有価証券報告書(内国投資証券)-第11期(令和1年5月1日-令和1年10月31日)
(1)【投資方針】
① 基本方針
本投資法人は、運用資産を、主として不動産等資産のうち不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権(注)に対する投資として運用するものとし、将来にわたって安定的な収益の獲得と運用資産の持続的な成長を図り、投資主利益の最大化を目指します。
(注)後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」をご参照下さい。
② 投資態度
本投資法人が不動産(信託受益権に投資する場合の主たる信託財産である不動産も含みます。以下同じです。)へ投資するに際しては、主たる用途がヘルスケア施設(高齢者を入居・利用の対象とした介護施設及び居住施設(主たるタイプを有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅とする建物並びにその他の高齢者施設・住宅を含みますが、これらに限られません。)並びに医療施設等をいいます。以下同じです。)であるもののみを投資対象とし、その投資対象エリアについては、収益の変動リスクを軽減する目的で日本全国を対象として分散投資するものとします。但し、複数の不動産が社会経済上一体的に利用され得る場合において、これを一体として評価した場合の主たる用途がヘルスケア施設であると判断される場合には、これに関連して本投資法人が保有することとなる不動産等又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等の主たる用途がヘルスケア施設であることを条件として、当該一体としての不動産の全部又は一部に係る不動産等又は不動産対応証券を取得することができます。
本投資法人が不動産へ投資するに際しては、各種のリスクを極小化することによりリターンの極大化を目指します。また、かかる不動産の資産価格及び競争力の維持及び向上を図り、収入拡大と費用逓減による運用収益の安定的な成長に努めます。
本投資法人は、原則として、安定的賃貸事業収入(これに類似の収入も含みます。)が生じているか、生じる見込みの高い不動産に投資し、投資後は資産価値の向上を図りつつ安定性の維持に努めます。
本投資法人が不動産へ投資するに際しては、(イ)経済要因(経済情勢、財政状況、金融・不動産市場動向)、社会要因(高齢者人口・要介護認定者推移)及び行政要因(介護・医療保険制度、ヘルスケア施設の供給規制)等の一般要因、(ロ)立地エリアの周辺環境(交通利便性、商業施設・公共施設等との接近性、居住環境としての品質)等の地域要因、(ハ)建物の仕様や賃借人であるオペレーター、施設の稼働状況、賃料負担率等の個別物件要因を総合的に判断した上で投資判断を行います。不動産の取得に際して、取得に先立って各種の調査(デューデリジェンス)を実施します。
本投資法人が取得した不動産の売却については、中長期保有を前提としつつも最適なポートフォリオの維持のために必要に応じて、当該不動産の現在及び将来に亘る収益性、立地エリアの状況、当該不動産の劣化又は陳腐化に対する対応状況、並びに本投資法人のポートフォリオ構成等を総合的に考慮し、投資主の利益に資する最大限の努力をもって判断します。なお、不動産の売却を行う場合は、市場環境や本投資法人のポートフォリオの構成等を総合的に考慮し判断します。
市場動向等の急激な変化又は予期せぬ状況が発生した際には、上記の定めに拘わらず、必要な措置を講じます。
本投資法人は、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち、不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の合計額に占める割合を100分の75以上とします。
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、日本国内に所在するヘルスケア施設に分散して投資を行うとともに、ヘルスケア施設の中でも、中長期にわたって大きな需要が見込まれると考える有料老人ホーム等の高齢者施設・住宅へ重点投資を行います。
本投資法人は、ヘルスケア施設の特性を勘案の上、以下に掲げる方針に基づきポートフォリオを構築します。
(イ)ヘルスケア施設タイプ
本投資法人は、下記のヘルスケア施設の中でも高齢者施設・住宅及び医療施設を重点投資対象とします。また、高齢者施設・住宅は、株式会社が運営可能であることから今後民間資金を活用した施設数の大幅な増加が見込まれ、社会的需要が高いと考えられる有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅を投資対象の中心とします。
高齢者施設・住宅以外のヘルスケア施設については、不動産及び事業収益構造等の特性を考慮して、中長期的に安定した賃貸借関係が維持可能と判断できる場合のみ取得することができるものとします。但し、オフィスと同等又はこれに準じた仕様、若しくは容易にオフィスに転用可能なヘルスケア施設(メディカルビル等)は除くものとします。なお、病院等の医療施設については、国土交通省が関係省庁との連携の下にとりまとめ、2015年6月26日に公表した「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」の内容及びその運用状況等を勘案の上、その組入可能性につき、検討を行うこととしています。
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、地域特性、需要の変化等を勘案の上、以下に掲げる組入比率を目安にヘルスケア施設タイプの分散を図ります。
(注1)組入比率は取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。複合施設の場合には、主たるタイプを用いて算定します。
(注2)「有料老人ホーム」とは、老人福祉法第29条に定義される施設をいいます。但し、サービス付き高齢者向け住宅に該当するものは除きます。
(注3)「サービス付き高齢者向け住宅」とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律等に定められる登録基準を満たし、都道府県に登録された賃貸住宅をいいます。なお、当該登録基準の概要は以下のとおりです。
(登録基準の概要)
・床面積が原則25㎡以上であり、トイレ・洗面設備等が設置され、バリアフリーであること
・少なくとも安否確認・生活相談サービスが提供されること
・高齢者の居住の安定が図られた契約であり、前払家賃等の返還ルール及び保全措置が講じられていること
(ロ)地域
本投資法人は、中長期安定運用の観点から、日本の中でも人口が集中しており今後もその傾向が続くと見込まれ、また今後において高齢化率が高まり高齢化人口も集中すると見込まれる東京圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏を中心としつつ、ポートフォリオのリスク分散の観点から全国を対象として高齢者人口の集中度、地方公共団体の財政状況等を勘案の上、中長期にわたって一定の需要が見込まれると考える地域のヘルスケア施設に投資を行うものとします。
各投資対象地域における投資割合は、ポートフォリオ全体の資産規模(ポートフォリオ全体の取得価格合計額(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)をいいます。以下「資産規模」といいます。)に対して下記の組入比率を目安とします。
(注)「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
(ハ)オペレーター
本投資法人は、以下の事項を勘案の上、中長期的な安定運用に資するオペレーターが運営する物件を投資対象とします。
また、本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、一のオペレーターと賃貸借契約を締結する資産規模を、原則として本投資法人の資産規模の40%以下とし、オペレーターの分散を図ります。但し、新たな投資対象資産の取得等のために、一時的に資産規模の40%を超えることができるものとします。
その他、オペレーターとの賃貸借契約終了又は解除を要因とした空室期間の長期化による収益の低下を回避するため、以下の事項を勘案の上、バックアップ・オペレーター(オペレーターに一定期間の賃料不払いや倒産その他の一定の事由が生じた場合に、これに代わりヘルスケア施設を賃借し、その運営に当たる者をいいます。)を予め選定することがあります。
a.オペレーターの財務の状況(収益性、安全性、成長性、規模、上場市場等)
b.オペレーターのヘルスケア事業の状況(運営状況、運営規模、業歴、組織体制、企業戦略、法令遵守状況等)
(ニ)グレード
本投資法人は、高齢者施設・住宅の入居一時金及び月額利用料の価格帯、並びに提供サービス・共用部の設備の充実度を勘案の上、主に一般向けの高齢者施設・住宅に投資を行います。但し、富裕層向けの高齢者施設・住宅についても、当該施設におけるヘルスケア施設運営事業の継続性を勘案の上、投資を行うことができるものとします。
(ホ)築年数等
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、築年数、耐震性、大規模改修工事の時期等を勘案の上、投資を行います。
④ 個別投資基準
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、投資対象資産の特性及び市場環境等を十分に勘案し、当該物件の中長期にわたる収益性を安定性の観点から十分に検証します。
投資対象資産の選定に際しては、必要なデューデリジェンスを行った上で、以下に掲げる投資基準に照らして、地域及びタイプの分散状況についても十分配慮しつつ、取得について妥当性の判断を行います。
なお、以下に掲げる基準は、選定の視点に留まり、総合的な検討の結果、すべての基準を充足していない場合でも投資を行うことがあります。
(イ)立地
本投資法人は、原則として以下に掲げる事項を総合的に検討した上で、優位性の高い物件を投資対象とします。
a.交通アクセス
b.周辺施設の優位性
c.周辺環境の適格性
d.周辺地域の将来性(高齢者人口・高齢化率の推移、ヘルスケア施設の需給等)
e.法規制、公的助成制度の状況
(ロ)投資規模
本投資法人は、原則として1物件当たりの投資金額の上限を本投資法人の資産規模の30%以下とします。
また、原則として1物件当たり5億円以上又は30室以上の物件を投資対象とします。但し、上記に満たない小規模の物件については、投資対象となりうる有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅と実質的に一体として運営され又は近隣にあるとみなされる場合には、投資対象となりうる有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅に与える効果、対象物件の収益性等を勘案の上、投資することがあります。
(ハ)ヘルスケア施設の契約形態
本投資法人は、原則として固定賃料による長期の賃貸借契約をオペレーターと締結している物件を投資対象とします。原則として取得時における賃貸借契約の残存年限が、契約更改の可能性も勘案の上、実質10年以上の物件を投資対象とします。
また、オペレーターが退去した場合には、空室期間の発生により収益が低下するため、当該リスクの集中を回避することを目的として、賃貸借契約終了時期の分散に努めます。
(ニ)耐震性
本投資法人は、原則として新耐震基準(注1)に基づく建築物に相当する耐震性能を有し、かつ単体でのPML(注2)の値が15%以下の物件を投資対象とします。
(注1)「新耐震基準」とは、1981年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準(昭和56年6月1日施行)をいいます。以下同じです。
(注2)「PML(Probable Maximum Loss)」は、最大予想損失率と訳されます。これは、「対象施設あるいは施設群に対し最大の損失をもたらす地震が発生し、その場合の90%信頼性水準に相当する物的損失額」と定義されています。実際には、PMLとして再現期間475年の地震を用いることが多く、この地震が発生した場合の物的損害額(90%信頼水準)の再調達価格に対する割合で表されます。以下同じです。
(ホ)環境・地質
本投資法人は、原則として環境有害物質が検出されず、又は土壌汚染調査基準値(注)を超えない物件を投資対象とし、下表の内容に基づき判断するものとします。但し、土壌汚染において当該基準値を超える投資物件であっても、対処方法を含め専門家意見を踏まえた上で、周辺環境に与える影響、人的な影響、経済的な影響等が極めて低いと判断され、かつポートフォリオの収益の安定に寄与すると判断されれば、当該物件の取得を検討する場合があります。
(注)「土壌汚染調査基準値」とは、土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に定める数値をいいます。
(ヘ)権利形態
本投資法人は、原則として完全所有権の物件を投資対象とします。
但し、区分所有物件、共有物件等についても、物件の処分及び運営管理における意思決定権が確保できていることを前提とし、収益の安定性、物件特性、市場環境等を総合的に勘案の上、投資を行う場合があります。
また、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権に対する投資を可能とします。
(ト)未稼働物件及び低稼働物件への投資
本投資法人は、原則として安定した収益を生み出している物件を投資対象としており、原則として取得時点における賃料負担力(注1)が1.2倍を上回る物件、かつ高齢者施設・住宅においては、取得時点における入居率(注2)がオペレーターの財務、事業等の状況に応じた基準を上回る物件を投資対象とします。竣工前の物件への投資は原則として行いません。但し、オペレーターの活動状況、及び物件の競争環境等から合理的に判断可能な入居率及び賃料負担力、オペレーターの信用力、並びに分配金に与える影響等を総合的かつ慎重に検討した上で、将来的に安定した収益を生み出すと判断される場合は投資を行う場合があります。
(注1)「賃料負担力」とは、投資対象資産のEBITDARを賃料で除した倍率をいいます。「EBITDAR」とは、投資対象資産における営業利益に、減価償却費及び賃料を加えた値をいいます。但し、オペレーターがファイナンスリースとして会計処理している場合には、リース料相当額を考慮します。なお、営業利益はオペレーターから開示された直近の値を用います。
(注2)「入居率」とは、高齢者施設・住宅を利用又は賃借している利用者又は入居者の人数の合計を当該施設の定員数で除した値とします。
(チ)フォワード・コミットメント
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
・売買契約等に規定される解約条件等の内容及びフォワード・コミットメントを履行できない場合の財務への影響を確認するものとします。
・物件取得時の開示において解約条件等を適切に開示するものとします。
・取得を決定する時点までに資金の調達方法及び実現性を十分に検証するものとします。
・決済・物件引渡の前に投資法人の決算期末を迎えた場合は、不動産鑑定評価を行い、結果を開示するものとします。
⑤ デューデリジェンス
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、売主からの開示情報のみならず、独立した第三者である専門家から不動産鑑定評価書、エンジニアリング・レポート及び環境調査報告書並びに必要に応じて法務調査報告書等を取得し、また原則として外部の調査会社からマーケットレポートを取得することで、客観性及び透明性を確保するとともに、高齢者施設・住宅においては、以下に掲げる項目について適正なデューデリジェンスを行い、資産運用会社が投資の可否を判断します。
(注1)建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)をいいます。以下同じです。
(注2)消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)をいいます。以下同じです。
⑥ 運営管理方針
本投資法人は、中長期にわたる安定収益確保に主眼を置いて、ヘルスケア施設及びオペレーターのモニタリング、オペレーターへの提案、建物・設備の修繕及び戦略的改修等の運営管理を行います。
(イ)ヘルスケア施設及びオペレーターのモニタリング
本投資法人は、原則として固定賃料による長期の賃貸借契約をテナントであるオペレーターとの間で締結します。この場合においても、賃貸借契約の終了又は解除により収益が低下するリスクがあるため、ヘルスケア施設の運営管理方針・計画及び運営状況並びにオペレーターの状況について定期的に以下の事項のモニタリングに努めます。
a.ヘルスケア施設の運営管理方針・計画
収支計画、管理運営計画、修繕計画
b.ヘルスケア施設の運営状況
入居状況、損益状況、資金収支状況、営業活動状況、事故報告
c.オペレーターの状況
事業報告書、財務諸表、賃料支払状況、ヘルスケア施設運営規模
また、必要に応じて、ヘルスケア施設の運営体制、運営方法・戦略、入居率見通し、近隣競合施設の動向、入居者の入退去理由等をオペレーターにヒアリングします。
(ロ)オペレーターへの提案
本投資法人は、モニタリング結果を踏まえ、ヘルスケア施設の運営状況等を勘案の上、必要に応じて、オペレーターに対して以下の改善策を協議・提案することに努めます。
a.収支の改善
人員体制、価格、サービス内容の見直し
b.入居率の改善
価格の見直し、入居促進の手法・体制
(ハ)プロパティ・マネジメント会社の選定及び管理
本投資法人ではプロパティ・マネジメント業務等については外部の専門業者に委託します。外部委託会社の選定に際しては、コストのみならず提供される業務の質も重視し、特に下記の点に留意するほか、詳細については、資産運用会社において定める「外部委託先管理マニュアル」によるものとします。
なお、本投資法人が本書の日付現在保有するヘルスケア施設のプロパティ・マネジメント会社はすべてAIPヘルスケアジャパンです。同社は、アセットマネジャーとして当該施設を運用してきた実績・知見があり、かかる運用を通じて、当該施設のオペレーターとの関係を構築済であり、オペレーターとの円滑な協働が期待されます。また、資産運用会社との緊密な連携が期待されます。
(ニ)修繕工事、設備投資及び戦略的改修工事
a.本投資法人は、賃貸借契約に定められた取得資産に係る修繕・改修費用及び設備更新費用の負担区分に応じて、適切に修繕、改修及び設備更新を実施することで、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、中長期的な収益安定を図ります。
b.修繕工事、設備投資及び戦略的改修工事のための計画を「年次資産管理計画」及び「中期資産管理計画」において立案します。計画の立案に際しては、建物のライフサイクルコスト(注1)を考慮した上で、ポートフォリオ全体において可能な限り特定の時期に改修工事が集中しないように計画します。資本的支出については、減価償却費相当額とのバランス及び費用対効果等を考慮して計画します。また、計画の立案のために、資産運用会社及びプロパティ・マネジメント会社は、各投資対象資産の現地調査を少なくとも年一回実施するものとします。
c.コンストラクション・マネジメント(注2)及びバリュー・エンジニアリング(注3)等の手法を積極的に導入して、効率的な工事計画を立案します。
(注1)「ライフサイクルコスト」とは、建築物の企画設計段階、建設段階、運用管理段階及び解体再利用段階の各段階のコストの総計のことをいいます。
(注2)「コンストラクション・マネジメント」とは、コンストラクション・マネージャーを選定して、スケジュール、コスト、品質をコントロールしてプロジェクトを円滑に管理・遂行することをいいます。
(注3)「バリュー・エンジニアリング」とは、設計、施工方法等を総合的に見直して費用対効果を最大化することを目指す手法をいいます。
⑦ 付保方針
(イ)損害保険
火災・事故等に起因する建物への損害又は対人・対物事故に関する第三者からの損害賠償請求等に対処するため、必要な火災保険又は賠償責任保険等を付保します。
(ロ)地震保険
原則として物件単体のPMLの値が15%以下の投資対象資産を投資対象としますが、例外的に15%を超える投資対象資産に投資を行う場合においては、15%を超える部分に対して地震保険の付保等の必要な措置をとるものとします。
(ハ)引受保険会社
引受保険会社の選定に際しては、保険代理店又は保険ブローカーを通じて、複数の条件等を検討します。
⑧ 売却方針
投資対象資産については中長期保有を原則とします。但し、投資対象資産の収支及び価値、並びに不動産売買・賃貸マーケットの状況及び予測を総合的に勘案の上、最適なポートフォリオの維持のために必要であると判断した場合、又は投資主の利益の最大化に資すると判断した場合、以下に掲げる方針に従い、投資対象資産の売却を行います。また、他の投資案件に付随して本投資法人の投資基準を満たさない投資対象資産を取得した場合には、短期間での売却を検討する場合があります。
(イ)売却価格
投資対象資産の売却価格の決定に際しては、マーケット調査、取引事例などを十分考慮し、合理的に決定します。また、必要に応じて鑑定評価書若しくは価格調査書等の取得による第三者意見を参考にします。
(ロ)売却方法
売却に際しては、当該投資対象資産の将来にわたる収益性、売却資産の個別性、市場動向等を総合的に勘案し、相対取引・入札等の方法により売却先を決定するものとします。
⑨ 大和証券グループ本社との業務協力
(イ)情報提供に関する協力
大和証券グループ本社は、物件に関する情報、その他資産運用会社又は本投資法人にとって有用な情報を提供します。
(ロ)人材に関する相互的な業務協力
大和証券グループ本社は、資産運用会社の独自性を尊重しつつ、その不動産ファンド運用管理のノウハウを資産運用会社において承継、かつ発展させるため、資産運用会社及び本投資法人の成長に伴い必要とされる人材の確保に関し、資産運用会社に協力します。
(ハ)ブリッジファンド組成等に関する協力
大和証券グループ本社は本投資法人への売却を前提として物件等への投資を行うファンド(ブリッジファンド)の組成等に協力を行います。
(ニ)スポンサー・サポート契約
資産運用会社は、大和証券グループ本社とスポンサー・サポート契約を締結し、同社より業務協力を受けます。
(ホ)投資対象不動産の取得に関する業務協力
a.大和証券グループ本社は、本投資法人の投資方針及び投資基準に概ね合致する物件情報、その他本投資法人の資産運用に有用な情報を提供します。
b.資産運用会社は、提供された物件情報をもとに物件取得の可能性を検討します。
⑩ 財務方針
本投資法人は、安定収益の実現、運用資産の着実な成長及び効率的な運用を図るために、以下に掲げる方針に従い、資金の調達及び運用を行います。
(イ)投資口の追加発行
投資口の追加発行は、新たに取得する不動産の取得時期、総資産に対する有利子負債の比率(以下「LTV」といいます。)、経済市況等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。
(ロ)借入れ及び投資法人債の発行
a.LTVの水準は、資金余力の確保に留意した設定とし、原則として60%を上限とします。但し、新たな投資対象資産の取得、及びリファイナンス・リスクの軽減等のために、一時的に60%を超えることができるものとします。
b.安定的な財務基盤を構築し、将来の成長戦略を支えるため、有力金融機関とのいわゆるメインバンク体制を確立しつつ、借入先の分散、投資法人債の発行等による資金調達先の多様化にも積極的に取り組みます。なお、借入先は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第2条第3項第1号に定める適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものとします。
c.借入れに際しては、借入コスト、借入期間、担保提供の要否等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、金利動向、マーケット水準、財務の機動性及び安全性、並びに借入先構成等のバランスを考慮しつつ諸条件を総合的に検討した上で、適切な資金調達を行います。
d.金利上昇リスク及びリファイナンス・リスクを軽減するため、調達期間の長期化、金利の固定化、返済期日の分散及び柔軟性の高い財務制限条項の導入等を必要に応じて検討します。
e.各種必要資金を機動的に調達するために、コミットメントライン及び極度貸付枠等の融資枠の確保を必要に応じて検討します。
(ハ)資金管理
a.本投資法人は、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる修繕及び資本的支出、本投資法人の運転資金、債務の返済並びに分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案の上、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b.上記の現預金は、原則として無利息型の普通預金口座(預金保険制度により全額保護の対象となる預金)又はムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(ムーディーズ・ジャパン株式会社を含みます。)の短期格付がP-2以上、S&Pグローバル・レーティング(S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社を含みます。)の短期格付がA-2以上、株式会社格付投資情報センターの短期格付がa-2以上若しくは株式会社日本格付研究所の短期格付がJ-2以上である銀行に開設した無利息型の普通預金口座以外の普通預金口座に預け入れます。
c.本投資法人は、減価償却費相当額のうち、上記a.にて現預金として留保した後の残額を、本投資法人を取り巻く経済環境及び不動産市場の動向、並びに本投資法人の保有資産の状況及び財務状況等を総合的に勘案の上、毎計算期間における減価償却費の40%を上限として、毎期継続的に、投資主への利益を超える金銭の分配に充当し、効率的な資金管理を図ります。
d.余剰資金は、安全性及び流動性の高い有価証券及び金銭債権へ投資を行う場合があります。
e.デリバティブ取引(投信法第2条第6項)は、本投資法人の負債に起因する金利変動リスクをヘッジすることを目的とした運用に限定します。
⑪ 資産管理計画の策定
(イ)年次資産管理計画
年次資産管理計画は、各計算期間の開始後45日までを目処に、対象期間を1年間(当該計算期間及び翌計算期間)とし、概ね以下に掲げる内容を記載したものを策定し、計画的な資産運用を行う指針とします。
a.物件の取得及び売却に関する計数計画
b.保有物件の賃貸事業に関する計数計画
c.保有物件の修繕・資本的支出に関する計数計画
d.有利子負債の調達及び返済に関する計数計画
e.過去の運用状況に関する分析
f.経済要因(経済情勢、財政状況、金融・不動産市場動向)、社会要因(高齢者人口・要介護認定者推移)及び行政要因(介護・医療保険制度、ヘルスケア施設の供給規制)に関する分析
(ロ)中期資産管理計画
中期資産管理計画は、対象期間を5年間として、概ね以下に掲げる内容を記載したものを策定し、ポートフォリオの構築のための指針とします。
なお、中期資産管理計画は、原則として年に一度以上策定するものとします。
a.物件の取得及び売却に関する計数計画
b.保有物件の賃貸事業に関する計数計画
c.保有物件の修繕・資本的支出に関する計数計画
d.有利子負債の調達及び返済に関する計数計画
(ハ)資産管理計画書
資産管理計画書には、投信協会の「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」に定める内容等を記載します。
なお、資産管理計画書は、原則として年に一度以上策定するものとします。
⑫ 情報開示方針
本投資法人は、投資主、地域社会等のあらゆるステークホルダーの本投資法人に対する理解を促進し、その適正な評価のために、本投資法人及び資産運用会社に関する重要な情報(財務的・社会的・市場環境的側面の情報を含みます。)の公正かつ適時適切な開示を行います。
また、金融商品取引法、投信法、会社法、その他の法令、並びに東京証券取引所及び投信協会が定める規程及び規則を遵守するとともに、内容的にも時間的にも公平な開示に努めます。
情報開示については、説明会、電話会議、インターネット、各種印刷物をはじめとする様々な情報伝達手段を活用し、より多くの投資家に分かり易い開示を行うよう努めます。
(イ)情報開示方針
法定開示事項並びに東京証券取引所及び投信協会が定める事項の開示だけではなく、投資主に対して重要かつ有用な情報をできる限り開示することにより、資産運用についての説明責任を十分に果たすよう努めます。
(ロ)開示の方法
法令に基づく開示について法令に従った開示の方法によるほか、東京証券取引所の適時開示情報伝達システム(TDnet)への登録及び記者クラブへの開示資料の配布を行います。加えて、開示資料を本投資法人のホームページに掲載します。
⑬ 利害関係人との取引についての指針
利害関係人との取引については、資産運用会社において定める「利益相反対策ルール」(その概要については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利益相反対策ルール」をご参照下さい。)に基づき行います。
⑭ 環境方針
本投資法人は、「環境方針」を定め、それに従うものとし、社会的な責任として、環境保全・環境負荷削減等に努めるものとします。なお、実施に際しては、費用対効果を十分に検討するものとします。
① 基本方針
本投資法人は、運用資産を、主として不動産等資産のうち不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権(注)に対する投資として運用するものとし、将来にわたって安定的な収益の獲得と運用資産の持続的な成長を図り、投資主利益の最大化を目指します。
(注)後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」をご参照下さい。
② 投資態度
本投資法人が不動産(信託受益権に投資する場合の主たる信託財産である不動産も含みます。以下同じです。)へ投資するに際しては、主たる用途がヘルスケア施設(高齢者を入居・利用の対象とした介護施設及び居住施設(主たるタイプを有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅とする建物並びにその他の高齢者施設・住宅を含みますが、これらに限られません。)並びに医療施設等をいいます。以下同じです。)であるもののみを投資対象とし、その投資対象エリアについては、収益の変動リスクを軽減する目的で日本全国を対象として分散投資するものとします。但し、複数の不動産が社会経済上一体的に利用され得る場合において、これを一体として評価した場合の主たる用途がヘルスケア施設であると判断される場合には、これに関連して本投資法人が保有することとなる不動産等又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等の主たる用途がヘルスケア施設であることを条件として、当該一体としての不動産の全部又は一部に係る不動産等又は不動産対応証券を取得することができます。
本投資法人が不動産へ投資するに際しては、各種のリスクを極小化することによりリターンの極大化を目指します。また、かかる不動産の資産価格及び競争力の維持及び向上を図り、収入拡大と費用逓減による運用収益の安定的な成長に努めます。
本投資法人は、原則として、安定的賃貸事業収入(これに類似の収入も含みます。)が生じているか、生じる見込みの高い不動産に投資し、投資後は資産価値の向上を図りつつ安定性の維持に努めます。
本投資法人が不動産へ投資するに際しては、(イ)経済要因(経済情勢、財政状況、金融・不動産市場動向)、社会要因(高齢者人口・要介護認定者推移)及び行政要因(介護・医療保険制度、ヘルスケア施設の供給規制)等の一般要因、(ロ)立地エリアの周辺環境(交通利便性、商業施設・公共施設等との接近性、居住環境としての品質)等の地域要因、(ハ)建物の仕様や賃借人であるオペレーター、施設の稼働状況、賃料負担率等の個別物件要因を総合的に判断した上で投資判断を行います。不動産の取得に際して、取得に先立って各種の調査(デューデリジェンス)を実施します。
本投資法人が取得した不動産の売却については、中長期保有を前提としつつも最適なポートフォリオの維持のために必要に応じて、当該不動産の現在及び将来に亘る収益性、立地エリアの状況、当該不動産の劣化又は陳腐化に対する対応状況、並びに本投資法人のポートフォリオ構成等を総合的に考慮し、投資主の利益に資する最大限の努力をもって判断します。なお、不動産の売却を行う場合は、市場環境や本投資法人のポートフォリオの構成等を総合的に考慮し判断します。
市場動向等の急激な変化又は予期せぬ状況が発生した際には、上記の定めに拘わらず、必要な措置を講じます。
本投資法人は、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち、不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の合計額に占める割合を100分の75以上とします。
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、日本国内に所在するヘルスケア施設に分散して投資を行うとともに、ヘルスケア施設の中でも、中長期にわたって大きな需要が見込まれると考える有料老人ホーム等の高齢者施設・住宅へ重点投資を行います。
本投資法人は、ヘルスケア施設の特性を勘案の上、以下に掲げる方針に基づきポートフォリオを構築します。
(イ)ヘルスケア施設タイプ
本投資法人は、下記のヘルスケア施設の中でも高齢者施設・住宅及び医療施設を重点投資対象とします。また、高齢者施設・住宅は、株式会社が運営可能であることから今後民間資金を活用した施設数の大幅な増加が見込まれ、社会的需要が高いと考えられる有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅を投資対象の中心とします。
高齢者施設・住宅以外のヘルスケア施設については、不動産及び事業収益構造等の特性を考慮して、中長期的に安定した賃貸借関係が維持可能と判断できる場合のみ取得することができるものとします。但し、オフィスと同等又はこれに準じた仕様、若しくは容易にオフィスに転用可能なヘルスケア施設(メディカルビル等)は除くものとします。なお、病院等の医療施設については、国土交通省が関係省庁との連携の下にとりまとめ、2015年6月26日に公表した「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」の内容及びその運用状況等を勘案の上、その組入可能性につき、検討を行うこととしています。
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、地域特性、需要の変化等を勘案の上、以下に掲げる組入比率を目安にヘルスケア施設タイプの分散を図ります。
| ヘルスケア施設タイプ区分 | 概 要 | 組入比率 (注1) | ||
| 高齢者施設 ・住宅 | 有料老人ホーム (注2) | 高齢者に対して、介護、食事、洗濯・掃除等の家事又は健康管理等の日常生活に必要なサービスを提供する施設(老人福祉施設、グループホーム等を除きます。) | 60%以上 | |
| 介護付 | 介護保険法上の特定施設入居者生活介護(以下「特定施設」といいます。)の指定を受けた有料老人ホーム | |||
| 健康型 | 特定施設の指定を受けておらず、介護が必要になった場合に、契約を解除して退去することが必要な有料老人ホーム | |||
| 住宅型 | 特定施設の指定を受けていない有料老人ホームのうち、健康型以外の施設(介護が必要となった場合、外部の介護保険サービスを利用) | |||
| サービス付き高齢者向け住宅 (注3) | 住宅(面積・設備・構造)、入居者へのサービス及び入居者との契約に関する基準を満たす登録された賃貸住宅 | |||
| その他の高齢者施設・住宅 | 高齢者を入居・利用の対象としたその他の介護施設及び居住施設 | |||
| 医療施設 | 病院、メディカル・モール | 40%以下 | ||
| その他 | ライフサイエンス施設(バイオテクノロジー、製薬、医療装置開発等の生命科学産業に従事する法人又は個人が入居する施設) | 10%以下 | ||
(注1)組入比率は取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。複合施設の場合には、主たるタイプを用いて算定します。
(注2)「有料老人ホーム」とは、老人福祉法第29条に定義される施設をいいます。但し、サービス付き高齢者向け住宅に該当するものは除きます。
(注3)「サービス付き高齢者向け住宅」とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律等に定められる登録基準を満たし、都道府県に登録された賃貸住宅をいいます。なお、当該登録基準の概要は以下のとおりです。
(登録基準の概要)
・床面積が原則25㎡以上であり、トイレ・洗面設備等が設置され、バリアフリーであること
・少なくとも安否確認・生活相談サービスが提供されること
・高齢者の居住の安定が図られた契約であり、前払家賃等の返還ルール及び保全措置が講じられていること
(ロ)地域
本投資法人は、中長期安定運用の観点から、日本の中でも人口が集中しており今後もその傾向が続くと見込まれ、また今後において高齢化率が高まり高齢化人口も集中すると見込まれる東京圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏を中心としつつ、ポートフォリオのリスク分散の観点から全国を対象として高齢者人口の集中度、地方公共団体の財政状況等を勘案の上、中長期にわたって一定の需要が見込まれると考える地域のヘルスケア施設に投資を行うものとします。
各投資対象地域における投資割合は、ポートフォリオ全体の資産規模(ポートフォリオ全体の取得価格合計額(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)をいいます。以下「資産規模」といいます。)に対して下記の組入比率を目安とします。
| 地域区分 | 定義 | 組入比率(注)の目安 |
| 三大都市圏 | 東京圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県 中京圏:愛知県、三重県、岐阜県 近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県 | 50%以上 |
| 中核都市部 | 人口20万人以上の都市(三大都市圏を除きます。) | 50%以下 |
| その他 | 人口20万人未満の都市(三大都市圏及び中核都市部を除きます。) | 10%以下 |
(注)「組入比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金を含みません。)を基準とします。
(ハ)オペレーター
本投資法人は、以下の事項を勘案の上、中長期的な安定運用に資するオペレーターが運営する物件を投資対象とします。
また、本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、一のオペレーターと賃貸借契約を締結する資産規模を、原則として本投資法人の資産規模の40%以下とし、オペレーターの分散を図ります。但し、新たな投資対象資産の取得等のために、一時的に資産規模の40%を超えることができるものとします。
その他、オペレーターとの賃貸借契約終了又は解除を要因とした空室期間の長期化による収益の低下を回避するため、以下の事項を勘案の上、バックアップ・オペレーター(オペレーターに一定期間の賃料不払いや倒産その他の一定の事由が生じた場合に、これに代わりヘルスケア施設を賃借し、その運営に当たる者をいいます。)を予め選定することがあります。
a.オペレーターの財務の状況(収益性、安全性、成長性、規模、上場市場等)
b.オペレーターのヘルスケア事業の状況(運営状況、運営規模、業歴、組織体制、企業戦略、法令遵守状況等)
(ニ)グレード
本投資法人は、高齢者施設・住宅の入居一時金及び月額利用料の価格帯、並びに提供サービス・共用部の設備の充実度を勘案の上、主に一般向けの高齢者施設・住宅に投資を行います。但し、富裕層向けの高齢者施設・住宅についても、当該施設におけるヘルスケア施設運営事業の継続性を勘案の上、投資を行うことができるものとします。
(ホ)築年数等
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、築年数、耐震性、大規模改修工事の時期等を勘案の上、投資を行います。
④ 個別投資基準
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、投資対象資産の特性及び市場環境等を十分に勘案し、当該物件の中長期にわたる収益性を安定性の観点から十分に検証します。
投資対象資産の選定に際しては、必要なデューデリジェンスを行った上で、以下に掲げる投資基準に照らして、地域及びタイプの分散状況についても十分配慮しつつ、取得について妥当性の判断を行います。
なお、以下に掲げる基準は、選定の視点に留まり、総合的な検討の結果、すべての基準を充足していない場合でも投資を行うことがあります。
(イ)立地
本投資法人は、原則として以下に掲げる事項を総合的に検討した上で、優位性の高い物件を投資対象とします。
a.交通アクセス
b.周辺施設の優位性
c.周辺環境の適格性
d.周辺地域の将来性(高齢者人口・高齢化率の推移、ヘルスケア施設の需給等)
e.法規制、公的助成制度の状況
(ロ)投資規模
本投資法人は、原則として1物件当たりの投資金額の上限を本投資法人の資産規模の30%以下とします。
また、原則として1物件当たり5億円以上又は30室以上の物件を投資対象とします。但し、上記に満たない小規模の物件については、投資対象となりうる有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅と実質的に一体として運営され又は近隣にあるとみなされる場合には、投資対象となりうる有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅に与える効果、対象物件の収益性等を勘案の上、投資することがあります。
(ハ)ヘルスケア施設の契約形態
本投資法人は、原則として固定賃料による長期の賃貸借契約をオペレーターと締結している物件を投資対象とします。原則として取得時における賃貸借契約の残存年限が、契約更改の可能性も勘案の上、実質10年以上の物件を投資対象とします。
また、オペレーターが退去した場合には、空室期間の発生により収益が低下するため、当該リスクの集中を回避することを目的として、賃貸借契約終了時期の分散に努めます。
(ニ)耐震性
本投資法人は、原則として新耐震基準(注1)に基づく建築物に相当する耐震性能を有し、かつ単体でのPML(注2)の値が15%以下の物件を投資対象とします。
(注1)「新耐震基準」とは、1981年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準(昭和56年6月1日施行)をいいます。以下同じです。
(注2)「PML(Probable Maximum Loss)」は、最大予想損失率と訳されます。これは、「対象施設あるいは施設群に対し最大の損失をもたらす地震が発生し、その場合の90%信頼性水準に相当する物的損失額」と定義されています。実際には、PMLとして再現期間475年の地震を用いることが多く、この地震が発生した場合の物的損害額(90%信頼水準)の再調達価格に対する割合で表されます。以下同じです。
(ホ)環境・地質
本投資法人は、原則として環境有害物質が検出されず、又は土壌汚染調査基準値(注)を超えない物件を投資対象とし、下表の内容に基づき判断するものとします。但し、土壌汚染において当該基準値を超える投資物件であっても、対処方法を含め専門家意見を踏まえた上で、周辺環境に与える影響、人的な影響、経済的な影響等が極めて低いと判断され、かつポートフォリオの収益の安定に寄与すると判断されれば、当該物件の取得を検討する場合があります。
(注)「土壌汚染調査基準値」とは、土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に定める数値をいいます。
| 項目 | 内容 |
| 環境有害物質 | アスベスト、PCB等の有害物質が土地・建物から検出されないこと、又は適正に管理されて有害物質による影響が排除されていることを取得の前提とします。有害物質の存在が確認され、対応する費用が発生すると想定される場合には、これらの費用を勘案し取得価格を調整するものとします。 |
| 土壌汚染 | 当該敷地が、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第6条第1項で定義されている指定区域に該当する場合には、投資対象から除外します。土壌調査から土壌汚染の存在が確認され、対応する費用が発生すると想定される場合には、これらの費用及び売却する場合の価格等を勘案し取得価格を調整するものとします。 |
(ヘ)権利形態
本投資法人は、原則として完全所有権の物件を投資対象とします。
但し、区分所有物件、共有物件等についても、物件の処分及び運営管理における意思決定権が確保できていることを前提とし、収益の安定性、物件特性、市場環境等を総合的に勘案の上、投資を行う場合があります。
また、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権に対する投資を可能とします。
(ト)未稼働物件及び低稼働物件への投資
本投資法人は、原則として安定した収益を生み出している物件を投資対象としており、原則として取得時点における賃料負担力(注1)が1.2倍を上回る物件、かつ高齢者施設・住宅においては、取得時点における入居率(注2)がオペレーターの財務、事業等の状況に応じた基準を上回る物件を投資対象とします。竣工前の物件への投資は原則として行いません。但し、オペレーターの活動状況、及び物件の競争環境等から合理的に判断可能な入居率及び賃料負担力、オペレーターの信用力、並びに分配金に与える影響等を総合的かつ慎重に検討した上で、将来的に安定した収益を生み出すと判断される場合は投資を行う場合があります。
(注1)「賃料負担力」とは、投資対象資産のEBITDARを賃料で除した倍率をいいます。「EBITDAR」とは、投資対象資産における営業利益に、減価償却費及び賃料を加えた値をいいます。但し、オペレーターがファイナンスリースとして会計処理している場合には、リース料相当額を考慮します。なお、営業利益はオペレーターから開示された直近の値を用います。
(注2)「入居率」とは、高齢者施設・住宅を利用又は賃借している利用者又は入居者の人数の合計を当該施設の定員数で除した値とします。
(チ)フォワード・コミットメント
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
・売買契約等に規定される解約条件等の内容及びフォワード・コミットメントを履行できない場合の財務への影響を確認するものとします。
・物件取得時の開示において解約条件等を適切に開示するものとします。
・取得を決定する時点までに資金の調達方法及び実現性を十分に検証するものとします。
・決済・物件引渡の前に投資法人の決算期末を迎えた場合は、不動産鑑定評価を行い、結果を開示するものとします。
⑤ デューデリジェンス
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、売主からの開示情報のみならず、独立した第三者である専門家から不動産鑑定評価書、エンジニアリング・レポート及び環境調査報告書並びに必要に応じて法務調査報告書等を取得し、また原則として外部の調査会社からマーケットレポートを取得することで、客観性及び透明性を確保するとともに、高齢者施設・住宅においては、以下に掲げる項目について適正なデューデリジェンスを行い、資産運用会社が投資の可否を判断します。
| 項目 | 調査事項 | 調査方法 | |
| 経済的 要件 | 取得価格の妥当性 | ・鑑定評価額 | 鑑定評価書 |
| オペレーション状況 | ・入居率 ・賃料負担力 ・収支状況(未償却一時金の状況を含みます。) ・運営状況、運営体制 ・営業戦略・施策 | 売主・オペレーター開示情報 マーケットレポート等 | |
| マーケット動向 | ・周辺地域の交通アクセス、娯楽施設、居住環境、医療機関 ・周辺地域の高齢者人口推移、需要動向 ・周辺地域の法規制、公的助成制度の状況 ・競合施設等の状況及び開発動向 | 資産運用会社による調査 マーケットレポート等 | |
| オペレーター | ・運営施設の規模、業歴 ・運営状況、財務内容 ・コンプライアンス体制、内部管理体制 ・営業戦略(新規開設、入居促進等) ・役職員の状況 ・業界での地位、評判、経営理念 | 資産運用会社による調査 マーケットレポート等 | |
| 物理的 要件 | 投資対象資産の基本情報、設備及び仕様 | ・投資対象資産の概要 ・建物の仕様 ・設備の保有状況 | 売主開示情報 エンジニアリング・レポート 資産運用会社による現地調査 |
| 投資対象資産の管理状況 | ・必要書類の管理状況 ・目視、管理者へのヒアリング ・関連法規の遵守状況 | エンジニアリング・レポート 資産運用会社による現地調査 | |
| 修繕・改修 | ・過去の修繕履歴 ・将来の修繕費用、改修費用の見積り | エンジニアリング・レポート 資産運用会社による現地調査 | |
| 物理的耐用年数 | ・物理的耐用年数 | エンジニアリング・レポート | |
| 環境汚染・有害物質リスク | ・有害物質の汚染、使用、保管状況 ・土地利用履歴 | 環境調査レポート等 | |
| 耐震性能・構造計算 | ・新耐震基準等の充足状況 ・土地利用履歴、液状化発生可能性等 ・PML値 ・構造計算書の改ざん等の有無 | エンジニアリング・レポート 地震診断レポート | |
| 法的 要件 | 権利関係 | ・投資対象資産の権利関係、登記の状況 ・賃貸借契約、信託契約等の契約の状況 ・関係法規の状況 | エンジニアリング・レポート 資産運用会社による調査 |
| 定期点検 | ・建築基準法(注1)及び消防法(注2)等に基づく定期点検の実施状況 | エンジニアリング・レポート | |
| 境界・越境物 | ・境界確定の状況 ・越境物の有無及び状況 | 境界確定書 エンジニアリング・レポート 資産運用会社による調査 | |
| 許認可 | ・施設運営に係る許認可の状況 | 売主・オペレーター開示情報 | |
| 係争、裁判、調停等の状況 | ・係争等の有無、状況、相手方との協定締結の状況 | 資産運用会社による調査 | |
| 取引相手の状況 | ・売主・オペレーターの反社会的勢力の有無、状況 | 資産運用会社による調査(必要に応じて調査会社に依頼) | |
(注1)建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)をいいます。以下同じです。
(注2)消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)をいいます。以下同じです。
⑥ 運営管理方針
本投資法人は、中長期にわたる安定収益確保に主眼を置いて、ヘルスケア施設及びオペレーターのモニタリング、オペレーターへの提案、建物・設備の修繕及び戦略的改修等の運営管理を行います。
(イ)ヘルスケア施設及びオペレーターのモニタリング
本投資法人は、原則として固定賃料による長期の賃貸借契約をテナントであるオペレーターとの間で締結します。この場合においても、賃貸借契約の終了又は解除により収益が低下するリスクがあるため、ヘルスケア施設の運営管理方針・計画及び運営状況並びにオペレーターの状況について定期的に以下の事項のモニタリングに努めます。
a.ヘルスケア施設の運営管理方針・計画
収支計画、管理運営計画、修繕計画
b.ヘルスケア施設の運営状況
入居状況、損益状況、資金収支状況、営業活動状況、事故報告
c.オペレーターの状況
事業報告書、財務諸表、賃料支払状況、ヘルスケア施設運営規模
また、必要に応じて、ヘルスケア施設の運営体制、運営方法・戦略、入居率見通し、近隣競合施設の動向、入居者の入退去理由等をオペレーターにヒアリングします。
(ロ)オペレーターへの提案
本投資法人は、モニタリング結果を踏まえ、ヘルスケア施設の運営状況等を勘案の上、必要に応じて、オペレーターに対して以下の改善策を協議・提案することに努めます。
a.収支の改善
人員体制、価格、サービス内容の見直し
b.入居率の改善
価格の見直し、入居促進の手法・体制
(ハ)プロパティ・マネジメント会社の選定及び管理
本投資法人ではプロパティ・マネジメント業務等については外部の専門業者に委託します。外部委託会社の選定に際しては、コストのみならず提供される業務の質も重視し、特に下記の点に留意するほか、詳細については、資産運用会社において定める「外部委託先管理マニュアル」によるものとします。
なお、本投資法人が本書の日付現在保有するヘルスケア施設のプロパティ・マネジメント会社はすべてAIPヘルスケアジャパンです。同社は、アセットマネジャーとして当該施設を運用してきた実績・知見があり、かかる運用を通じて、当該施設のオペレーターとの関係を構築済であり、オペレーターとの円滑な協働が期待されます。また、資産運用会社との緊密な連携が期待されます。
| 項目 | 留意点 |
| 企業の内容 | ・業務の受託者としての実績 ・ヘルスケア業界の熟知度 ・財務の健全性 |
| 業務執行体制 | ・主要スタッフの専門性 ・関係業務のネットワークの有無 |
| コスト・報酬 | ・必要となるコストの妥当性 ・報酬水準の妥当性 ・金額と業務品質のバランス |
(ニ)修繕工事、設備投資及び戦略的改修工事
a.本投資法人は、賃貸借契約に定められた取得資産に係る修繕・改修費用及び設備更新費用の負担区分に応じて、適切に修繕、改修及び設備更新を実施することで、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、中長期的な収益安定を図ります。
b.修繕工事、設備投資及び戦略的改修工事のための計画を「年次資産管理計画」及び「中期資産管理計画」において立案します。計画の立案に際しては、建物のライフサイクルコスト(注1)を考慮した上で、ポートフォリオ全体において可能な限り特定の時期に改修工事が集中しないように計画します。資本的支出については、減価償却費相当額とのバランス及び費用対効果等を考慮して計画します。また、計画の立案のために、資産運用会社及びプロパティ・マネジメント会社は、各投資対象資産の現地調査を少なくとも年一回実施するものとします。
c.コンストラクション・マネジメント(注2)及びバリュー・エンジニアリング(注3)等の手法を積極的に導入して、効率的な工事計画を立案します。
(注1)「ライフサイクルコスト」とは、建築物の企画設計段階、建設段階、運用管理段階及び解体再利用段階の各段階のコストの総計のことをいいます。
(注2)「コンストラクション・マネジメント」とは、コンストラクション・マネージャーを選定して、スケジュール、コスト、品質をコントロールしてプロジェクトを円滑に管理・遂行することをいいます。
(注3)「バリュー・エンジニアリング」とは、設計、施工方法等を総合的に見直して費用対効果を最大化することを目指す手法をいいます。
⑦ 付保方針
(イ)損害保険
火災・事故等に起因する建物への損害又は対人・対物事故に関する第三者からの損害賠償請求等に対処するため、必要な火災保険又は賠償責任保険等を付保します。
(ロ)地震保険
原則として物件単体のPMLの値が15%以下の投資対象資産を投資対象としますが、例外的に15%を超える投資対象資産に投資を行う場合においては、15%を超える部分に対して地震保険の付保等の必要な措置をとるものとします。
(ハ)引受保険会社
引受保険会社の選定に際しては、保険代理店又は保険ブローカーを通じて、複数の条件等を検討します。
⑧ 売却方針
投資対象資産については中長期保有を原則とします。但し、投資対象資産の収支及び価値、並びに不動産売買・賃貸マーケットの状況及び予測を総合的に勘案の上、最適なポートフォリオの維持のために必要であると判断した場合、又は投資主の利益の最大化に資すると判断した場合、以下に掲げる方針に従い、投資対象資産の売却を行います。また、他の投資案件に付随して本投資法人の投資基準を満たさない投資対象資産を取得した場合には、短期間での売却を検討する場合があります。
(イ)売却価格
投資対象資産の売却価格の決定に際しては、マーケット調査、取引事例などを十分考慮し、合理的に決定します。また、必要に応じて鑑定評価書若しくは価格調査書等の取得による第三者意見を参考にします。
(ロ)売却方法
売却に際しては、当該投資対象資産の将来にわたる収益性、売却資産の個別性、市場動向等を総合的に勘案し、相対取引・入札等の方法により売却先を決定するものとします。
⑨ 大和証券グループ本社との業務協力
(イ)情報提供に関する協力
大和証券グループ本社は、物件に関する情報、その他資産運用会社又は本投資法人にとって有用な情報を提供します。
(ロ)人材に関する相互的な業務協力
大和証券グループ本社は、資産運用会社の独自性を尊重しつつ、その不動産ファンド運用管理のノウハウを資産運用会社において承継、かつ発展させるため、資産運用会社及び本投資法人の成長に伴い必要とされる人材の確保に関し、資産運用会社に協力します。
(ハ)ブリッジファンド組成等に関する協力
大和証券グループ本社は本投資法人への売却を前提として物件等への投資を行うファンド(ブリッジファンド)の組成等に協力を行います。
(ニ)スポンサー・サポート契約
資産運用会社は、大和証券グループ本社とスポンサー・サポート契約を締結し、同社より業務協力を受けます。
(ホ)投資対象不動産の取得に関する業務協力
a.大和証券グループ本社は、本投資法人の投資方針及び投資基準に概ね合致する物件情報、その他本投資法人の資産運用に有用な情報を提供します。
b.資産運用会社は、提供された物件情報をもとに物件取得の可能性を検討します。
⑩ 財務方針
本投資法人は、安定収益の実現、運用資産の着実な成長及び効率的な運用を図るために、以下に掲げる方針に従い、資金の調達及び運用を行います。
(イ)投資口の追加発行
投資口の追加発行は、新たに取得する不動産の取得時期、総資産に対する有利子負債の比率(以下「LTV」といいます。)、経済市況等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。
(ロ)借入れ及び投資法人債の発行
a.LTVの水準は、資金余力の確保に留意した設定とし、原則として60%を上限とします。但し、新たな投資対象資産の取得、及びリファイナンス・リスクの軽減等のために、一時的に60%を超えることができるものとします。
b.安定的な財務基盤を構築し、将来の成長戦略を支えるため、有力金融機関とのいわゆるメインバンク体制を確立しつつ、借入先の分散、投資法人債の発行等による資金調達先の多様化にも積極的に取り組みます。なお、借入先は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第2条第3項第1号に定める適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものとします。
c.借入れに際しては、借入コスト、借入期間、担保提供の要否等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、金利動向、マーケット水準、財務の機動性及び安全性、並びに借入先構成等のバランスを考慮しつつ諸条件を総合的に検討した上で、適切な資金調達を行います。
d.金利上昇リスク及びリファイナンス・リスクを軽減するため、調達期間の長期化、金利の固定化、返済期日の分散及び柔軟性の高い財務制限条項の導入等を必要に応じて検討します。
e.各種必要資金を機動的に調達するために、コミットメントライン及び極度貸付枠等の融資枠の確保を必要に応じて検討します。
(ハ)資金管理
a.本投資法人は、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる修繕及び資本的支出、本投資法人の運転資金、債務の返済並びに分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案の上、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b.上記の現預金は、原則として無利息型の普通預金口座(預金保険制度により全額保護の対象となる預金)又はムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(ムーディーズ・ジャパン株式会社を含みます。)の短期格付がP-2以上、S&Pグローバル・レーティング(S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社を含みます。)の短期格付がA-2以上、株式会社格付投資情報センターの短期格付がa-2以上若しくは株式会社日本格付研究所の短期格付がJ-2以上である銀行に開設した無利息型の普通預金口座以外の普通預金口座に預け入れます。
c.本投資法人は、減価償却費相当額のうち、上記a.にて現預金として留保した後の残額を、本投資法人を取り巻く経済環境及び不動産市場の動向、並びに本投資法人の保有資産の状況及び財務状況等を総合的に勘案の上、毎計算期間における減価償却費の40%を上限として、毎期継続的に、投資主への利益を超える金銭の分配に充当し、効率的な資金管理を図ります。
d.余剰資金は、安全性及び流動性の高い有価証券及び金銭債権へ投資を行う場合があります。
e.デリバティブ取引(投信法第2条第6項)は、本投資法人の負債に起因する金利変動リスクをヘッジすることを目的とした運用に限定します。
⑪ 資産管理計画の策定
(イ)年次資産管理計画
年次資産管理計画は、各計算期間の開始後45日までを目処に、対象期間を1年間(当該計算期間及び翌計算期間)とし、概ね以下に掲げる内容を記載したものを策定し、計画的な資産運用を行う指針とします。
a.物件の取得及び売却に関する計数計画
b.保有物件の賃貸事業に関する計数計画
c.保有物件の修繕・資本的支出に関する計数計画
d.有利子負債の調達及び返済に関する計数計画
e.過去の運用状況に関する分析
f.経済要因(経済情勢、財政状況、金融・不動産市場動向)、社会要因(高齢者人口・要介護認定者推移)及び行政要因(介護・医療保険制度、ヘルスケア施設の供給規制)に関する分析
(ロ)中期資産管理計画
中期資産管理計画は、対象期間を5年間として、概ね以下に掲げる内容を記載したものを策定し、ポートフォリオの構築のための指針とします。
なお、中期資産管理計画は、原則として年に一度以上策定するものとします。
a.物件の取得及び売却に関する計数計画
b.保有物件の賃貸事業に関する計数計画
c.保有物件の修繕・資本的支出に関する計数計画
d.有利子負債の調達及び返済に関する計数計画
(ハ)資産管理計画書
資産管理計画書には、投信協会の「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」に定める内容等を記載します。
なお、資産管理計画書は、原則として年に一度以上策定するものとします。
⑫ 情報開示方針
本投資法人は、投資主、地域社会等のあらゆるステークホルダーの本投資法人に対する理解を促進し、その適正な評価のために、本投資法人及び資産運用会社に関する重要な情報(財務的・社会的・市場環境的側面の情報を含みます。)の公正かつ適時適切な開示を行います。
また、金融商品取引法、投信法、会社法、その他の法令、並びに東京証券取引所及び投信協会が定める規程及び規則を遵守するとともに、内容的にも時間的にも公平な開示に努めます。
情報開示については、説明会、電話会議、インターネット、各種印刷物をはじめとする様々な情報伝達手段を活用し、より多くの投資家に分かり易い開示を行うよう努めます。
(イ)情報開示方針
法定開示事項並びに東京証券取引所及び投信協会が定める事項の開示だけではなく、投資主に対して重要かつ有用な情報をできる限り開示することにより、資産運用についての説明責任を十分に果たすよう努めます。
(ロ)開示の方法
法令に基づく開示について法令に従った開示の方法によるほか、東京証券取引所の適時開示情報伝達システム(TDnet)への登録及び記者クラブへの開示資料の配布を行います。加えて、開示資料を本投資法人のホームページに掲載します。
⑬ 利害関係人との取引についての指針
利害関係人との取引については、資産運用会社において定める「利益相反対策ルール」(その概要については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利益相反対策ルール」をご参照下さい。)に基づき行います。
⑭ 環境方針
本投資法人は、「環境方針」を定め、それに従うものとし、社会的な責任として、環境保全・環境負荷削減等に努めるものとします。なお、実施に際しては、費用対効果を十分に検討するものとします。