有価証券報告書(内国投資証券)-第25期(2022/08/01-2023/01/31)
以下には、本投資口又は本投資法人債への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資口又は本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産を主たる裏付けとする各信託に係る信託受益権その他の不動産関連資産についてもほぼ同様にあてはまります。また、本投資法人が既に取得した個別の不動産関連資産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③その他投資資産の主要なもの/A.運用資産の概要」を併せてご参照ください。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口の分配金の額、本投資法人債の利息の未収が発生し若しくはその償還金額が減少し、又は本投資口又は本投資法人債の価値が下落する可能性があり、その結果、各投資家が損失を被る可能性があります。各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資口又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
(1)一般的なリスク
(イ) 投資口・投資証券の商品性に関するリスク
(ロ) 本投資口の払戻しがないことに関するリスク
(ハ) 本投資口・本投資法人債の市場性に関するリスク
(ニ) 本投資口の価格変動に関するリスク
(ホ) 投資口の希薄化に関するリスク
(ヘ) 金銭の分配に関するリスク
(ト) LTVに関するリスク
(チ) 投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
(リ) 本投資法人の登録が取り消されるリスク
(2)商品設計及び関係者に関するリスク
(イ) 収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(ロ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ハ) 東急不動産ホールディングスグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ニ) 本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(ホ) 本資産運用会社に関するリスク
(ヘ) プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
(ト) 役員の職務遂行に関するリスク
(チ) 本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(リ) インサイダー取引に関するリスク
(ヌ) 敷金・保証金の利用に関するリスク
(ル) 投資対象を主として住居用の不動産としていることによるリスク
(ヲ) 運営型賃貸住宅を投資対象とすることに関するリスク
(ワ) 投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
(カ) 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ヨ) 資産取得・売却に関するリスク
(タ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
(レ) シニア住宅に関するリスク
(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク
(イ) 不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(ロ) 物件取得の競争に関するリスク
(ハ) テナントの獲得競争に関するリスク
(ニ) 不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵及び契約不適合に関するリスク
(ホ) 土地の境界紛争等に関するリスク
(ヘ) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト) 法令等の変更に関するリスク
(チ) 区分所有物件に関するリスク
(リ) 共有物件に関するリスク
(ヌ) 借地物件に関するリスク
(ル) 底地物件に関するリスク
(ヲ) 開発物件に関するリスク
(ワ) 鑑定評価額に関するリスク
(カ) わが国における賃貸借契約に関するリスク
(ヨ) マスターリースに関するリスク
(タ) 賃料の減額に関するリスク
(レ) テナントの支払能力に関するリスク
(ソ) 賃料保証会社に関するリスク
(ツ) 不動産の運用費用の増加に関するリスク
(ネ) 入居者の建物使用態様に関するリスク
(ナ) 不動産の毀損等に関するリスク
(ラ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ム) 不動産に係る所有者責任に関するリスク
(ウ) 有害物質に係るリスク
(ヰ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ノ) 運用資産の売却に伴う責任に関するリスク
(オ) 専門家報告書等に関するリスク
(4)不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ) 信託受益者として負うリスク
(ロ) 信託受益権の流動性に係るリスク
(ハ) 信託受託者に係るリスク
(5)税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
(6)その他のリスク
(イ) 減損会計の適用に関するリスク
(ロ) 取得予定資産の取得を実行することができないリスク
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ニ) 本資産運用会社が複数の投資法人を受託していることに関するリスク
(ホ) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
本項に記載されている各リスク項目の内容は以下のとおりです。
(1)一般的なリスク
(イ) 投資口・投資証券の商品性に関するリスク
投資口又は投資証券は、株式会社における株式又は株券に類似する性質(いわゆるエクイティ証券としての性質)を持ち、投資金額の回収や利回りの如何は本投資法人の業績又は財産の状況に影響されるものであり、譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることができるとの保証はありません。また、本投資法人に係る通常の清算又は倒産手続の下における清算においては、エクイティ証券として最劣後の地位となり、元本すなわち投資額の全部又は一部の支払いが行われない可能性があります。投資口又は投資証券は、元本の保証が行われる商品ではなく、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象になっていません。
(ロ) 本投資口の払戻しがないことに関するリスク
本投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資口を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等及び投資法人による投資口の取得を除き、第三者に対する売却(取引市場を通じた売却を含みます。)に限られます。本投資口の第三者に対する売却が困難又は不可能となった場合、投資主は、本投資口を希望する時期及び条件で換価できないことになります。ただし、本投資法人は、投信法第80条第1項第1号及び本規約第5条第2項に基づき、投資主との合意により自己投資口を有償で取得することが可能です。
(ハ) 本投資口・本投資法人債の市場性に関するリスク
本投資口は、東京証券取引所不動産投資信託証券市場へ上場していますが、投資家の希望する時期と条件で取引できるとの保証や、常に買主が存在するとの保証はなく、譲渡価格を保証する第三者も存在しません。また、東京証券取引所が定める上場廃止基準に抵触する場合には本投資口の上場が廃止され、投資主は保有する本投資口を取引所外において相対で譲渡するほかに換金の手段はありません。これらにより、本投資口を低廉な価格で譲渡しなければならない場合や本投資口の譲渡ができなくなる場合があります。また、本投資法人が本投資法人債を発行した場合について、本投資法人債には、確立された取引市場が存在せず、買主の存在も譲渡価格も保証されていません。
(ニ) 本投資口の価格変動に関するリスク
本投資口の市場価格は、取引所における投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、戦争、テロ、伝染病の拡大(パンデミック)その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けます。新型コロナウイルス感染症に関するパンデミックは日本を含む世界経済に深刻な悪影響を与えるおそれがあります。また、近時では、ウクライナ危機に端を発した対ロシア経済制裁等を原因とする原油価格の高騰等を含む物価上昇による経済環境への各種の影響が生じているほか、米国等諸外国における政策金利の引き上げ等が株式市場や為替相場に影響を及ぼしており、これらの要因から、本投資口の市場価格にも悪影響が生じることがあります。
また、本投資法人は、不動産関連資産を主な投資対象としていますが、不動産関連資産の価格は、不動産市況、社会情勢等の影響を特に受け易いといえます。さらに、不動産の流動性は一般に低いので、望ましい時期及び価格で不動産を売却することができない可能性があり、そのために実際の売却時までに価格が下落する可能性等もあります。これらの要因により本投資法人の保有する資産の価値が下落すれば、本投資口の価値の下落をもたらす可能性があります。
その他、本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の投資法人が資産の運用を委託する資産運用会社に対して監督官庁等による行政処分や行政処分を求める勧告が行われた場合にも、本投資口の価値が下落することがあります。
(ホ) 投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを随時必要としています。かかる資金の手当てを目的として投資口を随時追加発行する場合があります。投資主は、その投資口保有比率に応じた投資口の割当を受ける権利及び義務を有するものではなく、投資口が追加発行された場合、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合は、当該追加発行において所要の口数を追加的に取得しない限り、希薄化することとなります。さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額(基準価額)等が影響を受けることがあります。
また、金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年法律第45号)による投信法の改正により、新投資口予約権の無償割当て(いわゆるライツ・オファリング)の制度が導入されました。本投資法人により、かかる新投資口予約権の無償割当てが行われる場合にも、(既存の投資主が割当てを受けた新投資口予約権を行使しない限り)希薄化が生じ、また、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額(基準価額)等が影響を受けることがあります。
(ヘ) 金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針/(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、如何なる場合においても保証されるものではありません。
(ト) LTVに関するリスク
本投資法人のLTVの上限は、本資産運用会社の運用ガイドラインにより60%としますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。LTVの値が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果、投資主への分配額が減少するおそれがあります。
(チ) 投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上、その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ) 本投資法人の登録が取り消されるリスク
本投資法人は、投信法の下で投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合、登録を取り消される可能性があります。その場合、本投資法人は解散すべきものとされ、清算手続に入ることになります。
(2)商品設計及び関係者に関するリスク
(イ) 収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として本投資法人が取得する不動産関連資産からの賃料収入に依存しています。不動産関連資産に係る賃料収入は、不動産関連資産の稼働率の低下、賃料水準の低下(賃料水準に関しては、後記「(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク/(カ)わが国における賃貸借契約に関するリスク及び(タ)賃料の減額に関するリスク」も併せてご参照ください。)、テナントによる賃料の支払債務の不履行・遅延等により、大きく減少する可能性があります。テナントの支払能力又は信用状態が入居後に悪化する可能性もあります。また、当該不動産関連資産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
本投資法人は、本資産運用会社を通じて、良質のテナントを確保すべく努力しますが、その目的が達成されるとは限りません。
また、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、多額の資本的支出(注)、未稼働の不動産関連資産の取得等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、投資主への分配金額に悪影響を及ぼす可能性があります。
賃料収入のほか、不動産関連資産の売却に伴い収入が発生する可能性がありますが、不動産関連資産の売却に伴う収入は、恒常的に発生するものではなく、本投資法人の運用方針や不動産市場の環境に左右されるものであって、安定的に得られる性質のものではありません。
他方、不動産関連資産に関する費用としては、減価償却費、不動産関連資産に関して課される公租公課、不動産関連資産に関して付保された保険の保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります(費用の増加リスクに関しては、後記「(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク/(ツ)不動産の運用費用の増加に関するリスク」も併せてご参照ください。)。
このように、不動産関連資産からの収入が減少する可能性がある一方で、不動産関連資産に関する費用が増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額の減少その他の悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)建物の修繕等において、固定資産(建物・設備等)の機能、価値を増加、又は耐用年数を伸長させるための支出をいいます。
(ロ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に適格機関投資家からの借入れ及び投資法人債の発行による資金調達を行うことを予定しています。本投資法人は本規約において、その上限を、借入れについては1兆円、投資法人債(短期投資法人債を含みます。)については1兆円(ただし、合計して1兆円を超えないものとします。)としています。
投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行を行うことができるという保証はありません。
借入れ及び投資法人債の金利は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合、その後の市場動向にも左右されます。一般的に、市場金利が上昇傾向にある場合、本投資法人の利払額は増加します。
金利が上昇しても本投資法人の受け取る賃料収入等が連動して上昇するとは限らないため、分配可能金額は減少する可能性があります。税法上、利益配当の損金算入要件のうち、投資法人による借入金の借入先を租税特別措置法に規定する機関投資家に限定するという要件により、本投資法人が資金調達を行うに際して、借入先が限定され資金調達が機動的に行えない場合があります。追加の借入れを行おうとする際には、担保提供等の条件について制約が課され、本投資法人が希望する条件での借入れができなくなる可能性もあります。
また、本投資法人が借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、一定のLTV等を維持する義務を課し、LTV等が基準値より悪化した場合は、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、修繕費用や預り金等に対応した現金の積立てを強制される場合もあり、また、物件の取得に一定の制約が課され、規約等の変更が制限される場合もあります。このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらすほか、これらの制約により投資主への金銭の分配が制限され、利益配当等の損金算入要件を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。
借入れ又は投資法人債の発行において不動産関連資産に担保を設定した場合(当初は無担保の借入れ又は投資法人債であっても、一定の条件の下に担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された不動産関連資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない、又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により不動産関連資産の評価額が借入先によって引き下げられた場合、又は他の借入れを行う場合等、一定の条件の下に不動産関連資産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、不動産関連資産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先より借入金の早期返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなることや、借入先より不動産関連資産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件で不動産関連資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借換えや不動産関連資産の売却等によって借入金の期限前返済を行う場合には、違約金等の返済又は償還コストがその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動が投資主に損害を与える可能性もあります。
さらに、本投資法人が返済期の到来した借入れ又は投資法人債の借換えを行うことができないことにより、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、不動産関連資産を処分しなければ借入れ及び投資法人債の返済ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で不動産関連資産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人が借入れ又は投資法人債について債務不履行となった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押等の保全処分や差押等の強制執行が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産等の倒産手続の申立てが行われる可能性があります。
(ハ) 東急不動産ホールディングスグループへの依存、利益相反に関するリスク
東急不動産は、本書の日付現在、本資産運用会社の全株式を保有しており、本資産運用会社の常勤役員や多数の従業員の出向元でもあります。また、本資産運用会社は、本投資法人の運用に関して、東急不動産とスポンサーサポート契約を締結しています。さらに、本資産運用会社は、本投資法人の運用に関して、サポート会社7社(東急リバブル株式会社、株式会社東急コミュニティー、東急住宅リース株式会社、株式会社学生情報センター、株式会社東急イーライフデザイン、株式会社イーウェル及び株式会社東急スポーツオアシス)それぞれとサポート契約を締結しています(これらのスポンサーサポート契約及びサポート契約の概要については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/②外部成長戦略/B.東急不動産とのスポンサーサポート契約及び東急不動産ホールディングスグループの情報力・情報ネットワークの活用」をご参照ください。)。
また、本投資法人は、不動産開発供給機能、不動産情報提供機能、賃貸住宅運営管理機能、シニア住宅運営機能、コンストラクション機能、アセット・マネジメント、ファンド・マネジメント機能に代表される東急不動産ホールディングスグループの有する特徴を利用して、本投資法人の外部成長及び内部成長の達成を目指します(詳細は、前記「2 投資方針/(1)投資方針/①基本方針/B.東急不動産ホールディングスグループの活用」をご参照ください。)。
すなわち、本投資法人及び本資産運用会社は、東急不動産ホールディングスグループと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する影響は相当程度高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社が東急不動産ホールディングスグループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、上記のスポンサーサポート契約及びサポート契約の有効期間は契約締結日から3年間とされ、自動更新されることとなっていますが、契約の更新がなされない場合や、契約が解除される場合、その他契約終了事由が発生した場合、東急不動産ホールディングスグループからサポートの提供を受けられなくなるおそれがあります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、東急不動産ホールディングスグループ又は東急不動産ホールディングスグループが運用するファンドとの間で取引を行う場合や、物件を共同して運用・維持する場合、東急不動産ホールディングスグループ又は東急不動産ホールディングスグループが運用するファンドの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(ニ) 本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できるとの保証はありません。本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金商法又は投信法上の善管注意義務及び忠実義務を負っていますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託が必須のものとされているため、委託契約が解約又は解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。しかし、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社が、破産等により金商法における登録又は業務遂行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社への委託が必要となり、上記と同様のリスクがあります。
(ホ) 本資産運用会社に関するリスク
本投資法人が適切な不動産関連資産を確保するためには、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、本資産運用会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が常に維持されるとの保証はありません。
本投資法人は、投資主総会の承認を得て本資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約することができます。また、本投資法人は、投信法及び資産運用業務委託契約の規定に基づいて、本資産運用会社が職務上の義務に違反した場合その他一定の場合に本資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約又は解除することができるほか、本資産運用会社が金商法上の金融商品取引業者でなくなったときその他一定の場合には本資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約又は解除しなければならないとされています。本資産運用会社との資産運用業務委託契約が解約又は解除された場合、本資産運用会社との資産運用業務委託契約においては一定の手当てがなされていますが、一般的には上記(ニ)に記載のリスクがあてはまります。また、資産運用会社の変更は、本投資法人の借入金債務及び投資法人債の期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(ヘ) プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
不動産関連資産に関しては、プロパティ・マネジメント会社が選定され、当該関連する不動産関連資産につきPM業務を行います。
一般に、建物の保守管理を含めたPM業務全般の成否は、管理会社の能力、経験、ノウハウによるところが大きく、不動産関連資産の管理については、管理を委託するプロパティ・マネジメント会社の業務遂行能力に強く依拠することになりますが、プロパティ・マネジメント会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。特に、本資産運用会社はPM業務を東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループに原則として委託する方針であるため、本投資法人の資産管理は東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループの業務遂行能力に強く依拠しています。よって、プロパティ・マネジメント会社、特に東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループの業務遂行が円滑になされない場合又は業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、プロパティ・マネジメント会社として選定された東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループが、複数の不動産に関して、他の顧客(他の不動産投資法人を含みます。)から本投資法人の不動産関連資産に係るPM業務と類似又は同様の業務を受託し、その結果、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。さらに、プロパティ・マネジメント会社が、破産及びその他の法的倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、投資主への金銭の分配に影響を与える可能性があります。
(ト) 役員の職務遂行に関するリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善管注意義務を負い、また、忠実義務を負っています。本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行った場合、結果として投資主が損害を受ける可能性があります(なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構」をご参照ください。)。
(チ) 本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金商法上、本資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ、本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務づけられているほか(金商法第42条)、本投資法人の利益を害することを内容とした運用を行うこと等が明示的に禁止されています(金商法第42条の2)。
また、本資産運用会社は、本投資法人に対し善管注意義務と忠実義務を負いますが、さらに運用ガイドラインに基づく自主的なルールも定めています(詳細については、前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構」及び後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご参照ください。)。
しかしながら、本資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にもかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定を行う可能性を否定できません。
本資産運用会社の大株主は本資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、かかる大株主は、自ら不動産投資、運用業務を行っており又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行っており又は将来行う可能性があります。そのため、第一に、本資産運用会社が、かかる大株主に有利な条件で、本投資法人に係る資産を取得させることにより、かかる大株主の利益を図るおそれがあり、第二に、本投資法人とかかる大株主が特定の資産の取得若しくは処分又は特定の資産の賃貸借若しくは管理委託に関して競合する場合、本資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、かかる大株主又はその顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなるおそれがあります。
金商法及び投信法では、損害が生じた場合に資産運用会社の責任を追及できるよう、資産運用会社や投資法人の帳簿等が公正な手続で作成され、証拠として蓄積されるような体制を充実させています。さらに、本資産運用会社は、特定資産の価格等の調査を一定の専門家に行わせることで、価格の公正さを確保し、投資判断の決定プロセス等に客観性・公明性を持たせる体制をとっています。
しかし、本資産運用会社が上記の行為準則に反したり、法定の措置を適正にとらない場合には、投資主に損害が発生する可能性があります。
(リ) インサイダー取引に関するリスク
本投資法人の役員、本資産運用会社の役職員その他投資法人又は資産運用会社との間で一定の関係を有する者が重要事実を知り、その公表前に本投資口の売買等を行った場合等には、金商法上インサイダー取引規制に抵触します。
また、本資産運用会社は内部者取引の未然防止についてのインサイダー取引防止規程を定め、役職員等のインサイダー取引(インサイダー類似取引も含まれます。)の防止に努めています。こうした措置にもかかわらず、本資産運用会社の役職員並びに本投資法人の役員が金商法及び上記のインサイダー取引防止規程に違反する事態が生じた場合、取引市場における本投資口に対する投資家の信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらす可能性があります。なお、上場投資口については、上場株式同様、大量保有報告書制度の対象となっています。
(ヌ) 敷金・保証金の利用に関するリスク
本投資法人は、不動産等資産(不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権をいいます。以下同じです。)の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を投資資金として利用する場合があります。しかし、そのような場合に、賃貸借契約の中途解約により想定外の時期に予想外の金額の敷金又は保証金の返還義務が生じることにより、本投資法人は、敷金又は保証金の返還資金をそれらよりも調達コストの高い借入れ等により調達せざるを得なくなることもあります。また、賃貸借契約に伴い敷金又は保証金の一部が一定期間において償却される旨の合意がなされることがありますが、かかる償却部分の金額については当該期間の途中で契約が中途解約された場合には償却できない可能性があり、また、かかる金額の多寡によってはかかる合意そのものが無効とされる可能性があります。そのような場合にも、想定外の時期に予想外の金額の敷金又は保証金の返還義務が生じることがあります。さらに、敷金又は保証金の投資運用が失敗に終わり損失が生じる可能性もあります。その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ル) 投資対象を主として住居用の不動産としていることによるリスク
本投資法人は、主として住居の用に供されている不動産を投資対象としています。したがって、景気動向、人口動向等、賃貸住宅市場の状況を左右する要因如何によって、賃貸住宅のテナントが獲得できなかったり、テナントが賃料を約定どおり支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約又は更新せずに退去したり、賃料の減額請求を行ったりする可能性があります。また、本投資法人は賃貸住宅の将来における安定需要及び賃貸住宅による収益の将来的安定性を見込んでいますが、そのような見込みが現実化する保証はありません。
(ヲ) 運営型賃貸住宅を投資対象とすることに関するリスク
本投資法人は、運営型賃貸住宅にも投資をしますが、上記(ル)に記載のリスクの内容は、運営型賃貸住宅にも同様に該当します。また、運営型賃貸住宅においては、本投資法人は、原則として、運営型賃貸住宅に必要な運営能力及び信用力を有する専門のオペレーターに一括賃貸するか、運営を委託する方針ですが、当該オペレーターにおいて本投資法人の期待した運営がなされない場合、賃借人である当該オペレーターについて財務状況が悪化し若しくは破産その他の倒産手続が開始した場合、又は賃貸借契約の期間満了、途中解約若しくは解除等の場合、本投資法人は、当該居住用資産からの収益の全部又は一部を収受できず、又は回収できない可能性があります。これらの要因により、本投資法人の収益に重大な悪影響が生じる可能性があります。また、運営型賃貸住宅の運用においては、業務の特性上、プロパティ・マネジメント会社の代替性が小さいため、前記「(ヘ)プロパティ・マネジメント会社に関するリスク」に記載したリスクが他の類型の物件よりも大きくなる可能性があります。このほか、運営型賃貸住宅は、間取り、付帯施設、その立地、建築基準法による用途制限等の点で他の居住用資産とは異なる特性を有する場合があります。その結果、将来テナントが退去した際に他の類型の居住用資産への転用ができない、売却しようとした際に用途が限定されていることにより購入先が限られ処分ができない又は想定した価格で処分ができない等の可能性があります。
(ワ) 投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、その投資対象とする不動産が東京23区を中心とする東京圏に偏在する可能性があります。したがって、特に同圏域内の不動産が他の圏域の不動産と比較して悪影響を受けた場合(例えば、東京23区内における地震その他の災害による影響、稼働率の低下、賃料水準の下落等)、本投資法人の財務状況等に悪影響を与える可能性があります。
また、一般に、資産総額に占める個別の投資対象とする不動産の割合は、資産総額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、資産総額に占める割合が大きい不動産関連資産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
(カ) 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を得ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(ヨ) 資産取得・売却に関するリスク
本投資法人は、現に保有する運用資産及び当該資産のみを取得・保有することを目的として組成されたものではありません。本投資法人は、常に新たな資産取得に向けた市場調査と資産取得の提案及び売却情報の入手に努めており、今後、本書に記載された資産以外の新たな資産を取得し、又は売却する旨を決定する可能性があります。かかる資産取得又は売却の決定が、本書の提出から間もない時点で公表される場合もあり得ます。
また、資産取得又は売却に際し、実際に合意し適時開示を行った場合にも、内装工事や修繕、物件の特性、売主又は買主その他の関係権利者との協議の結果として、実際の引渡し・資産運用の開始までに一定期間を要することがあります。資産取得又は売却の合意から引渡しまでの間に、経済環境が著しく変動した場合等においては、当該資産を購入又は売却することができないおそれも否定できません。それらの結果、予定した収益を上げることが困難となるおそれがあります。
(タ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産等を取得するに当たり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産等の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(レ) シニア住宅に関するリスク
本投資法人は、シニア住宅にも投資をしますが、シニア住宅においては、高齢の入居者が多いことから、入居契約締結時における入居者の意思能力等に関するリスクは、他の物件よりも大きくなる可能性があります。
さらに、シニア住宅においては、敷金及び保証金に相当する入居一時金の額が他の居住用資産よりも大きくなる傾向があります。したがって、シニア住宅への投資比率の上昇に伴い、前記「(ヌ)敷金・保証金の利用に関するリスク」に記載したリスクが、より大きくなる可能性があります。なお、その前提として、入居契約及び入居一時金の法的性質が必ずしも明らかではないことから、本投資法人がシニア物件を取得する際に、本投資法人が、入居契約及び(これに随伴して)入居一時金の返還債務を承継したものとみなされるリスクもあります。
また、介護保険等に関する将来的な制度改正により、シニア物件のオペレーターの運営環境が影響を受け(その影響はオペレーターの介護保険料への収入依存度がより高ければより大きくなります。)、結果として本投資法人の賃料収入に波及するなどして物件の価値にも影響を及ぼす可能性があります。
(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク
(イ) 不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、特に地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特性のほかに、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性もあります。これらの特性のために、不動産は、国債・長期預金等の金融商品等に比べ一般的に流動性が相対的に低い資産として理解されています。そして、それぞれの不動産の個別性が強いため、売買において一定の時間と費用を要しますし、その時間や費用の見積りが難しく、予想よりも多くの時間と費用が費やされ、その結果、不動産を取得又は売却できない可能性があり、さらに、不動産が共有物件又は区分所有物件である場合、土地と建物が別個の所有者に属する場合等、権利関係の態様が単純ではないことがあり、以上の流動性等に関するリスクが増幅されます。
経済環境や不動産需給関係の影響によっては、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件で取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性もあります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ) 物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、その規約において、不動産等資産を主たる投資対象として、中長期的な観点から、不動産等資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としています。しかしながら、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資は今後活発化する可能性があり、その場合、物件取得の競争が激化し、物件取得がそもそもできず又は投資採算の観点から希望した価格での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。その結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ハ) テナントの獲得競争に関するリスク
通常、不動産関連資産は、他の不動産とのテナント獲得競争にさらされているため、競合する不動産の新築、リニューアル等の競争条件の変化や、競合不動産の募集賃料水準の引下げ等により、賃料引下げや稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益が悪化する場合があります。特に、立地条件や建物仕様等の点で本投資法人の不動産関連資産に優る競合不動産がある場合、その傾向は顕著になるものと予想されます。
(ニ) 不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵及び契約不適合責任に関するリスク
本投資法人の投資対象となる不動産及びその信託受益権等の不動産関連資産に瑕疵(地盤若しくは地質の欠陥、土地の境界の未確定、越境物、被越境物の存在、土地又は建物の面積の不足、建物の構造、材質等に関する欠陥、賃貸借契約の不備、その他の物理的な欠陥及び土地又は建物の完全な所有権の不存在、用益物権又は担保権による制限、その他の法律上の欠陥をいいます。なお、工事における施工の不具合及び施工報告書の施工データの転用・加筆等、免振装置、制振装置を含む建築資材の強度・機能等の不具合等を含みますが、これらに限りません。)が存在する場合又は不動産関連資産が不動産関連資産の売買等に関する契約の内容に適合しない場合、本投資法人に損害が発生する可能性があります(注)。そこで、本資産運用会社が投資対象となる不動産関連資産の選定・取得の判断を行うに当たっては、対象となる不動産関連資産について利害関係のない第三者の専門業者から建物状況評価報告書等を取得し、かつ、原則として当該不動産関連資産の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任(旧民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号。その後の改正を含みます。以下「民法改正法」といいます。)による改正前の民法を意味し、以下「旧民法」といいます。民法改正法による改正後の民法を単に「民法」といいます。)第570条、第566条等に定める瑕疵担保責任をいいます。)又は契約不適合責任(民法第562条、第570条等に定める契約不適合責任をいいます。)を負担させることとしています(ただし、特に特別目的会社から譲渡を受ける場合は、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負担させられないこともあります。)。しかし、建物状況評価報告書等の作成に係る専門業者の調査には、提供される資料の内容やその調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産関連資産に関する瑕疵又は不動産関連資産に関する契約の内容との適合性について完全に報告が行われているとは限りません。さらに、建物状況評価報告書等で指摘されなかった事項であっても、本投資法人が不動産関連資産を取得した後に瑕疵又は契約内容との不適合等の存在が判明する可能性があります。また、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、一般的に、建物の施工を受託した建築会社又はその下請け業者において、建物が適正に施工されていない可能性があり、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はありません。
また、不動産関連資産の売主の表明及び保証の内容が真実かつ正確であるとは限らず、本投資法人の取得後に瑕疵又は契約内容との不適合等の存在が判明する可能性がある一方、表明及び保証の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例です(なお、強制競売で購入した物件については、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任(目的物の種類又は品質に関する不適合に関する責任に限ります。)の追及はできません(旧民法第570条ただし書、民法第568条4項)。)。さらに、不動産関連資産の売主が表明及び保証を全く行わず、若しくは制限的にしか行わない場合、又は旧民法上の瑕疵担保責任若しくは民法上の契約不適合責任を全く負担せず、若しくは制限的にしか負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産関連資産を取得する可能性があります。
不動産関連資産に瑕疵又は契約内容との不適合等が存在する場合、その程度によっては、当該不動産関連資産の資産価値が減少する可能性があり、又は、これを防ぐために、買主である本投資法人が当該瑕疵又は契約内容との不適合等の補修、建替えその他に係る予定外の費用を負担せざるを得ない可能性があります。そして、これらに関し売主に対して表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や経済的に破綻した会社である等のためその資力が十分ではなかったり、解散等により存在しなくなっている等の事情により、責任追及に実効性がなく本投資法人に費用負担が発生するおそれがあります。本投資法人が特別目的会社から取得した不動産関連資産については、信託受益権の購入に係る信託受益権売買契約上、売主は、責任財産を限定してのみ旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負うことになる場合があります。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性や複雑性ゆえに種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は不動産関連資産を取得するに当たって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、当初より売主が所有権を取得し得なかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていることや第三者の権利を侵害していることが、本投資法人の取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合、前述した瑕疵又は契約内容との不適合等と同様、法律上又は契約上の旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任や表明保証責任を追及できることもありますが、そのような責任追及には実効性がないおそれもあります。
(注)原則として、2020年3月31日以前に締結された契約及び発生した債権については旧民法に基づく瑕疵担保責任の規定が適用され、2020年4月1日以降に締結された契約及び発生した債権については民法改正法による改正後の民法に基づく契約不適合責任の規定が適用されます。したがって、2020年3月31日までの売買契約を締結した不動産関連資産については2020年4月1日以降も旧民法の瑕疵担保責任の規定が適用されます。旧民法上の瑕疵担保責任は、買主が特定の不動産等を購入する場合、不動産等に隠れた瑕疵がある場合には、売主に対して契約の解除、損害賠償又は代金減額を請求することができるというものであり、民法上の契約不適合責任は、売買の目的物が特定物であるか否かにかかわらず、また、隠れた瑕疵か否かにかかわらず、引き渡された目的物の種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものがある場合には、売主に対して契約の解除、損害賠償、代金減額又は追完(目的物の修補、代替物の引渡、不足分の引渡による履行の追完をいいます。)を請求することができるというものです。瑕疵担保責任又は契約不適合責任の間には上記のほかいくつかの相違点が存在しますが、本投資法人の場合、不動産関連資産の売買に関する契約において、瑕疵担保責任及び契約不適合責任の内容について特約で修正し、かつ、別途、表明保証責任により売主が負担する責任の範囲を詳細に合意しますので旧民法の瑕疵担保責任の規定が適用されるのか民法の契約不適合責任の規定が適用されるのかによって有意的な違いが生じないことが多いところです。
(ホ) 土地の境界紛争等に関するリスク
不動産関連資産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できず、又は境界標の確認ができないまま、当該不動産関連資産を取得する事例が一般に少なからず見られ、本投資法人において今後取得する物件についてもその可能性は小さくありません。したがって、状況次第では、本投資法人が後日当該不動産関連資産を処分するときに事実上の障害が発生し、又は、境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、不動産関連資産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産関連資産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ヘ) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
不動産のうち建物は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準等を定める建築基準法の規制に服します。その建築時点(正確には建築確認取得時点)においては、建築基準法上及び関連法令上適格であった建物でも、その後の建築基準法等の改正に基づく規制の変更により、変更後の規制の下では不適格になることがあります。例えば、建築基準法は、耐震基準について昭和56年にいわゆる新耐震基準を採用し、それ以降に建築されるべき建物にはそれ以前とは異なる耐震基準が適用されています。
その他、不動産は、様々な規制の下にあり、国の法令のほか、各地方公共団体の条例や行政規則等による規制があることもあります。例えば、駐車場の付置義務、住宅の付置義務、福祉施設の付置義務等のほか、これらの義務に関連して、建物の新築・増築に際して地方公共団体等と協議する義務等を課されることがあります。また、道路指定により敷地面積・容積率が結果として減少することもあります。そして、これらの規制も、随時改正・変更されています。
法規制の変化によりかつて法令に適合していながら後日適合しなくなった建物を「既存不適格」と呼ぶことがあります。既存不適格の建物は、これを改築したり、建て替えたりしようとする際に、従前の建物と同等の建蔽率・容積率(注)・高度・設備等を維持できなくなり、追加の設備が必要とされ、又は建替自体が事実上困難となる可能性があります。このような場合には、不動産の資産価値や譲渡価格が下がり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
以上のほか、土地収用法や土地区画整理法のような私有地の収用・制限を定めた法律の改正等により、不動産の利用、用途、収用、再開発、区画整理等に規制が加えられ、又はその保有、管理、処分その他の権利関係等に制限が加えられることがあり、その結果、関連する費用等が増加し、又は不動産の価値が減殺される可能性があります。
(注)「建蔽率」とは、建築基準法第53条に定められる、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいい、用途地域等に応じて都市計画で定められる数値をいいます。なお、建蔽率は、敷地が街区の角にあることその他の要因により実際に適用される割合とは、異なる場合があります。「容積率」とは、建築基準法第52条により定められる、建築物の各階の床面積の合計の敷地面積に対する割合をいい、用途地域等に応じて都市計画で定められる数値をいいます。なお、容積率は、前面道路の幅員その他の要因により実際に適用される割合とは、異なる場合があります。また、「用途地域」とは、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)第8条第1項第1号に掲げられているものをいいます。地域内で建築(新築・増築・改築・移転)したり建物の用途を変更したりするような場合には、用途地域の種類によって一定の制限を受けることがあります。
(ト) 法令等の変更に関するリスク
消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)等その他不動産の建築・運営・管理に影響する関係法令や条例の改正等により、将来的には不動産関連資産の管理費用等が増加する可能性があります。また、建築基準法、都市計画法等の不動産に関する行政法規の改正等、新たな法令等の制定及びその改廃、又は、収用、再開発、区画整理等の事業により、不動産関連資産に関する権利が制限される可能性があります。さらに、環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、不動産関連資産について、大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務、所有者としての無過失責任等が課される可能性もあります。このように、法令又は条例の制定・改廃等が本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ) 区分所有物件に関するリスク
区分所有建物(注)とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(建物の躯体、エントランス部分等)から構成されます。不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません(区分所有法第31条)。なお、建替え決議等においてはさらに多数決の要件が加重されています。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。したがって、本投資法人が議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、区分所有規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
(注)一棟の建物であっても、構造上複数の部分に区分され、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に使用される場合には、各々の建物部分は分離してそれぞれ所有権の対象とすることができます。このような所有権のことを区分所有権といい、区分所有権を有する者のことを区分所有者、区分所有の対象となる建物全体を区分所有建物といいます。
(リ) 共有物件に関するリスク
不動産関連資産が第三者との間で共有されている場合、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができるとされているため(民法第249条第1項)、本投資法人が自己の持分を超える使用をした場合には、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対して自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負います(民法第249条第2項)。また、共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をする義務を負っているため、本投資法人がその義務に違反したときは、他の共有者に対して損害賠償責任を負い(民法第249条第3項)、結果として投資主が損害を受ける可能性があります。
また、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条第1項)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。反対に、共有物を使用する共有者があるときであっても、その者に特別の影響がある場合を除いてその者の承諾を得ることなく、持分の過半数によって共有物の使用方法を含めた管理に関する事項を決定することができることから(民法第252条第1項及び第3項)、本投資法人が持分の過半数を有しない状況下で共有不動産を使用している場合に、使用方法の変更によってその使用が妨げられるおそれがあります。さらに、共有物の管理者が選任されている場合において、共有者が共有物の管理に関する事項を決定したときには、共有物の管理者はこれに従ってその職務を行わなければならないものの、仮にこれに反して共有物の管理者が取引を行った場合に、かかる管理者の行為は共有者に対してその効力を生じませんが、取引相手方が善意であれば、かかる取引相手方には取引の無効を対抗することができないことになります(民法第252条の2第3項及び第4項)。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は共有物を希望する時期及び価格で売却できないおそれがあります。もっとも、共有者には共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条第1項本文)、これにより単独の処分又は使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合は、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まないときでも、他の共有者からの請求にも服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが(民法第256条第1項ただし書)、その場合であっても、合意の有効期間(同条により、5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、共有者が破産した場合又は共有者について会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(ただし、共有者は、破産手続、会社更生手続又は民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の償金を支払って取得することができます(破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)第48条)。)。共有不動産の分割がなされた場合、当該不動産に係る賃料収入等に大幅な変動が生じる可能性があるほか、現物分割又は価額償還の方法により分割がなされ、本投資法人が共有不動産の一部又は全部を取得する場合において、他の共有者が分割前にその共有持分に設定していた担保権に服することを余儀なくされる可能性もあります。
他方、共有持分については、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書乃至規約等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続の履践等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
共有不動産を賃貸に供する場合、賃貸人の賃料債権は不可分債権となり、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されています。したがって、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押さえられたり、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。
また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続の対象となる、又は、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、上記のような制約やリスクがあるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、単独所有の場合には存在しない減価要因が加わる可能性があります。
(ヌ) 借地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権(土地の賃借権及び地上権)と借地権が設定された地上の建物に投資することがありますが、このような物件は、土地建物とともに所有する場合に比べ、特有のリスクがあります。
まず、借地権は、土地の賃借権の場合も地上権の場合も、永久に存続するものではなく、定期借地権の場合は期限の到来により、正当事由の有無にかかわらず、当然に消滅し、普通借地権の場合であっても借地権設定者側に正当な事由がある場合には更新を拒絶され、又は借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により終了することもあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権が確保されている場合を除き、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。仮に、建物買取請求が認められても本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
さらに、敷地が売却され、又は抵当権の実行により処分されることがありますが、この場合に、本投資法人が借地権について民法、建物保護ニ関スル法律(明治42年法律第40号。その後の改正を含みます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)等の法令に従い対抗要件を具備しておらず、又は競売等が借地権に先立ち対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合、本投資法人は、譲受人又は買受人に自己の借地権を主張できないこととなります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が速やかに得られる保証はなく、また、得られたとしても承諾料の支払いを要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期及び条件で建物を処分することができないおそれがあります。
また、本投資法人が借地権を取得するに際して保証金を支払うこともあり得ますが、借地を明け渡す際に、敷地所有者の資力が保証金返還に足りないときは、保証金の全部又は一部の返還を受けられないおそれがあります。
(ル) 底地物件に関するリスク
本投資法人は、底地を取得することがありますが、底地物件については、以下に記載するような特有のリスクがあります。
まず、借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶し、かつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由があるときに限り消滅しますが、借地権が消滅する場合、本投資法人は、借地権者より時価での建物の買取りを請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)第4条)。普通借地権の場合、借地契約の期限の到来時に更新拒絶につき、上記の正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物の買取りを請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下となる保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は破産手続、会社更生手続、民事再生手続その他の倒産手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の地代等の支払いが滞る可能性があり、この延滞地代等の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超えるときは、投資主に損害を与える可能性があります。借地契約では、多くの場合、地代等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。地代の改定により地代等が減額された場合、投資主に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づき土地の地代等の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる地代等収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
(ヲ) 開発物件に関するリスク
本投資法人は、原則として開発中の不動産への投資を行うことは予定していません。ただし、建物竣工後の取得を条件に不動産関連資産の取得のための契約を締結した上で、投資することがあります。建築中の不動産については、既に完成した物件を取得する場合に比べて、以下に例示するような固有のリスクが加わります。
a.開発途中において、地中障害物、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見されることがあり、これらが開発の遅延、変更又は中止の原因となる可能性。
b.工事請負業者の倒産又は請負契約の不履行により、開発が遅延、変更又は中止される可能性。
c.開発コストが当初の計画を大きく上回る可能性。
d.天変地異により開発が遅延、変更又は中止される可能性。
e.行政上の許認可手続により開発が遅延、変更又は中止される可能性。
f.開発過程において事故が生じる可能性。
g.その他予期せぬ事情により開発の遅延、変更又は中止が必要となる可能性。
これらの結果、開発物件からの収益等が予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、予定されていない費用、損害又は損失を本投資法人が被る可能性があります。また、竣工直後は稼働率が通常低く、稼働率を上げるのに予想以上の時間がかかることもあります。このため本投資法人の収益等が重大な悪影響を受ける可能性があります。
(ワ) 鑑定評価額に関するリスク
不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士の判断や意見を示したものにとどまります。同一物件について鑑定評価を行った場合でも、個々の不動産鑑定士によって、その適用する評価方法又は調査の方法若しくは時期、収集した資料等の範囲等によって鑑定評価額が異なる可能性があります。また、かかる鑑定の結果が現在及び将来において当該鑑定評価額による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても鑑定評価額をもって売却されるとは限りません。
(カ) わが国における賃貸借契約に関するリスク
わが国における賃貸用住居その他の賃貸借契約では、契約期間を2年とし、その後別段の意思表示がない限り自動的に更新されるとするものが多く見られます。しかし、契約期間が満了する際、常に契約が更新されるとの保証はありません。また、契約期間の定めにかかわらず、テナントが一定期間前の通知を行うことにより契約を解約できることとされている場合が多く見受けられます。賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合、すぐに新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。期間の定めのある賃貸借契約においてテナントに中途解約権を付与していない場合、テナントは、居住の有無にかかわらず、当該賃貸借契約の有効期間中は賃料を支払う義務を負担するのが原則ですが、契約が早期に解除され、テナントが退去した場合、残存期間全体についてのテナントに対する賃料請求が認められない場合もあります。
なお、賃貸人からの賃貸借契約の更新拒絶及び解除は、正当事由の存在が認められる場合を除いて困難であることが多いのが実情です。
定期賃貸借契約においては、テナントの賃料減額請求権を契約で排除することが可能ですが、定期賃貸借契約において契約期間中は賃料改定を行わない約束がなされた場合、一般的な賃料水準が上昇することにより、一般的な賃料水準に対する当該定期賃貸借契約の賃料が相対的に低下する可能性があります。
高級賃貸用住宅は、相対的に需要(入居者)が限定されていて市場が小さく、このような住居が他から新規供給された場合、市場への影響が少なくないことがあります。加えて、既存テナントが退去した場合、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下する場合もあり、時として代替テナント確保のために賃料水準を下げることもあります。また、このような高級賃貸用住宅は、経済状況等によっても需要が大きく減少し、そのために不動産の稼働率が大きく低下したり、代替テナント確保のために賃料水準の引下げを余儀なくされたりする可能性があり、そのような場合にも、賃料収入が大きな影響を受ける可能性もあります。
(ヨ) マスターリースに関するリスク
本投資法人の保有する不動産又は信託不動産においては、賃借人(サブリース会社)が当該不動産の所有者である本投資法人又は信託不動産の所有者である信託受託者との間でマスターリース契約を締結して建物を一括して貸借するとともに賃貸管理業務を受託し、その上で各貸室を第三者に対して転貸する、いわゆるサブリースの運用形態をとっているものが多くあります。サブリース会社の財務状態が悪化した場合、サブリース会社の債権者がサブリース会社のエンドテナントに対する賃料債権を差し押さえる等により、サブリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があるほか、賃貸管理その他サブリース会社としての機能に支障をきたして不動産又は信託不動産の稼働率が低下する可能性があり、本投資法人の収入が減少するおそれがあります。
(タ) 賃料の減額に関するリスク
不動産関連資産のテナントが支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、賃貸人と賃借人(テナント)の合意により減額される可能性があります。さらに、テナントが賃貸人に対し、借地借家法第32条(又は借家法(大正10年法律第50号。その後の改正を含みます。)第7条)に基づく賃料減額請求権を行使する可能性もあります。また、不動産関連資産と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記のように通常の建物賃貸借においてはテナントからの賃料減額請求権を特約で排除することはできませんが、定期建物賃貸借においては、賃料減額請求権を特約により排除することも可能です。もっとも、定期建物賃貸借契約においてテナントが契約期間の定めにかかわらず早期解約した場合、契約上の当然の権利として又は違約金条項に基づく権利として、残期間の賃料全てについて必ずテナントに対して請求できるかどうかは、未だ事例の蓄積が乏しいため定かでありません。特に、残期間の途中で新たなテナントが見つかり、賃料収入が得られることとなった場合には、その効力が制限される可能性があります。なお、そもそも契約上、違約金の額が一定期間の賃料に対応する分だけに限られている場合もあり得ます。また、賃貸人にとって、定期建物賃貸借契約には、通常の賃貸借契約に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては一般的な賃料水準が上昇する場合でもそれに応じた賃料収入の増加を期待することができない等、不利益な面もあります。
なお、本投資法人が賃貸している不動産関連資産を賃借人が転貸している場合には、転貸条件が必ずしも賃貸条件と同一ではなく、何らかの理由で本投資法人が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、低額の賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。
(レ) テナントの支払能力に関するリスク
テナントが特に解約の意思を示さなくても、テナントの財務状況が悪化した場合又はテナントが破産手続、会社更生手続、民事再生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料の支払いが滞る可能性があります。このような延滞された賃料等(場合により原状回復費用その他の損害金を含みます。)の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超えると、賃料等が回収できないこととなり、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。特に、全賃料収入のうち特定のテナントからの賃料収入が占める割合が小さくない場合においては、当該テナントが賃料の支払能力を失った場合には、当該不動産の賃料収入に与える影響が大きくなります。
また、賃貸人が賃貸借契約上の債務の履行を怠った場合には、テナントは賃料不払をもってこれに対抗することができるため、テナントが賃貸人側の何らかの落ち度を理由に意図的な賃料不払をもって対抗する可能性もあり、その場合には当該不動産から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。本投資法人では、かかるリスクを低減するために、テナント信用力を勘案したテナント選定及び賃料支払状況等の管理体制の整備を行い、また、投資対象の適切な分散を図りますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ソ) 賃料保証会社に関するリスク
本投資法人は、保有物件の一部のエンドテナントについて賃料保証会社の滞納賃料保証システムを導入しています。当該保証システムは、マスターリース会社、エンドテナント及びエンドテナントの賃料債務等に係る保証人たる賃料保証会社の第三者間の保証契約に基づくものであり、当該保証契約上、エンドテナントにおいて賃料の滞納が発生した場合、マスターリース会社が賃料保証会社に代位弁済を請求することが可能ですが、賃料保証会社が破産その他の法的倒産手続等に入った場合、マスターリース会社が同社から当該代位弁済の履行を受けることができなくなる可能性や、エンドテナントが賃料相当額を賃料保証会社に支払っている場合には、その回収が困難となる可能性があります。また、賃料保証会社の滞納賃料保証システムに加えて、賃料保証会社にエンドテナントから収納代行を委託している場合は、賃料保証会社が破産その他の法的倒産手続等に入った場合、賃料保証会社によって回収済みの賃料を回収することができなくなる可能性があります。このように、賃料保証会社からの回収が不可能又は困難となった結果、当該物件の収益ひいては本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ツ) 不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、不動産関連資産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
(ネ) 入居者の建物使用態様に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、入居者による建物への変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、入居者による転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の関与なしに行われる可能性があります。その他、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団の入居や、入居者による風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)に定める風俗営業の開始等入居者の建物使用態様により不動産関連資産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(ナ) 不動産の毀損等に関するリスク
不動産関連資産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となることがあります。かかる修繕に多額の費用を要する場合があり、また、修繕工事の内容やその実施の仕方によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの館内移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少し又は少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難若しくは不可能な場合には、将来的に不動産関連資産から得られる賃料収入等が減少するおそれがあります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ラ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、暴風雨、洪水、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、電気的事故、機械的事故、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により、不動産関連資産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅、減少する可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した箇所を修復するため一定期間建物が不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。また、これらの災害等によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
ただし、本投資法人は、災害等による損害を補填する火災保険や賠償責任保険等を付保する方針です。しかし、不動産関連資産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害等(例えば、故意によるもの、戦争やテロ行為等に基づくものは必ずしも全て保険でカバーされるものとは限りません。)が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず若しくは遅れる可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
本投資法人の付保に関する方針の概要については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/⑥ポートフォリオ運用管理方針」をご参照ください。
(ム) 不動産に係る所有者責任に関するリスク
本投資法人の不動産関連資産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体又は財産その他法律上保護に値する利益を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、占有者に過失がない場合は無過失責任を負うこととされています(民法第717条第1項ただし書)。
不動産関連資産に関しては、施設賠償責任保険等の適切な保険を付保する予定です。しかし、不動産関連資産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず若しくは遅れる可能性は否定できません。
(ウ) 有害物質に係るリスク
不動産関連資産として取得した土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている場合、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、不動産関連資産として取得した建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されているか、若しくは使用されている可能性がある場合、又はPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、不動産関連資産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(ヰ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、売主が不動産関連資産を売却した後に売主が倒産手続に入った場合、当該不動産関連資産の売買又は売買についての対抗要件具備が当該売主の管財人により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産関連資産を売却した場合、当該不動産関連資産の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取り消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格づけることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人乃至財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が、破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては深刻な問題となり得ます。
(ノ) 運用資産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用資産を売却した場合に、当該運用資産に物的又は法律的な瑕疵若しくは契約内容との不適合があるために、法律の規定に従い、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負う可能性があります。特に、本投資法人は、宅建業法上のみなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を排除することが原則としてできません。
また、法律の規定以外にも、売買契約上の規定に従い、運用資産の性状その他に関する表明保証責任や旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負う可能性があります。
これらの法律上又は契約上の表明保証責任や旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負う場合には、買主から売買契約を解除され、又は買主が被った損害の賠償をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、賃貸中の運用資産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれに倣うのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予定外の出費を強いられる場合があり得ます。
(オ) 専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物状況調査報告書等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞き取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものでありますが、専門業者から提供されるこれらの諸資料の内容とその精度には限界があり、提供される資料の内容、依頼を受けた専門家の能力、売主やその前所有者やテナントの協力の程度、調査が可能な書面等の範囲及び時間的な制約等から、不動産に欠陥、瑕疵又は契約内容との不適合等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出される予想損失率も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。予想損失率は、予想損失額の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる場合があります。
(4)不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ) 信託受益者として負うリスク
信託受益者とは受益権を有する者をいい(信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)第2条第6項。なお、以下、平成19年9月30日施行の同法を「新信託法」といい、新信託法施行前の信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正を含みません。)を「旧信託法」といい、信託契約に別段の定めがない限り、平成19年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条)。)、信託契約等の信託行為に基づいて信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権等を有します。また、不動産信託においては、信託の清算の際の残余財産受益者等として、残余財産の給付を内容とする債権の受益者や、残余財産の帰属すべき者として指定されることが通常です。
旧信託法の下では、信託受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に受益者が負担することになっています(旧信託法第36条第2項、第37条等)。すなわち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益権に帰属することになります。したがって、本投資法人が不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンスを実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要がありますし、一旦不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
新信託法の下では、旧信託法第36条第2項が廃止され、法律上の義務として信託受益者がこのような責任を負うことはなくなりましたが、信託受益者と信託受託者の間で信託費用等に関し別途の合意をすることは許容されており(新信託法第48条第5項、第54条第4項等)、信託契約において信託費用等を受益者が負担する旨の合意がなされるのが一般的となっています。かかる合意がなされた場合には同様に本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ロ) 信託受益権の流動性に係るリスク
本投資法人が不動産の信託受益権を保有運用資産とする場合、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また、信託受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されることがあります。さらに、譲渡する信託受益権については金商法上の有価証券とみなされますが、譲渡に際しては、原則として、債権譲渡と同様の譲渡方法によることになること(新信託法第94条)、及び不動産の信託受益権は取引所金融商品市場等において取引がなされていないこと等により、株券や社債券のような典型的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低いというリスクが存在します。また、信託受託者は原則として旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負って信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
(ハ) 信託受託者に係るリスク
a.信託受託者の破産・会社更生等に係るリスク
旧信託法上、受託者が破産手続開始の決定を受け又は会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合に、信託財産が破産財団又は更生会社の財産その他受託者の固有財産に属するか否かに関しては明文の規定はないものの、旧信託法の諸規定、とりわけ信託財産の独立性という観点から、登記等の対抗要件を具備している限り、信託財産が信託受託者の破産財団又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に帰属するリスクは極めて低いと考えられていました。信託受託者が破産した場合、旧信託法第42条第1項に基づき信託受託者の任務は終了し、旧信託法第50条に基づき信託財産の名義人でもなくなることから、信託財産は破産財団に属さないと説明する向きもありました(破産法第34条第1項)。また、旧信託法第16条によれば、信託財産に対する信託受託者自身の債権者による差押は禁止されており、信託財産は受託者の債権者との関係では信託受託者自身の債務の引当財産にならないと考えられ、信託財産は管財人等による取戻しリスクにさらされないものと考えられていました。
新信託法においては、信託財産は信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。
ただし、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託の公示(信託の登記)をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、この信託の公示(信託の登記)がなされるものに限り本投資法人は取得する予定です。しかしながら、必ずこのような取扱いがなされるとの保証はありません。
b.信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を財産とする本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。また、受託者が、その権限に属しない行為又は信託財産に属する財産を固有財産に帰属させる等の利益相反行為を行うことにより、本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めており(旧信託法第31条本文)、また、新信託法は、受託者の権限違反行為や利益相反行為の取消権を受益者に認めていますが(新信託法第27条第1項及び第2項、第31条第6項及び第7項)、一定の場合には取消権が認められない等、本投資法人は、常にかかる権利の行使により損害を免れることができるとは限りません。
信託受益権を取得するに際しては、十分なデュー・ディリジェンスを実施し、①信託契約上、当該信託の目的が受益者の利益のためにのみ行われていることが明確にされていること、②信託財産の処分や信託財産に属する金銭の運用等についても、厳しい制約を課されていることが満たされている信託の受益権のみ投資対象とすることで、信託財産が勝手に処分されたり、信託財産が新たに債務を負担して、その結果として本投資法人が不利益を被る可能性は回避されると考えられますが、常にそのようなことを回避できるとの保証はありません。
(5)税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a.会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、2015年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになりましたが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b.資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c.借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d.投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本規約において、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とすること(本規約第28条第5項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有若しくは売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
(6)その他のリスク
(イ) 減損会計の適用に関するリスク
「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、「減損会計」の適用により、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ) 取得予定資産の取得を実行することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合、その他相手方の事情等により停止条件付受益権売買契約において定められた停止条件又は前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得を検討しますが、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、手元資金を有利に運用することができないときには、投資主に損害を与える可能性があります。
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人は、本規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や、当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については、契約上譲渡が制限されていることがあり、又は確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(ニ) 本資産運用会社が複数の投資法人を受託していることに関するリスク
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務を受託するのに加え、アクティビア・プロパティーズ投資法人及びブローディア・プライベート投資法人の資産運用業務を受託しています。
本資産運用会社は、複数の投資法人の資産運用業務を受託することによって、本投資法人、アクティビア・プロパティーズ投資法人及びブローディア・プライベート投資法人間の資産運用においても利益相反が生じる可能性があります。このうち、アクティビア・プロパティーズ投資法人は商業施設及びオフィスを主たる投資対象としていることから、本投資法人との間では物件取得機会の競合は生じない見込みですが、本投資法人とブローディア・プライベート投資法人との間では賃貸住宅及び運営型賃貸住宅で、それぞれ物件取得機会の競合が生じる可能性があります。
本資産運用会社は、かかる利益相反を防止するため「物件情報優先規程」を制定し、本資産運用会社が運用する各投資法人間における利益相反を防止する体制を整備していますが、かかる利益相反防止体制が、適正に機能する保証はなく、その結果、本投資法人が最適と考える資産のポートフォリオを構築できないおそれがあります。また、本資産運用会社によるアクティビア・プロパティーズ投資法人及びブローディア・プライベート投資法人に係る資産運用業務における法令違反等が発見された場合、規制当局から行政処分を受けること等により、本投資法人の資産運用業務に支障が生じるとのおそれは否定できません。
(ホ) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合には、テナントの業績悪化や信用力の低下等を理由として、テナントから賃料減額請求を受けたりテナントによる賃料支払が滞ったりする可能性があるほか、テナント退去に伴う空室リスクが顕在化する可能性があります。
また、テレワークを活用した業務形態を一部採用していますが、業務の中にはこれに適さないものも多く存在し、本資産運用会社の業務が滞り、結果として、本投資法人の資産運用に悪影響が及ぶ可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の流行の収束時期は依然として不透明であり、最終的な影響については予測し難いことから、前述の悪影響以外のリスクが顕在化する可能性もあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)投資リスクに対する管理体制
本投資法人は、上記に記載した各々のリスクに関し、本投資法人自らが投信法及び関連法規に定められた規制を遵守するとともに、本資産運用会社においては適切な社内規程の整備を行い、併せて必要な組織体制を敷き、役職員等に対する遵法精神を高めるための教育等の対策を講じています。
具体的な取組みは、以下のとおりです。
① 本資産運用会社の体制
(イ)本資産運用会社は、本資産運用会社が策定し、本投資法人の役員会に報告される「運用ガイドライン」を遵守すること並びに本資産運用会社のコンプライアンス規程及びリスク管理規程に基づきコンプライアンス及びリスク管理を行います。
(ロ)本資産運用会社は、利害関係者と本投資法人との間の取引については、原則として、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会に付され取引に係る議案を審議するものとされています。また、本資産運用会社は、本投資法人の役員会の承認を得た上での本投資法人の同意を予め取得した上でなければ、本資産運用会社の利害関係者と本投資法人との間の取引を行うことはできません。さらには、利害関係取引に関する自主ルールを定めており、これを遵守することにより利益相反に係るリスク管理を行います。また、本資産運用会社は本投資法人以外に複数の投資法人の資産運用業務を受託しており、物件取得機会の競合が生じる可能性があることから、取得検討物件については、「物件情報優先規程」に則って優先検討順位を定める等して、各投資法人間における利益相反を防止することとします。
(ハ)本資産運用会社は、投資法人に係るインサイダー取引規制導入に十分な対応を図るための内部態勢の構築を念頭におき、内部者取引の未然防止についてのインサイダー取引防止規程を定め、役職員等のインサイダー取引(インサイダー類似取引も含まれます。)の防止に努めています。
(ニ)本資産運用会社は、投資委員会及びコンプライアンス委員会を設け、運用に係る年度計画や取得・売却に関する事項を審議することにより、異なる視点からリスク管理を行います。
(ホ)本資産運用会社は、コンプライアンスを統括するコンプライアンス部長が、法令遵守の状況を監視します。
(へ)本資産運用会社は、リスクを管理するため、コンプライアンス部をリスク管理部門とし、当社のリスクの所在及びリスクの種類を理解した上で、各運用部門の担当者に当該内容を理解・認識させるよう、適切な方策を講じるものとします。
(ト)本資産運用会社は、コンプライアンスに関する社内体制を整備し、法令等遵守上の問題の発生についての対応を講じています。また、コンプライアンス・マニュアルを作成し、コンプライアンス基本方針や役職員等の行動規範を定めるのみならず定期的にコンプライアンス研修を実施します。
(チ)本資産運用会社は、業務の適正性の確保と効率的運営を図るため、「内部監査規程」を制定し、適切な自己点検制度の確立を図っています。
② 本投資法人の体制
本投資法人は、少なくとも3ヶ月に1回以上役員会を開催し、適宜本資産運用会社の運用状況の報告を受けるほか、執行役員は適宜本資産運用会社の運用状況を聴取及び関係書類の閲覧・調査を実施し、本資産運用会社の管理・監督を行います。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに対する管理体制を整備していますが、このような体制が常に有効に機能する保証はありません。管理体制が有効に機能しないことによりリスクが顕在化した場合、本投資法人又は投資主に損失が生ずるおそれがあります。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口の分配金の額、本投資法人債の利息の未収が発生し若しくはその償還金額が減少し、又は本投資口又は本投資法人債の価値が下落する可能性があり、その結果、各投資家が損失を被る可能性があります。各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資口又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
(1)一般的なリスク
(イ) 投資口・投資証券の商品性に関するリスク
(ロ) 本投資口の払戻しがないことに関するリスク
(ハ) 本投資口・本投資法人債の市場性に関するリスク
(ニ) 本投資口の価格変動に関するリスク
(ホ) 投資口の希薄化に関するリスク
(ヘ) 金銭の分配に関するリスク
(ト) LTVに関するリスク
(チ) 投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
(リ) 本投資法人の登録が取り消されるリスク
(2)商品設計及び関係者に関するリスク
(イ) 収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(ロ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ハ) 東急不動産ホールディングスグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ニ) 本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(ホ) 本資産運用会社に関するリスク
(ヘ) プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
(ト) 役員の職務遂行に関するリスク
(チ) 本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(リ) インサイダー取引に関するリスク
(ヌ) 敷金・保証金の利用に関するリスク
(ル) 投資対象を主として住居用の不動産としていることによるリスク
(ヲ) 運営型賃貸住宅を投資対象とすることに関するリスク
(ワ) 投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
(カ) 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ヨ) 資産取得・売却に関するリスク
(タ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
(レ) シニア住宅に関するリスク
(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク
(イ) 不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(ロ) 物件取得の競争に関するリスク
(ハ) テナントの獲得競争に関するリスク
(ニ) 不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵及び契約不適合に関するリスク
(ホ) 土地の境界紛争等に関するリスク
(ヘ) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト) 法令等の変更に関するリスク
(チ) 区分所有物件に関するリスク
(リ) 共有物件に関するリスク
(ヌ) 借地物件に関するリスク
(ル) 底地物件に関するリスク
(ヲ) 開発物件に関するリスク
(ワ) 鑑定評価額に関するリスク
(カ) わが国における賃貸借契約に関するリスク
(ヨ) マスターリースに関するリスク
(タ) 賃料の減額に関するリスク
(レ) テナントの支払能力に関するリスク
(ソ) 賃料保証会社に関するリスク
(ツ) 不動産の運用費用の増加に関するリスク
(ネ) 入居者の建物使用態様に関するリスク
(ナ) 不動産の毀損等に関するリスク
(ラ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ム) 不動産に係る所有者責任に関するリスク
(ウ) 有害物質に係るリスク
(ヰ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ノ) 運用資産の売却に伴う責任に関するリスク
(オ) 専門家報告書等に関するリスク
(4)不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ) 信託受益者として負うリスク
(ロ) 信託受益権の流動性に係るリスク
(ハ) 信託受託者に係るリスク
(5)税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
(6)その他のリスク
(イ) 減損会計の適用に関するリスク
(ロ) 取得予定資産の取得を実行することができないリスク
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ニ) 本資産運用会社が複数の投資法人を受託していることに関するリスク
(ホ) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
本項に記載されている各リスク項目の内容は以下のとおりです。
(1)一般的なリスク
(イ) 投資口・投資証券の商品性に関するリスク
投資口又は投資証券は、株式会社における株式又は株券に類似する性質(いわゆるエクイティ証券としての性質)を持ち、投資金額の回収や利回りの如何は本投資法人の業績又は財産の状況に影響されるものであり、譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることができるとの保証はありません。また、本投資法人に係る通常の清算又は倒産手続の下における清算においては、エクイティ証券として最劣後の地位となり、元本すなわち投資額の全部又は一部の支払いが行われない可能性があります。投資口又は投資証券は、元本の保証が行われる商品ではなく、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象になっていません。
(ロ) 本投資口の払戻しがないことに関するリスク
本投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資口を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等及び投資法人による投資口の取得を除き、第三者に対する売却(取引市場を通じた売却を含みます。)に限られます。本投資口の第三者に対する売却が困難又は不可能となった場合、投資主は、本投資口を希望する時期及び条件で換価できないことになります。ただし、本投資法人は、投信法第80条第1項第1号及び本規約第5条第2項に基づき、投資主との合意により自己投資口を有償で取得することが可能です。
(ハ) 本投資口・本投資法人債の市場性に関するリスク
本投資口は、東京証券取引所不動産投資信託証券市場へ上場していますが、投資家の希望する時期と条件で取引できるとの保証や、常に買主が存在するとの保証はなく、譲渡価格を保証する第三者も存在しません。また、東京証券取引所が定める上場廃止基準に抵触する場合には本投資口の上場が廃止され、投資主は保有する本投資口を取引所外において相対で譲渡するほかに換金の手段はありません。これらにより、本投資口を低廉な価格で譲渡しなければならない場合や本投資口の譲渡ができなくなる場合があります。また、本投資法人が本投資法人債を発行した場合について、本投資法人債には、確立された取引市場が存在せず、買主の存在も譲渡価格も保証されていません。
(ニ) 本投資口の価格変動に関するリスク
本投資口の市場価格は、取引所における投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、戦争、テロ、伝染病の拡大(パンデミック)その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けます。新型コロナウイルス感染症に関するパンデミックは日本を含む世界経済に深刻な悪影響を与えるおそれがあります。また、近時では、ウクライナ危機に端を発した対ロシア経済制裁等を原因とする原油価格の高騰等を含む物価上昇による経済環境への各種の影響が生じているほか、米国等諸外国における政策金利の引き上げ等が株式市場や為替相場に影響を及ぼしており、これらの要因から、本投資口の市場価格にも悪影響が生じることがあります。
また、本投資法人は、不動産関連資産を主な投資対象としていますが、不動産関連資産の価格は、不動産市況、社会情勢等の影響を特に受け易いといえます。さらに、不動産の流動性は一般に低いので、望ましい時期及び価格で不動産を売却することができない可能性があり、そのために実際の売却時までに価格が下落する可能性等もあります。これらの要因により本投資法人の保有する資産の価値が下落すれば、本投資口の価値の下落をもたらす可能性があります。
その他、本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の投資法人が資産の運用を委託する資産運用会社に対して監督官庁等による行政処分や行政処分を求める勧告が行われた場合にも、本投資口の価値が下落することがあります。
(ホ) 投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを随時必要としています。かかる資金の手当てを目的として投資口を随時追加発行する場合があります。投資主は、その投資口保有比率に応じた投資口の割当を受ける権利及び義務を有するものではなく、投資口が追加発行された場合、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合は、当該追加発行において所要の口数を追加的に取得しない限り、希薄化することとなります。さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額(基準価額)等が影響を受けることがあります。
また、金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年法律第45号)による投信法の改正により、新投資口予約権の無償割当て(いわゆるライツ・オファリング)の制度が導入されました。本投資法人により、かかる新投資口予約権の無償割当てが行われる場合にも、(既存の投資主が割当てを受けた新投資口予約権を行使しない限り)希薄化が生じ、また、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額(基準価額)等が影響を受けることがあります。
(ヘ) 金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針/(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、如何なる場合においても保証されるものではありません。
(ト) LTVに関するリスク
本投資法人のLTVの上限は、本資産運用会社の運用ガイドラインにより60%としますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。LTVの値が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果、投資主への分配額が減少するおそれがあります。
(チ) 投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上、その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ) 本投資法人の登録が取り消されるリスク
本投資法人は、投信法の下で投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合、登録を取り消される可能性があります。その場合、本投資法人は解散すべきものとされ、清算手続に入ることになります。
(2)商品設計及び関係者に関するリスク
(イ) 収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として本投資法人が取得する不動産関連資産からの賃料収入に依存しています。不動産関連資産に係る賃料収入は、不動産関連資産の稼働率の低下、賃料水準の低下(賃料水準に関しては、後記「(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク/(カ)わが国における賃貸借契約に関するリスク及び(タ)賃料の減額に関するリスク」も併せてご参照ください。)、テナントによる賃料の支払債務の不履行・遅延等により、大きく減少する可能性があります。テナントの支払能力又は信用状態が入居後に悪化する可能性もあります。また、当該不動産関連資産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
本投資法人は、本資産運用会社を通じて、良質のテナントを確保すべく努力しますが、その目的が達成されるとは限りません。
また、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、多額の資本的支出(注)、未稼働の不動産関連資産の取得等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、投資主への分配金額に悪影響を及ぼす可能性があります。
賃料収入のほか、不動産関連資産の売却に伴い収入が発生する可能性がありますが、不動産関連資産の売却に伴う収入は、恒常的に発生するものではなく、本投資法人の運用方針や不動産市場の環境に左右されるものであって、安定的に得られる性質のものではありません。
他方、不動産関連資産に関する費用としては、減価償却費、不動産関連資産に関して課される公租公課、不動産関連資産に関して付保された保険の保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります(費用の増加リスクに関しては、後記「(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク/(ツ)不動産の運用費用の増加に関するリスク」も併せてご参照ください。)。
このように、不動産関連資産からの収入が減少する可能性がある一方で、不動産関連資産に関する費用が増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額の減少その他の悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)建物の修繕等において、固定資産(建物・設備等)の機能、価値を増加、又は耐用年数を伸長させるための支出をいいます。
(ロ) 投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に適格機関投資家からの借入れ及び投資法人債の発行による資金調達を行うことを予定しています。本投資法人は本規約において、その上限を、借入れについては1兆円、投資法人債(短期投資法人債を含みます。)については1兆円(ただし、合計して1兆円を超えないものとします。)としています。
投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、借入れ及び投資法人債の発行を行うことができるという保証はありません。
借入れ及び投資法人債の金利は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合、その後の市場動向にも左右されます。一般的に、市場金利が上昇傾向にある場合、本投資法人の利払額は増加します。
金利が上昇しても本投資法人の受け取る賃料収入等が連動して上昇するとは限らないため、分配可能金額は減少する可能性があります。税法上、利益配当の損金算入要件のうち、投資法人による借入金の借入先を租税特別措置法に規定する機関投資家に限定するという要件により、本投資法人が資金調達を行うに際して、借入先が限定され資金調達が機動的に行えない場合があります。追加の借入れを行おうとする際には、担保提供等の条件について制約が課され、本投資法人が希望する条件での借入れができなくなる可能性もあります。
また、本投資法人が借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、一定のLTV等を維持する義務を課し、LTV等が基準値より悪化した場合は、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、修繕費用や預り金等に対応した現金の積立てを強制される場合もあり、また、物件の取得に一定の制約が課され、規約等の変更が制限される場合もあります。このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらすほか、これらの制約により投資主への金銭の分配が制限され、利益配当等の損金算入要件を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。
借入れ又は投資法人債の発行において不動産関連資産に担保を設定した場合(当初は無担保の借入れ又は投資法人債であっても、一定の条件の下に担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された不動産関連資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない、又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により不動産関連資産の評価額が借入先によって引き下げられた場合、又は他の借入れを行う場合等、一定の条件の下に不動産関連資産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、不動産関連資産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先より借入金の早期返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなることや、借入先より不動産関連資産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件で不動産関連資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借換えや不動産関連資産の売却等によって借入金の期限前返済を行う場合には、違約金等の返済又は償還コストがその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動が投資主に損害を与える可能性もあります。
さらに、本投資法人が返済期の到来した借入れ又は投資法人債の借換えを行うことができないことにより、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、不動産関連資産を処分しなければ借入れ及び投資法人債の返済ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で不動産関連資産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人が借入れ又は投資法人債について債務不履行となった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押等の保全処分や差押等の強制執行が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産等の倒産手続の申立てが行われる可能性があります。
(ハ) 東急不動産ホールディングスグループへの依存、利益相反に関するリスク
東急不動産は、本書の日付現在、本資産運用会社の全株式を保有しており、本資産運用会社の常勤役員や多数の従業員の出向元でもあります。また、本資産運用会社は、本投資法人の運用に関して、東急不動産とスポンサーサポート契約を締結しています。さらに、本資産運用会社は、本投資法人の運用に関して、サポート会社7社(東急リバブル株式会社、株式会社東急コミュニティー、東急住宅リース株式会社、株式会社学生情報センター、株式会社東急イーライフデザイン、株式会社イーウェル及び株式会社東急スポーツオアシス)それぞれとサポート契約を締結しています(これらのスポンサーサポート契約及びサポート契約の概要については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/②外部成長戦略/B.東急不動産とのスポンサーサポート契約及び東急不動産ホールディングスグループの情報力・情報ネットワークの活用」をご参照ください。)。
また、本投資法人は、不動産開発供給機能、不動産情報提供機能、賃貸住宅運営管理機能、シニア住宅運営機能、コンストラクション機能、アセット・マネジメント、ファンド・マネジメント機能に代表される東急不動産ホールディングスグループの有する特徴を利用して、本投資法人の外部成長及び内部成長の達成を目指します(詳細は、前記「2 投資方針/(1)投資方針/①基本方針/B.東急不動産ホールディングスグループの活用」をご参照ください。)。
すなわち、本投資法人及び本資産運用会社は、東急不動産ホールディングスグループと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する影響は相当程度高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社が東急不動産ホールディングスグループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、上記のスポンサーサポート契約及びサポート契約の有効期間は契約締結日から3年間とされ、自動更新されることとなっていますが、契約の更新がなされない場合や、契約が解除される場合、その他契約終了事由が発生した場合、東急不動産ホールディングスグループからサポートの提供を受けられなくなるおそれがあります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、東急不動産ホールディングスグループ又は東急不動産ホールディングスグループが運用するファンドとの間で取引を行う場合や、物件を共同して運用・維持する場合、東急不動産ホールディングスグループ又は東急不動産ホールディングスグループが運用するファンドの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(ニ) 本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できるとの保証はありません。本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金商法又は投信法上の善管注意義務及び忠実義務を負っていますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託が必須のものとされているため、委託契約が解約又は解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。しかし、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社が、破産等により金商法における登録又は業務遂行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社への委託が必要となり、上記と同様のリスクがあります。
(ホ) 本資産運用会社に関するリスク
本投資法人が適切な不動産関連資産を確保するためには、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、本資産運用会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が常に維持されるとの保証はありません。
本投資法人は、投資主総会の承認を得て本資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約することができます。また、本投資法人は、投信法及び資産運用業務委託契約の規定に基づいて、本資産運用会社が職務上の義務に違反した場合その他一定の場合に本資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約又は解除することができるほか、本資産運用会社が金商法上の金融商品取引業者でなくなったときその他一定の場合には本資産運用会社との資産運用業務委託契約を解約又は解除しなければならないとされています。本資産運用会社との資産運用業務委託契約が解約又は解除された場合、本資産運用会社との資産運用業務委託契約においては一定の手当てがなされていますが、一般的には上記(ニ)に記載のリスクがあてはまります。また、資産運用会社の変更は、本投資法人の借入金債務及び投資法人債の期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(ヘ) プロパティ・マネジメント会社に関するリスク
不動産関連資産に関しては、プロパティ・マネジメント会社が選定され、当該関連する不動産関連資産につきPM業務を行います。
一般に、建物の保守管理を含めたPM業務全般の成否は、管理会社の能力、経験、ノウハウによるところが大きく、不動産関連資産の管理については、管理を委託するプロパティ・マネジメント会社の業務遂行能力に強く依拠することになりますが、プロパティ・マネジメント会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。特に、本資産運用会社はPM業務を東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループに原則として委託する方針であるため、本投資法人の資産管理は東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループの業務遂行能力に強く依拠しています。よって、プロパティ・マネジメント会社、特に東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループの業務遂行が円滑になされない場合又は業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、プロパティ・マネジメント会社として選定された東急住宅リース株式会社を中心とした東急不動産ホールディングスグループが、複数の不動産に関して、他の顧客(他の不動産投資法人を含みます。)から本投資法人の不動産関連資産に係るPM業務と類似又は同様の業務を受託し、その結果、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。さらに、プロパティ・マネジメント会社が、破産及びその他の法的倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、投資主への金銭の分配に影響を与える可能性があります。
(ト) 役員の職務遂行に関するリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善管注意義務を負い、また、忠実義務を負っています。本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行った場合、結果として投資主が損害を受ける可能性があります(なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構」をご参照ください。)。
(チ) 本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金商法上、本資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ、本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務づけられているほか(金商法第42条)、本投資法人の利益を害することを内容とした運用を行うこと等が明示的に禁止されています(金商法第42条の2)。
また、本資産運用会社は、本投資法人に対し善管注意義務と忠実義務を負いますが、さらに運用ガイドラインに基づく自主的なルールも定めています(詳細については、前記「1 投資法人の概況/(4)投資法人の機構」及び後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご参照ください。)。
しかしながら、本資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にもかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定を行う可能性を否定できません。
本資産運用会社の大株主は本資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、かかる大株主は、自ら不動産投資、運用業務を行っており又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行っており又は将来行う可能性があります。そのため、第一に、本資産運用会社が、かかる大株主に有利な条件で、本投資法人に係る資産を取得させることにより、かかる大株主の利益を図るおそれがあり、第二に、本投資法人とかかる大株主が特定の資産の取得若しくは処分又は特定の資産の賃貸借若しくは管理委託に関して競合する場合、本資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、かかる大株主又はその顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなるおそれがあります。
金商法及び投信法では、損害が生じた場合に資産運用会社の責任を追及できるよう、資産運用会社や投資法人の帳簿等が公正な手続で作成され、証拠として蓄積されるような体制を充実させています。さらに、本資産運用会社は、特定資産の価格等の調査を一定の専門家に行わせることで、価格の公正さを確保し、投資判断の決定プロセス等に客観性・公明性を持たせる体制をとっています。
しかし、本資産運用会社が上記の行為準則に反したり、法定の措置を適正にとらない場合には、投資主に損害が発生する可能性があります。
(リ) インサイダー取引に関するリスク
本投資法人の役員、本資産運用会社の役職員その他投資法人又は資産運用会社との間で一定の関係を有する者が重要事実を知り、その公表前に本投資口の売買等を行った場合等には、金商法上インサイダー取引規制に抵触します。
また、本資産運用会社は内部者取引の未然防止についてのインサイダー取引防止規程を定め、役職員等のインサイダー取引(インサイダー類似取引も含まれます。)の防止に努めています。こうした措置にもかかわらず、本資産運用会社の役職員並びに本投資法人の役員が金商法及び上記のインサイダー取引防止規程に違反する事態が生じた場合、取引市場における本投資口に対する投資家の信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらす可能性があります。なお、上場投資口については、上場株式同様、大量保有報告書制度の対象となっています。
(ヌ) 敷金・保証金の利用に関するリスク
本投資法人は、不動産等資産(不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権をいいます。以下同じです。)の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を投資資金として利用する場合があります。しかし、そのような場合に、賃貸借契約の中途解約により想定外の時期に予想外の金額の敷金又は保証金の返還義務が生じることにより、本投資法人は、敷金又は保証金の返還資金をそれらよりも調達コストの高い借入れ等により調達せざるを得なくなることもあります。また、賃貸借契約に伴い敷金又は保証金の一部が一定期間において償却される旨の合意がなされることがありますが、かかる償却部分の金額については当該期間の途中で契約が中途解約された場合には償却できない可能性があり、また、かかる金額の多寡によってはかかる合意そのものが無効とされる可能性があります。そのような場合にも、想定外の時期に予想外の金額の敷金又は保証金の返還義務が生じることがあります。さらに、敷金又は保証金の投資運用が失敗に終わり損失が生じる可能性もあります。その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ル) 投資対象を主として住居用の不動産としていることによるリスク
本投資法人は、主として住居の用に供されている不動産を投資対象としています。したがって、景気動向、人口動向等、賃貸住宅市場の状況を左右する要因如何によって、賃貸住宅のテナントが獲得できなかったり、テナントが賃料を約定どおり支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約又は更新せずに退去したり、賃料の減額請求を行ったりする可能性があります。また、本投資法人は賃貸住宅の将来における安定需要及び賃貸住宅による収益の将来的安定性を見込んでいますが、そのような見込みが現実化する保証はありません。
(ヲ) 運営型賃貸住宅を投資対象とすることに関するリスク
本投資法人は、運営型賃貸住宅にも投資をしますが、上記(ル)に記載のリスクの内容は、運営型賃貸住宅にも同様に該当します。また、運営型賃貸住宅においては、本投資法人は、原則として、運営型賃貸住宅に必要な運営能力及び信用力を有する専門のオペレーターに一括賃貸するか、運営を委託する方針ですが、当該オペレーターにおいて本投資法人の期待した運営がなされない場合、賃借人である当該オペレーターについて財務状況が悪化し若しくは破産その他の倒産手続が開始した場合、又は賃貸借契約の期間満了、途中解約若しくは解除等の場合、本投資法人は、当該居住用資産からの収益の全部又は一部を収受できず、又は回収できない可能性があります。これらの要因により、本投資法人の収益に重大な悪影響が生じる可能性があります。また、運営型賃貸住宅の運用においては、業務の特性上、プロパティ・マネジメント会社の代替性が小さいため、前記「(ヘ)プロパティ・マネジメント会社に関するリスク」に記載したリスクが他の類型の物件よりも大きくなる可能性があります。このほか、運営型賃貸住宅は、間取り、付帯施設、その立地、建築基準法による用途制限等の点で他の居住用資産とは異なる特性を有する場合があります。その結果、将来テナントが退去した際に他の類型の居住用資産への転用ができない、売却しようとした際に用途が限定されていることにより購入先が限られ処分ができない又は想定した価格で処分ができない等の可能性があります。
(ワ) 投資対象とする不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、その投資対象とする不動産が東京23区を中心とする東京圏に偏在する可能性があります。したがって、特に同圏域内の不動産が他の圏域の不動産と比較して悪影響を受けた場合(例えば、東京23区内における地震その他の災害による影響、稼働率の低下、賃料水準の下落等)、本投資法人の財務状況等に悪影響を与える可能性があります。
また、一般に、資産総額に占める個別の投資対象とする不動産の割合は、資産総額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、資産総額に占める割合が大きい不動産関連資産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
(カ) 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を得ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(ヨ) 資産取得・売却に関するリスク
本投資法人は、現に保有する運用資産及び当該資産のみを取得・保有することを目的として組成されたものではありません。本投資法人は、常に新たな資産取得に向けた市場調査と資産取得の提案及び売却情報の入手に努めており、今後、本書に記載された資産以外の新たな資産を取得し、又は売却する旨を決定する可能性があります。かかる資産取得又は売却の決定が、本書の提出から間もない時点で公表される場合もあり得ます。
また、資産取得又は売却に際し、実際に合意し適時開示を行った場合にも、内装工事や修繕、物件の特性、売主又は買主その他の関係権利者との協議の結果として、実際の引渡し・資産運用の開始までに一定期間を要することがあります。資産取得又は売却の合意から引渡しまでの間に、経済環境が著しく変動した場合等においては、当該資産を購入又は売却することができないおそれも否定できません。それらの結果、予定した収益を上げることが困難となるおそれがあります。
(タ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産等を取得するに当たり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産等の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(レ) シニア住宅に関するリスク
本投資法人は、シニア住宅にも投資をしますが、シニア住宅においては、高齢の入居者が多いことから、入居契約締結時における入居者の意思能力等に関するリスクは、他の物件よりも大きくなる可能性があります。
さらに、シニア住宅においては、敷金及び保証金に相当する入居一時金の額が他の居住用資産よりも大きくなる傾向があります。したがって、シニア住宅への投資比率の上昇に伴い、前記「(ヌ)敷金・保証金の利用に関するリスク」に記載したリスクが、より大きくなる可能性があります。なお、その前提として、入居契約及び入居一時金の法的性質が必ずしも明らかではないことから、本投資法人がシニア物件を取得する際に、本投資法人が、入居契約及び(これに随伴して)入居一時金の返還債務を承継したものとみなされるリスクもあります。
また、介護保険等に関する将来的な制度改正により、シニア物件のオペレーターの運営環境が影響を受け(その影響はオペレーターの介護保険料への収入依存度がより高ければより大きくなります。)、結果として本投資法人の賃料収入に波及するなどして物件の価値にも影響を及ぼす可能性があります。
(3)不動産関連資産-不動産に関するリスク
(イ) 不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、特に地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特性のほかに、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性もあります。これらの特性のために、不動産は、国債・長期預金等の金融商品等に比べ一般的に流動性が相対的に低い資産として理解されています。そして、それぞれの不動産の個別性が強いため、売買において一定の時間と費用を要しますし、その時間や費用の見積りが難しく、予想よりも多くの時間と費用が費やされ、その結果、不動産を取得又は売却できない可能性があり、さらに、不動産が共有物件又は区分所有物件である場合、土地と建物が別個の所有者に属する場合等、権利関係の態様が単純ではないことがあり、以上の流動性等に関するリスクが増幅されます。
経済環境や不動産需給関係の影響によっては、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件で取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性もあります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ) 物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、その規約において、不動産等資産を主たる投資対象として、中長期的な観点から、不動産等資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としています。しかしながら、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資は今後活発化する可能性があり、その場合、物件取得の競争が激化し、物件取得がそもそもできず又は投資採算の観点から希望した価格での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。その結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ハ) テナントの獲得競争に関するリスク
通常、不動産関連資産は、他の不動産とのテナント獲得競争にさらされているため、競合する不動産の新築、リニューアル等の競争条件の変化や、競合不動産の募集賃料水準の引下げ等により、賃料引下げや稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益が悪化する場合があります。特に、立地条件や建物仕様等の点で本投資法人の不動産関連資産に優る競合不動産がある場合、その傾向は顕著になるものと予想されます。
(ニ) 不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵及び契約不適合責任に関するリスク
本投資法人の投資対象となる不動産及びその信託受益権等の不動産関連資産に瑕疵(地盤若しくは地質の欠陥、土地の境界の未確定、越境物、被越境物の存在、土地又は建物の面積の不足、建物の構造、材質等に関する欠陥、賃貸借契約の不備、その他の物理的な欠陥及び土地又は建物の完全な所有権の不存在、用益物権又は担保権による制限、その他の法律上の欠陥をいいます。なお、工事における施工の不具合及び施工報告書の施工データの転用・加筆等、免振装置、制振装置を含む建築資材の強度・機能等の不具合等を含みますが、これらに限りません。)が存在する場合又は不動産関連資産が不動産関連資産の売買等に関する契約の内容に適合しない場合、本投資法人に損害が発生する可能性があります(注)。そこで、本資産運用会社が投資対象となる不動産関連資産の選定・取得の判断を行うに当たっては、対象となる不動産関連資産について利害関係のない第三者の専門業者から建物状況評価報告書等を取得し、かつ、原則として当該不動産関連資産の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任(旧民法(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号。その後の改正を含みます。以下「民法改正法」といいます。)による改正前の民法を意味し、以下「旧民法」といいます。民法改正法による改正後の民法を単に「民法」といいます。)第570条、第566条等に定める瑕疵担保責任をいいます。)又は契約不適合責任(民法第562条、第570条等に定める契約不適合責任をいいます。)を負担させることとしています(ただし、特に特別目的会社から譲渡を受ける場合は、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負担させられないこともあります。)。しかし、建物状況評価報告書等の作成に係る専門業者の調査には、提供される資料の内容やその調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産関連資産に関する瑕疵又は不動産関連資産に関する契約の内容との適合性について完全に報告が行われているとは限りません。さらに、建物状況評価報告書等で指摘されなかった事項であっても、本投資法人が不動産関連資産を取得した後に瑕疵又は契約内容との不適合等の存在が判明する可能性があります。また、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、一般的に、建物の施工を受託した建築会社又はその下請け業者において、建物が適正に施工されていない可能性があり、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はありません。
また、不動産関連資産の売主の表明及び保証の内容が真実かつ正確であるとは限らず、本投資法人の取得後に瑕疵又は契約内容との不適合等の存在が判明する可能性がある一方、表明及び保証の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例です(なお、強制競売で購入した物件については、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任(目的物の種類又は品質に関する不適合に関する責任に限ります。)の追及はできません(旧民法第570条ただし書、民法第568条4項)。)。さらに、不動産関連資産の売主が表明及び保証を全く行わず、若しくは制限的にしか行わない場合、又は旧民法上の瑕疵担保責任若しくは民法上の契約不適合責任を全く負担せず、若しくは制限的にしか負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産関連資産を取得する可能性があります。
不動産関連資産に瑕疵又は契約内容との不適合等が存在する場合、その程度によっては、当該不動産関連資産の資産価値が減少する可能性があり、又は、これを防ぐために、買主である本投資法人が当該瑕疵又は契約内容との不適合等の補修、建替えその他に係る予定外の費用を負担せざるを得ない可能性があります。そして、これらに関し売主に対して表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や経済的に破綻した会社である等のためその資力が十分ではなかったり、解散等により存在しなくなっている等の事情により、責任追及に実効性がなく本投資法人に費用負担が発生するおそれがあります。本投資法人が特別目的会社から取得した不動産関連資産については、信託受益権の購入に係る信託受益権売買契約上、売主は、責任財産を限定してのみ旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負うことになる場合があります。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性や複雑性ゆえに種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は不動産関連資産を取得するに当たって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、当初より売主が所有権を取得し得なかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていることや第三者の権利を侵害していることが、本投資法人の取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合、前述した瑕疵又は契約内容との不適合等と同様、法律上又は契約上の旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任や表明保証責任を追及できることもありますが、そのような責任追及には実効性がないおそれもあります。
(注)原則として、2020年3月31日以前に締結された契約及び発生した債権については旧民法に基づく瑕疵担保責任の規定が適用され、2020年4月1日以降に締結された契約及び発生した債権については民法改正法による改正後の民法に基づく契約不適合責任の規定が適用されます。したがって、2020年3月31日までの売買契約を締結した不動産関連資産については2020年4月1日以降も旧民法の瑕疵担保責任の規定が適用されます。旧民法上の瑕疵担保責任は、買主が特定の不動産等を購入する場合、不動産等に隠れた瑕疵がある場合には、売主に対して契約の解除、損害賠償又は代金減額を請求することができるというものであり、民法上の契約不適合責任は、売買の目的物が特定物であるか否かにかかわらず、また、隠れた瑕疵か否かにかかわらず、引き渡された目的物の種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものがある場合には、売主に対して契約の解除、損害賠償、代金減額又は追完(目的物の修補、代替物の引渡、不足分の引渡による履行の追完をいいます。)を請求することができるというものです。瑕疵担保責任又は契約不適合責任の間には上記のほかいくつかの相違点が存在しますが、本投資法人の場合、不動産関連資産の売買に関する契約において、瑕疵担保責任及び契約不適合責任の内容について特約で修正し、かつ、別途、表明保証責任により売主が負担する責任の範囲を詳細に合意しますので旧民法の瑕疵担保責任の規定が適用されるのか民法の契約不適合責任の規定が適用されるのかによって有意的な違いが生じないことが多いところです。
(ホ) 土地の境界紛争等に関するリスク
不動産関連資産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できず、又は境界標の確認ができないまま、当該不動産関連資産を取得する事例が一般に少なからず見られ、本投資法人において今後取得する物件についてもその可能性は小さくありません。したがって、状況次第では、本投資法人が後日当該不動産関連資産を処分するときに事実上の障害が発生し、又は、境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、不動産関連資産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産関連資産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ヘ) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
不動産のうち建物は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準等を定める建築基準法の規制に服します。その建築時点(正確には建築確認取得時点)においては、建築基準法上及び関連法令上適格であった建物でも、その後の建築基準法等の改正に基づく規制の変更により、変更後の規制の下では不適格になることがあります。例えば、建築基準法は、耐震基準について昭和56年にいわゆる新耐震基準を採用し、それ以降に建築されるべき建物にはそれ以前とは異なる耐震基準が適用されています。
その他、不動産は、様々な規制の下にあり、国の法令のほか、各地方公共団体の条例や行政規則等による規制があることもあります。例えば、駐車場の付置義務、住宅の付置義務、福祉施設の付置義務等のほか、これらの義務に関連して、建物の新築・増築に際して地方公共団体等と協議する義務等を課されることがあります。また、道路指定により敷地面積・容積率が結果として減少することもあります。そして、これらの規制も、随時改正・変更されています。
法規制の変化によりかつて法令に適合していながら後日適合しなくなった建物を「既存不適格」と呼ぶことがあります。既存不適格の建物は、これを改築したり、建て替えたりしようとする際に、従前の建物と同等の建蔽率・容積率(注)・高度・設備等を維持できなくなり、追加の設備が必要とされ、又は建替自体が事実上困難となる可能性があります。このような場合には、不動産の資産価値や譲渡価格が下がり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
以上のほか、土地収用法や土地区画整理法のような私有地の収用・制限を定めた法律の改正等により、不動産の利用、用途、収用、再開発、区画整理等に規制が加えられ、又はその保有、管理、処分その他の権利関係等に制限が加えられることがあり、その結果、関連する費用等が増加し、又は不動産の価値が減殺される可能性があります。
(注)「建蔽率」とは、建築基準法第53条に定められる、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいい、用途地域等に応じて都市計画で定められる数値をいいます。なお、建蔽率は、敷地が街区の角にあることその他の要因により実際に適用される割合とは、異なる場合があります。「容積率」とは、建築基準法第52条により定められる、建築物の各階の床面積の合計の敷地面積に対する割合をいい、用途地域等に応じて都市計画で定められる数値をいいます。なお、容積率は、前面道路の幅員その他の要因により実際に適用される割合とは、異なる場合があります。また、「用途地域」とは、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)第8条第1項第1号に掲げられているものをいいます。地域内で建築(新築・増築・改築・移転)したり建物の用途を変更したりするような場合には、用途地域の種類によって一定の制限を受けることがあります。
(ト) 法令等の変更に関するリスク
消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)等その他不動産の建築・運営・管理に影響する関係法令や条例の改正等により、将来的には不動産関連資産の管理費用等が増加する可能性があります。また、建築基準法、都市計画法等の不動産に関する行政法規の改正等、新たな法令等の制定及びその改廃、又は、収用、再開発、区画整理等の事業により、不動産関連資産に関する権利が制限される可能性があります。さらに、環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、不動産関連資産について、大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務、所有者としての無過失責任等が課される可能性もあります。このように、法令又は条例の制定・改廃等が本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ) 区分所有物件に関するリスク
区分所有建物(注)とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(建物の躯体、エントランス部分等)から構成されます。不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません(区分所有法第31条)。なお、建替え決議等においてはさらに多数決の要件が加重されています。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。したがって、本投資法人が議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、区分所有規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
(注)一棟の建物であっても、構造上複数の部分に区分され、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に使用される場合には、各々の建物部分は分離してそれぞれ所有権の対象とすることができます。このような所有権のことを区分所有権といい、区分所有権を有する者のことを区分所有者、区分所有の対象となる建物全体を区分所有建物といいます。
(リ) 共有物件に関するリスク
不動産関連資産が第三者との間で共有されている場合、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができるとされているため(民法第249条第1項)、本投資法人が自己の持分を超える使用をした場合には、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対して自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負います(民法第249条第2項)。また、共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をする義務を負っているため、本投資法人がその義務に違反したときは、他の共有者に対して損害賠償責任を負い(民法第249条第3項)、結果として投資主が損害を受ける可能性があります。
また、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条第1項)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。反対に、共有物を使用する共有者があるときであっても、その者に特別の影響がある場合を除いてその者の承諾を得ることなく、持分の過半数によって共有物の使用方法を含めた管理に関する事項を決定することができることから(民法第252条第1項及び第3項)、本投資法人が持分の過半数を有しない状況下で共有不動産を使用している場合に、使用方法の変更によってその使用が妨げられるおそれがあります。さらに、共有物の管理者が選任されている場合において、共有者が共有物の管理に関する事項を決定したときには、共有物の管理者はこれに従ってその職務を行わなければならないものの、仮にこれに反して共有物の管理者が取引を行った場合に、かかる管理者の行為は共有者に対してその効力を生じませんが、取引相手方が善意であれば、かかる取引相手方には取引の無効を対抗することができないことになります(民法第252条の2第3項及び第4項)。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は共有物を希望する時期及び価格で売却できないおそれがあります。もっとも、共有者には共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条第1項本文)、これにより単独の処分又は使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合は、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まないときでも、他の共有者からの請求にも服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが(民法第256条第1項ただし書)、その場合であっても、合意の有効期間(同条により、5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、共有者が破産した場合又は共有者について会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(ただし、共有者は、破産手続、会社更生手続又は民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の償金を支払って取得することができます(破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)第48条)。)。共有不動産の分割がなされた場合、当該不動産に係る賃料収入等に大幅な変動が生じる可能性があるほか、現物分割又は価額償還の方法により分割がなされ、本投資法人が共有不動産の一部又は全部を取得する場合において、他の共有者が分割前にその共有持分に設定していた担保権に服することを余儀なくされる可能性もあります。
他方、共有持分については、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書乃至規約等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続の履践等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
共有不動産を賃貸に供する場合、賃貸人の賃料債権は不可分債権となり、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されています。したがって、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押さえられたり、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。
また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続の対象となる、又は、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、上記のような制約やリスクがあるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、単独所有の場合には存在しない減価要因が加わる可能性があります。
(ヌ) 借地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権(土地の賃借権及び地上権)と借地権が設定された地上の建物に投資することがありますが、このような物件は、土地建物とともに所有する場合に比べ、特有のリスクがあります。
まず、借地権は、土地の賃借権の場合も地上権の場合も、永久に存続するものではなく、定期借地権の場合は期限の到来により、正当事由の有無にかかわらず、当然に消滅し、普通借地権の場合であっても借地権設定者側に正当な事由がある場合には更新を拒絶され、又は借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により終了することもあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権が確保されている場合を除き、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。仮に、建物買取請求が認められても本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
さらに、敷地が売却され、又は抵当権の実行により処分されることがありますが、この場合に、本投資法人が借地権について民法、建物保護ニ関スル法律(明治42年法律第40号。その後の改正を含みます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)等の法令に従い対抗要件を具備しておらず、又は競売等が借地権に先立ち対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合、本投資法人は、譲受人又は買受人に自己の借地権を主張できないこととなります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が速やかに得られる保証はなく、また、得られたとしても承諾料の支払いを要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期及び条件で建物を処分することができないおそれがあります。
また、本投資法人が借地権を取得するに際して保証金を支払うこともあり得ますが、借地を明け渡す際に、敷地所有者の資力が保証金返還に足りないときは、保証金の全部又は一部の返還を受けられないおそれがあります。
(ル) 底地物件に関するリスク
本投資法人は、底地を取得することがありますが、底地物件については、以下に記載するような特有のリスクがあります。
まず、借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶し、かつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由があるときに限り消滅しますが、借地権が消滅する場合、本投資法人は、借地権者より時価での建物の買取りを請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)第4条)。普通借地権の場合、借地契約の期限の到来時に更新拒絶につき、上記の正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物の買取りを請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下となる保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は破産手続、会社更生手続、民事再生手続その他の倒産手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の地代等の支払いが滞る可能性があり、この延滞地代等の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超えるときは、投資主に損害を与える可能性があります。借地契約では、多くの場合、地代等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。地代の改定により地代等が減額された場合、投資主に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づき土地の地代等の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる地代等収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
(ヲ) 開発物件に関するリスク
本投資法人は、原則として開発中の不動産への投資を行うことは予定していません。ただし、建物竣工後の取得を条件に不動産関連資産の取得のための契約を締結した上で、投資することがあります。建築中の不動産については、既に完成した物件を取得する場合に比べて、以下に例示するような固有のリスクが加わります。
a.開発途中において、地中障害物、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見されることがあり、これらが開発の遅延、変更又は中止の原因となる可能性。
b.工事請負業者の倒産又は請負契約の不履行により、開発が遅延、変更又は中止される可能性。
c.開発コストが当初の計画を大きく上回る可能性。
d.天変地異により開発が遅延、変更又は中止される可能性。
e.行政上の許認可手続により開発が遅延、変更又は中止される可能性。
f.開発過程において事故が生じる可能性。
g.その他予期せぬ事情により開発の遅延、変更又は中止が必要となる可能性。
これらの結果、開発物件からの収益等が予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、予定されていない費用、損害又は損失を本投資法人が被る可能性があります。また、竣工直後は稼働率が通常低く、稼働率を上げるのに予想以上の時間がかかることもあります。このため本投資法人の収益等が重大な悪影響を受ける可能性があります。
(ワ) 鑑定評価額に関するリスク
不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士の判断や意見を示したものにとどまります。同一物件について鑑定評価を行った場合でも、個々の不動産鑑定士によって、その適用する評価方法又は調査の方法若しくは時期、収集した資料等の範囲等によって鑑定評価額が異なる可能性があります。また、かかる鑑定の結果が現在及び将来において当該鑑定評価額による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても鑑定評価額をもって売却されるとは限りません。
(カ) わが国における賃貸借契約に関するリスク
わが国における賃貸用住居その他の賃貸借契約では、契約期間を2年とし、その後別段の意思表示がない限り自動的に更新されるとするものが多く見られます。しかし、契約期間が満了する際、常に契約が更新されるとの保証はありません。また、契約期間の定めにかかわらず、テナントが一定期間前の通知を行うことにより契約を解約できることとされている場合が多く見受けられます。賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合、すぐに新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。期間の定めのある賃貸借契約においてテナントに中途解約権を付与していない場合、テナントは、居住の有無にかかわらず、当該賃貸借契約の有効期間中は賃料を支払う義務を負担するのが原則ですが、契約が早期に解除され、テナントが退去した場合、残存期間全体についてのテナントに対する賃料請求が認められない場合もあります。
なお、賃貸人からの賃貸借契約の更新拒絶及び解除は、正当事由の存在が認められる場合を除いて困難であることが多いのが実情です。
定期賃貸借契約においては、テナントの賃料減額請求権を契約で排除することが可能ですが、定期賃貸借契約において契約期間中は賃料改定を行わない約束がなされた場合、一般的な賃料水準が上昇することにより、一般的な賃料水準に対する当該定期賃貸借契約の賃料が相対的に低下する可能性があります。
高級賃貸用住宅は、相対的に需要(入居者)が限定されていて市場が小さく、このような住居が他から新規供給された場合、市場への影響が少なくないことがあります。加えて、既存テナントが退去した場合、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下する場合もあり、時として代替テナント確保のために賃料水準を下げることもあります。また、このような高級賃貸用住宅は、経済状況等によっても需要が大きく減少し、そのために不動産の稼働率が大きく低下したり、代替テナント確保のために賃料水準の引下げを余儀なくされたりする可能性があり、そのような場合にも、賃料収入が大きな影響を受ける可能性もあります。
(ヨ) マスターリースに関するリスク
本投資法人の保有する不動産又は信託不動産においては、賃借人(サブリース会社)が当該不動産の所有者である本投資法人又は信託不動産の所有者である信託受託者との間でマスターリース契約を締結して建物を一括して貸借するとともに賃貸管理業務を受託し、その上で各貸室を第三者に対して転貸する、いわゆるサブリースの運用形態をとっているものが多くあります。サブリース会社の財務状態が悪化した場合、サブリース会社の債権者がサブリース会社のエンドテナントに対する賃料債権を差し押さえる等により、サブリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があるほか、賃貸管理その他サブリース会社としての機能に支障をきたして不動産又は信託不動産の稼働率が低下する可能性があり、本投資法人の収入が減少するおそれがあります。
(タ) 賃料の減額に関するリスク
不動産関連資産のテナントが支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、賃貸人と賃借人(テナント)の合意により減額される可能性があります。さらに、テナントが賃貸人に対し、借地借家法第32条(又は借家法(大正10年法律第50号。その後の改正を含みます。)第7条)に基づく賃料減額請求権を行使する可能性もあります。また、不動産関連資産と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記のように通常の建物賃貸借においてはテナントからの賃料減額請求権を特約で排除することはできませんが、定期建物賃貸借においては、賃料減額請求権を特約により排除することも可能です。もっとも、定期建物賃貸借契約においてテナントが契約期間の定めにかかわらず早期解約した場合、契約上の当然の権利として又は違約金条項に基づく権利として、残期間の賃料全てについて必ずテナントに対して請求できるかどうかは、未だ事例の蓄積が乏しいため定かでありません。特に、残期間の途中で新たなテナントが見つかり、賃料収入が得られることとなった場合には、その効力が制限される可能性があります。なお、そもそも契約上、違約金の額が一定期間の賃料に対応する分だけに限られている場合もあり得ます。また、賃貸人にとって、定期建物賃貸借契約には、通常の賃貸借契約に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては一般的な賃料水準が上昇する場合でもそれに応じた賃料収入の増加を期待することができない等、不利益な面もあります。
なお、本投資法人が賃貸している不動産関連資産を賃借人が転貸している場合には、転貸条件が必ずしも賃貸条件と同一ではなく、何らかの理由で本投資法人が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、低額の賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。
(レ) テナントの支払能力に関するリスク
テナントが特に解約の意思を示さなくても、テナントの財務状況が悪化した場合又はテナントが破産手続、会社更生手続、民事再生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料の支払いが滞る可能性があります。このような延滞された賃料等(場合により原状回復費用その他の損害金を含みます。)の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超えると、賃料等が回収できないこととなり、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。特に、全賃料収入のうち特定のテナントからの賃料収入が占める割合が小さくない場合においては、当該テナントが賃料の支払能力を失った場合には、当該不動産の賃料収入に与える影響が大きくなります。
また、賃貸人が賃貸借契約上の債務の履行を怠った場合には、テナントは賃料不払をもってこれに対抗することができるため、テナントが賃貸人側の何らかの落ち度を理由に意図的な賃料不払をもって対抗する可能性もあり、その場合には当該不動産から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。本投資法人では、かかるリスクを低減するために、テナント信用力を勘案したテナント選定及び賃料支払状況等の管理体制の整備を行い、また、投資対象の適切な分散を図りますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ソ) 賃料保証会社に関するリスク
本投資法人は、保有物件の一部のエンドテナントについて賃料保証会社の滞納賃料保証システムを導入しています。当該保証システムは、マスターリース会社、エンドテナント及びエンドテナントの賃料債務等に係る保証人たる賃料保証会社の第三者間の保証契約に基づくものであり、当該保証契約上、エンドテナントにおいて賃料の滞納が発生した場合、マスターリース会社が賃料保証会社に代位弁済を請求することが可能ですが、賃料保証会社が破産その他の法的倒産手続等に入った場合、マスターリース会社が同社から当該代位弁済の履行を受けることができなくなる可能性や、エンドテナントが賃料相当額を賃料保証会社に支払っている場合には、その回収が困難となる可能性があります。また、賃料保証会社の滞納賃料保証システムに加えて、賃料保証会社にエンドテナントから収納代行を委託している場合は、賃料保証会社が破産その他の法的倒産手続等に入った場合、賃料保証会社によって回収済みの賃料を回収することができなくなる可能性があります。このように、賃料保証会社からの回収が不可能又は困難となった結果、当該物件の収益ひいては本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ツ) 不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、不動産関連資産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
(ネ) 入居者の建物使用態様に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、入居者による建物への変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、入居者による転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の関与なしに行われる可能性があります。その他、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団の入居や、入居者による風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)に定める風俗営業の開始等入居者の建物使用態様により不動産関連資産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(ナ) 不動産の毀損等に関するリスク
不動産関連資産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となることがあります。かかる修繕に多額の費用を要する場合があり、また、修繕工事の内容やその実施の仕方によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの館内移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少し又は少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難若しくは不可能な場合には、将来的に不動産関連資産から得られる賃料収入等が減少するおそれがあります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ラ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、暴風雨、洪水、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、電気的事故、機械的事故、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により、不動産関連資産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅、減少する可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した箇所を修復するため一定期間建物が不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。また、これらの災害等によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
ただし、本投資法人は、災害等による損害を補填する火災保険や賠償責任保険等を付保する方針です。しかし、不動産関連資産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害等(例えば、故意によるもの、戦争やテロ行為等に基づくものは必ずしも全て保険でカバーされるものとは限りません。)が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず若しくは遅れる可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
本投資法人の付保に関する方針の概要については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/⑥ポートフォリオ運用管理方針」をご参照ください。
(ム) 不動産に係る所有者責任に関するリスク
本投資法人の不動産関連資産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体又は財産その他法律上保護に値する利益を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、占有者に過失がない場合は無過失責任を負うこととされています(民法第717条第1項ただし書)。
不動産関連資産に関しては、施設賠償責任保険等の適切な保険を付保する予定です。しかし、不動産関連資産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われず若しくは遅れる可能性は否定できません。
(ウ) 有害物質に係るリスク
不動産関連資産として取得した土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている場合、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、不動産関連資産として取得した建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されているか、若しくは使用されている可能性がある場合、又はPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、不動産関連資産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(ヰ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、売主が不動産関連資産を売却した後に売主が倒産手続に入った場合、当該不動産関連資産の売買又は売買についての対抗要件具備が当該売主の管財人により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産関連資産を売却した場合、当該不動産関連資産の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取り消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格づけることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人乃至財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が、破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては深刻な問題となり得ます。
(ノ) 運用資産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用資産を売却した場合に、当該運用資産に物的又は法律的な瑕疵若しくは契約内容との不適合があるために、法律の規定に従い、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負う可能性があります。特に、本投資法人は、宅建業法上のみなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を排除することが原則としてできません。
また、法律の規定以外にも、売買契約上の規定に従い、運用資産の性状その他に関する表明保証責任や旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負う可能性があります。
これらの法律上又は契約上の表明保証責任や旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負う場合には、買主から売買契約を解除され、又は買主が被った損害の賠償をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、賃貸中の運用資産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれに倣うのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予定外の出費を強いられる場合があり得ます。
(オ) 専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物状況調査報告書等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞き取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものでありますが、専門業者から提供されるこれらの諸資料の内容とその精度には限界があり、提供される資料の内容、依頼を受けた専門家の能力、売主やその前所有者やテナントの協力の程度、調査が可能な書面等の範囲及び時間的な制約等から、不動産に欠陥、瑕疵又は契約内容との不適合等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出される予想損失率も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。予想損失率は、予想損失額の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる場合があります。
(4)不動産関連資産-信託受益権特有のリスク
(イ) 信託受益者として負うリスク
信託受益者とは受益権を有する者をいい(信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)第2条第6項。なお、以下、平成19年9月30日施行の同法を「新信託法」といい、新信託法施行前の信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正を含みません。)を「旧信託法」といい、信託契約に別段の定めがない限り、平成19年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条)。)、信託契約等の信託行為に基づいて信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権等を有します。また、不動産信託においては、信託の清算の際の残余財産受益者等として、残余財産の給付を内容とする債権の受益者や、残余財産の帰属すべき者として指定されることが通常です。
旧信託法の下では、信託受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に受益者が負担することになっています(旧信託法第36条第2項、第37条等)。すなわち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益権に帰属することになります。したがって、本投資法人が不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンスを実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要がありますし、一旦不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
新信託法の下では、旧信託法第36条第2項が廃止され、法律上の義務として信託受益者がこのような責任を負うことはなくなりましたが、信託受益者と信託受託者の間で信託費用等に関し別途の合意をすることは許容されており(新信託法第48条第5項、第54条第4項等)、信託契約において信託費用等を受益者が負担する旨の合意がなされるのが一般的となっています。かかる合意がなされた場合には同様に本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ロ) 信託受益権の流動性に係るリスク
本投資法人が不動産の信託受益権を保有運用資産とする場合、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また、信託受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されることがあります。さらに、譲渡する信託受益権については金商法上の有価証券とみなされますが、譲渡に際しては、原則として、債権譲渡と同様の譲渡方法によることになること(新信託法第94条)、及び不動産の信託受益権は取引所金融商品市場等において取引がなされていないこと等により、株券や社債券のような典型的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低いというリスクが存在します。また、信託受託者は原則として旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合責任を負って信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
(ハ) 信託受託者に係るリスク
a.信託受託者の破産・会社更生等に係るリスク
旧信託法上、受託者が破産手続開始の決定を受け又は会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合に、信託財産が破産財団又は更生会社の財産その他受託者の固有財産に属するか否かに関しては明文の規定はないものの、旧信託法の諸規定、とりわけ信託財産の独立性という観点から、登記等の対抗要件を具備している限り、信託財産が信託受託者の破産財団又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に帰属するリスクは極めて低いと考えられていました。信託受託者が破産した場合、旧信託法第42条第1項に基づき信託受託者の任務は終了し、旧信託法第50条に基づき信託財産の名義人でもなくなることから、信託財産は破産財団に属さないと説明する向きもありました(破産法第34条第1項)。また、旧信託法第16条によれば、信託財産に対する信託受託者自身の債権者による差押は禁止されており、信託財産は受託者の債権者との関係では信託受託者自身の債務の引当財産にならないと考えられ、信託財産は管財人等による取戻しリスクにさらされないものと考えられていました。
新信託法においては、信託財産は信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。
ただし、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託の公示(信託の登記)をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、この信託の公示(信託の登記)がなされるものに限り本投資法人は取得する予定です。しかしながら、必ずこのような取扱いがなされるとの保証はありません。
b.信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を財産とする本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。また、受託者が、その権限に属しない行為又は信託財産に属する財産を固有財産に帰属させる等の利益相反行為を行うことにより、本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めており(旧信託法第31条本文)、また、新信託法は、受託者の権限違反行為や利益相反行為の取消権を受益者に認めていますが(新信託法第27条第1項及び第2項、第31条第6項及び第7項)、一定の場合には取消権が認められない等、本投資法人は、常にかかる権利の行使により損害を免れることができるとは限りません。
信託受益権を取得するに際しては、十分なデュー・ディリジェンスを実施し、①信託契約上、当該信託の目的が受益者の利益のためにのみ行われていることが明確にされていること、②信託財産の処分や信託財産に属する金銭の運用等についても、厳しい制約を課されていることが満たされている信託の受益権のみ投資対象とすることで、信託財産が勝手に処分されたり、信託財産が新たに債務を負担して、その結果として本投資法人が不利益を被る可能性は回避されると考えられますが、常にそのようなことを回避できるとの保証はありません。
(5)税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に係るリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
| 投資法人の主な導管性要件 | |
| 支払配当要件 | 配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること (利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること) |
| 国内50%超募集要件 | 投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること |
| 借入先要件 | 機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいう。次の所有先要件において同じ。)以外の者から借入れを行っていないこと |
| 所有先要件 | 事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること |
| 非同族会社要件 | 事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口の総口数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと |
| 会社支配禁止要件 | 他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(匿名組合出資を含み、一定の海外子会社の株式又は出資を除く) |
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a.会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、2015年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになりましたが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b.資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c.借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d.投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本規約において、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とすること(本規約第28条第5項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ) 一般的な税制の変更に係るリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有若しくは売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
(6)その他のリスク
(イ) 減損会計の適用に関するリスク
「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、「減損会計」の適用により、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ) 取得予定資産の取得を実行することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合、その他相手方の事情等により停止条件付受益権売買契約において定められた停止条件又は前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得を検討しますが、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、手元資金を有利に運用することができないときには、投資主に損害を与える可能性があります。
(ハ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人は、本規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や、当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については、契約上譲渡が制限されていることがあり、又は確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(ニ) 本資産運用会社が複数の投資法人を受託していることに関するリスク
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務を受託するのに加え、アクティビア・プロパティーズ投資法人及びブローディア・プライベート投資法人の資産運用業務を受託しています。
本資産運用会社は、複数の投資法人の資産運用業務を受託することによって、本投資法人、アクティビア・プロパティーズ投資法人及びブローディア・プライベート投資法人間の資産運用においても利益相反が生じる可能性があります。このうち、アクティビア・プロパティーズ投資法人は商業施設及びオフィスを主たる投資対象としていることから、本投資法人との間では物件取得機会の競合は生じない見込みですが、本投資法人とブローディア・プライベート投資法人との間では賃貸住宅及び運営型賃貸住宅で、それぞれ物件取得機会の競合が生じる可能性があります。
本資産運用会社は、かかる利益相反を防止するため「物件情報優先規程」を制定し、本資産運用会社が運用する各投資法人間における利益相反を防止する体制を整備していますが、かかる利益相反防止体制が、適正に機能する保証はなく、その結果、本投資法人が最適と考える資産のポートフォリオを構築できないおそれがあります。また、本資産運用会社によるアクティビア・プロパティーズ投資法人及びブローディア・プライベート投資法人に係る資産運用業務における法令違反等が発見された場合、規制当局から行政処分を受けること等により、本投資法人の資産運用業務に支障が生じるとのおそれは否定できません。
(ホ) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合には、テナントの業績悪化や信用力の低下等を理由として、テナントから賃料減額請求を受けたりテナントによる賃料支払が滞ったりする可能性があるほか、テナント退去に伴う空室リスクが顕在化する可能性があります。
また、テレワークを活用した業務形態を一部採用していますが、業務の中にはこれに適さないものも多く存在し、本資産運用会社の業務が滞り、結果として、本投資法人の資産運用に悪影響が及ぶ可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の流行の収束時期は依然として不透明であり、最終的な影響については予測し難いことから、前述の悪影響以外のリスクが顕在化する可能性もあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)投資リスクに対する管理体制
本投資法人は、上記に記載した各々のリスクに関し、本投資法人自らが投信法及び関連法規に定められた規制を遵守するとともに、本資産運用会社においては適切な社内規程の整備を行い、併せて必要な組織体制を敷き、役職員等に対する遵法精神を高めるための教育等の対策を講じています。
具体的な取組みは、以下のとおりです。
① 本資産運用会社の体制
(イ)本資産運用会社は、本資産運用会社が策定し、本投資法人の役員会に報告される「運用ガイドライン」を遵守すること並びに本資産運用会社のコンプライアンス規程及びリスク管理規程に基づきコンプライアンス及びリスク管理を行います。
(ロ)本資産運用会社は、利害関係者と本投資法人との間の取引については、原則として、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会に付され取引に係る議案を審議するものとされています。また、本資産運用会社は、本投資法人の役員会の承認を得た上での本投資法人の同意を予め取得した上でなければ、本資産運用会社の利害関係者と本投資法人との間の取引を行うことはできません。さらには、利害関係取引に関する自主ルールを定めており、これを遵守することにより利益相反に係るリスク管理を行います。また、本資産運用会社は本投資法人以外に複数の投資法人の資産運用業務を受託しており、物件取得機会の競合が生じる可能性があることから、取得検討物件については、「物件情報優先規程」に則って優先検討順位を定める等して、各投資法人間における利益相反を防止することとします。
(ハ)本資産運用会社は、投資法人に係るインサイダー取引規制導入に十分な対応を図るための内部態勢の構築を念頭におき、内部者取引の未然防止についてのインサイダー取引防止規程を定め、役職員等のインサイダー取引(インサイダー類似取引も含まれます。)の防止に努めています。
(ニ)本資産運用会社は、投資委員会及びコンプライアンス委員会を設け、運用に係る年度計画や取得・売却に関する事項を審議することにより、異なる視点からリスク管理を行います。
(ホ)本資産運用会社は、コンプライアンスを統括するコンプライアンス部長が、法令遵守の状況を監視します。
(へ)本資産運用会社は、リスクを管理するため、コンプライアンス部をリスク管理部門とし、当社のリスクの所在及びリスクの種類を理解した上で、各運用部門の担当者に当該内容を理解・認識させるよう、適切な方策を講じるものとします。
(ト)本資産運用会社は、コンプライアンスに関する社内体制を整備し、法令等遵守上の問題の発生についての対応を講じています。また、コンプライアンス・マニュアルを作成し、コンプライアンス基本方針や役職員等の行動規範を定めるのみならず定期的にコンプライアンス研修を実施します。
(チ)本資産運用会社は、業務の適正性の確保と効率的運営を図るため、「内部監査規程」を制定し、適切な自己点検制度の確立を図っています。
② 本投資法人の体制
本投資法人は、少なくとも3ヶ月に1回以上役員会を開催し、適宜本資産運用会社の運用状況の報告を受けるほか、執行役員は適宜本資産運用会社の運用状況を聴取及び関係書類の閲覧・調査を実施し、本資産運用会社の管理・監督を行います。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに対する管理体制を整備していますが、このような体制が常に有効に機能する保証はありません。管理体制が有効に機能しないことによりリスクが顕在化した場合、本投資法人又は投資主に損失が生ずるおそれがあります。