有価証券報告書(内国投資証券)-第26期(平成26年10月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/24 13:16
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48項目
a. 本投資口または本投資法人債への投資に関するリスク要因
以下には、本投資口または本投資法人債への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資口または本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産信託受益権その他の資産についてもほぼ同様にあてはまりますが、資産としての種類の違いに応じて追加で発生するリスクもあります。また、運用不動産のそれぞれに特有のリスクについては、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③その他投資資産の主要なもの/c. 不動産等資産の詳細な情報」を併せてご覧ください。なお、以下に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載がない限り、当該事項は本書の提出日現在において本投資法人が判断したものです。
以下に記載するリスクが現実化した場合、分配金の額が低下したり、本投資口または本投資法人債の市場価格が下落する可能性があり、その結果として、投資した金額を回収できなくなる可能性があります。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分であるとの保証はありません。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで本投資口または本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
本項に記載されているリスク項目は以下のとおりです。
(ⅰ)投資口の性格に関するリスク
(イ)投資口の商品性に関するリスク
(ロ)本投資口の払戻しがないことに関するリスク
(ハ)本投資口の市場性に関するリスク
(ニ)本投資口の価格変動に関するリスク
(ホ)投資口の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資口の売却に関するリスク
(ト)金銭の分配に関するリスク
(ⅱ)投資法人制度及び投資法人の組織に関するリスク
(イ)収益及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(ロ)借入れ及び投資法人債に関するリスク
(ハ)有利子負債比率に関するリスク
(ニ)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(ホ)資産運用会社に関するリスク
(ヘ)不動産管理会社に関するリスク
(ト)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(チ)役員の職務遂行にかかるリスク
(リ)運用不動産の取得方法に関するリスク
(ヌ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ル)余裕資金の運用に関するリスク
(ヲ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度の取扱いに関するリスク
(ワ)本投資法人の登録が取消されるリスク
(ⅲ)不動産に関するリスク
(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(ロ)物件の取得競争に関するリスク
(ハ)テナントの獲得競争に関するリスク
(ニ)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
(ホ)不動産にかかる行政法規・条例等に関するリスク
(ヘ)法令等の変更に関するリスク
(ト)区分所有物件に関するリスク
(チ)共有物件に関するリスク
(リ)借地物件に関するリスク
(ヌ)保留地予定地に関するリスク
(ル)わが国における賃貸借契約に関するリスク
(ヲ)賃料の減額に関するリスク
(ワ)マスターリースに関するリスク
(カ)不動産の運用にかかる費用の増加に関するリスク
(ヨ)テナントの建物使用態様に関するリスク
(タ)不動産の毀損等に関するリスク
(レ)火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故に関するリスク
(ソ)地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等に関するリスク
(ツ)不動産にかかる所有者責任に関するリスク
(ネ)不動産の売却における制限に関するリスク
(ナ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ラ)有害物質にかかるリスク
(ム)運用不動産の偏在に関するリスク
(ウ)テナントの集中に関するリスク
(ヰ)ホテルに関するリスク
(ノ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(オ)専門家の意見への依拠に関するリスク
(ⅳ)信託の受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
(ロ)信託の受益権の流動性リスク
(ハ)信託受託者の破産、会社更生等に関するリスク
(ニ)信託受託者の債務負担に伴うリスク
(ホ)信託の受益権の準共有等に関するリスク
(ⅴ)税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ⅰ)投資口の性格に関するリスク
(イ)投資口の商品性に関するリスク
投資口は、株式会社における株式または株券に類似する性質を持ち、投資金額の回収や利回りの如何は、経済状況や不動産及び証券市場等の動向、本投資法人の業務または財産の状況に影響されるものであり、譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることができるかどうかは定かではありません。また、本投資法人にかかる通常の清算または倒産手続きの下における清算においては、最劣後の地位となり、投資額の全部または一部の回収ができない可能性があります。投資口は、投資額の保証が行われる商品ではなく、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象になっていません。
(ロ)本投資口の払戻しがないことに関するリスク
本投資口については、投資主の請求による投資口の払戻しを行いません。従って、投資主が本投資口を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等を除き、第三者に対する売却(金融商品取引所を通じた売却を含みます。)に限られます。本投資口の第三者に対する売却が困難または不可能となった場合、投資主は、本投資口を希望する時期及び条件で換価できないことになります。但し、本投資法人は、投信法第80条第1項第1号及び規約第6条第2項に基づき、投資主との合意により自己投資口を有償で取得することが可能です。
(ハ)本投資口の市場性に関するリスク
本投資口は、東京証券取引所の不動産投資信託証券市場に上場されています。但し、本投資口の流動性を将来にわたって予測することは困難であり、本投資口を投資主の希望する時期及び条件で取引できることは保証されていないため、東京証券取引所においても、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資口の譲渡自体が不可能な場合があります。
また、本投資法人の資産総額の減少、本投資口の売買高の減少その他、東京証券取引所の上場規程、規則等に定める一定の上場廃止基準に抵触する場合には、本投資口の上場が廃止される可能性があります。上場廃止後は東京証券取引所における本投資口の売却は不可能となり、投資家の換価手段が大きく制限されることとなります。
(ニ)本投資口の価格変動に関するリスク
本投資口の市場価格は、東京証券取引所における需給関係や、不動産関係資産への投資の動向、他の資産への投資との比較、証券市場の状況、金利情勢、経済情勢等様々な要因の影響を受けます。また、地震等の天災その他の事象を契機として、不動産への投資とそれ以外の資産への投資との比較により、不動産投資信託全般の需給が崩れないとの保証はありません。
本投資法人は、不動産及び不動産信託受益権を主な投資対象としていますが、不動産の価格及び不動産信託受益権の価格は、不動産市況、社会情勢等の影響を特に受け易いといえます。さらに、不動産及び不動産信託受益権の流動性は一般に低いので、望ましい時期及び価格で不動産及び不動産信託受益権を売却することができない可能性があり、そのために実際の売却時までに価格が下落する可能性等もあります。これらの要因により本投資法人の保有する資産の価値が下落すれば、本投資口の市場価格の下落をもたらす可能性があります。しかも、本投資法人は、借入れや投資法人債により資金調達を図ることで、投資家からの出資額を相当上回る額の投資を行うことが可能です。その結果、本投資口の市場価格には、不動産及び不動産信託受益権の価格変動の影響が相当(場合によっては倍以上に)増幅されて現れることがあり得ます。
また、東京証券取引所の不動産投資信託証券市場の将来的な規模及び同市場における流動性の不確実性、法制や税制の変更等が本投資口の価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得もしくは修繕等、本投資法人の運営に要する資金または債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを随時必要としています。本投資法人は、投信法及び規約に従い、その事業遂行のために必要に応じて規約で定める範囲内において、投資法人の保有する資産の内容に照らし公正な金額(投信法第82条第6項)で投資口を随時発行する予定です。投資法人の成立後に投資口が発行された場合、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口総数に対する割合は希薄化する可能性があります。また、投資法人の成立後に営業期間中において発行された投資口に対して、その保有期間にかかわらず、既存の投資主が有する投資口と同額の金銭の分配を行うことがあり、既存の投資主が有する投資口への分配額に影響を与える可能性があります。さらに、投資法人の成立後における投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額が影響を受けることがあります。また、投資法人の成立後における投資口の発行が市場における投資口の需給バランスに影響を与えることもあり、本投資口の市場価格が悪影響を受ける可能性があります。
これらの結果、本投資口の投資家は、市場価格の変動により、当初の投資額を下回る金額しか回収できない可能性があります。
(ヘ)投資口の売却に関するリスク
平成27年3月31日現在、本投資法人発行の投資口を、株式会社森トラスト・ホールディングスは300,000口、森トラスト株式会社は20,000口それぞれ保有しています。株式会社森トラスト・ホールディングス及び森トラスト株式会社を含む全ての投資主は、市場その他で自由にその保有する投資口の売却等を行うことが可能であり、多数の投資口が売却されたときには、本投資口の市場価格が悪影響を受ける可能性があります。
(ト)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針/(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、いかなる場合においても保証されるものではありません。
(ⅱ)投資法人制度及び投資法人の組織に関するリスク
(イ)収益及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として運用不動産からの賃料収入に依存しています。運用不動産にかかる賃料収入は、運用不動産の稼働率の低下、賃料水準の低下(賃料水準に関しては、後記「(ⅲ)不動産に関するリスク/(ル)わが国における賃貸借契約に関するリスク及び(ヲ)賃料の減額に関するリスク」も併せてご覧ください。)、賃借人、テナントによる賃料の支払債務の不履行、遅延等により、大きく減少する可能性があります。
いわゆるシングル・テナントビル等またはテナント数が少ないビル等において、テナントの退去、テナントによる賃料不払いまたは遅延が生じた場合には、キャッシュ・フローへ与える影響は大きくなります。本投資法人の運用不動産は実質上シングル・テナントであるビル等の割合が高く、これらの物件はこのリスクを免れません。賃借人、テナントの入居時及びその後の支払能力並びに信用状態は一様ではありません。
本投資法人は、資産運用会社を通じて、良質の賃借人、テナントを確保すべく努力しますが、その目的が達成されるとは限りません。また、一旦、良質と判断されるテナントを確保しても、当該テナントが永続的に本投資法人の保有する運用不動産を賃借し続けるとの保証はなく、かかるテナントの資産状態が悪化する可能性もあります。
また、上記の賃料収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、多額の資本的支出、未稼働運用不動産の取得、売却損の発生による再投資の資金規模の縮小等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、投資主への分配金額に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、運用不動産の売却が行われた場合には収益が発生する可能性もありますが、運用不動産の売却収益は、本投資法人の運用方針や不動産市場の環境に左右されるものであって、恒常的・安定的に得られる性格のものではありません。
他方、運用不動産に関する費用としては、減価償却費、運用不動産に関して課される公租公課、運用不動産に関して付保された保険の保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務にかかる費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります(費用の増加リスクに関しては、後記「(ⅲ)不動産に関するリスク/(カ)不動産の運用にかかる費用の増加に関するリスク」も併せてご覧ください。)。さらに、運用不動産の売却にあたって売却損が生じた場合には、かかる売却損が費用として計上されます。
このように、運用不動産からの収入が減少する可能性がある一方で、運用不動産に関する費用が増大する可能性があり、これら双方またはいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)借入れ及び投資法人債に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に適格機関投資家からの借入れ及び投資法人債の発行による資金調達を行うことを予定しています。本投資法人は、借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。)発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつその合計額が1兆円を超えないものとしています(規約第34条)。
借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、経済状況、金利情勢、金融・証券市場の動向その他の要因による影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件で借入れ及び投資法人債の発行を行うことができない可能性があります。導管性要件(後記「(ⅴ)税制に関するリスク/(イ)導管性要件に関するリスク」をご覧ください。)のうち、投資法人による借入金の借入先を一定の機関投資家に限定するという税法上の要件により、本投資法人が資金調達を行うに際して、借入先が限定され資金調達が機動的に行えない場合があります。追加の借入れを行おうとする際には、担保提供等の条件について制約が課され、本投資法人が希望する条件での借入れができない可能性もあります。
また、本投資法人が借入れまたは投資法人債の発行を行う場合において、借入れ等の比率等に応じて投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、修繕費用や預り金等に対応した現金の積み立てを強制される場合もあり、また、物件の取得に一定の制約が課され、規約等の変更が制限される場合もあります。このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらすほか、これらの制約により投資主への金銭の分配が制限され、導管性要件を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。
なお、本書の提出日現在、本投資法人の借入れについては、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持することを定める等の財務制限条項が設けられています。
借入れまたは投資法人債の発行において運用不動産に担保を設定した場合(当初は無担保の借入れまたは投資法人債であっても、一定の条件のもとに担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された運用不動産の売却を希望したとしても、担保の解除手続きその他の事情により、希望どおりの時期に売却できないまたは希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により担保不動産の評価額が借入先によって引き下げられた場合あるいは他の借入れを行う場合等、一定の条件のもとに運用不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、担保不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先より借入金の早期返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換え資金を調達せざるを得なくなったり、借入先より担保不動産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用不動産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
契約上金利が固定されておらず何らかの指標に連動するものとされている場合等には、契約期間中に金利が上昇する可能性がありますが、金利が上昇しても本投資法人の受取る賃料収入等が連動して上昇するわけではありませんので、分配可能金額が減少する可能性があります。
借換えや運用不動産の売却等によって借入金の期限前返済を行う場合には、違約金等がその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動により投資主に損害を与える可能性があります。
さらに、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、運用不動産を処分しなければ借入れの返済及び投資法人債の償還ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用不動産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)有利子負債比率に関するリスク
本投資法人の資産総額のうち借入金額及び投資法人債発行残高の占める割合は、資産運用会社の資産運用規程により、最大50%とされていますが、資産の取得等に伴い一時的に50%を超えることがあります。有利子負債比率が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果投資主への分配額が減少する可能性があります。
(ニ)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現はこれらの者の能力、経験及びノウハウに大きく依拠しています。しかし、これらの者が業務遂行に必要な人的・財産的基礎等を必ずしも維持できるとの保証はありません。資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金融商品取引法及び投信法上の善管注意義務及び忠実義務を負っていますが(金融商品取引法第42条、投信法第118条、第209条)、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約または解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託が必須のものとされているため(投信法第117条、第198条、第208条)、委託契約が解約または解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。しかし、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があるほか、場合によっては本投資口が上場廃止になる可能性もあります。さらに、資産運用会社、資産保管会社または一般事務受託者が、破産手続きまたはその他の法的倒産手続き等に服することより金融商品取引法における登録あるいは業務執行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社または一般事務受託者への委託が必要となり、上記と同様のリスクがあります。
現在、資産運用会社の役職員は、森トラスト株式会社からの出向者が相当割合を占めています。
このほか、本投資法人の運用不動産の取得にあたっても、森トラスト株式会社またはその関連会社より物件の譲受け、媒介、情報提供等に関する様々な支援を受けており、さらに森トラスト株式会社との間で不動産等の情報提供に関する協定書を締結し、一定条件の下、相互に不動産等に関する投資機会にかかる情報提供を行うこと、譲渡しようとする不動産等に関する情報を優先的に提供すること、森トラスト株式会社はそのグループ各社に対してかかる情報の提供を本投資法人に行うように要請しまたは協力すること等を約しています。このような森トラスト株式会社との関係を勘案すると、本投資法人の業務遂行及び成長は、森トラスト株式会社の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられます。しかし、森トラスト株式会社が本投資法人の業務遂行や成長の支援に必要な人的・財産的基礎等を必ずしも維持できるとの保証はなく、また、不動産等の情報提供に関する協定書は森トラスト株式会社に本投資法人に対する物件の売却義務あるいは本投資法人からの物件の購入義務を課すものではありません。さらに、森トラスト株式会社について業務の懈怠その他義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)資産運用会社に関するリスク
本投資法人が適切な運用資産を確保するためには、特に資産運用会社の能力、経験及びノウハウに大きく依拠していますが、資産運用会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財産的基礎が常に維持されるとの保証はありません。
資産運用会社は、金融商品取引法上の投資運用業を行う金融商品取引業者であり、本投資法人の資産の運用にかかる業務を遂行するために金融商品取引業者の登録を行う必要があるほか、一定の利益相反取引の禁止(金融商品取引法第42条の2)、親法人等または子法人等が関与する行為の制限(金融商品取引法第44条の3)等の金融商品取引法(関係政省令及び監督指針を含みます。)上の種々の規制を受けます。また、資産運用会社による本投資法人の資産の運用については、投信法上の規制も適用されます。金融商品取引法及び投信法上、資産運用会社について法令違反等の一定の事由が生じた場合には、監督当局から業務改善命令、登録の取消し、一定期間の業務の全部または一部の停止等の行政処分を受ける可能性があります。資産運用会社に対してかかる行政処分等がなされた場合には、本投資法人の運営に悪影響が生じる可能性があり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人は、投資主総会の承認を得て資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約することができます(投信法第206条第1項)。また、本投資法人は、投信法及び資産運用業務委託契約の規定に基づいて、資産運用会社が職務上の義務に違反した場合その他一定の場合に資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約または解除することができるほか、資産運用会社が投信法第199条第2号に定める金融商品取引法上の金融商品取引業者でなくなったときその他一定の場合には資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約または解除しなければならないとされています(投信法第206条第2項、第207条)。資産運用会社との資産運用業務委託契約が解約または解除された場合、現在の資産運用会社との資産運用業務委託契約においては一定の手当てがなされていますが、一般的には前記(ニ)に記載のリスクがあてはまります。また、資産運用会社の変更は、本投資法人の借入金債務及び投資法人債の期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(ヘ)不動産管理会社に関するリスク
一般に、建物の保守管理を含めた不動産管理業務全般の成否は、管理会社の能力、経験、ノウハウによるところが大きく、運用不動産の管理については、管理を委託する管理会社の業務遂行能力に強く依拠することになります。しかし、不動産管理会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財産的基礎が維持される保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、不動産管理会社が、破産手続きまたはその他の法的倒産手続き等に服することより業務執行能力を喪失する場合においては、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、投資主への金銭の分配に影響を与える可能性があります。
本書の提出日現在、本投資法人が取得している物件(以下「取得済物件」といいます。)のうち、大阪丸紅ビル、新横浜TECHビル、ONビル、紀尾井町ビル、御堂筋MTRビル、天神プライム、渋谷フラッグ及びパークレーンプラザは、建物の保守管理を含めた不動産管理業務全般を不動産管理会社に委ねており、その他の物件は、主に賃借人に不動産管理業務を委ねています。
(ト)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用にかかる業務を遂行することが義務づけられているほか(金融商品取引法第42条)、原則として、資産運用会社自身もしくはその取締役等との取引または資産運用会社が運用する運用財産相互間における取引を行うことを内容とした運用等が禁止されています(金融商品取引法第42条の2)。
しかしながら、資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にもかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定をする可能性を否定できません。
そのため、投信法は、資産運用会社が登録投資法人の資産の運用を行う場合において、当該投資法人と資産運用会社の利害関係人等との間の不動産の取得または譲渡並びに不動産の賃貸(但し、投信法施行規則に定めるものを除く。)を行うことになるときは、当該投資法人の役員会における承認を得たうえで当該投資法人の同意を取得することを定めています(投信法第201条の2第1項、第2項、投信法施行規則第245条の2第4号から第6号)。
また、資産運用会社の株主もしくは資産運用会社の役職員の出向元企業等、本投資法人に現在関与しまたは将来関与する可能性がある法人その他投信法第201条第1項に定める利害関係人等に該当する法人及びその関連会社等(以下「資産運用会社関係者」といいます。)は、資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己または第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、資産運用会社関係者は、自ら不動産投資、運用業務を行いまたは将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行いまたは将来行う可能性があります。そのため、第一に、資産運用会社が、資産運用会社関係者に有利な条件で、本投資法人にかかる資産を資産運用会社関係者から取得させたり、当該取得した資産の管理を資産運用会社関係者に合理的な理由なく有利な条件で委託することにより、資産運用会社関係者の利益を図る可能性があり、第二に、本投資法人と資産運用会社関係者が特定の資産の取得もしくは処分または特定の資産の賃貸借もしくは管理委託に関して競合する場合、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、資産運用会社関係者またはその顧客の利益を優先し、その結果本投資法人の利益が害される可能性があります。
さらに、金融商品取引法上、資産運用会社は、通常の取引の条件と著しく異なる条件で、資産運用会社の親法人等または子法人等との間で資産の売買その他の取引を行うこと(金融商品取引法第44条の3第1項第4号、金商業等府令第153条第1項第1号)等を禁止されています。また、資産運用会社は、利害関係人取引規程において、本投資法人と利害関係人等との間で行われる一定の取引にかかる行為基準、取引プロセス及び取引の開示について定めることにより、利害関係人等との間の取引により本投資法人が害されることを可及的に防止することを企図しており、その中でも、本投資法人が締結する賃貸借契約については、利害関係人取引規程において、利害関係人等との間において賃貸借契約を締結する場合には、市場実勢及び対象の不動産等資産の標準的な賃貸条件を勘案して、適正と判断される条件で賃貸借契約を締結しなければならない旨を定めています(なお、本投資法人が締結する賃貸借契約については、上記以外にも、資産運用会社の資産運用規程において、本投資法人が賃貸借契約を締結する場合の敷金の要件につき、不動産等資産の特性、賃貸市場での競合状況、テナントの信用力及び契約期間等の諸条件を総合的に判断することとし、可能な限り月額賃料の12か月分以上の敷金を受領することを基本的な運用方針(但し、不動産等の取得時に既存の賃貸借契約が存続する場合については敷金が月額賃料の12か月未満であることも許容する。)とする旨が規定されています(詳細については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/b. 投資不動産の投資及び運用方針/(ⅲ)投資不動産のリーシング方針/(ニ)賃貸借契約の締結基準」をご覧ください。)。)。
本投資法人及び資産運用会社は、本投資法人の資産の運用がこれらの法令及び規則等に従ってなされるよう心がけていますが、諸般の事情を考慮のうえ、上記の法令及び規則等に反しないと判断した場合には、本投資法人が、不動産等資産の一部について、敷金の差入れを受けない形で賃貸借契約を締結する等、資産運用会社の親法人等もしくは子法人等または利害関係人等との間で通常とは異なる条件で契約を締結する場合があります。
なお、本投資法人が親法人等、子法人等または利害関係人等との間で締結している賃貸借契約の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/c. 利害関係人等との取引実績/(ⅲ)継続中である利害関係人等との取引」をご覧ください。
(チ)役員の職務遂行にかかるリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善良な管理者としての注意義務を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務を負っています(投信法第97条、第109条第5項、第111条第3項、会社法第355条)。しかし、本投資法人の執行役員または監督役員が、職務遂行上、上記の善管注意義務または忠実義務に反する行為を行い、結果として投資主が損害を受ける可能性があります(なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構/a. 投資法人の機構/(ⅱ)執行役員、監督役員及び役員会」をご覧ください。)。
(リ)運用不動産の取得方法に関するリスク
税制上の軽減措置に要する手続きとの関係で、本投資法人が今後不動産を取得するに当たり、譲渡代金支払後直ちには当該不動産についての所有権等の移転本登記申請を行わない場合があり得ます。この場合、売主が譲渡代金支払後本登記申請までの間に当該不動産を二重譲渡し、担保提供し、または売主が破産手続きまたはその他の法的倒産手続き等に服すること等により、本投資法人が運用不動産の完全な所有権を取得できなくなる可能性があり、また、同時に支払済の譲渡代金の全部または一部につき返還を受けられなくなる可能性があります。なお、取得済物件のうち、東京汐留ビルディングの土地以外の物件については、すべて所有権移転についての本登記を経ています。同ビルの土地については、当該土地が保留地予定地であることにより換地処分がなされるまで登記を行うことができないため、現時点においては未登記ですが、東京都市計画事業汐留土地区画整理事業施行者である東京都が作成した保留地台帳に当該保留地譲受権者として本投資法人の記載がなされています。また、将来取得する不動産については、上記軽減措置に関する手続きのために10日程度要する場合がありますが、このような場合においては、運用不動産の購入実行時(代金支払時)から上記軽減措置に関する手続き終了時(終了後直ちに移転本登記申請を行います。)までの間は仮登記を経ることにより本登記の順位を保全して上記のリスクを可能な限り回避することがあります。但し、仮登記はそれに基づく本登記がなされるまでは順位保全効果しかなく、仮登記に基づき本登記がなされる前に売主について破産手続きまたはその他の法的倒産手続き等の開始決定が出された場合等は、本投資法人が保護されない可能性もあり、上記のリスクを完全に排除できるとは限りません。
(ヌ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人は、投信法の規定に従い、資産運用の対象及び方針を規約第26条において定めており(投信法第67条第1項第7号、投信法施行規則第105条第1号)、資産運用会社はかかる規約の定めに従って本投資法人の資産の運用を行っています。しかしながら、実際の資産運用においては様々な資産の特性に応じ、またその時々の市場環境や経済情勢に応じた的確かつきめ細やかな対応が余儀なくされることがあります。そのため、資産運用会社は、社内規程として資産運用規程を定め、かかる資産運用を適時適切に対応することとしています。この場合、規約第26条に定める資産運用の対象及び方針の改訂には投資主総会の決議を必要としますが、資産運用規程は資産運用会社の社内規程であるため、投資主総会の決議によらず変更されることがあります。かかる資産運用規程の改訂により、意図したとおりの運用が成功を収めるとの保証はなく、かかる改訂が結果的に本投資法人の資産運用及びその業績に悪影響を与えないとの保証はありません。そのような場合には、本投資口の投資主は損害を被る可能性があります。
(ル)余裕資金の運用に関するリスク
本投資法人は、運用不動産の賃借人から受領した賃料、預託を受けている敷金または保証金等の余裕資金を投資資金として運用する場合があります。このような場合には、想定した運用利益を上げることができず、または、元本欠損が生じる可能性があります。また、賃貸借契約の中途解約により想定外の時期に敷金または保証金の返還義務が生じた場合には、本投資法人は、敷金または保証金の返還資金をそれらよりも調達コストの高い借入れ等により調達せざるを得なくなる場合があります。その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ヲ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度の取扱いに関するリスク
不動産または不動産信託受益権等を主な運用対象とする投資法人の設立は、投信法並びに政令及び規則の改正により平成12年11月以降可能になりました。今後、その取扱いもしくは解釈が大幅に変更され、または新たな法律が制定もしくは適用される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ワ)本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法のもとで投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、投信法上、本投資法人について法令違反等の一定の事由が生じた場合には、監督当局から業務改善命令、登録の取消し等の行政処分を受ける可能性があります(投信法第214条、第216条)。本投資法人に対してかかる行政処分等がなされた場合には、本投資法人の運営に悪影響が生じる可能性があり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があるほか、登録の取消しがなされた場合には、本投資口の上場が廃止されるとともに、本投資法人は解散すべきものとされ、清算手続きに入ることになります。
(ⅲ)不動産に関するリスク
(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、特に地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特性の他に、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響されるなどの特性もあります。これらの特性のために、不動産は、国債・社債・株式等の金融商品等に比べ一般的に流動性が相対的に低い資産として理解されています。そして、それぞれの不動産の個別性が強いため、売買において一定の時間と費用を要しますし、その時間や費用の見積もりが難しく、予想よりも多くの時間と費用が費やされ、その結果不動産を取得もしくは売却できない可能性があり、さらに、不動産が共有物件または区分所有物件である場合、土地と建物が別個の所有者に属する場合等、権利関係の態様が単純ではないことがあり、上記の流動性等に関するリスクが増幅されます。
経済環境や不動産需給関係の影響によって、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件で取得できず、または売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性もあります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)物件の取得競争に関するリスク
本投資法人は、規約において、不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等を投資対象として、中長期的な観点から、安定したインカムゲインの確保と運用資産の着実な成長を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としています(規約第26条)。しかしながら、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化し、物件の取得競争が激化した場合、物件がそもそも取得できずまたは投資採算の観点から希望した価格で物件が取得できないなどの事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。その他、本書記載の様々なリスクや要因により、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ハ)テナントの獲得競争に関するリスク
通常、運用不動産は、他の不動産とのテナント獲得競争に晒されているため、競合する不動産の新築、リニューアル等の競争条件の変化や、競合不動産の募集賃料水準の引下げ等により、賃料引下げや稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益が悪化する場合があります。都心部を中心として新築オフィスビルの大量の供給が行われる状況において、立地条件や建物仕様等の点で本投資法人の運用不動産に優る競合不動産がある場合、その傾向は顕著になるものと予想されます。
(ニ)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
一般に、不動産には地盤地質、構造、材質等に関して欠陥、瑕疵等(隠れたるものを含みます。)が存在している可能性があります。また、上記のような物的な欠陥や瑕疵のほか、適用される法令上の規制による制限や、周辺の土地利用状況等が法的な瑕疵や欠陥となる可能性もあります。そこで、資産運用会社が不動産または不動産信託受益権の選定・取得の判断を行うにあたっては、対象となる不動産または信託財産である不動産について利害関係のない建設会社等の専門業者から建物状況評価報告書等(以下「エンジニアリングレポート」といいます。)を取得し、かつ、交渉上可能な限り、当該不動産または不動産信託受益権の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任を負担させることに努めていますが、物件の収益性や価格の合理性等を総合的に勘案したうえ、売主がこれらを負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産または不動産信託受益権を取得することがあります。
しかし、エンジニアリングレポートの作成にかかる専門業者の調査には、提供される資料の内容やその調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産または信託財産である不動産に関する欠陥・瑕疵について完全な報告が行われているとは限りません。さらに、エンジニアリングレポートで指摘されなかった事項であっても、本投資法人が不動産または不動産信託受益権を取得した後に欠陥、瑕疵等の存在が判明する可能性があります。
また、不動産または不動産信託受益権の購入にあたり、売主より一定の表明及び保証が行われた場合であっても、その内容が真実かつ正確であるとは限らず、また、売主の表明及び保証の内容及び期間は一定範囲に限定されるのが通例です。
さらに、瑕疵担保責任については、民法上、売主の責任の範囲及び期間が制限されており、また、契約上においても、これを一定範囲に制限することが一般的です(なお、強制競売で購入した物件については、瑕疵担保責任の追及はできません(民法第570条但書)。)。
不動産に欠陥、瑕疵等が存在する場合、当該不動産の資産価値が減少する可能性があり、これを防ぐために、本投資法人に当該欠陥、瑕疵等の補修その他予定外の費用または損失が生ずる可能性があります。そして、このような場合において、売主に対し表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や資力が不十分な会社であったり、解散等により存在しなくなっているなどの事情により、責任追及に実効性がなく本投資法人に費用負担が発生する可能性があります。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性や複雑性ゆえに種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は運用不動産を取得するにあたって、不動産登記簿を確認するなど売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、売主が所有権者でなかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていることや第三者の権利を侵害していることが、本投資法人の取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合、前述した欠陥や瑕疵等と同様、法律上または契約上の瑕疵担保責任や表明保証責任を追及することが考えられますが、前述のように、責任の内容、範囲及び期間に制限がある場合や責任追及が可能であっても実効性がない場合もあります。
また、一般的に、不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できずまたは境界の確認ができないまま、当該不動産を取得する事例が少なからずあり、今後本投資法人が取得する物件についてもその可能性は小さくありません。そして、そのような不動産を取得した場合には、後日不動産の利用等に支障が生じ、また、境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされるなど、不動産について予定外の費用または損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
不動産に含まれる建物が原因となって近隣地域に電波障害を生じさせた場合には、電波障害対策工事を行うための追加費用や電波障害対策設備を設置するための賃借料が本投資法人に生じる可能性があります。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ホ)不動産にかかる行政法規・条例等に関するリスク
通常、建築基準法(これに基づく命令・条例を含みます。以下同じです。)の規定またはその改正法の規定の施行の際、すでに存する建物(現に建築中のものを含みます。)及びその敷地でこれらの規定に適合しないものについては、当該規定が適用されない扱いとされています。運用不動産の中には、上記のような扱いの結果、現行の建築基準法上の規定の一部を満たしていないが違法とはならない、いわゆる既存不適格である建物を含む場合があります。特に、耐震設計基準に関し、昭和56年以前に建築確認申請された建物については、いわゆる旧耐震基準を採用しており、現行法において必要とされる基準を満たしていないものがあります。これらの建物の建替え等を行う場合には、現行の規定に合致するよう、既存の部分の手直しをする必要があり、費用等追加的な負担が生じる可能性があります。
また、不動産にかかる様々な行政法規や各地の条例による規制が運用不動産に適用される可能性があります。例えば、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務、雨水流出抑制施設設置義務及び温室効果ガスの削減義務等が挙げられます。電波法(昭和25年法律第131号。その後の改正を含みます。)上、一定の高さの建物の新築・増築等につき総務大臣への届出が求められ、場合によっては工事に制限が課せられることも、この一例です。このような義務や制約が課せられている場合、当該運用不動産を処分するときや建替え等を行うときに、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な負担が生じたりする可能性があります。さらに、運用不動産を含む地域が道路設置等都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し、運用不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。また、温室効果ガスの削減等を目的として、一定の要件を満たす不動産の所有者に対して、温室効果ガス排出量の削減等にかかる義務や制約が課せられる場合があり、運用不動産がかかる要件を満たすときには、これらの義務等を遵守するための追加的な費用負担等が発生する可能性があります。
(ヘ)法令等の変更に関するリスク
消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の建築・運営・管理に影響する関係法令や条例の改正等により、運用不動産の管理費用等が増加する可能性があります。また、建築基準法、都市計画法その他不動産に関する行政法規の改正等、新たな法令等の制定及びその改廃、あるいは、収用、再開発、区画整理等の事業により、運用不動産に関する権利が制限される可能性があります。さらに、環境保護を目的とする現行法令等の改正または新法令等が将来制定・施行されることにより、運用不動産について、大気、土壌、地下水等の汚染にかかる調査義務、除去義務、損害賠償義務、所有者としての無過失責任等が課され、または義務が強化される可能性があります。このように、法令または条例の制定・改廃等が本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ト)区分所有物件に関するリスク
不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません(区分所有法第31条をご覧ください。なお、建替え決議等においてはさらに多数決の要件が加重されています。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。)。従って、本投資法人が議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。従って、本投資法人の意向にかかわりなく他の区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、運用不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権または優先交渉権、処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行うなどの制約を受け、区分所有権を適時に処分できなくなる可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の運用不動産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払いまたは積み立てを履行しない場合、当該区分所有権や運用不動産が法的手続きの対象となりまたは劣化するなどの可能性があります。
なお、区分所有建物では、専有部分と敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利をいいます。)の一体性を保持するために、区分所有法第22条で、専有部分と敷地利用権を分離して処分することが禁止されています(但し、管理規約等で別段の定めをすることができます。また、昭和59年1月1日当時に存在する専有部分及び敷地利用権については、法務大臣の指定がない場合には、管理規約等で分離処分ができるものと定められたものとみなされます。)。そして、敷地権(敷地利用権をもとに、区分所有建物の敷地になっている土地について建物と一体化されて登記されている権利をいいます。)の登記がなされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権だけが分離されて処分されても、当該分離処分は無効となります。しかし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません。そのような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
(チ)共有物件に関するリスク
運用不動産が第三者との間で共有されている場合、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有または利用が妨げられる可能性があります。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。従って、本投資法人は共有物を希望する時期及び価格で売却できない可能性があります。もっとも、共有者には共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条)、これにより単独の処分または使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合は、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まないときでも、他の共有者からの請求にも服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが、その場合であっても、合意の有効期間(民法第256条により、5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、共有者が破産した場合または共有者について会社更生手続きもしくは民事再生手続きが開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(但し、共有者は、破産手続き、会社更生手続きまたは民事再生手続きの対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)第48条)。)。
他方、共有持分については、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができます。従って、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、運用不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書または規約等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権または優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行うなどの制約を受ける可能性があります。
共有不動産を賃貸に供する場合、賃貸人の賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されています。従って、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押さえられたり、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができない可能性があります。
また、不動産の共有者の1人の共有持分に抵当権が設定された場合、共有物の分割が行われても分割された不動産の各々の部分に当該抵当権の効力が及びます。
さらに、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払いまたは積み立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続きの対象となる、あるいは、劣化するなどの可能性があります。
共有不動産については、上記のような制約やリスクがあるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、単独所有の場合には存在しない減価要因が加わる可能性があります。
なお、東京汐留ビルディングの敷地について本投資法人が保有している権利は、所有権ではなく、当該土地の停止条件付所有権移転請求権及び所有権移転までの間の使用収益権であり、本投資法人は、これらの権利を他の準共有者と準共有していますが、準共有についても、民法の共有に関する規定が準用されるため(民法第264条)、上記に類似するリスクがあります。
(リ)借地物件に関するリスク
本投資法人は、運用不動産である建物の敷地の所有権を有しない場合があります。この場合、建物の処分に付随する借地権の処分に関して、敷地の所有者の同意等が要求されることがあり、そのため、本投資法人が事実上建物を処分できなかったり、多額の承諾料を徴求されたり、本投資法人が希望する価格、時期等の条件で建物を処分することができない可能性があります。また、借地権が敷地利用に関する契約の終了または解除その他の理由により消滅した場合、本投資法人は、敷地の明渡義務を負う可能性があります。さらに、借地権について民法または借地借家法等の法令に従い対抗要件が具備されていないとき、または先順位の対抗要件を具備した担保権者が存在するときは、本投資法人は、当該借地権について敷地の全部または一部に関して権利を取得した新所有者または競落人に対して自己の権利を対抗できず、敷地を明け渡さざるを得なくなる可能性があります。
また、本投資法人が敷地の所有者に対し借地契約にかかる保証金等の返還請求権を有する場合、敷地の所有者の資力の悪化や倒産等により、それらの全額または一部が返還されない可能性があります。敷地の所有者に対する保証金等の返還請求権については十分な担保設定や保証がなされない場合が少なくありません。
なお、建物所有目的の借地権の場合、一般的には、期間満了に際しその更新を請求したり、建物の買取りを請求することが比較的容易にできます(事業用借地権においては、これらの権利は認められていません。)。
(ヌ)保留地予定地に関するリスク
本投資法人は、土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)に基づく土地区画整理事業において、施行者に対する同法第96条第1項に規定される保留地となることが予定されている土地の停止条件付所有権移転請求権及び所有権移転までの間の使用収益権を取得することがあります。
保留地となることが予定されている土地の所有権は、同法第86条第1項に規定される換地計画に当該土地が保留地として定められ、かかる換地計画に基づき同法第103条第1項に規定される換地処分がなされた場合に、かかる換地処分の公告があった日の翌日において、同法第104条第11項に基づき、土地区画整理事業の施行者が原始取得します。
そのため、上記の換地処分がなされない限り、本投資法人は、保留地となることが予定されている土地の所有権を取得できません。
さらに、保留地となることが予定されている土地については、換地処分の公告の日の翌日以降でなければ所有権移転登記をすることができないので、相当期間その所有権取得について第三者に対抗要件を具備することができない可能性があります。
(ル)わが国における賃貸借契約に関するリスク
わが国におけるオフィスビル等の建物賃貸借契約(下記(ヲ)に記載の原則的な定期建物賃貸借契約の場合を除きます。)では、契約期間を2年とし、その後別段の意思表示がない限り自動的に更新されるとするものが多く見られます。しかし、契約期間が満了する際、常に契約が更新されるとの保証はありません。また、契約期間の定めにかかわらず、テナントが一定期間前の通知を行うことにより契約を解約できることとされている場合が多く見受けられます。契約が更新されずまたは契約期間中に解約された場合、すぐに新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。建物賃貸借契約において契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金について規定することがありますが、そのような規定は違約金の金額その他の状況によってはその全部または一部が無効とされる可能性があります。
なお、賃貸人からの建物賃貸借契約(下記(ヲ)に記載の原則的な定期建物賃貸借契約の場合を除きます。)の更新拒絶及び解除は、正当事由の存在が認められる場合を除いて困難であることが多いのが実情です。
他方、建物所有目的の土地賃貸借契約は、一般に契約期間が長期となり(30年以上)、しかもその更新拒絶及び解除は、正当事由の存在が認められる場合を除いて困難であることが多いのが実情です。従って、市場の推移の如何によっては、予想以上の長期間にわたり相場より不利な条件で土地を貸し続けなければならない事態もあり得ます。さらに、期間満了に際し、賃貸人には建物の買取りに応じる義務が生じるなどの負担もあり得ます(これらの不利益の全部または一部を回避するための制度として、定期借地権、建物譲渡特約付借地権及び事業用借地権があります。)。また、賃借人が解約権を留保している場合は、原則として1年前の解約申入れにより契約を解約することができます。不測の時期に解約された場合、すぐに新たな賃借人を見つけられるとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。
(ヲ)賃料の減額に関するリスク
運用不動産である建物のテナントが支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、賃貸人とテナントの合意により減額される可能性があります。さらに、テナントが賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を行使する可能性もあります。また、運用不動産である建物と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記のような通常の建物賃貸借に対して、一定の要件を満たすことにより、契約期間を原則的に(比較的長期のものとして)確定するとともに更新がなく期間満了により終了する旨の合意をする定期建物賃貸借契約が存在し、そのような賃貸借においては借地借家法第32条の賃料増減額請求権に服さない旨取り決めることができます。もっとも、定期建物賃貸借契約においてテナントが契約期間の定めにかかわらず早期解約した場合、契約上の当然の権利としてあるいは違約金条項に基づく権利として、残期間の賃料すべてについて必ずテナントに対して請求できるかどうかは、未だ事例の蓄積が乏しいため定かでありません。特に、残期間の途中で新たなテナントが見つかり、賃料収入が得られることとなった場合には、その効力が制限される可能性があります。なお、そもそも契約上、違約金の額が一定額(一定期間の賃料等)に対応する分だけに限られている場合もあり得ます。また、賃貸人にとって、定期建物賃貸借契約には、通常の賃貸借契約に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては一般的な賃料水準が上昇する場合でもそれに応じた賃料収入の増加を期待することができないなど、不利益な面もあります。さらに、契約締結の方法またはこれをめぐる事情の如何によっては、上記一定の要件を満たしていないと判断され、定期建物賃貸借契約であることが否定される可能性があります。
運用不動産である土地の借地人が支払うべき地代・賃料は、借地契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、地主・賃貸人と借地人の合意により減額される可能性があります。さらに、借地人が地主・賃貸人に対し、借地借家法第11条に基づく地代・賃料減額請求権を行使する可能性もあります(定期借地権、建物譲渡特約付借地権及び事業用借地権によっても、この請求権を排除することはできません。)。また、運用不動産である土地と競合すると思われる不動産の地代・賃料水準が全般的に低下した場合には、新たな借地人との間で締結される借地契約における地代・賃料の額が従前の地代・賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような地代・賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の地代・賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
なお、本投資法人が賃貸している運用不動産を賃借人が転貸している場合には、転貸条件が必ずしも賃貸条件と同一ではなく、何らかの理由で本投資法人が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、低額の賃料及びその他不利益を甘受せざるを得ない可能性があります。
本投資法人と主要なテナントとの間で締結している賃貸借契約についての詳細は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③その他投資資産の主要なもの/b. 不動産等資産における賃貸借の状況一覧/(ⅲ)主要なテナントとの賃貸借契約の特記事項」をご覧ください。
(ワ)マスターリースに関するリスク
本投資法人は、オフィスビルまたは商業施設等の運用不動産の賃貸につき、自らをマスターレッサーとし、中間にマスターレッシーを置き、マスターレッシーによるサブリースを行う形態を用いることがあります。
その場合に、マスターレッシーの財務状態が悪化すると、賃料支払いの滞りによって受ける影響は大きくなることがあり、また、何らかの事情によりテナントの募集及び管理その他マスターレッシーとしての機能に支障を来たすと、運用不動産の稼働率は大きく低下することがあり、投資法人の収入が大きく減少する可能性があります。
なお、マスターリース契約の終了に伴いマスターレッサーたる本投資法人がサブリース契約及びマスターレッシー(サブレッサー)のサブレッシーに対する債務または義務等を承継することがマスターリース契約上規定されている場合には、かかる債務または義務等を承継することとなります。そして、この場合において、マスターリース契約とサブリース契約との間に契約条件の違いがあるときには、本投資法人は敷金返還債務等についてマスターリース契約における債務または義務等より重い債務または義務等を承継しなければならなくなる可能性があり、かかる場合においてマスターレッシーが破綻状態に陥っているようなときには、かかる債務または義務等の増大分につき損失を被る可能性があります。
取得済物件のうち、大崎MTビル及び東京汐留ビルディングについては森トラスト株式会社との間で、紀尾井町ビルの住宅部分については三井不動産住宅リース株式会社との間で、御堂筋MTRビルについては株式会社日本プロパティ・ソリューションズとの間で、イトーヨーカドー湘南台店及びイトーヨーカドー新浦安店については株式会社イトーヨーカ堂との間で、コーナン相模原西橋本店についてはコーナン商事株式会社との間で、それぞれマスターリース契約を締結しています。
(カ)不動産の運用にかかる費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理にかかる費用または備品調達等の管理コストの上昇、修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、運用不動産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
(ヨ)テナントの建物使用態様に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、テナントによる転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の関与なしに行われる可能性があります。その他、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団等反社会的勢力の入居や、テナントによる、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)の規制の対象となる風俗営業その他の営業の開始等により運用不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(タ)不動産の毀損等に関するリスク
運用不動産につき滅失、毀損または劣化等が生じ、修繕が必要となることがあります。かかる修繕に多額の費用を要する場合があり、また、修繕工事の内容やその実施の仕方によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少しあるいは少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難または不可能な場合には、将来的に運用不動産から得られる賃料収入等が減少する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(レ)火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故に関するリスク
火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他不測の事故等の災害により、運用不動産が滅失、劣化または毀損し、その価値が消滅、減少し、または、本投資法人の賃料収入が悪影響を受ける可能性があります。
取得済物件に関しては、火災保険や施設賠償責任保険等が締結されており、今後本投資法人が取得する運用不動産に関しても原則として適切な保険を付保する予定です。しかし、運用不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害や事故(例えば、故意によるもの、戦争、テロ行為、暴動等に基づく損害は、多くの場合、約款により保険金の支払対象外とされています。)が発生する可能性または保険契約に基づく支払いが保険会社により行われずもしくは遅れる可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
本投資法人の付保に関する方針の概要については、下記(ソ)及び(ツ)に関するものを含め、前記「2 投資方針/(1)投資方針/b. 投資不動産の投資及び運用方針/(ⅵ)投資不動産への付保方針」をご覧ください。
(ソ)地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等に関するリスク
地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等の災害により、運用不動産が滅失、劣化または毀損し、その価値が消滅、減少し、または、本投資法人の賃料収入が悪影響を受ける可能性があります。多くの場合、火災保険約款では、地震による火災は保険金の支払対象外とされています。
取得済物件のうち、イトーヨーカドー新浦安店及びホテルオークラ神戸には地震保険を付保していますが、その他の物件には付保していません。
(ツ)不動産にかかる所有者責任に関するリスク
本投資法人の運用不動産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体または財産その他法律上保護に値する利益を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、占有者に過失がない場合は無過失責任を負うこととされています(民法第717条第1項但書)。
フレスポ稲毛を除く取得済物件は、施設賠償責任保険を付保しています。
(ネ)不動産の売却における制限に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却しようとする際、前記(ト)及び(チ)に記載されているように他の区分所有者や共有者によって契約上その処分について制限が課されることがあるほか、賃貸借契約において賃借人に対し賃貸借契約期間中は売却をしない旨や土地と建物を分離譲渡しない旨を約したり、第三者に売却する前に賃借人に対して買取りについての優先交渉権を与えたりする場合があり得ます。そのような場合、不動産市場の動向を見ながら最も有利な条件で売却することが難しくなり、本投資法人は、通常であれば得ることができる利益を得ることができなくなるおそれがあります。
(ナ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却した場合に、当該運用不動産に物的または法律的な瑕疵があるために、法律の規定に従い、瑕疵担保責任を負う可能性があります。特に、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)上みなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、瑕疵担保責任を排除することが原則としてできません。
また、法律の規定以外にも、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や瑕疵担保責任を負う可能性があります。
これらの法律上または契約上の表明保証責任や瑕疵担保責任を負う場合には、買主から売買契約を解除され、あるいは、買主が被った損害の賠償をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予定外の出費を強いられる場合があり得ます。
(ラ)有害物質にかかるリスク
運用不動産として取得した土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されたり、利用する地下水に有害物質が含まれている場合、当該土地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入れ替えや洗浄等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。この点に関連して、土壌汚染等について、土壌汚染対策法が制定され、平成15年2月より施行されています。同法は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康にかかる被害の防止に関する措置を定めること等により土壌汚染の対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とするものと定めています。同法に規定する特定有害物質にかかる一定の施設を設置していた場合や、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康にかかる被害が生じる可能性があると認められる場合には、その土地の所有者、管理者または占有者等は、かかる汚染の状況について調査報告を命じられることがあり、さらに、当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他必要な措置を講じるよう命じられることがあります。このような場合に本投資法人が運用不動産の所有者としてかかる必要な措置を講じるように命じられたときには、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があります。もっとも、本投資法人は、かかる負担について、その原因となった者に対し費用償還を請求できる可能性がありますが、仮にかかる請求が可能な場合であっても、その者の財産状態が悪化しているような場合には、本投資法人の損害を回復することができない可能性があります。その結果、本投資法人ひいては投資主が損害を受ける可能性があります。
また、運用不動産として取得した建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されているもしくは使用されている可能性がある場合またはPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的または部分的交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
さらに、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、運用不動産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
物件の取得時に作成されたエンジニアリングレポートもしくは取得後に実施した調査の報告書によれば、取得済物件のうち、大崎MTビルについては、建物の一部において、アスベストを含有する吹付け材等の使用が確認されていますが、調査時の利用状況においては特に問題ありません。
(ム)運用不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針/(1)投資方針/b. 投資不動産の投資及び運用方針/(i)ポートフォリオのアロケーション方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、運用不動産が、一定の用途または地域に偏在した場合、稼働率の低下、賃料水準の下落、当該地域における地震その他の災害等が、本投資法人の収益等または存続に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
また、テナント獲得に際し、賃貸市場において運用不動産相互間で競合し、結果として賃料収入が減少し、本投資法人の収益に影響を与える可能性があります。
さらに、一般に、総資産額に占める個別の運用不動産の割合は、総資産額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、総資産額に占める割合が大きい運用不動産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等または存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
(ウ)テナントの集中に関するリスク
運用不動産のテナント数が少ない場合または一のテナントが占める賃料の割合が大きい場合、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響を受けやすくなります。すなわち、一棟借りをしているテナントその他賃借面積の大きなテナントが退去した場合には、空室率が高くなるうえに、他のテナントを探しその入居率を回復させるのが難しくなることがあり、その期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。もっとも、そのようなテナントがマスターリースの形態を用いた運用不動産におけるサブレッシーである場合は、当該テナントの退去が直ちにマスターリース契約の終了につながるとは限りません。とはいえ、マスターレッシーがマスターリース契約を更新すべきか否か、契約の解除権がある場合にそれを行使すべきか否か等の判断をするに際し大きな影響を与える可能性は否定できません。なお、運用不動産が土地である場合は、一続きの土地が一括して賃貸されるものと予想されますので、建物の場合に関する上記と同様のリスクが存在することになります。
また、セール・アンド・リースバック方式により取得した運用不動産で、テナントが自社の本社等として一棟借りしている建物について、当該テナントの当該建物からの退去に伴い当該本社仕様となっている建物を一般テナントビル仕様に改装する場合は、多額の費用を要することが予想され、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす場合があります。さらに、テナントが倒産した場合、双方未履行の双務契約としてテナントの管財人が解除権を行使し、敷金・保証金の返還を求めてくる可能性があります。この場合の解除権の行使は法律で認められたものであるため、本投資法人は、違約金条項があっても違約金を取得できない可能性があります。当該テナントが相対的に賃料収入の大きなテナントである場合は、本投資法人の収益が重大な悪影響を受ける可能性があります。
取得済物件のうち、ONビル、東京汐留ビルディング、イトーヨーカドー湘南台店、フレスポ稲毛、イトーヨーカドー新浦安店、新橋駅前MTRビル、コーナン相模原西橋本店及びホテルオークラ神戸については、実質上単一のテナント(サブレッシーである場合を含みます。)により賃借されています。
(ヰ)ホテルに関するリスク
運用不動産がホテルの場合、経済の動向や他のホテルとの競合に伴いホテルの収益力が減退するときには、テナントがホテルの営業から撤退し、退去することがあります。
既往テナントが退去した場合、構造の特殊性からテナントの業態を大きく変更することが困難であることが多く、また、運営にあたり高度な知識が要求されることから代替テナントとなりうる者が少ないため、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下し、または代替テナントを確保するために賃料水準を下げざるを得なくなることがあり、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
また、一定規模以上のシティホテルやリゾートホテルにおいては、施設及び設備の陳腐化による競争力低下を避けるために相当程度の資本的支出及び維持管理費用の分担を要求されることがあります。一方で、運用不動産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
(ノ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、不動産または不動産信託受益権を売却した後に売主が倒産手続きに入った場合、当該不動産または不動産信託受益権の売買または売買についての対抗要件具備が当該売主の管財人により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産または不動産信託受益権を売却した場合、当該不動産または不動産信託受益権の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取消される可能性があります。
また、売買取引が担保付融資取引であると法的に評価され、依然としてその目的物が売主(または倒産手続きにおける管財人もしくは財団)に属すると解される可能性があります。この場合、特に担保権の行使に対する制約が破産手続き等に比較して相対的に大きい会社更生手続きにおいては深刻な問題となり得ます。
なお、本投資法人に対して、運用不動産(不動産信託受益権を含みます。以下本項において同じ。)を譲渡した前所有者(前信託受益者を含みます。以下本項において同じ。)が運用不動産をその前々所有者から購入した当時の、当該前々所有者の財産状態の健全性について、本投資法人は調査を行っていません。前々所有者の倒産等の場合、転得者が否認の原因のあることを知っていたなど一定の条件のもとで、前々所有者と前所有者との間の取引にかかる否認の効力が転得者にも及ぼされることがあります(破産法第170条、会社更生法第93条、民事再生法第134条)。従って、かかる前々所有者を含む売主等の倒産の場合、本投資法人が否認の効力を主張され、または詐害行為取消権の行使を受けることにより、運用不動産の所有権を失うなど、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(オ)専門家の意見への依拠に関するリスク
不動産の鑑定評価額(不動産価格調査の調査価格を含みます。)は、個々の不動産鑑定士による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士の判断や意見を示したものにとどまります。従って、同一物件について鑑定評価を行った場合でも、個々の不動産鑑定士によって、その適用する評価方法または調査方法もしくは時期、収集した資料等の範囲等によって鑑定評価額が異なる可能性があります。本書記載の鑑定評価額は、不動産鑑定評価基準及び留意事項に基づき、原則として、DCF法による収益価格を標準とし、直接還元法による収益価格等による検証を行い決定された特定価格をもって「鑑定評価額」とするものですが、かかる鑑定評価の結果は、将来において本投資法人が当該鑑定評価額により運用不動産を売却できることを保証または約束するものではありません。
土壌汚染リスク評価報告書も、個々の調査会社が行った分析に基づく意見であり、評価方法、調査の方法等によってリスク評価の内容が異なる可能性があります。また、かかる報告書は、専門家が調査した結果を記載したものに過ぎず、土壌汚染が存在しないことを保証または約束するものではありません。
また、マーケットレポート等により提示されるマーケットに関する第三者機関による分析または統計情報は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法もしくは調査方法または時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
建物エンジニアリング・レポート及び構造計算書に関する調査機関による調査報告書についても、建物の状況及び構造に関して専門家が調査した結果を記載したものに過ぎず、不動産に欠陥、瑕疵が存在しないことを保証または約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値は、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ⅳ)信託の受益権特有のリスク
本投資法人は、不動産、不動産の賃借権または地上権を信託する信託の受益権を取得することがありますので、不動産特有のリスクに加え、以下のような信託の受益権特有のリスクを負います。なお、以下、平成19年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)を「信託法」といい、信託法施行により廃止された信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みます。)を「旧信託法」といいます。契約によってされた信託で、信託法施行日(平成19年9月30日)前に効力を生じたものについては、信託財産に属する財産についての対抗要件に関する事項を除き旧信託法が適用されます。但し、信託委託者、信託受託者及び信託受益者の書面合意等により信託法の適用を受けることもできます。
(イ)信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受するものですが(旧信託法第7条、信託法第2条第6項及び第7項参照)、他方で、信託受益者は、信託財産に関する租税その他費用、信託受託者が信託事務の遂行に関して自己に過失なく受けた損害及び信託受託者の報酬について負担することがあります。すなわち、旧信託法ではこれらの信託費用、損害及び報酬は最終的に信託受益者が負担するものとされています(旧信託法第36条第2項、第37条)。信託法では、これらの信託費用、損害及び報酬は、信託財産が負担する旨変更されましたが、信託受託者と信託受益者との合意により、信託受益者から信託費用等の償還、損害の賠償、報酬の支払またはこれらの前払を受けることができます(信託法第48条、第53条、第54条)。
また、信託受託者は、これらの償還または支払等を受けるため、一定の場合、信託財産である不動産を売却することができます(旧信託法第36条第1項、信託法第49条第2項)。従って、本投資法人が不動産、不動産の賃借権または地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデューデリジェンス(詳細な調査等)を実施し、保険会社を保険者、信託受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の措置を講じたうえで取得する必要がありますし、一旦不動産、不動産の賃借権または地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを信託受益者たる本投資法人が負担することになります。
また、信託財産からの支弁または受益者に対する請求がなされた場合、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
(ロ)信託の受益権の流動性リスク
本投資法人が信託の受益権を運用資産とする場合で、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分する場合には、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します(前記「(ⅲ)不動産に関するリスク/(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク」をご覧ください。)。
また、信託の受益権(信託法第185条以下に定める受益証券発行信託にかかる受益権を除きます。)を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾が受益権譲渡の対抗要件であるため(信託受託者以外の第三者に対しては確定日付のある証書によることが必要)、信託受託者の承諾を得ることになります(信託法第94条)。
さらに、不動産、不動産の賃借権または地上権を信託する信託の受益権については有価証券に該当しますが(金融商品取引法第2条第2項第1号)、信託の受益権は株式等の取引市場のある有価証券と比較すると相対的に流動性が低いものといえます。
(ハ)信託受託者の破産、会社更生等に関するリスク
旧信託法上、信託受託者につき破産手続き、民事再生手続き、会社更生手続きその他の倒産手続きが開始された場合に、信託財産が破産財団、再生債務者または更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属するか否かに関しては、明文の規定はないものの、旧信託法の諸規定、とりわけ信託財産の独立性という観点から、登記等の対抗要件を具備している限り、信託財産である不動産その他の資産が信託受託者の破産財団、再生債務者または更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に帰属すると解釈される可能性は低いものと考えられます。信託受託者が破産した場合、旧信託法第42条第1項に基づき信託受託者の任務は終了し、旧信託法第50条に基づき信託財産の名義人でもなくなることから、信託財産は破産財団に属さないと説明する見解があります。また、旧信託法第16条によれば、信託財産に対する信託受託者自身の債権者による差押えは禁止されており、信託財産は信託受託者の債権者との関係では信託受託者自身の債務の引当財産にならないと考えられます。
信託法では、信託受託者につき破産手続き、民事再生手続き、会社更生手続きその他の倒産手続きが開始された場合に、信託財産が破産財団、再生債務者または更生会社の財産に属さない旨定められています(信託法第25条)。また、信託財産に対する信託受託者自身の債権者による差押えは禁止されており、信託財産は信託受託者の債権者との関係では信託受託者自身の債務の引当財産にならない旨定められています(信託法第23条参照)。
旧信託法及び信託法上、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があります。また、金銭のように公示方法がないものが信託財産である場合、取り戻せない可能性があります。
(ニ)信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託受託者が、信託契約または信託受益者の意思に反して信託財産である不動産を処分すること、または信託財産である不動産を引当てとして何らかの債務を負うこと等により、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を信託受益者に認めており(旧信託法第31条)、また、信託法では、信託受託者の権限違反行為または利益相反行為の取消権を信託受益者に認めています(信託法第27条、第31条)。但し、本投資法人は、常にかかる権利の行使により損害を回避できるとは限りません。
(ホ)信託の受益権の準共有等に関するリスク
本投資法人が保有する信託の受益権が準共有されている場合または分割された受益権を他の者とそれぞれ保有する場合には、共有者間の規約、信託契約または法令(たとえば、民法第251条、第252条、信託法第105条以下)により、信託の受益者としての本投資法人が有する指図権の行使が制約され、その結果、本投資法人の資産運用が影響を受ける場合があります。
(ⅴ)税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
租税特別措置法第67条の15は、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人が支払う利益の配当等を投資法人の損金に算入することを認めています。
投資法人の主な導管性要件
支払配当要件配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること
(利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること)
国内50%超募集要件投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載または記録があること
借入先要件機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいう。次の所有先要件において同じ。)以外の者から借入れを行っていないこと
所有先要件事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所
有されていることまたは機関投資家のみによって所有されていること
非同族会社要件事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口総数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと
会社支配禁止要件他の法人の株式または出資の50%以上を有していないこと(一定の海外子会社を除く)

本投資法人は、導管性要件を満たすよう継続して努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の異動、分配金支払原資の制限・不足、資金の調達先、借入金等の定義の不明瞭性、会計処理と税務処理との不一致に起因する法人税等の発生、税務当局と本投資法人との見解の相違、法律の改正、その他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、過年度の本投資法人の導管性要件にかかる取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約において、特定不動産の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とすること(規約第26条第2号)としています。本投資法人は、前記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、または軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制もしくは本投資法人に関する税制またはかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口にかかる利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制またはかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有または売却による投資主の手取金の額が減少したり、税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
b. 投資リスクに関する管理体制
資産運用会社及び本投資法人は、本投資法人の資産運用に関し、以下のような体制により、可能な限り、本投資口への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
(ⅰ)資産運用会社の体制
(イ)資産運用規程等の整備
(a)資産運用会社は、本投資法人の規約に定める資産運用の基本方針及び投資態度を踏まえたうえで、資産運用規程において不動産等資産の投資方針及び財務方針を定め、これを遵守することにより、リスクの管理に努めています。資産運用規程における投資方針及び財務方針は以下の区分毎に規定されています。各方針の詳細については、前記「2 投資方針/(1)投資方針」をご覧ください。
<投資方針>1)基本方針
2)アロケーション方針
3)取得方針
4)リーシング方針
5)プロパティマネジメント方針
6)修繕計画及び資本的支出等に関する基本方針
7)付保方針
8)ポートフォリオの見直し・譲渡方針
<財務方針>1)担保差入
2)LTV基準
3)資金調達先の決定
4)デリバティブ取引
5)余資の運用
(b)資産運用会社は、利害関係人取引規程において本投資法人と利害関係人等との間で行われる一定の取引にかかる行為基準、取引プロセス及び取引の開示について定め、これを遵守することにより、利害関係人等との取引にかかるリスクの管理に努めています。利害関係人取引規程の概要については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/b. 利害関係人等との取引における自主ルール」をご覧ください。
(ロ)資産運用実績等の定期的把握及び意思決定手続きの明確化
資産運用会社は前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構/c. 投資運用の意思決定機構」のように、資産運用実績等を適切に把握する体制を整えています。
本投資法人の投資や資産運用にかかる資産運用会社の意思決定は、経営投資委員会において委員の過半数が出席し、出席委員の過半数が賛成することを必要としています。
なお、経営投資委員会の審議及び決定内容は、議事録に記載し、出席委員の署名または記名押印の後保存されることにより、意思決定過程の明確化を図っています。
また、前記の意思決定過程を経て決定された一定の事項は、その後開催される資産運用会社の取締役会に報告されることになっています。
さらに、利害関係人取引については、本投資法人の役員会が最終的な意思決定を行うことで一層慎重な意思決定手続きが採用されています。
資産運用会社の組織及び業務分掌体制並びに意思決定手続きについては、前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構/b. 投資法人の運用体制及びc. 投資運用の意思決定機構」を、利害関係人取引に関する手続きの詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご覧ください。
(ハ)リスク管理及びコンプライアンス体制の整備
資産運用会社は、本投資法人の投資や資産運用にかかる議案について経営投資委員会における審議を要求することにより、基本的なリスク管理及びコンプライアンス体制を整えています。
経営投資委員会は、各委員からリスクの状況及びコンプライアンスについての報告を受け、情報を集約します。
また、資産運用会社は、リスク管理及びコンプライアンス状況の確認のための機関として、コンプライアンス・オフィサー及びリスク管理委員会を設置しています。経営投資委員会に付議される事項のうち、利害関係人取引に関する事項及びコンプライアンス・オフィサーが必要と判断した事項については、リスク管理委員会がリスク管理及びコンプライアンスの観点から審議し、その審議結果を記載した意見書を経営投資委員会に提出します。経営投資委員会は、リスク管理委員会の意見書を踏まえて議案を審議し、意思決定を行います。
なお、資産運用会社の日常業務におけるリスク管理及びコンプライアンス状況の確認は、経営投資委員会の委員でありリスク管理委員会の委員長でもあるコンプライアンス・オフィサーが統括しています。コンプライアンス・オフィサーは、資産運用会社の意思決定にかかわる事項のコンプライアンスに関する事前審査及び承認を行い、資産運用会社の業務執行全般に関して、法令、規則、社内規程等の遵守状況の監督、指導及び内部監査を実施します。
(ⅱ)本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に従って3か月に1度以上の頻度で役員会を開催し、資産運用会社から定期的に運用状況の報告を受けるほか、利害関係人等との取引については、本投資法人の役員会の事前承認を要することとして、最終的な決定権を留保する形にし、リスクの管理に努めています。

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