有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する記載は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は「バイオ産業の英知を共有し、世界の人々の健康と豊かな暮らしに貢献します」を企業理念に掲げ、設立以来、患者の皆様の思いに寄り添いながら、常に”Required Medicine for all who request it”(人々に求められる医薬品)の精神の下、新しい医薬品の開発にチャレンジしています。
今、当社が取り組んでいる先天性代謝異常症の分野では、多くの難病や小児慢性特定疾病にかかる治療薬の開発が、患者数が極めて少なく採算性が低いという理由で遅れています。一方、変形性膝関節症は超高齢化社会で多くの患者がいるにも関わらず、疾患の発症に多くの因子が絡んでいることから、特定の作用点を狙った薬剤の開発が困難とされている疾患で、未だ有効な治療薬がありません。
当社は、事業分野として、希少疾病用医薬品等のアンメット・メディカル・ニーズを対象領域とした医薬品開発事業及び医薬品販売事業の2部門を有し、希少疾病用医薬品と高い成長が期待できる医薬品を車の両輪のようにバランスよく開発する医薬品ベンチャー企業を目指しております。
開発先行型のベンチャー企業ゆえ多額の研究開発費を投じており、2025年3月期の売上高479,403千円に対して販売費及び一般管理費が481,903千円となる等、収益を費用が上回っております。上市した希少疾病用医薬品をより多くの患者さんにお届けできるよう学会へアプローチすると共に、高い成長が期待できる医薬品の開発に向けて臨床試験の計画を立て、研究開発費を投じております。
当社は、下記の課題を対処すべき課題として認識し、取り組んでおります。
<医薬品販売事業>日本小児栄養消化器肝臓学会及び日本先天代謝異常学会から小児慢性特定疾病である先天性胆汁酸代謝異常症への治療薬としてコール酸の開発要望が出され、2019年にTHERAVIA SASと共同開発を始めました。その後2022年7月に国内製造販売承認を申請し、2023年3月に「オファコルカプセル50mg」(一般名:コール酸)の国内製造販売にかかる承認を取得しました。製造はTHERAVIA SASへ委託し、同年6月より販売を開始しました。
「オファコルカプセル50mg」の適応症である先天性胆汁酸代謝異常症は複数の病型が知られています。この中で、脳腱黄色腫症は国内で約60名の患者数が報告されていますが、大規模なゲノム情報を利用した疫学研究では東アジアにおいて約64,000人に一人が脳腱黄色腫症を発症すると推測されています(出典:厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業)脳腱黄色腫症の実態把握と診療標準化のためのガイドライン作成 平成28年度 総括研究報告書)。コール酸で治療された実績が少なく、また小児で検出されにくいことから、当社が強いネットワークを有する先天代謝異常の分野(主に小児科)から神経内科(主に成人)に展開が必要となり、今後脳腱黄色腫症への展開を見据えた日本神経学会や、脳腱黄色腫症の患者が小児の時に白内障を発生させることから、眼科学会へのアプローチが必要と考えています。
<医薬品開発事業>ポリ硫酸ペントサンナトリウム(適応症:変形性膝関節症)の開発においては、後期第Ⅱ相試験の層別解析の結果、KL分類Grade2&3の患者を対象とすることで第Ⅲ相試験を行うに足る有効性を確認できたと判断し、第Ⅲ相試験での有効性・安全性の検証に被験者数として160名程度の治験が必要と計算し、医薬品医療機器総合機構との対面助言相談を実施しました。この結果をもとに、第Ⅲ相試験の治験届を2024年12月に提出しました。2024年12月には、国内製造受託会社へ委託して治験薬(実薬とプラセボ薬)を製造し、2025年7月24日に最初の被験者への投与を開始し(本登録)、2026年2月12日現在、本登録を済ませた被験者数が53名となりました。今後は後期第Ⅱ相試験同様、慎重な被験者リクルートをスケジュール通り遂行させることが重要と考えています。
また、承認申請に向けては申請パッケージの充実等が求められることから、第Ⅲ相試験に加えてイヌの9か月反復毒性試験の実施やポリ硫酸ペントサンナトリウムのより詳細な作用機序の解明等、非臨床試験の充実が重要と考えております。
承認後の販売に関しては帝國製薬株式会社との間で2024年9月の販売に関する基本契約を締結しており、承認取得後の販売体制の構築は完成しました。一方、製造販売承認は当社で保持することから、安全性情報の管理が求められ、安全性情報管理を担える人材の拡充が重要と考えています。
ポリ硫酸ペントサンナトリウム(適応症:ムコ多糖症及びムコリピドーシス)の開発においては、医学専門家と協議を行いながら今後の治験に活用できる自己注射の開発に注力する方向で準備を行います。
<資金調達>医薬品開発に要する資金の確保は、スムーズな医薬品開発に必須の要件です。当社は、2025年5月から6月にかけてFUNDINNO株式会社が抱える特定投資家に対し、J-Ships制度を活用した第三者割当増資を行いました。これらの資金調達活動によって、2026年1月31日現在の自己資本比率は71.2%となりました。
<組織の強化>ガバナンスの強化、適時開示能力の強化は、公開企業を目指す企業にとって必須の要件であると考えています。これまで、開発ステージのアップに加え、当社管理部機能の強化は喫緊の課題と位置付け、不断に優秀な人材のサーチと確保に努めています。
<経営上の目標達成状況を把握する指標>当社は医薬品の開発会社であり、医薬品の臨床試験がスケジュール通り終了し、予定通り申請できるか会社の経営に大きな影響を与えます。そこで当社は中期研究開発計画を策定して取締役会に上程し、経営上の指標として達成目標を設定しています。ポリ硫酸ペントサンナトリウム(適応症:変形性膝関節症)に関しては、現在承認申請に必要な第Ⅲ相試験を実施しております。この試験はポリ硫酸ペントサンナトリウム製剤(実薬)を投与する被験者が80名、プラセボ製剤を投与する被験者が80名の計160名の被験者の登録を目指しています。そして、各年度の目標は以下のように設定しています。
現在進行中のポリ硫酸ペントサンナトリウムの変形性膝関節症に対する第Ⅲ相試験では、月々の登録目標症例数を定めており、月単位で試験の進捗を部内会議や経営戦略会議に報告・管理しています。このように、当社では医薬品の研究開発パイプラインの進捗状況によって、経営目標の達成状況を把握することとしています。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>上述の目標達成にあたり、当社が優先的に対処すべき課題として以下のものが挙げられます。
① 資金調達
ポリ硫酸ペントサンナトリウムを用いた変形性関節症治療薬や希少疾病用医薬品の早期開発を行う上で、当社は継続的に資金調達を行なっていく必要があります。また、債務超過状態を避けるために、開発の進捗に応じて適切なタイミングで着実に自己資本の充実を図っていく必要があり、これら不断の資金調達を通じた強靭な財務基盤の確立が財務上の課題と考えております。
② 組織体制の強化、人材の獲得
当社は、小規模な組織ながらも、自社開発・自社販売を行っています。この当社の開発戦略を担うのは優秀な人材であり、社内における不断の人材育成と必要な人材の積極採用を行い、強力な開発体制を維持したいと考えております。また、同時にカバナンス体制を強化し、当社の社会的責任をしっかり果たすために管理部門の人材強化も図りたいと考えています。
なお、文中における将来に関する記載は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は「バイオ産業の英知を共有し、世界の人々の健康と豊かな暮らしに貢献します」を企業理念に掲げ、設立以来、患者の皆様の思いに寄り添いながら、常に”Required Medicine for all who request it”(人々に求められる医薬品)の精神の下、新しい医薬品の開発にチャレンジしています。
今、当社が取り組んでいる先天性代謝異常症の分野では、多くの難病や小児慢性特定疾病にかかる治療薬の開発が、患者数が極めて少なく採算性が低いという理由で遅れています。一方、変形性膝関節症は超高齢化社会で多くの患者がいるにも関わらず、疾患の発症に多くの因子が絡んでいることから、特定の作用点を狙った薬剤の開発が困難とされている疾患で、未だ有効な治療薬がありません。
当社は、事業分野として、希少疾病用医薬品等のアンメット・メディカル・ニーズを対象領域とした医薬品開発事業及び医薬品販売事業の2部門を有し、希少疾病用医薬品と高い成長が期待できる医薬品を車の両輪のようにバランスよく開発する医薬品ベンチャー企業を目指しております。
開発先行型のベンチャー企業ゆえ多額の研究開発費を投じており、2025年3月期の売上高479,403千円に対して販売費及び一般管理費が481,903千円となる等、収益を費用が上回っております。上市した希少疾病用医薬品をより多くの患者さんにお届けできるよう学会へアプローチすると共に、高い成長が期待できる医薬品の開発に向けて臨床試験の計画を立て、研究開発費を投じております。
当社は、下記の課題を対処すべき課題として認識し、取り組んでおります。
<医薬品販売事業>日本小児栄養消化器肝臓学会及び日本先天代謝異常学会から小児慢性特定疾病である先天性胆汁酸代謝異常症への治療薬としてコール酸の開発要望が出され、2019年にTHERAVIA SASと共同開発を始めました。その後2022年7月に国内製造販売承認を申請し、2023年3月に「オファコルカプセル50mg」(一般名:コール酸)の国内製造販売にかかる承認を取得しました。製造はTHERAVIA SASへ委託し、同年6月より販売を開始しました。
「オファコルカプセル50mg」の適応症である先天性胆汁酸代謝異常症は複数の病型が知られています。この中で、脳腱黄色腫症は国内で約60名の患者数が報告されていますが、大規模なゲノム情報を利用した疫学研究では東アジアにおいて約64,000人に一人が脳腱黄色腫症を発症すると推測されています(出典:厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業)脳腱黄色腫症の実態把握と診療標準化のためのガイドライン作成 平成28年度 総括研究報告書)。コール酸で治療された実績が少なく、また小児で検出されにくいことから、当社が強いネットワークを有する先天代謝異常の分野(主に小児科)から神経内科(主に成人)に展開が必要となり、今後脳腱黄色腫症への展開を見据えた日本神経学会や、脳腱黄色腫症の患者が小児の時に白内障を発生させることから、眼科学会へのアプローチが必要と考えています。
<医薬品開発事業>ポリ硫酸ペントサンナトリウム(適応症:変形性膝関節症)の開発においては、後期第Ⅱ相試験の層別解析の結果、KL分類Grade2&3の患者を対象とすることで第Ⅲ相試験を行うに足る有効性を確認できたと判断し、第Ⅲ相試験での有効性・安全性の検証に被験者数として160名程度の治験が必要と計算し、医薬品医療機器総合機構との対面助言相談を実施しました。この結果をもとに、第Ⅲ相試験の治験届を2024年12月に提出しました。2024年12月には、国内製造受託会社へ委託して治験薬(実薬とプラセボ薬)を製造し、2025年7月24日に最初の被験者への投与を開始し(本登録)、2026年2月12日現在、本登録を済ませた被験者数が53名となりました。今後は後期第Ⅱ相試験同様、慎重な被験者リクルートをスケジュール通り遂行させることが重要と考えています。
また、承認申請に向けては申請パッケージの充実等が求められることから、第Ⅲ相試験に加えてイヌの9か月反復毒性試験の実施やポリ硫酸ペントサンナトリウムのより詳細な作用機序の解明等、非臨床試験の充実が重要と考えております。
承認後の販売に関しては帝國製薬株式会社との間で2024年9月の販売に関する基本契約を締結しており、承認取得後の販売体制の構築は完成しました。一方、製造販売承認は当社で保持することから、安全性情報の管理が求められ、安全性情報管理を担える人材の拡充が重要と考えています。
ポリ硫酸ペントサンナトリウム(適応症:ムコ多糖症及びムコリピドーシス)の開発においては、医学専門家と協議を行いながら今後の治験に活用できる自己注射の開発に注力する方向で準備を行います。
<資金調達>医薬品開発に要する資金の確保は、スムーズな医薬品開発に必須の要件です。当社は、2025年5月から6月にかけてFUNDINNO株式会社が抱える特定投資家に対し、J-Ships制度を活用した第三者割当増資を行いました。これらの資金調達活動によって、2026年1月31日現在の自己資本比率は71.2%となりました。
<組織の強化>ガバナンスの強化、適時開示能力の強化は、公開企業を目指す企業にとって必須の要件であると考えています。これまで、開発ステージのアップに加え、当社管理部機能の強化は喫緊の課題と位置付け、不断に優秀な人材のサーチと確保に努めています。
<経営上の目標達成状況を把握する指標>当社は医薬品の開発会社であり、医薬品の臨床試験がスケジュール通り終了し、予定通り申請できるか会社の経営に大きな影響を与えます。そこで当社は中期研究開発計画を策定して取締役会に上程し、経営上の指標として達成目標を設定しています。ポリ硫酸ペントサンナトリウム(適応症:変形性膝関節症)に関しては、現在承認申請に必要な第Ⅲ相試験を実施しております。この試験はポリ硫酸ペントサンナトリウム製剤(実薬)を投与する被験者が80名、プラセボ製剤を投与する被験者が80名の計160名の被験者の登録を目指しています。そして、各年度の目標は以下のように設定しています。
| 年度 | 目標としている指標 |
| 2027年3月期 | 第Ⅲ相試験における160名の本登録を完了する |
| 2028年3月期 | 第Ⅲ相試験の試験結果を確認して、新薬製造販売承認の申請を実施する |
| 2029年3月期 | 照会事項へ的確に対応し製造販売承認を取得する |
現在進行中のポリ硫酸ペントサンナトリウムの変形性膝関節症に対する第Ⅲ相試験では、月々の登録目標症例数を定めており、月単位で試験の進捗を部内会議や経営戦略会議に報告・管理しています。このように、当社では医薬品の研究開発パイプラインの進捗状況によって、経営目標の達成状況を把握することとしています。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>上述の目標達成にあたり、当社が優先的に対処すべき課題として以下のものが挙げられます。
① 資金調達
ポリ硫酸ペントサンナトリウムを用いた変形性関節症治療薬や希少疾病用医薬品の早期開発を行う上で、当社は継続的に資金調達を行なっていく必要があります。また、債務超過状態を避けるために、開発の進捗に応じて適切なタイミングで着実に自己資本の充実を図っていく必要があり、これら不断の資金調達を通じた強靭な財務基盤の確立が財務上の課題と考えております。
② 組織体制の強化、人材の獲得
当社は、小規模な組織ながらも、自社開発・自社販売を行っています。この当社の開発戦略を担うのは優秀な人材であり、社内における不断の人材育成と必要な人材の積極採用を行い、強力な開発体制を維持したいと考えております。また、同時にカバナンス体制を強化し、当社の社会的責任をしっかり果たすために管理部門の人材強化も図りたいと考えています。