有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
当社グループが事業を展開する不動産領域は、市場規模が大きく社会インフラとして重要な役割を担う一方で、専門的な判断や複雑な業務プロセスが多く存在しております。当社グループは、不動産領域を起点に、現場で生まれる判断、知見及びデータを活用しながら事業運営及びプロダクト開発を行っております。以下に、そのための経営方針、認識している経営環境及び対処すべき主要な課題について記載しております。なお、文中の将来に関する記述は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「不動産業界における属人知の超克を礎として、産業社会に革命をもたらす」をミッションとしております。不動産領域での事業運営を通じて培った知見、判断及び業務の流れを、組織に残り、次の実行に活かせる仕組みへと変えることで、同領域における事業成長を進めるとともに、将来的には広い産業にも活かせる事業基盤を育ててまいります。このミッションを具現化するパーパスとして「つくる・かえる・かわる」を掲げ、事業活動を通じて産業社会の変革に貢献することを目指しております。
(2) 経営戦略
パーパス達成に向けた中核的な戦略は、個人に依存しやすかった知識、判断、会話及び業務の流れを、組織に残り、次の実行に活かせる仕組みへと変えていくことにあります。これは、単に個別業務を効率化するものではなく、企業が自らの知見を蓄積し、意思決定と業務実行を継続的に改善していく状態を支えるものです。
当社グループは、「Land Creation」と「Agentic Platform」の2つのサービスを展開しております。Land Creationにおいて蓄積される現場の知見、業務ノウハウ及びデータを、プロダクトの改善及びサービス開発に活用し、その成果を再びLand Creation及びAgentic Platformへ還元することで、継続的に仕組みの精度向上を図っております。
当社グループは、この両サービスの循環を競争優位性の源泉と位置付け、それぞれの事業戦略を推進しております。
Land Creationについては、これまで構築してきた土地解析技術、営業活動及び案件管理の仕組みを基盤として、営業組織の拡充を通じた案件創出力の強化を進めてまいります。不動産再開発は、地権者その他の関係者との継続的な対話及び合意形成を要するため、事業規模の拡大には営業人員の確保が重要となります。当社グループでは、営業活動及び案件管理の標準化を進めることで、採用対象を不動産業界における実務経験者に限定せず、幅広い人材層から営業人員を採用できる体制を構築しております。また、営業活動の進め方や案件管理の方法を組織として蓄積するとともに、グループ内専用システムを活用することで、不動産業界における実務経験を有しない人材についても、入社後早期に営業活動を開始し、案件創出に取り組むことができる体制を整備しております。こうした採用及び育成の仕組みを活用して営業組織を拡充し、営業人員の増加を稼働パイプライン及び案件創出の拡大につなげることで、Land Creationの継続的な事業規模の拡大を図ってまいります。
また、対象地域については、不動産デベロッパー等の開発投資家からの需要が旺盛であり、引き続き大きな開拓余地が存在すると認識している東京都内を中心に事業基盤を強化するとともに、大阪及び福岡にも営業拠点を設置しております。今後も、各地域における需要、案件創出の可能性及び収益性を検証しながら、対象地域を段階的に拡大してまいります。
Agentic Platformにおいては、当社グループ内での活用を通じて、業務プロセスの可視化、標準化及び自動化を推進し、組織全体の生産性向上を図っております。主にバックオフィス部門における業務負担を軽減することで、Land Creationをはじめとする収益部門への人員配置及び採用強化を支える体制を構築しております。当社グループ内で構築した業務フロー及び自動化の仕組みは、外部顧客の業務にも展開可能であることから、顧客企業の既存システム及び業務環境を踏まえて業務プロセスを可視化し、業務の標準化、自動化及び運用定着を支援することで、外部顧客への提供拡大を図っております。
当社グループでは、外部の技術開発事業者が提供する各種モデル及びツールを、自社の自動化基盤と競合するものではなく、その機能及び性能を継続的に向上させるための構成要素と位置付けております。その裏付けとして当社グループは、特定の外部モデルに依存せず、業務の内容、求められる性能及び利用コスト等に応じて適切なモデルを選択し、組み合わせて利用できる運用基盤を構築しております。このため、外部モデルの性能向上及び利用コストの低下は、当社グループが自動化できる業務の範囲及び導入効果の拡大につながるものと考えております。
外部顧客への提供を通じて、当社グループの仕組みとの事業親和性及び業務改善効果が確認された企業については、協業その他の事業上の連携に加えM&Aも選択肢として協議を行います。対象企業としては、不動産業界のみならず、事務作業への依存度が高く業務効率化の余地を有する企業、強固な法人顧客基盤、継続的な収益又は追加的なサービス提供の可能性を有する企業等を想定しております。対象企業の収益性及び財務健全性、当社グループとの事業上の親和性、業務改善の余地並びに追加的なサービス提供の可能性等を慎重に検証してまいります。
(3) 経営環境
a 市場の構造と成長機会
国内の不動産開発市場、特に東京をはじめとする大都市圏では、住宅、ホテル及びオフィス等の開発用地に対する不動産デベロッパーの需要が引き続き旺盛であると認識しております。一方、都市部では土地の細分化、権利関係の複雑化及び既存建物の存在等により、開発に適したまとまった用地の供給が限られており、不動産デベロッパーの開発需要に対して、開発用地が不足しやすい市場構造となっております。
このような市場環境を踏まえ、当社グループでは、当社独自の分析に基づく潜在市場規模(TAM)を、開発用地の創出領域について約254兆円(注1)、仲介・再販領域について約40兆円(注2)、SaaS・ポータル領域について約1兆円(注3)と試算しております。開発用地の創出領域に係る約254兆円は、日本全国に存在する未活用・未流通の住宅用地の潜在ストック価値に基づくものであります。
当社グループは、これらの川下領域と比較して潜在市場規模が大きく、かつ技術力、営業力及び資本力を組み合わせた実行力が求められる川上の開発用地の創出領域において、個々の土地をそのまま流通させるのではなく、複数の土地を一体化し、地権者その他の関係者との合意形成や権利調整等を経て、新たな開発用地を創出することに大きな事業機会があると考えております。
当社グループが主に事業を展開する一都三県並びに大阪及び福岡においても、既存の土地利用に対して再開発の余地を有する土地が多数存在すると認識しております。
また、当社グループは、不動産デベロッパーとの継続的な取引及び営業活動を通じて、地域、用途、規模等に応じた開発用地への需要及び価格水準を把握しております。こうした需要側の情報を踏まえながら再開発候補地を選定することで、不動産デベロッパーの需要に適合した開発用地の創出を進めております。
一方、不動産デベロッパーによる用地取得の判断は、金利、建設資材価格、人件費及び用途別の需要動向等の影響を受けます。当社グループでは、土地の取得に先立って不動産デベロッパーから開発意向及び価格水準等を確認するとともに、対象用地の建築可能規模及び事業性を検証することで、市場環境の変化を踏まえた案件の選別及び取得条件の設定を行っております。
b 競争環境と当社グループの独自性
当社グループのポジショニング及び競争優位性は図6のとおりであります。不動産市場には、不動産デベロッパー、不動産仲介会社、買取再販会社及び地域の不動産事業者等、多数の事業者が存在しております。これらの事業者の多くは、所有者の売却意向が既に顕在化し、不動産仲介会社等を通じて市場に流通している不動産の取得又は仲介を主な事業領域としております。これに対し、当社グループは、市場に流通していない土地の中から、複数の土地を一体化することで開発価値の向上が見込まれる再開発候補地を自ら特定し、地権者その他の関係者との合意形成を通じて新たな開発用地を創出しております。既に顕在化した不動産取引の機会を獲得するのではなく、潜在的な再開発の可能性を見出し、開発用地として成立させるところから事業を開始する点において、一般的な不動産仲介会社及び買取再販会社とは事業の起点が異なります(図6 左上)。また、大手不動産デベロッパーは、大規模な開発案件の企画、開発及び建設等に強みを有する一方、比較的小規模で、複数の地権者との合意形成や権利調整を要する案件については、案件当たりの人的負担が大きくなりやすいと考えております。当社グループは、こうした不動産開発の上流工程を担い、不動産デベロッパーが開発に着手しやすい状態まで整えた開発用地を供給することで、その用地取得機能を補完しております(図6 左下)。
当社グループの独自性は、多数の土地の中から再開発候補地を特定する土地解析技術と、地権者その他の関係者との合意形成を継続的に行い、案件として成立させる営業実行力を併せ持つ点にあります。土地解析技術を有していたとしても、実際に複数の関係者との信頼関係を構築し、それぞれの事情や意向を踏まえながら合意形成を進めるためには、相応の営業組織及び実行力が必要となります(図6 右側「回せない」の壁)。一方、従来型の不動産事業者が多数の再開発候補地を継続的に分析し、複数の案件を同時並行で推進するためには、土地解析や建築可能規模の検証等を効率的に行う技術基盤を構築する必要があります(図6 右側「作れない」の壁)。
当社グループは、テクノロジーと営業実行力の双方を一体的に運用することで、従来は担当者個人の経験や技能への依存度が高かった不動産再開発を、再現性をもって複数案件並行で推進できる事業基盤を構築しております。この点が、Land Creationにおける当社グループの競争優位性であると考えております。

(図6)ヘッド市場・テール市場及びオンマーケット・オフマーケットにおける参入事業者
(注) 1.全国の未活用・未流通住宅用地の潜在ストック価値について、約18.5万ha(国土交通省 2023年低未利用地調査)×10,000㎡/ha×137,000円/㎡(2025年地価公示・全国住宅地平均)により当社算定。
2.国土交通省「2025年土地保有・動態調査(2024年取引分)」全国分析表4-3に基づく全国の土地取引額の概算。
3.矢野経済研究所「不動産テック市場に関する調査(2024年)」による2022年度の国内不動産テック市場規模。
AI事業者が提供する大規模言語モデル(LLM)等の汎用モデルは、性能が継続的に向上しており、多くの企業において業務への導入が進んでおります。一方、これらのモデルに質問し、得られた回答を従業員が確認・修正したうえで、別のシステムへの入力、関係者への連絡その他の作業を行う必要がある場合には、個別作業の支援にとどまり、業務プロセス全体の自動化にはつながりにくいと当社グループは認識しております。当社グループは、企業内のチャット、会議、タスク及び各種業務情報を収集・構造化し、各業務を実行可能な単位に分解したうえで、エージェントが必要な情報を取得し、各種システムを操作しながら業務を実行するための運用基盤を自社開発しております。これにより、単に質問への回答や文章作成を支援するだけでなく、タスクの生成、担当者への依頼、システムへの入力、関係者への連絡及び進捗管理等を、一連の業務フローとして実行することが可能となります。また、当該自動化基盤は、導入先企業の業務内容や既存システム等に応じて調整することで、広範な業種及び業界に展開できるものと考えております。
AI事業者が提供する汎用モデルは、当社グループの運用基盤上でエージェントが判断又は情報処理を行うために利用する構成要素であり、AI事業者が提供する汎用モデルとは、担う機能及び領域が異なります。当社グループは、特定の汎用モデルに依存せず、業務内容、求められる性能及び利用コスト等に応じて、複数のモデルを選択し、又は組み合わせて利用できる構成としております。そのため、AI事業者が提供する汎用モデルの性能向上及び利用コストの低下は、当社グループが自動化できる業務の範囲の拡大及び処理精度の向上につながり、Agentic Platformの機能及び提供価値を高めるものとなります。以上の形で、当社グループは自社で蓄積した業務プロセスの可視化、タスクの分解及び自動化に関する知見を活用し、外部顧客の生産性向上を支援しております。
(4) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
持続的な成長と企業価値向上を評価するため、当社グループは定性的な目標(業界変革への貢献、統合インフラの構築)に加え、その進捗を測る具体的な経営指標を重視しております。当社グループがLand Creationにおいて重視するKPI(重要業績評価指標)は下記のとおりです。
<重視するKPI>
営業人員の採用については、Agentic Platformを活用して営業活動を標準化することで、不動産業界での経験の有無にかかわらず業務を遂行できる体制を構築しております。こうした体制の整備等を背景に、2025年4月から9月までの期間と2025年10月から2026年3月までの期間を比較すると、応募者数は503人から1,026人に、採用者数は7人から29人に増加しました。
当社グループは、Land Creationを主体とする事業活動の成果を示す財務指標として、売上高、売上総利益及び売上総利益率並びに営業利益及び営業利益率を管理しております。稼働パイプラインの拡大及び稼働営業人員の増強が売上高の成長につながり、高付加価値案件の拡大が売上総利益率の改善に、Agentic Platformを活用した業務の標準化及び自動化が営業利益率の向上に寄与するものと位置付けております。これらの指標を月次及び四半期単位で管理しております。

(図7)売上高、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率の推移
(注) 1.2023年9月期の連結財務数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの本書提出日現在における「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」は以下のとおりです。また、本文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
① 技術革新への継続的対応と優位性維持
当社グループの競争力は、独自に整備した不動産・建築データ、土地解析及びボリュームチェック技術並びに業務の自動化を支えるシステム基盤に支えられており、これらを継続的に改善することが重要な課題であると認識しております。Land Creationにおける建築可能規模の算定は、建築関連法令並びに土地及び建物の幾何条件を、あらかじめ定められたルールに基づいて処理する決定論的なアルゴリズム及び数理計算を中核としており、確率的に回答を生成する大規模言語モデル(LLM)等とは性質が異なります。一方、LLM等の外部技術の進歩は、Agentic Platformにおける業務分析、タスク生成及び業務実行の高度化に寄与します。
当社グループは、今後も不動産・建築データ、関連法令及び行政上の運用の変更を継続的に反映するとともに、外部技術の進展を適切に取り込み、技術上の優位性及び競争力の維持・向上を図ってまいります。
② 営業組織の拡充及び案件創出力の強化
Land Creationの継続的な成長には、再開発候補地を継続的に特定し、地権者との交渉を通じて案件化する営業組織の拡充が重要となります。当社グループは、訪問候補地及び訪問順序の最適化、地権者との接触履歴及び再訪時期の管理、案件進捗の可視化並びに営業担当者の行動分析等を通じて、従来は担当者個人の経験や勘に依存していた営業活動を標準化しております。これにより、採用対象を不動産業界の実務経験者に限定することなく、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、入社後の研修及びグループ内専用システムの活用を通じて早期に戦力化する体制を構築しております。
特定の経験や技能を有する人材の採用のみに依存しない人員体制を構築することで、営業人員の増加に連動して稼働パイプラインを拡大できる事業基盤を整備しております。今後も、東京を中心とする一都三県における案件創出力を強化するとともに、大阪及び福岡、その他地域においても、地区ごとの需要及び収益性を検証しながら営業組織を拡充してまいります。
③ 収益性及び在庫回転の管理
不動産デベロッパー等による用地取得の判断は、不動産市況、建設費、金利及び用途別の需要等の影響を受けます。建設費又は資金調達コストの上昇等により開発事業の採算性が低下した場合には、用地取得意欲及び取得可能な価格水準が低下し、当社グループの販売価格、保有期間及び収益性に影響を与える可能性があります。
当社グループは、土地の取得に先立ち、複数の不動産デベロッパー及び投資家から購入意向及び価格水準を確認し、建築可能規模及び事業性を検証したうえで、案件化の可否及び取得価格を判断しております。
今後も、複数の販売先候補を確保するとともに、案件ごとの収益性、販売可能性を慎重に検討し、加えて在庫保有期間を継続的に管理・短縮し、市場環境の変化に応じて売却条件を適切に見直すことで、在庫リスクの抑制及び資金回収の早期化を図ってまいります。
④ 安定的な資金調達力の確保
Land Creationにおける土地取得資金の大部分は、金融機関からの借入により調達しております。そのため、事業規模の拡大に応じた借入枠の確保、資金調達コストの管理並びに借入期間と土地の販売時期の適切な管理が重要な課題となります。金利が上昇した場合には、当社グループの金融費用が増加するほか、金融機関の融資方針の変化により、借入条件又は資金調達可能額に影響が生じる可能性があります。
当社グループは、案件ごとの収益性、販売可能性及び在庫保有期間を踏まえて借入条件及び返済期限を管理するとともに、案件の取得及び販売並びに借入金の返済実績を継続的に積み上げることで、金融機関との信頼関係の強化を図っております。また、借入先の分散及び新たな金融機関との取引拡大を進め、安定的な資金調達基盤の構築を図ってまいります。加えて、上場を契機として情報開示及びガバナンス体制を一層強化するとともに、上場後に期待される対外的信用力の向上を金融機関との取引基盤の拡大につなげることで、事業成長に必要な資金の安定的な確保及び資金調達コストの適正化に努めてまいります。
⑤ 収益基盤の拡大と財務規律の両立
当社グループは、現在の主要な収益基盤であるLand Creationの継続的な成長を図るとともに、Agentic Platformを中長期的な収益源として育成し、収益基盤の拡大及び多様化を進めることを重要な経営課題として認識しております。
Agentic Platformにおいては、プロダクト又はサービスの提供にとどまらず、顧客企業の業務プロセスを可視化し、業務フローの標準化及び自動化を支援することで、生産性及び収益性の向上を図ってまいります。また、サービスの提供を通じて、当社グループとの事業上の親和性及び業務改善効果が確認された企業については、協業その他の事業上の連携に加え、M&Aを含む資本面での連携を検討してまいります。
M&Aの実行に当たっては、対象企業の顧客基盤、継続的な収益、財務健全性及び業務改善余地に加え、取得価格、資金調達方法及び買収後の統合方針並びに当社グループのROE及びROIC等への影響を慎重に検証し、企業価値及び資本効率の維持・向上を図ってまいります。
また、事業規模の拡大に伴い、人件費、業務委託費、その他の販売費及び一般管理費並びに金融費用が増加する可能性があることから、収益成長と費用管理の両立が重要となります。当社グループは、規律を持った財務モデルを策定・管理しており、今後も売上高、売上総利益率、販売費及び一般管理費率、有利子負債、金融費用並びに当期純利益等の主要な財務指標を適切に管理してまいります。
⑥ 組織運営及び内部管理体制の強化
当社グループは、今後の人員採用について、Land Creationの営業人員をはじめとする収益部門を中心に進める方針です。一方、管理部門及び開発部門については、Agentic Platformを活用した業務の標準化及び自動化を進めることで、事業規模の拡大に対して人員数が比例的に増加しない組織体制の構築を図っております。
また、事業及びグループ規模の拡大に対応するため、財務・会計、法務、コンプライアンス、情報システム及び内部監査等については、必要な専門人材を適切に配置するとともに、職務権限、予算及び業績管理、内部統制、情報セキュリティ並びにグループ会社管理等の体制を継続的に強化してまいります。
⑦ 法令遵守及びAI・データガバナンス体制の強化
当社グループは、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、個人情報の保護に関する法律その他の事業関連法令に加え、AI及びデータ利用に関する国内外の規制及びルール形成の動向を継続的に把握し、適切に対応する必要があります。
特に、Agentic Platformの提供及び運用においては、顧客企業及び従業員の会議、会話、顧客情報、業務上の操作履歴その他の情報を取り扱う場合があることから、情報の取得及び利用の目的、取得範囲、アクセス権限、保存期間並びに外部事業者が提供する汎用モデルへの情報提供等を適切に管理することが重要となります。
当社グループは、法務・コンプライアンス及び情報管理体制の整備を進めており、2026年7月には、当社が提供する自動化エージェントを対象として、AIマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 42001:2023」の認証を取得しております。今後も、当該マネジメントシステムの継続的な運用及び改善を通じて、AI及びデータの適切な利用並びに潜在的なリスクの早期把握に努めてまいります。
これらの対応策は相互に連携しており、その着実な実行を通じて、経営課題を克服し、持続的な成長軌道を確保してまいります。
(1) 経営方針
当社グループは、「不動産業界における属人知の超克を礎として、産業社会に革命をもたらす」をミッションとしております。不動産領域での事業運営を通じて培った知見、判断及び業務の流れを、組織に残り、次の実行に活かせる仕組みへと変えることで、同領域における事業成長を進めるとともに、将来的には広い産業にも活かせる事業基盤を育ててまいります。このミッションを具現化するパーパスとして「つくる・かえる・かわる」を掲げ、事業活動を通じて産業社会の変革に貢献することを目指しております。
(2) 経営戦略
パーパス達成に向けた中核的な戦略は、個人に依存しやすかった知識、判断、会話及び業務の流れを、組織に残り、次の実行に活かせる仕組みへと変えていくことにあります。これは、単に個別業務を効率化するものではなく、企業が自らの知見を蓄積し、意思決定と業務実行を継続的に改善していく状態を支えるものです。
当社グループは、「Land Creation」と「Agentic Platform」の2つのサービスを展開しております。Land Creationにおいて蓄積される現場の知見、業務ノウハウ及びデータを、プロダクトの改善及びサービス開発に活用し、その成果を再びLand Creation及びAgentic Platformへ還元することで、継続的に仕組みの精度向上を図っております。
当社グループは、この両サービスの循環を競争優位性の源泉と位置付け、それぞれの事業戦略を推進しております。
また、対象地域については、不動産デベロッパー等の開発投資家からの需要が旺盛であり、引き続き大きな開拓余地が存在すると認識している東京都内を中心に事業基盤を強化するとともに、大阪及び福岡にも営業拠点を設置しております。今後も、各地域における需要、案件創出の可能性及び収益性を検証しながら、対象地域を段階的に拡大してまいります。
当社グループでは、外部の技術開発事業者が提供する各種モデル及びツールを、自社の自動化基盤と競合するものではなく、その機能及び性能を継続的に向上させるための構成要素と位置付けております。その裏付けとして当社グループは、特定の外部モデルに依存せず、業務の内容、求められる性能及び利用コスト等に応じて適切なモデルを選択し、組み合わせて利用できる運用基盤を構築しております。このため、外部モデルの性能向上及び利用コストの低下は、当社グループが自動化できる業務の範囲及び導入効果の拡大につながるものと考えております。
外部顧客への提供を通じて、当社グループの仕組みとの事業親和性及び業務改善効果が確認された企業については、協業その他の事業上の連携に加えM&Aも選択肢として協議を行います。対象企業としては、不動産業界のみならず、事務作業への依存度が高く業務効率化の余地を有する企業、強固な法人顧客基盤、継続的な収益又は追加的なサービス提供の可能性を有する企業等を想定しております。対象企業の収益性及び財務健全性、当社グループとの事業上の親和性、業務改善の余地並びに追加的なサービス提供の可能性等を慎重に検証してまいります。
(3) 経営環境
国内の不動産開発市場、特に東京をはじめとする大都市圏では、住宅、ホテル及びオフィス等の開発用地に対する不動産デベロッパーの需要が引き続き旺盛であると認識しております。一方、都市部では土地の細分化、権利関係の複雑化及び既存建物の存在等により、開発に適したまとまった用地の供給が限られており、不動産デベロッパーの開発需要に対して、開発用地が不足しやすい市場構造となっております。
このような市場環境を踏まえ、当社グループでは、当社独自の分析に基づく潜在市場規模(TAM)を、開発用地の創出領域について約254兆円(注1)、仲介・再販領域について約40兆円(注2)、SaaS・ポータル領域について約1兆円(注3)と試算しております。開発用地の創出領域に係る約254兆円は、日本全国に存在する未活用・未流通の住宅用地の潜在ストック価値に基づくものであります。
当社グループは、これらの川下領域と比較して潜在市場規模が大きく、かつ技術力、営業力及び資本力を組み合わせた実行力が求められる川上の開発用地の創出領域において、個々の土地をそのまま流通させるのではなく、複数の土地を一体化し、地権者その他の関係者との合意形成や権利調整等を経て、新たな開発用地を創出することに大きな事業機会があると考えております。
当社グループが主に事業を展開する一都三県並びに大阪及び福岡においても、既存の土地利用に対して再開発の余地を有する土地が多数存在すると認識しております。
また、当社グループは、不動産デベロッパーとの継続的な取引及び営業活動を通じて、地域、用途、規模等に応じた開発用地への需要及び価格水準を把握しております。こうした需要側の情報を踏まえながら再開発候補地を選定することで、不動産デベロッパーの需要に適合した開発用地の創出を進めております。
一方、不動産デベロッパーによる用地取得の判断は、金利、建設資材価格、人件費及び用途別の需要動向等の影響を受けます。当社グループでは、土地の取得に先立って不動産デベロッパーから開発意向及び価格水準等を確認するとともに、対象用地の建築可能規模及び事業性を検証することで、市場環境の変化を踏まえた案件の選別及び取得条件の設定を行っております。
b 競争環境と当社グループの独自性
当社グループのポジショニング及び競争優位性は図6のとおりであります。不動産市場には、不動産デベロッパー、不動産仲介会社、買取再販会社及び地域の不動産事業者等、多数の事業者が存在しております。これらの事業者の多くは、所有者の売却意向が既に顕在化し、不動産仲介会社等を通じて市場に流通している不動産の取得又は仲介を主な事業領域としております。これに対し、当社グループは、市場に流通していない土地の中から、複数の土地を一体化することで開発価値の向上が見込まれる再開発候補地を自ら特定し、地権者その他の関係者との合意形成を通じて新たな開発用地を創出しております。既に顕在化した不動産取引の機会を獲得するのではなく、潜在的な再開発の可能性を見出し、開発用地として成立させるところから事業を開始する点において、一般的な不動産仲介会社及び買取再販会社とは事業の起点が異なります(図6 左上)。また、大手不動産デベロッパーは、大規模な開発案件の企画、開発及び建設等に強みを有する一方、比較的小規模で、複数の地権者との合意形成や権利調整を要する案件については、案件当たりの人的負担が大きくなりやすいと考えております。当社グループは、こうした不動産開発の上流工程を担い、不動産デベロッパーが開発に着手しやすい状態まで整えた開発用地を供給することで、その用地取得機能を補完しております(図6 左下)。
当社グループの独自性は、多数の土地の中から再開発候補地を特定する土地解析技術と、地権者その他の関係者との合意形成を継続的に行い、案件として成立させる営業実行力を併せ持つ点にあります。土地解析技術を有していたとしても、実際に複数の関係者との信頼関係を構築し、それぞれの事情や意向を踏まえながら合意形成を進めるためには、相応の営業組織及び実行力が必要となります(図6 右側「回せない」の壁)。一方、従来型の不動産事業者が多数の再開発候補地を継続的に分析し、複数の案件を同時並行で推進するためには、土地解析や建築可能規模の検証等を効率的に行う技術基盤を構築する必要があります(図6 右側「作れない」の壁)。
当社グループは、テクノロジーと営業実行力の双方を一体的に運用することで、従来は担当者個人の経験や技能への依存度が高かった不動産再開発を、再現性をもって複数案件並行で推進できる事業基盤を構築しております。この点が、Land Creationにおける当社グループの競争優位性であると考えております。

(図6)ヘッド市場・テール市場及びオンマーケット・オフマーケットにおける参入事業者
(注) 1.全国の未活用・未流通住宅用地の潜在ストック価値について、約18.5万ha(国土交通省 2023年低未利用地調査)×10,000㎡/ha×137,000円/㎡(2025年地価公示・全国住宅地平均)により当社算定。
2.国土交通省「2025年土地保有・動態調査(2024年取引分)」全国分析表4-3に基づく全国の土地取引額の概算。
3.矢野経済研究所「不動産テック市場に関する調査(2024年)」による2022年度の国内不動産テック市場規模。
AI事業者が提供する汎用モデルは、当社グループの運用基盤上でエージェントが判断又は情報処理を行うために利用する構成要素であり、AI事業者が提供する汎用モデルとは、担う機能及び領域が異なります。当社グループは、特定の汎用モデルに依存せず、業務内容、求められる性能及び利用コスト等に応じて、複数のモデルを選択し、又は組み合わせて利用できる構成としております。そのため、AI事業者が提供する汎用モデルの性能向上及び利用コストの低下は、当社グループが自動化できる業務の範囲の拡大及び処理精度の向上につながり、Agentic Platformの機能及び提供価値を高めるものとなります。以上の形で、当社グループは自社で蓄積した業務プロセスの可視化、タスクの分解及び自動化に関する知見を活用し、外部顧客の生産性向上を支援しております。
(4) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
持続的な成長と企業価値向上を評価するため、当社グループは定性的な目標(業界変革への貢献、統合インフラの構築)に加え、その進捗を測る具体的な経営指標を重視しております。当社グループがLand Creationにおいて重視するKPI(重要業績評価指標)は下記のとおりです。
<重視するKPI>
| KPI カテゴリ | KPI | 概要 | 2025年9月30日 | 2026年3月31日 | 2026年6月30日 |
| 収益性 | 稼働 パイプライン | 当社グループの営業担当が訪問し、各基準日時点においても提案が進行中の現場の数。地権者数ではなく、取りまとめ案件として1カウント。 稼働パイプラインは当社の将来の売上につながるため重視しております。 | 1,441 件 (期末時点) | 1,878 件 (期末時点) | 2,174 件 (期末時点) |
| 収益性 | 稼働営業 人員数 | 稼働営業人員とは、地権者との合意形成及び販売先であるデベロッパー等の開発投資家との関係構築、コンストラクションマネジメント等のfee案件を設計する人員等の、売上高に直接貢献する人員を合わせた数であります。営業事務などは含めておりません。 営業活動の効率化は進めているものの、営業員1人が1日に訪問できる件数には限りがあるため、今後も稼働パイプラインを継続的に拡大していくためには、営業人員の増強が重要となります。 営業員の採用から稼働パイプラインの積み上げには一定のリードタイムがあるため、人数は期中平均で算出しております。 | 63人 (期中平均61人) | 56人 (期中平均59人) | 82人 (期中平均64人) |
営業人員の採用については、Agentic Platformを活用して営業活動を標準化することで、不動産業界での経験の有無にかかわらず業務を遂行できる体制を構築しております。こうした体制の整備等を背景に、2025年4月から9月までの期間と2025年10月から2026年3月までの期間を比較すると、応募者数は503人から1,026人に、採用者数は7人から29人に増加しました。
当社グループは、Land Creationを主体とする事業活動の成果を示す財務指標として、売上高、売上総利益及び売上総利益率並びに営業利益及び営業利益率を管理しております。稼働パイプラインの拡大及び稼働営業人員の増強が売上高の成長につながり、高付加価値案件の拡大が売上総利益率の改善に、Agentic Platformを活用した業務の標準化及び自動化が営業利益率の向上に寄与するものと位置付けております。これらの指標を月次及び四半期単位で管理しております。

(図7)売上高、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率の推移
(注) 1.2023年9月期の連結財務数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの本書提出日現在における「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」は以下のとおりです。また、本文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
① 技術革新への継続的対応と優位性維持
当社グループの競争力は、独自に整備した不動産・建築データ、土地解析及びボリュームチェック技術並びに業務の自動化を支えるシステム基盤に支えられており、これらを継続的に改善することが重要な課題であると認識しております。Land Creationにおける建築可能規模の算定は、建築関連法令並びに土地及び建物の幾何条件を、あらかじめ定められたルールに基づいて処理する決定論的なアルゴリズム及び数理計算を中核としており、確率的に回答を生成する大規模言語モデル(LLM)等とは性質が異なります。一方、LLM等の外部技術の進歩は、Agentic Platformにおける業務分析、タスク生成及び業務実行の高度化に寄与します。
当社グループは、今後も不動産・建築データ、関連法令及び行政上の運用の変更を継続的に反映するとともに、外部技術の進展を適切に取り込み、技術上の優位性及び競争力の維持・向上を図ってまいります。
② 営業組織の拡充及び案件創出力の強化
Land Creationの継続的な成長には、再開発候補地を継続的に特定し、地権者との交渉を通じて案件化する営業組織の拡充が重要となります。当社グループは、訪問候補地及び訪問順序の最適化、地権者との接触履歴及び再訪時期の管理、案件進捗の可視化並びに営業担当者の行動分析等を通じて、従来は担当者個人の経験や勘に依存していた営業活動を標準化しております。これにより、採用対象を不動産業界の実務経験者に限定することなく、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、入社後の研修及びグループ内専用システムの活用を通じて早期に戦力化する体制を構築しております。
特定の経験や技能を有する人材の採用のみに依存しない人員体制を構築することで、営業人員の増加に連動して稼働パイプラインを拡大できる事業基盤を整備しております。今後も、東京を中心とする一都三県における案件創出力を強化するとともに、大阪及び福岡、その他地域においても、地区ごとの需要及び収益性を検証しながら営業組織を拡充してまいります。
③ 収益性及び在庫回転の管理
不動産デベロッパー等による用地取得の判断は、不動産市況、建設費、金利及び用途別の需要等の影響を受けます。建設費又は資金調達コストの上昇等により開発事業の採算性が低下した場合には、用地取得意欲及び取得可能な価格水準が低下し、当社グループの販売価格、保有期間及び収益性に影響を与える可能性があります。
当社グループは、土地の取得に先立ち、複数の不動産デベロッパー及び投資家から購入意向及び価格水準を確認し、建築可能規模及び事業性を検証したうえで、案件化の可否及び取得価格を判断しております。
今後も、複数の販売先候補を確保するとともに、案件ごとの収益性、販売可能性を慎重に検討し、加えて在庫保有期間を継続的に管理・短縮し、市場環境の変化に応じて売却条件を適切に見直すことで、在庫リスクの抑制及び資金回収の早期化を図ってまいります。
④ 安定的な資金調達力の確保
Land Creationにおける土地取得資金の大部分は、金融機関からの借入により調達しております。そのため、事業規模の拡大に応じた借入枠の確保、資金調達コストの管理並びに借入期間と土地の販売時期の適切な管理が重要な課題となります。金利が上昇した場合には、当社グループの金融費用が増加するほか、金融機関の融資方針の変化により、借入条件又は資金調達可能額に影響が生じる可能性があります。
当社グループは、案件ごとの収益性、販売可能性及び在庫保有期間を踏まえて借入条件及び返済期限を管理するとともに、案件の取得及び販売並びに借入金の返済実績を継続的に積み上げることで、金融機関との信頼関係の強化を図っております。また、借入先の分散及び新たな金融機関との取引拡大を進め、安定的な資金調達基盤の構築を図ってまいります。加えて、上場を契機として情報開示及びガバナンス体制を一層強化するとともに、上場後に期待される対外的信用力の向上を金融機関との取引基盤の拡大につなげることで、事業成長に必要な資金の安定的な確保及び資金調達コストの適正化に努めてまいります。
⑤ 収益基盤の拡大と財務規律の両立
当社グループは、現在の主要な収益基盤であるLand Creationの継続的な成長を図るとともに、Agentic Platformを中長期的な収益源として育成し、収益基盤の拡大及び多様化を進めることを重要な経営課題として認識しております。
Agentic Platformにおいては、プロダクト又はサービスの提供にとどまらず、顧客企業の業務プロセスを可視化し、業務フローの標準化及び自動化を支援することで、生産性及び収益性の向上を図ってまいります。また、サービスの提供を通じて、当社グループとの事業上の親和性及び業務改善効果が確認された企業については、協業その他の事業上の連携に加え、M&Aを含む資本面での連携を検討してまいります。
M&Aの実行に当たっては、対象企業の顧客基盤、継続的な収益、財務健全性及び業務改善余地に加え、取得価格、資金調達方法及び買収後の統合方針並びに当社グループのROE及びROIC等への影響を慎重に検証し、企業価値及び資本効率の維持・向上を図ってまいります。
また、事業規模の拡大に伴い、人件費、業務委託費、その他の販売費及び一般管理費並びに金融費用が増加する可能性があることから、収益成長と費用管理の両立が重要となります。当社グループは、規律を持った財務モデルを策定・管理しており、今後も売上高、売上総利益率、販売費及び一般管理費率、有利子負債、金融費用並びに当期純利益等の主要な財務指標を適切に管理してまいります。
⑥ 組織運営及び内部管理体制の強化
当社グループは、今後の人員採用について、Land Creationの営業人員をはじめとする収益部門を中心に進める方針です。一方、管理部門及び開発部門については、Agentic Platformを活用した業務の標準化及び自動化を進めることで、事業規模の拡大に対して人員数が比例的に増加しない組織体制の構築を図っております。
また、事業及びグループ規模の拡大に対応するため、財務・会計、法務、コンプライアンス、情報システム及び内部監査等については、必要な専門人材を適切に配置するとともに、職務権限、予算及び業績管理、内部統制、情報セキュリティ並びにグループ会社管理等の体制を継続的に強化してまいります。
⑦ 法令遵守及びAI・データガバナンス体制の強化
当社グループは、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、個人情報の保護に関する法律その他の事業関連法令に加え、AI及びデータ利用に関する国内外の規制及びルール形成の動向を継続的に把握し、適切に対応する必要があります。
特に、Agentic Platformの提供及び運用においては、顧客企業及び従業員の会議、会話、顧客情報、業務上の操作履歴その他の情報を取り扱う場合があることから、情報の取得及び利用の目的、取得範囲、アクセス権限、保存期間並びに外部事業者が提供する汎用モデルへの情報提供等を適切に管理することが重要となります。
当社グループは、法務・コンプライアンス及び情報管理体制の整備を進めており、2026年7月には、当社が提供する自動化エージェントを対象として、AIマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 42001:2023」の認証を取得しております。今後も、当該マネジメントシステムの継続的な運用及び改善を通じて、AI及びデータの適切な利用並びに潜在的なリスクの早期把握に努めてまいります。
これらの対応策は相互に連携しており、その着実な実行を通じて、経営課題を克服し、持続的な成長軌道を確保してまいります。