の開拓やサービスの多角化を図ってまいります。
⑥ ストックビジネスの拡大
従来の時間単位での請求モデルでは、安定した収益を確保するのが難しく、プロジェクトの不確実性がリスクとなります。そのため人月ビジネスから脱却し、高付加価値ビジネスへの移行及びストックビジネスの拡大が重要と考えています。定期的で安定した収益を得るためには、SaaSや保守・運用サービスの提供が鍵となりますが、同時に新たなビジネスモデルや顧客との長期的な関係構築が不可欠であります。そのために必要となる技術の習得と向上、マーケティング戦略の見直しを図り、ビジネスに対する意識改革を浸透させてまいります。
当社といたしましては、進化する技術革新に乗り遅れることなく、経済社会や顧客ニーズの変化に対応する業務運営が課題となっており、これらの課題に真摯に向き合い、各種の施策について着実にスピード感を持って推進してまいります。さらには社会や環境に配慮し、企業に求められる社会的責任をしっかり果たすことで、持続可能な企業として社会に貢献できるよう日々努力して成長してまいります。
[用語解説]
用語意味あるいは特徴等
(注)1ヒューマンウェアハードウェアやソフトウェアに対して用いられる言葉で、コンピュータを使う人間側の意識・能力・資質や人間的要素を指します。技術だけでなく、人が技術を支える側面に焦点を当てる概念であり、人間の特性や能力を活かしてシステムや技術を円滑に機能させる人材や仕組みのことです。
(注)2IoTInternet of Thingsの略で、「モノのインターネット」とも呼ばれます。家電や車、センサー等、周囲の「モノ」をインターネットにつなげてデータをやり取りし、自動化や効率化を実現する技術のことです。日常生活や産業で利便性を向上させる技術とされています。
(注)3デジタルトランスフォーメーション(DX)企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、ビッグデータ等のデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。
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