有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2026/02/20 15:30
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171項目

対処すべき課題

(1)経営方針
当社は、事業承継を通じて後継者不足の課題を解決し、セイワプラットフォームと事業承継ノウハウの組み合わせにより顧客に対して期待を超える提案と新しい価値提供をすることに挑戦しております。また、安全で働きがいのあるモノづくりネットワークを作るべく、様々な業界から幅広い経験を持った人材を登用し、斬新な発想と取り組みを通して、製造業の新しい経営モデルを作ることを目指しております。当社が目指す世界観を実現するべく、当社グループのMISSION及びVISIONを定めるとともに、MISSIONの遂行とVISIONの実現のためのValueを明文化し、当社グループ役職員への浸透に努めております。
・MISSION
たたむにはもったいない中小企業を受け継ぎ、選ばれ続けるモノづくりグループをつくる
・VISION
モノづくりネットワークによる「期待を超える提案」「安全で、働きがいのある職場作り」「長年培われた思い、技術の伝承」
- 「期待を超える提案」
グループ企業の総力を結集し、今までにない組合せや仕組みの構築を通して、お客様の期待を超える提案を目指しております。
- 「安全で、働きがいのある職場作り」
グループに加わったすべてのスタッフが安全で生産的な職場で働け、やりがいを持てるような環境・制度設計を目指しております。
- 「長年培われた思い、技術の伝承」
日本のモノづくりの根底である、技術力を後世につなぐための思い、技術を繋ぎ、競争力の底上げを行います。
・Value(行動基準・価値観)
挑戦・感動・素直・責任
- 「挑戦」
企業の成長には、1人1人の新しい挑戦が不可欠です。先の見えない時代だからこそ、今までにない発想やアクションを重要視しております。
- 「感動」
お客様や仲間の役に立ちたい、喜ばせたいという思いから感動が生まれます。他にはない、期待を越える提案を常に目指しております。
- 「素直」
知識や経験を積めば積むほど自分なりの正解ややり方が出てきます。ただ、時代が大きく変わっていく中で、過去のやり方にしがみついていれば進化はありません。過去のやり方を見直し、ゼロから考えることを大切にしております。
- 「責任」
組織は日々お客様や仲間と約束をし、それを成し遂げることで信頼を得ていきます。たった1回の失敗で一生取り返せない損失になることを肝に銘じ、自分が与えられた仕事の重大性を理解し、日々達成感を持ち進めていくことを心がけております。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境について、経営者の認識は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 社会動向・業界動向について
日本における製造業には、地域に密着した多くの中小企業があり、多くの雇用を抱えておりますが、高い技術力や優れた商品力を保有しながらも、後継者不在により廃業を余儀なくされる企業や、外部環境の変化によって本来の力を発揮できずに立ち行かなくなる中小企業が多く存在している状況であります。
経営者の高齢化と後継者不在による休廃業・解散件数は次の図のとおり増加傾向にあり、事業承継は社会問題となっております。また、休廃業・解散した企業数に対するM&A成約件数も1.41%と低調であり、このままでは世界に誇れる日本の職人の技術やノウハウが途絶えてしまう状況になっております。一方で、市場としての成長余地があるとも考えております。当社はこれまで、後継者不在のような企業の受け皿となり支援を行うことで、中小企業の再成長と地域経済の活性化を図ってきております。中小企業が抱える課題点は多岐にわたりますが、当社の強みであるセイワプラットフォームにより的確な経営支援を通じて、グループの成長と事業の活性化を図ってまいります。
0202010_001.png
② 市場規模について
当社が行う事業承継のターゲットは中小製造業でありますので、中小企業庁の中小企業実態基本調査をもとに、次の図のようにTAM(Total Addressable Marketの略称で、当社の製品・サービスが理論上アクセスし得る「最大の市場規模」を指す。)は中小製造業全体の市場規模である約132兆円と想定しております。そのうち、当社がアプローチしうる、事業承継を検討している中小製造業のSAM(Serviceable Available Marketの略称で、当社のビジネスモデルを考慮したとき、実際にサービス提供・販売が可能な市場規模を指す。)は約7.7兆円、SOM(Serviceable Obtainable Marketの略称で、中期的に獲得し得る実売上相当の市場規模を指す。)は約2.2兆円と想定しております。
0202010_002.png以下、出所はいずれも中小企業庁「中小企業実態基本調査 令和6年確報(令和5年度決算実績)」
(注) 1.売上高は「第3-2表 中小企業の1企業当たりの売上高(産業大分類別)」の令和5年度392.5百万円、経常利益は「第3-4表 中小企業の1企業当たりの経常利益(産業大分類別)」の令和5年度20.5百万円の小数点以下第1位を四捨五入して記載。
2.「集計表第5-2表」の「母集団企業数」335,819社に対し、TAMは売上高392.5百万円を乗算し小数点以下第1位を四捨五入して兆円単位で記載。SAMは「1.親族内承継を考えている」「2.役員・従業員承継を考えている」「3.会社への引継ぎを考えている」「4.個人への引継ぎを考えている」「5.上記1.~4.以外の方法による事業承継を考えている」「6.現在の事業を継続するつもりはない」「7.今はまだ事業承継について考えていない」「8.その他」の内、5.(1.706%)、3.(2.001%)、8.(2.099%)の合計5.806%を乗算し小数点以下第1位を四捨五入して19,498社を算出し、売上高392.5百万円を乗算し小数点以下第2位を四捨五入して兆円単位で記載。 SOMは5.(1.706%)を乗算し小数点以下第1位を四捨五入して5,729社を算出し、売上高392.5百万円を乗算し小数点以下第2位を四捨五入して兆円単位で記載。
3.上記注2に記載の割合を小数点以下第2位を四捨五入して記載。
今後、これらの市場の更なる深耕を進め、市場シェアを獲得していくためにはセイワプラットフォームの更なる強化が必要不可欠と考えております。セイワプラットフォームでは事業推進が出来る経営人材の採用や育成、バックオフィスの更なる効率化、プラットフォーム機能の継続的な成長を目指してまいります。その結果、当社グループでは、対象市場において競争力を持つ企業に自社グループを育てること、それらの企業、それらに準ずる企業の譲受を行ってまいります。
(3)経営戦略
当社は、M&Aによるロールアップ成長とセイワプラットフォームによる既存事業の成長の2つのエンジンで業容拡大、事業ポートフォリオを強化しております。M&Aによるロールアップにおける投資企業の選定においては、参入障壁や業界シェア、当社ボードメンバーとの技術的な理解度などを基にスクリーニングを行い、注力市場を選定しております。加えて、原則「モノづくり」及び「モノづくりに関連する事業」、競合優位性(技術、設備、特許、立地など)のあるビジネス、EV/EBITDA評価を行い、原則マルチプル5倍以内の企業、オーナー様と価値観や方向性が一致していること等を重視しM&A、PMIを実行し、ノウハウを蓄積しております。
一方、セイワプラットフォームによる既存事業の成長においては、当社プラットフォームの強みである企業単体での所有が困難な共通の基盤となる仕組み(注)を提供することにより新たな事業戦略の構築と、効率化経営を目指しております。
(注) コスト・人材・ノウハウの観点から中小製造業企業単体での構築が困難である一方、成長において不可欠となる機能群を指します。主な例として、以下の領域が該当します。
・経営管理・ガバナンス基盤(月次管理、KPI設計、内部統制、上場企業水準を見据えた管理体制の整備)
・財務・資本戦略機能(設備投資判断における共通基準の策定、資金調達に関する支援)
・人材・組織基盤(採用専任者による採用プロジェクト支援、優秀な出向人材の提供)
・技術・生産面での横断的知見(設備選定に関するノウハウ、工程改善の事例、価格転嫁状況の共有 等)
また、中小企業M&Aの失敗要因の多くは、価格やスキームだけではなく、「見落とし」や「属人的判断」に起因する投資後の想定外事象にあると考えております。特にオーナー経営者が判断する箇所が多いのも実態です。そのため、M&Aの成功確率は、明確な戦略性の策定やDDプロセスの型化、チェックリスト化によって上げられると考えております。当社では、製造業に特化したDD観点(人・設備・工程・品質・顧客構造)を整理し、過去案件で顕在化したリスクや成功要因をチェックリストとして蓄積するとともに、譲受先オーナーの属性、キーマンのタイプ及び後継人材の選定をシステム化し、DD時点でPMIの難易度を想定した上で案件を推進し、成功確率の高い人材登用を実施することが可能な独自の人材最適化システムを構築しております。
その他、当社グループは既存事業のオーガニックな成長のためR&D(新技術の研究開発活動)も積極的に行っております。具体的な取り組みとしては、片手で一発開封が出来る包装資材「Vパック」やケーブル一体型多点温度センサ「サンサーモ」の温度測定可能点を増やすための開発や顧客ニーズに合わせた機能拡充の取り組み等を行っております。
当社グループの中長期的な成長戦略としては、次の3つを構築することでグループ全体の成長を推し進めてまいります。
①規律ある経営プロセスの浸透による収益性向上
グループ全体で収益率を重視した経営方針を徹底するため、仕入れルートおよび手法の見直しによる直接費の削減、自動化・設備投資を活用した労務費の最適化を推進します。また、グループ共通で追うべき指標として売上高営業利益率を設定し、目標とする数値の達成を目指すことを徹底し、競争力の向上を図ります。
②優良企業のM&A
自社ソーシング担当者の配置により、M&Aのパイプライン充実を図ります。自社ソーシング部門が、当社が注力する中小製造業領域において他社を凌駕する技術、特許、設備などを持っている企業に戦略的にアプローチします。また製造業における一定の業種や地域におけるトラックレコードを積むことで、売手企業側からも当社に事業を任せたいと感じていただける信頼のブランドを確立します。これらを通して、優良企業のM&Aを継続的に積み重ね、対象市場におけるポジショニング確立を目指します。
③高成長を支えるセイワプラットフォームの進化
当社グループでは、バックオフィス機能の標準化・型化を推進しており、グループ参画により効率的な経営体制への移行が可能です。当社グループでは、企業数の増加に伴い、個社で個別に抱えていた管理・企画・間接業務をグループ共通機能として集約・標準化する設計を採っています。その結果、売上成長に対して販管費の増加率を相対的に抑制することが可能となります。結果として企業数が増えるほど、1社あたりの間接コスト負担は低下する構造となっており、規模の拡大がそのまま効率性向上につながるグループモデルを構築しています。加えて、日本国内のみならず、海外への展開力を有する製品については、海外市場への進出も並行して仕掛けることで、グループの成長を加速させます。さらに、グループ企業の成長を支援するため、財務・法務・人事・IT・海外展開などの専門領域において、事業支援のプロフェッショナルチームを組成し、新規事業の立ち上げや技術・ノウハウの横展開を含め、各社の経営課題に対して実行力のある支援を提供し、グループ全体の企業価値向上を図ります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、セイワプラットフォームを通じて、グループ子会社の高い成長性を実現させ、その成長により得られた資金をセイワプラットフォームの強化のための投資として、事業面への設備投資や新規M&Aに活用することでより高い成長性を実現していく観点から連結売上収益、調整後連結営業利益、調整後連結EBITDAを重要な経営指標と考えております。なお、調整後連結営業利益、調整後連結EBITDAについては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」で定義しております。その結果グループ子会社の独自性の向上やシェアアップの獲得が可能となり、結果的に、顧客に新しい価値提供が出来ております。これら循環をさらに適切に加速させることで、セイワプラットフォームが自走的により高い成長性を達成していくことを目指しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① M&A対象企業の発掘・事業の成長
当社グループはM&A案件の発掘に際し、金融機関、M&A仲介会社等様々なリソースを活用し、精緻な企業分析、M&A後の成長戦略、PMI戦略、グループシナジー等を十分に勘案した上で戦略化・実行していくことが重要であると認識しております。上記のプロセスを経て、当社として投資を検討するターゲット案件に対しては、当社取締役を中心とした経営層及び関係部門において案件の初期検討から最終意思決定に至るまで、事業性・成長戦略・PMIの実行可能性・リスク・投資条件を多面的に確認し、当社グループの成長に結び付くM&Aの実行に注力してまいります。
② 経営管理人材の採用・育成強化
当社グループの最も重要な経営資源は人材であり、事業承継後の経営管理人材の派遣を行う上で人材の採用・育成強化は継続的な経営課題であると認識しております。当社グループは将来の経営管理人材を輩出するために、数年前より継続して新卒採用活動を行っており、自社の理念・文化を体現し、事業承継後の収益力向上を実現できる人材の育成に注力してまいります。適性があると判断した人材は派遣先のグループ会社の取締役に選任するなどし、その能力を遺憾なく発揮できる体制を構築してまいります。
③ ITを活用した現場改革
日本の中小製造業の課題として、技術伝承とIT化の遅れが深刻になっております。この問題は海外企業との競争が激化した昨今では非常に大きな課題であり、当社グループとしても積極的に当分野への投資を行っております。多くのPMIを経験する中で、中小企業に適したITツールの選定や導入マニュアルの構築を可能にしました。また、従来は職人に頼っていた「勘やコツ」と言われる部分を、AIや自動化設備の導入で代替する取組も進めております。
④ 財務体質の改善
当社グループは事業承継を実行する際に金融機関からの借入を積極的に活用しており、2025年5月期末現在における有利子負債は7,884百万円、有利子負債依存度は69.9%となっております。各グループ会社の収益体質強化による利益の蓄積のほか、様々な資金調達手法を活用し、財務体質の強化を図ってまいります。
⑤ グループ管理体制の確立
当社グループは、新たな会社をグループに迎え入れ、既存グループ会社とのシナジーやプラットフォームの活用により成長させていく事業モデルとなっております。定期的にグループ各社の幹部を集めた方針説明会を開催し一体感の醸成を図るとともに、中期経営計画に基づく予算管理を通じてグループ管理体制の確立に努めてまいります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
当社グループが効率的に拡大できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化を重要な課題として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に伴って、管理系の各部署における優秀な人材の採用・確保、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員会監査の実施によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行っていく方針です。
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