Skyfall

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文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「いいモノが広がっている世の中を創造する」をビジョンとし、「常識にとらわれない発想とテクノロジーの力で、ユーザー体験に寄り添った価値を探究する」をミッションとして掲げております。また、「挑戦/オーナーシップ/徹底/ポジティブ/変化/クオリティ/客観性/リスペクト/成長/チームワーク」をMOTTO(モットー)として定め、これらの価値観に基づき、事業を展開しております。当社は、上記ビジョン・ミッションのもと、主軸事業であるリワードマーケティングプラットフォーム事業を通じて、国内外の広告主及びメディア主に対して価値を提供することを基本方針としております。中長期的には、国内市場における競争優位性の確立に加え、韓国を起点とした欧米を中心とする海外市場への展開を進め、グローバルな収益基盤の構築を目指しております。
また、「SKYFLAG」を通じて蓄積した顧客基盤、ユーザーデータ及び運営ノウハウを活用した新規領域への投資を通じて、持続的な企業価値の向上を図ることを基本的な考え方としております。
(2)経営環境
当社の主たる事業であるリワードマーケティングプラットフォーム事業に係る経営環境の認識は、以下のとおりです。
① 市場の状況
当社の属するインターネット広告市場においては、市場規模の拡大に伴い、データ活用とプライバシー保護の両立の重要性が高まっております。ユーザーのプライバシー保護の観点から、ウェブブラウザ提供事業者によるサードパーティCookie(複数のウェブサイトにまたがってユーザーデータを収集し、ターゲティング等に利用されるクッキー)の利用制限の動きが進んでおります。具体的には、Apple社による「Safari」へのITP(Intelligent Tracking Prevention)の導入をはじめ、主要なウェブブラウザにおけるクロスサイトトラッキングの制限や規制対応が進められております(※1)。これに伴い、自社でサイト等を所有する事業者がファーストパーティCookieや自社サイトの会員情報等からユーザーデータを収集・活用する重要性が高まっております。
また、近年の生成AI技術の急速な浸透に伴い、検索エンジンにおける検索結果の提示方法であるAIO:AI Overview等(検索エンジンにおいて、人工知能が複数のWebサイトから情報を収集・要約し、ユーザーの質問に対する回答を検索結果画面上に直接表示する機能)が高度化するなど、ユーザーの検索行動や情報収集のあり方に変化が生じております。これにより、ユーザーが外部のWebサイトに遷移することなく検索結果画面上で情報を完結させる傾向が強まっております。その結果、従来の検索型広告や、SEO:Search Engine Optimization (検索エンジンの自然検索結果において、特定のWebサイトやメディアが上位に表示されるよう、コンテンツの質やサイト構造を最適化する一連の施策)に依存したWebメディアの表示及びユーザーの訪問機会が減少する傾向にあり、それに伴う消費者のデジタル上での行動変容が進んでおります。
さらに、インターネット広告における品質上の課題であるアドフラウド(機械的なアクセスや不正な手法により、広告表示、クリック、アプリのインストール成果等を実際よりも多く発生したように見せる広告不正)の排除やブランドセーフティの確保に対する関心も高まっております。具体的には、「アドフラウドを含む無効なトラフィックの除外(ユーザーに届いていない広告配信の抑制)」及び「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保(不適切な広告掲載先の排除)」が重視される傾向にあり、行政における規制や業界ガイドラインの整備も進んでおります。
このような個人情報保護への対応や生成AIの台頭に伴う消費者の行動変容、さらには広告の健全性・信頼性の確保が求められる環境下において、ユーザーの能動的な意思選択に基づくエンゲージメントを促し、配信面の透明性を確保している当社の「SKYFLAG」は、従来のWeb検索や特定の広告枠に依存しない確実なユーザー接点を提供できる点、および成果地点の深い成果報酬型広告の特性を活かし、広告主による適切な配信面への出稿を支援することが可能であります。こうした市場環境の変化を背景に、従来のマーケティング手法の代替、およびインターネット広告市場における構造変化や課題に対応するソリューションとして、「SKYFLAG」の需要は今後も高まるものと認識しております。
インターネット広告市場は、技術革新や広告の健全性・信頼の確保に伴う構造変化の渦中においても、新たな需要を取り込みながら堅調な成長を続けております。株式会社電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によれば、2025年の日本のインターネット広告媒体費は3兆3,093億円となり引き続き拡大傾向にあります。
また、総務省「情報通信白書令和7年版 世界の総広告費の推移」によると、2025年の世界のインターネット広告媒体費は5,130億米ドル(約82兆800億円、※2)となり、総広告費に占める割合も60%を超える予測となっております。
さらに、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」及び「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」も拡大しており、その中において、スマートフォンアプリの普及とユーザーのアプリ利用時間の増加を背景に、当社事業と親和性を有するアプリ内広告(インアプリ広告)市場の成長が進んでおります。
市場調査機関であるIMARC Groupの調査レポート「日本のアプリ内広告市場:業界動向、シェア、規模、成長、機会、予測2026-2034 (有料版) (分析基準日:2025年)」によれば、日本のアプリ内広告市場規模は2025年において92億米ドル(約1兆4,720億円)に達しており、2034年までには263億米ドル(約4兆2,080億円)に成長、2025年から2034年にかけて年平均成長率(CAGR)12.38%という高い伸びを示すと予測されております。同市場拡大の背景には、SNS、ゲーム、EC等のモバイルアプリ利用が日常化していることが挙げられ、特にユーザーのエンゲージメントを高める広告フォーマットとして、動画広告、インタラクティブ広告及び当社が主力とするリワード型広告への関心が高まっております。
同レポートにおける2025年の広告タイプ別内訳は、Video Adsが約34.2億米ドル(約5,472億円)、Interstitial Adsが約22.0億米ドル(約3,520億円)、Banner Adsが約17.4億米ドル(約2,784億円)、Rich Media Adsが約12.1億米ドル(約1,936億円)、Othersが約6.3億米ドル(約1,008億円)となっており、当社が提供する「ロングCPEリワード広告」は独立した広告タイプとして区分されておらず、現時点では広告タイプ別内訳のうち「Others(その他)」に内包されているものと整理しております。同領域は主要4タイプ以外の多様な広告フォーマットが幅広く含まれる複合的な市場であり、当社のロングCPEリワード広告もその一部に位置づけております一方で、当社のロングCPEリワード広告は、既存の動画広告、インタースティシャル広告、バナー広告等と同一の「アプリ内広告予算」または「アプリ内マネタイズ手段」の枠組みにおいて、代替的あるいは補完的に選択される広告フォーマットであると位置づけております。当社サービスは、ユーザー体験(UX)に過度な負荷を与えず、成果報酬型でメディア主(メディア)の収益機会を創出できるため、メディア主が広告マネタイズにおけるユーザー体験を見直す局面において、追加的なマネタイズ手段として「SKYFLAG」を活用いただける余地があるものと認識しております。
また、同IMARC Groupの調査レポートによると、2025年の世界のアプリ内広告市場規模は、2,228億ドル(約35兆6,480億円)に達しており、こちらもモバイルアプリの利用が継続的に増加していることなどを背景に、アプリ内広告市場の規模が拡大しております。
このように、社会のデジタル化が進展する中、AIの急速な浸透に伴う検索行動の変化(従来の検索型広告や、SEOメディアの表示機会の減少)や、それに伴う消費者の行動変容を背景として、当社が主軸とするロングCPEリワード広告を包含する「アプリ内広告市場」は、今後も強固な拡大トレンドが続くものと予測しております。
※1 公正取引委員会「デジタル・プラットフォーム事業者の取引慣行等に関する実態調査(デジタル広告分野)」(令和3年2月17日)に基づき記載しております。
※2 1米ドル=160円で換算。2026年7月時点の為替水準(160円台)をベースに、算出の保守性を鑑み1米ドル=160円を採用。以下、本段落において同じ。)
② 当社の競争優位性と事業展開
このような市場環境の中、当社は、リワードマーケティングプラットフォーム「SKYFLAG」について、ユーザーの能動的な意思選択に基づく広告フォーマット、ロングCPEリワード広告の設計力、多様なメディア主及び広告主との取引基盤、広告配信面の透明性並びに導入及び運用に関するノウハウを競争優位性の源泉として事業を展開しております。
「SKYFLAG」は、当社が提携するメディアを通じて広告主のサービスをユーザーに提供するプラットフォームです。ユーザーによるアプリの利用、会員登録、特定の条件達成といった所定の成果地点への到達(広告利用)に応じて、リワード(ポイント等)が発生・付与される仕組みとなっております。ユーザーは、自らポイント獲得機能にアクセスし、複数の広告案件の中から、広告内容、成果条件及び獲得できる報酬を確認した上で、利用する広告案件を選択します。ユーザーが所定の成果条件を達成した場合には、メディア内で利用できるポイント等の報酬が付与されます。
一般的なディスプレイ広告やインタースティシャル広告等には、ユーザーの意思にかかわらず、コンテンツの閲覧中に表示されるものがあります。これに対し「SKYFLAG」は、ユーザーが広告を利用するか否か、利用する広告案件及び利用時期を自ら選択することができます。このため、ユーザーの意思に反して広告を表示することによる閲覧体験への影響を抑制しつつ、広告利用による便益をユーザーに還元できる点に特徴があります。
また、当社が主力とするロングCPEリワード広告では、アプリのインストールやチュートリアル完了等の単一の成果地点だけでなく、アプリの継続利用、アプリ内の特定の条件達成、会員登録後のサービス利用又は課金等、複数の成果地点を段階的に設定することができます。
これにより、広告主は、広告表示やクリックのみを成果とするのではなく、自社が獲得したいユーザーの行動及び利用段階に応じて広告費を支払うことができます。当社は、広告主のKPI、広告予算及び獲得対象に応じて、成果地点、報酬額、配信先及び配信期間等を個別に設計し、広告効果の最大化を支援しております。
当社は、マンガ、ゲーム、ライブ配信、EC及びポイントサービス等、多様なジャンルのメディアと提携しております。また、ゲーム、金融、動画配信、ECその他の幅広い業種の広告案件を取り扱っております。このような多様なメディア及び広告案件を有することにより、各メディアのユーザー属性と広告主が獲得を希望するユーザー層を組み合わせ、広告主の目的及びメディアの特性に応じた配信を行うことが可能となっております。
当社の顧客基盤は、幅広い業種の広告主及び多様なジャンルのメディアによって構成されております。直近において、最大の広告主に対する売上高がリワードマーケティングプラットフォーム事業の売上高に占める割合は8.5%、最大のメディアに対する媒体費が同事業の媒体費に占める割合は15.1%であり、特定の広告主又はメディアに過度に依存しない、分散した取引基盤を有していると認識しております。
加えて、「SKYFLAG」では、広告主に対して広告の配信先となるメディアを開示しております。広告主は、配信先ごとの配信状況及び広告効果等を確認することができ、自社のマーケティングKPIに沿った配信面への配信を拡大することができます。このような配信面の透明性は、アドフラウドの抑制及びブランドセーフティの確保に対する広告主の要請に対応するものであり、当社の競争優位性の一つであると認識しております。
「SKYFLAG」をメディアに導入するためには、ポイント付与やユーザー識別に関するシステム連携が必要となります。当社は、メディアごとの導入支援に加え、掲載する広告案件の最適化、ユーザーからの問い合わせ対応及び導入後の継続的な効果分析までを一体として提供しております。
このため、単に広告主とメディアを仲介するだけでなく、導入後の継続的な運用を通じて蓄積した配信実績、メディアとの関係及び広告運用に関するノウハウが、当社の競争力を形成しているものと認識しております。
このような競争力を背景として、2019年にリリースした「SKYFLAG」は、多くの顧客から支持を得て広く普及しております。また、AppsFlyer社が公表する「パフォーマンスインデックス」において、2020年以降6年間にわたりランクイン(※3)するなど、業界内においても高い信頼と実績を築いております。
当社は、サードパーティCookieの利用制限や生成AIの普及による検索行動の変化並びにアドフラウド及びブランドセーフティへの対応の必要性が高まる中で、ユーザーの能動的な意思選択を起点とし、配信面の透明性を有する成果報酬型広告に対する需要は拡大するものと認識しております。
この認識の下、当社は、既存メディアにおける利用ユーザー及び配信広告案件の拡大、新規メディアの導入、広告案件の拡充、ロングCPEリワード広告の配信設計の高度化並びに海外展開を推進することにより、「SKYFLAG」の持続的な成長を図ってまいります。
※3 AppsFlyer「パフォーマンスインデックス」(2020年、2021年、2022年、2023年、2024年、2025年公表 分)、該当各年における掲載実績に基づく。
(3)経営戦略
当社は、主軸事業であるリワードマーケティングプラットフォーム事業の持続的な拡大に加え、「SKYFLAG」を通じて培った独自の経営資源(メディア主・広告主との顧客基盤、ユーザーデータ及び運営ノウハウ等)を活用した新規領域への投資を通じて、持続的な企業価値の向上に努める方針であります。
①リワードマーケティングプラットフォーム事業の拡大
a 国内市場の更なる拡大
「SKYFLAG」の導入先となるメディアのジャンルの拡大が進展しております。今後は、国内市場における競争優位性を確立すべく、広告主及びメディア主の双方に対する価値提供の深化を通じて市場を開拓するとともに、顧客ニーズや市場環境の変化に対応した機能拡充を推進してまいります。
b 欧米を中心とした海外市場への展開
海外展開においては、日本国内での事業展開を通じて培った知見を基盤として、2025年8月に設立した韓国拠点を起点に、同国市場への展開を進めております。今後は、欧米をはじめとする海外市場への展開を見据え、各国・地域のメディア主に対する「SKYFLAG」の導入推進を図ってまいります。
具体的には、米国市場への進出をはじめとして、各国・地域の市場特性に応じた「SKYFLAG」のローカライズを進めるとともに、国内及び韓国市場で培ったコンサルティングノウハウと営業実績を活用し、現地のニーズに即した営業活動を展開することで、グローバルにおける売上基盤の拡大を目指してまいります。
②独自の経営資源を活用した新規領域への投資
当社は、リワードマーケティングプラットフォーム「SKYFLAG」と高い親和性を有する領域において新規サービスの創出を進めるとともに、既存事業を通じて蓄積した顧客基盤及びプロダクト開発・運営ノウハウを活用し、新たな事業基盤の構築を図ってまいります。
また、その他の事業については、当社の中長期的な成長に向けた新規領域への取組みとして位置づけております。一方で、現時点においては継続的にセグメント損失を計上していることから、各サービスの収益性、成長可能性及び既存事業との親和性を慎重に見極めながら、投資規模及び事業展開の優先順位を適切に判断し、将来的な収益機会の創出及び事業ポートフォリオの拡充に取り組んでまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等(KPI)
当社は、主力事業であるリワードマーケティングプラットフォーム事業「SKYFLAG」の成長性、収益性及び効率性を総合的に把握するため、以下の4つの指標を主要なKPIとしております。
なお、以下のKPIはいずれも、会計基準その他の統一された基準に基づく指標ではなく、当社が「SKYFLAG」の事業状況を把握するために定義した経営管理上の指標であります。このうち、「独自フォーマット導入メディア数」は当社独自の指標であります。一方、MAU、ARPU及びマージン率は一般的にも使用される名称ですが、その対象範囲、集計単位及び算定方法について統一された基準はなく、他社が開示する同名称又は類似の指標と必ずしも比較可能なものではありません。当社における各指標の定義及び算定方法は、以下のとおりであります。
このうち、当社は「独自フォーマット導入メディア数」を最重要KPIとして位置づけております。「SKYFLAG」は、広告主の出稿案件をメディアが運営するアプリやWebサービス上の広告掲載面に接続し、当該メディアを利用するユーザーに広告案件を届けることで広告成果を創出するサービスであります。
独自フォーマットを導入するメディア数の増加は、当社プラットフォームにおける広告掲載面及びユーザー接点の拡大を意味し、導入メディアMAU、広告配信機会、広告成果件数及び売上高の拡大につながる重要な起点となります。また、導入メディア数の増加により広告主に対する配信先の多様性及び提案力が高まり、広告案件の獲得にも寄与することから、当社は当該指標を最重要KPIとして重視しております。
・独自フォーマット導入メディア数
「独自フォーマット導入メディア数」は、「SKYFLAG」の独自フォーマットを導入しているメディア数を示す当社の独自の指標であり、当社サービスの普及状況及び市場における浸透度を把握するために重視しております。本指標は、当社プラットフォームにおける広告掲載面及びユーザー接点の拡大状況を示すものであり、導入メディアMAU、広告配信機会及び広告成果件数の拡大につながる重要な指標であります。
・導入メディアMAU(Monthly Active Users:月間アクティブユーザー数)
一般に、MAUは、特定のアプリ又はサービスを対象月に1回以上利用したユニークユーザー数を示す指標として使用されています。
当社の導入メディアMAUは、「SKYFLAG」を導入しているメディアにおいて、対象月に1回以上「SKYFLAG」の独自フォーマットにアクセスしたユーザー数を合計した指標であります。メディア単位のユニークユーザー数を足し合わせて算出しており、同一ユーザーが複数の導入メディアで「SKYFLAG」の独自フォーマットを訪れた場合は加算されます。
本指標は、当社プラットフォームがアプローチ可能なユーザー基盤の規模を示すものであり、「SKYFLAG」の導入拡大状況及び広告配信機会の拡大可能性を把握するための重要な指標であります。
・ARPU(Average Revenue Per User:ユーザーあたり平均売上高)
一般に、ARPUは、一定期間の売上高を同期間のユーザー数で除して算定する、ユーザー1人当たりの平均売上高を示す指標として使用されています。ただし、算定対象とする売上高及びユーザー数の範囲は、企業又はサービスによって異なります。
当社のARPUは、「SKYFLAG」の独自フォーマットを導入しているメディアにおけるユーザー1人あたりの平均売上高を示す指標であります。
具体的には、対象期間における「SKYFLAG」の独自フォーマットの売上高を、同期間における導入メディアMAUで除して算定しております。
ARPU = 対象期間における独自フォーマットの累計売上高 ÷ 対象期間における独自フォーマットの累計導入メディアMAU
本指標は、当社プラットフォームがアプローチ可能なユーザー基盤から、どの程度の売上高を創出しているかを示すものであり、「SKYFLAG」におけるユーザーあたりの収益効率及び収益性を把握するための重要な指標であります。
・マージン率
マージン率は一般的にも使用される名称ですが、その算定方法について統一された基準はありません。
当社のマージン率は、当社プラットフォームにおける収益効率及び収益力を示す指標であり、「SKYFLAG」に係る売上高からメディア主への支払額を控除した金額を、同売上高で除して算定しております。
マージン率 = (「SKYFLAG」に係る売上高 - メディア主への支払額) ÷ 「SKYFLAG」に係る売上高
本指標は、広告主から獲得した売上高のうち、当社に帰属する収益の割合を示すものであり、当社プラットフォームの収益性を把握するために重視しております。なお、マージン率は、導入メディアの規模、ジャンル、取引条件、広告案件の構成及び配信量等により変動する性質を有しております。
当社は、広告主の開拓による広告案件の拡充、配信ロジックの最適化及びメディア主に対する付加価値の高いコンサルティングの提供等を通じて、マージン率の維持・向上並びに中長期的な利益成長に取り組んでまいります。
これらのKPIは、当社の成長戦略の進捗、事業基盤の拡大及び収益性の向上を株主・投資家の皆様にご理解いただくうえで重要な指標であると認識しております。
<図表1:「SKYFLAG」提供フォーマットのマネタイズ提供パターン>
※ 上図は、「SKYFLAG」における広告提供の方法を、「独自フォーマットによるマネタイズ」と「API連携による広告提供」に分けて示したものであります。独自フォーマットによるマネタイズは、当社が管理する広告掲載面をメディアのアプリやWebサービス内に設置し、その掲載面に「SKYFLAG」の広告(オファー)を表示する形式です。API連携による広告提供は、メディア主が管理する広告掲載面に対して、当社がAPIを通じて広告案件を提供する形式です。2024年10月から2026年6月までの売上構成比は、独自フォーマットによるマネタイズが76%、API連携による広告提供が24%であり、当社の主力は独自フォーマットによる提供となっております。
<図表2:「SKYFLAG」提供フォーマット別の売上高・マージン率推移>
※ 当社管理会計数値
<図表3:「SKYFLAG」独自フォーマットのKPI推移>
※1 導入メディア数に関して、四半期の月平均メディア数となります。
※2 導入メディアMAU及びARPUに関して、当社管理会計数値をもとに算出。導入メディアMAUは四半期の月平均数値
であり、ARPUは四半期の独自フォーマットの累計売上高を四半期の独自フォーマットの累計導入メディアMAU
で除した数値であります。また、2026年9月期第2四半期に関して、MAUが多くARPUの低い一部のメディアが
API提供経由に移行した影響で数値が変動しておりますが、「SKYFLAG」全体での売上変動は軽微となります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の属するインターネット広告業界においては、生成AIの活用による広告配信の高度化やメディアの多様化が進展する一方、サードパーティCookieの利用制限をはじめとするプライバシー保護の強化や、ブランドセーフティの確保への対応が重要な課題となっております。
このような環境変化を背景に、ユーザーの能動的なアクションを促すロングCPEリワード広告を活用した、当社が事業を展開するアプリ内広告・リワードマーケティング市場への関心は高まっております。
当社は、こうした多様化する市場ニーズを的確に捉え、広告主における広告効果の最適化とメディア主における収益性の向上の両立を図ることにより、双方に価値を提供し続けるため、以下の課題に優先的に対処してまいります。
なお、当社は、内部留保及び本募集による調達資金により、当面の事業拡大及び海外展開に必要な資金を確保できるものと認識しており、現時点において重要な財務上の課題はないものと判断しております。ただし、今後、海外展開の加速や新規領域への投資規模の拡大に伴い、追加的な資金需要が生じる可能性があることから、その際には資金調達手段の多様化等について適切に対応してまいります。
①持続的な成長に向けた事業・収益基盤の強化
当社は、今後の持続的な成長に向けて、収益の拡大及び経営基盤の強化が重要な課題であると認識しております。このため、主軸であるリワードマーケティングプラットフォーム事業において、これまでに培った広告主及びメディア主との強固な取引実績を基盤として、新たな顧客層及び需要の開拓を推進してまいります。
また、既存顧客に対しては、付加価値の高いコンサルティングを通じて、広告効果の最適化及びメディアのマネタイズ効率の向上を図り、事業全体の規模拡大に努めてまいります。
さらに、機械学習をはじめとする先進技術を活用した広告配信の最適化によるプロダクトの高付加価値化や、リワードアセットを活かした新規・周辺領域への展開を順次進めることにより、持続的な成長基盤の確立と経営基盤の強化を図ってまいります。
②グローバル展開による収益の拡大
当社は、これまでも海外に所在する広告主による日本国内向け広告出稿を取り扱ってまいりました。当該取引は、主に海外広告主の広告案件を、当社が国内メディア上で日本国内のユーザー向けに配信するものであります。
一方、当社が今後推進する海外展開は、既存の海外広告主による日本国内向け広告出稿の取扱いにとどまらず、海外市場において、現地広告主及び現地メディア主との取引基盤を構築し、現地ユーザー向けの広告配信機会を拡大する取組みを指しております。
具体的には、2025年8月に設立した韓国現地法人(Skyfall Korea Inc.)を起点として、韓国における大手企業及びメディア主との関係強化並びに広告主へのアプローチを着実に進めております。
当社が国内で培った「SKYFLAG」のプロダクトとしての優位性及びコンサルティングノウハウは、海外市場においても一定の競争力を有するものと考えております。
今後は、韓国市場における事業基盤の構築を進めるとともに、その進捗を踏まえながら、米国を中心とした欧米諸国をはじめとする海外市場への展開を順次推進し、グローバルにおける収益基盤の拡大に取り組んでまいります。
③インターネット広告の信頼性向上への対応
当社が提供する「SKYFLAG」は、インターネット広告業界において重要な課題となっているアドフラウド(不正な広告成果の発生行為)に対応するため、広告配信の透明性を高め、健全な広告環境の構築に資することを目指して開発された背景を有しております。
当社は、ユーザーの深いエンゲージメントを促す「ロングCPEリワード広告」の先駆者として、広告の配信面(広告が実際に表示される画面)の透明性を確保している点を強みとしております。これにより、広告主は、アドフラウドの懸念がある広告表示画面への出稿を回避し、広告が実際に表示される画面等を踏まえた、より適切な広告配信を行うことが可能となります。また、広告主及びメディア主と提携するにあたり、その提供するサービスの適格性(事業実態の確認等)を審査する体制を設けており、この審査をもって、不適切な広告主及びメディア主の参入を防止し、ひいてはユーザーの被害防止及び広告の信頼性確保を図っております。今後も、プロダクトの提供を通じて各種不正リスクの低減に努め、広告主及びメディア主の双方に対して安全で信頼性の高い取引環境を提供することにより、広告業界全体の信頼性向上及び「SKYFLAG」の一層の普及を図ってまいります。
④データ活用及び提案力の向上によるマーケティング力の強化
市場環境の変化や顧客ニーズの多様化を的確に捉えるためには、これまで以上に深い市場理解とデータ分析力が求められております。
当社は、これまで蓄積してきた配信データ及びユーザー行動データを活用し、的確な事業戦略を立案・実行できる体制の構築を進めております。また、配信メディアの収益力強化に向けたコンサルティング提案や、広告主のユーザー獲得効率の向上に資するデータに基づく提案を行うことにより、当社の強みであるマーケティング力及び提案力を一層強化してまいります。
⑤システムの安定性の確保
当社が展開するリワードマーケティングプラットフォーム事業においては、継続的な広告配信及びリアルタイムでの正確な成果集計処理を行っており、システムの安定稼働は、当社の事業継続及び顧客からの信頼維持において重要であります。
今後の国内外におけるトラフィックの増加や新規・周辺領域へのサービス展開に対応可能なインフラを維持するため、定期的なシステムのリプレイス、サーバー基盤の拡張及び負荷分散技術の導入等、技術面への投資を継続し、安定性及び拡張性を備えたシステムインフラの構築に努めてまいります。
⑥情報セキュリティ対策の強化
リワードマーケティングプラットフォームの運営において、取引先及びユーザーの情報資産を適切に保護する情報セキュリティ体制の構築は、経営上の重要課題の一つであります。
当社は、2022年3月の「情報セキュリティに関するガイドライン」の制定に続き、2025年6月には国際的な情報セキュリティ管理規格であるISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得するなど、ガバナンス体制の強化に努めてまいりました。今後の事業拡大やグローバル展開に伴うセキュリティリスクの多様化を見据え、システム面における脆弱性対策の徹底に加え、役職員への継続的な教育を通じたセキュリティ意識の向上を図り、情報セキュリティ水準の維持及び強化に努めてまいります。
⑦競争力強化のための優秀な人材獲得及び育成
技術革新及びグローバル化が進展するインターネット産業において、持続的な企業成長を実現するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要であると認識しております。
当社は、今後の事業拡大及びグローバル展開を担うことができる高度なIT人材及びグローバル人材の採用活動を強化してまいります。また、従業員のエンゲージメント向上に資する公正な人事評価制度の運用、能力を発揮しやすい適材適所の人員配置、育成プログラムの拡充等を通じて、組織基盤の強化に向けた人事戦略を総合的に推進し、当社の競争力の維持及び向上に努めてまいります。

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