訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは三方よしの経営理念を柱に、顧客と共に成長し続け、常に顧客の価値を最大化することにより自社も持続的な成長を果たすことを目指しております。
a.経営理念
私たちは3つの理念を追求し、その実現を目指しています。
特に人材育成に注力し、人的資本の向上を通じて顧客や社会に価値を還元してまいります。
●公平、公正を旨とし、明るくやりがいのある会社
(社員満足度向上 = 社員自身の成長)
●さわやかに、キビキビと礼儀をまもり、お客様に信頼される会社
(顧客満足度向上 = お客様の役に立つ)
●ソフトウェア技術に磨きをかけ、他に勝る技術を持ち、社会に貢献する会社
(社会に役立つ技術満足度向上 = 社会への貢献)
b.ミッション
●ITで豊かな未来を創る
社員が成長する環境を作り、お客様からたくさんの「ありがとう」を頂戴し、ITで社会を豊かに、社会に役立つ会社であり続けること
c.経営方針
●顧客ビジネス成長への貢献
お客様の課題と向き合い共に課題を解決
●事業変革による収益構造の転換
強みにより付加価値の拡大、新たな価値を創造し収益性を向上
●長期成長基盤の構築
持続的な成長を実現する強固な経営基盤を構築
(2)経営戦略等
当社グループは、顧客企業のIT投資が、業務効率化にとどまらず競争力強化や収益モデルの変革を目的として、既存システムの構成やプロセス技術の最新化、新たな開発手法・運用方法の採用を進め、システム全体の生産性・安全性・パフォーマンスを向上させるDXの推進へ拡大しており、こうした取り組みに対する需要が、継続的に増加していると認識しております。一方で、IT人材不足の継続や求められる技術領域の拡大により、プロジェクト遂行体制の確保、品質確保と納期遵守の両立、収益性の確保が一層重要になると考えております。このような環境認識の下、当社グループは、「3.事業の内容」に記載のとおり、SI事業(システム受託開発、保守・運用、保守開発を含む)を中核として、提案から設計・構築、運用までをワンストップで提供してまいります。併せて、品質・生産性向上と体制確保に向けた取り組みを推進し、以下の各戦略に基づき具体的施策を展開してまいります。
①顧客ビジネス成長への貢献
当社グループは、常に顧客とともに課題に向き合い、本質を捉えたサービスの提供を第一に考えます。その上で、顧客企業を、長年にわたる取引実績や高い取引規模を有する、各業界のリーディングカンパニーを中心とした約10の企業グループからなる「主要顧客」と、主要顧客に準ずる約20の企業グループからなる「戦略顧客」に区分し、それぞれに向けた戦略を定めております。
「主要顧客」に向けては、全社横断(ALL-EXE(※))で顧客のグループ・関連企業に関する情報共有を進めるとともに、人的資源を含めた社内リソースを集約することで、当社グループの持つ特定業界の知識や開発力を活かした差別化ソリューションの提案、高付加価値なサービス提供に繋げ、さらなるシェア拡大とビジネス共創を目指します。
「戦略顧客」に向けては、アカウント・プランニング・セッション(以下、APS)と呼ばれる、顧客情報の共有・分析・中長期戦略の検討を定期的に行い、顧客へのアプローチに繋げます。こうした取り組みを通じた顧客との信頼関係の構築により、基幹業務や重要業務領域を任せていただける機会創出を目指します。
また、その他既存顧客ならびに新規顧客に向けては、前述の業界知識や開発力に加え、連結子会社やアライアンスパートナーとの連携など、当社グループの強みを活かした提案を行うことで、新たなビジネス創出と信頼関係の構築を目指します。
(※)ALL-EXE:全員参加・全員主役にこだわり、全社一丸となって経営理念・ミッションの達成を目指すこと

②事業変革による収益構造の転換
当社グループは、創業以来エンドユーザーとの直接取引にこだわり続け、業界シェア上位の顧客が抱えるIT課題を直接見聞きし解決することで蓄積されたノウハウや専門知識により、見えない課題を引き出すことのできる「現場力」を強みとしております。さらに、独立系SIerだからこそできる様々な製品、サービス、IT技術の活用により、顧客にとっての最良の方法を提案し「解決する力」を備えております。
これらをコアコンピタンスとし、品質・生産性の向上と技術・トレンドの情報収集や研究開発等に取り組むことにより、より多くの、新たな付加価値を創出し、収益性向上に繋がる事業変革を目指します。
③長期成長基盤の構築
当社グループは、強固な経営基盤の構築により持続的成長ならびに長期的な企業価値向上を目指します。
基盤構築への具体的戦略として、組織力・技術力の強化、拡大を企図した人材育成、働き方の多様化に対応し個々の能力が最大限発揮できる環境整備、CSR推進に伴う企業総合力の強化、コーポレート・ガバナンス機能の充実による健全経営の推進、経済・市場環境の変化や自然災害をはじめとする、企業活動に影響を及ぼす多様なリスクを予測し、損失の回避・低減を図るリスクマネジメントの徹底に取り組んでまいります。
(3)経営環境
新型コロナ感染症の制限緩和以降、経済活動の正常化が進む一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による高インフレ・金融引き締めが継続しており、国内の資源高や円安進行が物価上昇に影響を及ぼすなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、企業のIT投資需要が、業務の効率化・生産性向上を目的としたものから、製品・サービスの競争力向上・収益モデルの変革など企業価値向上を目的としたものにも拡大しております。生成AIをはじめとする新技術の利用領域の多様化も進み、今後はこれらの期待に対応していくことが求められております。さらに経済産業省が2025年5月に発表したレポート「DX(デジタルトランスフォーメーション)の現在地とレガシーシステム脱却に向けて」では、従来より懸案事項として示されていたレガシーシステムの複雑化・運用コストの増大、IT人材不足及びセキュリティリスクからの脱却に向け、戦略的IT投資の必要性が示されており、これまで以上のDX推進など対策が急がれています。
これに伴い、上述の「(2)経営戦略等」のとおり、顧客企業のニーズの多様化・高度化が進み、SIerには単なる開発力にとどまらず、業務理解に基づく提案力、特定製品に依存しない技術選定力、ならびに導入後の安定稼働と継続的な改善を支える保守・運用を含めた総合力が求められていると認識しております。このような環境下において当社グループは、エンドユーザーとの直接取引を通じて培った業務理解と課題解決力を基盤に、独立系SIerとして特定の製品・サービスに依存しない技術選定と提案が可能である点を競争優位性と考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述の経営環境の下、企業が持続的成長を果たすためには、より長期的な視点から社会の本質的な変化を捉え、企業を取り巻く社会課題に対し、事業を通じた解決と価値創造に取り組む必要があります。これらの実現に向け、当社グループが対処すべき当面の課題への取り組みは、中期経営計画(2025年4月~2028年3月)の着実な実行であります。以下のあるべき姿の実現に向け、諸施策の取り組みを一層加速することで、経営方針及び経営戦略の的確な実行に繋げ、顧客の価値創造を通じ社会へ貢献してまいります。
①コアコンピタンスの強化・進化
顧客企業においては、DX内製化の動きがある一方、実態としては自社の人材や技術のみでの推進は困難であり、多くの顧客がSIerの協力を必要としております。当社グループでは、顧客アイディアを具現化する技術を持ち、顧客に寄り添い課題の本質を捉えた解決策を提供するプロフェッショナルSIパートナーとして、顧客の価値最大化に取り組みます。
具体的には、顧客別戦略に基づく顧客基盤の拡大、大型プロジェクト受注体制の整備、特定業務に精通した技術者の育成により既存の事業領域を盤石なものにしてまいります。これらの取り組みの中で、DXへの対応、クラウド化等必要とされる社会課題に対して、事業領域間の緊密な連携による技術力・提案力をもって、顧客視点での最適な課題解決を目指します。
②EXE品質の確立
当社グループでは、顧客の信頼を得る高品質かつ高付加価値なサービスを提供することを使命としており、当該水準を「EXE品質」として、その確立に向け取り組みを推進しております。
システム受託開発は、プロジェクト管理の不備による顧客満足度の低下や予期せぬ不採算案件の発生による収益低下リスクが懸念されます。これを回避するために当社グループでは、独自の開発標準体系として「ExecTORA(エグゼクトラ)」を構築し、プロジェクト品質向上委員会にて計画策定から達成状況の分析及び改善活動に至るまでの継続的かつ全社横断的な品質向上に取り組んでおります。
ExecTORAとは、プロジェクト品質を管理・改善しながら活動をしていく上での基本的な考え方やガイドラインを纏めたもので、プロジェクトの企画段階から検収・納品までの流れを示した①品質保証体系、プロジェクトの進め方や品質指標を定めた②プロジェクトガイドライン、各工程で品質責任者が行う③局面レビュー、本部横断で活動状況を評価する④相互チェック、品質指標を検証し改善へ繋げる為の⑤品質指標検証といった5分類で構成されております。
今後もExecTORA定着・進化を図り、当社グループ品質の確立ならびに収益性の向上に努めてまいります。
③アライアンスとのシナジー創出
事業を加速させていく上で、アライアンスパートナーとのシナジーの創出が非常に重要と考えており、当社グループでは、独立系SIerである強みを活かしアライアンス強化に取り組んでおります。両社の強みを活かした連携ソリューションの構築、成功事例からのビジネス・サービスの共創等を通じて、信頼関係を構築し、既存事業の領域拡大のみならず、新規事業推進ならびに優良顧客の獲得の契機とし、ともに成長を図ってまいります。
④オフショア推進(BotDev)
当社グループでは「お客様へ提供するものは価値以外にない」という考えの下、「BotDev」(「3.事業の内容」用語解説を参照)という独自の開発手法により、オフショアを推進しています。前述の通り、日本・ベトナムの技術者とブリッジエンジニアが一丸となりプロジェクトを推進できる体制の維持・拡大が要であるため、今後はベトナム国内での幹部社員育成、ブリッジエンジニアの採用・育成の推進でより強固な体制構築を進めるとともに、当該サービスの認知度向上を図ることで、さらなる規模拡大とグループ全体の生産性向上、利益獲得を目指します。
⑤自社製品・サービスの価値向上
当社グループでは、事業拡大の一環として自社製品・サービスの開発・販売を推進しております。前述の通り、当社グループの保有する製品・サービスは、長年の経験で培った業務知識や技術力を集結した独自性を持つ点が強みです。
新製品開発や既存製品の機能強化への取り組みにより、市場ニーズを的確に把握する課題解決力・企画力の向上を促進し、開発生産性の向上を実現してまいります。また、自社製品・サービスの認知度向上により新規顧客開拓を推進することで、SI事業全体での収益貢献を目指します。
⑥研究開発体制の強化
前述のとおり、顧客企業のDX推進への対策を始めとする最新技術の活用が急がれる中、当社グループでは新たな価値創造に向けて積極的な研究開発活動を推進しております。全社横断で実施しております社内研究活動「EXE-Innovation」(「6.研究開発活動」を参照)のほか、ベトナム子会社やアライアンスパートナー、既存顧客との共同研究による新ビジネス・新サービスの創出も進んでおります。今後も顧客から求められる技術を追求し、得られた知見を顧客へ利活用することで価値提供を図ってまいります。
⑦戦略的な経営基盤の構築
当社グループを支える経営基盤においては、成長戦略と安定感のバランスを考慮した戦略的な基盤強化を図っております。具体的には、コーポレート・ガバナンスの強化を中心とした健全経営の推進により社会的信用を獲得するとともに、収益向上を企図した経営戦略の立案と遂行、社員一人ひとりが潜在的な能力を高めチャレンジすることのできる社内制度設計や育成体制の強化により、当社グループの事業成長を促し社会からの期待に応えてまいります。
⑧財務上の課題
当社グループにおいては、本書提出日現在、事業運営に必要な手許資金は確保されており、借入等による機動的な資金調達も可能であることから、対処すべき財務上の課題はありません。ただし、今後の事業拡大に備えて、引き続き財務体質の強化を図ってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおける主な指標は以下のとおりです。特に、事業の安定性及び収益基盤の強化についての達成状況を判断するため、売上高上位30社の売上推移を継続的に把握することで、主要顧客に対する取引の継続性、顧客別売上の増減、及び顧客基盤の安定性を検証しております。加えて、売上高全体に占める保守・運用及び保守開発の比率をモニタリングし、契約継続性の高い収益の積み上がり状況を評価しております。また、当社グループ内でのオフショア活用を推進することで利益の向上に寄与すると考えており、活用状況や収益性の状況を確認しております。これらの指標を総合的に管理することにより、安定した収益の確保ができているかを継続的に検証してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは三方よしの経営理念を柱に、顧客と共に成長し続け、常に顧客の価値を最大化することにより自社も持続的な成長を果たすことを目指しております。
a.経営理念
私たちは3つの理念を追求し、その実現を目指しています。
特に人材育成に注力し、人的資本の向上を通じて顧客や社会に価値を還元してまいります。
●公平、公正を旨とし、明るくやりがいのある会社
(社員満足度向上 = 社員自身の成長)
●さわやかに、キビキビと礼儀をまもり、お客様に信頼される会社
(顧客満足度向上 = お客様の役に立つ)
●ソフトウェア技術に磨きをかけ、他に勝る技術を持ち、社会に貢献する会社
(社会に役立つ技術満足度向上 = 社会への貢献)
b.ミッション
●ITで豊かな未来を創る
社員が成長する環境を作り、お客様からたくさんの「ありがとう」を頂戴し、ITで社会を豊かに、社会に役立つ会社であり続けること
c.経営方針
●顧客ビジネス成長への貢献
お客様の課題と向き合い共に課題を解決
●事業変革による収益構造の転換
強みにより付加価値の拡大、新たな価値を創造し収益性を向上
●長期成長基盤の構築
持続的な成長を実現する強固な経営基盤を構築
(2)経営戦略等
当社グループは、顧客企業のIT投資が、業務効率化にとどまらず競争力強化や収益モデルの変革を目的として、既存システムの構成やプロセス技術の最新化、新たな開発手法・運用方法の採用を進め、システム全体の生産性・安全性・パフォーマンスを向上させるDXの推進へ拡大しており、こうした取り組みに対する需要が、継続的に増加していると認識しております。一方で、IT人材不足の継続や求められる技術領域の拡大により、プロジェクト遂行体制の確保、品質確保と納期遵守の両立、収益性の確保が一層重要になると考えております。このような環境認識の下、当社グループは、「3.事業の内容」に記載のとおり、SI事業(システム受託開発、保守・運用、保守開発を含む)を中核として、提案から設計・構築、運用までをワンストップで提供してまいります。併せて、品質・生産性向上と体制確保に向けた取り組みを推進し、以下の各戦略に基づき具体的施策を展開してまいります。
①顧客ビジネス成長への貢献
当社グループは、常に顧客とともに課題に向き合い、本質を捉えたサービスの提供を第一に考えます。その上で、顧客企業を、長年にわたる取引実績や高い取引規模を有する、各業界のリーディングカンパニーを中心とした約10の企業グループからなる「主要顧客」と、主要顧客に準ずる約20の企業グループからなる「戦略顧客」に区分し、それぞれに向けた戦略を定めております。
「主要顧客」に向けては、全社横断(ALL-EXE(※))で顧客のグループ・関連企業に関する情報共有を進めるとともに、人的資源を含めた社内リソースを集約することで、当社グループの持つ特定業界の知識や開発力を活かした差別化ソリューションの提案、高付加価値なサービス提供に繋げ、さらなるシェア拡大とビジネス共創を目指します。
「戦略顧客」に向けては、アカウント・プランニング・セッション(以下、APS)と呼ばれる、顧客情報の共有・分析・中長期戦略の検討を定期的に行い、顧客へのアプローチに繋げます。こうした取り組みを通じた顧客との信頼関係の構築により、基幹業務や重要業務領域を任せていただける機会創出を目指します。
また、その他既存顧客ならびに新規顧客に向けては、前述の業界知識や開発力に加え、連結子会社やアライアンスパートナーとの連携など、当社グループの強みを活かした提案を行うことで、新たなビジネス創出と信頼関係の構築を目指します。
(※)ALL-EXE:全員参加・全員主役にこだわり、全社一丸となって経営理念・ミッションの達成を目指すこと

②事業変革による収益構造の転換
当社グループは、創業以来エンドユーザーとの直接取引にこだわり続け、業界シェア上位の顧客が抱えるIT課題を直接見聞きし解決することで蓄積されたノウハウや専門知識により、見えない課題を引き出すことのできる「現場力」を強みとしております。さらに、独立系SIerだからこそできる様々な製品、サービス、IT技術の活用により、顧客にとっての最良の方法を提案し「解決する力」を備えております。
これらをコアコンピタンスとし、品質・生産性の向上と技術・トレンドの情報収集や研究開発等に取り組むことにより、より多くの、新たな付加価値を創出し、収益性向上に繋がる事業変革を目指します。
③長期成長基盤の構築
当社グループは、強固な経営基盤の構築により持続的成長ならびに長期的な企業価値向上を目指します。
基盤構築への具体的戦略として、組織力・技術力の強化、拡大を企図した人材育成、働き方の多様化に対応し個々の能力が最大限発揮できる環境整備、CSR推進に伴う企業総合力の強化、コーポレート・ガバナンス機能の充実による健全経営の推進、経済・市場環境の変化や自然災害をはじめとする、企業活動に影響を及ぼす多様なリスクを予測し、損失の回避・低減を図るリスクマネジメントの徹底に取り組んでまいります。
(3)経営環境
新型コロナ感染症の制限緩和以降、経済活動の正常化が進む一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による高インフレ・金融引き締めが継続しており、国内の資源高や円安進行が物価上昇に影響を及ぼすなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、企業のIT投資需要が、業務の効率化・生産性向上を目的としたものから、製品・サービスの競争力向上・収益モデルの変革など企業価値向上を目的としたものにも拡大しております。生成AIをはじめとする新技術の利用領域の多様化も進み、今後はこれらの期待に対応していくことが求められております。さらに経済産業省が2025年5月に発表したレポート「DX(デジタルトランスフォーメーション)の現在地とレガシーシステム脱却に向けて」では、従来より懸案事項として示されていたレガシーシステムの複雑化・運用コストの増大、IT人材不足及びセキュリティリスクからの脱却に向け、戦略的IT投資の必要性が示されており、これまで以上のDX推進など対策が急がれています。
これに伴い、上述の「(2)経営戦略等」のとおり、顧客企業のニーズの多様化・高度化が進み、SIerには単なる開発力にとどまらず、業務理解に基づく提案力、特定製品に依存しない技術選定力、ならびに導入後の安定稼働と継続的な改善を支える保守・運用を含めた総合力が求められていると認識しております。このような環境下において当社グループは、エンドユーザーとの直接取引を通じて培った業務理解と課題解決力を基盤に、独立系SIerとして特定の製品・サービスに依存しない技術選定と提案が可能である点を競争優位性と考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述の経営環境の下、企業が持続的成長を果たすためには、より長期的な視点から社会の本質的な変化を捉え、企業を取り巻く社会課題に対し、事業を通じた解決と価値創造に取り組む必要があります。これらの実現に向け、当社グループが対処すべき当面の課題への取り組みは、中期経営計画(2025年4月~2028年3月)の着実な実行であります。以下のあるべき姿の実現に向け、諸施策の取り組みを一層加速することで、経営方針及び経営戦略の的確な実行に繋げ、顧客の価値創造を通じ社会へ貢献してまいります。
①コアコンピタンスの強化・進化
顧客企業においては、DX内製化の動きがある一方、実態としては自社の人材や技術のみでの推進は困難であり、多くの顧客がSIerの協力を必要としております。当社グループでは、顧客アイディアを具現化する技術を持ち、顧客に寄り添い課題の本質を捉えた解決策を提供するプロフェッショナルSIパートナーとして、顧客の価値最大化に取り組みます。
具体的には、顧客別戦略に基づく顧客基盤の拡大、大型プロジェクト受注体制の整備、特定業務に精通した技術者の育成により既存の事業領域を盤石なものにしてまいります。これらの取り組みの中で、DXへの対応、クラウド化等必要とされる社会課題に対して、事業領域間の緊密な連携による技術力・提案力をもって、顧客視点での最適な課題解決を目指します。
②EXE品質の確立
当社グループでは、顧客の信頼を得る高品質かつ高付加価値なサービスを提供することを使命としており、当該水準を「EXE品質」として、その確立に向け取り組みを推進しております。
システム受託開発は、プロジェクト管理の不備による顧客満足度の低下や予期せぬ不採算案件の発生による収益低下リスクが懸念されます。これを回避するために当社グループでは、独自の開発標準体系として「ExecTORA(エグゼクトラ)」を構築し、プロジェクト品質向上委員会にて計画策定から達成状況の分析及び改善活動に至るまでの継続的かつ全社横断的な品質向上に取り組んでおります。
ExecTORAとは、プロジェクト品質を管理・改善しながら活動をしていく上での基本的な考え方やガイドラインを纏めたもので、プロジェクトの企画段階から検収・納品までの流れを示した①品質保証体系、プロジェクトの進め方や品質指標を定めた②プロジェクトガイドライン、各工程で品質責任者が行う③局面レビュー、本部横断で活動状況を評価する④相互チェック、品質指標を検証し改善へ繋げる為の⑤品質指標検証といった5分類で構成されております。
今後もExecTORA定着・進化を図り、当社グループ品質の確立ならびに収益性の向上に努めてまいります。
③アライアンスとのシナジー創出
事業を加速させていく上で、アライアンスパートナーとのシナジーの創出が非常に重要と考えており、当社グループでは、独立系SIerである強みを活かしアライアンス強化に取り組んでおります。両社の強みを活かした連携ソリューションの構築、成功事例からのビジネス・サービスの共創等を通じて、信頼関係を構築し、既存事業の領域拡大のみならず、新規事業推進ならびに優良顧客の獲得の契機とし、ともに成長を図ってまいります。
④オフショア推進(BotDev)
当社グループでは「お客様へ提供するものは価値以外にない」という考えの下、「BotDev」(「3.事業の内容」用語解説を参照)という独自の開発手法により、オフショアを推進しています。前述の通り、日本・ベトナムの技術者とブリッジエンジニアが一丸となりプロジェクトを推進できる体制の維持・拡大が要であるため、今後はベトナム国内での幹部社員育成、ブリッジエンジニアの採用・育成の推進でより強固な体制構築を進めるとともに、当該サービスの認知度向上を図ることで、さらなる規模拡大とグループ全体の生産性向上、利益獲得を目指します。
⑤自社製品・サービスの価値向上
当社グループでは、事業拡大の一環として自社製品・サービスの開発・販売を推進しております。前述の通り、当社グループの保有する製品・サービスは、長年の経験で培った業務知識や技術力を集結した独自性を持つ点が強みです。
新製品開発や既存製品の機能強化への取り組みにより、市場ニーズを的確に把握する課題解決力・企画力の向上を促進し、開発生産性の向上を実現してまいります。また、自社製品・サービスの認知度向上により新規顧客開拓を推進することで、SI事業全体での収益貢献を目指します。
⑥研究開発体制の強化
前述のとおり、顧客企業のDX推進への対策を始めとする最新技術の活用が急がれる中、当社グループでは新たな価値創造に向けて積極的な研究開発活動を推進しております。全社横断で実施しております社内研究活動「EXE-Innovation」(「6.研究開発活動」を参照)のほか、ベトナム子会社やアライアンスパートナー、既存顧客との共同研究による新ビジネス・新サービスの創出も進んでおります。今後も顧客から求められる技術を追求し、得られた知見を顧客へ利活用することで価値提供を図ってまいります。
⑦戦略的な経営基盤の構築
当社グループを支える経営基盤においては、成長戦略と安定感のバランスを考慮した戦略的な基盤強化を図っております。具体的には、コーポレート・ガバナンスの強化を中心とした健全経営の推進により社会的信用を獲得するとともに、収益向上を企図した経営戦略の立案と遂行、社員一人ひとりが潜在的な能力を高めチャレンジすることのできる社内制度設計や育成体制の強化により、当社グループの事業成長を促し社会からの期待に応えてまいります。
⑧財務上の課題
当社グループにおいては、本書提出日現在、事業運営に必要な手許資金は確保されており、借入等による機動的な資金調達も可能であることから、対処すべき財務上の課題はありません。ただし、今後の事業拡大に備えて、引き続き財務体質の強化を図ってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおける主な指標は以下のとおりです。特に、事業の安定性及び収益基盤の強化についての達成状況を判断するため、売上高上位30社の売上推移を継続的に把握することで、主要顧客に対する取引の継続性、顧客別売上の増減、及び顧客基盤の安定性を検証しております。加えて、売上高全体に占める保守・運用及び保守開発の比率をモニタリングし、契約継続性の高い収益の積み上がり状況を評価しております。また、当社グループ内でのオフショア活用を推進することで利益の向上に寄与すると考えており、活用状況や収益性の状況を確認しております。これらの指標を総合的に管理することにより、安定した収益の確保ができているかを継続的に検証してまいります。
| 指標 | 選定した理由 |
| 売上高 | 事業規模及び成長の状況を端的に示す指標であり、経営目標の達成状況を判断する上で把握することが重要と考えるため。 |
| 売上高総利益率 | 事業の採算性や原価の効率性を示す指標であり、収益性の状況を把握することが重要と考えるため。 |
| 売上高営業利益率 | 販管費を含めた事業運営全体の効率性を示す指標であり、収益力を総合的に把握することが重要と考えるため。 |
| 売上高上位30社(顧客)の売上推移 | 主要顧客との取引継続性や取引深耕の状況、売上の集中度合いを把握する上で重要と考えるため。 |
| サービス別の売上推移 (①保守・運用 ②保守開発 ③新規開発) | 事業ポートフォリオの状況と収益の安定性を把握する上で重要と考えるため。 |
| オフショア活用比率 | 当社グループの総合力が発揮されていることを示す指標であり、収益性の向上を図る上でも重要と考えるため。 |