有価証券報告書(内国投資証券)-第23期(平成28年10月1日-平成29年3月31日)
(1)リスク要因
以下には、本投資法人が発行する投資証券(以下「本投資証券」といいます。)又は本投資法人が発行する投資法人債券(以下「本投資法人債券」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得している又は取得を予定している個別の信託受益権の信託財産である不動産(以下、信託受益権に係る信託財産である不動産を「信託不動産」といいます。)特有のリスクについては、後記「5 運用状況(2)投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの(ヘ)個別信託不動産の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分であるとの保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は下落すると考えられ、その結果、元本の欠損が生じる可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下その他財務状況の悪化により、分配率の低下が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本「3 投資リスク」を含む本書の記載事項を慎重に検討した上で本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、当該事項は本書の日付現在において本投資法人及び資産運用会社の判断又は仮定に基づくものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
本「3 投資リスク」に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 一般的なリスク
(イ)投資証券の商品性に関するリスク
(ロ)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
(ハ)本投資証券の市場性に関するリスク
(ニ)本投資証券又は本投資法人債券の価格変動に関するリスク
(ホ)投資口の希薄化に関するリスク
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
(ト)ローン・トゥー・バリュー比率(LTV)に関するリスク
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
(リ)本投資法人の登録が取消されるリスク
(ヌ)本投資法人債券の償還・利払に関するリスク
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(イ)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(ロ)借入れ及び投資法人債に関するリスク
(ハ)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(ニ)プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
(ホ)賃料保証会社に関するリスク
(ヘ)役員の職務遂行に係るリスク
(ト)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(チ)スポンサー及びその他のパイプラインサポート会社に依存するリスク
(リ)敷金・保証金の利用に関するリスク
(ヌ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ル)投資対象を住居用の不動産としていることによるリスク
③ 不動産関連資産-不動産に関するリスク
(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(ロ)物件取得の競争に関するリスク
(ハ)テナントの獲得競争に関するリスク
(ニ)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
(ホ)土地の境界紛争等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る法規制等に関するリスク
(ト)区分所有物件に関するリスク
(チ)共有物件に関するリスク
(リ)借地物件に関するリスク
(ヌ)底地物件に関するリスク
(ル)鑑定評価額及び調査価額に関するリスク
(ヲ)賃貸借契約に関するリスク
(ワ)賃料の減額に関するリスク
(カ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
(ヨ)入居者の建物使用態様に関するリスク
(タ)不動産の毀損等に関するリスク
(レ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ソ)不動産に係る所有者責任に関するリスク
(ツ)転貸に関するリスク
(ネ)マスターリースに関するリスク
(ナ)有害物質に係るリスク
(ラ)投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
(ム)テナントの支払能力に関するリスク
(ウ)テナントの集中に関するリスク
(ヰ)テナントの業種の偏りに関するリスク
(ノ)売主等の倒産等の影響を受けるリスク
(オ)開発物件に関するリスク
(ク)フォワード・コミットメント等に関するリスク
④ 不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
(ロ)信託の受益権の流動性に係るリスク
(ハ)信託受託者に係るリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減措置の適用が受けられないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(イ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
(ハ)一部の投資主から本投資法人の解散請求がなされ、本投資法人が解散するリスク
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ホ)取得予定資産を取得することができないリスク
(ヘ)その他オペレーショナル・アセットを含む資産への投資に関するリスク
① 一般的なリスク
(イ)投資証券の商品性に関するリスク
投資証券は、株式会社における株式に類似する性質(いわゆるエクイティ証券としての性質)を持ち、投資金額の回収や利回りは本投資法人の業務又は財産の状況に影響され、また、譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることができるとの保証はありません。また、本投資法人に係る清算又は倒産手続においては、エクイティ証券として最劣後の地位となり、元本すなわち投資額の全部又は一部の支払いが行われない可能性があります。
また、本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
(ロ)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
本投資証券は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資証券を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等を除き、第三者に対する売却に限られます。本投資証券の売却が困難となった場合、特に本投資証券が金融商品取引所に上場されなくなった場合には、本投資証券を希望する時期及び条件で換価することが困難となります。
(ハ)本投資証券の市場性に関するリスク
本投資証券は、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。
本投資証券の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資証券の上場市場における売却が困難又は不可能となった場合には、投資主は、本投資証券を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損害を被る可能性があります。
(ニ)本投資証券又は本投資法人債券の価格変動に関するリスク
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、金融商品取引所における需給関係や、不動産関連資産への投資の動向、他の資産への投資との比較、エクイティ市場の状況、金利情勢、経済情勢等、市場を取り巻く様々な要因の影響を受け、大幅に変動する可能性があります。
本投資証券又は本投資法人債券が金融商品取引所において一時的に大量に売却される場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が大幅に下落する可能性があります。
(ホ)投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還を含みます。)等のための資金を随時必要とします。かかる資金の調達手段の一つとして投資口を随時追加発行することがあり、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合が希薄化する可能性があります。
また、期中において追加発行された投資口に対して、その期の投資口保有期間が異なるにもかかわらず、既存の投資口と同額の金銭の分配を行うこととなるため、既存の投資口への分配額に影響を与える可能性があります。更に、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額や市場における需給バランスが影響を受けることがあります。
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、如何なる場合においても保証されるものではありません。
(ト)ローン・トゥー・バリュー比率(LTV)に関するリスク
本投資法人のローン・トゥー・バリュー比率(LTV)の上限は、資産運用会社の運用ガイドラインにより60%を目処としますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。ローン・トゥー・バリュー比率(LTV)の値が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法のもとで投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合、登録を取消される可能性があります。その場合、本投資証券の上場が廃止されるとともに、本投資法人は解散し、清算されることになります。
(ヌ)本投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(イ)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として本投資法人が取得する不動産関連資産又はその裏付けとなる不動産からの賃料収入に依存しています。かかる賃料収入は、物件の稼働率の低下、賃料水準の低下等により、大きく減少する可能性があります。また、テナントの支払能力又は信用状態によっては、当該テナントから賃料が回収できない場合もあります。本投資法人は、資産運用会社を通じて、支払能力及び信用力の高いテナントを確保すべく努力しますが、その目的が達成されるとは限りません。
また、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、多額の資本的支出、未稼働の物件に係る不動産関連資産の取得等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、投資主への分配金額に悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、不動産関連資産に関しては、減価償却費、公租公課、保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等の費用負担があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります。
これらの要因により、投資主への分配金額の減少その他の悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)借入れ及び投資法人債に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に金融商品取引法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定する機関投資家で、かつ、地方税法施行令附則第7条第7項第3号に規定する適格機関投資家のうち総務省令で定めるものに該当するものに限ります。)からの借入れ及び投資法人債の発行による資金調達を行います。
借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件並びにその後の金利負担は、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、本投資法人の希望する時期及び条件で借入れ及び投資法人債の発行を行うことができるという保証はなく、また、変動金利により調達した場合には、その後の金利変動により利払額が増加する可能性があります。加えて、金利、担保提供、財務制限条項等の点でより不利な条件での借入れを余儀なくされる可能性があります。
更に、本投資法人が借入れ又は投資法人債の発行に際し、当該借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値の維持、本投資法人の信用状態に関する評価の一定水準の維持、投資主への金銭の分配や担保権の設定等の制約等の義務を課す財務制限条項が設けられる場合があり、かかる制約が本投資法人の運営に支障をもたらす可能性がある他、これらの制約により投資主への金銭の分配が制限され、利益配当等の損金算入要件(詳細は後記「⑤ 税制に関するリスク(イ)導管性要件に関するリスク」をご参照下さい。)を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。
本投資法人の借入金及び投資法人債については、前記のような一般的な財務制限条項が設けられていますが、本書の日付現在において、当該財務制限条項に抵触する事実又は抵触する恐れがある事実は生じていません。
また、本投資法人の借入れ又は投資法人債に関し、本書の日付現在において担保が設定されている不動産関連資産はありませんが、今後、不動産関連資産に担保を設定した場合、担保の解除手続その他の事情により、本投資法人が希望する時期、価格及び条件で当該不動産関連資産を売却できない可能性があります。また、不動産関連資産の評価額が引き下げられた場合等、一定の条件のもとに不動産関連資産に対して追加担保を設定することを要求される可能性もあります。
更に、借入れ又は投資法人債の返済資金を調達するために、本投資法人の希望しない時期、価格及び条件で不動産関連資産を売却せざるを得ない可能性や希望する時期、価格及び条件で不動産関連資産を売却できずに債務不履行となる可能性もあります。また、本投資法人が借入れ又は投資法人債について債務不履行となった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分や差押え等の強制執行が行われることがあり、本投資法人に対して破産等の倒産手続の申立が行われる可能性もあります。
(ハ)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者及び資産運用会社に委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現は、これらの関係者の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、これらの関係者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を維持できるとの保証はありません。資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金融商品取引法及び投信法上の善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っていますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託を要するものとされているため、委託契約が解約又は解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。また、資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社が、破産等により金融商品取引法における登録又は業務遂行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社への委託が必要となります。しかしながら、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性がある他、場合によっては本投資証券が上場廃止になる可能性もあります。
また、資産運用会社等の変更は、本投資法人の借入金債務及び投資法人債の期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(ニ)プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
本投資法人は、個別の不動産毎にプロパティ・マネジメント会社を選定しています。建物の保守管理並びにテナントの募集及び管理を含めたプロパティ・マネジメント業務全般の成否は、プロパティ・マネジメント会社の能力、経験、ノウハウに大きく依存することになりますが、プロパティ・マネジメント会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。また、プロパティ・マネジメント会社が、破産及びその他の法的倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人の業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)賃料保証会社に関するリスク
本投資法人は、保有物件のうち住居物件については、原則として信託受託者とプロパティ・マネジメント会社との間で、マスターリース契約(賃貸借契約)を締結しており、そのうち一部のエンドテナントについて賃料保証会社の滞納賃料保証システムを導入しています。当該保証システムは、プロパティ・マネジメント会社、エンドテナント及びエンドテナントの賃料債務等に係る保証人たる賃料保証会社の3者間の保証契約に基づくものであり、当該保証契約上、エンドテナントにおいて賃料の滞納が発生した場合、プロパティ・マネジメント会社が賃料保証会社に代位弁済を請求することが可能ですが、賃料保証会社が破産及びその他の法的倒産手続等に入った場合、プロパティ・マネジメント会社が同社から当該代位弁済の履行を受けることができなくなる可能性や、エンドテナントが賃料相当額を賃料保証会社に支払っている場合には、その回収が困難となる可能性があります。エンドテナントによる賃料の支払いが円滑になされている限りにおいては重大な影響を受けないものの、エンドテナントの賃料の滞納や不払いが発生した際には、本投資法人の収益に影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)役員の職務遂行に係るリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の職務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善管注意義務及び忠実義務を負っていますが、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行った場合、結果として投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
なお、本投資法人においては執行役員が資産運用会社の代表取締役社長を兼任しています。
(ト)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行するに際して善管注意義務及び忠実義務を負う他、資産運用会社の利害関係人等の利益を図るため本投資法人の利益を害することとなる取引を行うことが明示的に禁止されています。
更に金融商品取引法において業務遂行に関して資産運用会社の行為準則が詳細に規定され、加えて運用ガイドラインに基づく自主的なルールも定められています。
資産運用会社の株主は、資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。そのため、資産運用会社が、自己の株主の利益を図り、自己の株主に有利な条件で本投資法人の資産運用を行い、その結果本投資法人の利益を害することとなるおそれがあります。
積水ハウスは、自ら又は関連会社を通じて不動産に関連する様々な業務(積水ハウスの完全子会社である積水ハウス投資顧問株式会社による積水ハウス・リート投資法人の資産の運用を含みます。)を行っており、自己又は自らの関連会社に有利な条件で本投資法人に資産を取得又は譲渡させる可能性や、本投資法人又は資産運用会社と積水ハウス又は同社の関連会社とが資産の取得若しくは処分、賃貸借又は管理運営等に関し競合する可能性は否定できず、その結果、本投資法人に不利益が生じ、結果として本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益が害される可能性があります。
金融商品取引法及び投信法は、損害が生じた場合に資産運用会社の責任を追及できるよう、資産運用会社や投資法人の帳簿等が公正な手続で作成され、証拠として蓄積されるような体制を充実させるよう定めています。更に、資産運用会社は、一定の資産取得・譲渡の場合に特定資産の価格等の調査を一定の専門家に行わせることで、価格の公正さを確保し、投資判断の決定プロセス等に客観性・公明性を持たせる体制をとっています。
しかしながら、資産運用会社が上記の行為準則に反し、あるいは、法定の措置を適正にとらない場合には、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(チ)スポンサー及びその他のパイプラインサポート会社に依存するリスク
本投資法人及び資産運用会社は、スポンサー及び積和不動産各社(7社)との間で物件情報等の提供等を目的とするパイプラインサポート契約を締結しています。しかしながら、これらの契約に基づく物件取得機会が実際に本投資法人の外部成長につながる保証はありません。パイプラインサポート契約の概要については、前記「2 投資方針(1)投資方針 ② ポートフォリオ構築方針(ハ)積水ハウス及び積和不動産各社(7社)とのパイプラインサポート契約について」をご参照下さい。
また、本投資法人による安定した収益の確保と成長にあたってはスポンサーとの強固な関係が不可欠であり、本投資法人は上記のパイプラインサポート契約の締結等によりそのような関係を構築していく意向ですが、スポンサーからのサポート体制が十分でない等の理由により、本投資法人の成長戦略が実現できる保証はなく、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
(リ)敷金・保証金の利用に関するリスク
本投資法人は、不動産の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を投資資金として利用する場合があります。しかし、そのような場合において、賃貸借契約の中途解約により想定外の時期に予想外の金額の敷金又は保証金の返還義務が生じた場合には、本投資法人は、敷金又は保証金の返還資金をそれらの投資利回りよりも高い調達コストによる借入れ等により調達せざるを得なくなることもあります。また、敷金又は保証金の投資運用が失敗に終わり損失が生じる可能性もあります。
(ヌ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び資産運用会社の取締役会が規約に定める資産運用の対象及び方針等を具体化するために定めたより詳細な投資方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を得ることなく変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、かかる詳細な投資方針等が変更される可能性があります。
(ル)投資対象を住居用の不動産としていることによるリスク
本投資法人は、規約において、投資対象を主たる用途が「住居」である不動産関連資産のみと定めています。本投資法人は本書の日付現在も商業施設を保有していますが、ポートフォリオに占める割合は低く、保有物件の用途の分散によるリスク分散効果は期待できない状況にあります。したがって、本投資法人の収益が人口動態による賃貸住宅の需要や賃料の動向に大きく影響を受けることとなり、かかる需要や賃料の動向によっては本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
③ 不動産関連資産-不動産に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、本投資法人規約第27条第2項に定めるとおり不動産関連資産です。不動産信託受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産信託受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「④ 不動産関連資産-信託受益権特有のリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特徴の他に、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性もあります。これらの特性のため、不動産は、一般的に流動性が相対的に低い資産と考えられています。
経済環境や不動産需給関係の影響や個別性の高い不動産の調査に要する費用及び時間によっては、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件で取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性もあります。さらに、本投資法人が不動産の取得又は譲渡を決定し、相手方と合意した場合であっても、相手方との間で締結した売買契約上の前提条件が満たされない等の場合には、本投資法人が希望する時期に取引を実行できず、又は取引を中止せざるを得ないこととなる可能性があります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、その規約において、不動産関連資産を主たる投資対象として、中長期的な観点から、安定した収益の確保と着実な運用資産の成長を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としています。しかしながら、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化し、物件取得の競争が激化する場合があります。このような状況下にあっては、希望した条件での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産ポートフォリオを実現できない可能性があります。
(ハ)テナントの獲得競争に関するリスク
通常、不動産関連資産は、他の不動産とのテナント獲得競争にさらされているため、競合する不動産の新築、リニューアル、募集賃料の引下げ等の競争条件の変化により、賃料引下げや稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益が悪化する場合があります。
また、高級賃貸用住宅は、相対的に需要(入居者)が限定されていて市場が小さく、このような住居が他から新規供給された場合、市場への影響が少なくないことがあります。加えて、既存テナントが退去した場合、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下する場合もあり、時として代替テナント確保のために賃料水準の引下げが必要となることもあります。また、そのような賃貸用住居は、海外から派遣される赴任者等を主な入居者として想定していることが多いため、経済情勢、国際情勢の変化等により需要が大きく減少し、そのために不動産の稼働率が大きく低下したり、代替テナント確保のために賃料水準引下げを余儀なくされる可能性があり、そのような場合、賃料収入が大きな影響を受ける可能性もあります。
商業施設については、賃貸住宅に比べて相対的に需要が限定されており、また、その商圏ないし地域も限定されていることから、テナント獲得競争が相対的に激しい傾向にあります。特に周辺商圏において他の商業施設が新設された場合などには、他の商業施設との競合によって、本投資法人の保有する物件のテナント獲得に係る競争力が相対的に低下し、その結果賃料減額を余儀なくされ、あるいは既存テナントが退去するおそれがあり、また、周辺商業施設に入居するテナントとの競合により本投資法人の保有する商業施設のテナントの業績が悪化し、賃料支払の遅延又は不払いが生ずるおそれがあります。また、既存テナントが退去した場合には、代替テナント入居までの空室期間は、これら不動産の賃貸需要が相対的に低いことや、各テナント毎の物件の内装等の仕様が一般的に異なることから、長期化する傾向にあり、その間不動産の稼働率が大きく低下する可能性があり、各テナントからの賃料が賃貸住宅に比べて相対的に高いこととあいまって、本投資法人の賃料収入を大幅に低下させる可能性があります。また、企業をテナントとすることから、経済情勢の変化等により需要が大きく減少し、稼働率の低下や賃料水準の低下を招くおそれがあります。
また、新規テナントの募集に際し、内装工事等に多額の費用負担が生じるケースがあります。
(ニ)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
一般に、不動産には地盤・地質、土壌、構造、材質及び施工等に関して欠陥、瑕疵、不具合等(隠れたるものを含みますが、これに限定されません。)が存在している可能性があります。また、適用される法令上の規制の不遵守や、周辺の土地利用状況等が瑕疵や欠陥となる可能性もあります。そこで、資産運用会社が不動産関連資産の選定・取得の判断を行うにあたっては、対象となる不動産について利害関係のない第三者の専門業者に一定の調査を依頼することとしています。しかしながら、建物エンジニアリングレポート等の調査には、提供される資料の内容やその調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産に関する欠陥・瑕疵について完全に報告がなされる保証はありません。更に、このような調査の報告書において指摘されなかった事項であり、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経た不動産であっても、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はなく、また、不動産に想定しえない隠れた欠陥・瑕疵等が存在し、又は不適正な設計施工等が存在し、それが当該不動産関連資産の取得後に判明する可能性もあります。なお、建物の構造計算書偽装等の事件が発覚した際に保有資産に係る建物全てについて、建物の予想最大損失率(PML)の評価を実施するという一般のプロセスに加え、建物の構造上、建築基準法で定める耐震性能を疑わせる特段の事情がないことにつき、第三者専門機関より確認を得ていますが、かかる第三者専門機関の確認についても、上記のとおり一定の限界があり、完全であるとの保証はありません。
また、本投資法人は、原則として不動産関連資産の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任を負担させることとしています。しかしながら、かかる表明及び保証の内容が真実かつ正確であるとは限らず、また、表明及び保証の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、瑕疵担保責任の期間及び責任の範囲が限定されることもあります(なお、強制競売で購入した物件については、瑕疵担保責任の追及はできません。)。更に、不動産関連資産の売主が表明及び保証を全く行わず、若しくは制限的にしか行わない場合、又は瑕疵担保責任を全く負担せず、若しくは制限的にしか負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産関連資産を取得する可能性があります。本投資法人が特別目的会社から不動産関連資産を取得する場合、当該特別目的会社は、通常、責任財産を限定してのみ瑕疵担保責任を負うこととされます。
不動産に欠陥、瑕疵等が存在する場合、その程度によっては、当該不動産関連資産の資産価値が減少する可能性があり、又は、これを防ぐために、買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の補修その他に係る予定外の費用負担を余儀なくされる可能性があります。また、これらに関し売主に対して表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や経済的に破綻した会社である等のため、その資力が十分でない等の事情により、責任追及に実効性がないおそれがあります。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性や複雑性のゆえに種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は不動産関連資産を取得するにあたって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、当初より売主が所有権を取得していなかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていることや第三者の権利を侵害していることが、本投資法人による取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合、前述した欠陥や瑕疵等と同様、法律上又は契約上の瑕疵担保責任や表明保証責任を追及できることもありますが、そのような責任追及には実効性がないおそれもあります。
(ホ)土地の境界紛争等に関するリスク
不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できず又は境界標の確認ができないまま、不動産を取得する事例が一般に少なからず見られ、本投資法人において今後取得する物件についてもその可能性は小さくありません。したがって、状況次第では、後日かかる物件を処分するときに事実上の障害が発生し、また、その保有期間中においても、境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積が減少し、又は損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、不動産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
(ヘ)不動産に係る法規制等に関するリスク
不動産のうち建物は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準等を定める建築基準法の規制に服します。その建築確認取得時点においては、建築基準法上及び関連法令上適格であった建物でも、その後の建築基準法等の改正に基づく規制の変更により、変更後の規制のもとでは不適格になることがあります。
その他、不動産は、消防法や都市計画法等の国の法令の他、各地方公共団体の条例や行政規則等による種々の規制に服します。例えば、駐車場の付置義務、住宅の付置義務、福祉施設の付置義務等の他、これらの義務に関連して、建物の新築・増築に際して地方公共団体等と協議する義務等を課されることがあります。また、敷地の一部が道路として指定されることにより敷地として利用可能な面積が減少し、その結果、建蔽率及び容積率に係る規制との関係で建築可能な建物に影響を及ぼすこともあります。
法規制の変化によりかつて法令に適合していながら後日適合しなくなった建物を「既存不適格」と呼ぶことがあります。既存不適格の建物は、これを改築したり、建替えたりしようとする際に、従前の建物と同等の建蔽率・容積率・高度・設備等を維持できなくなり、追加の設備が必要とされ、又は建替え自体が事実上困難となる可能性があります。このような場合には、不動産の資産価値や譲渡価格が下がる可能性があります。
以上の他、土地収用法(昭和26年法律第219号。その後の改正を含みます。)や土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)のような私有地の収用・制限を定めた法律の改正等により、不動産の利用及び用途等に規制が加えられ、収用、再開発若しくは区画整理等がなされ、又は不動産の保有、管理、処分その他の権利関係等に制限が加えられることがあり、その結果、関連する費用等が増加し又は不動産価値が減殺される可能性があります。更に、環境保護を目的とする現行法令等又は将来制定・施行される新法令等により不動産関連資産について、大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務、所有者としての無過失責任等が課され、又は義務が強化される可能性があります。また、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、運用・改正によっても追加的な費用負担が発生する可能性があります。このように、法令又は条例の制定・改廃等が本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ト)区分所有物件に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(建物の躯体、エントランス部分等)から構成されます。不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有法及び区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません。なお、建替え決議等においては更に多数決の要件が加重されています。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。本投資法人又は信託受託者が議決権の4分の3を有していない場合はもとより、これを保有している場合においても頭数において劣るため、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができ、本投資法人の意向にかかわりなく他の区分所有者が変更される可能性があります。この場合、新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課される場合があります。この場合、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に他の区分所有者と優先的に交渉を行う等の制約を受けます。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の不動産関連資産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が不動産関連資産の劣化を避けるため、その立替払を余儀なくされるおそれがあります。なお、区分所有建物では、敷地利用権を有しない専有部分の所有者が出現する可能性があります。そのような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
(チ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との共有物件である場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
上記の分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者が倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。但し、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権や先買権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却しようとする場合に他の共有者が優先的に又は排他的に購入できる機会又は権利を与えるようにする義務を負い、またその他物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、一般的に敷金返還債務は不可分債務になると解されており、また、賃料債権も不可分債権になると解される可能性があり、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(リ)借地物件に関するリスク
借地権(土地の賃借権及び地上権)と借地権設定地上の建物については、土地建物ともに所有する場合に比べ、特有のリスクがあります。
まず、借地権は、土地の賃借権の場合も地上権の場合も、永久に存続するものではなく、期限の到来により消滅し、借地権設定者側に正当な事由がある場合には更新を拒絶され、又は借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により終了することもあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権が確保されている場合を除き、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。仮に、建物買取請求が認められても本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
更に、敷地が売却され、又は抵当権の実行により処分されることがありますが、この場合に、本投資法人が借地権について民法、建物保護ニ関スル法律(明治42年法律第40号。その後の改正を含みます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)等の法令に従い対抗要件を具備しておらず、又は競売等が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合、本投資法人は、譲受人又は買受人に自己の借地権を主張できないこととなります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が得られる保証はなく、また、得られたとしても承諾料の支払いを要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期及び条件で建物を処分することができないおそれがあります。
また、本投資法人が借地権を取得するに際して支払う保証金については、借地を明渡す際に、敷地所有者の資力が保証金返還に足りないときは、保証金の全部又は一部の返還を受けられないおそれがあります。
また、借地契約では、多くの場合、賃料等の借地内容について、定期的に見直しを行うこととされています。賃料等の改定により賃料等が増額された場合、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅しますが、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
(ル)鑑定評価額及び調査価額に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び調査価額は、個々の不動産鑑定士による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士の判断や意見を示したものにとどまります。同一物件について鑑定評価又は価格調査を行った場合でも、個々の不動産鑑定士によって、その適用する評価方法又は調査の方法若しくは時期、収集した資料等の範囲等によって不動産鑑定評価額等が異なる可能性があります。また、かかる評価の結果が現在及び将来において当該不動産鑑定評価額等による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても不動産鑑定評価額等をもって売却されるとは限りません。
(ヲ)賃貸借契約に関するリスク
不動産に係る賃貸借契約では、契約期間が満了しても、その後別段の意思表示がない限り自動的に更新されるとするものが多く見られますが、契約期間が満了する際、常に契約が更新されるとの保証はありません。商業施設では事業用定期借家契約を締結する場合がありますが、施設の運営方針上、複数のテナントとの事業用定期借家契約の契約満了日を同時期に設定する場合があります。ほぼ同時期にテナントが契約満了を迎え、その多くが更新を拒んだ場合、一度に多数のテナントが退店するため、当初予定していた収益の確保が難しくなり、利益が減少する可能性があります。
また、賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合、すぐに新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。賃貸借契約には、契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金、かかる違約金に関して敷金・保証金の没収について規定することがありますが、かかる規定は状況によってはその全部又は一部が無効とされ、その結果、本投資法人に予定外の費用負担が発生する可能性があります。商業施設などにおける大口テナントとの契約において、現在かかる規定が置かれているものがあり、当該大口テナントが契約期間中に解約した場合には、これに伴う多額の違約金等の受領又は没収がなされることがありますが、その後当該大口テナントがかかる規定の効力を争う場合には、本投資法人の収益が大幅に変動するおそれがあります。
本投資法人は地域によっては更新料をテナントから徴収しています。更新料はテナントと締結された賃貸借契約を根拠として徴収していますが、消費者契約法等の解釈から更新料を徴収することの根拠が否定される可能性があります。また、過去に遡及して更新料の払い戻しを請求される可能性があり、その場合、当初予定していた利益を確保できない可能性があります。
なお、賃貸人からの賃貸借契約の更新拒絶及び解約は、正当事由の存在が認められる場合を除いて困難であることが多いのが実情です。
(ワ)賃料の減額に関するリスク
不動産のテナントが支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、賃貸人とテナントの合意により減額される可能性があります。更に、テナントが賃貸人に対し、借地借家法、借地法又は借家法(大正10年法律第50号。その後の改正を含みます。)に基づく賃料減額請求権を行使する可能性もあります。また、本投資法人が保有する不動産関連資産と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記に対し、建物賃貸借については、一定の要件を満たすことにより、比較的長期の契約期間中、借地借家法上の賃料増減額請求権に服さない建物賃貸借(以下「定期建物賃貸借」といいます。)が存在します。もっとも、定期建物賃貸借においてテナントが契約期間の定めにかかわらず早期解約した場合、契約上の当然の権利として又は違約金条項に基づく権利として、残期間の賃料全てについて必ずテナントに対して請求できるかどうかは、未だ事例の蓄積が乏しいため定かでありません。なお、契約上、違約金の額が一定期間の賃料に対応する額に限られている場合もあり得ます。また、賃貸人にとって、定期建物賃貸借には、通常の賃貸借に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては一般的な賃料水準が上昇する場合でもそれに応じた賃料収入の増加を期待することができない等、不利益な面もあります。
なお、本投資法人又は信託受託者が賃貸している不動産を賃借人が転貸している場合には、転貸条件が必ずしも賃貸条件と同一ではなく、何らかの理由で本投資法人又は信託受託者が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、低額の賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。
また、本投資法人が保有する住居及び商業施設等のテナントから賃料減額の要望が出た場合、賃貸借契約に基づいた対応をしていますが、当該テナントから賃料の減額訴訟が提起される可能性があり、訴訟の結果によっては大幅な賃料の減額や訴訟に係る費用が発生する可能性があります。
(カ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、建物の経年劣化による修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、不動産関連資産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
(ヨ)入居者の建物使用態様に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、入居者による建物への変更工事、内装の変更その他入居者による建物の使用方法等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、入居者による転貸や賃借権の譲渡が本投資法人又は信託受託者の関与なしに行われる可能性があります。その他、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団又はその関係者の入居や、入居者による風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)に定める風俗営業の開始等入居者の建物使用態様により不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(タ)不動産の毀損等に関するリスク
不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となり、多額の費用を要する場合があります。また、修繕工事の内容やその実施の方法によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの館内移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少し又は少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、将来的に不動産から得られる賃料収入等が減少するおそれがあります。
(レ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、津波、暴風雨、洪水、爆発、落雷、竜巻、風、ひょう、雪災、電気的事故、機械的事故、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により、不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅、減少する可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間又は修復することが出来ない場合には永久的に不動産の不稼働を余儀なくされることにより、また、不動産自体が滅失、劣化又は毀損しなかった場合においても電気、ガス、水道等の使用の制限やその他の外部的要因により不動産の不稼働を余儀なくされることにより賃料収入が減少することがあります。加えて、災害等の影響で周辺環境が悪化することにより、不動産等の価値が下落する可能性があり、また、賃料水準の下落又は稼働率の低下により賃料収入が減少する可能性もあります。このような不動産等の価値の下落又は賃料収入の減少の結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、これらの災害等によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
また、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う津波によって、本投資法人の運用状況に重大な影響を及ぼす被害は生じませんでしたが、今後、同規模又はそれ以上の地震その他の天災、事故等が発生する可能性を否定できません。その場合には、本投資法人が保有又は取得する物件が滅失、劣化又は毀損するおそれがあるほか、周辺地域及び日本の経済全体が悪影響を受ける可能性があり、それらの結果、本投資法人の収益や本投資法人の保有に係る資産価値等に悪影響が生じるおそれがあります。
本投資法人は、災害等による損害を補填する火災保険や包括賠償責任保険等を付保する方針ですが、不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害等(例えば、故意によるもの、戦争やテロ行為等に基づくものは必ずしも全て保険でカバーされるものとは限りません。)が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず若しくは遅れる可能性も否定できません。
地震リスクに対応するため、建物を取得する際には全て予想最大損失率(PML)の評価を実施しています。予想最大損失率(PML)は損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。また、地震保険については、前記「2 投資方針(1)投資方針 ④ 運用方針(ホ)付保の方針」に記載の方針に従って付保しますが、かかる方針に従い地震保険が付保されている物件は本書の日付現在ありません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
(ソ)不動産に係る所有者責任に関するリスク
本投資法人又は信託受託者の保有する不動産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体又は財産その他の利益が侵害された場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、占有者に過失がない場合は無過失責任を負うこととされています。
不動産に関しては、取得にあたり施設賠償責任保険等の適切な保険を付保しています。しかし、不動産関連資産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われない若しくは遅れる可能性は否定できません。
(ツ)転貸に関するリスク
A.転借人に関するリスク
本投資法人又は信託受託者は、その保有する不動産につき、転貸を目的として賃借人に一括して賃貸することがあります。このように、賃借人に投資対象不動産の全部又は一部を転貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、投資対象不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があります。また、賃借人の賃料が、転借人から賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
B.敷金等の返還義務に関するリスク
転貸を目的とした賃貸借契約が合意解約された場合には賃貸人である本投資法人又は信託受託者が転貸人の地位を承継し、転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が本投資法人又は信託受託者に承継される可能性があります。
(ネ)マスターリースに関するリスク
投資対象不動産において、プロパティ・マネジメント会社が投資対象不動産の所有者である本投資法人又は信託受託者との間でパス・スルー型のマスターリース契約を締結してマスターリース会社となり、その上でエンドテナントに対して転貸する場合があります。
当該契約を締結した場合、マスターリース会社の財務状態の悪化により、エンドテナントからマスターリース会社に対して賃料が支払われたにもかかわらず、マスターリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
また、本投資法人では、一部の住居物件においては、エンドテナントが賃料を本投資法人又は信託受託者の口座に直接振り込む方法により賃料を収受しています。しかし、賃料の支払の遅延等の理由でマスターリース会社がエンドテナントから賃料を回収した後、マスターリース会社が財務状態の悪化などに陥った場合は、マスターリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。また、マスターリース会社が破綻し、かつ、エンドテナントからの賃料の支払が延滞している場合には、当該延滞部分の賃料相当額がマスターリース会社に対する倒産債権となると解釈される可能性があり、かかる解釈が採用された場合、延滞部分の賃料相当額の回収が非常に困難となり、本投資法人の財務状況等に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(ナ)有害物質に係るリスク
土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵され、又は、地下水が汚染されている場合、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。本投資法人は、取得を検討する物件について、専門家に依頼して環境調査を実施し、土地や地下水の有害物質による汚染の有無については、当該物件の使用歴の調査や土壌や地下水のサンプリング調査等により調査しますが、かかる調査が完全であるとの保証はなく、専門家による調査において汚染の可能性がない、又は低いと報告された場合であっても、後日汚染の存在が判明する可能性は否定できません。
また、建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されているか、又は使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、不動産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(ラ)投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針(1)投資方針」に記載された投資方針に基づき資産の運用を行いますが、その投資対象とする不動産が一定の地域に偏在した場合、当該地域における地震その他の災害、市況の低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、テナント獲得に際し賃貸市場において投資対象とする不動産相互間で競合し、結果として賃料収入が減少し、本投資法人の収益に影響を与える可能性があります。
また、一般に、資産総額に占める個別の投資対象とする不動産の割合は、資産総額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、資産総額に占める割合が大きい不動産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
(ム)テナントの支払能力に関するリスク
テナントの財務状況が悪化した場合又はテナントが破産手続、会社更生手続、民事再生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料等(共益費、水道光熱費他、場合により原状回復費用その他の損害金を含みます。)の支払いが滞り、又は支払がなされない可能性があります。このような延滞された賃料等の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超えると、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、一部不動産については、敷金無しで賃貸する場合があります。この場合、原則として保証会社による保証等を付すことを条件としますが、テナントの財務状況が悪化した場合において、保証会社等の保証人の財務状況も悪化している場合には、賃料等を回収することができないこととなります。また、代金回収会社に委託して口座振替によりテナントから賃料等を回収することがありますが、この場合において代金回収会社の財務状況が悪化した場合には、代金回収会社からの賃料等の入金が滞り又は回収ができなくなるおそれがあります。更に、賃貸人が賃貸借契約上の債務の履行を怠った場合には、テナントは賃料等の不払をもってこれに対抗することができるため、テナントが賃貸人側の何らかの落ち度を理由に意図的な賃料等の不払をもって対抗する可能性もあり、その場合には当該不動産から得られる収入にも影響を及ぼすこととなります。本投資法人は、かかるリスクを低減するために、テナント信用力を勘案したテナント選定及び賃料支払状況等の管理体制の整備を行いますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ウ)テナントの集中に関するリスク
投資対象不動産のテナント数が少なくなる場合、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響を受けやすくなります。すなわち、賃貸面積の大きなテナントが退去した場合には、稼働率が低くなる上に、他のテナントを探し稼働率を回復させるのが難しくなることがあり、その期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。また、全賃料収入のうち特定のテナントからの賃料収入が占める割合が高い場合においては、当該テナントの賃料の支払能力が低下し、又は失われた場合には、総賃料収入に与える影響が大きくなります。本投資法人は、かかるリスクを低減するために、投資対象及びテナントの適切な分散を図りますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヰ)テナントの業種の偏りに関するリスク
商業施設の場合、その立地条件や建物の構造により、テナントの業態を大きく変更することは困難であることが多く、投資対象不動産のテナントの業態が、総合スーパーマーケット、百貨店等の特定の業態に偏った場合には、当該業態が、消費性向の変化に伴い小売業としての競争力を失う等により、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼす可能性があるなど、当該テナントの業種に係る事業上のリスクの影響を受けるおそれがあります。
(ノ)売主等の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、不動産又は信託受益権を売却した後に売主が倒産手続に入った場合や、建物の建築請負業者が倒産手続に入った場合、当該不動産又は信託受益権の売買若しくは完成建物の移転又はそれらについての対抗要件具備が当該売主又は建築請負業者の管財人等により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産若しくは信託受益権を売却した場合、又は、財産状態が健全でない建築請負業者が建物の建築を請け負っていた場合、当該不動産又は信託受益権の売買又は当該建物の請負が当該売主又は建築請負業者の債権者により詐害行為を理由に取消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格づけることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人ないし財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が、破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては深刻な問題となり得ます。
(オ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針(1)投資方針 ④ 運用方針」に記載のとおり、建設中の不動産を取得する場合があります。建設中の物件については、既に完成した物件を取得する場合に比べて、地中障害物や土壌汚染等の発見、工事請負業者の倒産若しくは債務不履行、天変地異、行政上の許認可手続きその他予期せぬ事情により、開発の遅延、変更若しくは中止を余儀なくされ、あるいは、開発コストが当初の計画を大きく上回るといったリスクが加わります。本投資法人は、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断され、かつ完工・引渡しのリスクが低く、当該不動産に係るデュー・ディリジェンスの結果に問題がないと判断される場合、建物竣工後の取得を条件として、当該建設中の不動産等に係る不動産関連資産の取得に関する契約を締結することとしますが、上記のリスクが顕在化した結果、開発物件からの収益等が予想を大きく下回り、あるいは、予定された時期に収益が得られず又は予想外の費用、損害若しくは損失を被るおそれがあります。
(ク)フォワード・コミットメント等に関するリスク
本投資法人は、不動産等を取得するにあたり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。フォワード・コミットメント等を行った場合に、買主が不動産等の売買契約を解約し、又は履行しないときは、買主は、違約金や債務不履行による損害相当額の支払義務を負担します。フォワード・コミットメント等の場合、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、契約締結後速やかに決済される取引に比べ、市場環境等の変化等により当事者の当初の想定と異なった環境での決済を強いられる可能性が高いといえます。本投資法人は、フォワード・コミットメント等を行う際には、フォワード・コミットメント等を履行できない場合の損害賠償額の上限を必ず定めること、フォワード・コミットメント等の違約の際に損害賠償の支払いに充てることが可能な資金及び投資主に対する配当原資となる利益に比して過大な損害賠償額の支払いを義務づけられるようなフォワード・コミットメント等を行わないこと、その他資産運用会社が定める社内ルールを遵守することとしていますが、フォワード・コミットメント等による売買契約締結後の金融市場・不動産市場の変化等により不動産等の取得資金を調達できなくなった場合には、売買契約を解約せざるを得なくなり、違約金又は損害賠償金の支払義務を負担することにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
④ 不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受するものですが、他方で信託受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、信託受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に受益者が負担することになっています。すなわち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人が不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンスを実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、信託受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要がありますし、一旦不動産信託受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになります。
(ロ)信託の受益権の流動性に係るリスク
本投資法人が信託の受益権を保有運用資産とする場合、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常であり、上場有価証券等に比し流動性は極めて低いといえます。また、信託受託者は原則として瑕疵担保責任を負っての信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
(ハ)信託受託者に係るリスク
A.信託受託者の破産・会社更生等に係るリスク
信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)(以下「信託法」といいます。)上、信託受託者が破産手続、会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、信託財産は信託受託者の破産財団又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属しないものとされています。また、信託法によれば、信託財産をもって履行すべき債務等に係る債権者以外の債権者による差押えは禁止されています。但し、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、この信託設定登記がなされるものに限り本投資法人は取得する予定です。しかしながら、必ずこのような取扱いがなされるとの保証はありません。
B.信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を財産とする本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めていますが、かかる処分行為の相手方が権限に属しない処分であることを知らず、また、知らなかったことについて重大な過失がない場合には取り消すことができません。また、かかる権利の行使により損害を免れることができるとは限りません。
不動産信託受益権を取得するに際しては、十分なデュー・ディリジェンスを実施し、(ⅰ)信託契約上、当該信託の目的が受益者の利益にあることが明確にされていること、(ⅱ)信託財産の処分や信託財産に属する金銭の運用等についても、信託受託者に厳しい制約を課されていることが満たされているもののみを投資対象とすることで、信託財産が勝手に処分されたり、信託財産が新たに債務を負担して、その結果として本投資法人が不利益を被る可能性は回避されると考えられますが、常にそのようなことを回避できるとの保証はありません。
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、「投資法人に係る課税の特例規定」により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
A.会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の増加額に相当する金銭の分配について配当等の額として損金算入が可能になるという手当てがなされていますが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができない可能性があります。
B.資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
導管性要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
C.借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件のもとにおける借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
D.投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減措置の適用が受けられないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、特定不動産の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とすること(規約第27条第5項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は、税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却した場合において、運用不動産に物的又は法的な瑕疵があった場合には、法令に従い、瑕疵担保責任を負担する可能性があります。特に、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上のみなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、本投資法人の瑕疵担保責任に関するリスクを排除できない場合があります。
また、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や瑕疵担保責任を負う可能性があります。
これらの法令上又は契約上の表明保証責任や瑕疵担保責任を負担する場合には、買主から売買契約を解除され、又は、買主が被った損害を補償しなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
更に、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務を負う場合があります。
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号平成15年10月31日))が、平成17年4月1日以降開始する事業年度より強制適用されることになったことに伴い、本投資法人においても第1期計算期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の業績は悪影響を受ける可能性があります。
(ハ)一部の投資主から本投資法人の解散請求がなされ、本投資法人が解散するリスク
発行済投資口の総口数の100分の3以上の口数の投資口を6ヶ月以前から引き続き所有している投資主は、投資主総会の招集を請求する権利を有します。その投資主から本投資法人の解散の議案が提出された場合、投資主総会においてその議案に対する投資主の意思を確認する必要があります。そこで、その議案が決議された場合は、本投資法人の清算手続きを進める必要があります。本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産による分配からしか投資金額を回収することができません。本投資法人の保有資産の価値が下落し又は出資金に欠損が生じている場合には、借入れ及び投資法人債を弁済した後の残余財産が全く残らないか、又は出資総額を下回ることとなり、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収することができない可能性があります。
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が制限されていることがあり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(ホ)取得予定資産を取得することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合、その他相手方の事情等により売買契約において定められた前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得のための努力を行う予定ですが、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、短期間に物件を取得することができず、かつかかる資金を有利に運用することができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。また、取得予定資産の取得はできても、その全部又は一部について予定していた時期に取得することができない可能性があります。取得時期が遅延した場合、予定していた時期に取得できた場合に比して賃料収入等が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)その他オペレーショナル・アセットを含む資産への投資に関するリスク
本投資法人は、学生寮等の資産にも投資することがありますが、これらの資産については、必要な運営能力及び信用力を有すると判断するオペレーターを選定し、当該オペレーターを賃借人として建物賃貸借契約を締結し、一括賃貸を行うことを原則としています。しかしながら、当該オペレーターによる運営が本投資法人の期待する水準に満たない場合、賃借人である当該オペレーターの財務状況が悪化し、若しくは破産その他の倒産手続の開始に至った場合、又は賃貸借契約が期間満了、中途解約若しくは解除等により終了し、当該オペレーターによる運営が行われないこととなった場合等、必要な運営能力及び信用力を有するオペレーターが確保できない場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
上記の様々なリスクに鑑み、本投資法人及び資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関し、以下のガバナンスを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、かつ、かかる管理体制が最大限の効果を発揮するよう努めています。本投資法人及び資産運用会社は、可能な限り、本投資証券及び本投資法人債券への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の損害の極小化等の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員2名で構成される役員会により運営されています。執行役員は、3ヶ月に1回以上の頻度で役員会を開催し、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の業務遂行状況の報告を行います。この報告手続きを通じ、資産運用会社又はその利害関係人等から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視する体制を維持しています。同時に、かかる報告により、本投資法人は資産運用会社の利害関係人等との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、資産運用会社から各種報告を受ける権利及び資産運用会社の帳簿及び記録その他の資料の調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、資産運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
また、本投資法人は、内部者取引管理規程を定めて、役員によるインサイダー取引の防止に努めています。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、本投資法人の資産運用会社として、本投資法人の安定的な収益の確保と着実な運用資産の成長を図るため、以下の基本方針に従い、リスク管理体制を構築し安定した運営を行うこととしています。
(イ)上場投資法人の資産運用会社として資産運用業務に内在する種々のリスクを正確に把握し、これを適切に管理することが財務の健全性の維持、企業の信頼性の確保ひいては投資家保護につながることを認識し、統合的なリスク管理体制を構築しています。
(ロ)組織的なリスク管理を適切に行うため、代表取締役社長をリスク管理の統括責任者、各部門の部門長をリスク管理部門責任者とし、また、リスク管理推進部門としてリスク管理・コンプライアンス室を設置し、別に定めるリスク管理規程に基づきリスク管理を行っています。
(ハ)役員及び従業員の各人がリスク管理に積極的に取り組むとともに、リスク管理体制の向上に努めています。
(ニ)リスクの管理に当たっては、事業遂行上発生するリスクの評価・分析を的確に行い、その評価・分析に従いリスク管理を行いリスクの発現を未然に防止するよう努めています。
(ホ)リスク管理手法の有効性評価を定期的に実施し、リスク管理手法の改善を継続的に行いリスク管理体制の向上に努めています。
(ヘ)万一リスクが顕在化した場合には、損失を最小限にとどめるとともに、再発防止に努めています。
以下には、本投資法人が発行する投資証券(以下「本投資証券」といいます。)又は本投資法人が発行する投資法人債券(以下「本投資法人債券」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得している又は取得を予定している個別の信託受益権の信託財産である不動産(以下、信託受益権に係る信託財産である不動産を「信託不動産」といいます。)特有のリスクについては、後記「5 運用状況(2)投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの(ヘ)個別信託不動産の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分であるとの保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は下落すると考えられ、その結果、元本の欠損が生じる可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下その他財務状況の悪化により、分配率の低下が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本「3 投資リスク」を含む本書の記載事項を慎重に検討した上で本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、当該事項は本書の日付現在において本投資法人及び資産運用会社の判断又は仮定に基づくものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
本「3 投資リスク」に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 一般的なリスク
(イ)投資証券の商品性に関するリスク
(ロ)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
(ハ)本投資証券の市場性に関するリスク
(ニ)本投資証券又は本投資法人債券の価格変動に関するリスク
(ホ)投資口の希薄化に関するリスク
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
(ト)ローン・トゥー・バリュー比率(LTV)に関するリスク
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
(リ)本投資法人の登録が取消されるリスク
(ヌ)本投資法人債券の償還・利払に関するリスク
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(イ)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(ロ)借入れ及び投資法人債に関するリスク
(ハ)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(ニ)プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
(ホ)賃料保証会社に関するリスク
(ヘ)役員の職務遂行に係るリスク
(ト)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(チ)スポンサー及びその他のパイプラインサポート会社に依存するリスク
(リ)敷金・保証金の利用に関するリスク
(ヌ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ル)投資対象を住居用の不動産としていることによるリスク
③ 不動産関連資産-不動産に関するリスク
(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(ロ)物件取得の競争に関するリスク
(ハ)テナントの獲得競争に関するリスク
(ニ)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
(ホ)土地の境界紛争等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る法規制等に関するリスク
(ト)区分所有物件に関するリスク
(チ)共有物件に関するリスク
(リ)借地物件に関するリスク
(ヌ)底地物件に関するリスク
(ル)鑑定評価額及び調査価額に関するリスク
(ヲ)賃貸借契約に関するリスク
(ワ)賃料の減額に関するリスク
(カ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
(ヨ)入居者の建物使用態様に関するリスク
(タ)不動産の毀損等に関するリスク
(レ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ソ)不動産に係る所有者責任に関するリスク
(ツ)転貸に関するリスク
(ネ)マスターリースに関するリスク
(ナ)有害物質に係るリスク
(ラ)投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
(ム)テナントの支払能力に関するリスク
(ウ)テナントの集中に関するリスク
(ヰ)テナントの業種の偏りに関するリスク
(ノ)売主等の倒産等の影響を受けるリスク
(オ)開発物件に関するリスク
(ク)フォワード・コミットメント等に関するリスク
④ 不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
(ロ)信託の受益権の流動性に係るリスク
(ハ)信託受託者に係るリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減措置の適用が受けられないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(イ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
(ハ)一部の投資主から本投資法人の解散請求がなされ、本投資法人が解散するリスク
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ホ)取得予定資産を取得することができないリスク
(ヘ)その他オペレーショナル・アセットを含む資産への投資に関するリスク
① 一般的なリスク
(イ)投資証券の商品性に関するリスク
投資証券は、株式会社における株式に類似する性質(いわゆるエクイティ証券としての性質)を持ち、投資金額の回収や利回りは本投資法人の業務又は財産の状況に影響され、また、譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることができるとの保証はありません。また、本投資法人に係る清算又は倒産手続においては、エクイティ証券として最劣後の地位となり、元本すなわち投資額の全部又は一部の支払いが行われない可能性があります。
また、本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
(ロ)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
本投資証券は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資証券を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等を除き、第三者に対する売却に限られます。本投資証券の売却が困難となった場合、特に本投資証券が金融商品取引所に上場されなくなった場合には、本投資証券を希望する時期及び条件で換価することが困難となります。
(ハ)本投資証券の市場性に関するリスク
本投資証券は、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。
本投資証券の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資証券の上場市場における売却が困難又は不可能となった場合には、投資主は、本投資証券を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損害を被る可能性があります。
(ニ)本投資証券又は本投資法人債券の価格変動に関するリスク
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、金融商品取引所における需給関係や、不動産関連資産への投資の動向、他の資産への投資との比較、エクイティ市場の状況、金利情勢、経済情勢等、市場を取り巻く様々な要因の影響を受け、大幅に変動する可能性があります。
本投資証券又は本投資法人債券が金融商品取引所において一時的に大量に売却される場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が大幅に下落する可能性があります。
(ホ)投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還を含みます。)等のための資金を随時必要とします。かかる資金の調達手段の一つとして投資口を随時追加発行することがあり、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合が希薄化する可能性があります。
また、期中において追加発行された投資口に対して、その期の投資口保有期間が異なるにもかかわらず、既存の投資口と同額の金銭の分配を行うこととなるため、既存の投資口への分配額に影響を与える可能性があります。更に、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額や市場における需給バランスが影響を受けることがあります。
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、如何なる場合においても保証されるものではありません。
(ト)ローン・トゥー・バリュー比率(LTV)に関するリスク
本投資法人のローン・トゥー・バリュー比率(LTV)の上限は、資産運用会社の運用ガイドラインにより60%を目処としますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。ローン・トゥー・バリュー比率(LTV)の値が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法のもとで投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合、登録を取消される可能性があります。その場合、本投資証券の上場が廃止されるとともに、本投資法人は解散し、清算されることになります。
(ヌ)本投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(イ)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として本投資法人が取得する不動産関連資産又はその裏付けとなる不動産からの賃料収入に依存しています。かかる賃料収入は、物件の稼働率の低下、賃料水準の低下等により、大きく減少する可能性があります。また、テナントの支払能力又は信用状態によっては、当該テナントから賃料が回収できない場合もあります。本投資法人は、資産運用会社を通じて、支払能力及び信用力の高いテナントを確保すべく努力しますが、その目的が達成されるとは限りません。
また、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、多額の資本的支出、未稼働の物件に係る不動産関連資産の取得等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、投資主への分配金額に悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、不動産関連資産に関しては、減価償却費、公租公課、保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等の費用負担があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります。
これらの要因により、投資主への分配金額の減少その他の悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)借入れ及び投資法人債に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に金融商品取引法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定する機関投資家で、かつ、地方税法施行令附則第7条第7項第3号に規定する適格機関投資家のうち総務省令で定めるものに該当するものに限ります。)からの借入れ及び投資法人債の発行による資金調達を行います。
借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件並びにその後の金利負担は、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、本投資法人の希望する時期及び条件で借入れ及び投資法人債の発行を行うことができるという保証はなく、また、変動金利により調達した場合には、その後の金利変動により利払額が増加する可能性があります。加えて、金利、担保提供、財務制限条項等の点でより不利な条件での借入れを余儀なくされる可能性があります。
更に、本投資法人が借入れ又は投資法人債の発行に際し、当該借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値の維持、本投資法人の信用状態に関する評価の一定水準の維持、投資主への金銭の分配や担保権の設定等の制約等の義務を課す財務制限条項が設けられる場合があり、かかる制約が本投資法人の運営に支障をもたらす可能性がある他、これらの制約により投資主への金銭の分配が制限され、利益配当等の損金算入要件(詳細は後記「⑤ 税制に関するリスク(イ)導管性要件に関するリスク」をご参照下さい。)を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。
本投資法人の借入金及び投資法人債については、前記のような一般的な財務制限条項が設けられていますが、本書の日付現在において、当該財務制限条項に抵触する事実又は抵触する恐れがある事実は生じていません。
また、本投資法人の借入れ又は投資法人債に関し、本書の日付現在において担保が設定されている不動産関連資産はありませんが、今後、不動産関連資産に担保を設定した場合、担保の解除手続その他の事情により、本投資法人が希望する時期、価格及び条件で当該不動産関連資産を売却できない可能性があります。また、不動産関連資産の評価額が引き下げられた場合等、一定の条件のもとに不動産関連資産に対して追加担保を設定することを要求される可能性もあります。
更に、借入れ又は投資法人債の返済資金を調達するために、本投資法人の希望しない時期、価格及び条件で不動産関連資産を売却せざるを得ない可能性や希望する時期、価格及び条件で不動産関連資産を売却できずに債務不履行となる可能性もあります。また、本投資法人が借入れ又は投資法人債について債務不履行となった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分や差押え等の強制執行が行われることがあり、本投資法人に対して破産等の倒産手続の申立が行われる可能性もあります。
(ハ)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者及び資産運用会社に委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現は、これらの関係者の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、これらの関係者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を維持できるとの保証はありません。資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金融商品取引法及び投信法上の善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っていますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託を要するものとされているため、委託契約が解約又は解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。また、資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社が、破産等により金融商品取引法における登録又は業務遂行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社への委託が必要となります。しかしながら、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性がある他、場合によっては本投資証券が上場廃止になる可能性もあります。
また、資産運用会社等の変更は、本投資法人の借入金債務及び投資法人債の期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(ニ)プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
本投資法人は、個別の不動産毎にプロパティ・マネジメント会社を選定しています。建物の保守管理並びにテナントの募集及び管理を含めたプロパティ・マネジメント業務全般の成否は、プロパティ・マネジメント会社の能力、経験、ノウハウに大きく依存することになりますが、プロパティ・マネジメント会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。また、プロパティ・マネジメント会社が、破産及びその他の法的倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人の業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)賃料保証会社に関するリスク
本投資法人は、保有物件のうち住居物件については、原則として信託受託者とプロパティ・マネジメント会社との間で、マスターリース契約(賃貸借契約)を締結しており、そのうち一部のエンドテナントについて賃料保証会社の滞納賃料保証システムを導入しています。当該保証システムは、プロパティ・マネジメント会社、エンドテナント及びエンドテナントの賃料債務等に係る保証人たる賃料保証会社の3者間の保証契約に基づくものであり、当該保証契約上、エンドテナントにおいて賃料の滞納が発生した場合、プロパティ・マネジメント会社が賃料保証会社に代位弁済を請求することが可能ですが、賃料保証会社が破産及びその他の法的倒産手続等に入った場合、プロパティ・マネジメント会社が同社から当該代位弁済の履行を受けることができなくなる可能性や、エンドテナントが賃料相当額を賃料保証会社に支払っている場合には、その回収が困難となる可能性があります。エンドテナントによる賃料の支払いが円滑になされている限りにおいては重大な影響を受けないものの、エンドテナントの賃料の滞納や不払いが発生した際には、本投資法人の収益に影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)役員の職務遂行に係るリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の職務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善管注意義務及び忠実義務を負っていますが、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行った場合、結果として投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
なお、本投資法人においては執行役員が資産運用会社の代表取締役社長を兼任しています。
(ト)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行するに際して善管注意義務及び忠実義務を負う他、資産運用会社の利害関係人等の利益を図るため本投資法人の利益を害することとなる取引を行うことが明示的に禁止されています。
更に金融商品取引法において業務遂行に関して資産運用会社の行為準則が詳細に規定され、加えて運用ガイドラインに基づく自主的なルールも定められています。
資産運用会社の株主は、資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。そのため、資産運用会社が、自己の株主の利益を図り、自己の株主に有利な条件で本投資法人の資産運用を行い、その結果本投資法人の利益を害することとなるおそれがあります。
積水ハウスは、自ら又は関連会社を通じて不動産に関連する様々な業務(積水ハウスの完全子会社である積水ハウス投資顧問株式会社による積水ハウス・リート投資法人の資産の運用を含みます。)を行っており、自己又は自らの関連会社に有利な条件で本投資法人に資産を取得又は譲渡させる可能性や、本投資法人又は資産運用会社と積水ハウス又は同社の関連会社とが資産の取得若しくは処分、賃貸借又は管理運営等に関し競合する可能性は否定できず、その結果、本投資法人に不利益が生じ、結果として本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益が害される可能性があります。
金融商品取引法及び投信法は、損害が生じた場合に資産運用会社の責任を追及できるよう、資産運用会社や投資法人の帳簿等が公正な手続で作成され、証拠として蓄積されるような体制を充実させるよう定めています。更に、資産運用会社は、一定の資産取得・譲渡の場合に特定資産の価格等の調査を一定の専門家に行わせることで、価格の公正さを確保し、投資判断の決定プロセス等に客観性・公明性を持たせる体制をとっています。
しかしながら、資産運用会社が上記の行為準則に反し、あるいは、法定の措置を適正にとらない場合には、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(チ)スポンサー及びその他のパイプラインサポート会社に依存するリスク
本投資法人及び資産運用会社は、スポンサー及び積和不動産各社(7社)との間で物件情報等の提供等を目的とするパイプラインサポート契約を締結しています。しかしながら、これらの契約に基づく物件取得機会が実際に本投資法人の外部成長につながる保証はありません。パイプラインサポート契約の概要については、前記「2 投資方針(1)投資方針 ② ポートフォリオ構築方針(ハ)積水ハウス及び積和不動産各社(7社)とのパイプラインサポート契約について」をご参照下さい。
また、本投資法人による安定した収益の確保と成長にあたってはスポンサーとの強固な関係が不可欠であり、本投資法人は上記のパイプラインサポート契約の締結等によりそのような関係を構築していく意向ですが、スポンサーからのサポート体制が十分でない等の理由により、本投資法人の成長戦略が実現できる保証はなく、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
(リ)敷金・保証金の利用に関するリスク
本投資法人は、不動産の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を投資資金として利用する場合があります。しかし、そのような場合において、賃貸借契約の中途解約により想定外の時期に予想外の金額の敷金又は保証金の返還義務が生じた場合には、本投資法人は、敷金又は保証金の返還資金をそれらの投資利回りよりも高い調達コストによる借入れ等により調達せざるを得なくなることもあります。また、敷金又は保証金の投資運用が失敗に終わり損失が生じる可能性もあります。
(ヌ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び資産運用会社の取締役会が規約に定める資産運用の対象及び方針等を具体化するために定めたより詳細な投資方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を得ることなく変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、かかる詳細な投資方針等が変更される可能性があります。
(ル)投資対象を住居用の不動産としていることによるリスク
本投資法人は、規約において、投資対象を主たる用途が「住居」である不動産関連資産のみと定めています。本投資法人は本書の日付現在も商業施設を保有していますが、ポートフォリオに占める割合は低く、保有物件の用途の分散によるリスク分散効果は期待できない状況にあります。したがって、本投資法人の収益が人口動態による賃貸住宅の需要や賃料の動向に大きく影響を受けることとなり、かかる需要や賃料の動向によっては本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
③ 不動産関連資産-不動産に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、本投資法人規約第27条第2項に定めるとおり不動産関連資産です。不動産信託受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産信託受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「④ 不動産関連資産-信託受益権特有のリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特徴の他に、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性もあります。これらの特性のため、不動産は、一般的に流動性が相対的に低い資産と考えられています。
経済環境や不動産需給関係の影響や個別性の高い不動産の調査に要する費用及び時間によっては、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件で取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性もあります。さらに、本投資法人が不動産の取得又は譲渡を決定し、相手方と合意した場合であっても、相手方との間で締結した売買契約上の前提条件が満たされない等の場合には、本投資法人が希望する時期に取引を実行できず、又は取引を中止せざるを得ないこととなる可能性があります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、その規約において、不動産関連資産を主たる投資対象として、中長期的な観点から、安定した収益の確保と着実な運用資産の成長を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としています。しかしながら、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化し、物件取得の競争が激化する場合があります。このような状況下にあっては、希望した条件での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産ポートフォリオを実現できない可能性があります。
(ハ)テナントの獲得競争に関するリスク
通常、不動産関連資産は、他の不動産とのテナント獲得競争にさらされているため、競合する不動産の新築、リニューアル、募集賃料の引下げ等の競争条件の変化により、賃料引下げや稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益が悪化する場合があります。
また、高級賃貸用住宅は、相対的に需要(入居者)が限定されていて市場が小さく、このような住居が他から新規供給された場合、市場への影響が少なくないことがあります。加えて、既存テナントが退去した場合、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下する場合もあり、時として代替テナント確保のために賃料水準の引下げが必要となることもあります。また、そのような賃貸用住居は、海外から派遣される赴任者等を主な入居者として想定していることが多いため、経済情勢、国際情勢の変化等により需要が大きく減少し、そのために不動産の稼働率が大きく低下したり、代替テナント確保のために賃料水準引下げを余儀なくされる可能性があり、そのような場合、賃料収入が大きな影響を受ける可能性もあります。
商業施設については、賃貸住宅に比べて相対的に需要が限定されており、また、その商圏ないし地域も限定されていることから、テナント獲得競争が相対的に激しい傾向にあります。特に周辺商圏において他の商業施設が新設された場合などには、他の商業施設との競合によって、本投資法人の保有する物件のテナント獲得に係る競争力が相対的に低下し、その結果賃料減額を余儀なくされ、あるいは既存テナントが退去するおそれがあり、また、周辺商業施設に入居するテナントとの競合により本投資法人の保有する商業施設のテナントの業績が悪化し、賃料支払の遅延又は不払いが生ずるおそれがあります。また、既存テナントが退去した場合には、代替テナント入居までの空室期間は、これら不動産の賃貸需要が相対的に低いことや、各テナント毎の物件の内装等の仕様が一般的に異なることから、長期化する傾向にあり、その間不動産の稼働率が大きく低下する可能性があり、各テナントからの賃料が賃貸住宅に比べて相対的に高いこととあいまって、本投資法人の賃料収入を大幅に低下させる可能性があります。また、企業をテナントとすることから、経済情勢の変化等により需要が大きく減少し、稼働率の低下や賃料水準の低下を招くおそれがあります。
また、新規テナントの募集に際し、内装工事等に多額の費用負担が生じるケースがあります。
(ニ)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
一般に、不動産には地盤・地質、土壌、構造、材質及び施工等に関して欠陥、瑕疵、不具合等(隠れたるものを含みますが、これに限定されません。)が存在している可能性があります。また、適用される法令上の規制の不遵守や、周辺の土地利用状況等が瑕疵や欠陥となる可能性もあります。そこで、資産運用会社が不動産関連資産の選定・取得の判断を行うにあたっては、対象となる不動産について利害関係のない第三者の専門業者に一定の調査を依頼することとしています。しかしながら、建物エンジニアリングレポート等の調査には、提供される資料の内容やその調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産に関する欠陥・瑕疵について完全に報告がなされる保証はありません。更に、このような調査の報告書において指摘されなかった事項であり、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経た不動産であっても、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はなく、また、不動産に想定しえない隠れた欠陥・瑕疵等が存在し、又は不適正な設計施工等が存在し、それが当該不動産関連資産の取得後に判明する可能性もあります。なお、建物の構造計算書偽装等の事件が発覚した際に保有資産に係る建物全てについて、建物の予想最大損失率(PML)の評価を実施するという一般のプロセスに加え、建物の構造上、建築基準法で定める耐震性能を疑わせる特段の事情がないことにつき、第三者専門機関より確認を得ていますが、かかる第三者専門機関の確認についても、上記のとおり一定の限界があり、完全であるとの保証はありません。
また、本投資法人は、原則として不動産関連資産の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任を負担させることとしています。しかしながら、かかる表明及び保証の内容が真実かつ正確であるとは限らず、また、表明及び保証の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、瑕疵担保責任の期間及び責任の範囲が限定されることもあります(なお、強制競売で購入した物件については、瑕疵担保責任の追及はできません。)。更に、不動産関連資産の売主が表明及び保証を全く行わず、若しくは制限的にしか行わない場合、又は瑕疵担保責任を全く負担せず、若しくは制限的にしか負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産関連資産を取得する可能性があります。本投資法人が特別目的会社から不動産関連資産を取得する場合、当該特別目的会社は、通常、責任財産を限定してのみ瑕疵担保責任を負うこととされます。
不動産に欠陥、瑕疵等が存在する場合、その程度によっては、当該不動産関連資産の資産価値が減少する可能性があり、又は、これを防ぐために、買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の補修その他に係る予定外の費用負担を余儀なくされる可能性があります。また、これらに関し売主に対して表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や経済的に破綻した会社である等のため、その資力が十分でない等の事情により、責任追及に実効性がないおそれがあります。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性や複雑性のゆえに種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は不動産関連資産を取得するにあたって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、当初より売主が所有権を取得していなかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていることや第三者の権利を侵害していることが、本投資法人による取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合、前述した欠陥や瑕疵等と同様、法律上又は契約上の瑕疵担保責任や表明保証責任を追及できることもありますが、そのような責任追及には実効性がないおそれもあります。
(ホ)土地の境界紛争等に関するリスク
不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できず又は境界標の確認ができないまま、不動産を取得する事例が一般に少なからず見られ、本投資法人において今後取得する物件についてもその可能性は小さくありません。したがって、状況次第では、後日かかる物件を処分するときに事実上の障害が発生し、また、その保有期間中においても、境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積が減少し、又は損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、不動産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
(ヘ)不動産に係る法規制等に関するリスク
不動産のうち建物は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準等を定める建築基準法の規制に服します。その建築確認取得時点においては、建築基準法上及び関連法令上適格であった建物でも、その後の建築基準法等の改正に基づく規制の変更により、変更後の規制のもとでは不適格になることがあります。
その他、不動産は、消防法や都市計画法等の国の法令の他、各地方公共団体の条例や行政規則等による種々の規制に服します。例えば、駐車場の付置義務、住宅の付置義務、福祉施設の付置義務等の他、これらの義務に関連して、建物の新築・増築に際して地方公共団体等と協議する義務等を課されることがあります。また、敷地の一部が道路として指定されることにより敷地として利用可能な面積が減少し、その結果、建蔽率及び容積率に係る規制との関係で建築可能な建物に影響を及ぼすこともあります。
法規制の変化によりかつて法令に適合していながら後日適合しなくなった建物を「既存不適格」と呼ぶことがあります。既存不適格の建物は、これを改築したり、建替えたりしようとする際に、従前の建物と同等の建蔽率・容積率・高度・設備等を維持できなくなり、追加の設備が必要とされ、又は建替え自体が事実上困難となる可能性があります。このような場合には、不動産の資産価値や譲渡価格が下がる可能性があります。
以上の他、土地収用法(昭和26年法律第219号。その後の改正を含みます。)や土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)のような私有地の収用・制限を定めた法律の改正等により、不動産の利用及び用途等に規制が加えられ、収用、再開発若しくは区画整理等がなされ、又は不動産の保有、管理、処分その他の権利関係等に制限が加えられることがあり、その結果、関連する費用等が増加し又は不動産価値が減殺される可能性があります。更に、環境保護を目的とする現行法令等又は将来制定・施行される新法令等により不動産関連資産について、大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務、所有者としての無過失責任等が課され、又は義務が強化される可能性があります。また、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、運用・改正によっても追加的な費用負担が発生する可能性があります。このように、法令又は条例の制定・改廃等が本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ト)区分所有物件に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(建物の躯体、エントランス部分等)から構成されます。不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有法及び区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません。なお、建替え決議等においては更に多数決の要件が加重されています。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。本投資法人又は信託受託者が議決権の4分の3を有していない場合はもとより、これを保有している場合においても頭数において劣るため、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができ、本投資法人の意向にかかわりなく他の区分所有者が変更される可能性があります。この場合、新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課される場合があります。この場合、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に他の区分所有者と優先的に交渉を行う等の制約を受けます。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の不動産関連資産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が不動産関連資産の劣化を避けるため、その立替払を余儀なくされるおそれがあります。なお、区分所有建物では、敷地利用権を有しない専有部分の所有者が出現する可能性があります。そのような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
(チ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との共有物件である場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
上記の分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者が倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。但し、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権や先買権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却しようとする場合に他の共有者が優先的に又は排他的に購入できる機会又は権利を与えるようにする義務を負い、またその他物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、一般的に敷金返還債務は不可分債務になると解されており、また、賃料債権も不可分債権になると解される可能性があり、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(リ)借地物件に関するリスク
借地権(土地の賃借権及び地上権)と借地権設定地上の建物については、土地建物ともに所有する場合に比べ、特有のリスクがあります。
まず、借地権は、土地の賃借権の場合も地上権の場合も、永久に存続するものではなく、期限の到来により消滅し、借地権設定者側に正当な事由がある場合には更新を拒絶され、又は借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により終了することもあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権が確保されている場合を除き、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。仮に、建物買取請求が認められても本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
更に、敷地が売却され、又は抵当権の実行により処分されることがありますが、この場合に、本投資法人が借地権について民法、建物保護ニ関スル法律(明治42年法律第40号。その後の改正を含みます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)等の法令に従い対抗要件を具備しておらず、又は競売等が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合、本投資法人は、譲受人又は買受人に自己の借地権を主張できないこととなります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が得られる保証はなく、また、得られたとしても承諾料の支払いを要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期及び条件で建物を処分することができないおそれがあります。
また、本投資法人が借地権を取得するに際して支払う保証金については、借地を明渡す際に、敷地所有者の資力が保証金返還に足りないときは、保証金の全部又は一部の返還を受けられないおそれがあります。
また、借地契約では、多くの場合、賃料等の借地内容について、定期的に見直しを行うこととされています。賃料等の改定により賃料等が増額された場合、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅しますが、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
(ル)鑑定評価額及び調査価額に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び調査価額は、個々の不動産鑑定士による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士の判断や意見を示したものにとどまります。同一物件について鑑定評価又は価格調査を行った場合でも、個々の不動産鑑定士によって、その適用する評価方法又は調査の方法若しくは時期、収集した資料等の範囲等によって不動産鑑定評価額等が異なる可能性があります。また、かかる評価の結果が現在及び将来において当該不動産鑑定評価額等による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても不動産鑑定評価額等をもって売却されるとは限りません。
(ヲ)賃貸借契約に関するリスク
不動産に係る賃貸借契約では、契約期間が満了しても、その後別段の意思表示がない限り自動的に更新されるとするものが多く見られますが、契約期間が満了する際、常に契約が更新されるとの保証はありません。商業施設では事業用定期借家契約を締結する場合がありますが、施設の運営方針上、複数のテナントとの事業用定期借家契約の契約満了日を同時期に設定する場合があります。ほぼ同時期にテナントが契約満了を迎え、その多くが更新を拒んだ場合、一度に多数のテナントが退店するため、当初予定していた収益の確保が難しくなり、利益が減少する可能性があります。
また、賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合、すぐに新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。賃貸借契約には、契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金、かかる違約金に関して敷金・保証金の没収について規定することがありますが、かかる規定は状況によってはその全部又は一部が無効とされ、その結果、本投資法人に予定外の費用負担が発生する可能性があります。商業施設などにおける大口テナントとの契約において、現在かかる規定が置かれているものがあり、当該大口テナントが契約期間中に解約した場合には、これに伴う多額の違約金等の受領又は没収がなされることがありますが、その後当該大口テナントがかかる規定の効力を争う場合には、本投資法人の収益が大幅に変動するおそれがあります。
本投資法人は地域によっては更新料をテナントから徴収しています。更新料はテナントと締結された賃貸借契約を根拠として徴収していますが、消費者契約法等の解釈から更新料を徴収することの根拠が否定される可能性があります。また、過去に遡及して更新料の払い戻しを請求される可能性があり、その場合、当初予定していた利益を確保できない可能性があります。
なお、賃貸人からの賃貸借契約の更新拒絶及び解約は、正当事由の存在が認められる場合を除いて困難であることが多いのが実情です。
(ワ)賃料の減額に関するリスク
不動産のテナントが支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、賃貸人とテナントの合意により減額される可能性があります。更に、テナントが賃貸人に対し、借地借家法、借地法又は借家法(大正10年法律第50号。その後の改正を含みます。)に基づく賃料減額請求権を行使する可能性もあります。また、本投資法人が保有する不動産関連資産と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記に対し、建物賃貸借については、一定の要件を満たすことにより、比較的長期の契約期間中、借地借家法上の賃料増減額請求権に服さない建物賃貸借(以下「定期建物賃貸借」といいます。)が存在します。もっとも、定期建物賃貸借においてテナントが契約期間の定めにかかわらず早期解約した場合、契約上の当然の権利として又は違約金条項に基づく権利として、残期間の賃料全てについて必ずテナントに対して請求できるかどうかは、未だ事例の蓄積が乏しいため定かでありません。なお、契約上、違約金の額が一定期間の賃料に対応する額に限られている場合もあり得ます。また、賃貸人にとって、定期建物賃貸借には、通常の賃貸借に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては一般的な賃料水準が上昇する場合でもそれに応じた賃料収入の増加を期待することができない等、不利益な面もあります。
なお、本投資法人又は信託受託者が賃貸している不動産を賃借人が転貸している場合には、転貸条件が必ずしも賃貸条件と同一ではなく、何らかの理由で本投資法人又は信託受託者が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、低額の賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。
また、本投資法人が保有する住居及び商業施設等のテナントから賃料減額の要望が出た場合、賃貸借契約に基づいた対応をしていますが、当該テナントから賃料の減額訴訟が提起される可能性があり、訴訟の結果によっては大幅な賃料の減額や訴訟に係る費用が発生する可能性があります。
(カ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、建物の経年劣化による修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、不動産関連資産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
(ヨ)入居者の建物使用態様に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、入居者による建物への変更工事、内装の変更その他入居者による建物の使用方法等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、入居者による転貸や賃借権の譲渡が本投資法人又は信託受託者の関与なしに行われる可能性があります。その他、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団又はその関係者の入居や、入居者による風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)に定める風俗営業の開始等入居者の建物使用態様により不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(タ)不動産の毀損等に関するリスク
不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となり、多額の費用を要する場合があります。また、修繕工事の内容やその実施の方法によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの館内移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少し又は少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、将来的に不動産から得られる賃料収入等が減少するおそれがあります。
(レ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、津波、暴風雨、洪水、爆発、落雷、竜巻、風、ひょう、雪災、電気的事故、機械的事故、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により、不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅、減少する可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間又は修復することが出来ない場合には永久的に不動産の不稼働を余儀なくされることにより、また、不動産自体が滅失、劣化又は毀損しなかった場合においても電気、ガス、水道等の使用の制限やその他の外部的要因により不動産の不稼働を余儀なくされることにより賃料収入が減少することがあります。加えて、災害等の影響で周辺環境が悪化することにより、不動産等の価値が下落する可能性があり、また、賃料水準の下落又は稼働率の低下により賃料収入が減少する可能性もあります。このような不動産等の価値の下落又は賃料収入の減少の結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、これらの災害等によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
また、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う津波によって、本投資法人の運用状況に重大な影響を及ぼす被害は生じませんでしたが、今後、同規模又はそれ以上の地震その他の天災、事故等が発生する可能性を否定できません。その場合には、本投資法人が保有又は取得する物件が滅失、劣化又は毀損するおそれがあるほか、周辺地域及び日本の経済全体が悪影響を受ける可能性があり、それらの結果、本投資法人の収益や本投資法人の保有に係る資産価値等に悪影響が生じるおそれがあります。
本投資法人は、災害等による損害を補填する火災保険や包括賠償責任保険等を付保する方針ですが、不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害等(例えば、故意によるもの、戦争やテロ行為等に基づくものは必ずしも全て保険でカバーされるものとは限りません。)が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず若しくは遅れる可能性も否定できません。
地震リスクに対応するため、建物を取得する際には全て予想最大損失率(PML)の評価を実施しています。予想最大損失率(PML)は損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。また、地震保険については、前記「2 投資方針(1)投資方針 ④ 運用方針(ホ)付保の方針」に記載の方針に従って付保しますが、かかる方針に従い地震保険が付保されている物件は本書の日付現在ありません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
(ソ)不動産に係る所有者責任に関するリスク
本投資法人又は信託受託者の保有する不動産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体又は財産その他の利益が侵害された場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、占有者に過失がない場合は無過失責任を負うこととされています。
不動産に関しては、取得にあたり施設賠償責任保険等の適切な保険を付保しています。しかし、不動産関連資産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われない若しくは遅れる可能性は否定できません。
(ツ)転貸に関するリスク
A.転借人に関するリスク
本投資法人又は信託受託者は、その保有する不動産につき、転貸を目的として賃借人に一括して賃貸することがあります。このように、賃借人に投資対象不動産の全部又は一部を転貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、投資対象不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があります。また、賃借人の賃料が、転借人から賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
B.敷金等の返還義務に関するリスク
転貸を目的とした賃貸借契約が合意解約された場合には賃貸人である本投資法人又は信託受託者が転貸人の地位を承継し、転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が本投資法人又は信託受託者に承継される可能性があります。
(ネ)マスターリースに関するリスク
投資対象不動産において、プロパティ・マネジメント会社が投資対象不動産の所有者である本投資法人又は信託受託者との間でパス・スルー型のマスターリース契約を締結してマスターリース会社となり、その上でエンドテナントに対して転貸する場合があります。
当該契約を締結した場合、マスターリース会社の財務状態の悪化により、エンドテナントからマスターリース会社に対して賃料が支払われたにもかかわらず、マスターリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
また、本投資法人では、一部の住居物件においては、エンドテナントが賃料を本投資法人又は信託受託者の口座に直接振り込む方法により賃料を収受しています。しかし、賃料の支払の遅延等の理由でマスターリース会社がエンドテナントから賃料を回収した後、マスターリース会社が財務状態の悪化などに陥った場合は、マスターリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。また、マスターリース会社が破綻し、かつ、エンドテナントからの賃料の支払が延滞している場合には、当該延滞部分の賃料相当額がマスターリース会社に対する倒産債権となると解釈される可能性があり、かかる解釈が採用された場合、延滞部分の賃料相当額の回収が非常に困難となり、本投資法人の財務状況等に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(ナ)有害物質に係るリスク
土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵され、又は、地下水が汚染されている場合、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。本投資法人は、取得を検討する物件について、専門家に依頼して環境調査を実施し、土地や地下水の有害物質による汚染の有無については、当該物件の使用歴の調査や土壌や地下水のサンプリング調査等により調査しますが、かかる調査が完全であるとの保証はなく、専門家による調査において汚染の可能性がない、又は低いと報告された場合であっても、後日汚染の存在が判明する可能性は否定できません。
また、建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されているか、又は使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、不動産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(ラ)投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針(1)投資方針」に記載された投資方針に基づき資産の運用を行いますが、その投資対象とする不動産が一定の地域に偏在した場合、当該地域における地震その他の災害、市況の低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、テナント獲得に際し賃貸市場において投資対象とする不動産相互間で競合し、結果として賃料収入が減少し、本投資法人の収益に影響を与える可能性があります。
また、一般に、資産総額に占める個別の投資対象とする不動産の割合は、資産総額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、資産総額に占める割合が大きい不動産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
(ム)テナントの支払能力に関するリスク
テナントの財務状況が悪化した場合又はテナントが破産手続、会社更生手続、民事再生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料等(共益費、水道光熱費他、場合により原状回復費用その他の損害金を含みます。)の支払いが滞り、又は支払がなされない可能性があります。このような延滞された賃料等の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超えると、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、一部不動産については、敷金無しで賃貸する場合があります。この場合、原則として保証会社による保証等を付すことを条件としますが、テナントの財務状況が悪化した場合において、保証会社等の保証人の財務状況も悪化している場合には、賃料等を回収することができないこととなります。また、代金回収会社に委託して口座振替によりテナントから賃料等を回収することがありますが、この場合において代金回収会社の財務状況が悪化した場合には、代金回収会社からの賃料等の入金が滞り又は回収ができなくなるおそれがあります。更に、賃貸人が賃貸借契約上の債務の履行を怠った場合には、テナントは賃料等の不払をもってこれに対抗することができるため、テナントが賃貸人側の何らかの落ち度を理由に意図的な賃料等の不払をもって対抗する可能性もあり、その場合には当該不動産から得られる収入にも影響を及ぼすこととなります。本投資法人は、かかるリスクを低減するために、テナント信用力を勘案したテナント選定及び賃料支払状況等の管理体制の整備を行いますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ウ)テナントの集中に関するリスク
投資対象不動産のテナント数が少なくなる場合、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響を受けやすくなります。すなわち、賃貸面積の大きなテナントが退去した場合には、稼働率が低くなる上に、他のテナントを探し稼働率を回復させるのが難しくなることがあり、その期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。また、全賃料収入のうち特定のテナントからの賃料収入が占める割合が高い場合においては、当該テナントの賃料の支払能力が低下し、又は失われた場合には、総賃料収入に与える影響が大きくなります。本投資法人は、かかるリスクを低減するために、投資対象及びテナントの適切な分散を図りますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヰ)テナントの業種の偏りに関するリスク
商業施設の場合、その立地条件や建物の構造により、テナントの業態を大きく変更することは困難であることが多く、投資対象不動産のテナントの業態が、総合スーパーマーケット、百貨店等の特定の業態に偏った場合には、当該業態が、消費性向の変化に伴い小売業としての競争力を失う等により、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼす可能性があるなど、当該テナントの業種に係る事業上のリスクの影響を受けるおそれがあります。
(ノ)売主等の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、不動産又は信託受益権を売却した後に売主が倒産手続に入った場合や、建物の建築請負業者が倒産手続に入った場合、当該不動産又は信託受益権の売買若しくは完成建物の移転又はそれらについての対抗要件具備が当該売主又は建築請負業者の管財人等により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産若しくは信託受益権を売却した場合、又は、財産状態が健全でない建築請負業者が建物の建築を請け負っていた場合、当該不動産又は信託受益権の売買又は当該建物の請負が当該売主又は建築請負業者の債権者により詐害行為を理由に取消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格づけることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人ないし財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が、破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては深刻な問題となり得ます。
(オ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針(1)投資方針 ④ 運用方針」に記載のとおり、建設中の不動産を取得する場合があります。建設中の物件については、既に完成した物件を取得する場合に比べて、地中障害物や土壌汚染等の発見、工事請負業者の倒産若しくは債務不履行、天変地異、行政上の許認可手続きその他予期せぬ事情により、開発の遅延、変更若しくは中止を余儀なくされ、あるいは、開発コストが当初の計画を大きく上回るといったリスクが加わります。本投資法人は、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断され、かつ完工・引渡しのリスクが低く、当該不動産に係るデュー・ディリジェンスの結果に問題がないと判断される場合、建物竣工後の取得を条件として、当該建設中の不動産等に係る不動産関連資産の取得に関する契約を締結することとしますが、上記のリスクが顕在化した結果、開発物件からの収益等が予想を大きく下回り、あるいは、予定された時期に収益が得られず又は予想外の費用、損害若しくは損失を被るおそれがあります。
(ク)フォワード・コミットメント等に関するリスク
本投資法人は、不動産等を取得するにあたり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。フォワード・コミットメント等を行った場合に、買主が不動産等の売買契約を解約し、又は履行しないときは、買主は、違約金や債務不履行による損害相当額の支払義務を負担します。フォワード・コミットメント等の場合、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、契約締結後速やかに決済される取引に比べ、市場環境等の変化等により当事者の当初の想定と異なった環境での決済を強いられる可能性が高いといえます。本投資法人は、フォワード・コミットメント等を行う際には、フォワード・コミットメント等を履行できない場合の損害賠償額の上限を必ず定めること、フォワード・コミットメント等の違約の際に損害賠償の支払いに充てることが可能な資金及び投資主に対する配当原資となる利益に比して過大な損害賠償額の支払いを義務づけられるようなフォワード・コミットメント等を行わないこと、その他資産運用会社が定める社内ルールを遵守することとしていますが、フォワード・コミットメント等による売買契約締結後の金融市場・不動産市場の変化等により不動産等の取得資金を調達できなくなった場合には、売買契約を解約せざるを得なくなり、違約金又は損害賠償金の支払義務を負担することにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
④ 不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受するものですが、他方で信託受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、信託受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に受益者が負担することになっています。すなわち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人が不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンスを実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、信託受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要がありますし、一旦不動産信託受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになります。
(ロ)信託の受益権の流動性に係るリスク
本投資法人が信託の受益権を保有運用資産とする場合、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常であり、上場有価証券等に比し流動性は極めて低いといえます。また、信託受託者は原則として瑕疵担保責任を負っての信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
(ハ)信託受託者に係るリスク
A.信託受託者の破産・会社更生等に係るリスク
信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)(以下「信託法」といいます。)上、信託受託者が破産手続、会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、信託財産は信託受託者の破産財団又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属しないものとされています。また、信託法によれば、信託財産をもって履行すべき債務等に係る債権者以外の債権者による差押えは禁止されています。但し、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、この信託設定登記がなされるものに限り本投資法人は取得する予定です。しかしながら、必ずこのような取扱いがなされるとの保証はありません。
B.信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を財産とする本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めていますが、かかる処分行為の相手方が権限に属しない処分であることを知らず、また、知らなかったことについて重大な過失がない場合には取り消すことができません。また、かかる権利の行使により損害を免れることができるとは限りません。
不動産信託受益権を取得するに際しては、十分なデュー・ディリジェンスを実施し、(ⅰ)信託契約上、当該信託の目的が受益者の利益にあることが明確にされていること、(ⅱ)信託財産の処分や信託財産に属する金銭の運用等についても、信託受託者に厳しい制約を課されていることが満たされているもののみを投資対象とすることで、信託財産が勝手に処分されたり、信託財産が新たに債務を負担して、その結果として本投資法人が不利益を被る可能性は回避されると考えられますが、常にそのようなことを回避できるとの保証はありません。
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、「投資法人に係る課税の特例規定」により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
| 投資法人の主な導管性要件 | |
| 支払配当要件 | 配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること (利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること) |
| 国内50%超募集要件 | 投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること |
| 借入先要件 | 機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいう。次の所有先要件において同じ。)以外の者から借入れを行っていないこと |
| 所有先要件 | 事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること |
| 非同族会社要件 | 事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口の総口数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと |
| 会社支配禁止要件 | 他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(一定の海外子会社を除く) |
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
A.会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の増加額に相当する金銭の分配について配当等の額として損金算入が可能になるという手当てがなされていますが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができない可能性があります。
B.資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
導管性要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
C.借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件のもとにおける借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
D.投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減措置の適用が受けられないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、特定不動産の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とすること(規約第27条第5項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は、税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却した場合において、運用不動産に物的又は法的な瑕疵があった場合には、法令に従い、瑕疵担保責任を負担する可能性があります。特に、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上のみなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、本投資法人の瑕疵担保責任に関するリスクを排除できない場合があります。
また、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や瑕疵担保責任を負う可能性があります。
これらの法令上又は契約上の表明保証責任や瑕疵担保責任を負担する場合には、買主から売買契約を解除され、又は、買主が被った損害を補償しなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
更に、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務を負う場合があります。
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号平成15年10月31日))が、平成17年4月1日以降開始する事業年度より強制適用されることになったことに伴い、本投資法人においても第1期計算期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の業績は悪影響を受ける可能性があります。
(ハ)一部の投資主から本投資法人の解散請求がなされ、本投資法人が解散するリスク
発行済投資口の総口数の100分の3以上の口数の投資口を6ヶ月以前から引き続き所有している投資主は、投資主総会の招集を請求する権利を有します。その投資主から本投資法人の解散の議案が提出された場合、投資主総会においてその議案に対する投資主の意思を確認する必要があります。そこで、その議案が決議された場合は、本投資法人の清算手続きを進める必要があります。本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産による分配からしか投資金額を回収することができません。本投資法人の保有資産の価値が下落し又は出資金に欠損が生じている場合には、借入れ及び投資法人債を弁済した後の残余財産が全く残らないか、又は出資総額を下回ることとなり、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収することができない可能性があります。
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が制限されていることがあり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(ホ)取得予定資産を取得することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合、その他相手方の事情等により売買契約において定められた前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得のための努力を行う予定ですが、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、短期間に物件を取得することができず、かつかかる資金を有利に運用することができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。また、取得予定資産の取得はできても、その全部又は一部について予定していた時期に取得することができない可能性があります。取得時期が遅延した場合、予定していた時期に取得できた場合に比して賃料収入等が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)その他オペレーショナル・アセットを含む資産への投資に関するリスク
本投資法人は、学生寮等の資産にも投資することがありますが、これらの資産については、必要な運営能力及び信用力を有すると判断するオペレーターを選定し、当該オペレーターを賃借人として建物賃貸借契約を締結し、一括賃貸を行うことを原則としています。しかしながら、当該オペレーターによる運営が本投資法人の期待する水準に満たない場合、賃借人である当該オペレーターの財務状況が悪化し、若しくは破産その他の倒産手続の開始に至った場合、又は賃貸借契約が期間満了、中途解約若しくは解除等により終了し、当該オペレーターによる運営が行われないこととなった場合等、必要な運営能力及び信用力を有するオペレーターが確保できない場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
上記の様々なリスクに鑑み、本投資法人及び資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関し、以下のガバナンスを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、かつ、かかる管理体制が最大限の効果を発揮するよう努めています。本投資法人及び資産運用会社は、可能な限り、本投資証券及び本投資法人債券への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の損害の極小化等の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員2名で構成される役員会により運営されています。執行役員は、3ヶ月に1回以上の頻度で役員会を開催し、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の業務遂行状況の報告を行います。この報告手続きを通じ、資産運用会社又はその利害関係人等から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視する体制を維持しています。同時に、かかる報告により、本投資法人は資産運用会社の利害関係人等との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、資産運用会社から各種報告を受ける権利及び資産運用会社の帳簿及び記録その他の資料の調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、資産運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
また、本投資法人は、内部者取引管理規程を定めて、役員によるインサイダー取引の防止に努めています。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、本投資法人の資産運用会社として、本投資法人の安定的な収益の確保と着実な運用資産の成長を図るため、以下の基本方針に従い、リスク管理体制を構築し安定した運営を行うこととしています。
(イ)上場投資法人の資産運用会社として資産運用業務に内在する種々のリスクを正確に把握し、これを適切に管理することが財務の健全性の維持、企業の信頼性の確保ひいては投資家保護につながることを認識し、統合的なリスク管理体制を構築しています。
(ロ)組織的なリスク管理を適切に行うため、代表取締役社長をリスク管理の統括責任者、各部門の部門長をリスク管理部門責任者とし、また、リスク管理推進部門としてリスク管理・コンプライアンス室を設置し、別に定めるリスク管理規程に基づきリスク管理を行っています。
(ハ)役員及び従業員の各人がリスク管理に積極的に取り組むとともに、リスク管理体制の向上に努めています。
(ニ)リスクの管理に当たっては、事業遂行上発生するリスクの評価・分析を的確に行い、その評価・分析に従いリスク管理を行いリスクの発現を未然に防止するよう努めています。
(ホ)リスク管理手法の有効性評価を定期的に実施し、リスク管理手法の改善を継続的に行いリスク管理体制の向上に努めています。
(ヘ)万一リスクが顕在化した場合には、損失を最小限にとどめるとともに、再発防止に努めています。