有価証券報告書(内国投資証券)-第41期(2025/06/01-2025/11/30)

【提出】
2026/02/24 16:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
54項目
(1)【投資方針】
① 基本方針
本投資法人は、商業用途又は事務所用途の区画(注)を有する不動産等を主な投資対象とし、全国を投資対象エリアとして、中長期にわたる安定的な収益を確保し、投資主利益の最大化を目指す複合型不動産投資信託です。本投資法人は、本資産運用会社への運用委託を通じて阪急阪神ホールディングスグループの持つ不動産事業における企画能力及び運営能力を活用していきます。
(注)各用途区画については、後記「② ポートフォリオ構築方針 (イ)ポートフォリオ運用基準 b.用途区画と投資比率」をご参照ください。
本投資法人は、一棟の建物の大型化やニーズの多様化とともに、フロアや区画がそれぞれ様々な用途に供され、単に商業用施設や事務所用施設(後記「② ポートフォリオ構築方針 (イ)ポートフォリオ運用基準」において定義します。以下同じです。)というだけでは分類できない施設が増えていることに鑑み、投資対象用途を一つのものに特化することなく複数の用途を投資対象としています。本投資法人は、阪急阪神ホールディングスグループが豊富な不動産運営実績を有する商業用途又は事務所用途の区画を有する不動産を主な投資対象とし、建物全体だけでなく、フロアや区画毎の利用形態にまで着目した、「区画の用途特性に応じた運営」(オペレーショナル・マネジメント)の最適化を目指します。中でも、かかる阪急阪神ホールディングスグループの企画能力及び運営能力が活用でき、利便性の高い立地条件等の要件を充足することによって、地域の地価動向や経済変動にかかわらず収益の維持・向上が期待できる「商業用途区画」に重点的に投資を行います。
また、本投資法人は、資産規模の拡大による収益安定性の向上及びポートフォリオの分散を図るために、いかなる地域においても活用できると考える阪急阪神ホールディングスグループが有する企画能力及び運営能力を活かし、全国を投資対象エリアとしますが、その中でも、相応の経済規模を有し、阪急阪神ホールディングスグループの地域に根ざした情報力及びネットワークを最も有効に活用できる「関西圏」へ重点的に投資していきます。「関西圏」における生産年齢人口、総生産額、大型小売店動向等の経済規模については、後記「(ホ)本投資法人が主に投資対象とする関西圏の市場概況」をご参照ください。
本投資法人は、阪急阪神不動産株式会社の全額出資子会社である本資産運用会社に運用を委託しています。本資産運用会社は、阪急阪神ホールディングスグループ出身者を中心に不動産・流通関連又は投資関連等の多様な業務の経験者で構成されており、以下の阪急阪神ホールディングスグループの企画能力及び運営能力を承継しています。
阪急阪神ホールディングスグループの中核企業である阪急電鉄株式会社及び阪神電気鉄道株式会社は、ともに鉄道事業を出発点とし、不動産事業、エンタテインメント事業等多岐にわたる分野においてサービスを提供してきました。
阪急電鉄株式会社は、1907年の創立以来、鉄道沿線の宅地開発と観光・文化施設(社寺、大学、宝塚歌劇等)の誘致と創設を通じて、沿線定住人口と鉄道利用者の増加を実現してきました。更に、私鉄最大級のターミナルである阪急電鉄大阪梅田駅を中心に、百貨店をはじめとした商業施設、オフィスビル、ホテル及び劇場等からなる街づくりを行い、人の流れを作り出してきました。また、様々な生活密着型事業を自ら行うことで、都市生活者のニーズを先取りした上質の空間やサービス等を提供してきました。事例としては、「川の流れる地下街」阪急三番街や「観覧車のある商業施設」HEPファイブ等の特色ある施設の企画・開発が挙げられます。
阪神電気鉄道株式会社は、快適で、健康的・文化的な生活環境を創造し、提供することを経営理念として、100年余りの永きにわたり、鉄道事業を中心に社会的な貢献を果たすとともに、阪神百貨店、ハービスOSAKA、ハービスENT等の梅田エリアの開発や阪神タイガースをはじめとするレジャー事業等にも経営資源を投入してきました。
2006年10月、阪急電鉄グループの持株会社である阪急ホールディングス株式会社と阪神電気鉄道株式会社は、約100年にわたる互いの歴史や企業風土を尊重し合いながらも戦略的な方向性を一つにし、持続的な成長と発展を実現するため、阪急阪神ホールディングス株式会社を共同の持株会社とする経営統合を行いました。これにより、阪急電鉄株式会社、阪神電気鉄道株式会社、株式会社阪急交通社、株式会社阪急ホテルマネジメント(現商号:株式会社阪急阪神ホテルズ)の4社を中核とする阪急阪神ホールディングスグループが誕生しました(注)。
(注)本書の日付現在は、前記の会社から株式会社阪急阪神ホテルズを除き、阪急阪神不動産株式会社及び株式会社阪急阪神エクスプレスを加えた5社を中核とするグループになっています。
阪急阪神ホールディングスグループは、都市と都市、都市と郊外を、安全で快適な高速度・高密度輸送で結ぶことにより、人々の生活圏を大きく広げると同時に、情報、生活、食文化等に関する様々な生活密着型事業を直営し、沿線住民の生活全般に深くかかわる事業領域を有しています。阪急阪神ホールディングスグループは、都市生活者の様々な生活局面における行動のあり方を世に一歩先んじて提供してきた経験から得られる企画能力(ライフスタイル提案力)、及び小売業をはじめ演劇、出版、旅行等、人の感性、感動にかかわる複数の業態を直接に企画・運営することで、実際の利用者(エンドユーザーたる消費者)の目線を理解してきた経験から得られる企画能力(コンテンツ創造力)を有しています。本投資法人は、本資産運用会社とともに阪急阪神ホールディングスグループの有するライフスタイル提案力やコンテンツ創造力に基づく企画能力及び運営能力を活用し、投資戦略及び成長戦略に具現化していきます。
ライフスタイル提案力には、都市交通事業と連携する不動産開発事業を通じて、また幅広い領域にわたる生活密着型事業の運営者として培った、交通拠点とその周辺における都市生活者の動線(人の流れ)分析力や背景となる商圏の特性の分析力が含まれており、本投資法人は、これらを商業用施設や事務所用施設等の開発や運営に活用しています。
更に、阪急阪神ホールディングスグループが培ってきた消費者ニーズの分析力は、特に不動産の開発・運営において、新規業態の誘致や回遊性の高い施設づくり及びエンタテインメント要素のあるフロア開発として結実しており、また、テナントニーズの分析力は、入居テナントの事業構造や運営スキルの把握の面で活かされ、収益性向上につながると、本投資法人は考えています。
阪急阪神ホールディングスグループの主要交通拠点である梅田エリアにおける阪急阪神ホールディングスグループの主要開発・保有物件及び本投資法人の保有物件の状況並びに梅田エリアの1日当たり平均乗降者数比較は、以下のとおりです。
梅田エリアにおける阪急阪神ホールディングスグループの
主要開発・保有物件及び本投資法人の保有物件の状況

0101010_008.jpg(注1)2025年9月30日時点
(注2)上記地図は、阪急阪神ホールディングスグループの2025年度(2026年3月期)第2四半期決算説明会の参考資料を基に本資産運用会社が作成しています。
(注3)凡例の「所有物件(他社との共同所有含む。)」は「阪急阪神ホールディングスグループが単独で所有する物件」及び「阪急阪神ホールディングスグループが他社と共同で保有する物件」を、「阪急阪神リート所有物件」は「本投資法人が保有する物件」を、「賃借物件」は「阪急阪神ホールディングスグループが賃借する物件」を指します。なお、「HEPファイブ」及び「グランフロント大阪」は本投資法人も保有しています。
(注4)上記地図内の①及び②は、梅田地区周辺での開発計画を記載したもので、①は「(仮称)東阪急ビル建替計画」、②は「曽根崎2丁目計画」、③は「茶屋町B-2・B-3地区第一種市街地再開発事業-東急不動産株式会社」を指します。このうち①及び②はスポンサーグループが関与していますが、③はスポンサーグループではない第三者の開発計画です。
上図は、梅田エリアにおける阪急阪神ホールディングスグループの主要開発・保有物件及び本投資法人の保有物件を示したものであり、本書の日付現在、既保有物件以外の物件について、本投資法人が取得する予定はありません。
梅田エリアの1日当たり平均乗降者数比較
梅田エリアの1日当たり平均乗降者数は、2022年度で約200万人であり、関西圏主要駅エリアでは第1位となっています。
<全国主要駅エリア比較>2022年度 1日当たり平均乗降者数<関西圏主要駅エリア比較>2022年度 1日当たり平均乗降者数(関西圏)
0101010_009.png0101010_010.png
出典:株式会社シーズ シーズリサーチ「全国主要都市駅別乗降者数総覧'25」
(注)各エリアの1日当たり平均乗降者数は、「全国主要都市駅別乗降者数総覧'25」に基づき、各エリアに含まれる以下の各駅における1日当たり平均乗降者数を合計することにより算出しています。
梅田エリア 大阪梅田駅(阪急、阪神)、大阪駅(JR)、北新地駅(JR)、梅田駅(大阪メトロ)、西梅田駅(大阪メトロ)、東梅田駅(大阪メトロ)
新宿エリア 新宿駅(JR、京王、小田急、東京メトロ、都営地下鉄)、西武新宿駅(西武)
渋谷エリア 渋谷駅(JR、東急、京王、東京メトロ)
池袋エリア 池袋駅(JR、西武、東武、東京メトロ)
名古屋エリア 名古屋駅(JR、名古屋市営地下鉄、名古屋臨海高速)、名鉄名古屋駅(名鉄)、近鉄名古屋駅(近鉄)
三宮エリア 三宮(三ノ宮、神戸三宮)駅(JR、阪急、阪神、神戸高速鉄道、神戸新交通、神戸市営地下鉄)
難波エリア 大阪難波駅(阪神、近鉄)、JR難波駅(JR)、難波駅(南海)、なんば駅(大阪メトロ)
天王寺エリア 天王寺駅(JR、大阪メトロ)、大阪阿部野橋駅(近鉄)
京都エリア 京都駅(JR、京都市営地下鉄、近鉄)

本投資法人は、本資産運用会社とともに阪急阪神ホールディングスグループの有するライフスタイル提案力やコンテンツ創造力に基づく企画能力及び運営能力を活用して収益性を確保することができる不動産等を取得するため、阪急阪神ホールディングスグループ内における幅広いネットワークに基づく情報提供等の支援を活用していきます(後記「(ロ)阪急阪神ホールディングスグループからの不動産情報提供及び優先交渉権の付与」をご参照ください。)。また、本投資法人は、阪急阪神ホールディングス株式会社より、「阪急」等の商標の使用許諾を受けており、阪急阪神ホールディングスグループの支援体制を積極的に活用していきます。
更に、本投資法人は、投資主にとって有用かつ重要な情報は積極的に開示し、透明性を確保し、コンプライアンスを徹底するとともに、阪急阪神ホールディングスグループ各社との取引を牽制し、利益相反取引の適正化に努めます。
(イ)成長戦略
a.アクイジション(資産取得)
本投資法人は、資産規模の拡大や物件数の増加による収益の拡大と安定、リスク分散及び投資口の流動性増大を図るため、継続的に運用資産を取得します。
ⅰ.物件情報獲得
本資産運用会社は、独自のネットワーク及び阪急阪神ホールディングスグループの情報収集能力を活用し、併せて阪急電鉄株式会社、阪神電気鉄道株式会社、阪急阪神不動産株式会社及び阪急阪神不動産投資顧問株式会社(以下、これらの者を総称して「本資産運用会社以外の協定書当事者」といいます。)との間の情報共有等に係る協定書に基づき、物件情報の提供を受けることにより(外部物件情報(注)の共有を含みます。)、不動産等の売却に関する情報を広く収集するとともに、入手した情報を多角的かつ的確に分析し、投資判断を行います。また入札等による過度の競争を避けるという観点から、物件所有者やテナントとの直接的な協議に基づく取引(相対取引)ができるように努めます。
(注)外部物件情報とは、情報共有等に係る協定書の当事者が、協定書当事者以外の第三者(協定書の当事者が匿名組合契約等を締結している相手方の営業者を含みます。)から入手した、本投資法人の投資基準に適合する物件の売却情報をいいます。
ⅱ.阪急阪神ホールディングスグループに対する優先交渉権
本資産運用会社は、情報共有等に係る協定書に基づき、本資産運用会社以外の協定書当事者が所有又は開発する適格不動産(注)の売却情報について、他の協定書当事者及び第三者に優先して情報提供を受けるものとし、本資産運用会社が当該適格不動産の取得検討を申し出たときは、当該物件取得のための優先交渉権を得られることとすることにより、情報取得経路を強化するとともに、本投資法人が物件取得において阪急阪神ホールディングスグループのネットワークを活用できる体制を確保しています(後記「(ロ)阪急阪神ホールディングスグループからの不動産情報提供及び優先交渉権の付与」をご参照ください。)。
(注)適格不動産とは、本投資法人が一般に公表する投資基準を満たす、現に稼働しており若しくは開発計画が策定済で竣工後速やかに稼働することが合理的に見込まれる収益用不動産又は同不動産に係る信託受益権をいいます。以下同じです。
また、首都圏の資産や開発中の資産の取得についても、同グループのネットワークを活用して積極的な取組みを展開しています。
ⅲ.ウェアハウジング
本資産運用会社は、情報共有等に係る協定書に基づき、協定書当事者以外の第三者が売主となる適格不動産について、本投資法人が当該売主から直接物件を取得することが困難である場合、必要に応じて、将来の本投資法人による取得を目的として、当該物件の取得及び一時的な保有を阪急阪神不動産株式会社又は阪急阪神不動産投資顧問株式会社に依頼するものとし、これにより本投資法人による円滑な資産取得の実現に努めるものとします。
ⅳ.独自のネットワーク
更に、本投資法人は本資産運用会社を通じて、一般事業会社、流通事業会社及び不動産ファンド運用会社等との間のネットワークを独自に拡大することにより、少数入札や相対取引による適正な価格にて外部物件を取得しており、また、開発型物件や敷地物件の取得にも取り組む等、取得手法の多様化を図っています。
b.オペレーショナル・マネジメント(区画の用途特性に応じた運営)
本投資法人は、運用資産の運営について、建物全体だけでなく、フロアや区画毎の利用形態にまで着目し、また、テナントのみならずエンドユーザーたる消費者にまで目線を合わせることにより、区画の用途特性に応じた運営の最適化を目指し、賃貸事業利益の維持・向上を図ります。
ⅰ.個別テナントの管理
本投資法人は、PM会社を通じて個別テナントとの連携を密にし、テナントニーズ(商業用途においては消費者動向を含みます。)を反映したきめ細かい管理を行います。これによって、テナント満足度を向上させ、また解約によるテナント流失の回避に努め、賃料単価及び稼働率の維持・増加を図ります。特に、売上歩合賃料等を採用する商業用途区画については、来客数及び滞在時間がテナントの売上を通じて賃貸収入に影響するため、効果的な販売促進活動等の企画を実施し、集客力と滞在時間の向上を図ります。
ⅱ.管理費用の適正化
本投資法人は、運営管理の効率化及び管理費用単価の随時見直しにより、管理費用の適正化に努めます。管理費用の削減に際しては、運用資産の競争力及びテナント満足度の維持・向上を図りつつ、総合的な観点から実施します。
ⅲ.阪急阪神ホールディングスグループのPM会社の活用
本投資法人は、個々の運用資産の運営にあたり、阪急阪神ホールディングスグループの有する運営能力を活用することが有効かつ適切と判断した場合には、阪急阪神ホールディングスグループからPM会社を選定します(後記「② ポートフォリオ構築方針 (ハ)資産運営方針」をご参照ください。)。
(ロ)阪急阪神ホールディングスグループからの不動産情報提供及び優先交渉権の付与
本投資法人は、阪急阪神ホールディングスグループによる本投資法人の物件取得活動に対するバックアップを有効に機能させるため、情報共有等に係る協定書において、以下のとおり本資産運用会社以外の協定書当事者が所有又は開発する適格不動産に関する優先交渉権を確保するとともに、これらの会社が取得した外部物件情報の提供を受けることとしており、同グループのネットワークを活用できる体制にあります。
a.本資産運用会社は、本資産運用会社以外の協定書当事者が所有又は開発する適格不動産の売却情報の提供を受けた場合、本投資法人による当該適格不動産の取得検討を申し出ることにより、当該適格不動産の取得に関して、一定期間、他の協定書当事者及び第三者に優先して交渉を行う権利(優先交渉権)を付与されます。
b.本資産運用会社が優先交渉権を有する場合、当該売却情報を提供した協定書当事者は、当該適格不動産の売買予約契約等の締結に向け、本資産運用会社と誠実に協議します。なお、売買予約契約等が締結されなかった場合又はその他やむを得ない事由の発生により、本投資法人による当該適格不動産の取得が困難となった場合には、本資産運用会社は優先交渉権を失います。ただし、売却情報を提供した協定書当事者が、当該適格不動産を本資産運用会社との協議において提示した条件より購入者側に有利な条件によって売却しようとする場合、本資産運用会社は、当該条件について第三者に優先して提示を受けることができます。
c.本資産運用会社以外の協定書当事者及び本資産運用会社(以下、これらの者を総称して「情報共有者」といいます。)は、第三者から入手した外部物件情報(当該売却情報の発信元から承諾が得られないものを除きます。)に関する情報共有を行います。情報の管理は阪急阪神不動産株式会社が行います。
d.本資産運用会社が外部物件情報に基づき物件の取得に着手することを希望する旨を申し出た場合、当該外部物件情報を入手した情報共有者は、本投資法人による物件の取得に向け本資産運用会社と誠実に協議します。
e.上記d.において、本資産運用会社以外の情報共有者が、当該外部物件情報の内容、本投資法人の投資基準、不動産市況等の諸事情を総合的に考慮した上で、自ら当該物件を取得することが相当であると判断し、当該物件の取得への着手を希望する旨を申し出た場合、本資産運用会社は、当該情報共有者と誠実に協議するものとします。
本資産運用会社以外の協定書当事者から本投資法人が物件を取得する際には、当該物件を本投資法人が売却しようとする場合における優先交渉権の付与等につき予め取り決めておくことに関し、誠実に協議するものとします。
(ハ)サステナビリティ方針
本投資法人は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)への配慮が本投資法人の中長期的な競争力や投資主価値の継続的な成長に不可欠であるとの認識に基づき、サステナビリティ方針やサステナビリティに関する各種ポリシー等を勘案し、投資・運用を行うものとします。
(ニ)透明性の確保
透明性を確保するため、本投資法人は、法令等に定められている開示事項以外に投資主にとって有用かつ重要である情報の適切な開示に努めます。
また、コンプライアンスの徹底と、コンプライアンス委員会への外部専門家の招聘による第三者の監視体制の確立等により、阪急阪神ホールディングスグループ等、利害関係者との取引を牽制し、利益相反取引の適正化に努めます。
(ホ)本投資法人が主に投資対象とする関西圏の市場概況
a.生産年齢人口
2025年1月1日現在の関西圏の生産年齢人口は、全国の約16%を占めており、関東圏の約半分の規模に相当し、中部・東海圏を上回っています。
<2025年 生産年齢人口>

0101010_011.png出典:公益財団法人国土地理協会「住民基本台帳 人口・世帯数表」(令和7年)
(注1)生産年齢とは、一般的には生産活動に従事し得る年齢(通常満15歳以上満65歳未満)をいいます。
(注2)関東圏の数値は、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の生産年齢人口の総和です。
関西圏の数値は、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の生産年齢人口の総和です。
中部・東海圏の数値は、岐阜県、静岡県、愛知県及び三重県の生産年齢人口の総和です。
b.総生産額
2022年度の関西圏の総生産額は、全国の約16%を占めています。諸外国と比較すると、2022年における世界22位のポーランドや世界23位のアルゼンチンを上回る規模を有しています。
<2022年度 国内総生産額>

0101010_012.png出典:内閣府経済社会総合研究所「県民経済計算 県内総生産(生産側、名目)令和4年度(2022)」
(注)関東圏の数値は、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県の県内総生産の総和です。
関西圏の数値は、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の県内総生産の総和です。
中部・東海圏の数値は、岐阜県、静岡県、愛知県及び三重県の県内総生産の総和です。
<諸外国の国内総生産額との比較>

0101010_013.png出典:関西圏:内閣府経済社会総合研究所「県民経済計算 県内総生産(生産側、名目)令和4年度(2022)」
総務省統計局「世界の統計2025 第10章 国際収支・金融・財政 10-3為替相場(2022)」
諸外国:総務省統計局「世界の統計2025 第3章 国民経済計算 3-2国内総生産(米ドル表示)(2022)」
(注1)上記グラフは、諸外国の2022年(暦年)の国内総生産額と関西圏の2022年度の総生産額を並列的に列挙したものです。
(注2)関西圏の数値は、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の2022年度の県内総生産の総和を、2022年の為替レートの年平均値132.65円/1米ドルを使用して米ドルに換算したものです。
c.商業地の公示価格の変動率
国土交通省が発表する商業地の公示価格の年別変動率において、2025年の全国平均は3.9%となり4年連続のプラスとなりました。大阪圏においては6.7%、東京圏は8.2%、名古屋圏は3.8%となっています。
<商業地の公示価格の年別変動率>

0101010_014.png出典:国土交通省「地価公示 圏域別・用途別対前年平均変動率」
(注)都道府県別変動率より商業地データを抽出の上作成しています。
d.主要都市と梅田地区の空室率推移
2025年12月の主要都市におけるオフィスビルの空室率は東京及び大阪において前年同月比で低下しています。東京ビジネス地区では2025年12月時点で2.22%となり、大阪ビジネス地区では2025年12月時点で3.84%、梅田地区においては、3.43%となっています。また、大阪のオフィスビルの賃料相場は前年同月比で上昇傾向が見られます。
<主要都市と梅田地区の空室率の推移>

0101010_015.png出典:三鬼商事株式会社「オフィスデータ」
(注1)各ビジネス地区の対象地区は以下となります。
・大阪ビジネス地区:梅田地区、南森町地区、淀屋橋・本町地区、船場地区、心斎橋・難波地区、新大阪地区
・東京ビジネス地区:千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
・名古屋ビジネス地区:名駅地区、伏見地区、栄地区、丸の内地区
・札幌ビジネス地区:駅前通・大通公園地区、駅前東西地区、南1条以南地区、創成川東・西11丁目近辺地区、北口地区
・福岡ビジネス地区:赤坂・大名地区、天神地区、薬院・渡辺通地区、祇園・呉服町地区、博多駅前地区、博多駅東・駅南地区
(注2)空室率は、上記「オフィスデータ」で設定された各ビジネス地区内において、延床面積(梅田地区及び大阪ビジネス地区では1,000坪以上、名古屋ビジネス地区では500坪以上、札幌ビジネス地区及び福岡ビジネス地区では100坪以上)又は基準階面積(東京ビジネス地区では100坪以上)により規定された竣工済みの主要貸事務所ビル(新築貸事務所ビル及び既存貸事務所ビル)を調査対象としており、必ずしも地区内に所在する全ての物件を網羅し算出されたものではありません。
e.大型小売店販売動向
全国、大阪の百貨店では、2025年前半は前年の高伸反動が見られましたが、後半は訪日外国人観光客や国内富裕層による購入の活発化もあり、対前年同月比で概ねプラスとなりました。全国、大阪のスーパーについては、当期を通じて対前年同月比で上回っています。
<大型小売店販売動向(前年同月比)>

0101010_016.png出典:経済産業省「商業動態統計調査」
② ポートフォリオ構築方針
(イ)ポートフォリオ運用基準
本投資法人は、前記「① 基本方針」に従って、区画の用途特性に応じた運営の最適化を目指します。複合施設についても区画を用途別に把握し、投資比率においても、施設単位ではなく用途区画単位での管理を行います。
a.保有期間
本投資法人は、長期的な保有を前提として資産を取得し、運用します。
b.用途区画と投資比率
本投資法人は、商業用施設、事務所用施設及びそれらが併存する複合施設、並びにその他施設に投資を行います。
「商業用施設」とは、「商業用途区画」からの賃料収入が当該施設からの総賃料収入の50%以上を占め、かつ、「事務所用途区画」のない施設をいいます。以下同じです。
「事務所用施設」とは、「事務所用途区画」からの賃料収入が当該施設からの総賃料収入の50%以上を占め、かつ、「商業用途区画」のない施設をいいます。以下同じです。
「複合施設」とは、「商業用途区画」及び「事務所用途区画」からの賃料収入合計が当該施設からの総賃料収入の50%以上を占めている施設をいいます。以下同じです。
「その他施設」とは、「商業用途区画」及び「事務所用途区画」のいずれにも含まれない「その他用途区画」からの賃料収入が当該施設からの総賃料収入の50%超を占めている施設をいいます。以下同じです。
(注)上記の各施設の定義における賃料収入とは、原則として、用途毎の直近計算期間の賃料収入(共益費を含みます。)を指します。
なお、「その他施設」については、個別にその内容を精査の上、前記「① 基本方針」に適合するものについて投資できるものとし、「その他用途区画」は原則として物流・住居を対象としますが、上記各施設(「その他施設」については物流・住居を主要な区画とするものに限ります。)に付設される場合に限り、それ以外の用途にも投資できるものとします。
(注1)「商業用途区画」とは、事務所、店舗、飲食、アミューズメント、クリニック、学習塾、学校、美容院、貸会議室、ホール、劇場、ホテル及び娯楽施設等のうち、対価を支払って物やサービス等の提供を受けることを目的とした人が訪れる区画及び物やサービス等を提供するための補完的区画をいいます。
(注2)「事務所用途区画」とは、執務することを目的とした区画及び執務のための補完的区画をいいます。
本投資法人は、原則としてポートフォリオ全体の投資額合計における「商業用途区画」への投資額を、各決算期現在において50%以上(取得価格ベース)とします。「その他用途区画」については、原則として各決算期現在において10%(取得価格ベース)を上限とします。
なお、複数の用途区画を有する運用資産における各用途区画の投資額は、一棟の投資額を各用途区画からの賃料収入(注)で按分比例して算定するものとします。
(注)各用途区画からの賃料収入は、原則として、用途毎に直近計算期間の賃料収入(共益費を含みます。)を合計したものとします。
0101010_017.png
c.地域と投資比率
本投資法人は、首都圏並びに全国の政令指定都市及びそれに準ずる主要都市を投資対象エリアとします。
また、本投資法人は、投資対象エリアのうち関西圏に重点を置いて投資を行うものとし、関西圏への投資比率は、原則としてポートフォリオ全体の投資額の50%以上(取得価格ベース)とします。
0101010_018.png
(ロ)投資基準
a.投資における検討事項
個々の投資にあたっては、運用資産の収支項目について、マーケット調査等の客観的調査データに基づく分析と将来にわたるキャッシュ・フローの想定を行い、当該運用資産のポートフォリオ全体に与える影響も考慮し、また以下の投資基準のとおり十分に調査を実施し、総合的に検討を行います。
商業用施設事務所用施設複合施設
立地都市型都市部の都市機能集積地に立地都市部の事務所集積地に立地
上記にあわせて賃貸市場の動向、利便性、視認性等を総合的に勘案し、判断します。
商業用途区画と事務所用途区画の併存する複合施設については、商業用途区画と事務所用途区画の基準を総合的に勘案し、判断します。
都市近郊型都市近郊に立地
上記にあわせて現在及び将来の商圏範囲、人口・世帯数、動線や所要時間等の交通アクセス、競合店の状況等を総合的に勘案し、判断します。
交通アクセス都市型交通拠点から徒歩圏交通拠点から徒歩圏
都市近郊型交通拠点から概ね30分以内
延床面積都市型原則500㎡以上原則1,650㎡(約500坪)以上
都市近郊型原則3,300㎡
(約1,000坪)以上
投資額原則10億円以上(購入金額のみで、購入に付随する費用等を含みません。)原則10億円以上(購入金額のみで、購入に付随する費用等を含みません。)
築年数原則築30年以内
ただし、当該施設の用途に必要な機能を満たしている場合、又は取得後の改良により満たすと判断される場合においては30年超も可とします。
原則築30年以内
ただし、大規模修繕等により建物性能が向上した場合、又は取得後の改良により建物性能の向上が見込まれる等の場合においては30年超も可とします。
核テナントが存在する場合の条件核テナントは、上場企業又はそれに準ずる信用力を有する企業であること、また核テナントの退去時の他用途への転用や売却が検討可能なことを条件とします。なお、核テナントとは、施設全体の賃貸可能面積の30%以上を専有するテナントをいうものとします。
稼働率原則80%以上としますが、マーケット調査等に基づき将来の稼働率上昇が十分に見込める場合は、80%未満でも投資できるものとします。なお、マーケット調査については、必要に応じて利害関係を有しない第三者機関へ委託します。
テナント入居テナントは、一定水準以上の信用力を有すること、又は十分な預託金等を受けていること等を条件とします。反社会的勢力との取引防止に関し、確認や契約上の手当てがなされているものとします。

権利関係等投資対象施設の権利関係については、以下を勘案します。
・ 共有・準共有については、持分処分の制約が少ないこと、他の共有者・準共有者の信用力が高いこと及び共有者間・準共有者間で投資対象施設の運営方法が定められていること。
・ 区分所有については、運営上の制約が少なく、他の区分所有者の信用力に特段問題がないこと。
・ 借地物件については、建物処分に係る制約が少なく、地主の信用力に特段問題がないこと。
・ 底地物件については、借地契約の内容(期間、借地権の態様、処分に対する制約の有無等)、借地人の信用力等に特段問題がないこと。
・ 担保権及び用益権については、テナントとの間の賃貸借契約に規定されている建設協力金、保証金に係るもの等、やむを得ない事情で設定されている場合を除き、原則として設定されていないこと。
設備の状況投資対象施設の設備については、当該施設の用途におけるテナントニーズに応じた標準仕様以上のもので、汎用性があり転用が容易であることを前提とします。管理状況について詳細調査(デュー・デリジェンス)を行い、評価の前提とするほか、リスク要因の検討を行います。
取得価格原則として不動産鑑定士による鑑定評価額を基準に、投資基準を勘案し個別に判断します。ただし、利害関係者との取引においては、利益相反取引ルールに定める基準・手続を遵守するものとします。
耐震性能個別資産のPML(注)は、原則として20%以下とします。ただし、取得後の耐震補強工事等で基準を満たすことができると見込める場合は投資可能とします。
環境分析投資対象施設の有害物質調査については、十分な調査の上、個別に使用状況等を勘案し検討します。
土壌汚染については、地歴調査で、可能性がない若しくは低いと判断されたもの、又は土壌改良等の必要な措置が行われたものを投資対象とします。
用途商業用途区画にホテル用途部分が含まれる場合には、当該ホテル用途部分について、原則としてホテルの経営・運営リスクを回避できる内容の賃貸借契約の締結が可能な施設のみを投資対象とします。なお、本投資法人の保有する運用資産全体に対するホテル用途部分の割合は、原則として20%を上限とします。また、ホテル用途部分のテナントは、オペレーターとしての運営力・業歴・財務内容・ブランド力等、総合的な信用力を勘案し、慎重に選定を行うものとします。

その他施設
立地物流施設については、競合施設の状況や労働者確保の容易性の状況等を、住宅については、現在及び将来の人口・世帯数、教育施設、官公署、病院等生活利便施設の状況、日照、眺望、景観等の状況、地域の知名度及び評判等を、それぞれ総合的に勘案し、判断します。
交通
アクセス
物流施設については高速道路・港湾地区・工業団地等への近接性及び消費地への近接性を含む現在及び将来の交通アクセスを総合的に検討するものとし、労働者によるアクセスの容易性も考慮します。
住宅については原則として最寄り駅から徒歩圏とします。
延床面積物流施設については原則として3,300㎡(約1,000坪)以上、住宅については原則として500㎡以上とします。
投資額物流施設については原則10億円以上、住宅については原則5億円以上(購入金額のみで、購入に付随する費用等を含みません。)
築年数原則築30年以内
ただし、当該施設の用途に必要な機能を満たしている場合、又は取得後の改良により満たすと判断される場合においてはこれを超える築年数の物件も可とします。
稼働率原則80%以上としますが、マーケット調査等に基づき将来の稼働率上昇が十分に見込める場合は、80%未満でも投資できるものとします。なお、マーケット調査については、必要に応じて利害関係を有しない第三者機関へ委託します。

テナント入居テナントは、一定水準以上の信用力を有すること等を条件とし、敷金・預託金の金額についても留意します。
反社会的勢力との取引防止に関し、確認や契約上の手当てがなされているものとします。
権利関係等投資対象施設の権利関係については、以下を勘案します。
・ 共有・準共有については、持分処分の制約が少ないこと、他共有者・準共有者の信用力が高いこと及び共有者間・準共有者間で投資対象施設の運営方法が定められていること。
・ 区分所有については、運営上の制約が少なく、他の区分所有者の信用力に特段問題がないこと。
・ 借地物件については、建物処分に係る制約が少なく、地主の信用力に特段問題がないこと。
・ 底地物件については、借地契約の内容(期間、借地権の態様、処分に対する制約の有無等)、借地人の信用力等に特段問題がないこと。
・ 担保権及び用益権については、テナントとの間の賃貸借契約に規定されている建設協力金、保証金に係るもの等、やむを得ない事情で設定されている場合を除き、原則として設定されていないこと。
設備の状況投資対象施設の設備については、当該施設の用途におけるテナントニーズに応じた標準仕様以上のもので、汎用性があり転用が容易であることを前提とします。また管理状況について詳細調査(デュー・デリジェンス)を行い、評価の前提とするほか、リスク要因の検討を行います。
取得価格原則として不動産鑑定士による鑑定評価額を基準に、投資基準を勘案し個別に判断します。ただし、利害関係者との取引においては、利益相反取引ルールに定める基準・手続を遵守するものとします。
耐震性能個別資産のPML(注)は、原則として20%以下とします。ただし、取得後の耐震補強工事等で基準を満たすことができると見込める場合は投資可能とします。
環境分析投資対象施設の有害物質調査については、十分な調査の上、個別に使用状況等を勘案し検討します。
土壌汚染については、住宅については、地歴調査で、可能性がない若しくは低いと判断されたもの、又は土壌改良等の必要な措置が行われたものを投資対象とし、物流施設については、これらに加え、適切な被覆措置等が行われているものも投資対象とします。
用途物流施設において、荷役、貯蔵用途以外の商品加工のための工場用途部分他の用途部分が含まれる場合には、当該用途部分について、原則として施設全体の経営・運営リスクを回避できる内容の賃貸借契約の締結が可能な施設のみを投資対象とします。住宅において、寮・社宅施設(学生寮、独身寮、社員寮等)は投資対象とします。

(注)PML(Probable Maximum Loss)は、通常「予想最大損失率」と訳されています。統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、再現期間475年相当(年超過確率0.21%)で生じる地震による損害の予想損失額を再調達価格(既存建築物を調査時に新築するとした場合の費用)に対する比率(%)で示したものをいいます。ただし、予想損失額は、地震動による建物(構造部材・非構造部材・建築設備)のみの直接損失に関するものであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
b.開発不動産への投資
本投資法人は、原則として取得時点で賃貸の用に供されている不動産等に投資するものとし、未稼働の不動産等は投資対象としません。ただし、未稼働不動産等又は建設予定若しくは建設中の不動産等であっても、竣工後の入居テナントの確保が十分に見込まれ、稼働後の収益の安定性が見込める場合には、投資を行うことができることとします。
c.不動産対応証券への投資
本投資法人は、不動産対応証券について、以下のいずれかを条件に取得を検討します。
・ 当該証券の収益の安定が十分に見込めること。
・ 当該証券の償還時(又はスキーム終了時)において当該証券の投資対象である不動産(施設)の取得が検討可能であること。
(ハ)資産運営方針
a.基本運営方針
中長期的な安定収益の確保と運用資産全体の収益性の維持・向上を図るため、以下の方法に基づき、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕による資産価値の維持・向上、管理コストの適正化及び削減を目的とした運用管理を行います。
ⅰ.不動産マーケット動向の把握
不動産や商業等のマーケットレポート、テナント仲介会社より収集した情報に基づき、賃料相場、稼働率、競合物件の動向等を分析し、運用資産の属するマーケットの把握を行います。
ⅱ.テナントとの連携
PM会社を通じた既存テナントとの綿密な日常的連携、消費者動向及びテナントニーズを反映したきめ細かい営業・管理によって、テナント満足度を向上させ、適切な賃料増額交渉や増床提案を行うとともに、解約防止等についての対応を迅速に行うことで、賃料収入の増加や稼働率の維持・向上を図ります。更に、商業系テナントについては、販売促進活動等の企画実施を通じてテナント満足度の向上も図ります。
ⅲ.テナント誘致
新規テナントに関する誘致活動については、常時テナント仲介会社と連携し、テナント情報の収集に努めるとともに誘致計画を立案し、実施します。すなわち、運用資産が中長期的に安定した収益を確保するために、PM会社及びテナント仲介会社と緊密に連携し、運用資産毎にその立地・特性に合わせたテナント誘致計画を立案して、新規テナントの探索を行います。なお、新規テナントの具体的な選定に際しては、反社会的勢力との取引防止に留意するとともに、調査会社等による信用調査等を活用しながら、誘致対象運用資産の運用計画、運営方針との整合性、長期的・安定的契約継続の可否等を判断し、決定します。個別の新規テナントとの賃貸借契約条件については、当該テナントの業種、実績、信用力、施設活性化への寄与度等を総合的に判断し、決定します。また、阪急阪神ホールディングスグループの有する物件のテナント等との幅広いネットワークを活用し、より迅速かつ多数の情報収集及び有利なテナント誘致を図ります。
ⅳ.テナントとの賃貸借契約の形態
賃料収入の安定化と、施設の運営に弾力性を持たせるために主に定期借家契約の採用を検討します。
また、賃料収入の向上に売上歩合賃料の導入が適していると判断される場合には、その採用を検討します。
契約形態については、既存テナントとの円滑なリレーションシップ及び効率的な運営管理を維持することを目的とし、従前の賃貸人等を転貸人(マスターレッシー)とする転貸借方式(マスターリース方式)を導入する場合もあります。この場合、転貸人からの賃料と転借人からの賃料が常に同額となるパススルー型マスターリースや、転貸人からの賃料を固定とする固定型マスターリース等、施設毎に最適な契約形態を検討します。
v.運用資産の資産価値の維持・向上
運用資産の物理的・機能的価値の維持のために、本投資法人の営業期間毎に修繕更新計画を立案し、実施します。
運用資産の物理的・機能的価値の向上のために、適時改良計画を立案し、実施します。
ⅵ.施設運営管理の効率化
設備保守点検・清掃・警備等管理業務の内容及び費用を本投資法人の営業期間毎に見直すものとし、必要に応じて仕様及び委託会社の変更等によるコストの適正化を図ります。なお、コストの削減に際しては、当該運用資産の競争力及び入居テナントの満足度を考慮します。
ⅶ.損害保険等の付保方針
・ 損害保険
災害や事故等による建物等の損害又は第三者への損害賠償を担保するため、保有不動産及び保有信託受益権に係る不動産について火災保険、賠償責任保険を付保します。また、必要に応じて災害や事故等による利益損失等を回避するため、利益保険等を付保します。更に、テナントの売上金管理を行っている商業施設については、現金盗難等による事故を担保するため、個別に動産総合保険の付保を検討します。
・ 地震保険
ポートフォリオ全体に係るPMLを基準に、災害による影響と損害保険料等を比較検討して地震保険の付保の判断を行います。なお、個別物件のPMLが15%を超える場合には、個別に地震保険の付保を検討します。
上記各種保険の付保にあたっては、保険料・免責額・キャッシュリザーブ等を総合的に勘案して判断します。
b.計画的管理の手法
本投資法人の営業期間毎にポートフォリオ全体の運用計画と個別資産の運用計画を策定し、運用資産の計画的な管理を行います。
ⅰ.ポートフォリオ全体の運用計画
本投資法人の保有する運用資産全体について、本投資法人の営業期間毎に運用計画を策定し、計画的な運用管理を実施します。
ポートフォリオ全体の運用計画には、ポートフォリオ全体の運用管理に係る以下の事項を記載します。
・ ポートフォリオ全体の収益性向上のための施策
・ ポートフォリオ全体の収支計画
・ ポートフォリオ内の個別資産の位置付けに関する事項
・ プロパティ・マネジメント(以下「PM」といいます。)に関する事項
・ 投資法人の資金調達、金銭の分配に関する事項
ⅱ.個別資産の運用計画
個別の運用資産について、本投資法人の営業期間毎に運用計画を策定し、計画的な運用管理を実施します。
個別資産の運用計画には、個別資産の運用管理に係る以下の事項を記載します。
・ 収益性の維持・向上のための施策
・ 修繕、改良計画
・ 管理費、水道光熱費等コスト削減のための施策
・ 運用資産の収支計画及び予算
ⅲ.計画の検証及び修正
個別の運用資産毎及びポートフォリオ全体について、原則として毎月予算と実績を比較・分析し、大きな乖離が認められる等、資産運用計画の見直しが必要と判断される場合は、期中において、修正計画を策定します。上記の検証を踏まえ、翌営業期間以降のポートフォリオ全体の運用計画及び個別資産の運用計画を策定します。
c.PM方針
ⅰ.PM会社の選定方針
資産の運営管理を統括するPM会社については、以下の項目に基づき総合的に検討・判断し、選定するものとします。また、検討の結果、運営管理の効率化を目的として、特定のPM会社に複数の運用資産についてのPM業務を一括して委託することがあります。
・ 用途及び地域別の管理業務受託実績
・ 決算内容及び財務状況等の経営内容
・ 組織体制(緊急時の対応を含めた人員配置、情報管理体制、有資格者及び専門技術者の有無等)
・ 賃貸営業管理能力(テナントリーシング、市場精通度、仲介業者とのネットワーク構築度、テナント管理、テナント審査等)
・ 施設運営管理能力
・ 各種工事計画の策定及び工事管理能力
・ 販売促進計画の立案及び実施能力
・ 予算計画の策定及び管理能力
・ 各種レポーティング書類の作成能力
・ その他渉外業務への対応能力
・ PM業務内容に相応した報酬水準
・ 利益相反回避への対応
ⅱ.阪急阪神ホールディングスグループのPM会社の選定
テナント誘致に関する情報網、テナント営業力等の観点から、阪急阪神ホールディングスグループの有する物件の運営・管理に関する能力を活用することが有効かつ適切と判断される場合には、阪急阪神ホールディングスグループからPM会社を選定します。ただし、その報酬の設定方法については、原則として、基本報酬に利益連動報酬を組み合わせることにより、投資主の利益のために努力する仕組みを導入することができます。選定したPM会社が利害関係者に該当する場合においては、利益相反取引ルールに定める基準・手続を遵守するものとします。
なお、本資産運用会社は、一部の不動産について、阪急阪神不動産株式会社及び阪急阪神ビルマネジメント株式会社をPM会社として選定しています。
ⅲ.PM会社の管理手法
PM会社との間で、原則として毎月1回、前月の収支状況及び稼働状況、既存テナントの動向、リーシング状況、施設管理上のクレーム・トラブル等の事項についての確認を行い、対応についての協議を行います。
PM会社との間で締結するPM業務委託契約の期間は、原則1年間とし、契約期間満了時までにPM会社の運営管理実績に対する評価を実施します。この評価結果を慎重に検討の上、契約の更新を行うか否かについて判断するものとし、その結果によっては、PM会社を変更する場合があります。契約を更新する場合においても、評価結果を基にPM会社に適宜指導を行い、その業務レベルの向上を図ります。また、必要に応じ委託業務内容や契約条件の見直しを行い、委託料及び管理コストの適正化を図ります。
d.売却方針
本投資法人は、原則として長期的な資産保有を目的としますが、市場環境等を勘案し、資産運用計画策定時又は必要に応じて随時、売却について検討を行うことがあります。売却については、主に以下の項目を総合的に勘案して判断します。
ⅰ.当該不動産の資産価値の増減及びそれについての予測
ⅱ.ポートフォリオへの影響
なお、資産の売却にあたっては、原則として不動産鑑定士による鑑定評価額を基準に、上記項目を勘案し、個別に売却価格を判断します。ただし、利害関係者との取引においては、利益相反取引ルールに定める基準・手続を遵守するものとします。
本投資法人が本資産運用会社以外の協定書当事者から購入した物件を売却しようとする場合、情報共有等に係る協定書に基づき、購入する際の協議により、本資産運用会社以外の協定書当事者等に対して当該物件の売却に関する優先交渉権を付与していることがあります(前記「① 基本方針 (ロ)阪急阪神ホールディングスグループからの不動産情報提供及び優先交渉権の付与」をご参照ください。)。
また、本投資法人は、上記協定書によらない場合でも、物件取得時の経緯等により、何らかの優先交渉権を上記各社又はその他の第三者に付与していることがあります。
その他、以下の点にも留意するものとします。
・ 投資法人の配当利回りに与える影響
・ 広く売却可能先を探索し、経済条件その他の売却にあたっての条件を公正に比較検討し、必要に応じ競争原理の活用を含めた、透明性の高い売却手続きを履践すること
・ 売却先については、当該売却対象不動産の取得後の運営において、社会的評価の著しい悪化を招くおそれのあるような先、又は公序良俗に反する可能性のある先については除外すること
(ニ)財務方針
a.基本方針
本投資法人は、安定収益の確保及び運用資産の着実な成長による投資主価値の最大化を図るために、安定的かつ効率的な財務戦略を立案し、実行することを基本方針とします。
資金の借入れ又は投資法人債の発行により調達した金銭の使途は、特定資産の取得資金、貸付けを行う不動産及び信託受益権に係る信託財産である不動産に係る工事代金、敷金・保証金の返還、分配金の支払、本投資法人の費用の支払、借入金及び投資法人債の債務の履行を含む債務の返済及び運転資金とします。ただし、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。また、借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額は1兆円を超えないものとします。
資金の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合、資本市場及び金利の動向、本投資法人の資本構成、又は既存投資主への影響等を総合的に考慮し、将来にわたる経済・社会情勢の変化を予測の上、借入期間及び固定・変動の金利形態等の観点から安定的かつ効率的な資金調達手段を選定します。
b.負債比率(LTV)
負債比率(ローン・トゥ・バリュー)(以下「LTV」といいます。)の算定については以下の算式に基づいて行い、60%を上限としますが、物件の取得及び評価額の変動等に伴い一時的に60%を超えることがあります。
LTV=借入金額(注1)+敷金及び保証金(注2)-見合い現預金(注3)
資産総額(注4)-見合い現預金(注3)

(注1)借入金額には、発行済投資法人債がある場合には、未償還残高を含みます。
(注2)敷金及び保証金は、本投資法人(及び本投資法人が保有する信託受益権の対象たる財産)が受け入れた敷金及び保証金です。
(注3)見合い現預金は、本投資法人が保有する信託受益権の対象たる財産が受け入れた敷金及び保証金等に関してそれを担保する目的で信託勘定内に留保された現金又は預金です。
(注4)資産総額は、LTV計算時点における直近の決算期の貸借対照表における資産の部の金額とします。ただし、有形固定資産については、鑑定評価額と期末帳簿価額との差額を当該有形固定資産の期末帳簿価額に加減して求めた金額とします。なお、鑑定評価額とは、本投資法人の規約及び「投資法人の計算に関する規則」(平成18年内閣府令第47号。その後の改正を含みます。)(以下「投資法人計算規則」といいます。)に基づき取得した、不動産鑑定士による各決算期の鑑定評価額を意味します。
c.デット調達戦略
ⅰ.長短比率
資本市場及び金利の動向を鑑み、機動性を重視した短期資金調達(短期借入金及び短期投資法人債)と、長期の安定的な資金調達(長期借入金及び短期投資法人債を除く投資法人債)とを効率的に組み合わせて、安定的かつ効率的な資金調達を行います。
ⅱ.金利の固定・変動に関する方針
借入金等の金利変動リスクをヘッジすることを目的として、デリバティブ取引に係る権利(投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令第480号。その後の改正を含みます。)(以下「投信法施行令」といいます。)第3条第2号において定義されています。)への投資を行うことがあります。
ⅲ.返済期限分散
前記「ⅰ.長短比率」と同様に、資本市場及び金利の動向を鑑み、資金の借入れ及び投資法人債についての返済及び償還期限の分散を図るものとします。
ⅳ.借入先
資金の借入れを行う場合、借入先は金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(ただし、機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。)に限ります。以下同じです。)に限るものとします。
借入れの実施に際しては、借入条件等につき複数の適格機関投資家と交渉の上、比較し決定するものとします。ただし、安定的な資金調達ルートの確保のため、特定の適格機関投資家に集中することなく、資産規模の拡大に従い、資金調達先の分散、拡大を検討します。
ⅴ.投資法人債
資金調達手段の多様化を目的として、投資法人債を発行することがあります。投資法人債の発行に際して、又は財務の健全性の一つの指標等とするため、信用格付業者(金融商品取引法第2条第36項に定義される信用格付業者を指します。)より格付を取得することがあります。
本投資法人は、本書の日付現在で、株式会社日本格付研究所(JCR)よりAA-(格付の見通し:安定的)の長期発行体格付、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりA+(格付の方向性:安定的)の発行体格付をそれぞれ取得しています。
また、2023年12月11日に投資法人債の発行登録書を関東財務局長に提出しました。
ⅵ.借入条件等に関する方針(担保設定等)
資金の借入れに際して、金融環境変化による影響を抑えつつ、安定的かつ効率的な資金調達を行うために、期間、担保設定の有無等の諸条件を、複数の適格機関投資家と交渉の上、比較し決定します。
ⅶ.極度借入枠設定契約、コミットメント・ライン等
将来の運用資産の追加取得、資本的支出又は敷金・保証金の返還等に係る必要資金の機動的な調達を目的として、極度借入枠設定契約、コミットメント・ライン契約等の事前の借入枠設定又は随時の借入れの予約契約を締結し借入れを実行することがあります。
なお、契約締結先は前記「ⅳ.借入先」と同様に、適格機関投資家に限るものとします。
また、契約諸条件については、複数の適格機関投資家と交渉の上、比較し決定することとします。
ⅷ.キャッシュ・マネジメント方針
資金調達手段としてテナントから預かった敷金・保証金を活用することがあります。また、資金運用については、安全性、換金性等を考慮し、金利の動向及び資金繰りを十分に鑑みて行います。
d.エクイティ調達戦略
本投資法人は、運用資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、市況を的確に把握し、かつ投資口の希薄化(投資口の追加発行による既存投資口の持分割合の低下)に配慮した上で、機動的な投資口の追加発行を行うものとします。
(ホ)その他
a.本投資法人は、資産運用の方針として、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち、不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上となるように運用します(規約第28条第1項)。
b.組入資産の貸付け・運用及び第三者のための担保提供(規約第31条)
ⅰ.本投資法人は、特定資産である不動産について、運用を図ることを目的とし第三者との間で賃貸借契約を締結し貸付けを行うことを原則とし、特定資産である信託受益権に係る信託財産である不動産については当該信託の受託者に第三者との間で賃貸借契約を締結させ貸付けを行うことを原則とします。
ⅱ.本投資法人は、不動産の賃貸に際し、敷金又は保証金等これらに類する金銭を収受することがあり、かかる収受した金銭を規約の定めに従い運用します。
ⅲ.本投資法人は、運用資産に属する不動産以外の運用資産の貸付けを行うことがあります。
ⅳ.本投資法人は、不動産その他の運用資産について、第三者のために担保に供することがあります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。